農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律

法律第五号(平二・三・三〇)

 (農林漁業金融公庫法の一部改正)

第一条 農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号)の一部を次のように改正する。

  第十八条第一項中「法人」の下に「(これらの者又は地方公共団体が主たる構成員若しくは出資者となつているか又は基本財産の額の過半を拠出している法人で農林漁業の振興を目的とするものを含む。)」を加え、同項第一号の二中「土地を含む)」の下に「。次号において同じ」を加え、同号の次に次の二号を加える。

  一の二の二 農地又は採草放牧地についての賃借権その他の所有権以外の使用及び収益を目的とする権利の取得に必要な資金であつて主務大臣の指定するもの

  一の二の三 農業経営の規模の拡大に伴い必要な資金であつて主務大臣の指定するもの

  第十八条の三の次に次の一条を加える。

 第十八条の四 公庫は、第十八条第一項、第四項及び第五項、第十八条の二第一項並びに前条第一項に規定する業務のほか、次の各号に掲げる者に対し、それぞれ当該各号に掲げる資金であつて他の金融機関が融通することを困難とするもののうち主務大臣の指定するものの貸付けの業務を行うことができる。

  一 指定地域内において生産される農林畜水産物(以下「指定地域農林畜水産物」という。)を原料若しくは材料として使用する製造若しくは加工の事業又は指定地域農林畜水産物若しくはその加工品の販売の事業であつて、新商品若しくは新技術の研究開発若しくは利用、需要の開拓又は事業の合理化(以下「新商品の研究開発等」という。)が行われることにより、指定地域農林畜水産物の加工の増進又は流通の合理化が図られ、指定地域における農林漁業の振興に資すると認められるものを営む者 当該新商品の研究開発等を行うのに必要な製造、加工又は販売のための施設の改良、造成又は取得その他当該新商品の研究開発等を行うのに必要な長期かつ低利の資金

  二 指定地域内において、農地、森林その他の農林漁業資源を公衆の保健の用に供するための施設であつて農林漁業の振興に資するものを設置する者 当該施設の改良、造成又は取得その他当該施設の設置に必要な長期かつ低利の資金

 2 前項の「指定地域」とは、地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域であつて、農業の健全な発展を図るためには、農業の振興と併せて林業又は漁業の振興を総合的に推進することが特に必要であり、かつ、そのためには、その地域で生産される農林畜水産物の加工の増進及び流通の合理化を図り、又はその地域に存在する農地、森林その他の農林漁業資源の総合的な利用を促進することが必要かつ効果的と認められる地域として主務大臣の指定するものをいう。

 3 第一項に規定する資金の貸付けの利率、償還期限及び据置期間は、別表第一の範囲内で公庫が定める。

  第二十五条第一項中「左の」を「次の」に、「よる外」を「よるほか」に改め、同項第一号中「国債」の下に「、地方債、政府保証債(その元本の償還及び利息の支払について政府が保証する債券をいう。)又は銀行、農林中央金庫、商工組合中央金庫若しくは全国を地区とする信用金庫連合会の発行する債券」を加え、同項に次の一号を加える。

  三 銀行又は農林中央金庫への預金

  第三十五条中「三万円」を「十万円」に改める。

  第三十六条中「左の場合においては」を「次の各号の一に該当する場合には」に、「三万円」を「十万円」に改め、同条第三号中「第十八条の三」を「第十八条の四」に改める。

  第三十七条中「一万円」を「五万円」に改める。

  附則第十項を次のように改める。

 10 政府は、農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律(平成二年法律第五号)の施行の日から五年以内に、第十八条の四の規定の施行の状況を勘案し、同条第一項に規定する業務の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

  附則第二十三項中「並びに第十八条の三第一項」を「、第十八条の三第一項並びに第十八条の四第一項」に改める。

  附則第二十五項中「政令で」を「主務大臣の」に、「とする」を「と、「年四分五厘」とあるのは「年四分五厘以内で主務大臣の定める利率」とする」に改める。

  別表第一中「第十八条の三関係」を「第十八条の四関係」に改め、同表の第一号(八)の据置期間の欄中「三年」を「八年」に改め、同号(九)の償還期限の欄中「十八年」を「二十五年」に改め、同号(九)の据置期間の欄中「三年」を「八年」に改め、同表の第三号の次に次のように加える。

四 第十八条の四第一項に規定する資金

年八分五厘

十五年

三年

 別表第二の第一号の次に次のように加える。

一の二 農業経営の改善を図るため経営面積(農業経営の用に供する農地又は採草放牧地の面積をいう。以下同じ。)の拡大を促進することが特に必要と認められるものとして主務大臣の指定する農業部門において、経営面積の拡大とその拡大後の農業経営の効率化を総合的かつ計画的に推進するのに必要な資金であつて、第十八条第一項第一号、第一号の二、第一号の二の二、第一号の二の三又は第八号に掲げるもののうち、主務大臣の指定するもの

年 三分五厘(第十八条第一項第一号の二の二及び第一号の二の三に掲げる資金については、年五分)

二十五年

三年

 (農業信用保証保険法の一部改正)

第二条 農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)の一部を次のように改正する。

  第二条第三項中「改善」の下に「又は農家経済の安定」を加える。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、平成二年四月一日から施行する。

 (経過措置)

2 この法律の施行前に農林漁業金融公庫が締結した貸付契約に係る貸付金についての貸付けの利率については、なお従前の例による。

3 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部改正)

4 原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律(昭和五十二年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。

  第一項中「第十八条の三第一項」の下に「、第十八条の四第一項」を加える。

 (特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部改正)

5 特定農産加工業経営改善臨時措置法(平成元年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。

  第五条第一項中「第十八条の三第一項」の下に「、第十八条の四第一項」を加える。

(大蔵・農林水産・内閣総理大臣署名) 

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