海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律

法律第六十二号(平一九・五・三〇)

 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第四章 海洋施設及び航空機からの油、有害液体物質及び廃棄物の排出の規制(第十八条−第十九条の二の二)」を

第四章 海洋施設及び航空機からの油、有害液体物質及び廃棄物の排出の規制(第十八条−第十八条の六)

 
 

第四章の二 油、有害液体物質等及び廃棄物の海底下廃棄の規制(第十八条の七−第十九条の二)

に、「第四章の二」を「第四章の三」に、「第四章の三」を「第四章の四」に、「第四章の四」を「第四章の五」に改める。

 第一条中「排出すること」の下に「、海底の下に油、有害液体物質等及び廃棄物を廃棄すること」を加える。

 第二条第一項中「廃棄物の排出」の下に「、油、有害液体物質等又は廃棄物の海底下廃棄」を加える。

 第三条中第七号の二を第七号の三とし、第七号の次に次の一号を加える。

 七の二 海底下廃棄 物を海底の下に廃棄すること(貯蔵することを含む。)をいう。

 第三条第十号中「油」の下に「、有害液体物質」を加え、「を排出する」を「の排出又は海底下廃棄をする」に改める。

 第九条の六に次の二項を加える。

5 未査定液体物質のうち、第一議定書締約国間において海洋環境の保全の見地から有害であると合意されて輸送される物質であつて、当該物質の輸送に関し政令で定める要件に該当するものについては、当該物質を有害液体物質とみなして、第九条の二から前条までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用し、前各項の規定は適用しない。

6 未査定液体物質のうち、第一議定書締約国間において海洋環境の保全の見地から有害でないと合意されて輸送される物質であつて、当該物質の輸送に関し政令で定める要件に該当するものについては、第一項から第四項までの規定は、適用しない。

 第十条第二項第七号中「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(以下「海洋投棄規制条約」という。)」を「千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書」に改める。

 第十九条を第十八条の四とし、第十九条の二を第十八条の五とし、第十九条の二の二を第十八条の六とする。

 第四章の四を第四章の五とする。

 第十九条の二十六の見出し中「油、有害液体物質等及び廃棄物」を「油等」に改め、同条第一項中「油、有害液体物質等又は廃棄物(以下この条において「油等」という。)」を「油等」に改め、同項ただし書中「船舶において、」を「船舶若しくは海洋施設の安全を確保し、若しくは人命を救助するために油等の焼却をする場合又は船舶において」に改め、同条第五項第二号中「(海洋投棄規制条約の規定のうち廃棄物その他の物の海洋における焼却の規制に関する規定が効力を生じていない締約国を除く。以下同じ。)」を削る。

 第四章の三を第四章の四とし、第四章の二を第四章の三とし、第四章の次に次の一章を加える。

   第四章の二 油、有害液体物質等及び廃棄物の海底下廃棄の規制

 (油、有害液体物質等及び廃棄物の海底下廃棄の禁止)

第十八条の七 何人も、油、有害液体物質等又は廃棄物(以下この条、第十九条の二十六及び第五十五条第一項第六号において「油等」という。)の海底下廃棄をしてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する海底下廃棄については、この限りでない。

 一 海底及びその下における鉱物資源の掘採に伴い発生する油等の海底下廃棄であつて、海底下廃棄をする海域及び海底下廃棄の方法に関し政令で定める基準に従つてするもの

 二 二酸化炭素が大部分を占めるガスで政令で定める基準に適合するもの(以下「特定二酸化炭素ガス」という。)の海底下廃棄であつて、次条第一項の許可を受けてするもの

 (特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄の許可)

第十八条の八 特定二酸化炭素ガスの海底 下廃棄をしようとする者は、環境大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつてはその代表者の氏名及び住所

 二 特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄に関する実施計画

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 三 特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄をする海域の特定二酸化炭素ガスに起因する汚染状況の監視(次条第三号及び第十八条の十において単に「汚染状況の監視」という。)に関する計画

 四 その他環境省令で定める事項

 (許可の基準)

第十八条の九 環境大臣は、前条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

 一 海底下廃棄をする海域及び海底下廃棄の方法が、環境省令で定める基準に適合するものであり、かつ、当該海底下廃棄をする海域の海洋環境の保全に障害を及ぼすおそれがないものであること。

 二 海底下廃棄以外に適切な処分の方法がないものであること。

 三 申請者の能力が特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄に関する実施計画及び汚染状況の監視に関する計画に従つて特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄及び汚染状況の監視を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。

 (改善命令等)

第十八条の十 環境大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、第十八条の八第一項の許可を受けた者(以下「許可廃棄者」という。)に対し、期限を定めて当該海底下廃棄若しくは当該汚染状況の監視につき必要な改善を命じ、又は期間を定めて当該海底下廃棄の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第十八条の八第一項の許可に係る海底下廃棄が、当該許可に係る同条第二項第二号の実施計画(この計画について第十八条の十二において準用する第十条の十第一項の許可を受けたときは、変更後のもの)に適合していないと認めるとき。

 二 第十八条の八第一項の許可に係る汚染状況の監視が、当該許可に係る同条第二項第三号の監視に関する計画(この計画について第十八条の十二において準用する第十条の十第一項の許可を受けたときは、変更後のもの)に適合していないと認めるとき。

 三 許可廃棄者の能力が前条第三号に規定する環境省令で定める基準に適合していないと認めるとき。

 (許可の取消し)

第十八条の十一 環境大臣は、許可廃棄者が次の各号のいずれかに該当するときは、第十八条の八第一項の許可を取り消すことができる。

 一 この法律に違反したとき。

 二 前条の規定による命令に違反したとき。

 三 前号に掲げるもののほか、この法律に基づく処分に違反したとき。

 四 次条において準用する第十条の七第一号又は第三号に該当するに至つたとき。

 五 偽りその他不正の行為により第十八条の八第一項の許可又は次条において準用する第十条の十第一項の許可を受けたとき。

 (準用)

第十八条の十二 第十条の六第三項から第七項まで、第十条の七、第十条の八第二項、第十条の九及び第十条の十の規定は、第十八条の八第一項の許可について準用する。この場合において、第十条の六第三項中「前項」とあるのは「第十八条の八第二項」と、「当該廃棄物の海洋投入処分」とあるのは「特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄」と、同条第四項中「第二項」とあるのは「第十八条の八第二項」と、同条第五項中「廃棄物の排出」とあるのは「特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄」と、第十条の七第二号中「第十条の十一」とあるのは「第十八条の十一」と、第十条の九第一項中「同条第二項第四号」とあるのは「第十八条の八第二項第三号」と、「廃棄物の排出海域の」とあるのは「特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄をする海域の特定二酸化炭素ガスに起因する」と、第十条の十第一項中「同条第二項第二号」とあるのは「第十八条の八第二項第二号」と、同条第三項中「及び第十条の八」とあるのは「、第十条の八第二項及び第十八条の九」と、同条第四項中「同条第二項第一号」とあるのは「第十八条の八第二項第一号」と読み替えるものとする。

 (合併及び分割)

第十八条の十三 許可廃棄者である法人の合併の場合(許可廃棄者である法人と許可廃棄者でない法人が合併する場合において、許可廃棄者である法人が存続するときを除く。)又は分割の場合(当該許可に係る海底下廃棄の事業の全部を承継させる場合に限る。)において当該合併又は分割について環境大臣の承認を受けたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該事業の全部を承継した法人は、許可廃棄者の地位を承継する。

2 第十条の七及び第十八条の九(第三号に係る部分に限る。)の規定は、前項の承認について準用する。この場合において、第十条の七第二号中「第十条の十一」とあるのは「第十八条の十一」と、「前条第一項」とあるのは「第十八条の八第一項」と、第十八条の九第三号中「申請者」とあるのは「合併後存続する法人若しくは合併により設立される法人又は分割により当該許可に係る海底下廃棄の事業の全部を承継する法人」と読み替えるものとする。

 (相続)

第十八条の十四 許可廃棄者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により当該許可に係る海底下廃棄の事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下同じ。)が当該許可に係る海底下廃棄の事業を引き続き行おうとするときは、その相続人は、被相続人の死亡後六十日以内に環境大臣に申請して、その承認を受けなければならない。

2 相続人が前項の承認の申請をした場合においては、被相続人の死亡の日からその承認を受ける日又は承認をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした第十八条の八第一項の許可は、その相続人に対してしたものとみなす。

3 第十条の七(第三号に係る部分を除 く。)及び第十八条の九(第三号に係る部分に限る。)の規定は、第一項の承認について準用する。この場合において、第十条の七第二号中「第十条の十一」とあるのは「第十八条の十一」と、「前条第一項」とあるのは「第十八条の八第一項」と読み替えるものとする。

4 第一項の承認を受けた相続人は、被相続人に係る許可廃棄者の地位を承継する。

 (指定海域の指定等)

第十八条の十五 環境大臣は、特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄がされた海域であつて、海底及びその下の掘削その他の海底及びその下の形質の変更が行われることにより当該特定二酸化炭素ガスに起因する海洋環境の保全上の障害が生ずるおそれがあるものとして政令で定めるものを指定海域として指定するものとする。

2 環境大臣は、前項の指定をするときは、環境省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

3 第一項の指定は、前項の公示によつてその効力を生ずる。

4 環境大臣は、海底の下にある特定二酸化炭素ガスの除去等により、指定海域の全部又は一部について第一項の指定の事由がなくなつたと認めるときは、当該指定海域の全部又は一部について同項の指定を解除するものとする。

5 第二項及び第三項の規定は、前項の解除について準用する。

 (指定海域台帳)

第十九条 環境大臣は、指定海域の台帳 (以下この条において「指定海域台帳」という。)を調製し、これを保管しなければならない。

2 指定海域台帳の記載事項その他その調 製及び保管に関し必要な事項は、環境省令で定める。

3 環境大臣は、指定海域台帳の閲覧を求 められたときは、正当な理由がなければ、これを拒むことができない。

 (海底及びその下の形質の変更の届出及 び計画変更命令)

第十九条の二 指定海域内において海底及 びその下の形質の変更をしようとする者は、当該海底及びその下の形質の変更に着手する日の三十日前までに、環境省令で定めるところにより、当該海底及びその下の形質の変更 の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他環境省令で定める事項を環境大臣に届け出なければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する行為については、この限りで ない。

 一 第十八条の八第一項の許可に係る海 底下廃棄に必要な行為

 二 第十八条の十の規定による命令に基 づく改善措置として行う行為

 三 通常の管理行為、軽易な行為その他 の行為であつて、環境省令で定めるもの

 四 指定海域が指定された際既に着手し ていた行為

 五 非常災害のために必要な応急措置として行う行為

2 指定海域が指定された際当該指定海域内において既に海底及びその下の形質の変更に着手している者は、その指定の日から起算して十四日以内に、環境省令で定めるところにより、環境大臣にその旨を届け出なければならない。

3 指定海域内において非常災害のために必要な応急措置として海底及びその下の形質の変更をした者は、当該海底及びその下の形質の変更をした日から起算して十四日以内に、環境省令で定めるところにより、環境大臣にその旨を届け出なければならない。

4 環境大臣は、第一項の届出があつた場合において、その届出に係る海底及びその下の形質の変更の施行方法が環境省令で定める基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から三十日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る海底及びその下の形質の変更の施行方法に関する計画の変更を命ずることができる。

 第四十八条第二項中「第十八条の二第一 項」の下に「、第十八条の八第一項」を、「海洋投入処分」の下に「、特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄」を加え、同条第三項中「廃棄物の排出」の下に「、海底下廃棄」を加え、同条第六項中「第十八条の二第一項」の下に「、第十八条の八第一項」を加える。

 第五十一条中「放出の防止」の下に「、特定二酸化炭素ガスの処分」を加える。

 第五十五条第一項第四号中「第十八条の二第三項」の下に「、第十八条の十二」を、「第十八条の二第一項」の下に「、第十八条の八第一項」を加え、同項中第十二号を第十四号とし、第六号から第十一号までを二号ずつ繰り下げ、第五号の次に次の二号を加える。

 六 第十八条の七の規定に違反して、油等の海底下廃棄をした者

 七 第十八条の十の規定による命令に違反した者

 第五十六条中第八号を第九号とし、第三号から第七号までを一号ずつ繰り下げ、第二号の次に次の一号を加える。

 三 第十九条の二第四項の規定による命令に違反した者

 第五十七条第二号中「第十九条の二第一項」を「第十八条の五第一項」に改め、同条第四号中「第十八条の二第三項」の下に「、第十八条の十二」を加え、同条中第十五号を第十六号とし、第六号から第十四号までを一号ずつ繰り下げ、第五号の次に次の一号を加える。

 六 第十九条の二第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 第五十八条第二号中「第十九条第一項」 を「第十八条の四第一項」に、「第十九条の二の二」を「第十八条の六」に改め、同条第三号中「第十九条第二項」を「第十八条の四第二項」に改める。

 第六十条中第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。

 二 第十九条の二第二項又は第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 第六十一条中「第十八条の二第三項」の下に「、第十八条の十二」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書が日本国について効力を生ずる日から施行する。ただし、第三条第十号の改正規定(「油」の下に「、有害液体物質」を加える部分に限る。)並びに第九条の六及び第十九条の二十六第一項ただし書の改正規定並びに附則第四条の規定は、公布の日から施行する。

 (特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄に係る経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄をしている者は、この法律の施行の日から起算して六月間(当該期間内にこの法律による改正後の海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(以下「新法」という。)第十八条の八第一項の許可の申請について不許可の処分があったときは、当該処分のあった日までの間)は、新法第十八条の七及び第十八条の八第一項の規定にかかわらず、引き続き当該海底下廃棄をすることができる。その者がその期間内に同項の許可の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について許可又は不許可の処分があるまでの間も、同様とする。

2 前項の規定により引き続き特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄をする場合においては、その者を新法第十八条の八第一項の許可を受けた者とみなして、新法第十八条の十、新法第十八条の十二において読み替えて準用する新法第十条の九並びに新法第四十八条第二項及び第六項の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、新法第十八条の十中「次の各号のいずれかに該当する」とあるのは「海底下廃棄をする海域及び海底下廃棄の方法が、環境省令で定める基準に適合せず、又は当該海底下廃棄をする海域の海洋環境の保全に障害を及ぼすおそれがあると認める」と、新法第十八条の十二において読み替えて準用する新法第十条の九第一項中「環境省令で定めるところにより、当該許可に係る第十八条の八第二項第三号の監視に関する計画(この計画について次条第一項の許可を受けたときは、変更後のもの)」とあるのは「環境省令で定める基準」とする。

 (罰則に関する経過措置)

第三条 この法律の施行前にしたこの法律 による改正前の海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第十条第一項の違反行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第五条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)

第六条 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(平成十八年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。

  第五十七条の改正規定中「同条第十一号」を「同条第十二号」に改める。

  附則第一条第三号中「第五十七条第十一号」を「第五十七条第十二号」に改める。

(国土交通・環境・内閣総理大臣署名) 

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