土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律

法律第二十四号(平一一・三・三一)

 土地の再評価に関する法律(平成十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

 第五条及び第六条中「二年」を「三年」に改める。

 第七条中「を再評価差額金として、政令で定めるところにより、貸借対照表」を「(次項において「再評価差額」という。)のうち法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金に相当する金額(以下、当該再評価を行った事業用土地の再評価額が当該事業用土地の再評価の直前の帳簿価額を上回る場合には「再評価に係る繰延税金負債の金額」と、当該再評価を行った事業用土地の再評価額が当該事業用土地の再評価の直前の帳簿価額を下回る場合には「再評価に係る繰延税金資産の金額」という。)を、当該再評価を行った事業用土地の再評価額の総額が当該事業用土地の再評価の直前の帳簿価額の総額を上回る場合には貸借対照表の負債の部に、当該再評価を行った事業用土地の再評価額の総額が当該事業用土地の再評価の直前の帳簿価額の総額を下回る場合には貸借対照表の資産の部」に改め、同条に次の二項を加える。

2 前項の場合においては、再評価差額から再評価に係る繰延税金負債の金額を控除した金額又は再評価差額に再評価に係る繰延税金資産の金額を加えた金額を、再評価差額金として、貸借対照表の資本の部に計上しなければならない。

3 再評価に係る繰延税金負債の金額又は再評価に係る繰延税金資産の金額に異動が生ずる場合には、前項の規定により、再評価差額金を計上し直すものとする。

 第七条の次に次の一条を加える。

第七条の二 第三条第一項第一号に掲げる法人である株式会社が前条の規定により再評価差額金を計上した場合において、当該株式会社についての利益の配当の限度額、商法第二百四条ノ三ノ二第五項(同法第二百四条ノ五において準用する場合を含む。)に規定する供託すべき額の限度額、同法第二百十条ノ二第三項に規定する株式の取得価額の総額の限度額、同法第二百十条ノ四第一項及び第二項の純資産額、同法第二百十二条ノ二第三項に規定する株式の取得価額の総額の限度額、同条第五項及び第六項の純資産額、同法第二百九十三条ノ五第一項の金銭の分配の限度額、同条第四項及び第五項の純資産額並びに株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律(平成九年法律第五十五号。以下「株式消却特例法」という。)第三条第五項に規定する株式の取得価額の総額の限度額及び株式消却特例法第三条の二第六項の純資産額を計算するときは、当該再評価差額金の額を控除する。

2 第三条第一項第一号に掲げる法人である相互会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第五項に規定する相互会社をいう。)が前条の規定により再評価差額金を計上した場合において、当該相互会社についての基金利息の支払の限度額及び基金の償却又は剰余金の分配の限度額を計算するときは、当該再評価差額金の額を控除する。

3 第三条第一項第二号から第八号までに掲げる法人が前条の規定により再評価差額金を計上した場合において、当該法人についての剰余金の配当の限度額を計算するときは、当該再評価差額金の額を控除する。

 第八条第二項第一号中「減額した金額」の下に「(当該減額した金額に対応する再評価に係る繰延税金負債の金額を除く。)」を加える。

 第八条の次に次の一条を加える。

 (再評価差額金の取崩しの特例)

第八条の二 株式消却特例法第二条第五号に規定する公開会社は、定款をもって、経済情勢、当該会社の業務又は財産の状況その他の事情を勘案して特に必要があると認めるときは取締役会の決議により再評価差額金をもってその株式を買い受けて消却することができる旨を定めることができる。

2 前項の場合においては、前条第三項の規定にかかわらず、平成十三年三月三十一日までの間に限り、再評価差額金を取り崩し、これをもって株式を買い受けて消却することができる。

3 第一項の規定による再評価差額金をもってする株式の買受けについては、株式消却特例法第三条の二第二項から第六項まで、第四条から第六条まで、第八条及び第九条並びに商法第二百十二条ノ二第五項から第七項までの規定を準用する。この場合において、株式消却特例法第三条の二第三項中「資本準備金及び利益準備金の合計額から資本の四分の一に相当する額を控除した額」とあるのは「再評価差額金(土地の再評価に関する法律(平成十年法律第三十四号)第七条の再評価差額金という。以下同じ。)の額から同法第三条第一項の規定による再評価を行った時の再評価差額金の額(同法第八条第一項又は第二項の規定により取り崩した再評価差額金があるときは、その額を控除した額。第五項において同じ。)の三分の一に相当する金額を控除した額」と、同条第五項中「資本準備金及び利益準備金の合計額から資本の四分の一に相当する額を控除した額」とあるのは「再評価差額金の額から土地の再評価に関する法律第三条第一項の規定による再評価を行った時の再評価差額金の額の三分の一に相当する金額を控除した額」と、株式消却特例法第六条第一項中「第三条第五項又は第三条の二第五項」とあるのは「土地の再評価に関する法律第八条の二第三項において読み替えて準用する第三条の二第五項」と読み替えるものとする。

4 第一項の決議による株式の消却による変更の登記の申請書には、再評価差額金の存在を証する書面を添付しなければならない。

5 第一項の規定による株式の買受けについては、証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十四条の六第一項中「株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律(平成九年法律第五十五号)第三条第一項」とあるのは「株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律(平成九年法律第五十五号)第三条第一項若しくは土地の再評価に関する法律(平成十年法律第三十四号)第八条の二第一項」と、同法第二十七条の二十二の二第一項第一号中「又は株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律第三条第一項」とあるのは「、株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律第三条第一項又は土地の再評価に関する法律第八条の二第一項」と、同法第百六十六条第二項第一号ハ中「若しくは株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律第三条」とあるのは「、株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律第三条若しくは土地の再評価に関する法律第八条の二」と、同条第六項第四号の二中「若しくは株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律第三条の規定」とあるのは「、株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律第三条若しくは土地の再評価に関する法律第八条の二の規定」と、「株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律第三条第一項に規定する取締役会の決議(同条第四項に規定する事項に係るものに限る。)」とあるのは「株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律第三条第一項に規定する取締役会の決議(同条第四項に規定する事項に係るものに限る。)若しくは土地の再評価に関する法律第八条の二第一項に規定する取締役会の決議(同条第三項において準用する株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律第三条の二第四項に規定する事項に係るものに限る。)」と読み替えて、これらの規定を適用する。

6 保険業(保険業法第二条第一項に規定する保険業をいう。)を営む株式会社が第一項の決議による株式の消却を行う場合における同法第十五条第一項の規定の適用については、同項中「若しくは株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律(平成九年法律第五十五号)第三条第一項」とあるのは、「、株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律(平成九年法律第五十五号)第三条第一項若しくは土地の再評価に関する法律(平成十年法律第三十四号)第八条の二第一項」とする。

 第九条第二項中「前条第一項」を「第八条第一項」に改める。

 第十一条第一項中「に係る再評価差額金の取崩し後」を「の売却等による処分の日以後最初に到来する決算期以後」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十一年三月三十一日から施行する。

 (経過措置)

第二条 平成十二年三月三十一日前に到来する決算期において、この法律による改正後の土地の再評価に関する法律第七条第一項に規定する再評価に係る繰延税金負債の金額及び同項に規定する再評価に係る繰延税金資産の金額を計算するための企業会計の基準を採用していない法人の当該決算期に係る再評価差額金については、この法律による改正前の土地の再評価に関する法律の規定を適用することができる。

第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)

第四条 株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律(平成十年法律第十一号)の一部を次のように改正する。

  附則第五条に次の一項を加える。

 3 土地の再評価に関する法律(平成十年法律第三十四号)第八条の二第三項の規定の適用については、新法第三条の二第二項から第六項までの規定及び新法第六条第一項の規定(新法第三条の二第五項に係る部分に限る。)は、第一項の時以後も、なおその効力を有する。

(法務・大蔵・農林水産・労働・内閣総理大臣署名)

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