国土交通省設置法
法律第百号(平一一・七・一六)
目次
第一章 総則(第一条)
第二章 国土交通省の設置並びに任務及び所掌事務
第一節 国土交通省の設置(第二条)
第二節 国土交通省の任務及び所掌事務(第三条・第四条)
第三章 本省に置かれる職及び機関
第一節 特別な職(第五条)
第二節 審議会等
第一款 設置(第六条)
第二款 国土審議会(第七条―第十二条)
第三款 社会資本整備審議会(第十三条)
第四款 交通政策審議会(第十四条)
第五款 運輸審議会(第十五条―第二十六条)
第三節 特別の機関(第二十七条―第二十九条)
第四節 地方支分部局(第三十条―第四十条)
第四章 外局
第一節 設置(第四十一条)
第二節 船員労働委員会(第四十二条―第四十四条)
第三節 気象庁
第一款 任務及び所掌事務(第四十五条―第四十七条)
第二款 地方支分部局(第四十八条―第五十一条)
第四節 海上保安庁(第五十二条)
第五節 海難審判庁(第五十三条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、国土交通省の設置並びに任務及びこれを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するため必要な組織を定めることを目的とする。
第二章 国土交通省の設置並びに任務及び所掌事務
第一節 国土交通省の設置
(設置)
第二条 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基づいて、国土交通省を設置する。
2 国土交通省の長は、国土交通大臣とする。
第二節 国土交通省の任務及び所掌事務
(任務)
第三条 国土交通省は、国土の総合的かつ体系的な利用、開発及び保全、そのための社会資本の整合的な整備、交通政策の推進、気象業務の健全な発達並びに海上の安全及び治安の確保を図ることを任務とする。
(所掌事務)
第四条 国土交通省は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
一 国土計画その他の国土の利用、開発及び保全に関する総合的かつ基本的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
二 国土の利用、開発及び保全に関する基本的な政策に関する関係行政機関の事務の調整に関すること。
三 社会資本の整合的かつ効率的な整備の推進(公共事業の入札及び契約の改善を含む。)に関すること。
四 総合的な交通体系の整備に関すること。
五 都市交通その他の地域的な交通に関する基本的な計画及び地域における交通調整に関すること。
六 土地の使用及び収用に関すること。
七 公共用地取得制度に関すること。
八 公有地の拡大の推進に関する法律(昭和四十七年法律第六十六号)の規定による土地の先買い及び土地開発公社に関する事務を行うこと。
九 国が行う土地の測量、地図の調製及びこれらに関連する業務に関すること。
十 測量業の発達、改善及び調整その他土地の測量及び地図の調製に関すること。
十一 建設業(浄化槽工事業を含む。)の発達、改善及び調整並びに建設工事の請負契約の適正化に関すること。
十二 公共工事の前払金保証事業の発達、改善及び調整に関すること。
十三 不動産業の発達、改善及び調整並びに不動産取引の円滑化及び適正化に関すること。
十四 宅地の供給、造成、改良及び管理に関すること。
十五 海洋の汚染及び海上災害の防止に関すること。
十六 宇宙の開発に関する大規模な技術開発であって、測量その他の国土の管理、航空保安業務の高度化その他の交通の発達及び改善並びに気象業務に係るものに関すること。
十七 貨物流通の効率化、円滑化及び適正化に関する所掌に係る事務に関すること。
十八 倉庫業その他の保管事業の発達、改善及び調整に関すること。
十九 貨物運送取扱事業及び通運計算事業の発達、改善及び調整に関すること。
二十 石油パイプライン事業の発達、改善及び調整に関すること。
二十一 観光地及び観光施設の改善その他の観光の振興に関すること。
二十二 旅行業、旅行業者代理業、通訳案内業その他の所掌に係る観光事業の発達、改善及び調整に関すること。
二十三 ホテル及び旅館の登録に関すること。
二十四 首都圏その他の各大都市圏、東北地方その他の各地方及び北海道のそれぞれの整備及び開発に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
二十五 総合的かつ計画的に実施すべき特定の地域の整備及び開発のための大規模事業に関する関係行政機関の事務の調整に関すること。
二十六 北海道総合開発計画に基づく事業に関する関係行政機関の経費の見積りの方針の調整及び北海道総合開発計画に基づく公共事業に関する関係行政機関の経費の配分計画に関すること。
二十七 総合的かつ計画的に実施すべき特定の地域の整備及び開発のための大規模事業に係る政令で定める事業(北海道総合開発計画に基づくものを除く。)に関する関係行政機関の経費の見積りの方針及び配分計画の調整に関すること。
二十八 地域振興整備公団の行う業務に関すること。
二十九 日本政策投資銀行の行う業務のうち北海道及び東北地方における政令で定めるものに関すること。
三十 地価対策その他土地に関する総合的かつ基本的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
三十一 国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)の規定による土地利用基本計画、土地取引の規制その他土地利用の調整に関すること。
三十二 農住組合の設立及び業務に関すること。
三十三 地価の公示に関すること。
三十四 不動産の鑑定評価に関すること。
三十五 国土調査に関すること。
三十六 水資源開発基本計画その他の水の需給に関する総合的かつ基本的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
三十七 水源地域対策の企画及び立案並びに推進に関すること。
三十八 大都市の機能の改善に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
三十九 首都圏の既成市街地及び近畿圏の既成都市区域への産業及び人口の過度の集中の防止並びに首都圏及び近畿圏の近郊緑地保全区域における近郊緑地の保全に関すること。
四十 国土の総合的かつ体系的な利用、開発及び保全を図る観点からの、地方の振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
四十一 豪雪地帯(豪雪地帯対策特別措置法(昭和三十七年法律第七十三号)第二条第一項に規定する豪雪地帯をいう。)の雪害の防除及び振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
四十二 北方領土隣接地域(北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律(昭和五十七年法律第八十五号)第二条第二項に規定する北方領土隣接地域をいう。)の振興及び住民の生活の安定に関する政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
四十三 アイヌの伝統及びアイヌ文化に関する知識の普及及び啓発に関すること。
四十四 災害が発生した地域及び災害危険区域からの住居の集団的移転を促進する事業の援助及び助成に関すること。
四十五 都市計画及び都市計画事業に関すること。
四十六 土地区画整理事業、市街地再開発事業、民間都市開発事業その他市街地の整備改善に関すること。
四十七 駐車場及び自動車車庫に関すること。
四十八 都市開発資金の貸付けに関する法律(昭和四十一年法律第二十号)の規定による資金の貸付けに関すること。
四十九 都市公園その他の公共空地及び保勝地の整備及び管理(皇居外苑、新宿御苑及び京都御苑にあっては、これらの整備に限る。)に関すること。
五十 都市における緑地の保全及び緑化の推進に関すること。
五十一 市民農園の整備の促進に関すること。
五十二 屋外広告物に関すること。
五十三 古都(明日香村を含む。)における歴史的風土の保存に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
五十四 下水道に関すること。
五十五 河川、水流及び水面の整備、利用、保全その他の管理に関すること。
五十六 水資源の開発又は利用のための施設の整備及び管理に関すること。
五十七 流域における治水及び水利に関する施策の企画及び立案並びに推進に関すること。
五十八 公有水面の埋立て及び干拓に関すること。
五十九 運河に関すること。
六十 砂防に関すること。
六十一 地すべり、ぼた山及び急傾斜地の崩壊並びに雪崩による災害の防止に関すること。
六十二 海岸の整備、利用、保全その他の管理に関すること。
六十三 水防に関すること。
六十四 公共土木施設の災害復旧事業に関する関係行政機関の事務の連絡調整に関すること。
六十五 道路の整備、利用、保全その他の管理(これに関連する環境対策及び交通安全対策を含む。)に関すること。
六十六 有料道路に関する事業に関すること。
六十七 住宅(その附帯施設を含む。)の供給、建設、改良及び管理並びにその居住環境の整備に関すること。
六十八 住宅金融公庫の行う資金の融通及び住宅融資保険に関すること。
六十九 被災地における土地及び建物の権利の保全に関すること。
七十 建築物(浄化槽を含む。)に関する基準に関すること。
七十一 建築士に関すること。
七十二 建築物の質の向上その他建築の発達及び改善に関すること。
七十三 鉄道、軌道及び索道の整備並びにこれらの整備及び運行に関連する環境対策に関すること。
七十四 鉄道、軌道及び索道による運送並びにこれらの事業の発達、改善及び調整に関すること。
七十五 鉄道、軌道及び索道の安全の確保及び運転事故に関すること。
七十六 鉄道、軌道及び索道の用に供する車両、信号保安装置その他の陸運機器の製造、流通及び消費の増進、改善及び調整並びにこれらの陸運機器の製造に関する事業の発達、改善及び調整に関すること。
七十七 道路運送及び道路運送事業の発達、改善及び調整に関すること。
七十八 自動車ターミナルに関すること。
七十九 自動車の登録及び自動車抵当に関すること。
八十 道路運送及び道路運送車両の安全の確保、道路運送車両による公害の防止その他の道路運送車両に係る環境の保全並びに道路運送車両の使用に関すること。
八十一 自動車の整備事業の発達、改善及び調整に関すること。
八十二 軽車両及び自動車用代燃装置の製造、流通及び消費の増進、改善及び調整並びにこれらの製造に関する事業の発達、改善及び調整に関すること。
八十三 道路運送車両並びにその使用及び整備に必要な機械器具及び物資の流通及び消費の増進、改善及び調整に関すること。
八十四 自動車損害賠償責任保険及び自動車損害賠償責任共済に関すること。
八十五 政府の管掌する自動車損害賠償責任再保険事業、自動車損害賠償責任共済保険事業及び自動車損害賠償保障事業に関すること。
八十六 水上運送及び水上運送事業の発達、改善及び調整に関すること。
八十七 港湾運送及び港湾運送事業の発達、改善及び調整に関すること。
八十八 油濁損害賠償保障契約及び油による汚染損害の補償のための国際基金に関すること。
八十九 海事思想の普及及び宣伝に関すること。
九十 船舶のトン数の測度及び登録に関すること。
九十一 船舶の安全の確保並びに船舶による危険物その他の特殊貨物の運送及び貯蔵に関すること。
九十二 造船に関する事業の発達、改善及び調整に関すること。
九十三 船舶、船舶用機関及び船舶用品の製造、修繕、流通及び消費の増進、改善及び調整に関すること。
九十四 実用舶用原子炉及び外国原子力船に設置された原子炉に関する規制に関すること。
九十五 モーターボート競走に関すること。
九十六 船員の労働組合及び労働関係の調整に関すること。
九十七 船員の労働条件、安全衛生その他の労働環境、福利厚生及び災害補償、船内規律並びに船員手帳に関すること。
九十八 船員の失業対策及び船員の職業の紹介、職業の指導、職業の補導その他船員の労務の需給調整に関すること。
九十九 船員の教育及び養成、海技従事者の免許、船舶職員の資格及び定員並びに水先に関すること。
百 船舶の航行の安全の確保及び海洋の汚染の防止に係る外国船舶の監督に関すること。
百一 港湾の整備、利用、保全及び管理に関すること。
百二 航路の整備、保全及び管理に関すること。
百三 国が行う海洋の汚染の防除に関する業務に関すること。
百四 航空運送及び航空に関する事業(航空機及びその装備品の生産(修理については、航空機製造事業者の行うものに限る。)に関するものを除く。)の発達、改善及び調整に関すること。
百五 航空機の登録及び航空機抵当に関すること。
百六 航空機の安全の確保及び航空機の航行に起因する障害の防止並びに航空機の航行の安全の確保に関すること。
百七 航空機及びその装備品の修理及び改造(航空運送事業者又は航空機使用事業者の行う自家修理及びこれに準ずるものに限る。)並びに流通及び消費の増進、改善及び調整に関すること。
百八 航空従事者の教育及び養成並びに航空従事者に関する証明に関すること。
百九 飛行場及び航空保安施設の設置及び管理並びに飛行場の設置及び管理に関連する環境対策に関すること。
百十 航空路、航空交通管制、飛行計画及び航空機の運航に関する情報の提供に関すること。
百十一 航空機に関する事故の調査に関すること。
百十二 官公庁施設の整備(官公庁施設の建設等に関する法律(昭和二十六年法律第百八十一号)第九条の二第一項各号に掲げるものに限る。)並びに官公庁施設に関する基準の設定、指導及び監督に関すること。
百十三 地方公共団体その他政令で定める公共的団体からの委託に基づき、建設工事又は建設工事の設計若しくは工事管理を行うこと。
百十四 所掌事務に係る一般消費者の利益の保護に関すること。
百十五 所掌事務に関する情報化に関すること。
百十六 所掌事務に係る資源の有効な利用の確保に関すること。
百十七 交通安全基本計画(交通安全対策基本法(昭和四十五年法律第百十号)第二十二条第一項に規定する交通安全基本計画をいう。)に係る事項の実施に関する関係行政機関の事務の調整に関すること。
百十八 気象業務に関する基本的な計画の作成及び推進に関すること。
百十九 気象、地象(地震及び火山現象を除く。)及び水象の予報及び警報並びに気象通信に関すること。
百二十 気象、地象、地動、地球磁気、地球電気及び水象並びにこれらに関連する _ ふく射に関する観測並びに気象、地象及び水象に関する情報に関すること。
百二十一 気象測器その他の測器に関すること。
百二十二 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)第五条に規定する事務
百二十三 海難審判法(昭和二十二年法律第百三十五号)第八条の三に規定する事務
百二十四 建設技術、運輸技術及び気象業務に関連する技術に関する研究及び開発並びにこれらの助成並びに建設技術、運輸技術及び気象業務に関連する技術に関する指導及び普及に関すること。
百二十五 所掌事務に係る国際協力に関すること。
百二十六 地震工学に関する研修生(外国人研修生を含む。)の研修並びに政令で定める文教研修施設において所掌事務に関する養成及び研修を行うこと。
百二十七 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき国土交通省に属させられた事務
第三章 本省に置かれる職及び機関
第一節 特別な職
第五条 国土交通省に、技監一人及び国土交通審議官三人を置く。
2 技監は、命を受けて、国土交通省の所掌事務に係る技術を統理する。
3 国土交通審議官は、命を受けて、国土交通省の所掌事務に係る重要な政策に関する事務を総括整理する。
第二節 審議会等
第一款 設置
第六条 本省に、次の審議会等を置く。
国土審議会
社会資本整備審議会
交通政策審議会
運輸審議会
2 前項に定めるもののほか、別に法律で定めるところにより国土交通省に置かれる審議会等で本省に置かれるものは、次の表の上欄に掲げるものとし、それぞれ同表の下欄に掲げる法律(これらに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
名称 |
法律 |
中央建設工事紛争審査会 |
建設業法(昭和二十四年法律第百号) |
中央建設業審議会 |
建設業法 |
土地鑑定委員会 |
地価公示法(昭和四十四年法律第四十九号) |
国土開発幹線自動車道建設会議 |
国土開発幹線自動車道建設法(昭和三十二年法律第六十八号) |
中央建築士審査会 |
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号) |
航空事故調査委員会 |
航空事故調査委員会設置法(昭和四十八年法律第百十三号) |
第二款 国土審議会
(所掌事務)
第七条 国土審議会は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 国土交通大臣の諮問に応じて国土の利用、開発及び保全に関する総合的かつ基本的な政策について調査審議すること。
二 国土総合開発法(昭和二十五年法律第二百五号)、国土利用計画法、首都圏整備法(昭和三十一年法律第八十三号)、首都圏近郊緑地保全法(昭和四十一年法律第百一号)、近畿圏整備法(昭和三十八年法律第百二十九号)、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律(昭和三十九年法律第百四十五号)、近畿圏の保全区域の整備に関する法律(昭和四十二年法律第百三号)、中部圏開発整備法(昭和四十一年法律第百二号)、中部圏の都市整備区域、都市開発区域及び保全区域の整備等に関する法律(昭和四十二年法律第百二号)、東北開発促進法(昭和三十二年法律第百十号)、九州地方開発促進法(昭和三十四年法律第六十号)、四国地方開発促進法(昭和三十五年法律第六十三号)、北陸地方開発促進法(昭和三十五年法律第百七十一号)、中国地方開発促進法(昭和三十五年法律第百七十二号)、北海道開発法(昭和二十五年法律第百二十六号)、土地基本法(平成元年法律第八十四号)、地価公示法、国土調査法(昭和二十六年法律第百八十号)、国土調査促進特別措置法(昭和三十七年法律第百四十三号)、水資源開発促進法(昭和三十六年法律第二百十七号)、低開発地域工業開発促進法(昭和三十六年法律第二百十六号)、新産業都市建設促進法(昭和三十七年法律第百十七号)、工業整備特別地域整備促進法(昭和三十九年法律第百四十六号)及び豪雪地帯対策特別措置法の規定によりその権限に属させられた事項を処理すること。
(組織)
第八条 国土審議会は、次に掲げる者につき国土交通大臣が任命する委員三十人以内で組織する。
一 衆議院議員のうちから衆議院が指名する者 六人
二 参議院議員のうちから参議院が指名する者 四人
三 学識経験を有する者 二十人以内
2 前項第三号に掲げる者につき任命される委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 委員は、再任されることができる。
4 委員は、非常勤とする。
(会長)
第九条 国土審議会に、会長を置き、委員の互選により選任する。
2 会長は、会務を総理し、国土審議会を代表する。
3 国土審議会は、あらかじめ、会長に事故があるときにその職務を代理する委員を定めておかなければならない。
(特別委員)
第十条 特別の事項を調査審議させるため、国土審議会に特別委員を置くことができる。
2 特別委員は、国会議員、当該特別の事項に関係のある地方公共団体の長及び議会の議長並びに当該特別の事項に関し学識経験を有する者のうちから、国土交通大臣が任命する。
3 特別委員は、その者の任命に係る当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。
4 第八条第四項の規定は、特別委員に準用する。
(資料提出の要求等)
第十一条 国土審議会は、その所掌事務を処理するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長その他の関係者に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。
(政令への委任)
第十二条 この款に定めるもののほか、国土審議会の組織及び所掌事務その他国土審議会に関し必要な事項は、政令で定める。
第三款 社会資本整備審議会
第十三条 社会資本整備審議会は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 国土交通大臣の諮問に応じて不動産業、宅地、住宅、建築、建築士及び官公庁施設に関する重要事項を調査審議すること。
二 前号に規定する重要事項に関し、関係行政機関(不動産業及び宅地に関する事項にあっては国土交通大臣、官公庁施設に関する事項にあっては関係国家機関)に意見を述べること。
三 公共用地の取得に関する特別措置法(昭和三十六年法律第百五十号)、建設業法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和四十一年法律第一号)、明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法(昭和五十五年法律第六十号)、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)、治山治水緊急措置法(昭和三十五年法律第二十一号)、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)、住宅建設計画法(昭和四十一年法律第百号)、住宅地区改良法(昭和三十五年法律第八十四号)第二十九条第三項の規定によりその例によることとされる公営住宅法の一部を改正する法律(平成八年法律第五十五号)の規定による改正前の公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成十一年法律第八十一号)及び建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の規定によりその権限に属させられた事項を処理すること。
2 前項に定めるもののほか、社会資本整備審議会の組織、所掌事務及び委員その他の職員その他社会資本整備審議会に関し必要な事項については、政令で定める。
第四款 交通政策審議会
第十四条 交通政策審議会は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 国土交通大臣の諮問に応じて交通政策に関する重要事項を調査審議すること。
二 前号に規定する重要事項に関し、関係各大臣に意見を述べること。
三 観光基本法(昭和三十八年法律第百七号)、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号)、本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和五十六年法律第七十二号)、内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)、造船法(昭和二十五年法律第百二十九号)、臨時船舶建造調整法(昭和二十八年法律第百四十九号)、造船業基盤整備事業協会法(昭和五十三年法律第百三号)、船舶職員法(昭和二十六年法律第百四十九号)、水先法(昭和二十四年法律第百二十一号)、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)、港湾整備促進法(昭和二十八年法律第百七十号)、港湾整備緊急措置法(昭和三十六年法律第二十四号)、広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)、気象業務法(昭和二十七年法律第百六十五号)及び海上交通安全法(昭和四十七年法律第百十五号)の規定によりその権限に属させられた事項を処理すること。
2 前項に定めるもののほか、交通政策審議会の組織、所掌事務及び委員その他の職員その他交通政策審議会に関し必要な事項は、政令で定める。
第五款 運輸審議会
(所掌事務等)
第十五条 運輸審議会は、鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)、軌道法(大正十年法律第七十六号)、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)、海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)、内航海運業法、内航海運組合法(昭和三十二年法律第百六十二号)、港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)、港湾法、航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)及び郵便物運送委託法(昭和二十四年法律第二百八十四号)の規定により同審議会に諮ることを要する事項のうち国土交通大臣の行う処分に係るものを処理する。
2 国土交通大臣は、前項に規定する事項に係る国土交通大臣又はその地方支分部局の長の行う処分についての行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てに対する決定等をする場合には、運輸審議会に諮らなければならない。
3 第一項に規定する事項に係る処分及び前項に規定する決定等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第四号に規定する不利益処分(以下「不利益処分」という。)を除く。)のうち、運輸審議会が軽微なものと認めるものについては、国土交通大臣は、運輸審議会に諮らないでこれを行うことができる。
4 運輸審議会は、第一項に規定する事項に係る処分及び第二項に規定する決定等に関し、職権により、又は利害関係人の申請に基づき、国土交通大臣に対し、必要な勧告をすることができる。
(組織)
第十六条 運輸審議会は、委員六人をもって組織する。
(会長)
第十七条 運輸審議会に、会長を置き、委員の互選により選任する。
2 会長は、会務を総理し、運輸審議会を代表する。
3 運輸審議会は、あらかじめ、会長に事故があるときにその職務を代理する委員を定めておかなければならない。
(委員の任命)
第十八条 委員は、年齢三十五年以上の者で広い経験と高い識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、国土交通大臣が任命する。
2 委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、国土交通大臣は、前項の規定にかかわらず、委員を任命することができる。
3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、国土交通大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。
4 委員は、他の政府職員の職を兼ねてはならない。
(委員の任期)
第十九条 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(委員の罷免)
第二十条 国土交通大臣は、委員が心身の故障のため職務の遂行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。
(委員の服務等)
第二十一条 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。その職を退いた後も同様とする。
2 委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
3 委員は、在任中、国土交通大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。
(委員の給与)
第二十二条 委員の給与は、別に法律で定める。
(公聴会)
第二十三条 運輸審議会は、第十五条第一項に規定する事項及び同条第二項の規定により付議された事項については、必要があると認めるときは、公聴会を開くことができ、又は国土交通大臣の指示若しくは運輸審議会の定める利害関係人の請求があったときは、公聴会を開かなければならない。
(調査等)
第二十四条 運輸審議会は、その職務を行うため、必要があると認めるときは、次に掲げる事項を行うことができる。
一 公務所又は関係事業者若しくはその組織する団体その他の関係者に対し、必要な報告、情報又は資料を求めること。
二 公務所又は関係事業者若しくはその組織する団体又は学識経験ある者に必要な調査を嘱託すること。
三 関係人又は参考人に対し、出頭を求めてその意見又は報告を徴すること。
(行政手続法の適用除外)
第二十五条 第十五条第一項に規定する事項に係る不利益処分については、行政手続法第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。
(政令への委任)
第二十六条 この款に定めるもののほか、運輸審議会の職員その他運輸審議会に関し必要な事項は、政令で定める。
第三節 特別の機関
(設置)
第二十七条 本省に、国土地理院を置く。
2 前項に定めるもののほか、別に法律で定めるところにより国土交通省に置かれる特別の機関で本省に置かれるものは、小笠原総合事務所とする。
(国土地理院)
第二十八条 国土地理院は、第四条第九号、第十号(測量業の発達、改善及び調整に係るものを除く。)、第十六号(測量その他の国土の管理に係るものに限る。)及び第百二十七号に掲げる事務をつかさどる。
2 国土地理院の位置及び内部組織は、国土交通省令で定める。
3 国土交通大臣は、国土地理院の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、国土地理院の支所を置くことができる。
4 国土地理院の支所の名称、位置、所掌事務及び内部組織は、国土交通省令で定める。
(小笠原総合事務所)
第二十九条 小笠原総合事務所については、小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律(昭和四十三年法律第八十三号。これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第四節 地方支分部局
(設置)
第三十条 本省に、次の地方支分部局を置く。
地方整備局
北海道開発局
地方運輸局
地方航空局
航空交通管制部
(地方整備局)
第三十一条 地方整備局は、国土交通省の所掌事務のうち、次に掲げる事務(北海道の区域に係るものを除く。)の全部又は一部を分掌する。
一 第四条第一号、第二十四号、第三十八号、第四十号、第四十一号及び第五十三号に規定する政策に係る計画及び方針に関する調査及び調整その他当該計画及び方針の推進に関すること。
二 第四条第三号、第六号、第八号、第十一号、第十三号、第十四号、第四十五号、第四十六号、第四十七号(自動車車庫に係るものを除く。)、第四十八号から第五十一号まで、第五十四号から第五十六号まで、第五十八号から第六十三号まで、第六十五号から第六十七号まで、第七十号(基準の設定に係るものを除く。)、第七十一号、第七十二号、第百一号から第百三号まで、第百十二号(基準の設定に係るものを除く。)、第百十三号、第百十四号、第百十六号、第百二十四号(運輸技術及び気象業務に関連する技術に係るものを除く。)及び第百二十七号に掲げる事務
三 測量業の発達、改善及び調整に関すること。
四 第四条第五十七号に規定する施策に関する調査及び調整その他当該施策の推進に関すること。
五 飛行場に関する国の直轄の土木施設の整備及び災害復旧に関すること。
2 地方整備局の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び組織は、政令で定める。
(地方整備局の事務所)
第三十二条 国土交通大臣は、地方整備局の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、地方整備局の事務所を置くことができる。
2 地方整備局の事務所の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、国土交通省令で定める。
(北海道開発局)
第三十三条 北海道開発局は、国土交通省の所掌事務のうち、北海道の区域に係る次に掲げる事務を分掌する。
一 第四条第一号、第二十四号及び第四十号から第四十二号までに規定する政策に係る計画及び方針に関する調査及び調整その他当該計画及び方針の推進に関すること。
二 第四条第三号、第六号、第八号、第十一号、第十三号、第十四号、第四十五号、第四十六号、第四十七号(自動車車庫に係るものを除く。)、第四十八号から第五十一号まで、第五十四号から第五十六号まで、第五十八号から第六十三号まで、第六十五号から第六十七号まで、第七十号(基準の設定に係るものを除く。)、第七十一号、第七十二号、第百一号から第百三号まで、第百十二号(基準の設定に係るものを除く。)、第百十三号、第百十四号、第百十六号、第百二十四号(運輸技術及び気象業務に関連する技術に係るものを除く。)及び第百二十七号に掲げる事務
三 測量業の発達、改善及び調整に関すること。
四 第四条第五十七号に規定する施策に関する調査及び調整その他当該施策の推進に関すること。
五 飛行場に関する国の直轄の土木施設の整備及び災害復旧に関すること。
2 北海道開発局は、前項各号に掲げる事務のほか、農林水産省の所掌事務のうち、北海道の区域に係る次に掲げる事務をつかさどる。
一 公共事業費(政令で定めるものを除く。)の支弁に係る国の直轄事業の実施に関すること。
二 委託に基づき、前号に掲げる事業の実施に伴い必要を生じた工事を行うこと。
三 公共事業費(政令で定めるものを除く。)の支弁に係る事業の助成及びこれに伴う監督に関すること。
3 北海道開発局は、前項各号に掲げる事務については、農林水産大臣のみの指揮監督を受けるものとする。
4 第二項第三号に掲げる事務については、北海道開発局を農林水産省の地方支分部局と、北海道開発局の長その他の職員を農林水産省の地方支分部局の長その他の職員とみなして、その事務の処理に関する法令の規定を適用する。
5 北海道開発局の位置及び組織は、政令で定める。
(開発建設部)
第三十四条 国土交通大臣は、北海道開発局の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、開発建設部を置くことができる。
2 開発建設部の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、国土交通省令で定める。
(地方運輸局)
第三十五条 地方運輸局は、国土交通省の所掌事務のうち、第四条第五号、第十五号、第十七号から第十九号まで、第二十一号から第二十三号まで、第四十七号(自動車車庫に係るものに限る。)、第七十三号から第九十三号まで、第九十五号から第百号まで、第百十四号、第百十六号及び第百二十七号に掲げる事務を分掌する。
2 地方運輸局の名称、位置、管轄区域及び組織は、政令で定める。
(海運監理部)
第三十六条 政令で定める地方運輸局の所掌事務(第四条第十五号、第十八号、第八十六号から第九十三号まで、第九十五号から第百号まで、第百十四号及び第百二十七号に掲げる事務並びにこれらの事務に係る同条第五号、第十七号、第十九号、第二十一号及び第二十二号に掲げる事務であって、当該地方運輸局の管轄区域の全域にわたる調査並びに企画及びその実施の調整その他の政令で定める事務以外のものに限る。)のうち、政令で定める区域に係るものを分掌させるため、所要の地に、海運監理部を置く。
2 海運監理部の名称及び位置は、政令で定める。
3 海運監理部の内部組織は、国土交通省令で定める。
(陸運支局若しくは海運支局又は陸運支局若しくは海運支局の事務所)
第三十七条 国土交通大臣は、地方運輸局又は海運監理部の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、陸運支局又は海運支局を置くことができる。
2 陸運支局の名称、位置及び管轄区域は、政令で定める。
3 陸運支局の所掌事務及び内部組織は、国土交通省令で定める。
4 海運支局の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、国土交通省令で定める。
5 国土交通大臣は、陸運支局又は海運支局の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、陸運支局又は海運支局の事務所を置くことができる。
6 陸運支局又は海運支局の事務所の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、国土交通省令で定める。
(地方航空局)
第三十八条 地方航空局は、国土交通省の所掌事務のうち、第四条第百四号、第百六号から第百八号まで、第百九号(飛行場に関する国の直轄の土木施設の整備及び災害復旧に係るものを除く。)、第百十号(航空路、航空交通管制(航空路管制及び進入管制に限る。)及び飛行計画の承認に係るものを除く。)、第百十一号(航空事故調査委員会の行う航空事故調査に対する援助に係るものに限る。)、第百十四号及び第百二十七号に掲げる事務を分掌する。
2 地方航空局の名称、位置、管轄区域及び内部組織は、政令で定める。
(地方航空局の事務所)
第三十九条 国土交通大臣は、地方航空局の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、地方航空局の事務所を置くことができる。
2 地方航空局の事務所の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、国土交通省令で定める。
(航空交通管制部)
第四十条 航空交通管制部は、国土交通省の所掌事務のうち、第四条第百十号(航空交通管制(航空路管制及び進入管制に限る。)及び飛行計画の承認に係るものに限る。)及び第百二十七号に掲げる事務を分掌する。
2 航空交通管制部の名称及び位置は、政令で定める。
3 航空交通管制部の管轄区域は、国土交通省令で定める。
4 航空交通管制部に、政令で定めるところにより、次長を置くことができる。
5 前項に定めるもののほか、航空交通管制部の内部組織は、国土交通省令で定める。
6 国土交通大臣は、必要がある場合は、航空交通管制部の所掌事務の一部を地方航空局の事務所に分掌させることができる。
第四章 外局
第一節 設置
第四十一条 国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて、国土交通大臣の所轄の下に、船員労働委員会を置く。
2 国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて、国土交通省に、気象庁を置く。
3 前二項に定めるもののほか、国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて国土交通省に置かれる外局は、次のとおりとする。
海上保安庁
海難審判庁
第二節 船員労働委員会
(任務)
第四十二条 船員労働委員会は、船員が団結することを擁護し、労働関係の公正な調整を図り、及び船員の労働環境の改善、福利厚生の充実、職業の安定その他船員の保護を図ることを任務とする。
(所掌事務)
第四十三条 船員労働委員会は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
一 船員の労働組合の資格審査及びこれに係る再審査に関すること。
二 船員の労働関係に係る不当労働行為に関する調査、審問、事実認定、命令及び再審査に関すること。
三 船員の労働争議のあっせん、調停及び仲裁に関すること。
四 前三号に定めるもののほか、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)、労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)、地方公営企業労働関係法(昭和二十七年法律第二百八十九号)、船員法(昭和二十二年法律第百号)、船員災害防止活動の促進に関する法律(昭和四十二年法律第六十一号)、勤労青少年福祉法(昭和四十五年法律第九十八号)、勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)及び船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)並びにこれらに基づく命令の規定によりその権限に属させられた事項を処理すること。
五 最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、国土交通大臣の諮問に応じて最低賃金に関する重要事項(船員に係るものに限る。)を調査審議すること。
六 前号に規定する重要事項に関し、国土交通大臣に意見を述べること。
七 国土交通大臣の諮問に応じて賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)の施行又は改正に関する事項(船員に係るものに限る。)を調査審議すること。
(組織)
第四十四条 船員労働委員会は、船員中央労働委員会及び船員地方労働委員会とする。
2 前項に定めるもののほか、船員労働委員会の組織については、労働組合法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第三節 気象庁
第一款 任務及び所掌事務
(長官)
第四十五条 気象庁の長は、気象庁長官とする。
(任務)
第四十六条 気象庁は、気象業務の健全な発達を図ることを任務とする。
(所掌事務)
第四十七条 気象庁は、前条の任務を達成するため、第四条第十六号、第百十八号から第百二十一号まで及び第百二十四号から第百二十七号までに掲げる事務をつかさどる。
第二款 地方支分部局
(設置)
第四十八条 気象庁に、次の地方支分部局を置く。
管区気象台
海洋気象台
2 前項に定めるもののほか、当分の間、気象庁に、地方支分部局として、沖縄気象台を置く。
(管区気象台等)
第四十九条 管区気象台等(管区気象台及び沖縄気象台をいう。以下同じ。)は、気象庁の所掌事務のうち、第四条第百十九号、第百二十号(地球磁気及び地球電気に関するものを除く。)、第百二十一号及び第百二十七号に掲げる事務(海洋気象台の所掌に属するものを除く。)を分掌する。
2 管区気象台の名称及び位置は、政令で定める。
3 管区気象台の管轄区域は、国土交通省令で定める。
4 管区気象台に、政令で定める数の範囲内において、国土交通省令で定めるところにより、部を置くことができる。
5 前項に定めるもののほか、管区気象台の内部組織は、国土交通省令で定める。
6 沖縄気象台の位置は、政令で定める。
7 沖縄気象台の管轄区域及び内部組織は、国土交通省令で定める。
8 国土交通大臣は、特に必要がある場合は、管区気象台等の所掌事務の一部を海洋気象台に分掌させることができる。
(地方気象台、管区気象台等の測候所若しくは出張所又は地方気象台若しくは測候所の出張所)
第五十条 国土交通大臣は、管区気象台等の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、政令で定める数の範囲内において、地方気象台を置くことができる。
2 地方気象台の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、国土交通省令で定める。
3 国土交通大臣は、管区気象台等の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、管区気象台等の測候所又は出張所を置くことができる。
4 管区気象台等の測候所及び出張所の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、国土交通省令で定める。
5 国土交通大臣は、地方気象台又は測候所の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、地方気象台又は測候所の出張所を置くことができる。
6 地方気象台又は測候所の出張所の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、国土交通省令で定める。
(海洋気象台)
第五十一条 海洋気象台は、気象庁の所掌事務のうち、第四条第百二十七号に掲げる事務及び次に掲げる事務を分掌する。
一 海上気象及び海水象(海洋に関する水象をいう。以下同じ。)の予報及び警報(津波の予報及び警報を除く。)に関すること。
二 海上気象及び海水象並びにこれらに関連する輻射に関する観測並びに海上気象及び海水象に関する情報に関すること。
三 前二号に掲げる事項に関する気象通信に関すること。
四 海上気象及び海水象に関する気象測器に関すること。
2 海洋気象台の名称及び位置は、政令で定める。
3 海洋気象台の管轄区域及び内部組織は、国土交通省令で定める。
4 国土交通大臣は、特に必要がある場合は、海洋気象台の所掌事務の一部を管区気象台等に分掌させることができる。
第四節 海上保安庁
第五十二条 海上保安庁については、海上保安庁法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第五節 海難審判庁
第五十三条 海難審判庁については、海難審判法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、附則第六条の規定は、公布の日から施行する。
(所掌事務の特例)
第二条 国土交通省は、第三条の任務を達成するため、第四条各号に掲げる事務のほか、次の表の上欄に掲げる日までの間、それぞれ同表の下欄に掲げる事務をつかさどる。
期限 |
事務 |
平成十四年三月三十一日 |
特殊土壌地帯(特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法(昭和二十七年法律第九十六号)第二条第一項に規定する特殊土どじよう地帯をいう。以下同じ。)の災害の防除及び振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。 |
平成十五年三月三十一日 |
離島振興対策実施地域(離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)第二条第一項に規定する離島振興対策実施地域をいう。以下同じ。)の振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。 |
離島振興計画(離島振興法第五条第一項に規定する離島振興計画をいう。)に基づく公共事業に関する関係行政機関の経費の配分計画に関すること。 |
|
平成十六年三月三十一日 |
奄美群島(奄美群島振興開発特別措置法(昭和二十九年法律第百八十九号)第一条に規定する奄美群島をいう。)の振興及び開発に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。 |
奄美群島振興開発計画(奄美群島振興開発特別措置法第二条第一項に規定する奄美群島振興開発計画をいう。)に基づく公共事業に関する関係行政機関の経費の配分計画に関すること。 |
|
奄美群島振興開発基金の行う業務に関すること。 |
|
小笠原諸島(小笠原諸島振興開発特別措置法(昭和四十四年法律第七十九号)第二条第一項に規定する小笠原諸島をいう。)の総合的な振興及び開発に関すること。 |
|
平成十七年三月三十一日 |
振興山村(山村振興法(昭和四十年法律第六十四号)第七条第一項に規定する振興山村をいう。以下同じ。)の振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。 |
半島振興対策実施地域(半島振興法(昭和六十年法律第六十三号)第二条第一項に規定する半島振興対策実施地域をいう。以下同じ。)の振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。 |
2 国土交通省は、第三条の任務を達成するため、第四条各号及び前項の表の下欄に掲げる事務のほか、当分の間、日本国有鉄道の改革に関する事務をつかさどる。
(国土交通審議官の設置期間の特例)
第三条 第五条第一項の国土交通審議官のうち一人は、当分の間、置かれるものとする。
(審議会等の設置の特例)
第四条 平成十六年三月三十一日までの間、奄美群島振興開発特別措置法の定めるところにより国土交通省に置かれる奄美群島振興開発審議会は、本省に置く。
2 平成十六年三月三十一日までの間、小笠原諸島振興開発特別措置法の定めるところにより国土交通省に置かれる小笠原諸島振興開発審議会は、本省に置く。
(国土審議会の所掌事務の特例)
第五条 国土審議会は、第七条各号に掲げる事務をつかさどるほか、次の表の上欄に掲げる日までの間、それぞれ同表の下欄に掲げる法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。
期限 |
法律 |
平成十四年三月三十一日 |
特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法 |
平成十五年三月三十一日 |
離島振興法 |
平成十七年三月三十一日 |
山村振興法 |
半島振興法 |
(国土審議会の委員の任命のために必要な行為に関する経過措置)
第六条 第八条第一項の規定による国土審議会の委員の任命のために必要な行為は、この法律の施行前においても行うことができる。
(社会資本整備審議会の所掌事務の特例)
第七条 社会資本整備審議会は、第十三条第一項各号に掲げる事務をつかさどるほか、次の表の上欄に掲げる日までの間、それぞれ同表の下欄に掲げる法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。
期限 |
法律 |
平成十五年三月三十一日 |
奥地等産業開発道路整備臨時措置法(昭和三十九年法律第百十五号) |
平成十九年三月三十一日 |
国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律(昭和五十二年法律第七十一号) |
(地方支分部局の所掌事務の特例)
第八条 地方整備局は、第三十一条第一項各号に掲げる事務のほか、次の表の上欄に掲げる日までの間、国土交通省の所掌事務のうち、それぞれ同表の下欄に掲げる事務(北海道の区域に係るものを除く。)を分掌する。
期限 |
事務 |
平成十四年三月三十一日 |
特殊土壌地帯の災害の防除及び振興に関する総合的な政策に係る計画に関する調査及び調整その他当該計画の推進に関する事務 |
平成十五年三月三十一日 |
離島振興対策実施地域の振興に関する総合的な政策に係る計画に関する調査及び調整その他当該計画の推進に関する事務 |
平成十七年三月三十一日 |
振興山村の振興に関する総合的な政策に係る計画に関する調査及び調整その他当該計画の推進に関する事務 |
半島振興対策実施地域の振興に関する総合的な政策に係る計画に関する調査及び調整その他当該計画の推進に関する事務 |
2 北海道開発局は、第三十三条第一項各号及び第二項各号に掲げる事務のほか、前項の表の上欄に掲げる日までの間、国土交通省の所掌事務のうち、それぞれ北海道の区域に係る同表の下欄に掲げる事務を分掌する。
(内閣総理大臣署名)