電気通信事業法

法律第八十六号(昭五九・一二・二五)

目次

 第一章 総則(第一条―第五条)

 第二章 電気通信事業

  第一節 総則(第六条―第八条)

  第二節 事業の許可等

   第一款 第一種電気通信事業(第九条―第二十条)

   第二款 第二種電気通信事業(第二十一条―第三十条)

  第三節 業務(第三十一条―第四十条)

  第四節 電気通信設備

   第一款 電気通信事業の用に供する電気通信設備(第四十一条―第四十八条)

   第二款 端末設備の接続等(第四十九条―第五十五条)

  第五節 指定試験機関及び指定認定機関

   第一款 指定試験機関(第五十六条―第六十七条)

   第二款 指定認定機関(第六十八条―第七十二条)

 第三章 土地の使用(第七十三条―第八十八条)

 第四章 雑則(第八十九条―第九十九条)

 第五章 罰則(第百条―第百十四条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、電気通信事業の公共性にかんがみ、その運営を適正かつ合理的なものとすることにより、電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者の利益を保護し、もつて電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 一 電気通信 有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。

 二 電気通信設備 電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいう。

 三 電気通信役務 電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供することをいう。

 四 電気通信事業 電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業(有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和二十六年法律第百三十五号)第二条に規定する有線ラジオ放送、有線放送電話に関する法律(昭和三十二年法律第百五十二号)第二条第一項に規定する有線放送電話役務、有線テレビジョン放送法(昭和四十七年法律第百十四号)第二条第一項に規定する有線テレビジョン放送及び同法第九条の規定による有線テレビジョン放送施設の使用の承諾に係る事業を除く。)をいう。

 五 電気通信事業者 電気通信事業を営むことについて、第九条第一項の許可を受けた者、第二十二条第一項の規定による届出をした者及び第二十四条第一項の登録を受けた者をいう。

 六 電気通信業務 電気通信事業者の行う電気通信役務の提供の業務をいう。

 (検閲の禁止)

第三条 電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない。

 (秘密の保護)

第四条 電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。

2 電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。

 (電気通信事業に関する条約)

第五条 電気通信事業に関し条約に別段の定めがあるときは、その規定による。

   第二章 電気通信事業

    第一節 総則

 (事業の種類)

第六条 電気通信事業の種類は、第一種電気通信事業及び第二種電気通信事業とする。

2 第一種電気通信事業は、電気通信回線設備(送信の場所と受信の場所との間を接続する伝送路設備及びこれと一体として設置される交換設備並びにこれらの附属設備をいう。以下同じ。)を設置して電気通信役務を提供する事業とする。

3 第二種電気通信事業は、第一種電気通信事業以外の電気通信事業とする。

 (利用の公平)

第七条 電気通信事業者は、電気通信役務の提供について、不当な差別的取扱いをしてはならない。

 (重要通信の確保)

第八条 電気通信事業者は、天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがあるときは、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保又は秩序の維持のために必要な事項を内容とする通信を優先的に取り扱わなければならない。公共の利益のため緊急に行うことを要するその他の通信であつて郵政省令で定めるものについても、同様とする。

2 前項の場合において、電気通信事業者は、必要があるときは、郵政省令で定める基準に従い、電気通信業務の一部を停止することができる。

    第二節 事業の許可等

     第一款 第一種電気通信事業

 (第一種電気通信事業の許可)

第九条 第一種電気通信事業を営もうとする者は、郵政大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする者は、郵政省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を郵政大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 郵政省令で定める区分による電気通信役務の種類及びその態様

 三 業務区域

 四 電気通信設備の概要

3 前項の申請書には、事業計画書その他郵政省令で定める書類を添付しなければならない。

 (許可の基準)

第十条 郵政大臣は、前条第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、同項の許可をしなければならない。

 一 その事業の提供に係る電気通信役務がその業務区域における需要に照らし適切なものであること。

 二 その事業の開始によつて、当該事業を行う区域又は区間の全部又は一部について電気通信事業の用に供する電気通信回線設備が著しく過剰とならないこと。

 三 その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

 四 その事業の計画が確実かつ合理的であること。

 五 その他その事業の開始が電気通信の健全な発達のために適切であること。

 (許可の欠格事由)

第十一条 郵政大臣は、前条の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する者に対しては、第九条第一項の許可をしてはならない。

 一 この法律又は有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)若しくは電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

 二 第十九条第一項の規定により許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者

 三 法人又は団体であつて、その役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの。

 四 日本の国籍を有しない人

 五 外国政府又はその代表者

 六 外国の法人又は団体

 七 法人又は団体であつて、前三号に掲げる者がその代表者であるもの、これらの者がその役員の三分の一以上を占めるもの又はこれらの者により直接占められる議決権の割合とこれらの者により他の法人若しくは団体を通じて間接に占められる議決権の割合として郵政省令で定める割合とを合計した割合が三分の一以上であるもの

 (事業の開始の義務)

第十二条 第九条第一項の許可を受けた者(以下「第一種電気通信事業者」という。)は、郵政大臣が指定する期間内に、その事業を開始しなければならない。

2 郵政大臣は、特に必要があると認めるときは、電気通信役務の種類若しくは態様又は業務区域を区分して前項の期間の指定をすることができる。

3 郵政大臣は、第一種電気通信事業者から申請があつた場合において、正当な理由があると認めるときは、第一項の期間を延長することができる。

4 第一種電気通信事業者は、その事業の開始前に、第九条第一項の許可に係る電気通信設備(郵政省令で定めるものを除く。)が第四十一条第一項の技術基準に適合することについて、郵政大臣の確認を受けなければならない。

5 第一種電気通信事業者は、その事業(第二項の規定により電気通信役務の種類若しくは態様又は業務区域を区分して期間の指定があつたときは、その区分に係る事業)を開始したときは、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

 (氏名等の変更)

第十三条 第一種電気通信事業者は、第九条第二項第一号の事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

 (電気通信役務の種類等の変更)

第十四条 第一種電気通信事業者は、第九条第二項第二号から第四号までの事項を変更しようとするときは、郵政大臣の許可を受けなければならない。ただし、郵政省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

2 第一種電気通信事業者は、前項ただし書の郵政省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

3 第十条及び第十一条(第二号を除く。)の規定は、第一項の許可について準用する。

4 第十二条の規定は、第一項の場合(業務区域の減少の場合を除く。)に準用する。この場合において、同条第一項及び第四項中「第九条第一項」とあるのは、「第十四条第一項」と読み替えるものとする。

 (業務の委託)

第十五条 第一種電気通信事業者は、電気通信業務の一部を委託しようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。

2 郵政大臣は、前項の認可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。

 一 その電気通信役務を効率的に提供するために当該委託を必要とする特別の事情があること。

 二 受託者が当該業務を行うのに適している者であること。

 (事業の譲渡し及び譲受け並びに法人の合併)

第十六条 第一種電気通信事業の全部の譲渡し及び譲受けは、郵政大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 第一種電気通信事業者たる法人の合併は、郵政大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。ただし、第一種電気通信事業者たる法人と第一種電気通信事業を営まない法人が合併する場合において、第一種電気通信事業者たる法人が存続するときは、この限りでない。

3 第十条及び第十一条の規定は、前二項の認可について準用する。

4 第一種電気通信事業の全部の譲渡しがあつたとき、又は第一種電気通信事業者たる法人の合併があつたときは、当該事業の全部を譲り受けた者又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、第一種電気通信事業者の地位を承継する。

 (相続)

第十七条 第一種電気通信事業者が死亡した場合においては、その相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該第一種電気通信事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。以下同じ。)が被相続人たる第一種電気通信事業者の地位を承継する。

2 前項の相続人が被相続人の死亡後六十日以内にその相続について郵政大臣の認可を申請しない場合又は同項の相続人がしたその申請に対し認可をしない旨の処分があつた場合には、その期間の経過した時又はその処分があつた時に、第一種電気通信事業の許可は、その効力を失う。

3 第十条及び第十一条の規定は、前項の認可について準用する。

 (事業の休止及び廃止並びに法人の解散)

第十八条 第一種電気通信事業者は、電気通信事業の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、郵政大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の事業の休止の許可は、一年を超える期間についてすることができない。

3 第一種電気通信事業者たる法人の解散の決議又は総社員の同意は、郵政大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

4 郵政大臣は、第一種電気通信事業の休止若しくは廃止又は法人の解散により公共の利益が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除き、第一項の許可又は前項の認可をしなければならない。

 (事業の許可の取消し)

第十九条 郵政大臣は、第一種電気通信事業者が次の各号の一に該当するときは、第九条第一項の許可を取り消すことができる。

 一 第十二条第一項の規定により指定した期間(同条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間)内に事業を開始しないとき。

 二 前号に規定する場合のほか、第一種電気通信事業者がこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。

 三 第十一条各号(第二号を除く。)の一に該当するに至つたとき。

2 郵政大臣は、前項の規定により第九条第一項の許可を取り消したときは、文書によりその理由を付して通知しなければならない。

 (変更の許可の取消し)

第二十条 郵政大臣は、第十四条第一項の規定により第九条第二項第二号から第四号までの事項の変更の許可を受けた第一種電気通信事業者が、第十四条第四項において準用する第十二条第一項の規定により指定した期間(第十四条第四項において準用する第十二条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間)内にその事項を変更しないときは、その許可を取り消すことができる。

2 前条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

     第二款 第二種電気通信事業

 (第二種電気通信事業の種類)

第二十一条 第二種電気通信事業の種類は、一般第二種電気通信事業及び特別第二種電気通信事業とする。

2 一般第二種電気通信事業は、特別第二種電気通信事業以外の第二種電気通信事業とする。

3 特別第二種電気通信事業は、電気通信設備を不特定かつ多数の者の通信の用に供する第二種電気通信事業であつて当該設備の規模が電気通信回線の収容能力を基礎として政令で定める基準を超える規模であるもの及び本邦外の場所との間の通信を行うための電気通信設備を他人の通信の用に供する第二種電気通信事業とする。

 (一般第二種電気通信事業の届出)

第二十二条 一般第二種電気通信事業を営もうとする者は、郵政省令で定めるところにより、次の事項を記載した書類を添えて、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 郵政省令で定める区分による電気通信役務の種類及びその態様

2 前項の届出をした者(以下「一般第二種電気通信事業者」という。)は、同項第一号の事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

3 一般第二種電気通信事業者は、第一項第二号の事項を変更しようとするときは、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。ただし、郵政省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

 (一般第二種電気通信事業の譲渡し等)

第二十三条 一般第二種電気通信事業の全部の譲渡しがあつたとき、又は一般第二種電気通信事業者について合併若しくは相続があつたときは、当該事業の全部を譲り受けた者又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは相続人は、一般第二種電気通信事業者の地位を承継する。

2 前項の規定により一般第二種電気通信事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

3 一般第二種電気通信事業者は、電気通信事業の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

4 一般第二種電気通信事業者たる法人が合併以外の事由により解散したときは、その清算人(解散が破産による場合にあつては、破産管財人)は、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

 (特別第二種電気通信事業の登録)

第二十四条 特別第二種電気通信事業を営もうとする者は、郵政大臣の登録を受けなければならない。

2 前項の登録を受けようとする者は、郵政省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を郵政大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 郵政省令で定める区分による電気通信役務の種類及びその態様

 三 電気通信設備の概要

3 前項の申請書には、事業計画書その他郵政省令で定める書類を添付しなければならない。

 (登録の実施)

第二十五条 郵政大臣は、前条第一項の登録の申請があつた場合においては、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、次の事項を特別第二種電気通信事業者登録簿に登録しなければならない。

 一 前条第二項各号に掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 郵政大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (登録の拒否)

第二十六条 郵政大臣は、第二十四条第二項の申請書を提出した者が次の各号の一に該当するとき、又は当該申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 この法律又は有線電気通信法若しくは電波法の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

 二 第二十八条第一項の規定により登録の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者

 三 法人又は団体であつて、その役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの。

 四 その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有しない者

2 郵政大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、文書によりその理由を付して通知しなければならない。

 (変更登録等)

第二十七条 第二十四条第一項の登録を受けた者(以下「特別第二種電気通信事業者」という。)は、同条第二項第二号又は第三号の事項を変更しようとするときは、郵政大臣の変更登録を受けなければならない。ただし、郵政省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

2 前項の変更登録を受けようとする者は、郵政省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を郵政大臣に提出しなければならない。

3 第二十四条第三項、第二十五条及び前条の規定は、第一項の変更登録について準用する。この場合において、第二十五条第一項中「次の事項」とあるのは「変更に係る事項」と、前条第一項中「第二十四条第二項の申請書を提出した者が次の各号の一に該当するとき、又は当該申請書」とあるのは「変更登録に係る申請書」と読み替えるものとする。

4 特別第二種電気通信事業者は、第二十四条第二項第一号の事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。その届出があつた場合には、郵政大臣は、遅滞なく、当該登録を変更するものとする。

 (登録の取消し等)

第二十八条 郵政大臣は、特別第二種電気通信事業者が次の各号の一に該当するときは、第二十四条第一項の登録を取り消すことができる。

 一 特別第二種電気通信事業者がこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。

 二 不正の手段により第二十四条第一項の登録又は第二十七条第一項の変更登録を受けたとき。

 三 第二十六条第一項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。

2 第二十六条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

 (登録の抹消)

第二十九条 郵政大臣は、次条において準用する第二十三条第三項若しくは第四項の規定による電気通信事業の全部の廃止若しくは解散の届出があつたとき、又は前条第一項の規定による登録の取消しをしたときは、当該特別第二種電気通信事業者の登録を抹消しなければならない。


 (準用)

第三十条 第二十三条の規定は、特別第二種電気通信事業者について準用する。

    第三節 業務

 (契約約款の認可等)

第三十一条 第一種電気通信事業者は、電気通信役務に関する料金その他の提供条件(郵政省令で定める事項及び第四十九条第一項又は第五十二条第一項第一号の規定により認可を受けるべき技術的条件に係るものを除く。)について契約約款を定め、郵政大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 郵政大臣は、前項の認可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。

 一 料金が能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること。

 二 料金の額の算出方法が適正かつ明確に定められていること。

 三 第一種電気通信事業者及びその利用者(電気通信事業者との間に電気通信役務の提供を受ける契約を締結する者をいう。以下同じ。)の責任に関する事項並びに電気通信設備の設置の工事その他の工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。

 四 電気通信回線設備の使用の態様を不当に制限するものでないこと。

 五 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。

 六 第八条第一項の通信に関する事項について適切に配慮されているものであること。

3 第一種電気通信事業者は、第一項の規定により契約約款で定めるべき提供条件については、同項の認可を受けた契約約款によらなければ電気通信役務を提供してはならない。ただし、次項の規定により電気通信役務の料金を減免する場合は、この限りでない。

4 第一種電気通信事業者は、郵政省令で定める基準に従い、契約約款で定める電気通信役務の料金を減免することができる。

5 特別第二種電気通信事業者は、電気通信役務に関する料金その他の提供条件(郵政省令で定める事項に係るものを除く。)について契約約款を定め、その実施前に、郵政大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

6 第三項及び第四項の規定は、特別第二種電気通信事業者による電気通信役務の提供に係る提供条件について準用する。この場合において、第三項中「同項の認可を受けた」とあるのは、「第五項の規定により届け出た」と読み替えるものとする。

 (契約約款の掲示)

第三十二条 第一種電気通信事業者又は特別第二種電気通信事業者は、前条第一項の認可を受けた契約約款(第四十九条第一項又は第五十二条第一項第一号の規定により認可を受けた技術的条件を含む。第百十一条第二号において同じ。)又は前条第五項の規定により届け出た契約約款を、営業所その他の事業所において公衆の見やすいように掲示しておかなければならない。

2 前項の規定は、前条第一項又は第五項の郵政省令で定める事項に係る提供条件について準用する。


 (会計の整理)

第三十三条 第一種電気通信事業者は、電気通信役務に関する料金の適正な算定に資するため、郵政省令で定める勘定科目の分類その他会計に関する手続に従い、その会計を整理しなければならない。

 (提供義務)

第三十四条 第一種電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における電気通信役務の提供を拒んではならない。

 (業務の停止等の報告)

第三十五条 電気通信事業者は、第八条第二項の規定により電気通信業務の一部を停止したとき、又は電気通信業務に関し通信の秘密の漏えいその他郵政省令で定める重大な事故が生じたときは、その旨をその理由又は原因とともに、遅滞なく、郵政大臣に報告しなければならない。

 (業務の改善命令)

第三十六条 郵政大臣は、電気通信役務の料金その他の提供条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、利用者の利益を阻害していると認めるときは、第一種電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、第三十一条第一項の認可を受けた契約約款の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。

2 郵政大臣は、第一種電気通信事業者の業務の方法に関し通信の秘密の確保に支障があると認めるとき、事故により電気通信役務の提供に支障が生じている場合に第一種電気通信事業者がその支障を除去するために必要な修理その他の措置を速やかに行わないとき、その他第一種電気通信事業者の業務の方法が適切でないため利用者の利益を阻害していると認めるときは、当該第一種電気通信事業者に対し、利用者の利益を確保するために必要な限度において、その業務の方法を改善すべきことを命ずることができる。

第三十七条 郵政大臣は、一般第二種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者(以下この条において「第二種電気通信事業者」という。)の業務の方法に関し通信の秘密の確保に支障があると認めるとき、事故により電気通信役務の提供に支障が生じている場合に第二種電気通信事業者がその支障を除去するために必要な修理その他の措置を速やかに行わないとき、その他第二種電気通信事業者の業務の方法が適切でないため利用者の利益を阻害していると認めるとき、又は第二種電気通信事業の経営によりこれと電気通信役務に係る需要を共通とする第一種電気通信事業の当該需要に係る電気通信回線設備の保持が経営上困難となるため公共の利益が著しく阻害されるおそれがあると認めるときは、当該第二種電気通信事業者に対し、利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

 (電気通信設備の接続又は共用に関する協定)

第三十八条 第一種電気通信事業者は、他の第一種電気通信事業者と電気通信設備の接続又は共用に関する協定を締結しようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 郵政大臣は、当該協定が公共の利益を増進するものであるときは、前項の認可をしなければならない。

 (電気通信設備の接続又は共用に関する命令)

第三十九条 郵政大臣は、電気通信設備の接続又は共用に関する第一種電気通信事業者間の協議が調わない場合又は協議をすることができない場合で、当事者から申立てがあつた場合において、当該接続又は共用が公共の利益を増進するために特に必要であり、かつ、適切であると認めるときは、当該接続又は共用に関し、前条第一項の規定による協定を締結すべきことを命ずることができる。

2 前項の規定による命令があつた場合において、当事者が取得し、若しくは負担すべき金額又は接続若しくは共用の条件その他協定の細目について当事者間の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、郵政大臣の裁定を申請することができる。

3 郵政大臣は、前項の規定による裁定の申請を受理したときは、その旨を他の当事者に通知し、期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならない。

4 郵政大臣は、第二項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を当事者に通知しなければならない。

5 第二項の裁定があつたときは、その裁定の定めるところに従い、当事者間に協議が調つたものとみなす。

6 第二項の裁定のうち当事者が取得し、又は負担すべき金額について不服のある者は、その裁定があつたことを知つた日から三月以内に、訴えをもつてその金額の増減を請求することができる。

7 前項の訴えにおいては、他の当事者を被告とする。

8 第二項の裁定についての異議申立てにおいては、当事者が取得し、又は負担すべき金額についての不服をその裁定の不服の理由とすることができない。

 (外国政府等との協定等の認可)

第四十条 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、外国政府又は外国人若しくは外国法人との間に、電気通信業務に関する協定又は契約であつて郵政省令で定める重要な事項を内容とするものを締結し、変更し、又は廃止しようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。

    第四節 電気通信設備

     第一款 電気通信事業の用に供する電気通信設備

 (電気通信設備の維持)

第四十一条 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、その電気通信事業の用に供する電気通信設備(以下「事業用電気通信設備」という。)を郵政省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。

2 前項の技術基準は、これにより次の事項(特別第二種電気通信事業者に係るものにあつては、第一号から第三号までの事項)が確保されるものとして定められなければならない。

 一 電気通信設備の損壊又は故障により、電気通信役務の提供に著しい支障を及ぼさないようにすること。

 二 電気通信役務の品質が適正であるようにすること。

 三 通信の秘密が侵されないようにすること。

 四 利用者又は他の電気通信事業者の接続する電気通信設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないようにすること。

 五 他の電気通信事業者の接続する電気通信設備との責任の分界が明確であるようにすること。

 (技術基準適合命令)

第四十二条 郵政大臣は、事業用電気通信設備が前条第一項の郵政省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、第一種電気通信事業者又は特別第二種電気通信事業者に対し、その技術基準に適合するように当該設備を修理し、若しくは改造することを命じ、又はその使用を制限することができる。


 (管理規程)

第四十三条 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、電気通信役務の確実かつ安定的な提供を確保するため、郵政省令で定めるところにより、事業用電気通信設備の管理規程を定め、事業の開始前に、郵政大臣に届け出なければならない。

2 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、管理規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を郵政大臣に届け出なければならない。

 (電気通信主任技術者)

第四十四条 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項を監督させるため、郵政省令で定めるところにより、電気通信主任技術者資格者証の交付を受けている者のうちから、電気通信主任技術者を選任しなければならない。

2 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、前項の規定により電気通信主任技術者を選任したときは、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

 (電気通信主任技術者資格者証)

第四十五条 電気通信主任技術者資格者証の種類は、伝送交換技術及び線路技術について郵政省令で定める。

2 電気通信主任技術者資格者証の交付を受けている者が監督することができる電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項の範囲は、前項の電気通信主任技術者資格者証の種類に応じて郵政省令で定める。

3 郵政大臣は、次の各号の一に該当する者に対し、電気通信主任技術者資格者証を交付する。

 一 電気通信主任技術者試験に合格した者

 二 電気通信主任技術者資格者証の交付を受けようとする者の養成課程で、郵政大臣が郵政省令で定める基準に適合するものであることの認定をしたものを修了した者

 三 前二号に掲げる者と同等以上の専門的知識及び能力を有すると郵政大臣が認定した者

4 郵政大臣は、前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する者に対しては、電気通信主任技術者資格者証の交付を行わないことができる。

 一 次条の規定により電気通信主任技術者資格者証の返納を命ぜられ、その日から一年を経過しない者

 二 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

5 電気通信主任技術者資格者証の交付に関する手続的事項は、郵政省令で定める。


 (電気通信主任技術者資格者証の返納)

第四十六条 郵政大臣は、電気通信主任技術者資格者証を受けている者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反したときは、その電気通信主任技術者資格者証の返納を命ずることができる。


 (電気通信主任技術者試験)

第四十七条 電気通信主任技術者試験は、電気通信設備の工事、維持及び運用に関して必要な専門的知識及び能力について行う。

2 電気通信主任技術者試験は、電気通信主任技術者資格者証の種類ごとに、郵政大臣が行う。

3 電気通信主任技術者試験の試験科目、受験手続その他電気通信主任技術者試験の実施細目は、郵政省令で定める。


 (電気通信主任技術者の義務)

第四十八条 電気通信主任技術者は、事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項の監督の職務を誠実に行わなければならない。

     第二款 端末設備の接続等


 (端末設備の接続の技術基準)

第四十九条 第一種電気通信事業者は、利用者から端末設備(電気通信回線設備の一端に接続される電気通信設備であつて、一つの部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一の建物内であるものをいう。以下同じ。)をその電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、その接続が郵政省令で定める技術基準(当該第一種電気通信事業者が郵政大臣の認可を受けて定める技術的条件を含む。次項及び第五十一条において同じ。)に適合しない場合その他郵政省令で定める場合を除き、その請求を拒むことができない。

2 前項の技術基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。

 一 電気通信回線設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないようにすること。

 二 電気通信回線設備を利用する他の利用者に迷惑を及ぼさないようにすること。

 三 第一種電気通信事業者の設置する電気通信回線設備と利用者の接続する端末設備との責任の分界が明確であるようにすること。


 (端末機器技術基準適合認定)

第五十条 郵政大臣は、申請により、郵政省で定める種類の端末設備の機器(以下「端末機器」という。)について、前条第一項の郵政省令で定める技術基準に適合していることの認定(以下「技術基準適合認定」という。)を行う。

2 郵政大臣は、技術基準適合認定をしたときは、郵政省令で定めるところにより、その端末機器に技術基準適合認定をした旨の表示を付するものとする。

3 技術基準適合認定を受けた端末機器以外の端末機器には、前項(第七十二条において準用する場合を含む。)の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。


 (端末設備の接続の検査)

第五十一条 利用者は、技術基準適合認定を受けた端末機器を接続する場合その他郵政省令で定める場合を除き、端末設備を接続したときは、第一種電気通信事業者の検査を受け、その接続が第四十九条第一項の技術基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。これを変更したときも、同様とする。

2 第一種電気通信事業者は、端末設備に異常がある場合その他電気通信役務の円滑な提供に支障がある場合において必要と認めるときは、利用者に対し、その端末設備の接続が第四十九条第一項の技術基準に適合するかどうかの検査を受けるべきことを求めることができる。この場合において、当該利用者は、正当な理由がある場合その他郵政省令で定める場合を除き、その請求を拒んではならない。

3 前二項の検査に従事する者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。


 (自営電気通信設備の接続)

第五十二条 第一種電気通信事業者は、第一種電気通信事業者以外の者からその電気通信設備(端末設備以外のものに限る。以下「自営電気通信設備」という。)をその電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、その請求を拒むことができない。

 一 その自営電気通信設備の接続が、郵政省令で定める技術基準(当該第一種電気通信事業者が郵政大臣の認可を受けて定める技術的条件を含む。)に適合しないとき。

 二 その自営電気通信設備を接続することにより当該第一種電気通信事業者の電気通信回線設備の保持が経営上困難となることについて当該第一種電気通信事業者が郵政大臣の認定を受けたとき。

2 第四十九条第二項の規定は前項第一号の技術基準について、前条の規定は同項の請求に係る自営電気通信設備の接続の検査について準用する。この場合において、同条第一項及び第二項中「第四十九条第一項の技術基準」とあるのは、「第五十二条第一項第一号の技術基準(同号の技術的条件を含む。)」と読み替えるものとする。


 (工事担任者による工事の実施及び監督)

第五十三条 利用者は、端末設備又は自営電気通信設備を接続するときは、工事担任者資格者証の交付を受けている者(以下「工事担任者」という。)に、当該工事担任者資格者証の種類に応じ、これに係る工事を行わせ、又は実地に監督させなければならない。ただし、郵政省令で定める場合は、この限りでない。

2 工事担任者は、その工事の実施又は監督の職務を誠実に行わなければならない。


 (工事担任者資格者証)

第五十四条 工事担任者資格者証の種類及び工事担任者が行い、又は監督することができる端末設備若しくは自営電気通信設備の接続に係る工事の範囲は、郵政省令で定める。

2 第四十五条第三項から第五項まで及び第四十六条の規定は、工事担任者資格者証について準用する。この場合において、第四十五条第三項第一号中「電気通信主任技術者試験」とあるのは「工事担任者試験」と、同項第三号中「専門的知識及び能力」とあるのは「知識及び技能」と読み替えるものとする。


 (工事担任者試験)

第五十五条 工事担任者試験は、端末設備及び自営電気通信設備の接続に関して必要な知識及び技能について行う。

2 第四十七条第二項及び第三項の規定は、工事担任者試験について準用する。この場合において、同条第二項中「電気通信主任技術者資格者証」とあるのは、「工事担任者資格者証」と読み替えるものとする。

    第五節 指定試験機関及び指定認定機関

     第一款 指定試験機関


 (指定試験機関の指定等)

第五十六条 郵政大臣は、その指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、電気通信主任技術者試験又は工事担任者試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行わせることができる。

2 指定試験機関の指定は、郵政省令で定める区分ごとに、試験事務を行おうとする者の申請により行う。

3 郵政大臣は、指定試験機関の指定をしたときは、その旨を公示しなければならない。

4 郵政大臣は、指定試験機関の指定をしたときは、当該指定に係る区分の試験事務を行わないものとする。


 (指定試験機関の指定の基準)

第五十七条 郵政大臣は、前条第二項の申請に係る区分の試験事務につき他に指定試験機関の指定を受けた者がなく、かつ、当該申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、指定試験機関の指定をしてはならない。

 一 職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が試験事務の適確な実施のために適切なものであること。

 二 前号の試験事務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

 三 試験事務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて試験事務が不公正になるおそれがないこと。

2 郵政大臣は、前条第二項の申請をした者が次の各号の一に該当するときは、指定試験機関の指定をしてはならない。

 一 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人以外の者であること。

 二 この法律又は有線電気通信法若しくは電波法の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であること。

 三 第六十六条第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。

 四 その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。

  イ 第二号に該当する者

  ロ 第五十九条第三項の規定による命令により解任され、その解任の日から二年を経過しない者


 (試験員)

第五十八条 指定試験機関は、試験事務を行う場合において、電気通信主任技術者として必要な専門的知識及び能力又は工事担任者として必要な知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務については、郵政省令で定める要件を備える者(以下「試験員」という。)に行わせなければならない。


 (役員等の選任及び解任)

第五十九条 指定試験機関の役員の選任及び解任は、郵政大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 指定試験機関は、試験員を選任し、又は解任したときは、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

3 郵政大臣は、指定試験機関の役員又は試験員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分又は第六十一条第一項の試験事務規程に違反したときは、その指定試験機関に対し、その役員又は試験員を解任すべきことを命ずることができる。


 (秘密保持義務等)

第六十条 指定試験機関の役員若しくは職員(試験員を含む。)又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

2 試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員(試験員を含む。)は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。


 (試験事務規程)

第六十一条 指定試験機関は、郵政省令で定める試験事務の実施に関する事項について試験事務規程を定め、郵政大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 郵政大臣は、前項の認可をした試験事務規程が試験事務の適確な実施上不適当となつたと認めるときは、その指定試験機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。


 (事業計画等)

第六十二条 指定試験機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、郵政大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 指定指験機関は、毎事業年度、事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に郵政大臣に提出しなければならない。


 (帳簿の備付け等)

第六十三条 指定試験機関は、郵政省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに試験事務に関する事項で郵政省令で定めるものを記載し、及びこれを保存しなければならない。


 (監督命令)

第六十四条 郵政大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。


 (業務の休廃止)

第六十五条 指定試験機関は、郵政大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部若しくは一部を休止し、又は廃止してはならない。

2 郵政大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。


 (指定の取消し等)

第六十六条 郵政大臣は、指定試験機関が第五十七条第二項各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。

2 郵政大臣は、指定試験機関が次の各号の一に該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 この款の規定に違反したとき。

 二 第五十七条第一項各号の一に適合しなくなつたと認められるとき。

 三 第五十九条第三項、第六十一条第二項又は第六十四条の規定による命令に違反したとき。

 四 第六十一条第一項の規定により認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行つたとき。

 五 不正な手段により指定を受けたとき。

3 郵政大臣は、第一項若しくは前項の規定により指定を取り消し、又は同項の規定により試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。


 (郵政大臣による試験事務の実施)

第六十七条 郵政大臣は、指定試験機関が第六十五条第一項の規定により試験事務の全部若しくは一部を休止したとき、前条第二項の規定により指定試験機関に対し試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災その他の事由により試験事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、第五十六条第四項の規定にかかわらず、試験事務の全部又は一部を自ら行うものとする。

2 郵政大臣は、前項の規定により試験事務を行うこととし、又は同項の規定により行つている試験事務を行わないこととするときは、あらかじめその旨を公示しなければならない。

3 郵政大臣が、第一項の規定により試験事務を行うこととし、第六十五条第一項の規定により試験事務の廃止を許可し、又は前条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における試験事務の引継ぎその他の必要な事項は、郵政省令で定める。

     第二款 指定認定機関


 (指定認定機関の指定)

第六十八条 郵政大臣は、その指定する者(以下「指定認定機関」という。)に技術基準適合認定を行わせることができる。

2 指定認定機関の指定は、郵政省令で定める区分ごとに、技術基準適合認定を行おうとする者の申請により行う。

3 郵政大臣は、指定認定機関の指定をしたときは、当該指定に係る区分の技術基準適合認定を行わないものとする。


 (指定認定機関の指定の基準)

第六十九条 郵政大臣は、前条第二項の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、指定認定機関の指定をしてはならない。

 一 職員、設備、技術基準適合認定の業務の実施の方法その他の事項についての技術基準適合認定の業務の実施に関する計画が技術基準適合認定の業務の適確な実施のために適切なものであること。

 二 前号の技術基準適合認定の業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

 三 技術基準適合認定の業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて技術基準適合認定の業務が不公正になるおそれがないこと。

 四 その指定をすることによつて当該申請に係る区分の技術基準適合認定の業務の適確な実施を阻害することとならないこと。

2 第五十七条第二項の規定は、指定認定機関の指定について準用する。


 (指定の公示等)

第七十条 郵政大臣は、指定認定機関の指定をしたときは、指定認定機関の名称及び住所、指定に係る区分、技術基準適合認定の業務を行う事務所の所在地並びに技術基準適合認定の業務の開始の日を公示しなければならない。

2 指定認定機関は、その名称若しくは住所又は技術基準適合認定の業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

3 郵政大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。


 (技術基準適合認定の義務等)

第七十一条 指定認定機関は、技術基準適合認定を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、技術基準適合認定のための審査を行わなければならない。

2 指定認定機関は、技術基準適合認定を行うときは、郵政省令で定める方法に従い、郵政省令で定める要件を備える者(以下「認定員」という。)にその審査を行わせなければならない。


 (準用)

第七十二条 第五十条第二項及び第五十九条から第六十七条までの規定は、指定認定機関について準用する。この場合において、第五十九条第二項及び第三項並びに第六十条中「試験員」とあるのは「第七十一条第二項の認定員」と、第五十九条第三項、第六十一条及び第六十六条第二項第四号中「試験事務規程」とあるのは「業務規程」と、第六十条、第六十一条、第六十四条、第六十五条第一項、第六十六条第二項及び第三項並びに第六十七条中「試験事務」とあるのは「技術基準適合認定の業務」と、第六十三条中「試験事務」とあるのは「技術基準適合認定」と、第六十六条第二項第一号中「この款」とあるのは「第七十一条の規定又は第七十二条において準用するこの款」と、同項第二号中「第五十七条第一項各号」とあるのは「第六十九条第一項第一号から第三号まで」と読み替えるものとする。

   第三章 土地の使用


 (土地等の使用権)

第七十三条 第一種電気通信事業者は、第一種電気通信事業の用に供する線路及び空中線並びにこれらの附属設備(以下この章において「線路」と総称する。)を設置するため他人の土地及びこれに定着する建物その他の工作物(以下単に「土地等」という。)を利用することが必要かつ適当であるときは、その土地等の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受けて、その土地等の所有者(所有権以外の権原に基づきその土地等を使用する者があるときは、その者及び所有者。以下同じ。)に対し、その土地等を使用する権利(以下「使用権」という。)の設定に関する協議を求めることができる。第三項の存続期間が満了した後において、その期間を延長して使用しようとするときも、同様とする。

2 前項の認可は、第一種電気通信事業者がその土地等の利用を著しく妨げない限度において使用する場合にすることができる。ただし、他の法律によつて土地等を収用し、又は使用することができる事業の用に供されている土地等にあつてはその事業のための土地等の利用を妨げない限度において利用する場合に限り、建物その他の工作物にあつては線路を支持するために利用する場合に限る。

3 第一項の使用権の存続期間は、十五年(地下ケーブルその他の地下工作物又は鉄鋼若しくはコンクリート造の地上工作物の設置を目的とするものにあつては、五十年)とする。ただし、同項の協議又は第七十七条第二項若しくは第三項の裁定においてこれより短い期間を定めたときは、この限りでない。

4 都道府県知事は、第一項の認可をしたときは、その旨をその土地等の所有者に通知するとともに、これを公告しなければならない。

5 第一項の協議が調つた場合には、第一種電気通信事業者及び土地等の所有者は、郵政省令で定めるところにより、その協議において定めた事項を都道府県知事に届け出るものとする。

6 前項の届出があつたときは、その届け出たところに従い、第一種電気通信事業者がその土地等の使用権を取得し、又は当該使用権の存続期間が延長されるものとする。


 (裁定の申請)

第七十四条 前条第一項の規定による協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、第一種電気通信事業者は、郵政省令で定める手続に従い、その土地等の使用について、都道府県知事の裁定を申請することができる。ただし、同項の認可があつた日から三月を経過したときは、この限りでない。

2 第一種電気通信事業者は、使用権の存続期間の延長について前項の規定により裁定を申請したときは、その裁定があるまでは、引き続きその土地等を使用することができる。


 (裁定)

第七十五条 都道府県知事は、前条第一項の規定による裁定の申請を受理したときは、三日以内に、その申請書の写しを当該市町村長に送付するとともに、土地等の所有者に裁定の申請があつた旨を通知しなければならない。

2 市町村長は、前項の書類を受け取つたときは、三日以内に、その旨を公告し、公告の日から一週間、これを公衆の縦覧に供しなければならない。

3 市町村長は、前項の規定による公告をしたときは、公告の日を都道府県知事に報告しなければならない。

4 前三項の規定の適用については、これらの規定中「市町村長」とあるのは、特別区のある地にあつては「特別区の区長」と、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては「区長」と、全部事務組合のある地にあつては「全部事務組合の管理者」と、役場事務組合のある地にあつては「役場事務組合の管理者」とする。

第七十六条 前条第二項の規定による公告があつたときは、土地等の所有者その他利害関係人は、公告の日から十日以内に、都道府県知事に意見書を提出することができる。

第七十七条 都道府県知事は、前条の期間が経過した後、速やかに、裁定をしなければならない。

2 使用権を設定すべき旨を定める裁定においては、次の事項を定めなければならない。

 一 使用権を設定すべき土地等の所在地及びその範囲

 二 線路の種類及び数

 三 使用開始の時期

 四 使用権の存続期間を定めたときは、その期間

 五 対価の額並びにその支払の時期及び方法

3 使用権の存続期間を延長すべき旨を定める裁定においては、延長する期間(延長に際し前項第五号に掲げる事項を変更するときは、延長する期間及び当該変更後の同号に掲げる事項)を定めなければならない。

4 都道府県知事は、第二項第五号に掲げる事項(前項に規定する変更後のものを含む。)については、あらかじめ収用委員会の意見を聴き、これに基づいて裁定しなければならない。この場合において、同号の対価の額の基準は、その使用により通常生ずる損失を償うように、線路及び土地等の種類ごとに政令で定める。

5 都道府県知事は、第七十四条第一項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を第一種電気通信事業者及び土地等の所有者に通知するとともに、これを公告しなければならない。

6 使用権を設定すべき旨を定める裁定があつたときは、その裁定において定められた使用開始の時期に、第一種電気通信事業者は、その土地等の使用権を取得するものとする。

7 使用権の存続期間を延長すべき旨を定める裁定があつたときは、当該使用権の存続期間は、その裁定において定められた期間延長されるものとする。

8 第三十九条第六項から第八項までの規定は、第七十四条第一項の裁定について準用する。この場合において、第三十九条第六項及び第八項中「当事者が取得し、又は負担すべき金額」とあるのは「対価の額」と、同項中「異議申立て」とあるのは「審査請求」と読み替えるものとする。


 (土地等の一時使用)

第七十八条 第一種電気通信事業者は、次に掲げる目的のため他人の土地等を利用することが必要であつて、やむを得ないときは、その土地等の利用を著しく妨げない限度において、一時これを使用することができる。ただし、建物その他の工作物にあつては、線路を支持するために利用する場合に限る。

 一 線路に関する工事の施行のため必要な資材及び車両の置場並びに土石の捨場の設置

 二 天災、事変その他の非常事態が発生した場合その他特にやむを得ない事由がある場合における重要な通信を確保するための線路その他の電気通信設備の設置

 三 測標の設置

2 第一種電気通信事業者は、前項の規定により他人の土地等を一時使用しようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、天災、事変その他の非常事態が発生した場合において十五日以内の期間一時使用するときは、この限りでない。

3 第一種電気通信事業者は、第一項の規定により他人の土地等を一時使用しようとするときは、あらかじめ、土地等の占有者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、使用開始の後、遅滞なく、通知することをもつて足りる。

4 第一項の規定により一時使用しようとする土地等が居住の用に供されているときは、その居住者の承諾を得なければならない。

5 第一項の規定による一時使用の期間は、六月(同項第二号に規定する場合において仮線路又は測標を設置したときは、一年)を超えることができない。

6 第一項の規定による一時使用のため他人の土地等に立ち入る者は、第二項の許可を受けたことを証する書面(同項ただし書の場合にあつては、その身分を示す証明書)を携帯し、関係人に提示しなければならない。


 (土地の立入り)

第七十九条 第一種電気通信事業者は、線路に関する測量、実地調査又は工事のため必要があるときは、他人の土地に立ち入ることができる。

2 前条第二項から第四項まで及び第六項の規定は、第一種電気通信事業者が前項の規定により他人の土地に立ち入る場合について準用する。


 (通行)

第八十条 第一種電気通信事業者は、線路に関する工事又は線路の維持のため必要があるときは、他人の土地を通行することができる。

2 第五十一条第三項並びに第七十八条第三項及び第四項の規定は、第一種電気通信事業者が前項の規定により他人の土地を通行する場合について準用する。


 (植物の伐採)

第八十一条 第一種電気通信事業者は、植物が線路に障害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがある場合又は植物が線路に関する測量、実地調査若しくは工事に支障を及ぼす場合において、やむを得ないときは、都道府県知事の許可を受けて、その植物を伐採し、又は移植することができる。

2 第一種電気通信事業者は、前項の規定により植物を伐採し、又は移植するときは、あらかじめ、植物の所有者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、伐採又は移植の後、遅滞なく、通知することをもつて足りる。

3 第一種電気通信事業者は、植物が線路に障害を及ぼしている場合において、その障害を放置するときは、線路を著しく損壊し、通信の確保に重大な支障を生ずると認められるときは、第一項の規定にかかわらず、都道府県知事の許可を受けないで、その植物を伐採し、又は移植することができる。この場合においては、伐採又は移植の後、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出るとともに、植物の所有者に通知しなければならない。


 (損失補償)

第八十二条 第一種電気通信事業者は、第七十八条第一項の規定により他人の土地等を一時使用し、第七十九条第一項の規定により他人の土地に立ち入り、第八十条第一項の規定により他人の土地を通行し、又は前条第一項若しくは第三項の規定により植物を伐採し、若しくは移植したことによつて損失を生じたときは、損失を受けた者に対し、これを補償しなければならない。

2 前項の規定による損失の補償について、第一種電気通信事業者と損失を受けた者との間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、第一種電気通信事業者又は損失を受けた者は、郵政省令で定める手続に従い、都道府県知事の裁定を申請することができる。

3 第三十九条第三項から第八項までの規定は、前項の裁定について準用する。この場合において、同条第三項中「郵政大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「答弁書」とあるのは「答弁書(損失を受けた者に通知する場合にあつては、意見書)」と、同条第四項中「郵政大臣」とあるのは「都道府県知事」と、同条第六項及び第八項中「当事者が取得し、又は負担すべき金額」とあるのは「補償金の額」と、同項中「異議申立て」とあるのは「審査請求」と読み替えるものとする。

4 損失の補償をすべき旨を定める裁定においては、補償金の額並びにその支払の時期及び方法を定めなければならない。


 (線路の移転等)

第八十三条 線路が設置されている土地等又はこれに近接する土地等の利用の目的又は方法が変更されたため、その線路が土地等の利用に著しく支障を及ぼすようになつたときは、その土地等の所有者は、第一種電気通信事業者に、線路の移転その他支障の除去に必要な措置をすべきことを請求することができる。

2 第一種電気通信事業者は、前項の措置が業務の遂行上又は技術上著しく困難な場合を除き、同項の措置をしなければならない。

3 第一項の措置について、第一種電気通信事業者と土地等の所有者との間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、第一種電気通信事業者又は土地等の所有者は、郵政省令で定める手続に従い、都道府県知事の裁定を申請することができる。

4 第七十五条、第七十六条並びに第七十七条第一項及び第五項の規定は、前項の裁定について準用する。

5 第一項の措置をすべき旨を定める裁定においては、その措置に要する費用の全部又は一部を土地等の所有者が負担すべき旨を定めることができる。

6 第一項の措置をすべき旨を定める裁定においては、その措置をすべき時期(前項の場合にあつては、その時期並びに土地等の使用者が負担すべき費用の額、支払の時期及び支払の方法)を定めなければならない。

7 第四項において準用する第七十七条第五項の規定による公告があつたときは、裁定の定めるところに従い、第一種電気通信事業者と土地等の所有者との間に協議が調つたものとみなす。

8 第三十九条第六項から第八項までの規定は、第三項の裁定について準用する。この場合において、同条第六項及び第八項中「当事者が取得し、又は負担すべき金額」とあるのは「費用の負担の額」と、同項中「異議申立て」とあるのは「審査請求」と読み替えるものとする。


 (原状回復の義務)

第八十四条 第一種電気通信事業者は、土地等の使用を終わつたとき、又はその使用する土地等を第一種電気通信事業の用に供する必要がなくなつたときは、その土地等を原状に回復し、又は原状に回復しないことによつて生ずる損失を補償して、これを返還しなければならない。


 (公用水面の使用)

第八十五条 第一種電気通信事業者は、公共の用に供する水面(以下「水面」という。)に電気通信事業の用に供する水底線路(以下「水底線路」という。)を敷設しようとするときは、あらかじめ、次の事項を郵政大臣及び関係都道府県知事(漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第百三十六条の規定により農林水産大臣が自ら都道府県知事の権限を行う漁場たる水面については、農林水産大臣を含む。次項において同じ。)に届け出なければならない。

 一 水底線路の位置及び次条第一項の申請をしようとする区域

 二 工事の開始及び完了の時期

 三 工事の概要

2 関係都道府県知事は、前項の規定による届出があつた場合において、漁業権(漁業法による漁業権をいう。以下同じ。)に関する利害関係人若しくは同項第一号の区域において次条第四項の政令で定める漁業を現に適法に行つている者の意見により、又は漁業に対する影響を勘案して、前項の届出に係る事項を変更する必要があると認めるときは、他の関係都道府県知事がある場合にあつては必要な協議を行つた上、届出があつた日から三十日以内に、その旨を郵政大臣及び当該第一種電気通信事業者に通知することができる。

3 第一種電気通信事業者は、前項の規定による通知を受けた場合には、当該事項を変更しなければならない。ただし、当該事項の変更がその業務の遂行上著しい支障がある場合において、その変更を要しない旨の郵政大臣の認可を受けたときは、その事項については、この限りでない。


 (水底線路の保護)

第八十六条 郵政大臣は、第一種電気通信事業者の申請があつた場合において、前条に定める敷設の手続を経た水底線路を保護するため必要があるときは、その水底線路から千メートル(河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)が適用され、又は準用される河川(以下「河川」という。)については、五十メートル)以内の区域を保護区域として指定することができる。

2 前項の規定による指定は、告示によつて行う。

3 第一種電気通信事業者は、第一項の規定による保護区域の指定があつたときは、郵政省令で定めるところにより、これを示す陸標を設置し、かつ、その陸標の位置を公告しなければならない。

4 何人も、第一項の保護区域内において、船舶をびよう泊させ、底びき網を用いる漁業その他の政令で定める漁業を行い、若しくは土砂を掘採し、又は前項の陸標に舟若しくはいかだをつないではならない。ただし、河川管理者が河川工事を行う場合、海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第二条第二項に規定する海岸管理者(以下この条において「海岸管理者」という。)が同法第二条第一項に規定する海岸保全施設(以下この項において「海岸保全施設」という。)に関する工事を施行する場合又は同法第六条第一項の規定により主務大臣が海岸保全施設に関する工事を施行する場合においてやむを得ない事情があるとき、その他政令で定める場合は、この限りでない。

5 都道府県知事(漁業法第百三十六条の規定により農林水産大臣が自ら都道府県知事の権限を行う場合は、農林水産大臣。次項において同じ。)は、第一種電気通信事業者の申請があつた場合において、水底線路を保護する必要があると認めるときは、第一項の保護区域内の水面に設定されている漁業権を取り消し、変更し、又はその行使の停止を命ずることができる。

6 都道府県知事は、第一項の保護区域内の水面における漁業権の設定については、水底線路の保護に必要な配慮をしなければならない。

7 海岸管理者は、第一項の保護区域の水面における施設若しくは工作物の設置又は行為の許可については、水底線路の保護に必要な配慮をしなければならない。

第八十七条 第一種電気通信事業者は、前条第五項の規定による漁業権の取消し、変更又はその行使の停止によつて生じた損失を当該漁業権者に対し補償しなければならない。

2 漁業法第三十九条第六項から第十一項までの規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。この場合において、同条第九項中「国」とあり、及び同条第十項中「政府」とあるのは、「第一種電気通信事業者」と読み替えるものとする。

第八十八条 船舶は、水底線路の敷設若しくは修理に従事している船舶であつて、その旨を示す標識を掲げているものから千メートル以内で郵政省令で定める範囲内(河川については、五十メートル以内)又は施設若しくは修理中の水底線路の位置を示す浮標であつて、その旨の標識を掲げてあるものから四百メートル以内で郵政省令で定める範囲内(河川については、三十メートル以内)の水面を航行してはならない。

   第四章 雑則


 (許可等の条件)

第八十九条 許可又は認可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。

2 前項の条件は、許可若しくは認可の趣旨に照らして、又は許可若しくは認可に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。


 (適用除外等)

第九十条 この法律の規定は、次に掲げる電気通信事業については、適用しない。

 一 専ら一の者(電気通信事業者たる一の者を除く。)に電気通信役務を提供する電気通信事業

 二 その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一の建物内である電気通信設備その他郵政省令で定める基準に満たない規模の電気通信設備により電気通信役務を提供する電気通信事業

 三 電気通信設備を用いて他人の通信を媒介する電気通信役務以外の電気通信役務を提供する第二種電気通信事業

2 前項の規定にかかわらず、第三条及び第四条の規定は、同項各号に掲げる電気通信事業を営む者の取扱中に係る通信についても適用する。


 (外国人等の取得した株式の取扱い)

第九十一条 証券取引所に上場されている株式又はこれに準ずるものとして郵政省令で定める株式を発行している会社である第一種電気通信事業者は、その株式を取得した第十一条第四号から第六号までに掲げる者又はこれらの者の占める議決権の割合が郵政省令で定める割合以上である法人若しくは団体(次項において「外国人等」という。)から、その氏名及び住所を株主名簿に記載することの請求を受けた場合において、その請求に応ずることにより同条第七号に該当することとなるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載することを拒むことができる。

2 前項の第一種電気通信事業者は、郵政省令で定めるところにより、外国人等がその議決権に占める割合を公告しなければならない。ただし、その割合が郵政省令で定める割合に達しないときは、この限りでない。


 (報告及び検査)

第九十二条 郵政大臣は、この法律の施行に必要な限度において、電気通信事業者に対し、その事業に関し報告をさせ、又はその職員に、第一種電気通信事業者若しくは特別第二種電気通信事業者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、電気通信設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 郵政大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定試験機関若しくは指定認定機関に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、指定試験機関若しくは指定認定機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

3 前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。


 (協議等)

第九十三条 この法律の規定により、第二種電気通信事業に関し、郵政大臣が郵政省令(政令で定めるものに限る。)を定め、若しくは命令その他の処分(政令で定めるものに限る。)を行う場合又は郵政大臣に対し第二種電気通信事業に関する届出(政令で定めるものに限る。)若しくは登録の申請があつた場合における必要な関係行政機関との協議、これに対する通知その他の手続については、政令で定める。


 (審議会への諮問)

第九十四条 郵政大臣は、次に掲げる処分等をしようとするときは、政令で定める審議会(以下この条において「審議会」という。)に諮り、その決定を尊重してこれをしなければならない。ただし、審議会が軽微な事項と認めたものについては、この限りでない。

 一 第九条第一項の規定による第一種電気通信事業の許可

 二 第十四条第一項の規定による第一種電気通信事業者の電気通信役務の種類等の変更の許可

 三 第二十一条第三項の規定による政令の制定、変更又は廃止の立案

 四 第三十一条第一項の規定による第一種電気通信事業者の契約約款に関する認可

 五 第四十一条第一項、第四十九条第一項又は第五十二条第一項第一号の規定による技術基準に係る郵政省令の制定、変更又は廃止


 (聴聞)

第九十五条 郵政大臣は、第十九条第一項、第二十条第一項、第二十八条第一項、第三十六条第一項若しくは第二項、第三十七条、第三十九条第一項、第四十六条(第五十四条第二項において準用する場合を含む。)、第五十九条第三項(第七十二条において準用する場合を含む。)又は第六十六条第一項(第七十二条において準用する場合を含む。)の規定による処分をしようとするときは、当該処分に係る者に対し、相当な期間を置いて予告をした上、聴聞を行わなければならない。

2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。

3 第一項の聴聞に際しては、当該処分に係る者及び利害関係人に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。


 (不服申立ての手続における聴聞)

第九十六条 この法律の規定による処分についての審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定は、前条の規定の例により聴聞をした後にしなければならない。


 (指定試験機関等の処分についての審査請求)

第九十七条 この法律の規定による指定試験機関又は指定認定機関の処分に不服がある者は、郵政大臣に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。


 (手数料)

第九十八条 第十二条第四項の規定による確認を受ける者、電気通信主任技術者試験若しくは工事担任者試験を受けようとする者、技術基準適合認定を受けようとする者又は電気通信主任技術者資格者証若しくは工事担任者資格者証の交付若しくは再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

2 前項の手数料は、指定試験機関がその試験事務を行う試験を受けようとする者の納めるものについては当該指定試験機関の、指定認定機関が行う技術基準適合認定を受けようとする者の納めるものについては当該指定認定機関の、その他のものについては国庫の収入とする。


 (経過措置)

第九十九条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   第五章

第百条 第九条第一項の規定に違反して第一種電気通信事業を営んだ者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第百一条 次の各号の一に該当する者は、二年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第十八条第一項の規定に違反して第一種電気通信事業の全部又は一部を休止し、又は廃止した者

 二 第三十四条の規定に違反して電気通信役務の提供を拒んだ者

第百二条 みだりに電気通信事業者の事業用電気通信設備を操作して電気通信役務の提供を妨害した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 第一種電気通信事業又は特別第二種電気通信事業に従事する者が、正当な理由がないのに電気通信事業者の事業用電気通信設備の維持又は運用の業務の取扱いをせず、電気通信役務の提供に障害を生ぜしめたときも、前項と同様とする。

3 第一項の未遂罪は、罰する。

第百三条 第二十四条第一項の規定に違反して特別第二種電気通信事業を営んだ者は、一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第百四条 電気通信事業者の取扱中に係る通信(第九十条第二項に規定する通信を含む。)の秘密を侵した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 電気通信事業に従事する者が前項の行為をしたときは、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

3 前二項の未遂罪は、罰する。

第百五条 第六十条第一項(第七十二条において準用する場合を含む。)の規定に違反してその職務に関し知り得た秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第百六条 第六十六条第二項(第七十二条において準用する場合を含む。)の規定による業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定試験機関又は指定認定機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第百七条 次の各号の一に該当する者は、百万円以下の罰金に処する。

 一 第十四条第一項の規定に違反して第九条第二項第二号から第四号までの事項を変更した者

 二 第十五条第一項の規定に違反して電気通信業務の一部を委託した者

 三 第三十一条第三項の規定に違反して電気通信役務を提供した者

 四 第三十六条第一項若しくは第二項、第三十七条、第三十九条第一項又は第四十二条の規定による命令又は処分に違反した者

 五 第三十八条第一項又は第四十条の規定に違反して協定又は契約を締結し、変更し、又は廃止した者

 六 第四十四条第一項の規定に違反して電気通信主任技術者を選任しなかつた者

第百八条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十二条第一項の規定に違反して一般第二種電気通信事業を営んだ者

 二 第二十七条第一項の規定に違反して第二十四条第二項第二号又は第三号の事項を変更した者

 三 第三十一条第六項において準用する同条第三項の規定に違反して電気通信役務を提供した者

 四 第五十条第三項の規定に違反して技術基準適合認定をした旨の表示又はこれと紛らわしい表示を付した者

第百九条 第九十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした電気通信事業者又は同項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した第一種電気通信事業者若しくは特別第二種電気通信事業者の役員若しくは職員は、二十万円以下の罰金に処する。

第百十条 次の各号の一に該当するときは、その違反行為をした指定試験機関又は指定認定機関の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第六十三条(第七十二条において準用する場合を含む。)の規定に違反して帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。

 二 第六十五条第一項(第七十二条において準用する場合を含む。)の規定に違反して試験事務又は技術基準適合認定の業務の全部を廃止したとき。

 三 第九十二条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

第百十一条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。

 一 第十二条第五項(第十四条第四項において準用する場合を含む。)、第二十二条第三項、第二十三条第二項若しくは第三項(第三十条において準用する場合を含む。)、第四十三条第一項若しくは第二項又は第四十四条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 第三十二条第一項の規定に違反して契約約款を掲示しなかつた者

 三 第三十五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 四 第八十六条第四項又は第八十八条の規定に違反した者

第百十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百条から前条までの違反行為(第百二条、第百五条、第百六条及び第百十条の違反行為を除く。)をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第百十三条 第三十三条の規定に違反した者は、百万円以下の過料に処する。

第百十四条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の過料に処する。

 一 第十三条、第十四条第二項、第二十二条第二項、第二十三条第四項(第三十条において準用する場合を含む。)又は第二十七条第四項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 正当な理由がないのに第四十六条(第五十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反して電気通信主任技術者資格者証又は工事担任者資格者証を返納しなかつた者

 三 第八十六条第三項の規定に違反した者


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和六十年四月一日から施行する。


 (検討)

第二条 政府は、この法律の施行の日から三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


 (公衆電気通信法の廃止)

第三条 公衆電気通信法(昭和二十八年法律第九十七号)は、廃止する。


 (経過措置)

第四条 この法律の施行の際現に解散前の日本電信電話公社(以下「旧公社」という。)が行つている公衆電気通信業務に係る事業であつて第一種電気通信事業に該当し、又はこれとみなされるものについては、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)に日本電信電話株式会社(以下「日本電電」という。)が第九条第一項の許可を受けたものとみなす。

2 この法律の施行の際現に国際電信電話株式会社(以下「国際電電」という。)が行つている公衆電気通信業務に係る事業であつて第一種電気通信事業に該当し、又はこれとみなされるものについては、施行日に第九条第一項の許可を受けたものとみなす。

3 日本電電及び国際電電は、前二項に規定する事業に関し、郵政省令で定める事項を施行日から一月以内に、郵政大臣に届け出なければならない。

第五条 電報の事業(配達の業務を含む。次項において同じ。)は、当分の間、第一種電気通信事業とみなし、日本電電及び国際電電のみがこれを行うことができる。この場合において、日本電電及び国際電電が行う電報の取扱いの役務は、電気通信役務とみなし、当該役務の提供の業務は、電気通信業務とみなして、この法律の規定(罰則を含む。)を適用する。

2 日本電電及び国際電電は、第十五条第一項の規定にかかわらず、郵政省令で定めるところにより、電報の事業に係る業務の一部を委託することができる。

3 前二項に規定するもののほか、電報の取扱いに係る業務又は役務に関し必要な事項は、郵政省令で定める。

第六条 この法律の施行の際現にこの法律による廃止前の公衆電気通信法(以下「旧公衆法」という。)第五十五条の十三第二項の郵政省令で定める場合に該当するものとして一般第二種電気通信事業に相当する事業を営んでいる者は、施行日に第二十二条第一項の規定による届出をしたものとみなす。

第七条 この法律の施行の際現に旧公衆法第七条から第十条までの規定に基づき旧公社又は国際電電が行つている公衆電気通信業務の一部の委託については、施行日において定められているその期限までの間は、日本電電又は国際電電が第十五条第一項の認可を受け、又は附則第五条第二項の規定に基づいて行つている委託とみなす。

第八条 附則第四条第一項又は第二項の規定により第九条第一項の許可を受けたものとみなされた第一種電気通信事業に係る電気通信役務の提供に関しこの法律の規定により認可を必要とする事項については、日本電電及び国際電電は、施行日から二月以内に、その認可の申請をしなければならない。

2 日本電電及び国際電電は、施行日から前項の申請に基づく認可に関する処分があるまでの間は、従前の条件でその電気通信役務を提供することができる。

第九条 旧公社と締結した契約に基づく旧公衆法の規定による電話加入権については、当分の間、旧公衆法第三十八条から第三十八条の三までの規定は、施行日以後も、なおその効力を有する。この場合において、旧公衆法第三十八条第一項及び第二項中「公社」とあるのは「日本電信電話株式会社」と、同条第四項中「質権の目的とすることができない」とあるのは「電話加入権質に関する臨時特例法(昭和三十三年法律第百三十八号)に定める場合を除き、質権の目的とすることができない」と、旧公衆法第三十八条の二及び第三十八条の三第一項中「電話取扱局」とあるのは「日本電信電話株式会社において電話に関する現業事務を取り扱う事務所」とする。

2 施行日以後に、日本電電と締結する契約に基づく権利であつて、前項の電話加入権に相当するものとして郵政省令で定める要件に該当するものについては、旧公衆法第三十八条から第三十八条の三までの規定が同項の規定によりなおその効力を有する間は、同項の電話加入権に関して適用されるこれらの規定の例による。

第十条 この法律の施行の際現に国際電電が旧公衆法第百八条の認可を受けて締結している協定又は契約については、当該協定又は契約に定められている期限までの間は、第四十条の認可を受けて締結しているものとみなす。

第十一条 日本電電又は国際電電についての第四十三条第一項の規定の適用については、同項中「事業の開始前に」とあるのは、「この法律の施行後、遅滞なく」とする。

第十二条 第四十四条第一項の規定は、日本電電又は国際電電については、施行日から六月間は、適用しない。

第十三条 この法律の施行の際現に旧公衆法第五十五条の八、第五十五条の十一第三項(旧公衆法第五十五条の十八において準用する場合を含む。)、第五十五条の十三の二第一項、第五十五条の二十一、第百五条第一項若しくは第百八条の二又は第五十五条の十六若しくは第百六条の規定に基づき、公衆電気通信役務の利用者等が設置し、電気通信回線設備に接続している端末設備又は私設有線設備については、第五十一条第一項前段(第五十二条第二項において準用する場合を含む。)の検査を受け技術基準に適合していると認められた端末設備又は自営電気通信設備とみなす。

第十四条 この法律の施行の際現に旧公衆法第五十五条の十七若しくは第百五条第七項の規定又は第百八条の二に規定する契約約款の条項に基づく工事担任者である者は、施行日から六月間に限り、従前の資格の範囲内において第五十三条第一項に規定する工事担任者とみなす。次項の規定による届出をした場合において、工事担任者資格者証の交付があるまでの間も、同様とする。

2 前項に規定する者は、郵政省令で定めるところにより、同項に規定する期間に郵政大臣に届出をしたときは、第五十四条第二項において準用する第四十五条第三項第三号の認定を受けたものとみなす。

第十五条 この法律の施行前に旧公社又は国際電電が旧公衆法第百条第一項の規定により行つた届出は、日本電電又は国際電電が第八十五条第一項の規定により行つた届出とみなす。

第十六条 この法律の施行の際現に旧公衆法第百一条第一項の規定により指定されている区域については、第八十六条第一項の規定による保護区域の指定があつたものとみなす。

第十七条 この法律の施行前に、旧公衆法又はこれに基づく命令により旧公社若しくは国際電電に対して行い、又はこれらの者が行つた処分、手続その他の行為は、この法律の相当する規定により、日本電電若しくは国際電電に対して行い、又はこれらの者が行つた処分、手続その他の行為とみなす。

第十八条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

2 この法律の施行前の旧公社又は国際電電の取扱中に係る通信の秘密に関しては、旧公衆法第百十二条の規定は、施行日以後も、なおその効力を有する。この場合において、同条第二項中「公衆電気通信業務に従事する者」とあるのは、「電気通信事業法の施行の際公衆電気通信業務に従事していた者で同法の施行後引き続き電気通信事業に従事するもの」とする。

第十九条 第十一条第一号及び第三号、第二十六条第一項第一号及び第三号並びに第五十七条第二項第二号及び第四号イ(第六十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、この法律の施行前に旧公衆法の規定により罰金以上の刑に処せられ、若しくはこの法律の施行後に前条の規定によりなおその例によることとされ、若しくはなおその効力を有することとされる旧公衆法の規定により罰金以上の刑に処せられた者(その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者に限る。)又はこれらの者をその役員に含む法人若しくは団体は、これらの規定に該当する者とみなす。

 (政令への委任)

第二十条 附則第四条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

(内閣総理・法務・大蔵・農林水産・郵政・建設・自治大臣署名) 

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