社会福祉・医療事業団法

法律第七十五号(昭五九・八・一四)

 社会福祉事業振興会法(昭和二十八年法律第二百四十号)の全部を改正する。

目次

 第一章 総則(第一条―第七条)

 第二章 役員及び職員(第八条―第十八条)

 第三章 評議員会(第十九条・第二十条)

 第四章 業務(第二十一条―第二十三条)

 第五章 財務及び会計(第二十四条―第三十五条)

 第六章 監督(第三十六条・第三十七条)

 第七章 雑則(第三十八条―第四十条)

 第八章 罰則(第四十一条―第四十三条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 社会福祉・医療事業団は、社会福祉事業施設の設置等に必要な資金の融通その他社会福祉事業に関する必要な助成、社会福祉施設職員退職手当共済制度の運営、心身障害者扶養保険事業の実施、病院、診療所等の設置等に必要な資金の融通並びに社会福祉事業施設及び病院、診療所等に関する経営指導を行い、もつて社会福祉の増進並びに医療の普及及び向上を図ることを目的とする。

 (法人格)

第二条 社会福祉・医療事業団(以下「事業団」という。)は、法人とする。

 (事務所)

第三条 事業団は、主たる事務所を東京都に置く。

2 事業団は、厚生大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。

 (資本金)

第四条 事業団の資本金は、十億五千万円と附則第三条第六項の規定により政府から出資があつたものとされた金額の合計額とし、政府がその全額を出資する。

2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、事業団に追加して出資することができる。

3 事業団は、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により資本金を増加するものとする。

 (登記)

第五条 事業団は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。

2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 (名称の使用制限)

第六条 事業団でない者は、社会福祉・医療事業団という名称を用いてはならない。

 (民法の準用)

第七条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十条の規定は、事業団について準用する。

   第二章 役員及び職員

 (役員)

第八条 事業団に、役員として、理事長一人、副理事長一人、理事四人以内及び監事二人以内を置く。

2 事業団に、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事二人以内を置くことができる。

 (役員の職務及び権限)

第九条 理事長は、事業団を代表し、その業務を総理する。

2 副理事長は、事業団を代表し、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。

3 理事は、理事長の定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行う。

4 監事は、事業団の業務を監査する。

5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は厚生大臣に意見を提出することができる。

 (役員の任命)

第十条 理事長及び監事は、厚生大臣が任命する。

2 副理事長及び理事は、厚生大臣の認可を受けて、理事長が任命する。

 (役員の任期)

第十一条 理事長及び副理事長の任期は、四年とし、理事及び監事の任期は、二年とする。

2 役員は、再任されることができる。


 (役員の欠格条項)

第十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。

 一 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)

 二 社会福祉事業法(昭和二十六年法律第四十五号)第三十四条第四項各号のいずれかに該当する者

 (役員の解任)

第十三条 厚生大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。

2 厚生大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号のいずれかに該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。

 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。

 二 職務上の義務違反があるとき。

3 理事長は、前項の規定によりその任命に係る役員を解任しようとするときは、厚生大臣の認可を受けなければならない。

 (役員の兼職禁止)

第十四条 役員は、営利を目的とする団体、第二十一条第一項第一号に規定する社会福祉法人若しくは同項第二号に規定する事業を行うこと若しくは同項第五号に規定する施設を開設することを目的とする法人の役員となり、又は自ら、営利事業に従事し、同項第二号に規定する事業を行い、若しくは同項第五号に規定する施設を開設してはならない。ただし、厚生大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

 (代表権の制限)

第十五条 事業団と理事長又は副理事長との利益が相反する事項については、理事長及び副理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が事業団を代表する。

 (代理人の選任)

第十六条 理事長は、理事又は事業団の職員のうちから、事業団の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。

 (職員の任命)

第十七条 事業団の職員は、理事長が任命する。


 (役員及び職員の公務員たる性質)

第十八条 事業団の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

   第三章 評議員会


 (評議員会)

第十九条 事業団に、評議員会を置く。

2 評議員会は、理事長の諮問に応じ、予算、第三十条第一項の規定による長期借入金の借入れ又は社会福祉・医療事業団債券の発行その他の事業団の業務の運営に関する重要事項を調査審議する。

3 評議員会は、事業団の業務の運営につき、理事長に意見を述べることができる。


 (評議員)

第二十条 評議員会は、十人以上二十人以内の評議員をもつて組織する。

2 評議員は、社会福祉又は医療に関し学識経験のある者のうちから、厚生大臣が任命する。

3 評議員の任期は、二年とする。

4 第十一条第二項、第十二条並びに第十三条第一項及び第二項の規定は、評議員について準用する。

   第四章 業務


 (業務の範囲)

第二十一条 事業団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。

 一 社会福祉事業施設(社会福祉事業法第二条に規定する社会福祉事業に係る施設その他これに準ずる施設で政令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)を設置し、又は経営する社会福祉法人(以下この項において「社会福祉事業施設の設置者等」という。)に対し、社会福祉事業施設の設置、整備又は経営に必要な資金を貸し付けること。

 二 社会福祉事業施設の職員等社会福祉事業に関する事務に従事する者の研修、福利厚生その他社会福祉事業の振興上必要と認められる事業を行う者に対し、必要な資金を貸し付け、又は助成を行うこと。

 三 社会福祉施設職員退職手当共済法(昭和三十六年法律第百五十五号)の規定による退職手当金の支給に関する業務を行うこと。

 四 地方公共団体が心身障害者扶養共済制度の加入者に対して負う共済責任を保険する事業(第五項において「心身障害者扶養保険事業」という。)に関する業務を行うこと。

 五 病院、診療所、薬局その他政令で定める施設(以下この項において「病院等」という。)を開設する個人又は医療法人、民法第三十四条の規定により設立した法人その他政令で定める法人(次号及び第二十八条第一項において「病院等の開設者」という。)に対し、病院等(病院等の経営に関し必要な附属施設を含むものとし、薬局にあつては、調剤のために必要な施設とする。)の設置、整備又は経営に必要な資金を貸し付けること。

 六 社会福祉事業施設の設置者等又は病院等の開設者に対し、社会福祉事業施設又は病院等の経営の診断又は指導を行うこと。

 七 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

 八 前各号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するために必要な業務を行うこと。

2 事業団は、第二十九条第一項の規定により、前事業年度の損益計算において生じた利益から、繰越欠損の補てんに充てた金額及び当該前事業年度の積立金として積み立てられた金額を控除した金額に相当する金額の範囲内においてのみ、前項第二号の規定による助成を行うことができる。

3 第一項第四号に規定する心身障害者扶養共済制度とは、条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものをいう。

4 事業団は、第一項第四号に掲げる業務の開始の際、地方公共団体との保険契約に関する保険約款を定め、厚生大臣に提出してその認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

5 事業団は、厚生大臣の認可を受けて、生命保険会社と心身障害者扶養保険事業に関して心身障害者扶養共済制度の加入者を被保険者とする生命保険契約を締結するものとする。

6 事業団は、第一項第八号に掲げる業務を行おうとするときは、厚生大臣の認可を受けなければならない。


 (業務の委託)

第二十二条 事業団は、厚生大臣の認可を受けて、次の各号に掲げる業務について、当該各号に掲げる者に対し、当該業務の一部を委託することができる。

 一 前条第一項第一号、第二号及び第五号に掲げる業務(同項第二号に掲げる業務にあつては、貸付けに関する業務に限る。) 金融機関

 二 前条第一項第三号に掲げる業務 金融機関又は政令で定める社会福祉法人

 三 前条第一項第四号に掲げる業務 金融機関又は民法第三十四条の規定により設立した法人で政令で定めるもの

2 前項の規定により業務の委託を受けた者の役員及び職員であつて当該委託業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。


 (業務方法書)

第二十三条 事業団は、業務開始の際、業務方法書を作成し、厚生大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、厚生省令で定める。

   第五章 財務及び会計


 (事業年度)

第二十四条 事業団の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。


 (事業計画等の認可)

第二十五条 事業団は、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、厚生大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。


 (決算)

第二十六条 事業団は、毎事業年度の決算を翌事業年度の五月三十一日までに完結しなければならない。


 (財務諸表)

第二十七条 事業団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後二月以内に厚生大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

2 事業団は、前項の規定により財務諸表を厚生大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見を付けなければならない。

3 理事長は、財務諸表、事業報告書及び決算報告書を、監事の意見を付けて、決算完結後一月以内に評議員会に報告しなければならない。

4 事業団は、第一項の規定による厚生大臣の承認を受けた財務諸表を各事務所に備えて置かなければならない。


 (区分経理)

第二十八条 事業団は、第二十一条第一項第五号に掲げる業務及び同項第六号に掲げる業務であつて病院等の開設者に対するもの並びにこれらに附帯する義務に係る経理とその他の経理とを区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。

2 事業団は、前項に規定するその他の経理については、第二十一条第一項第三号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に係るもの並びに同項第四号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に係るものを、それぞれその他の業務に係るものと区分して整理しなければならない。


 (利益及び損失の処理)

第二十九条 事業団は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、繰越欠損の補てんに充て、なお残余があるときは、その残余の額のうち、政令で定める基準により計算した額以上の額を積立金として積み立てなければならない。

2 事業団は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。


 (借入金及び社会福祉・医療事業団債券)

第三十条 事業団は、厚生大臣の認可を受けて、長期借入金若しくは短期借入金をし、又は社会福祉・医療事業団債券(以下「債券」という。)を発行することができる。

2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。

3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。

4 第一項の規定による債券の債権者は、事業団の財産について他の債権者に先立つて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

5 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

6 事業団は、厚生大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。

7 商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百九条から第三百十一条までの規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。

8 第一項及び第四項から前項までに定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。


 (債務保証)

第三十一条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、事業団の長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。


 (償還計画)

第三十二条 事業団は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、厚生大臣の認可を受けなければならない。


 (余裕金の運用)

第三十三条 事業団は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。

 一 国債、地方債その他厚生大臣の指定する有価証券の取得

 二 資金運用部への預託

 三 銀行その他厚生大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金

 四 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託


 (給与及び退職手当の支給の基準)

第三十四条 事業団は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、厚生大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。


 (厚生省令への委任)

第三十五条 この法律及びこれに基づく政令に規定するもののほか、事業団の財務及び会計に関し必要な事項は、厚生省令で定める。

   第六章 監督


 (監督)

第三十六条 事業団は、厚生大臣が監督する。

2 厚生大臣は、この法律又は社会福祉施設職員退職手当共済法を施行するため必要があると認めるときは、事業団に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。


 (報告及び検査)

第三十七条 厚生大臣は、この法律又は社会福祉施設職員退職手当共済法を施行するため必要があると認めるときは、事業団若しくは第二十二条第一項の規定により業務の委託を受けた者(以下この条及び第四十一条において「受託者」という。)に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、事業団若しくは受託者の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。ただし、受託者に対しては、当該委託業務の範囲内に限る。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

   第七章 雑則


 (解散)

第三十八条 事業団の解散については、別に法律で定める。


 (大蔵大臣との協議)

第三十九条 厚生大臣は、次の場合には、大蔵大臣に協議しなければならない。

 一 第二十三条第二項又は第三十五条の厚生省令を定めようとするとき。

 二 第二十一条第四項若しくは第六項、第二十二条第一項、第二十三条第一項、第二十五条、第三十条第一項、第二項ただし書若しくは第六項又は第三十二条の認可をしようとするとき。

 三 第二十七条第一項又は第三十四条の承認をしようとするとき。

 四 第三十三条第一号又は第三号の規定による指定をしようとするとき。


 (他の法令の準用)

第四十条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、事業団を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。

   第八章 罰則

第四十一条 第三十七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした事業団又は受託者の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

第四十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした事業団の役員又は職員は、十万円以下の過料に処する。

 一 この法律の規定により厚生大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。

 二 第五条第一項の規定による政令に違反して登記することを怠つたとき。

 三 第二十一条第一項に規定する業務以外の業務を行つたとき。

 四 第三十三条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。

 五 第三十六条第二項の規定による厚生大臣の命令に違反したとき。

第四十三条 第六条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和六十年一月一日から施行する。


 (社会福祉・医療事業団への移行)

第二条 この法律による改正前の社会福祉事業振興会法(以下「旧振興会法」という。)附則第二項から第七項までの規定により設立された社会福祉事業振興会(以下「振興会」という。)は、この法律の施行の時において、この法律による改正後の社会福祉・医療事業団法(以下「事業団法」という。)の規定による社会福祉・医療事業団となるものとする。


 (医療金融公庫の解散等)

第三条 医療金融公庫(以下「公庫」という。)は、この法律の施行の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において事業団が承継する。

2 公庫の昭和五十九年四月一日に始まる事業年度は、公庫の解散の日の前日に終わるものとする。

3 公庫の昭和五十九年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに損益計算書、貸借対照表及び財産目録については、なお従前の例による。この場合において、附則第十二条の規定による廃止前の医療金融公庫法(昭和三十五年法律第九十五号。以下「旧公庫法」という。)第二十二条の規定による公庫の予算及び決算に関する法律(昭和二十六年法律第九十九号)の適用については、同法第十七条中「翌年度の五月三十一日」とあるのは「昭和六十年二月二十八日」と、同法第二十条中「翌年度の十一月三十日」とあるのは「昭和六十年十一月三十日」とする。

4 公庫の昭和五十九年四月一日に始まる事業年度における損益計算上の利益金については、なお従前の例による。この場合において、旧公庫法第二十三条第一項中「翌事業年度の五月三十一日」とあるのは「昭和六十年二月二十八日」と、同条第二項中「同項に規定する日の属する会計年度の前年度」とあるのは「昭和五十九年度」とする。

5 旧公庫法第二十八条の規定による公庫の受託金融機関に対する会計検査院の険査については、なお従前の例による。

6 第一項の規定により事業団が公庫の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における公庫に対する政府の出資金に相当する金額は、その承継に際し政府から事業団に出資されたものとする。

7 第一項の規定により公庫が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。


 (非課税)

第四条 前条第一項の規定により事業団が権利を承継する場合における当該承継に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税若しくは土地の取得に対して課する特別土地保有税又は自動車取得税を課することができない。

2 事業団が前条第一項の規定により権利を承継し、かつ、引き続き保有する土地で公庫が昭和四十四年一月一日前に取得したものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。

3 事業団が前条第一項の規定により権利を承継し、かつ、引き続き保有する土地(公庫が昭和五十七年四月一日以後に取得したものに限る。)のうち、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第五百九十九条第一項の規定により申告納付すべき日の属する年の一月一日において、公庫が当該土地を取得した日以後十年を経過しているものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。


 (職員に関する経過措置)

第五条 公庫の解散の際現にその職員として在職する者で引き続き事業団の職員となつたものについては、事業団が国家公務員等退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第七条の二第一項に規定する公庫等に該当する場合に限り、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第三十号)附則第九項中「在職した後」とあるのは「在職し、引き続き社会福祉・医療事業団において使用される者として在職した後」と、同法附則第十二項中「附則第九項に規定する者」とあるのは「社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)附則第五条の規定により読み替えて適用される附則第九項に規定する者」と読み替えてこれらの規定を適用する。


 (役員に関する経過措置)

第六条 この法律の施行の日の前日において振興会の会長又は評議員である者の任期は、旧振興会法第十三条第一項(旧振興会法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、その日に満了する。

2 この法律の施行の際振興会の理事又は監事である者は、別に辞令を用いないで、その際事業団法第十条第一項又は第二項の規定により事業団の理事又は監事として任命されたものとみなす。

3 前項の規定により任命されたものとみなされた事業団の理事又は監事の任期は、事業団法第十一条第一項の規定にかかわらず、この法律の施行の際におけるその者の振興会の理事又は監事としての残任期間と同一の期間とする。


 (名称の使用制限に関する経過措置)

第七条 この法律の施行の際現に社会福祉・医療事業団という名称を使用している者については、事業団法第六条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。


 (資金計画に関する経過措置)

第八条 事業団の昭和五十九年度の資金計画については、事業団法第二十五条中「資金計画」とあるのは「昭和六十年一月一日から同年三月三十一日までの期間に係る資金計画」と、「当該事業年度の開始前に」とあるのは「この法律の施行後遅滞なく」とする。


 (社会福祉事業振興債券に関する経過措置)

第九条 旧振興会法第三十条第一項の規定により振興会が発行した社会福祉事業振興債券は、事業団法第三十条第四項及び第五項の規定の適用については、同条第一項の規定による社会福祉・医療事業団債券とみなす。


 (社会福祉法人の範囲に関する経過措置)

第十条 この法律における社会福祉法人の範囲については、旧振興会法附則第八項の規定は、なおその効力を有する。この場合において、同項中「この法律」とあるのは、「社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)」とする。


 (年金福祉事業団に対する交付金の交付に関する経過措置)

第十一条 振興会の年金福祉事業団に対する交付金の交付については、旧振興会法附則第十項及び第十一項の規定は、なおその効力を有する。この場合において、これらの規定中「振興会」とあるのは、「社会福祉・医療事業団」とする。


 (医療金融公庫法の廃止)

第十二条 医療金融公庫法は、廃止する。


 (医療金融公庫法の廃止に伴う経過措置)

第十三条 前条の規定の施行前に旧公庫法(第十条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、事業団法中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。


 (罰則の経過措置)

第十四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


 (その他の経過措置の政令への委任)

第十五条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。


 (国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律等の一部改正)

第十六条 次に掲げる法律の規定中「、医療金融公庫」を削る。

 一 国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律(昭和二十五年法律第六十一号)第一条第一項

 二 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第百三十六条の二第一項第二号

 三 予算執行職員等の責任に関する法律(昭和二十五年法律第百七十二号)第九条第一項

 四 公庫の予算及び決算に関する法律第一条

 五 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)第四条第八十九号


 (予算執行職員等の責任に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第十七条 前条の規定による改正前の予算執行職員等の責任に関する法律第九条第一項、第十条第一項又は第十一条第一項に規定する公庫の予算執行職員、現金出納職員又は物品管理職員の前条の規定の施行前にした行為については、同条の規定による改正前の同法の規定は、なおその効力を有する。


 (地方税法の一部改正)

第十八条 地方税法の一部を次のように改正する。

  第二十五条第一項第一号中「、社会福祉事業振興会」を削る。

  第七十二条の四第一項第二号中「公害防止事業団」の下に、「、社会福祉・医療事業団」を加え、「、医療金融公庫」を削り、同項第三号中「、社会福祉事業振興会」を削る。

  第二百九十六条第一項第一号中「、社会福祉事業振興会」を削る。

  附則第九条第二項中「社会福祉事業振興会法(昭和二十八年法律第二百四十号)第二十三条第五項の規定によつて社会福祉事業振興会」を「社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)第二十一条第五項の規定によつて社会福祉・医療事業団」に改める。


 (信用金庫法の一部改正)

第十九条 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。

  第五十三条第九項中第四号を削り、第五号を第四号とし、第六号から第八号までを一号ずつ繰り上げる。


 (日本赤十字社法の一部改正)

第二十条 日本赤十字社法(昭和二十七年法律第三百五号)の一部を次のように改正する。

  第三十五条第二項中「社会福祉事業振興会法(昭和二十八年法律第二百四十号)」を「社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)」に改める。


 (社会福祉施設職員退職手当共済法の一部改正)

第二十一条 社会福祉施設職員退職手当共済法の一部を次のように改正する。

  第二条第四項中「社会福祉事業振興会(以下「振興会」という。)」を「社会福祉・医療事業団(以下「事業団」という。)」に、「振興会」を「事業団」に改める。

  第三条、第四条第一項、第六条第一項から第三項まで及び第六項、第七条、第十二条、第十三条、第十五条第一項、第十六条、第十七条第一項、第十八条、第十九条、第二十一条、第二十四条第一項、第二十五条第一項及び第二項並びに第二十六条中「振興会」を「事業団」に改める。


 (所得税法の一部改正)

第二十二条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表中医療金融公庫の項を削り、同表中社会福祉事業振興会の項を次のように改める。

社会福祉・医療事業団

社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)


 (法人税法の一部改正)

第二十三条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表中医療金融公庫の項を削り、同表中社会福祉事業振興会の項を次のように改める。

社会福祉・医療事業団

社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)


 (印紙税法の一部改正)

第二十四条 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第二中医療金融公庫の項を削り、同表中社会福祉事業振興会の項を次のように改める。

社会福祉・医療事業団

社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)


 (登録免許税法の一部改正)

第二十五条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

  別表第二中医療金融公庫の項を削り、同表中社会福祉事業振興会の項を次のように改める。

社会福祉・医療事業団

社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)


 (厚生省設置法の一部改正)

第二十六条 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。

  第五条第百十一号中「医療金融公庫・社会福祉事業振興会」を「社会福祉・医療事業団」に改める。

(大蔵・厚生・自治・内閣総理大臣署名) 

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