国民年金法等の一部を改正する法律

法律第四十六号(昭五三・五・一六)

 (国民年金法の一部改正)

第一条 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。

  第五十八条中「二十七万円」を「二十九万七千六百円」に、「十八万円」を「十九万八千円」に改める。

  第六十二条中「二十三万四千円」を「二十五万八千円」に改める。

  第七十七条第一項ただし書中「十八万円」を「十九万八千円」に改める。

  第七十八条第二項中「十八万円」を「十九万八千円」に改め、同条第三項中「又は受給権者であつたことがある者」を削り、同条第四項中「その者の選択により、その一を支給し、他は」を「通算老齢年金を」に改める。

  第七十九条の二第四項中「十八万円」を「十九万八千円」に改める。

  第八十七条第三項中「二千二百円」を「三千三百円」に改める。

 (厚生年金保険法の一部改正)

第二条 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)の一部を次のように改正する。

  第四十二条第三項中「第二十級」を「第二十三級」に改める。

  第四十三条第五項中「達した後」の下に「七十歳に達するまでの間」を加え、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。

 5 被保険者である受給権者が七十歳に達した後においては、第三項の規定にかかわらず、その者の請求により、七十歳に達した月前における被保険者であつた期間を基本年金額の計算の基礎とするものとし、その請求をした日の属する月の翌月から、年金の額を改定する。

  第四十六条第一項本文中「第十三級から第十七級」を「第十六級から第二十級」に、「第十八級から第二十級」を「第二十一級から第二十三級」に改め、同項ただし書及び同条第三項中「第二十級」を「第二十三級」に改める。

  第四十六条の三第二項中「第二十級」を「第二十三級」に改める。

  第四十六条の四第三項中「第五項」を「第六項」に改める。

  第四十六条の七第一項本文中「第十三級から第十七級」を「第十六級から第二十級」に、「第十八級から第二十級」を「第二十一級から第二十三級」に改め、同項ただし書及び同条第二項中「第二十級」を「第二十三級」に改める。

  第六十二条の二第一項第一号中「三万六千円」を「四万八千円」に、「六万円」を「七万二千円」に改め、同項第二号中「二万四千円」を「三万六千円」に改める。

  附則第十二条第三項及び附則第二十八条の三第二項中「第二十級」を「第二十三級」に改める。


 (厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部改正)

第三条 厚生年金保険法等の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第九十二号)の一部を次のように改正する。

  附則第二十二条の二中「昭和五十一年度」を「昭和五十二年度」に、「昭和五十年度」を「昭和五十一年度」に改める。


 (船員保険法の一部改正)

第四条 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

  第三十四条第四項中「第十八級」を「第二十一級」に改める。

  第三十八条第一項本文中「第十一級乃至第十五級」を「第十四級乃至第十八級」に、「第十六級乃至第十八級」を「第十九級乃至第二十一級」に改め、同項ただし書及び同条第三項中「第十八級」を「第二十一級」に改める。

  第三十八条ノ二第二項中「達シタル後」の下に「七十歳ニ達スル迄ノ間」を加え、同条第一項の次に次の一項を加える

  老齢年金ノ支給ヲ受クル被保険者ガ七十歳ニ達シタル後ニ於テハ其ノ者ノ請求ニ依リ七十歳ニ達シタル月ノ前月迄ノ被保険者タリシ期間ヲ其ノ老齢年金ノ額ノ計算ノ基礎トスルモノトシ其ノ請求ヲ為シタル日ノ属スル月ノ翌月ヨリ老齢年金ノ額ヲ改定ス

  第三十九条ノ二第二項中「第十八級」を「第二十一級」に改める。

  第三十九条ノ五第一項本文中「第十一級乃至第十五級」を「第十四級乃至第十八級」に、「第十六級乃至第十八級」を「第十九級乃至第二十一級」に改め、同項ただし書及び同条第二項中「第十八級」を「第二十一級」に改める。

  第五十条ノ三ノ二第一号中「三万六千円」を「四万八千円」に、「六万円」を「七万二千円」に改め、同条第二号中「二万四千円」を「三万六千円」に改める。


 (年金福祉事業団法の一部改正)

第五条 年金福祉事業団法(昭和三十六年法律第百八十号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第三十五条の二」を「第三十五条の三」に改める。

  第六章中第三十五条の二の次に次の一条を加える。

 (特別の法人の借入金に関する特例)

 第三十五条の三 特別の法律に基づいて設立された法人(厚生年金保険の適用事業所の事業主又は船員保険の船舶所有者である者に限る。)で、当該特別の法律の借入金に関する規定により、第十七条第三号イに掲げる資金を借り入れることができず、又は当該法人を監督する行政庁の認可若しくは承認(これらに類する処分を含む。)を受けなければ当該資金を借り入れることができないこととされるものは、当該特別の法律の借入金に関する規定にかかわらず、当該資金を借り入れることができる。

2 公庫の予算及び決算に関する法律(昭和二十六年法律第九十九号)第五条第二項の規定は、同法第一条に規定する公庫の前項の資金に係る借入金については、適用しない。


 (児童扶養手当法の一部改正)

第六条 児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。

  第五条中「一万九千五百円」を「二万千五百円」に、「二万千五百円」を「二万三千五百円」に改める。


 (特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部改正)

第七条 特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和三十九年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。

  第四条中「一万五千円」を「一万六千五百円」に、「二万二千五百円」を「二万四千八百円」に改める。

  第十八条中「五千五百円」を「六千二百五十円」に改める。


 (児童手当法の一部改正)

第八条 児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

  第六条第一項中「五千円」の下に「(前年の所得(一月から五月までの月分の児童手当については、前々年の所得とする。)につきその所得が生じた年の翌年の四月一日の属する年度分の地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による市町村民税(特別区が同法第一条第二項の規定によつて課する同法第五条第二項第一号に掲げる税を含む。)の同法第二百九十二条第一項第二号に掲げる所得割の額がない者に支給される場合にあつては、六千円)」を加える。

  第二十九条の次に次の一条を加える。

 (福祉施設)

第二十九条の二 政府は、児童手当の支給に支障がない限りにおいて、厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)第八条ノ二第一項の積立金の額に相当する額の範囲内で、第一条の目的の達成に資する施設をすることができる。


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律の規定は、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める日から施行する。

 一 第三条及び第五条の規定並びに第八条中児童手当法第二十九条の次に一条を加える改正規定並びに附則第十三条の規定 公布の日

 二 第二条、第四条、附則第五条、附則第六条及び附則第十条から附則第十二条までの規定 昭和五十三年六月一日

 三 附則第四条の規定 昭和五十三年七月一日

 四 前三号並びに次号及び第六号に掲げる規定以外の規定 昭和五十三年八月一日

 五 第八条中児童手当法第六条第一項の改正規定及び附則第九条の規定 昭和五十三年十月一日

 六 第一条中国民年金法第八十七条第三項の改正規定及び附則第三条の規定 昭和五十四年四月一日


 (国民年金法の一部改正に伴う経過措置等)

第二条 昭和五十三年七月以前の月分の国民年金法による障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金及び老齢福祉年金並びに同法第七十七条第一項ただし書又は第七十八条第二項に規定する老齢年金の額については、なお従前の例による。

第三条 昭和五十五年四月以後の月分の国民年金法による保険料については、第一条の規定による改正後の同法第八十七条第三項中「三千三百円」とあるのは、「三千六百五十円(昭和五十四年度において厚生年金保険法等の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第九十二号)附則第二十二条の規定により年金たる給付の額を改定する措置が講ぜられたときは、昭和五十二年度の同条第一項に規定する物価指数に対する昭和五十三年度の同項に規定する物価指数の割合を三千六百五十円に乗じて得た額とし、その額に十円未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)」とする。

2 国民年金法第八十七条第三項に定める保険料の額は、昭和五十六年四月以後においては、法律で定めるところにより引き上げられるものとする。

第四条 国民年金の被保険者又は被保険者であつた者(国民年金法による老齢年金及び通算老齢年金の受給権者を除く。)は、都道府県知事に申し出て、昭和五十三年四月一日前のその者の国民年金の被保険者期間(同法第七十五条第一項、附則第六条第一項及び附則第七条第一項、国民年金法の一部を改正する法律(昭和四十四年法律第八十六号)附則第十五条第一項並びに厚生年金保険法等の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第九十二号)附則第十九条第一項の規定による被保険者に係る被保険者期間を除く。)のうち、国民年金の保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の期間(当該期間に係る国民年金の保険料を徴収する権利が時効によつて消滅している期間に限る。)について、一月につき四千円を納付することができる。

2 前項の規定による納付は、昭和五十五年六月三十日までに行わなければならない。

3 第一項の規定による納付は、先に経過した月の分から順次行うものとする。

4 第一項の規定により納付が行われたときは、納付が行われた日に、納付に係る月の国民年金の保険料が納付されたものとみなす。

5 国民年金法第七十六条の規定により読み替えられる同法第二十六条に定める老齢年金の受給資格要件たる期間を満たしていない者が、第一項の規定による納付を行うことにより、六十五歳に達した後に同法第七十六条の規定により読み替えられる同法第二十六条に定める老齢年金の受給資格要件たる期間を満たしたときは、同条に定める老齢年金の支給要件に該当するものとみなして、その者に老齢年金を支給する。

6 国民年金法第七十八条第一項に定める老齢年金の受給資格要件たる期間を満たしていない者が、第一項の規定による納付を行うことにより、六十五歳に達した後に同法第七十八条第一項に定める老齢年金の受給資格要件たる期間を満たしたときは、同項の規定にかかわらず、その者に同条の老齢年金を支給する。

 (厚生年金保険法の一部改正に伴う経過措置)

第五条 昭和五十三年五月以前の月分の厚生年金保険法第六十二条の二の規定により加算する額については、なお従前の例による。

 (船員保険法の一部改正に伴う経過措置)

第六条 昭和五十三年五月以前の月分の船員保険法第五十条ノ三ノ二の規定により加給する額については、なお従前の例による。

 (児童扶養手当法の一部改正に伴う経過措置)

第七条 昭和五十三年七月以前の月分の児童扶養手当の額については、なお従前の例による。

 (特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第八条 昭和五十三年七月以前の月分の特別児童扶養手当及び福祉手当の額については、なお従前の例による。

 (児童手当法の一部改正に伴う経過措置)

第九条 昭和五十三年九月以前の月分の児童手当の額については、なお従前の例による。


 (厚生年金保険及び船員保険交渉法の一部改正)

第十条 厚生年金保険及び船員保険交渉法(昭和二十九年法律第百十七号)の一部を次のように改正する。

  第十六条第一項中「第二十級」を「第二十三級」に改める。

  第十九条の三第一項中「第十八級」を「第二十一級」に改め、同条第二項中「第二十級」を「第二十三級」に改める。

  第三十一条中「同法第三十八条第一項の規定によりその額の一部につき支給を停止されている」を「船員保険の被保険者である間に支給される」に改める。

 (通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律の一部改正)

第十一条 通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律(昭和三十六年法律第百八十二号)の一部を次のように改正する。

  附則第八条第三項中「第二十級」を「第二十三級」に改める。

  附則第十四条第三項中「第十八級」を「第二十一級」に改める。

 (船員保険法の一部を改正する法律の一部改正)

第十二条 船員保険法の一部を改正する法律(昭和四十年法律第百五号)の一部を次のように改正する。

 附則第十七条第二項中「第十八級」を「第二十一級」に改める。

 (厚生保険特別会計法の一部改正)

第十三条 厚生保険特別会計法の一部を次のように改正する。

  第五条ノ二中「業務取扱費」の下に「、福祉施設費」を加える。

  第八条ノ二第三項中「児童手当交付金」の下に「又ハ福祉施設費」を加える。

(大蔵・厚生・内閣総理大臣署名) 

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