特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法

法律第百二号(昭四八・九・二九)

 (趣旨)

第一条 この法律は、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化を図るに際し、これとあわせて、特定市街化区域農地の宅地化を促進するため行なわれるべき事業の施行、資金に関する助成、租税の軽減その他の措置につき必要な事項を定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において「特定市街化区域農地」とは、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)附則第十九条の三第一項の表に掲げる市街化区域農地で、都の区域(特別区の存する区域に限る。)、首都圏整備法(昭和三十一年法律第八十三号)第二条第一項に規定する首都圏、近畿圏整備法(昭和三十八年法律第百二十九号)第二条第一項に規定する近畿圏又は中部圏開発整備法(昭和四十一年法律第百二号)第二条第一項に規定する中部圏内にある地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の市の区域及びその他の市でその区域の全部若しくは一部が首都圏整備法第二条第三項に規定する既成市街地若しくは同条第四項に規定する近郊整備地帯、近畿圏整備法第二条第三項に規定する既成都市区域若しくは同条第四項に規定する近郊整備区域又は中部圏開発整備法第二条第三項に規定する都市整備区域内にあるものの区域内に所在するものをいう。

 (土地区画整理事業の施行の要請)

第三条 特定市街化区域農地の所有者は、当該特定市街化区域農地を含む次に掲げる条件に該当する土地の区域について、市長の意見をきき、かつ、次条第一項の規定による関係権利者の同意を得て、当該区域において施行されるべき土地区画整理事業(土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業をいう。以下同じ。)の事業概要(以下単に「事業概要」という。)を作成し、市に対し、その事業概要に係る土地区画整理事業を施行すべきことを要請することができる。

 一 当該区域内において建築物の敷地として利用されている土地がきわめて少ないこと。

 二 当該区域の面積が五ヘクタール以上であること。

 三 当該区域内の特定市街化区域農地の面積が当該区域内の土地(土地区画整理法第二条第五項に規定する公共施設の用に供されている国又は地方公共団体の所有する土地を除く。以下同じ。)の面積の五十パーセント以上であること。

 四 その他建設省令で定める基準に適合していること。

2 前項の規定により土地区画整理事業の施行を要請しようとする者は、市長に対し、事業概要の作成のために、土地区画整理事業に関し専門的知識を有する職員の技術的援助を求めることができる。

3 事業概要の作成に関し必要な技術的基準は、建設省令で定める。

 (事業概要についての土地の所有者及び借地権者の同意)

第四条 前条第一項の規定により土地区画整理事業の施行を要請しようとする者は、事業概要について、同項の区域内の土地について所有権又は借地権(借地法(大正十年法律第四十九号)第一条に規定する借地権をいう。以下同じ。)を有するすべての者の三分の二以上及びその区域内の特定市街化区域農地の所有権を有するすべての者の三分の二以上の同意を得なければならない。この場合においては、同意した者が所有するその区域内の土地の地積と同意した者が有する借地権の目的となつているその区域内の土地の地積との合計がその区域内の土地の総地積と借地権の目的となつている土地の総地積との合計の三分の二以上であり、かつ、同意した者が所有するその区域内の特定市街化区域農地の地積がその区域内の特定市街化区域農地の総地積の三分の二以上でなければならない。

2 土地区画整理法第十九条及び第百三十条第一項の規定は、前項の場合について準用する。

 (土地区画整理事業の施行)

第五条 第三条第一項の規定により土地区画整理事業の施行の要請を受けた市は、その要請された土地区画整理事業の施行の障害となる事由がない限り、当該土地区画整理事業を施行するものとする。

 (住宅金融公庫の資金の貸付けの特例)

第六条 住宅金融公庫が、特定市街化区域農地を転用して、賃貸又は譲渡する住宅を建設しようとする当該特定市街化区域農地の所有者その他の者で政令で定めるものに対し、住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)第二十条第二項の規定による限度において同法第十七条第一項の規定により資金を貸し付ける場合における当該貸付金の利率は、同法第二十一条第一項又は第二項の規定にかかわらず、同法第十七条第一項第三号に該当する者に対する貸付金にあつては年四・五パーセント、同項第四号に該当する者に対する貸付金にあつては年六・八パーセントとする。

 (農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の特例)

第七条 特定市街化区域農地を転用して賃貸住宅を建設する場合においては、当該賃貸住宅が、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法(昭和四十六年法律第三十二号)第二条第二項に規定する特定賃貸住宅に該当しないものであつても、その規模、構造及び設備が同項の建設省令で定める基準に適合し、かつ、同項第一号に掲げる条件に該当する一団地の住宅の全部又は一部をなすと認められるときは、これを同項に規定する特定賃貸住宅とみなして、同法の規定を適用する。

 (特定市街化区域農地等の譲渡に係る所得税の軽減等)

第八条 特定市街化区域農地(特定市街化区域農地の上に存する権利を含む。)を有する個人が、当該特定市街化区域農地を宅地の用に供するために譲渡した場合においては、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)で定めるところにより、その譲渡に係る所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第三十三条第一項に規定する譲渡所得についての所得税を軽減する。

2 前項の規定により租税特別措置法においてその譲渡による譲渡所得に係る所得税が軽減される特定市街化区域農地を譲り受けた者は、できる限りすみやかに、当該土地に住宅その他の建物を建設しなければならない。

 (特定市街化区域農地を転用して新築した貸家住宅等に係る不動産取得税及び固定資産税の軽減)

第九条 特定市街化区域農地(特定市街化区域農地の上に存する権利を含む。)を有する者が、当該特定市街化区域農地を転用して、当該土地に、又は当該土地及びこれに隣接する土地にわたつて貸家住宅を新築した場合においては、地方税法で定めるところにより、当該貸家住宅の取得に係る不動産取得税並びに当該貸家住宅及びその敷地の用に供する当該土地に係る固定資産税を軽減する。

 (国及び地方公共団体の援助)

第十条 国及び地方公共団体は、特定市街化区域農地の宅地化の促進を図るため、特定市街化区域農地の所有者の要請に係る土地区画整理事業の施行、特定市街化区域農地を転用して行なう住宅の建設等に関し、財政上、金融上及び技術上の援助に努めるものとする。

2 国は、地方公共団体に対し、特定市街化区域農地の宅地化の促進に伴つて必要となる公共施設の整備について、財政上及び金融上の援助を与えるものとする。

附 則

 (施行期日等)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

第二条 第三条第一項の規定により特定市街化区域農地の所有者が土地区画整理事業を施行すべきことを要請することができるのは、昭和五十一年三月三十一日までとする。

2 第六条の規定は、住宅金融公庫が昭和五十一年三月三十一日までに資金の貸付けの申込みを受理したものについて、適用する。

 (租税特別措置法の一部改正)

第三条 租税特別措置法の一部を次のように改正する。

  目次中「・第三十一条の二」を「―第三十一条の三」に改める。

  第三十一条の二第二項中「第三十一条の二第一項」を「第三十一条の三第一項」に改め、第二章第四節第二款中同条を第三十一条の三とし、第三十一条の次に次の一条を加える。

  (特定市街化区域農地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)

 第三十一条の二 前条第一項の場合において、同項の譲渡が特定市街化区域農地等の譲渡で当該特定市街化区域農地等を宅地の用に供するためのもの(当該譲渡につき農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第五条第一項第三号の届出を要する場合には、当該届出がされた後に行なつたものに限る。)に該当するときは、当該譲渡による譲渡所得に係る昭和四十八年分から昭和五十年分までの各年分の所得税については、前条第一項中「百分の二十(昭和四十五年分及び昭和四十六年分の所得税については百分の十とし、昭和四十七年分及び昭和四十八年分の所得税については百分の十五とする。)」とあるのは、「百分の十五(昭和四十八年分の所得税については百分の十)」とする。

 2 前項に規定する特定市街化区域農地等とは、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法(昭和四十八年法律第百二号)第二条に規定する特定市街化区域農地(当該特定市街化区域農地の所有者である個人が、当該特定市街化区域農地につき昭和四十八年一月一日以後に農地法第四条第一項第五号の届出がされた後において引き続き当該土地を宅地として所有する場合における当該土地を含む。)及び当該特定市街化区域農地の上に存する権利をいう。

 3 第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項の規定に該当する旨を証する書類として大蔵省令で定める書類の添附がある場合に限り、適用する。

 4 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添附がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添附がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の大蔵省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。

  第三十三条第一項第四号中「(昭和二十七年法律第二百二十九号)」を削る。

  第三十四条の二第二項第一号の次に次の一号を加える。

  一の二 第三十一条の二第一項に規定する特定市街化区域農地等が、前号に規定する法人の行なう宅地造成のためにこれらの者に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号、第三十三条の二第一項第一号、前条第二項第一号又は前号の規定の適用がある場合を除く。)

第四条 前条の規定による改正後の租税特別措置法第三十一条の二及び第三十四条の二第二項第一号の二の規定は、昭和四十八年分以後の所得税について適用する。


 (地方税法の一部改正)

第五条 地方税法の一部を次のように改正する。

  附則第十一条の二に次の二項を加える。

 3 道府県は、特定市街化区域農地(特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法(昭和四十八年法律第百二号)第二条に規定する特定市街化区域農地をいう。以下本項並びに附則第十六条第三項及び第四項において同じ。)の所有者又は特定市街化区域農地について耕作の事業に供するための農地法第二条第七項第二号イに規定する使用収益権を有する者(これらの者の相続人を含む。附則第十六条第三項及び第四項において「特定市街化区域農地の所有者等」という。)が、当該特定市街化区域農地につき同法第四条第一項第五号又は第五条第一項第三号の届出(附則第十六条第三項及び第四項において「転用の届出」という。)がされた後、当該土地の上に、又は当該土地及びこれに隣接する土地にわたつて同条第二項に規定する中高層耐火建築物(地上階数(同項に規定する地上階数をいう。)四以上を有するものに限る。)である貸家の用に供する住宅で政令で定めるものを新築した場合(政令で定める場合を除く。)において、その者がその新築の日から引き続き二年以上当該住宅を貸家の用に供したときにおける当該住宅の取得に対してその者に課する不動産取得税については、当該取得が特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の施行の日から昭和五十一年三月三十一日までの間(同条第三項及び第四項において「指定期間」という。)に行なわれたときに限り、その者の当該住宅の取得に係る不動産取得税額(その一部を貸家の用に供する住宅にあつては、貸家の用に供する部分に係る税額として政令で定めるところにより算定した額とする。)の二分の一に相当する額を当該不動産取得税額から減額するものとする。

 4 第七十三条の二十五から第七十三条の二十七までの規定は、前項に規定する住宅の取得に対して課する不動産取得税の税額の徴収猶予及びその取消し並びに当該不動産取得税に係る地方団体の徴収金の還付について準用する。この場合において、第七十三条の二十五第一項中「土地」とあるのは「住宅」と、「前条第一項第一号」とあるのは「附則第十一条の二第三項」と、「同号」とあるのは「同項」と、同条第二項中「土地」とあるのは「住宅」と、第七十三条の二十六第一項中「第七十三条の二十四第一項第一号」とあるのは「附則第十一条の二第三項」と、第七十三条の二十七第一項中「土地」とあるのは「住宅」と、「第七十三条の二十四第一項第一号」とあるのは「附則第十一条の二第三項」と、「同号」とあるのは「同項」と読み替えるものとする。

  附則第十六条第二項中[有するものをいう。」の下に「次項において同じ。」を加え、「「併用住宅」という。)をいう。」を「「併用住宅」という。)をいう。以下次項までにおいて同じ。」に改め、「固定資産税については」の下に「、次項の規定の適用がある場合を除き」を加え、同条に次の二項を加える。

 3 市町村は、特定市街化区域農地の所有者等が、当該特定市街化区域農地につき転用の届出がされた後、当該土地の上に、又は当該土地及びこれに隣接する土地にわたつて中高層耐火建築物(地上階数四以上を有するものに限る。)である貸家住宅(その全部又は一部がもつぱら住居として貸家の用に供される住宅をいう。以下本条において同じ。)で政令で定めるものを指定期間内において新築し、かつ、現に貸家の用に供している場合(政令で定める湯合を除く。)における当該貸家住宅に対してその者に課する固定資産税については、当該貸家住宅に対して新たに固定資産税が課されることとなつた年度から十五年度分の固定資産税に限り、その者の当該貸家住宅に係る固定資産税額(区分所有に係る貸家住宅にあつては、本項の規定の適用を受ける部分に係る税額として各区分所有者ごとに政令で定めるところにより算定した額の合算額とし、区分所有に係る貸家住宅以外の貸家住宅でその一部がもつぱら住居として貸家の用に供されているものにあつては、当該貸家の用に供されている部分に係る税額として政令で定めるところにより算定した額とする。)の三分の二に相当する額を当該固定資産税額から減額するものとする。

 4 市町村は、特定市街化区域農地の所有者等が、当該特定市街化区域農地につき転用の届出がされた後、当該土地(以下本項において「旧農地」という。)又は当該旧農地及びこれに隣接する土地にわたつて貸家住宅で政令で定めるものを指定期間内において新築し、かつ、現に貸家の用に供している場合(政令で定める場合を除く。)における当該貸家住宅の敷地の用に供する土地のうち当該旧農地に対してその者に課する固定資産税については、当該貸家住宅に対して新たに固定資産税が課されることとなつた年度から三年度分の固定資産税に限り、その者の当該旧農地に係る固定資産税額(当該旧農地の一部が第三百四十九条の三の二に規定する住宅用地に該当し、又は当該貸家住宅の一部がもつぱら住居として貸家の用に供されている場合には、当該旧農地のうち本項の規定の適用を受ける部分に係る税額として政令で定めるところにより算定した額とする。)の二分の一に相当する額を当該固定資産税額から減額するものとする。

(大蔵・建設大臣・自治・内閣総理大臣署名) 

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