熱供給事業法

法律第八十八号(昭四七・六・二二)

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 事業の許可(第三条―第十二条)

 第三章 業務(第十三条―第十九条)

 第四章 保安(第二十条―第二十四条)

 第五章 雑則(第二十五条―第三十三条)

 第六章 罰則(第三十四条―第四十一条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、熱供給事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、熱供給を受ける者の利益を保護するとともに、熱供給事業の健全な発達を図り、及び熱供給施設の維持、運用等を規制することによつて、公共の安全を確保することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「熱供給」とは、加熱され、若しくは冷却された水又は蒸気を導管により供給することをいう。

2 この法律において「熱供給事業」とは、一般の需要に応じ熱供給を行なう事業(使用するボイラーその他の政令で定める設備の能力が政令で定める基準以上のものに限り、もつぱら一の建物内の需要に応じ熱供給を行なうものを除く。)をいう。

3 この法律において「熱供給事業者」とは、次条の許可を受けた者をいう。

4 この法律において「熱供給施設」とは、熱供給事業の用に供されるボイラー、冷凍設備、循環ポンプ、整圧器、導管その他の設備であつて、熱供給事業を営む者の管理に属するものをいう。

   第二章 事業の許可

 (事業の許可)

第三条 熱供給事業を営もうとする者は、供給区域ごとに、通商産業大臣の許可を受けなければならない。

 (許可の申請)

第四条 前条の許可を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書を通商産業大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつてはその代表者の氏名及び住所

 二 供給区域

 三 熱供給施設に関する次の事項

  イ ボイラー、冷凍設備その他の政令で定める設備にあつては、その設置の場所、種類及び能力

  ロ 通商産業省令で定める導管にあつては、その設置の場所及び内径並びに導管内における水又は蒸気の温度及び圧力

2 前項の申請書には、事業計画書その他通商産業省令で定める書類を添附しなければならない。

 (許可の基準)

第五条 通商産業大臣は、第三条の許可の申請が次の各号(その申請が地方公共団体によつてされたものであるときは、第一号、第四号及び第五号)に適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。

一 その熱供給事業の開始が一般の需要に適合すること。

二 その熱供給事業の熱供給施設の能力がその供給区域における熱供給に対する需要に応ずることができるものであること。

 三 その熱供給事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

 四 その熱供給事業の計画が確実かつ合理的であること。

 五 その他その熱供給事業の開始がその供給区域における日常生活又は事業活動上の利便の増進のため必要であり、かつ、適切であること。

 (熱供給施設の設置及び事業の開始の義務)

第六条 地方公共団体以外の熱供給事業者は、三年以内において通商産業大臣が指定する期間(新住宅市街地開発法(昭和三十八年法律第百三十四号)による新住宅市街地開発事業の施行に伴い熱供給施設を設置する場合であつて、その設置に特に長期間を要すると認められるときは、通商産業大臣が指定する期間)内に、熱供給施設を設置し、その事業を開始しなければならない。

2 通商産業大臣は、特に必要があると認めるときは、供給区域又は熱供給施設を区分して前項の規定による指定をすることができる。

3 通商産業大臣は、地方公共団体以外の熱供給事業者から申請があつた場合において、正当な理由があると認めるときは、第一項の規定により指定した期間を延長することができる。

4 熱供給事業者は、その事業(第二項の規定により供給区域を区分して第一項の規定による指定があつたときは、その区分に係る事業)を開始したときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。

 (供給区域等の変更)

第七条 熱供給事業者は、第四条第一項第二号又は第三号の事項を変更しようとするときは、通商産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、同項第三号の事項の変更であつて、通商産業省令で定める軽微なものをしようとするときは、この限りでない。

2 熱供給事業者は、前項ただし書の通商産業省令で定める変更をしたときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。

3 第五条の規定は、第一項の許可に準用する。

4 前条の規定は、第一項の場合(供給区域の減少の場合を除く。)に準用する。


 (氏名等の変更)

第八条 地方公共団体以外の熱供給事業者は、その氏名若しくは名称又は住所に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。

 (事業の譲渡し及び譲受け並びに法人の合併)

第九条 熱供給事業の全部の譲渡し及び譲受けは、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 熱供給事業者たる法人(地方公共団体を除く。)の合併は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。ただし、熱供給事業者たる法人が熱供給事業者でない法人を合併する場合は、この限りでない。

3 第五条第三号の規定は、前二項の認可に準用する。

 (承継)

第十条 熱供給事業の全部の譲渡しがあり、又は熱供給事業者について相続若しくは合併があつたときは、熱供給事業の全部を譲り受けた者又は相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、当該熱供給事業者の地位を承継する。

2 前項の規定により熱供給事業者の地位を承継した相続人は、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。

 (事業の休止及び廃止並びに法人の解散)

第十一条 熱供給事業者は、通商産業大臣の許可を受けなければ、熱供給事業の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

2 熱供給事業者たる法人の解散の決議又は総社員の同意は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

3 通商産業大臣は、熱供給事業の休止若しくは廃止又は熱供給事業者たる法人の解散により当該供給区域における日常生活又は事業活動上の利便が著しく害され、又は害されるおそれがあると認めるときは、第一項の許可又は前項の認可をしてはならない。

 (事業の許可の取消し)

第十二条 通商産業大臣は、熱供給事業者が第六条第一項の規定により指定された期間(同条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間)内に熱供給施設を設置せず、又は事業を開始しないときは、第三条の許可を取り消すことができる。

2 通商産業大臣は、第七条第一項の許可を受けた熱供給事業者が同条第四項において準用する第六条第一項の規定により指定された期間(第七条第四項において準用する第六条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間)内にその増加する供給区域において事業を開始せず、又はその期間内に第四条第一項第三号の事項を変更しないときは、その許可を取り消すことができる。

3 通商産業大臣は、前二項に規定する場合を除くほか、熱供給事業者がこの法律の規定又はこれに基づく処分若しくは第二十五条第一項の規定により附された条件に違反した場合において、当該供給区域における日常生活又は事業活動上の利便を著しく害すると認めるときは、第三条又は第七条第一項の許可を取り消すことができる。

4 通商産業大臣は、前三項の規定による許可の取消しをしたときは、理由を記載した文書をその熱供給事業者に送付しなければならない。

   第三章 業務

 (供給義務)

第十三条 熱供給事業者は、正当な理由がなければ、何人に対しても、その供給区域における熱供給を拒んではならない。

2 熱供給事業者は、その供給区域に係る熱供給施設を使用してその供給区域以外の地域において、一般の需要に応じ熱供給を行なつてはならない。

 (供給規程)

第十四条 地方公共団体以外の熱供給事業者は、熱供給の料金その他の供給条件について供給規程を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 通商産業大臣は、前項の認可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。

 一 料金が能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること。

 二 料金の額の算出方法が適正かつ明確に定められていること。

 三 熱供給事業者及び熱供給を受ける者の責任に関する事項並びに導管、熱量計その他の設備に関する費用の負担の方法が適正かっ明確に定められていること。

 四 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。

3 地方公共団体たる熱供給事業者は、熱供給の料金その他の供給条件について供給規程を定め、あらかじめ、通商産業大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

4 前項の供給規程は、第二項各号に適合するものでなければならない。

5 熱供給事業者は、第一項の認可を受けた供給規程(第十六条第二項の規定による変更があつたときは、変更後の供給規程)又は第三項の規定による届出をした供給規程をその実施の日までに熱供給を受ける者に周知させる措置をとらなければならない。


 (供給条件についての義務)

第十五条 地方公共団体以外の熱供給事業者は、前条第一項の認可を受けた供給規程(次条第二項の規定による変更があつたときは、変更後の供給規程)以外の供給条件により熱供給を行なつてはならない。ただし、供給規程により難い特別の事情がある場合において、通商産業大臣の認可を受けた料金その他の供給条件により熱供給を行なうときは、この限りでない。

2 前項の規定は、地方公共団体たる熱供給事業者に準用する。この場合において、同項ただし書中「通商産業大臣の認可を受けた」とあるのは、「あらかじめ、通商産業大臣に届け出た」と読み替えるものとする。


 (供給規程に関する命令及び処分)

第十六条 通商産業大臣は、熱供給の料金その他の供給条件が社会的経済的事情により著しく不適当となり、当該供給区域における日常生活又は事業活動上の利便の増進に支障があると認めるときは、地方公共団体以外の熱供給事業者に対し、相当の期限を定め、第十四条第一項の認可を受けた供給規程(次項の規定による変更があつたときは、変更後の供給規程)の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。

2 通商産業大臣は、前項の規定による命令をした場合において、同項の期限までに認可の申請がないときは、供給規程を変更することができる。


 (温度等の測定義務)

第十七条 熱供給事業者は、通商産業省令で定めるところにより、その供給する水又は蒸気の温度及び圧力を測定し、その結果を記録しておかなければならない。


 (業務の方法の改善命令)

第十八条 通商産業大臣は、第十四条第五項の規定による供給規程の周知の措置が適切でないときその他地方公共団体以外の熱供給事業者の業務の方法が適切でないため、当該供給区域における日常生活又は事業活動上の利便の増進に支障があると認めるときは、その熱供給事業者に対し、業務の方法を改善すべきことを命ずることができる。


 (会計の整理)

第十九条 熱供給事業者は、勘定科目の分類その他の会計に関する手続について通商産業省令で定めるところにより、その会計を整理しなければならない。

   第四章 保安


 (熱供給施設の維持)

第二十条 熱供給事業者は、熱供給施設を通商産業省令で定める技術上の基準に適合するように維持しなければならない。

2 通商産業大臣は、熱供給施設が前項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、当該熱供給事業者に対し、その技術上の基準に適合するように熱供給施設を修理し、改造し、若しくは移転すべきことを命じ、又はその熱供給施設の使用の一時停止若しくは使用の制限を命ずることができる。


 (導管の工事計画)

第二十一条 熱供給事業者は、熱供給事業の用に供する導管の設置又は変更の工事であつて通商産業省令で定めるものをしようとするときは、工事の開始の日の三十日前までに、その工事の計画を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、当該導管が滅失し、若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事としてするときは、この限りでない。

2 前項の規定は、同項の規定による届出をした工事の計画の変更(通商産業省令で定める軽微なものを除く。)をしよとする場合に準用する。

3 通商産業大臣は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定による届出のあつた工事の計画が次の各号に適合していないと認めるときは、その届出のあつた日から三十日以内に限り、当該熱供給事業者に対し、その工事の計画を変更し、又は廃止すべきことを命ずることができる。

一 第三条又は第七条第一項の許可を受けたところ(同項ただし書の通商産業省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)によるものであること。

 二 当該導管が前条第一項の通商産業省令で定める技術上の基準に適合しないものでないこと。


 (導管の使用前検査)

第二十二条 前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による届出をして設置又は変更の工事をする導管(その工事の計画について、同条第三項の規定による命令があつた場合において同条第二項において準用する同条第一項の規定による届出をしていないものを除く。)は、その工事について通商産業省令で定める工事の工程ごとに通商産業大臣が行なう検査を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。ただし、通商産業省令で定める場合は、この限りでない。

2 前項の検査においては、その導管が次の各号に適合しているときは、合格とする。

一 その工事が前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による届出をした工事の計画(同条第二項の通商産業省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)に従つて行なわれたものであること。

 二 第二十条第一項の通商産業省令で定める技術上の基準に適合しないものでないこと。


 (保安規程)

第二十三条 熱供給事業者は、熱供給施設の維持及び運用に関する保安を確保するため、通商産業省令で定めるところにより、保安規程を定め、事業の開始前に、通商産業大臣に届け出なければならない。

2 熱供給事業者は、保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を通商産業大臣に届け出なければならない。

3 通商産業大臣は、熱供給施設の維持及び運用に関する保安を確保するため必要があると認めるときは、熱供給事業者に対し、保安規程を変更すべきことを命ずることができる。

4 熱供給事業者及びその従業者は、保安規程を守らなければならない。


 (熱供給施設に準ずる施設の保安)

第二十四条 第二十条及び第二十一条の規定は、熱供給を行なうために使用される導管であつて通商産業省令で定めるもの(熱供給施設に属するものを除く。)を道路その他の通商産業省令で定める場所に設置している者(設置しようとする者を含む。)に準用する。この場合において、第二十条中「熱供給施設」とあり、第二十一条第一項中「熱供給事業の用に供する導管」とあるのは「第二十四条の通商産業省令で定める場所に設置される同条に規定する導管」と、同条第三項中「次の各号」とあるのは「第二号」と読み替えるものとする。

   第五章 雑則


 (許可等の条件)

第二十五条 許可又は認可には、条件を附し、及びこれを変更することができる。

2 前項の条件は、許可又は認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可又は認可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。


 (手数料)

第二十六条 第二十二条第一項の検査を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。


 (報告の徴収)

第二十七条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、熱供給事業者に対しその業務に関し、第二十四条に規定する者に対し同条の通商産業省令で定める場所に設置される同条に規定する導管の保安に関し、それぞれ報告をさせることができる。


 (立入検査)

第二十八条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に熱供給事業者又は第二十四条に規定する者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、熱供給施設、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。


 (聴聞)

第二十九条 通商産業大臣は、第十二条第一項から第三項までの規定による処分をしようとするときは、当該処分に係る者に対し、相当の期間をおいて予告したうえ、公開による聴聞を行なわなければならない。

2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。

3 聴聞に際しては、当該処分に係る者及び利害関係人に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。

第三十条 この法律の規定による処分についての審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定は、前条の例により公開による聴聞をした後にしなければならない。


 (苦情の申出)

第三十一条 熱供給事業者の熱供給に関し苦情のある者は、通商産業大臣に対し、理由を記載した文書を提出して苦情の申出をすることができる。

2 通商産業大臣は、前項の申出があつたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を申出者に通知しなければならない。


 (経過措置)

第三十二条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。


 (権限の委任)

第三十三条 この法律の規定により通商産業大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、通商産業局長又は都道府県知事に委任することができる。

   第六章 罰則

第三十四条 熱供給施設を損壊し、その他熱供給施設の機能に障害を与えて熱供給を妨害した者は、五年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

2 みだりに熱供給施設を操作して熱供給を妨害した者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

3 熱供給事業に従事する者が正当な理由がないのに熱供給施設の維持又は運行の業務を取り扱わず、熱供給に障害を生ぜしめたときも、前項と同様とする。

4 第一項及び第二項の未遂罪は、罰する。

第三十五条 第三条の規定に違反して熱供給事業を営んだ者は、三年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第三十六条 次の各号の一に該当する者は、二年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第十一条第一項の規定に違反して熱供給事業の全部又は一部を休止し、又は廃止した者

 二 第十三条第一項の規定に違反して熱供給を拒んだ者

 三 第十三条第二項の規定に違反して熱供給を行なつた者

第三十七条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第七条第一項の規定に違反して熱供給施設を変更した者

 二 第十五条第一項の規定に違反して熱供給を行なつた者

 三 第十八条の規定による命令に違反した者

第三十八条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十条第二項(第二十四条において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者

 二 第二十一条第一項(同条第二項又は第二十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反して導管の設置又は変更の工事をした者

 三 第二十一条第三項(第二十四条において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反して導管の設置又は変更の工事をした者

 四 第二十二条第一項の規定に違反して導管を使用した者

第三十九条 次の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。

 一 第六条第四項(第七条第四項において準用する場合を含む。)、第十条第二項又は第二十三条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 第十七条の規定による記録をせず、又は虚偽の記録をした者

 三 第二十三条第三項の規定による命令に違反した者

 四 第二十七条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 五 第二十八条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

第四十条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第三十五条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。

第四十一条 第七条第二項又は第八条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、一万円以下の過料に処する。


   附 則


 (施行期日)

第−条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。


 (経過規定)

第二条 この法律の施行の際現に熱供給事業を営んでいる者は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から六十日間(次項の規定による届出をしたときは、その届出をした日までの間)は、第三条の許可を受けないで、その事業を営むことができる。

2 前項に規定する者は、同項に規定する期間内に、第四条第一項各号の事項その他の通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出たときは、当該熱供給事業を営むことについて、第三条の許可を受けたものとみなす。

3 前項の規定により第三条の許可を受けたものとみなされた者については、同項の規定による届出をした日から六十日間は、第十五条の規定は、適用しない。

4 第一項に規定する者については、第二項の規定による届出をするまでの間は、その者を熱供給事業者とみなして第二十条及び第二十一条の規定を適用する。

5 施行日から三十日以内に第二十一条第一項(第二十四条において準用する場合を含む。)に規定する導管の設置又は変更の工事をしようとする者に関する第二十一条第一項及び第三項(第二十四条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、第二十一条第一項中「工事の開始の日の三十日前までに」とあるのは「あらかじめ」と、同条第三項中「その届出があつた日から三十日以内」とあるのは「その工事の開始前」とする。

6 第二項の規定により第三条の許可を受けたものとみなされた者に関する第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「事業の開始前に」とあるのは、「附則第二条第二項の規定による届出をした後遅滞なく」とする。

7 この法律の施行の際現に第二十四条に規定する導管を同条の通商産業省令で定める場所に設置している者は、施行日から六十日以内に、通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。

8 前項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三万円以下の罰金に処する。

9 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、同項の刑を科する。


 (地方税法の一部改正)

第三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第三百四十九条の三に次の一項を加える。

 24 熱供給事業法(昭和四十七年法律第八十八号)第三条の規定による許可を受けた熱供給事業者が新設した同法第二条第二項の熱供給事業の用に供する償却資産で政令で定めるもの(第二十一項の規定の適用を受けるものを除く。)に対して課する固定資産税の課税標準は、前条の規定にかかわらず、当該償却資産に対して新たに固定資産税が課されることとなつた年度から五年度分の固定資産税については当該償却資産の価格の三分の一の額とし、その後五年度分の固定資産税については当該償却資産の価格の三分の二の額とする。

第四条 前条の規定による改正後の地方税法第三百四十九条の三第二十四項の規定は、施行日以後において新設された同項に規定する償却資産について、施行日の属する年の翌年の四月一日の属する年度分の固定資産税から適用する。

2 前条の規定による改正後の地方税法第三百四十九条の三第二十四項の規定は、昭和四十五年一月二日以後施行日前において新設された同項に規定する償却資産に対しても適用するものとする。この場合において、当該償却資産に対して課する固定資産税の課税標準は、当該償却資産が新設された日の属する年の翌年(当該日が一月一日である場合においては、当該日の属する年)の四月一日の属する年度から前項の年度の前年度までの年度の数を五から控除し、同項の年度分から当該控除して得た数に相当する年度分については当該償却資産の価格の三分の一の額、その後五年度分については当該償却資産の価格の三分の二の額とする。


 (法人税法の一部改正)

第五条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  第四十五条第一項中「需要者」の下に「、熱供給を受ける者」を加え、第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。

  四 熱供給事業法(昭和四十七年法律第八十八号)第二条第二項(定義)に規定する熱供給事業


 (登録免許税法の一部改正)

第六条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

  別表第一中第三十四号の三を第三十四号の四とし、第三十四号の二を第三十四号の三とし、第三十四号の次に次のように加える。

三十四の二 熱供給事業の許可

 熱供給事業法(昭和四十七年法律第八十八号)第三条(事業の許可)の熱供給事業の許可

許可件数

一件につき三万円


 (工業用水法の一部改正)

第七条 工業用水法(昭和三十一年法律第百四十六号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項中「及びガス供給業」を「、ガス供給業及び熱供給業」に改める。


 (工業用水道事業法の一部改正)

第八条 工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項中「及びガス供給業」を「、ガス供給業及び熱供給業」に改める。


 (工場立地の調査等に関する法律の一部改正)

第九条 工場立地の調査等に関する法律(昭和三十四年法律第二十四号)の一部を次のように改正する。

  第二条第三項中「又はガス供給業」を「、ガス供給業又は熱供給業」に改める。


 (通商産業省設置法の一部改正)

第十条 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第四十一号中「又はガス事業」を「、ガス事業又は熱供給事業」に改め、同項第四十二号中「及びガス」を「、ガス及び熱供給」に改める。

  第十六条第一号中「及びガス」を「、ガス及び熱供給」に改め、同条第二号及び第三号中「及びガス事業」を「、ガス事業及び熱供給事業」に改め、同条第四号中「及びガス」を「、ガス及び熱供給」に改める。

  第二十七条第十三号中「及びガス事業」を「、ガス事業及び熱供給事業」に改め、同条第十四号中「及びガス」を「、ガス及び熱供給」に改める。

(法務・大蔵・通商産業・自治・内閣総理大臣署名) 

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