臨時大深度地下利用調査会設置法(参法)
法律第百十三号(平七・六・二六)
(目的及び設置)
第一条 土地利用に係る社会経済情勢の変化にかんがみ、大深度地下の適正かつ計画的な利用の確保とその公共的利用の円滑化に資するため、総理府に、臨時大深度地下利用調査会(以下「調査会」という。)を置く。
(所掌事務)
第二条 調査会は、内閣総理大臣の諮問に応じ、大深度地下の利用に関する諸問題について、広く、かつ、総合的に検討を加え、大深度地下の利用に関する基本理念及び施策の基本となる事項並びに大深度地下の公共的利用の円滑化を図るための施策に関する事項(第三項において「基本理念等」という。)について調査審議する。
2 調査会は、前項の調査審議を行うに当たっては、安全の確保及び環境の保全に関する事項について特に配慮しなければならない。
3 調査会は、基本理念等に関して、内閣総理大臣に意見を述べることができる。
(答申等の尊重等)
第三条 内閣総理大臣は、前条第一項の諮問に対する答申又は同条第三項の意見(次項において「答申等」という。)を受けたときは、これを尊重しなければならない。
2 内閣総理大臣は、答申等を受けたときは、これを国会に報告するものとする。
(組織)
第四条 調査会は、委員十二人以内で組織する。
(委員)
第五条 委員は、大深度地下の利用に関する諸問題について優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2 前項の場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、同項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。
3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。
4 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。
5 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
6 委員は、非常勤とする。
(会長)
第六条 調査会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、調査会を代表する。
3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
(資料提出その他の協力)
第七条 調査会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。
2 調査会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
(政令への委任)
第八条 この法律に定めるもののほか、調査会に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第五条第一項中両議院の同意を得ることに関する部分は、公布の日から施行する。
(特別職の職員の給与に関する法律の一部改正)
2 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。
第一条第十九号の七の次に次の一号を加える。
十九の七の二 臨時大深度地下利用調査会委員
(この法律の失効)
3 この法律は、附則第一項の政令で定める日から起算して三年を経過した日にその効力を失う。
(内閣総理大臣署名)