薬事法の一部を改正する法律

法律第五十号(平六・六・二九)

 薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第五章 医薬品及び医療用具の販売業(第二十四条―第四十条)」を

第四章の二 指定調査機関(第二十三条の二―第二十三条の十五)

第五章 医薬品の販売業並びに医療用具の販売業及び賃貸業(第二十四条―第四十条)

に改める。

 第十三条第二項第二号中「又は化粧品」を「、化粧品又は医療用具」に改める。

 第十四条第二項中「分量」の下に「、構造」を、「用量」の下に「、使用方法」を加え、同条第四項中「分量」の下に「、構造」を、「用量」の下に「、使用方法」を、「効果」の下に「、性能」を加える。

 第十四条の四の見出し中「医薬品」の下に「及び医療用具」を加え、同条第一項及び第二項中「医薬品」の下に「又は医療用具」を加え、同条を第十四条の五とする。

 第十四条の三の見出し中「新医薬品」の下に「、新医療用具」を加え、同条第一項中「掲げる医薬品」の下に「又は医療用具」を、「当該医薬品」の下に「又は医療用具」を加え、同項第一号中「与えられている医薬品と」を「与えられている医薬品又は医療用具と、医薬品にあつては」に改め、「効果等が」の下に「、医療用具にあつては構造、使用方法、効能、効果、性能等が」を、「異なる医薬品」の下に「又は医療用具」を加え、「「新医薬品」」を「医薬品にあつては「新医薬品」と、医療用具にあつては「新医療用具」」に改め、同号イ中「定める医薬品」の下に「又は希少疾病用医療用具その他厚生省令で定める医療用具」を、「範囲内」の下に「(希少疾病用医療用具その他厚生省令で定める医療用具にあつては、四年を超え七年を超えない範囲内)」を加え、同号ロ中「与えられている医薬品」の下に「又は医療用具」を、「異なる医薬品」の下に「又は医療用具」を、「イに掲げる医薬品」の下に「及び医療用具」を、「定める医薬品」の下に「又は医療用具」を、「六年」の下に「(医療用具にあつては、四年)」を加え、同号ハ中「医薬品」の下に「又は医療用具」を、「六年」の下に「(医療用具にあつては、四年)」を加え、同項第二号中「新医薬品」の下に「又は新医療用具」を、「ものを除く。)と」の下に「、医薬品にあつては」を、「効果等が」の下に「、医療用具にあつては構造、使用方法、効能、効果、性能等が」を、「認められる医薬品」の下に「又は医療用具」を加え、同条第二項中「新医薬品」の下に「又は新医療用具」を、「十年」の下に「(新医療用具にあつては、七年)」を加え、同条第三項から第五項までの規定中「医薬品」の下に「又は医療用具」を加え、同条を第十四条の四とし、第十四条の二の次に次の一条を加える。

 (指定調査機関による調査の実施)

第十四条の三 厚生大臣は、その指定する者(以下「指定調査機関」という。)に、医療用具(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。以下この条において同じ。)についての第十四条第四項(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定による調査のうち政令で定めるものの全部又は一部を行わせることができる。

2 厚生大臣は、前項の規定により指定調査機関に調査の全部又は一部を行わせるときは、当該調査の全部又は一部を行わないものとする。この場合において、厚生大臣は、指定調査機関が第四項の規定により通知する調査の結果を考慮して第十四条第二項(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定による審査を行わなければならない。

3 厚生大臣が第一項の規定により指定調査機関に調査の全部又は一部を行わせることとしたときは、医療用具について第十四条第一項又は第六項の承認を受けようとする者は、指定調査機関が行う調査については、同条第一項及び第六項の規定にかかわらず、厚生省令で定めるところにより、指定調査機関に申請しなければならない。

4 指定調査機関は、前項の申請に係る調査を行つたときは、遅滞なく、当該調査の結果を厚生省令に定めるところにより厚生大臣に通知しなければならない。

5 指定調査機関については、前条第五項の規定を準用する。

 第十六条中「医薬品」の下に「又は医療用具」を加える。

 第十九条の二第四項中「及び第十四条の二」を「、第十四条の二及び第十四条の三」に改め、同条第五項中「第十四条の二」の下に「及び第十四条の三」を加える。

 第十九条の四中「第十四条の三及び第十四条の四」を「第十四条の四及び第十四条の五」に改める。

 第二十条第二項及び第三項中「第十四条の三」を「第十四条の四」に、「第十四条の四」を「第十四条の五」に改める。

 第二十条の二の見出し中「にわたる製造」を「にわたる製造等」に改め、同条中「又は化粧品」を「、化粧品又は医療用具」に改め、「場合」の下に「及び医療用具の製造の内容が既存の医療用具の修理である場合」を加える。

 第四章の次に次の一章を加える。

   第四章の二 指定調査機関

 (指定)

第二十三条の二 第十四条の三第一項の規定による指定は、厚生省令で定めるところにより、第十四条第四項(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定による調査(以下この章において「調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。

 (指定の基準)

第二十三条の三 厚生大臣は、前条の申請が次の基準に適合していると認めるときでなければ、第十四条の三第一項の指定をしてはならない。

 一 厚生省令で定める条件に適合する知識経験を有する者が調査を実施し、その数が厚生省令で定める数以上であること。

 二 調査のための設備、調査の業務の実施の方法その他の事項についての調査の業務の実施に関する計画が調査の業務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。

 三 前号の調査の業務の実施に関する計画を適正かつ確実に実施するに足りる経理的基礎があること。

 四 調査の業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて調査の業務が不公正になるおそれがないこと。

2 厚生大臣は、前条の申請をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、第十四条の三第一項の指定をしてはならない。

 一 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人以外の者であること。

 二 この法律その他薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者であること。

 三 第二十三条の十三第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。

 四 その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。

  イ 第二号に該当する者

  ロ 第二十三条の六第三項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者

 (指定の公示等)

第二十三条の四 厚生大臣は、第十四条の三第一項の指定をしたときは、指定調査機関の名称及び主たる事務所の所在地、指定調査機関が行う調査の業務の範囲並びに当該指定をした日を公示しなければならない。

2 指定調査機関は、その名称又は主たる事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を厚生大臣に届け出なければならない。

3 厚生大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

 (調査の義務等)

第二十三条の五 指定調査機関は、調査を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、調査を行わなければならない。

2 指定調査機関は、調査を行うときは、厚生省令で定める方法に従い、第二十三条の三第一項第一号に規定する者(次条において「調査員」という。)に調査を実施させなければならない。

 (役員等の選任及び解任)

第二十三条の六 調査の業務に従事する指定調査機関の役員の選任及び解任は、厚生大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 指定調査機関は、調査員を選任し、又は解任したときは、遅滞なく、その旨を厚生大臣に届け出なければならない。

3 厚生大臣は、指定調査機関の役員又は調査員が、この法律その他薬事に関する法令、これに基づく命令若しくは処分又は第二十三条の八に規定する調査業務規程に違反したときは、その指定調査機関に対し、その役員又は調査員を解任すべきことを命ずることができる。

 (役員及び職員の地位)

第二十三条の七 調査の業務に従事する指定調査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

 (調査業務規程)

第二十三条の八 指定調査機関は、厚生省令で定める調査の業務の実施に関する事項についての業務規程(以下「調査業務規程」という。)を定め、厚生大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 厚生大臣は、前項の認可をした調査業務規程が調査の業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、その指定調査機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

 (事業計画の認可等)

第二十三条の九 指定調査機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(第十四条の三第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、厚生大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 指定調査機関は、毎事業年度、事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に、厚生大臣に提出しなければならない。

 (帳簿の備付け等)

第二十三条の十 指定調査機関は、厚生省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに調査の業務に関する事項で厚生省令で定めるものを記載し、及びこれを保存しなければならない。

 (監督命令)

第二十三条の十一 厚生大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定調査機関に対し、調査の業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (業務の休廃止)

第二十三条の十二 指定調査機関は、厚生大臣の許可を受けなければ、調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

2 厚生大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

 (指定の取消し等)

第二十三条の十三 厚生大臣は、指定調査機関が第二十三条の三第二項各号(第三号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。

2 厚生大臣は、指定調査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 この章の規定に違反したとき。

 二 第二十三条の三第一項各号のいずれかに適合しなくなつたと認められるとき。

 三 第二十三条の六第三項、第二十三条の八第二項又は第二十三条の十一の規定による命令に違反したとき。

 四 第二十三条の八第一項の認可を受けた調査業務規程によらないで調査の業務を行つたとき。

 五 不正な手段により指定を受けたとき。

3 厚生大臣は、前二項の規定により指定を取り消し、又は前項の規定により調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

 (指定等の条件)

第二十三条の十四 第十四条の三第一項、第二十三条の六第一項、第二十三条の八第一項、第二十三条の九第一項又は第二十三条の十二第一項の規定による指定、認可又は許可には、条件を付することができる。

2 前項の条件は、指定、認可又は許可に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、指定、認可又は許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。

 (厚生大臣による調査の業務の実施)

第二十三条の十五 厚生大臣は、指定調査機関が第二十三条の十二第一項の許可を受けて調査の業務の全部若しくは一部を休止したとき、第二十三条の十三第二項の規定により指定調査機関に対し調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定調査機関が天災その他の事由により調査の業務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該調査の業務の全部又は一部を行うものとする。

2 厚生大臣は、前項の規定により調査の業務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行つていた調査の業務の全部若しくは一部を行わないこととするときは、その旨を公示しなければならない。

3 厚生大臣が第一項の規定により調査の業務を行うこととし、調査の業務の廃止に係る第二十三条の十二第一項の許可をし、又は第二十三条の十三第一項若しくは第二項の規定により指定調査機関の指定を取り消した場合における調査の業務の引継ぎその他の必要な事項は、厚生省令で定める。

 「第五章 医薬品及び医療用具の販売業」を「第五章 医薬品の販売業並びに医療用具の販売業及び賃貸業」に改める。

 第三十九条の見出し中「販売業」の下に「及び賃貸業」を加え、同条第一項中「販売しようとする者」を「販売し、又は賃貸しようとする者」に、「又は販売業者」を「又は販売業者若しくは賃貸業者」に改める。

 第四十条中「販売業については、」を「販売業又は賃貸業については、第九条の二及び」に改め、同条に後段として次のように加える。

  この場合において、第九条の二中「薬局における医薬品の試験検査の実施方法、薬局の管理者の義務の遂行のための配慮事項」とあるのは、「販売業者又は賃貸業者の営業所における医療用具の品質の確保の方法」と読み替えるものとする。

 第四十三条第一項中「又は医療用具」を削り、同条第三項中「第一項」の下に「及び第二項」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 厚生大臣の指定する医療用具は、厚生大臣の指定する者の検定を受け、かつ、これに合格したものでなければ、販売し、賃貸し、授与し、又は販売、賃貸若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない。ただし、厚生省令で別段の定めをしたときは、この限りでない。第六十三条の次に次の一条を加える。

 (添付文書等の記載事項)

第六十三条の二 医療用具は、これに添付する文書又はその容器若しくは被包に、次に掲げる事項が記載されていなければならない。ただし、厚生省令で別段の定めをしたときは、この限りでない。

 一 使用方法その他使用及び取扱い上の必要な注意

 二 厚生大臣の指定する医療用具にあつては、その保守点検に関する事項

 三 第四十二条第二項の規定によりその基準が定められた医療用具にあつては、その基準においてこれに添付する文書又はその容器若しくは被包に記載するように定められた事項

 四 前三号に掲げるもののほか、厚生省令で定める事項

 第六十四条中「、第五十二条から」を「、第五十三条から」に改め、「、第五十二条第三号中「第四十二条第一項」とあるのは「第四十二条第二項」と」を削り、「第六十四条において準用する第五十二条」」を「第六十三条の二」」に、「又は第六十四条において準用する第五十二条から第五十四条まで」を「、第六十三条の二又は第六十四条において準用する第五十三条若しくは第五十四条」と、「販売し、授与し、又は販売」とあるのは「販売し、賃貸し、授与し、又は販売、賃貸」に改める。

 第六十五条中「販売し」の下に「、賃貸し」を、「又は販売」の下に「、賃貸」を加える。

 第六十九条第一項中「若しくは販売業者」の下に「、医療用具の賃貸業者」を、「取り扱う者」の下に「又は第七十七条の五第四項の委託を受けた者」を加え、同条第三項中「第一項」の下に「又は第二項」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 厚生大臣は、必要があると認めるときは、指定調査機関に対して、調査の業務又は経理の状況に関し、報告をさせ、又は当該職員に、指定調査機関の事務所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

 第六十九条の二中「若しくは販売業者」の下に「、医療用具の賃貸業者」を、「国内管理人」の下に「、第七十七条の五第四項の委託を受けた者」を加え、「化粧品又は」を「化粧品若しくは」に、「又は授与」を「若しくは授受又は医療用具の賃貸」に改める。

 第七十条中「陳列されている医薬品若しくは医療用具」を「陳列されている医薬品」に、「授与された医薬品若しくは医療用具」を「授与された医薬品、同条第二項の規定に違反して貯蔵され、若しくは陳列されている医療用具、同項の規定に違反して販売され、賃貸され、若しくは授与された医療用具」に改める。

 第七十二条中「又は医薬品若しくは」を「、医薬品の販売業者又は」に改め、「医療用具の販売業者」の下に「若しくは賃貸業者」を加える。

 第七十二条の三中「又は化粧品」を「、化粧品又は医療用具」に、「若しくは化粧品」を「、化粧品若しくは医療用具」に改め、「第六十二条において準用する場合を含む。)」の下に「若しくは第六十五条」を加える。

 第七十四条の二第三項第一号中「第十四条の三第一項又は第十四条の四第一項」を「第十四条の四第一項又は第十四条の五第一項」に改める。

 第七十五条第一項中「又は医薬品若しくは」を「、医薬品の販売業者又は」に改め、「医療用具の販売業者」の下に「若しくは賃貸業者」を加える。

 第七十五条の二第二項中「第十四条の三第一項又は第十四条の四第一項」を「第十四条の四第一項又は第十四条の五第一項」に改める。

 第七十七条の三第一項中「受けた者」の下に「、医療用具の販売業者若しくは賃貸業者(薬局開設者、医療用具の製造業者、販売業者若しくは賃貸業者又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者に対し、業として、医療用具を販売し又は授与するもの又は薬局開設者、病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者に対し、業として、医療用具を賃貸するものに限る。次項において「医療用具の卸売販売業者等」という。)」を加え、「医薬品若しくは医療用具の販売業者」を「医薬品の販売業者、医療用具の販売業者若しくは賃貸業者」に改め、「情報」の下に「(第六十三条の二第二号の規定による指定がされた医療用具の保守点検に関する情報を含む。次項において同じ。)」を加え、同条第二項中「医薬品若しくは医療用具の販売業者」を「医薬品の販売業者、医療用具の販売業者若しくは賃貸業者」に改め、「受けた者」の下に「、医療用具の卸売販売業者等」を加え、同条に次の一項を加える。

3 薬局開設者、病院若しくは診療所の開設者又は医師、歯科医師、薬剤師その他の医薬関係者は、医薬品及び医療用具の適正な使用を確保するため、相互の密接な連携の下に第一項の規定により提供される情報の活用(第六十三条の二第二号の規定による指定がされた医療用具の保守点検の適切な実施を含む。)その他必要な情報の収集、検討及び利用を行うことに努めなければならない。

 第七十七条の四の次に次の二条を加える。

 (特定医療用具に関する記録の作成及び保存)

第七十七条の五 人の体内に植え込む方法で用いられる医療用具その他の医療を提供する施設以外において用いられることが想定されている医療用具であつて保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するためにその所在が把握されている必要があるものとして厚生大臣が指定する医療用具(以下「特定医療用具」という。)については、第十四条の規定による承認を受けた製造業者、国内管理人又は第二十三条において準用する第十四条の規定による承認を受けた輸入販売業者(以下「製造承認取得者等」と総称する。)は、特定医療用具の植込みその他の使用の対象者(次項において「特定医療用具利用者」という。)の氏名、住所その他の厚生省令で定める事項を記載した記録を作成し、かつ、これを適切に保存しなければならない。

2 特定医療用具を取り扱う医師その他の医療関係者は、その担当した特定医療用具利用者に係る前項に規定する厚生省令で定める事項に関する情報を、直接又は特定医療用具の販売業者、賃貸業者若しくは輸入販売業者を介する等の方法により製造承認取得者等に提供するものとする。ただし、特定医療用具利用者がこれを希望しないときは、この限りでない。

3 特定医療用具の販売業者、賃貸業者又は輸入販売業者は、製造承認取得者等の行う記録の作成及び保存の事務(以下「記録の作成等の事務」という。)が円滑に行われるよう、特定医療用具を取り扱う医師その他の医療関係者に対する説明その他の必要な協力を行わなければならない。

4 製造承認取得者等は、その承認を受けた特定医療用具の一の品目のすべてを取り扱う販売業者その他の厚生省令で定める基準に適合する者に対して、記録の作成等の事務の全部又は一部を委託することができる。この場合において、製造承認取得者等は、あらかじめ、厚生省令で定める事項を厚生大臣に届け出なければならない。

5 製造承認取得者等、特定医療用具の販売業者、賃貸業者若しくは輸入販売業者若しくは前項の委託を受けた者又はこれらの役員若しくは職員は、正当な理由なく、記録の作成等の事務に関しその職務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。これらの者であつた者についても、同様とする。

6 前各項に定めるもののほか、記録の作成等の事務に関し必要な事項は、厚生省令で定める。

 (指導及び助言)

第七十七条の六 厚生大臣又は都道府県知事は、製造承認取得者等、前条第四項の委託を受けた者、特定医療用具の販売業者、賃貸業者若しくは輸入販売業者又は特定医療用具を取り扱う医師その他の医療関係者に対し、記録の作成等の事務について必要な指導及び助言を行うことができる。

 第七十八条第一項第四号中「第十四条の三」を「第十四条の四」に改め、同項第五号中「医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造業者又は輸入販売業者に係る」を削り、同条に次の二項を加える。

4 第十四条の三第一項(第十九条の二第四項及び第五項並びに第二十三条において準用する場合を含む。)の規定により指定調査機関が行う調査を申請する者は、当該調査に要する実費の額を考慮して政令で定める額の手数料を指定調査機関に納めなければならない。

5 前項の規定により指定調査機関に納められた手数料は、指定調査機関の収入とする。

 第七十九条第一項中「許可」の下に「(第二十三条の十二第一項の許可を除く。)」を加え、「附する」を「付する」に改める。

 第八十四条第九号中「第四十三条第一項」の下に「及び第二項」を加える。

 第八十六条の次に次の一条を加える。

第八十六条の二 第二十三条の十三第二項の規定による調査業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定調査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 第八十七条第九号を同条第十号とし、同条第八号の次に次の一号を加える。

 九 第七十七条の五第五項の規定に違反した者

 第八十七条に次の一項を加える。

2 前項第九号の罪は、告訴を待つて論ずる。

 第八十八条の次に次の一条を加える。

第八十八条の二 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定調査機関の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十三条の十の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。

 二 第二十三条の十二の許可を受けないで調査の業務の全部を廃止したとき。

 三 第六十九条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

 第八十九条中「又は前二条」を「、第八十七条又は第八十八条」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十四条の二の次に一条を加える改正規定(第十四条の三第四項及び第五項に係る部分を除く。)、第四章の次に一章を加える改正規定(第二十三条の二から第二十三条の四まで、第二十三条の六(第三項を除く。)、第二十三条の七から第二十三条の十一まで、第二十三条の十三及び第二十三条の十四に係る部分に限る。)、第六十九条の改正規定(同条第一項に係る部分を除く。)及び第八十八条の次に一条を加える改正規定(第八十八条の二第二号に係る部分を除く。)並びに附則第六条の規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (賃貸業の届出に関する経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に改正後の第三十九条第一項の厚生大臣の指定する医療用具を業として賃貸している者に対する同項の規定の適用については、同項中「あらかじめ」とあるのは、「薬事法の一部を改正する法律(平成六年法律第五十号)の施行の日から起算して三月以内に」とする。

 (医療用具の添付文書等に関する経過措置)

第三条 この法律の施行の際現に存する医療用具で、これに添付される文書又はその容器若しくは被包に改正前の第六十四条において準用する第五十二条に規定する事項が記載されているものについては、この法律の施行の日から起算して二年間は、改正後の第六十三条の二の規定に適合する記載がされているものとみなす。

 (罰則に関する経過措置)

第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (検討)

第五条 政府は、この法律の施行後十年を経過した場合において、改正後の第十四条の四の規定(医療用具に係る部分に限る。)、第十四条の五の規定(医療用具に係る部分に限る。)及び第七十七条の五の規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (厚生省設置法の一部改正)

第六条 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。

  第六条第四十四号の次に次の一号を加える。

  四十四の二 薬事法の規定に基づき、指定調査機関を指定し、指定調査機関に対し、認可その他監督を行うこと。

(厚生・農林水産・内閣総理大臣署名) 

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