松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律

法律第十二号(平四・三・三一)

 松くい虫被害対策特別措置法(昭和五十二年法律第十八号)の一部を次のように改正する。

 第二条第五項中「次に掲げる松林」を「高度公益機能松林」に改め、同項各号を削り、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

4 この法律において「樹種転換」とは、松林を保護し、及びその有する機能を確保するために行う松くい虫が運ぶ線虫類により被害が発生している松林の他の樹種又は松くい虫が運ぶ線虫類により枯死するおそれのない松からなる森林への転換をいう。

 第三条第一項中「昭和六十二年度」を「平成四年度」に改め、同条第二項第二号中「樹木」の下に「又は松くい虫が付着しているおそれがある松の樹木(枯死しているものに限る。)」を加え、同項第四号を次のように改める。

 四 樹種転換に係る施業に関する事項、森林組合等による樹種転換の促進に関する事項その他樹種転換に関する基本的な事項

 第四条第二項第一号の次に次の一号を加える。

 一の二 高度公益機能松林及び被害拡大防止松林の区域

 第四条の二第二項中「松林群」の下に「の区域及び当該松林又は松林群」を加える。

 第五条第一項中「次に掲げる」を「高度公益機能松林又は被害拡大防止松林の面積がその面積の過半を占める」に、「に掲げるもの」を「の規定によるもの」に改め、同項各号を削る。

 第六条第一項中「前条第一項各号に掲げる」を「前条第一項に規定する」に、「に掲げる命令」を「の規定による命令」に改める。

 第九条の二第一項中「に掲げる」を「の規定による」に改める。

 第九条の四を第九条の七とする。

 第九条の三の見出しを「(樹種転換を特に促進すべき松林の公表)」に改め、同条中「第三条第二項第四号に規定する措置」を「樹種転換」に改め、同条を第九条の六とし、第九条の二の次に次の三条を加える。

 (補完伐倒駆除命令等)

第九条の三 農林水産大臣は、高度公益機能松林又は被害拡大防止松林につき、第四条の三第一項の規定による命令又は森林病害虫等防除法第三条第一項第一号の規定による命令(松くい虫が付着している松の樹木の伐倒及び薬剤による防除に係るものに限る。)をするに際し、又は命令をした後において、松くい虫が運ぶ線虫類により当該松林に発生している被害の状況からみて、これらの命令のみによつては早期に、かつ、徹底的に松くい虫を駆除し、又はそのまん延を防止する目的を達することができないと認めるときは、その必要の限度において、これらの命令の区域及び期間の範囲内で区域及び期間を定め、当該松林を所有し、又は管理する者に対し、松くい虫が付着しているおそれがある松の樹木(枯死しているものに限る。)の伐倒及び薬剤による防除(以下「補完伐倒駆除」という。)を命ずることができる。

2 森林病害虫等防除法第三条第二項から第八項まで及び第四条の規定は、前項の規定による命令について準用する。この場合において、同法第三条第二項中「第八条」とあるのは「松くい虫被害対策特別措置法第十条の二」と、同条第三項中「左の」とあるのは「第一号、第三号及び第四号に掲げる」と、「森林病害虫等の駆除」とあるのは「松くい虫の駆除」と、同条第四項中「森林、樹木、指定種苗又は伐採木等」とあるのは「松くい虫被害対策特別措置法第九条の三第一項に規定する松林」と、「同項」とあるのは「前項」と、同条第七項中「左に」とあるのは「第一号に」と、同項第一号イ中「第三項各号」とあるのは「第三項第一号、第三号及び第四号」と、同法第四条第一項中「森林、樹木、指定種苗又は伐採木等」とあるのは「松林」と、同条第二項中「第八条第一項」とあるのは「松くい虫被害対策特別措置法第十条の二第一項」と読み替えるものとする。

第九条の四 都道府県知事は、高度公益機能松林又は被害拡大防止松林につき、第四条の四第一項の規定による命令又は森林病害虫等防除法第五条第一項の規定による命令(松くい虫が付着している松の樹木の伐倒及び薬剤による防除に係るものに限る。)をするに際し、又は命令をした後において、松くい虫が運ぶ線虫類により当該松林に発生している被害の状況からみて、これらの命令のみによつては松くい虫を駆除し、又はそのまん延を防止する目的を達することができないと認めるときは、その必要の限度において、これらの命令の区域及び期間の範囲内で区域及び期間を定め、当該松林を所有し、又は管理する者に対し、補完伐倒駆除を命ずることができる。

2 森林病害虫等防除法第三条第三項から第八項まで及び第四条の規定は、前項の規定による命令について準用する。この場合において、同法第三条第三項中「左の」とあるのは「第一号、第三号及び第四号に掲げる」と、「森林病害虫等の駆除」とあるのは「松くい虫の駆除」と、同条第四項中「森林、樹木、指定種苗又は伐採木等」とあるのは「松くい虫被害対策特別措置法第九条の四第一項に規定する松林」と、「同項」とあるのは「前項」と、同条第七項中「左に」とあるのは「第一号に」と、同項第一号イ中「第三項各号」とあるのは「第三項第一号、第三号及び第四号」と、同法第四条第一項中「森林、樹木、指定種苗又は伐採木等」とあるのは「松林」と、同条第二項中「第八条第一項」とあるのは「松くい虫被害対策特別措置法第十条の二第一項」と読み替えるものとする。

 (森林組合等に対する樹種転換に関する助言等)

第九条の五 都道府県知事は、都道府県実施計画の達成上必要があるときは、森林組合又は森林整備法人(分収林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第九条第二号に掲げる森林整備法人をいう。)に対し、これらの者が行う樹種転換に関する規程の設定その他の樹種転換の促進に資する措置に関し必要な助言、指導及び勧告をすることができる。

 第十条の二第一項中「又は第四条の四第一項」を「、第四条の四第一項、第九条の三第一項又は第九条の四第一項」に改め、同条第二項中「焼却」の下に「又は薬剤による防除」を加える。

 第十一条中「及び第九条の二第一項」を「、第九条の二第一項」に改め、「緊急伐倒駆除に要する費用」の下に「及び第九条の四第一項又は同条第二項において準用する同法第四条第一項の規定により都道府県知事が行う補完伐倒駆除に関する措置に要する費用」を加える。

 第十二条中「又は第九条の二第一項」を「、第九条の二第一項」に、「緊急伐倒駆除について、同法」を「緊急伐倒駆除又は第九条の三第一項若しくは同条第二項において準用する同法第四条第一項若しくは第九条の四第一項若しくは同条第二項において準用する同法第四条第一項の規定による補完伐倒駆除に関する措置について、同法」に、「緊急伐倒駆除について、それぞれ」を「緊急伐倒駆除又は第九条の四第一項若しくは同条第二項において準用する同法第四条第一項の規定による補完伐倒駆除に関する措置について、それぞれ」に、「又は同法第九条の二第一項」を「、同法第九条の二第一項」に改め、「緊急伐倒駆除を行う場合」の下に「又は同法第九条の三第一項若しくは同条第二項において準用する前条第一項若しくは同法第九条の四第一項若しくは同条第二項において準用する前条第一項若しくは同法第九条の四第一項若しくは同条第二項において準用する前条第一項の規定により補完伐倒駆除に関する措置を行う場合」を、「行う緊急伐倒駆除」の下に「又は同法第九条の四第一項若しくは同条第二項において準用する第四条第一項の規定により都道府県知事が行う補完伐倒駆除に関する措置」を加える。

 第十三条中「及び第九条の二第一項」を「、第九条の二第一項」に改め、「緊急伐倒駆除に関する事務」の下に「及び第九条の四第一項又は同条第二項において準用する同法第四条第一項の規定による補完伐倒駆除に関する事務」を加える。

 第十四条中「又は第四条の四第一項」を「、第四条の四第一項、第九条の三第一項又は第九条の四第一項」に改める。

 附則第二項中「昭和六十七年三月三十一日」を「平成九年三月三十一日」に改める。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(農林水産・内閣総理大臣署名)

年表に戻る

法令一覧(年度別)に戻る