株式会社日本政策金融公庫法

法律第五十七号(平一九・五・二五)

目次

 第一章 総則(第一条−第五条)

 第二章 役員及び職員(第六条−第十条)

 第三章 業務(第十一条−第二十七条)

 第四章 財務及び会計(第二十八条−第五十七条)

 第五章 雑則(第五十八条−第六十六条)

 第六章 罰則(第六十七条−第七十四条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 株式会社日本政策金融公庫(以下「公庫」という。)は、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能並びに我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得を促進し、並びに我が国の産業の国際競争力の維持及び向上を図るための金融の機能を担うとともに、内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な金融を行うほか、当該必要な金融が銀行その他の金融機関により迅速かつ円滑に行われることを可能とし、もって我が国及び国際経済社会の健全な発展並びに国民生活の向上に寄与することを目的とする株式会社とする。

 (定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 一 生活衛生関係営業者 前条に規定する国民一般のうち、生活衛生関係営業(生活衛生関係の営業として政令で定める営業をいう。以下同じ。)を営む者であって、生活衛生同業組合その他の政令で定めるものをいう。

 二 農林漁業者 農業(畜産業及び養蚕業を含む。)、林業、漁業若しくは塩業(以下「農林漁業」という。)を営む者又はこれらの者の組織する法人(これらの者又は地方公共団体が主たる構成員若しくは出資者となっているか又は基本財産の額の過半を拠出している法人で農林漁業の振興を目的とするものを含む。)をいう。

 三 中小企業者 次のいずれかに該当する者をいう。

  イ 資本金の額又は出資の総額が三億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については五千万円、卸売業を主たる事業とする事業者については一億円)以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人(小売業を主たる事業とする事業者については五十人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については百人)以下の会社及び個人であって、政令で定める業種に属する事業(以下「中小企業特定事業」という。)を営むもの(ロの政令で定める業種に属する事業を主たる事業とするものを除く。)

  ロ 資本金の額又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であって、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業とするもののうち、中小企業特定事業を営むもの

  ハ 中小企業等協同組合、農業協同組合、農業協同組合連合会、水産業協同組合、森林組合、生産森林組合、森林組合連合会、消費生活協同組合及び消費生活協同組合連合会であって、中小企業特定事業を営むもの又はその構成員の三分の二以上が中小企業特定事業を営む者であるもの

  ニ 協業組合であって、中小企業特定事業を営むもの

  ホ 商工組合及び商工組合連合会であって、中小企業特定事業を営むもの又はその構成員が中小企業特定事業を営む者であるもの

  ヘ 商店街振興組合及び商店街振興組合連合会であって、中小企業特定事業を営むもの又はその構成員の三分の二以上が中小企業特定事業を営む者であるもの

  ト 生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合及び生活衛生同業組合連合会であって、その直接又は間接の構成員の三分の二以上が五千万円(卸売業を主たる事業とする事業者については、一億円)以下の金額をその資本金の額若しくは出資の総額とする法人又は常時五十人(卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については、百人)以下の従業員を使用する者であるもののうち、中小企業特定事業を営むもの又はその構成員が中小企業特定事業を営む者であるもの

  チ 酒造組合、酒造組合連合会及び酒造組合中央会であって、その直接又は間接の構成員である酒類製造業者の三分の二以上が三億円以下の金額をその資本金の額若しくは出資の総額とする法人又は常時三百人以下の従業員を使用する者であるもの並びに酒販組合、酒販組合連合会及び酒販組合中央会であって、その直接又は間接の構成員である酒類販売業者の三分の二以上が五千万円(酒類卸売業者については、一億円)以下の金額をその資本金の額若しくは出資の総額とする法人又は常時五十人(酒類卸売業者については、百人)以下の従業員を使用する者であるもの

  リ 内航海運組合及び内航海運組合連 合会であって、その直接又は間接の構成員である内航海運事業を営む者の三分の二以上が三億円以下の金額をその資本金の額若しくは出資の総額とする法人又は常時三百人以下の従業員を使用する者であるもの

 四 特定資金 内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な資金であって政令で定めるものをいう。

 五 危機対応業務 特定資金の貸付け、特定資金に係る手形の割引、債務の保証若しくは手形の引受け、特定資金の調達のために発行される社債の応募その他の方法による取得又は特定資金に係る貸付債権の全部若しくは一部の譲受け(以下「特定資金の貸付け等」という。)のうち、公庫からの信用の供与(第四十一条第六号に掲げる業務に該当するものを除く。)を受けて行うものをいう。

 (株式の政府保有)

第三条 政府は、常時、公庫の発行済株式の総数を保有していなければならない。

 (政府の出資)

第四条 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、公庫に出資することができる。

2 公庫は、前項の規定による政府の出資があったときは、会社法(平成十七年法律第八十六号)第四百四十五条第二項の規定にかかわらず、当該出資された額の二分の一を超える額を資本金として計上しないことができる。この場合において、同条第一項中「この法律」とあるのは、「この法律又は株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)」とする。

3 公庫は、第一項の規定による政府の出 資があったときは、その出資により増加する資本金又は準備金を、第四十一条に定める経理の区分に従い、同条各号に掲げる業務に係る勘定ごとに整理しなければならない。

 (名称の使用制限等)

第五条 公庫でない者は、その名称中に日本政策金融公庫という文字を用いてはならない。

2 公庫は、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第六条第二項の規定にかかわらず、第十三条第三項に規定する部門の名称として、国際協力銀行という名称を用いることができる。

3 公庫でない者は、国際協力銀行という名称を用いてはならない。

   第二章 役員及び職員

 (役員等の選任及び解任等の決議)

第六条 公庫の役員等(取締役、執行役及び監査役をいう。以下同じ。)の選任及び解任の決議は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 公庫の代表取締役又は代表執行役の選定及び解職の決議は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (役員等の欠格条項)

第七条 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、公庫の役員等となることができない。

 (役員等の兼職禁止)

第八条 公庫の役員等(非常勤の者を除く。以下この条において同じ。)は、公庫以外の営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、主務大臣が役員等としての職務の執行に支障がないものと認めて承認したときは、この限りでない。

 (役員等、会計参与及び職員の秘密保持義務)

第九条 公庫の役員等、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)及び職員は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。これらの者がその職を退いた後も、同様とする。

 (役員等、会計参与及び職員の地位)

第十条 公庫の役員等、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

   第三章 業務

 (業務の範囲)

第十一条 公庫は、その目的を達成するため、次の業務を行うものとする。

 一 別表第一の中欄に掲げる者に対して、それぞれ同表の下欄に掲げる資金を貸し付ける業務(同表第十四号の下欄に掲げる資金を貸し付ける業務にあっては、当該資金を調達するために新たに発行する社債(社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第六十六条第一号に規定する短期社債を除く。第五十三条において同じ。)を応募その他の方法により取得する業務を含む。以下同じ。)を行うこと。

 二 別表第二に掲げる業務を行うこと。

 三 中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)の規定による保険を行うこと。

 四 別表第三に掲げる業務(我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得を促進し、並びに我が国の産業の国際競争力の維持及び向上を図るためのもの並びに国際金融秩序の混乱への対処に係るものに限る。)を行うこと。

 五 公庫の行う業務の利用者に対して、その業務に関連する情報の提供を行うこと。

 六 前各号に掲げる業務(第四号に掲げる業務にあっては、別表第三第七号に掲げるものを除く。)に附帯する業務を行うこと。

2 公庫は、その目的を達成するため、主務大臣が、一般の金融機関が通常の条件により特定資金の貸付け等を行うことが困難であり、かつ、主務大臣が指定する者(以下「指定金融機関」という。)が危機対応業務を行うことが必要である旨を認定する場合に、次に掲げる業務を行うものとする。

 一 指定金融機関に対し、特定資金の貸付け等に必要な資金の貸付けを行うこと。

 二 指定金融機関が行う特定資金の貸付け等に係る債務の全部又は一部の弁済がなされないこととなった場合において、その債権者である指定金融機関に対してその弁済がなされないこととなった額の一部の補てんを行うこと。

 三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

3 公庫は、前二項に規定する業務のほか、その目的を達成するため、指定金融機関が行った特定資金の貸付け等であって前項第一号又は第二号に掲げる業務に係るものについて、当該指定金融機関に対し利子補給金を支給する業務及びこれに附帯する業務を行うことができる。

 (国内金融業務の方法)

第十二条 公庫は、業務開始の際、前条第一項第一号から第三号までに掲げる業務及び同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務(以下「国内金融業務」という。)の方法を定め、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の国内金融業務の方法で定めるべき事項は、次項及び第四項の規定に従い公庫が定める貸付けの利率、償還期限(据置期間を含めるものとする。以下同じ。)及び据置期間のほか、主務省令で定める事項とする。

3 別表第一第八号(同号の下欄のイ、ニ、チからヲまで、カからタまで及びツからナまでに係る部分に限る。)及び第九号から第十三号までの下欄に掲げる資金(同表第八号の下欄のイ、ニ、チ、ヨ、ネ及びナに掲げる資金については、別表第五の貸付金の種類の欄に掲げる資金を除く。)の貸付けの利率、償還期限及び据置期間は、別表第四の範囲内でなければならない。

4 林業の構造改善の計画的推進を図り、又は農業経営の改善、林業経営の改善、漁業経営の改善若しくは漁業の整備若しくは振興山村若しくは過疎地域における農林漁業の振興を促進するために必要なものとして別表第五の貸付金の種類の欄に掲げる資金については、その貸付けの利率はそれぞれ同表に掲げる利率によるものとし、その償還期限及び据置期間はそれぞれ同表に掲げる償還期限及び据置期間の範囲内でなければならない。

 (国際協力銀行業務の方法)

第十三条 第十一条第一項第四号の規定による資金の貸付け、貸付債権の譲受け、公社債等(別表第三の注(3)に規定する公社債等をいう。以下この項、第三十一条第三項、第五十条第六項及び第七十三条第五号において同じ。)の取得、債務の保証等(同表の注(2)に規定する債務の保証等をいう。第五十条第六項及び第七十三条第五号において同じ。)又は出資は、当該貸付けに係る資金の償還、当該譲受けに係る貸付債権の回収、当該取得に係る公社債等の償還、当該債務の保証等に係る債務の履行又は当該出資に係る事業からの配当の支払を可能とする利益の発生が確実であると認められる場合に限り、行うことができる。

2 別表第三第一号から第六号までに掲げる業務に係る貸付金の利率、譲り受ける貸付債権の利回りその他の条件は、第四十一条第六号に掲げる業務に係る勘定における収入がその支出を償うに足るように、銀行等(銀行法に規定する銀行、長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)に規定する長期信用銀行その他政令で定める金融機関をいう。)の取引の通常の条件又は金融市場の動向を勘案して定めるものとする。

3 公庫は、第十一条第一項第四号の規定による業務及び同項第五号の規定による当該業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務を行う専任の部門を置かなければならない。

 (業務の委託)

第十四条 公庫は、その業務(第十一条第一項第一号の規定による別表第一第十五号の下欄に掲げる資金の貸付けの業務及び同項第三号に掲げる業務を除く。)の一部を他の者(主務省令で定める金融機関その他主務省令で定める法人(以下「受託法人」という。)に限る。)に委託することができる。

2 受託法人(主務省令で定める法人を除く。)は、他の法律の規定にかかわらず、公庫が前項の規定により委託した業務を受託することができる。

3 第一項の規定により業務の委託を受けた受託法人の役員又は職員であって、当該委託業務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

4 公庫は、第一項の規定にかかわらず、沖縄振興開発金融公庫に対し、第十一条第一項第二号の規定による別表第二第一号から第五号までに掲げる業務及び同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務の一部を委託することができる。

 (危機対応円滑化業務実施方針)

第十五条 公庫は、主務省令で定めるところにより、第十一条第二項及び第三項に規定する業務(以下「危機対応円滑化業務」という。)の方法及び条件その他危機対応円滑化業務を効果的かつ効率的に実施するための方針(以下「危機対応円滑化業務実施方針」という。)を定めなければならない。

2 公庫は、危機対応円滑化業務実施方針を定めようとするときは、主務大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

3 公庫は、前項の規定による主務大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、危機対応円滑化業務実施方針を公表しなければならない。

 (指定)

第十六条 第十一条第二項の規定による指定(以下この条、次条第一項、第十八条、第二十五条第三項、第二十六条及び第二十七条において「指定」という。)は、危機対応業務を行おうとする者の申請により行う。

2 指定を受けようとする者は、主務省令で定める手続に従い、危機対応円滑化業務実施方針を踏まえて危機対応業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、これを指定申請書に添えて、主務大臣に提出しなければならない。

3 業務規程には、危機対応業務の実施体制及び実施方法並びに特定資金の貸付け等のために必要な危機対応円滑化業務による信用の供与の内容に関する事項その他の主務省令で定める事項を定めなければならない。

4 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。

 一 この法律、銀行法その他の政令で定める法律又はこれらの法律に基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

 二 第二十六条第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者

 三 法人であって、その業務を行う役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある者

  イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

  ロ 指定金融機関が第二十六条第一項の規定により指定を取り消された場合において、当該指定の取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前六十日以内にその指定金融機関の役員であった者で当該指定の取消しの日から五年を経過しないもの

5 主務大臣は、第一項の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。

 一 銀行その他の政令で定める金融機関であること。

 二 業務規程が法令及び危機対応円滑化業務実施方針に適合し、かつ、危機対応業務を適正かつ確実に遂行するために十分なものであること。

 三 人的構成に照らして、危機対応業務を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有していること。

 (指定の公示)

第十七条 主務大臣は、指定をしたときは、指定金融機関の商号又は名称、住所及び危機対応業務を行う営業所又は事務所の所在地を官報で公示しなければならない。

2 指定金融機関は、その商号若しくは名称、住所又は危機対応業務を行う営業所若しくは事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。

 (指定の更新)

第十八条 指定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

2 第十六条の規定は、指定の更新について準用する。

3 主務大臣は、第一項の規定により指定が効力を失ったときは、その旨を官報で公示しなければならない。

 (承継)

第十九条 指定金融機関が危機対応業務に係る事業の譲渡をする場合において、譲渡人及び譲受人が譲渡及び譲受けについて主務大臣の認可を受けたときは、譲受人は、指定金融機関の地位を承継する。

2 指定金融機関である法人の合併の場合(指定金融機関である法人と指定金融機関でない法人が合併して指定金融機関である法人が存続する場合を除く。)又は分割の場合(危機対応業務に係る事業を承継させる場合に限る。)において、当該合併又は分割について主務大臣の認可を受けたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該業務に係る事業を承継した法人は、指定金融機関の地位を承継する。

3 第十六条及び第十七条第一項の規定は、前二項の認可について準用する。

 (業務規程の変更の認可等)

第二十条 指定金融機関は、業務規程を変更しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。

2 主務大臣は、指定金融機関の業務規程が危機対応業務の適正かつ確実な遂行上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

 (協定)

第二十一条 公庫は、危機対応円滑化業務については、指定金融機関と次に掲げる事項をその内容に含む協定(以下この条、附則第二十八条、第四十五条及び第四十六条において「協定」という。)を締結し、これに従いその業務を行うものとする。

 一 指定金融機関は、次条第一項の規定による主務大臣の定めに従って危機対応業務を行うこと。

 二 第十一条第二項第二号に掲げる業務に係る取引(次号において「特定取引」という。)が行われる場合において、指定金融機関は、主務大臣が定めるところにより金銭を支払い、これに対して、公庫は、指定金融機関の危機対応業務に係る債務の弁済がなされないこととなった場合において、その弁済がなされないこととなった額に主務大臣が定める割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払うこと。

 三 指定金融機関は、公庫と特定取引を行う場合において、公庫から当該特定取引に係る金銭の支払を受けた後も、当該支払に係る債権の回収に努めること。

 四 指定金融機関は、前号の規定により回収を行ったときは、当該回収により取得した資産に相当する額に係る部分の額として主務大臣が定めるところにより計算した金額を公庫に納付すること。

 五 指定金融機関は、定期又は臨時に、その財務状況及び危機対応業務の実施状況に関する報告書を作成し、公庫に提出すること。

 六 前各号に掲げるもののほか、指定金融機関が行う危機対応業務及び公庫が行う危機対応円滑化業務の内容及び方法その他の主務省令で定める事項

2 公庫は、協定を締結しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 (危機対応円滑化業務の実施)

第二十二条 主務大臣は、第十一条第二項の規定による認定を行うときは、当該認定の対象となるべき指定金融機関の危機対応業務及び公庫の危機対応円滑化業務について、対象とすべき事案、実施期間その他これらの業務の実施に関して必要な事項として主務省令で定める事項を定めなければならない。

2 公庫は、前項の規定による主務大臣の定めに従って危機対応円滑化業務を行わなければならない。

3 主務大臣は、第十一条第二項の規定による認定を行ったときは、その旨及び第一項の規定による定めの内容を指定金融機関及び公庫に通知するとともに、官報で公示しなければならない。

 (帳簿の記載)

第二十三条 指定金融機関は、危機対応業務について、主務省令で定めるところにより、帳簿を備え、主務省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 (監督命令)

第二十四条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定金融機関に対し、危機対応業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (業務の休廃止)

第二十五条 指定金融機関は、危機対応業務の全部若しくは一部を廃止しようとするとき、又は危機対応業務を開始した場合において、当該危機対応業務の全部若しくは一部を休止しようとするときは、主務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

2 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。

3 指定金融機関が危機対応業務の全部を廃止したときは、当該指定金融機関の指定は、その効力を失う。

 (指定の取消し等)

第二十六条 主務大臣は、指定金融機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて危機対応業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第十六条第四項第一号又は第三号に該当するに至ったとき。

 二 指定の時点において第十六条第五項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。

 三 不正の手段により指定を受けたことが判明したとき。

 四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。

2 主務大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は危機対応業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を官報で公示しなければならない。

 (指定の取消し等に伴う業務の結了)

第二十七条 指定金融機関について、第十八条第一項及び第二十五条第三項の規定により指定が効力を失ったとき、又は前条第一項の規定により指定が取り消されたときは、当該指定金融機関であった者又はその一般承継人は、当該指定金融機関が行った危機対応業務の契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお指定金融機関とみなす。

   第四章 財務及び会計

 (事業年度)

第二十八条 公庫の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。

 (予算の作成及び提出)

第二十九条 公庫は、毎事業年度、その予算を作成し、主務大臣を経由して、これを財務大臣に提出しなければならない。

2 前項の予算には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 当該事業年度の事業計画及び資金計画に関する書類

 二 前々年度の損益計算書、貸借対照表及び財産目録

 三 前年度及び当該事業年度の予定損益計算書及び予定貸借対照表

 四 その他当該予算の参考となる書類

3 前項第一号の事業計画及び資金計画においては、別表第一第一号及び第二号の下欄に掲げる資金ごとの貸付予定額並びに同表第三号から第七号までの下欄に掲げる資金の貸付予定額の合計額が明らかになるようにしなければならない。

4 第一項の予算の作成及び提出の手続については、財務大臣が定める。

第三十条 財務大臣は、前条第一項の規定により予算の提出を受けたときは、これを検討して必要な調整を行い、閣議の決定を経なければならない。

2 内閣は、前条第一項の予算について、前項の規定による閣議の決定があったときは、その予算を国の予算とともに国会に提出しなければならない。

3 前項の規定により国会に提出する予算には、前条第二項各号に掲げる書類を添付しなければならない。

 (予算の形式及び内容)

第三十一条 公庫の予算は、予算総則及び収入支出予算とする。

2 前項の予算総則においては、次の事項を定めるものとする。

 一 次に掲げる業務ごとの政府からの借入金の限度額

  イ 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第一号から第七号までの中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務並びに同項第二号の規定による別表第二第一号及び第九号に掲げる業務(同号に掲げる業務にあっては、別表第一第一号から第七号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は別表第二第一号に掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務

  ロ 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第八号から第十三号までの中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務並びに同項第二号の規定による別表第二第二号及び第九号に掲げる業務(同号に掲げる業務にあっては、別表第一第八号から第十三号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は別表第二第二号に掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務

  ハ 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第十四号の中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務及び同項第二号の規定による別表第二第三号から第九号までに掲げる業務(同号に掲げる業務にあっては、別表第一第十四号の下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は別表第二第三号から第八号までに掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務

  ニ 危機対応円滑化業務

 二 前号イからニまでに掲げる業務ごとの社債の発行(外国を発行地とする社債を失った者からの請求によりその者に交付するためにする社債の発行を除く。)の限度額

 三 第一号イからハまでに掲げる業務ごとの第五十三条第一号の規定による受益権の譲渡及び同条第二号の規定による貸付債権等の譲渡により調達する資金の限度額

 四 次のイからホまでに掲げる業務ごとのそれぞれイからホまでに定める金額

  イ 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第十五号の中欄に掲げる者に対して行う貸付け 貸付金の限度額

  ロ 第十一条第一項第二号の規定による別表第二第一号、第二号及び第五号に掲げる業務として行う取引 これらの号に掲げる業務ごとの当該取引において公庫が支払うことを約する金銭の額の限度額

  ハ 第十一条第一項第二号の規定による別表第二第四号及び第六号に掲げる業務として行う保証 保証金額の限度額

  ニ 第十一条第一項第三号の規定による保険 保険価額の限度額

  ホ 第十一条第二項第二号の規定による指定金融機関に対する補てん 補てんの額の限度額

 五 前各号に掲げるもののほか、予算の執行に関し必要な事項

3 第一項の収入支出予算における収入は、貸付金の利子、公社債等の利子、出資に対する配当金、債務保証料その他資産の運用に係る収入、収入保険料、回収金(第十一条第一項第三号に掲げる業務に係るものに限る。)及び附属雑収入とし、支出は、借入金の利子、社債の利子、支払保険金、補てんに係る支払金、利子補給金、事務取扱費、業務委託費及び附属諸費とする。

4 第一項の収入支出予算は、第二項第一号イからハまで及び第四十一条第五号から第七号までに掲げる業務ごとに区分する。

5 前各項に規定するものを除くほか、公庫の予算の形式及び内容は、財務大臣が主務大臣と協議して定める。

 (予備費)

第三十二条 公庫は、予見し難い予算の不足に充てるため、公庫の予算に予備費を計上することができる。

 (予算の議決)

第三十三条 公庫の予算の国会の議決に関しては、国の予算の議決の例による。

 (予算の通知)

第三十四条 内閣は、公庫の予算が国会の議決を経たときは、国会の議決したところに従い、主務大臣を経由して、直ちにその旨を公庫に通知するものとする。

2 公庫は、前項の規定による通知を受けた後でなければ、予算を執行することができない。

3 財務大臣は、第一項の規定による通知があったときは、その旨を会計検査院に通知しなければならない。

 (補正予算)

第三十五条 公庫は、予算の作成後に生じた事由に基づき予算に変更を加える必要がある場合には、補正予算を作成し、これに補正予算の作成により変更した第二十九条第二項第一号、第三号及び第四号に掲げる書類(前年度の予定損益計算書及び予定貸借対照表を除く。)を添え、主務大臣を経由して財務大臣に提出することができる。ただし、予算の追加に係る補正予算は、予算の作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった場合に限り、作成することができる。

2 第二十九条第四項、第三十条、第三十一条、第三十三条及び前条の規定は、前項の規定による補正予算について準用する。

 (暫定予算)

第三十六条 公庫は、必要に応じて、一事業年度のうちの一定期間に係る暫定予算を作成し、これに当該期間の事業計画及び資金計画その他当該暫定予算の参考となる事項に関する書類を添え、主務大臣を経由して財務大臣に提出することができる。

2 第二十九条第四項、第三十条、第三十一条、第三十三条及び第三十四条の規定は、前項の規定による暫定予算について準用する。

3 暫定予算は、当該事業年度の予算が成立したときは失効するものとし、暫定予算に基づく支出があるときは、これを当該事業年度の予算に基づいてしたものとみなす。

 (予算の目的外使用の禁止)

第三十七条 公庫は、支出予算については、当該予算に定める目的のほかに使用してはならない。

 (流用)

第三十八条 公庫は、予算で指定する経費の金額については、財務大臣の承認を受けなければ、流用することができない。

2 公庫は、前項の規定により流用の承認を受けようとするときは、主務大臣を経由してしなければならない。

3 財務大臣は、第一項の承認をしたときは、直ちにその旨を会計検査院に通知しなければならない。

 (予備費の使用)

第三十九条 公庫は、予備費を使用するときは、直ちにその旨を主務大臣を経由して財務大臣に通知しなければならない。

2 財務大臣は、前項の規定による通知を受けたときは、直ちにその旨を会計検査院に通知しなければならない。

 (財務諸表の提出)

第四十条 公庫は、毎事業年度、財産目録を作成しなければならない。

2 公庫は、毎事業年度終了後三月以内に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書、財産目録(以下「貸借対照表等」という。)及び事業報告書(これらの書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして財務大臣が定めるものをいう。第四十四条第一項において同じ。)を含む。)を主務大臣を経由して財務大臣に提出しなければならない。

 (区分経理)

第四十一条 公庫は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。

 一 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第一号から第七号までの中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務並びに同項第二号の規定による別表第二第一号及び第九号に掲げる業務(同号に掲げる業務にあっては、別表第一第一号から第七号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は別表第二第一号に掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務

 二 第十一条第一項第一号の規定による 別表第一第八号から第十三号までの中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務並びに同項第二号の規定による別表第二第二号及び第九号に掲げる業務(同号に掲げる業務にあっては、別表第一第八号から第十三号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は別表第二第二号に掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務

 三 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第十四号の中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務、同項第二号の規定による別表第二第四号、第六号及び第九号に掲げる業務(同号に掲げる業務にあっては、別表第一第十四号の下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は別表第二第四号若しくは第六号に掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務

 四 第十一条第一項第二号の規定による別表第二第三号、第五号及び第七号から第九号までに掲げる業務(同号に掲げる業務にあっては、同表第三号、第五号、第七号及び第八号に掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務

 五 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第十五号の中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務及び同項第三号に掲げる業務並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務(以下「信用保険等業務」という。)

 六 第十一条第一項第四号に掲げる業務及び同項第五号の規定による当該業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務

 七 危機対応円滑化業務

 (区分経理に係る会社法の準用等)

第四十二条 会社法第二百九十五条、第三百三十七条、第三百七十四条、第三百九十六条、第四百三十一条から第四百四十三条まで、第四百四十六条及び第四百四十七条の規定は、前条の規定により公庫が区分して行う経理について準用する。この場合において、同法第二百九十五条第二項中「この法律」とあるのは「この法律又は株式会社日本政策金融公庫法」と、同法第四百四十六条中「株式会社の剰余金の額」とあるのは「株式会社日本政策金融公庫法第四十一条の規定により設けられた勘定に属する剰余金の額」と、「の合計額から第五号から第七号までに掲げる額の合計額」とあるのは「であって当該剰余金の属する勘定に計上されるものの合計額から第五号から第七号までに掲げる額であって当該剰余金の属する勘定に計上されるものの合計額(同条第一号に掲げる業務に係る勘定に属する剰余金にあっては、第五号から第七号までに掲げる額であって当該剰余金の属する勘定に計上されるものの合計額及び最終事業年度の末日における同法第四十二条第四項に規定する勘定に属する経営改善資金特別準備金の額を合計して得た額)」と、同法第四百四十七条第一項及び第二項中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策金融公庫法第四十一条の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、同条第一項第二号中「を準備金」とあるのは「を同条の規定により設けられた勘定に属する準備金」と、「及び準備金」とあるのは「及び当該準備金」と、同条第三項中「に資本金」とあるのは「に株式会社日本政策金融公庫法第四十一条の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、「の資本金」とあるのは「の同条の規定により設けられた勘定に属する資本金」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2 会社法第四百四十八条、第四百四十九条並びに第八百二十八条第一項(第五号に係る部分に限る。)及び第二項(第五号に係る部分に限る。)の規定は、第四十七条第一項の規定による準備金の積立て及び同条第二項の規定による準備金の取崩しを行う場合を除き、前条の規定により公庫が区分して行う経理について準用する。この場合において、同法第四百四十八条第一項及び第二項中「準備金」とあるのは「株式会社日本政策金融公庫法第四十一条の規定により設けられた勘定に属する準備金」と、同条第一項第二号中「を資本金」とあるのは「を同条の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、「及び資本金」とあるのは「及び当該資本金」と、同条第三項中「に準備金」とあるのは「に株式会社日本政策金融公庫法第四十一条の規定により設けられた勘定に属する準備金」と、「の準備金」とあるのは「の同条の規定により設けられた勘定に属する準備金」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

3 公庫が前条の規定により設けられた勘定に属する資本金の額を増加し、又は減少したときの公庫の資本金の額は当該増加し、又は減少した後の公庫のすべての勘定に属する資本金の額の合計額とし、公庫が同条の規定により設けられた勘定に属する準備金の額を増加し、又は減少したときの公庫の準備金の額は当該増加し、又は減少した後の公庫のすべての勘定に属する準備金の額の合計額とする。この場合において、会社法第四百四十七条から第四百四十九条まで並びに第八百二十八条第一項(第五号に係る部分に限る。)及び第二項(第五号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。

4 公庫が前条第一号に掲げる業務に係る勘定に属する経営改善資金特別準備金(附則第六条第一項の規定により同号に掲げる業務に係る勘定に設ける経営改善資金特別準備金をいう。次条第一項、第二項及び第五項並びに第四十七条第六項において同じ。)の額を増加し、又は減少したときの公庫の経営改善資金特別準備金(附則第六条第二項に規定する公庫の経営改善資金特別準備金をいう。)の額は、当該増加し、又は減少した後の当該勘定に属する経営改善資金特別準備金の額とする。

5 公庫についての会社法第四百四十六条の規定の適用については、同条中「第五号から第七号までに掲げる額の合計額」とあるのは、「第五号から第七号までに掲げる額の合計額及び最終事業年度の末日における株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)第四十二条第四項に規定する公庫の経営改善資金特別準備金の額を合計して得た額」とする。

 (経営改善資金特別準備金の額の減少)

第四十三条 公庫は、第四十一条第一号に掲げる業務に係る勘定に属する準備金(経営改善資金特別準備金を除く。)の額が零となったときは、経営改善資金特別準備金の額を減少することができる。この場合においては、定時株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。

 一 減少する経営改善資金特別準備金の額

 二 経営改善資金特別準備金の額の減少がその効力を生ずる日

2 前項第一号の額は、同項第二号の日における経営改善資金特別準備金の額を超えてはならない。

3 第一項の定時株主総会の決議は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

4 主務大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、経済産業大臣の同意を得なければならない。

5 会社法第四百四十九条(第六項第一号を除く。)の規定は、第一項の規定により行う経営改善資金特別準備金の額の減少について準用する。この場合において、同条第一項中「資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)」とあるのは「経営改善資金特別準備金(株式会社日本政策金融公庫法第四十二条第四項に規定する勘定に属する経営改善資金特別準備金をいう。以下この条において同じ。)」と、「減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)」とあるのは「減少する場合」と、「資本金等」とあるのは「経営改善資金特別準備金」と、「準備金の額のみ」とあるのは「同法第四十三条第一項の規定により経営改善資金特別準備金の額」と、「前条第一項各号」とあるのは「株式会社日本政策金融公庫法第四十三条第一項各号」と、「前条第一項第一号」とあるのは「株式会社日本政策金融公庫法第四十三条第一項第一号」と、「法務省令」とあるのは「主務省令」と、同条第二項、第四項及び第五項中「当該資本金等」とあるのは「株式会社日本政策金融公庫法第四十三条第一項の規定による経営改善資金特別準備金」と、同条第六項中「準備金」とあるのは「株式会社日本政策金融公庫法第四十三条第一項の規定による経営改善資金特別準備金」と、「前条第一項第三号の日」とあるのは「同項第二号の日」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 (決算報告書の作成及び提出)

第四十四条 公庫は、第四十条第二項の規定による貸借対照表等の提出をした後、予算の区分に従い、毎事業年度の決算報告書(当該決算報告書に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。以下この条から第四十六条までにおいて同じ。)を作成し、当該決算報告書に関する監査役又は監査委員会の意見を付し、当該提出をした貸借対照表等を添え、遅滞なく主務大臣を経由して財務大臣に提出しなければならない。

2 財務大臣は、前項の規定により決算報告書の提出を受けたときは、これに同項の貸借対照表等を添え、内閣に送付しなければならない。

3 公庫は、第一項の規定による提出を行ったときは、遅滞なく、決算報告書及び監査役又は監査委員会の意見を記載した書面を、本店及び支店に備えて置き、財務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。

4 決算報告書の形式及び内容については、財務大臣が定める。

 (決算報告書の会計検査院への送付)

第四十五条 内閣は、前条第二項の規定により公庫の決算報告書の送付を受けたときは、同条第一項の貸借対照表等を添え、翌年度の十一月三十日までに、会計検査院に送付しなければならない。

 (決算報告書の国会への提出)

第四十六条 内閣は、会計検査院の検査を経た公庫の決算報告書に第四十四条第一項の貸借対照表等を添え、国の歳入歳出決算とともに国会に提出しなければならない。

 (国庫納付金)

第四十七条 公庫は、第四十一条各号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定において、毎事業年度の決算において計上した剰余金の額が零を上回るときは、当該剰余金のうち政令で定める基準により計算した額を準備金として政令で定める額となるまで積み立て、なお残余があるときは、その残余の額を当該事業年度終了後三月以内に国庫に納付しなければならない。

2 公庫は、前項のそれぞれの勘定において、毎事業年度の決算において計上した剰余金の額が零を下回るときは、同項の準備金を当該剰余金の額が零となるまで取り崩して整理しなければならない。

3 信用保険等業務に係る勘定に属する剰余金の額が零を下回る場合において第四条第三項及び附則第五条第一項の規定により整理した当該勘定に属する資本金又は準備金の額を減少することにより公庫が行う当該剰余金の処理の方法は、政令で定める。

4 第一項の規定による納付金の納付の手続及びその帰属する会計その他国庫納付金に関し必要な事項は、政令で定める。

5 第一項の準備金は、第四十一条各号に掲げる業務に係る勘定ごとに整理しなければならない。

6 公庫は、第四十三条第一項の規定により経営改善資金特別準備金の額を減少した日の属する事業年度以後の各事業年度において、第四十一条第一号に掲げる業務に係る勘定に属する利益の額として主務省令で定める方法により算定される額が生じた場合には、その額に相当する額をもって、経営改善資金特別準備金の額を附則第六条第一項の規定により経営改善資金特別準備金に充てることとした額に達するまで増加しなければならない。

7 公庫は、第一項、第二項及び前項の規定による場合を除き、その剰余金の配当その他の剰余金の処分及び第四十一条各号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定に属する剰余金の配当その他の剰余金の処分を行ってはならない。

 (政府の貸付け)

第四十八条 政府は、公庫に対して資金の貸付けをすることができる。

2 政府は、前項の規定による資金の貸付けのうち、公庫が国内金融業務及び危機対応円滑化業務を行うために必要な資金の財源に充てるものを行う場合にあっては、利息を免除し、又は通常の条件より公庫に有利な条件を付することができる。

 (国内金融業務等の借入金及び社債)

第四十九条 公庫が国内金融業務(信用保険等業務を除く。第五項において同じ。)及び危機対応円滑化業務を行うために必要な資金の財源に充てるために行う資金の借入れは、特定短期借入金の借入れ又は前条第一項の規定による資金の貸付けに係る借入れに限るものとする。

2 前項に規定する「特定短期借入金」とは、公庫が第三十一条第二項第一号イからニまでに掲げる業務を行うために必要な資金の財源に充てるため、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額の範囲内で銀行その他の主務省令で定める金融機関から行う短期借入金をいう。

 一 第三十一条第二項第一号の規定により定められた同号イからニまでに掲げる業務ごとの政府からの借入金の限度額及び同項第二号の規定により定められた同項第一号イからニまでに掲げる業務ごとの社債の発行の限度額の合計額に相当する金額

 二 第三十一条第二項第一号イからニまでに掲げる業務を行うために必要な資金の財源に充てるために既に借り入れている借入金の借入れの額及び既に発行している社債の額の合計額に相当する金額

3 公庫が信用保険等業務を行うために必要な資金の財源に充てるために行う資金の借入れは、信用保険等業務に係る勘定に属する資本金及び準備金の額の合計額の範囲内で銀行その他の主務省令で定める金融機関から行う短期借入金の借入れに限るものとする。

4 公庫は、信用保険等業務を行うために必要な資金の財源に充てるため、社債を発行してはならない。

5 公庫は、国内金融業務及び危機対応円滑化業務を行うために必要な資金の財源に充てるため、第一項に規定する政府の資金の貸付けに係る借入れを行おうとし、又は社債を発行しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。

 (国際協力銀行業務の借入金及び社債)

第五十条 公庫が第四十一条第六号に掲げる業務を行うために必要な資金の財源に充てるために行う資金の借入れは、銀行その他の金融機関から行う短期借入金の借入れ又は第四十八条第一項の規定による政府の資金の貸付けに係る借入れに限るものとする。

2 公庫は、毎事業年度、政令で定めるところにより、第四十一条第六号に掲げる業務を行うために必要な資金の財源に充てるために行う社債の発行に係る基本方針を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

3 公庫は、前項に規定する社債を発行したときは、政令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

4 第一項に規定する短期借入金及び政府の資金の貸付けに係る借入金の現在額並びに第二項に規定する社債の元本に係る債務の現在額の合計額は、第四十一条第六号に掲げる業務に係る勘定に属する資本金及び準備金の額の合計額の十倍に相当する額(次項及び第六項において「限度額」という。)を超えることとなってはならない。

5 前項の規定にかかわらず、第二項に規定する社債について、その発行済みのものの借換えのため必要があるときは、当該借換えを行うために必要な期間内に限り、限度額を超えて社債を発行することができる。

6 第十一条第一項第四号の規定による資金の貸付けの現在額、譲受けに係る債権及び公社債等の取得の現在額、債務の保証等に係る債務の現在額並びに出資の現在額の合計額は、第四十一条第六号に掲げる業務に係る勘定に属する資本金及び準備金の額の合計額並びに限度額の合計額を超えることとなってはならない。

 (借入れ又は社債の発行に係る資金の整理、借換え及び社債券の喪失)

第五十一条 公庫が前二条の規定により資金の借入れ又は社債の発行をして調達した資金は、第四十一条に定める経理の区分に従い、同条各号に掲げる業務に係る勘定ごとに整理しなければならない。

2 第四十九条第二項に規定する特定短期借入金並びに同条第三項及び前条第一項に規定する短期借入金については、これらの借入れをした事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、主務大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。

3 前項ただし書の規定により借り換えた借入金は、一年以内に償還しなければならない。

4 第四十九条第五項及び前条第三項の規定は、公庫が、社債券を失った者に交付するために政令で定めるところにより社債券を発行し、当該社債券の発行により新たに債務を負担することとなる場合には、適用しない。

 (一般担保)

第五十二条 公庫の社債権者は、公庫の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

2 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

 (資金の調達のための貸付債権及び社債の信託及び譲渡)

第五十三条 公庫は、第十一条第一項第一号に掲げる業務及び同項第二号に掲げる業務並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務を行うために必要な資金の財源に充てるため、次に掲げる行為をする場合には、主務大臣の認可を受けなければならない。

 一 貸付債権及び社債(第十一条第一項第二号の規定による別表第二第三号に掲げる業務として譲り受けた特定中小企業貸付債権(同表の注(8)に規定する特定中小企業貸付債権をいう。第六十三条第六項各号において同じ。)及び取得した特定中小企業社債(同表の注(9)に規定する特定中小企業社債をいう。第六十三条第五項において同じ。)を含む。次号及び次条第一項において「貸付債権等」という。)の一部について特定信託(同表の注(12)に規定する特定信託をいう。第六十三条第六項第一号において同じ。)をし、当該特定信託の受益権の全部又は一部を譲渡すること。

 二 貸付債権等の一部を特定目的会社等(別表第二の注(10)に規定する特定目的会社等をいう。)に譲渡すること。

 三 前二号に掲げる行為に附帯する行為をすること。

 (信託の受託者等からの業務の受託)

第五十四条 公庫は、前条の規定による認可を受けて貸付債権等について信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第一号に掲げる方法による信託(信託会社等(別表第二の注(11)に規定する信託会社等をいう。)との間で同号に規定する信託契約を締結する方法によるものに限る。)をし、又は譲渡するときは、当該信託の受託者又は当該貸付債権等の譲受人から当該貸付債権等に係る元利金の回収その他回収に関する業務の全部を受託しなければならない。

2 公庫は、次に掲げる者に対し、前項の規定により受託した業務の一部を委託することができる。

 一 受託法人

 二 沖縄振興開発金融公庫

3 第十四条第二項及び第三項の規定は、公庫が前項の規定により受託した業務の一部を同項第一号に掲げる者に委託する場合について準用する。

 (政府保証)

第五十五条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、予算をもって定める金額の範囲内において、公庫の社債に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号。以下「外資受入法」という。)第二条第二項の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について、保証契約をすることができる。

2 前項の予算をもって定める金額のうち、外国を発行地とする本邦通貨をもって表示する社債に係る債務についての金額は、外資受入法第二条第二項に規定する予算をもって定める金額と区別して定めることが困難であるときは、当該金額と合算して定めることができる。

3 政府は、第一項の規定によるほか、公庫が社債券又はその利札を失った者に交付するために政令で定めるところにより発行する社債券又は利札に係る債務について、保証契約をすることができる。

 (余裕金の運用)

第五十六条 公庫は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。

 一 国債、地方債、政府保証債(その元本の償還及び利息の支払について政府が保証する債券をいう。)その他主務大臣の指定する有価証券の取得

 二 財政融資資金への預託

 三 銀行その他主務大臣の指定する金融機関への預金

 四 譲渡性預金証書の保有

 五 信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)への金銭信託

 六 コール資金の貸付け

 七 前各号の方法に準ずるものとして主務省令で定める方法

 (主務省令への委任)

第五十七条 この法律及びこの法律に基づく政令に規定するもののほか、公庫の財務及び会計に関し必要な事項は、主務省令で定める。

   第五章 雑則

 (監督)

第五十八条 公庫は、主務大臣がこの法律又は中小企業信用保険法の定めるところに従い監督する。

2 主務大臣は、公庫の運営又は管理について、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときその他この法律又は中小企業信用保険法を施行するため必要があると認めるときは、公庫に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (報告及び検査)

第五十九条 主務大臣は、この法律又は中小企業信用保険法を施行するため必要があると認めるときは、公庫若しくは受託法人(第十四条第四項又は第五十四条第二項の規定により委託を受けた法人を含む。以下この項及び第七十一条において同じ。)に対して報告をさせ、又はその職員に、公庫若しくは受託法人の事務所その他の施設に立ち入り、帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。ただし、受託法人に対しては、その委託を受けた業務の範囲内に限る。

2 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定金融機関に対し、危機対応業務に関し報告をさせ、又はその職員に、指定金融機関の営業所若しくは事務所に立ち入り、帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。

3 前二項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (権限の委任)

第六十条 主務大臣は、政令で定めるところにより、前条第一項又は第二項の規定による立入検査の権限の一部を内閣総理大臣に委任することができる。

2 内閣総理大臣は、前項の規定による委任に基づき、前条第一項又は第二項の規定により立入検査をしたときは、速やかに、その結果について主務大臣に報告するものとする。

3 内閣総理大臣は、第一項の規定により委任された権限及び前項の規定による権限を金融庁長官に委任する。

4 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の全部又は一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。

5 この法律に規定する主務大臣の権限(第一項の規定により内閣総理大臣に委任されたものを除く。)は、政令で定めるところにより、その一部を地方支分部局の長に委任することができる。

 (定款)

第六十一条 公庫の定款には、会社法第二十七条各号に掲げる事項のほか、代表取締役又は代表執行役のうち経営責任を担うべき者の選任の手続及び要件に関する事項を記載し、又は記録しなければならない。

2 前項の経営責任を担うべき者の選任の要件に関する事項については、次に掲げる要件を満たすものでなければならない旨を定めなければならない。

 一 第一条に規定する目的及び第十一条に規定する業務に照らし必要と認められる識見及び能力を有する者が選任されること。

 二 特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないよう十分に配慮すること。

3 公庫の定款の変更の決議は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (合併、会社分割、株式交換、事業の譲渡及び譲受け並びに解散)

第六十二条 公庫を当事者とする合併、会社分割、株式交換、事業の全部又は一部の譲渡及び譲受け並びに公庫の解散については、会社法第二編第七章及び第八章並びに第五編第二章、第三章及び第四章第一節の規定にかかわらず、別に法律で定める。

 (金融商品取引法等の適用除外等)

第六十三条 公庫が、第十一条第一項若しくは第二項又は第五十三条の規定により、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第八項各号に掲げる行為を行う場合には、同法第二十九条の規定は、適用しない。

2 前項に規定する場合においては、公庫を金融商品取引法第二条第九項に規定する金融商品取引業者とみなして、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める規定を適用する。

 一 第四十一条第六号に掲げる業務を行う場合 金融商品取引法第三章第一節第五款及び第二節(第三十五条、第三十五条の二、第三十六条の二から第三十六条の四まで、第三十七条第一項第二号及び第三十七条の三第一項第二号を除く。)の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)

 二 第十一条第一項に規定する業務及び第五十三条各号に掲げる行為を行う場合(前号に掲げる場合に該当するものを除く。) 金融商品取引法第三章第一節第五款並びに第二節第一款(第三十五条、第三十五条の二、第三十六条の二から第三十六条の四まで、第三十七条第一項第二号、第三十七条の三第一項第二号及び第三十八条の二を除く。)、第五款及び第六款の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)

3 公庫が、第十一条第一項の規定により、金融商品取引法第六十三条第一項各号に掲げる行為を行う場合には、同条第二項の規定は、適用しない。

4 前項に規定する場合においては、公庫を金融商品取引法第二条第九項に規定する金融商品取引業者とみなして、同法第三十八条(第一号に係る部分に限る。)及び第三十九条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。

5 公庫が別表第二第三号に掲げる業務(中小企業特定金融機関等(同表の注(7)に規定する中小企業特定金融機関等をいう。)からの特定中小企業社債の取得を行う業務に限る。)を行う場合における金融商品取引法の適用については、当該中小企業特定金融機関等が行う行為は、同法第二条第八項第九号に規定する有価証券の私募の取扱いに該当するものとみなす。

6 次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定める規定は、適用しない。

 一 公庫が貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第二項に規定する貸金業者(以下「貸金業者」という。)から主務省令で定めるところにより特定中小企業貸付債権を譲り受け、当該特定中小企業貸付債権について特定信託(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第五項に規定する外国信託業者のうち、同条第六項に規定する外国信託会社以外の者への信託を除く。)をする場合 貸金業法第二十四条の規定

 二 公庫が主務省令で定めるところにより特定中小企業貸付債権(貸金業者が行う貸付けに係るものに限る。)に係る債務の一部の保証を行う場合 貸金業法第十六条の二第一項、第十七条第三項から第五項まで、第二十四条の二並びに第二十四条の六の十第二項(貸金業者から貸金業の業務の委託を受けた者に係る部分を除く。)及び第四項(貸金業者から貸金業の業務の委託を受けた者に係る部分を除く。)の規定

 (主務大臣)

第六十四条 この法律における主務大臣は、次の各号に掲げる事項の区分に応じ、当該各号に定める大臣とする。

 一 役員及び職員その他管理業務に関する事項 財務大臣、農林水産大臣及び経済産業大臣

 二 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第一号及び第二号の中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務並びに同項第二号の規定による別表第二第一号及び第九号に掲げる業務(同表第一号に掲げる業務にあっては別表第一第一号及び第二号の中欄に掲げる者に係る業務、別表第二第九号に掲げる業務にあっては別表第一第一号及び第二号の下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は同表第一号及び第二号の中欄に掲げる者に係る別表第二第一号に掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務並びにこれらの業務に係る財務及び会計に関する事項 財務大臣

 三 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第三号から第七号までの中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務並びに同項第二号の規定による別表第二第一号及び第九号に掲げる業務(同表第一号に掲げる業務にあっては別表第一第三号から第七号までの中欄に掲げる者に係る業務、別表第二第九号に掲げる業務にあっては別表第一第三号から第七号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は同表第三号から第七号までの中欄に掲げる者に係る別表第二第一号に掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務並びにこれらの業務に係る財務及び会計に関する事項 財務大臣及び厚生労働大臣

 四 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第八号から第十三号までの中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務並びに同項第二号の規定による別表第二第二号及び第九号に掲げる業務(同号に掲げる業務にあっては、別表第一第八号から第十三号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は別表第二第二号に掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務並びにこれらの業務に係る財務及び会計に関する事項 農林水産大臣及び財務大臣

 五 第十一条第一項第一号の規定による別表第一第十四号及び第十五号の中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務、同項第二号の規定による別表第二第三号から第九号までに掲げる業務(同号に掲げる業務にあっては、別表第一第十四号の下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は別表第二第三号から第八号までに掲げる業務と密接な関連を有するものに限る。)並びに同項第三号に掲げる業務並びに同項第五号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務並びにこれらの業務に係る財務及び会計に関する事項 経済産業大臣及び財務大臣

 六 第十一条第一項第四号に掲げる業務及び同項第五号の規定による当該業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第六号の規定によるこれらの業務に附帯する業務並びにこれらの業務に係る財務及び会計に関する事項 財務大臣

 七 危機対応円滑化業務並びに当該業務に係る財務及び会計に関する事項 財務大臣、農林水産大臣及び経済産業大臣

2 この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。

 (協議)

第六十五条 主務大臣は、次の場合には、あらかじめ、厚生労働大臣に協議しなければならない。

 一 第六条の規定による認可をしようとするとき。

 二 第八条ただし書の規定による承認をしようとするとき。

 三 第六十一条第三項の規定による認可をしようとするとき。

 (内閣総理大臣等への通知)

第六十六条 主務大臣は、次に掲げる処分をしたときは、速やかに、その旨を内閣総理大臣その他の政令で定める大臣に通知するものとする。

 一 第十一条第二項の規定による指定(第十八条第一項の指定の更新を含む。)

 二 第十九条第一項及び第二項並びに第二十条第一項の認可

 三 第二十条第二項、第二十四条及び第二十六条第一項の規定による命令

 四 第二十六条第一項の規定による指定の取消し

2 主務大臣は、第二十五条第一項の規定による届出を受理したときは、速やかに、その旨を内閣総理大臣その他の政令で定める大臣に通知するものとする。

   第六章 罰則

 (罰則)

第六十七条 第二十六条第一項の規定による危機対応業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第六十八条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第二十三条の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。

 二 第二十四条の規定による命令に違反したとき。

 三 第五十九条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

第六十九条 第九条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第七十条 第二十五条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

第七十一条 第五十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした公庫の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役若しくは職員又は受託法人の役員若しくは職員は、三十万円以下の罰金に処する。

第七十二条 法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。

 一 第六十七条 三億円以下の罰金刑

 二 第六十八条第一号又は第三号 二億円以下の罰金刑

 三 第六十八条第二号又は第七十条 各本条の罰金刑

第七十三条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした公庫の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。

 一 この法律の規定により主務大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。

 二 この法律の規定により主務大臣に届出をしなければならない場合において、その届出をしなかったとき。

 三 第十一条に規定する業務以外の業務を行ったとき。

 四 第四十九条第四項の規定に違反して社債を発行したとき。

 五 第五十条第四項の規定に違反して資金の借入れ若しくは社債の発行をし、又は同条第六項の規定に違反して資金の貸付け、貸付債権の譲受け、公社債等の取得、債務の保証等若しくは出資をしたとき。

 六 第五十六条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。

 七 第五十八条第二項の規定による主務大臣の命令に違反したとき。

第七十四条 第五条第一項又は第三項の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第六十三条第一項から第五項までの規定 証券取引法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第六十五号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日

 二 第六十三条第六項の規定 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律(平成十八年法律第百十五号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日

 三 附則第四十五条の規定 株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)の公布の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日

 四 附則第四十六条の規定 株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日

 五 第五条第三項及び附則第四十二条から第四十四条までの規定 平成二十年十月一日

 (調整規定)

第二条 信託法の施行の日がこの法律の施行の日後となる場合には、信託法の施行の日の前日までの間における第五十四条第一項及び別表第二の注(12)の規定の適用については、同項中「について信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第一号に掲げる方法による信託(信託会社等(別表第二の注(11)に規定する信託会社等をいう。)との間で同号に規定する信託契約を締結する方法によるものに限る。)をし」とあるのは「を信託会社等(別表第二の注(11)に規定する信託会社等をいう。)に信託し」と、同表の注(12)中「信託法第三条第一号に掲げる方法による信託(信託会社等との間で同号に規定する信託契約を締結する方法によるものに限る。)、同条第三号に掲げる方法による」とあるのは「信託会社等への」とする。

 (設立委員)

第三条 主務大臣は、設立委員を命じ、公庫の設立に関して発起人の職務を行わせる。

2 主務大臣は、前項の規定により設立委員を命じようとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣に協議しなければならない。

 (定款)

第四条 設立委員は、定款を作成して、主務大臣の認可を受けなければならない。

2 主務大臣は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣に協議しなければならない。

 (公庫の設立に際して発行する株式)

第五条 公庫の設立に際して発行する株式に関する次に掲げる事項及び公庫が発行することができる株式の総数は、定款で定めなければならない。この場合において、第三号に掲げる事項は、第四十一条に定める経理の区分に従い、同条各号に掲げる業務に係る勘定ごとに整理しなければならない。

 一 株式の数(公庫を種類株式発行会社として設立しようとする場合にあっては、その種類及び種類ごとの数)

 二 株式の払込金額(株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。)

 三 資本金並びに資本準備金及び次条第二項に規定する公庫の経営改善資金特別準備金の額に関する事項

2 公庫の設立に際して発行する株式については、会社法第四百四十五条第二項の規定にかかわらず、その発行に際して附則第八条の規定により国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び国際協力銀行(以下「国民生活金融公庫等」という。)が出資した財産の額の二分の一を超える額を資本金として計上しないことができる。この場合において、同法第四百四十五条第一項中「この法律」とあるのは、「この法律又は株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)」とする。

 (経営改善資金特別準備金)

第六条 公庫は、その設立に際し、別表第一第一号の下欄に掲げる資金のうち小規模事業者の経営の改善発達を支援するための資金として政令で定めるものの第十一条第一項第一号の規定による貸付けに係る業務の円滑な運営を確保するため、第四十一条第一号に掲げる業務に係る勘定に経営改善資金特別準備金を設け、これに当該勘定に属する資本準備金のうち政令で定める金額を充てるものとする。

2 前項の規定により第四十一条第一号に掲げる業務に係る勘定に設けられる経営改善資金特別準備金は、公庫の経営改善資金特別準備金とする。

 (株式の引受け)

第七条 公庫の設立に際して発行する株式の総数は、国民生活金融公庫等が引き受けるものとし、設立委員は、これを国民生活金融公庫等に割り当てるものとする。

2 前項の規定により割り当てられた株式による公庫の設立に関する株式引受人としての権利は、政府が行使する。

 (出資)

第八条 国民生活金融公庫等は、公庫の設立に際し、公庫に対し、国民生活金融公庫等の解散の日の前日において現に政府から国民生活金融公庫等に出資されている出資額(国民生活金融公庫にあっては当該額に附則第十四条の規定により政府から出資があったものとされた金額を加えた額とし、国際協力銀行にあっては独立行政法人国際協力機構法の一部を改正する法律(平成十八年法律第百号)による改正前の国際協力銀行法(平成十一年法律第三十五号。以下「改正前国際協力銀行法」という。)第二十三条第一項に規定する国際金融等業務に係る出資額とする。)に相当する財産(附則第十五条第二項、第十六条第二項、第十七条第二項及び第十八条第二項の規定により国が承継する資産を除く。)を、それぞれ出資するものとする。

 (創立総会)

第九条 公庫の設立に係る会社法第六十五条第一項の規定の適用については、同項中「第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後」とあるのは、「株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)附則第七条第一項の規定による株式の割当後」とする。

 (公庫の成立)

第十条 附則第八条の規定により国民生活金融公庫等が行う出資に係る給付は、附則第四十二条の規定の施行の時に行われるものとし、公庫は、会社法第四十九条の規定にかかわらず、その時に成立する。

 (設立の登記)

第十一条 公庫は、会社法第九百十一条第一項の規定にかかわらず、公庫の成立後遅滞なく、その設立の登記をしなければならない。

 (政府への無償譲渡)

第十二条 国民生活金融公庫等が出資によって取得する公庫の株式は、公庫の成立の時に、政府に無償譲渡されるものとする。

2 前項の規定により政府に無償譲渡される公庫の株式は、政令で定めるところにより、一般会計又は財政投融資特別会計に帰属するものとする。

 (会社法の適用除外)

第十三条 会社法第三十条及び第二編第一章第三節の規定は、公庫の設立については、適用しない。

 (国民生活金融公庫の解散等)

第十四条 附則第四十二条の規定による廃止前の国民生活金融公庫法(昭和二十四年法律第四十九号。以下「旧国民生活金融公庫法」という。)第二十二条の二第二項及び第三項の規定による政府の無利子貸付金のうち政令で定める金額は、附則第一条第五号に掲げる規定の施行の時において返済されたものとし、その返済されたものとされた政府の無利子貸付金の額に相当する金額が、その時において、政府の一般会計から国民生活金融公庫に対し出資されたものとする。

第十五条 国民生活金融公庫は、公庫の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において公庫が承継する。

2 公庫の成立の際現に国民生活金融公庫が有する権利のうち、公庫が将来にわたり業務を円滑に遂行する上で必要がないと認められる資産は、公庫の成立の時において国が承継する。

3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。

4 国民生活金融公庫の平成二十年四月一日に始まる事業年度は、国民生活金融公庫の解散の日の前日に終わるものとする。

5 国民生活金融公庫の平成二十年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに損益計算書、貸借対照表及び財産目録の作成等については、旧国民生活金融公庫法第二十一条の規定による公庫の予算及び決算に関する法律(昭和二十六年法律第九十九号)第十八条第一項(監事の意見に係る部分に限る。)及び第十九条第一項(監事の意見に係る部分に限る。)に係る部分を除き、公庫が従前の例により行うものとする。この場合において、旧国民生活金融公庫法第二十一条の規定による公庫の予算及び決算に関する法律の規定の適用については、同法第十七条中「毎事業年度の決算を翌年度の五月三十一日」とあるのは「平成二十年四月一日に始まる事業年度の決算を平成二十年十一月三十日」と、同法第二十条中「翌年度の十一月三十日」とあるのは「平成二十一年十一月三十日」とする。

6 国民生活金融公庫の平成二十年四月一日に始まる事業年度に係る旧国民生活金融公庫法第二十二条の規定による損益計算上利益金が生じたときの国庫への納付については、公庫が従前の例により行うものとする。この場合において、同条第一項中「毎事業年度」とあるのは「平成二十年四月一日に始まる事業年度」と、「翌事業年度の五月三十一日」とあるのは「平成二十年十一月三十日」と、同条第二項中「同項に規定する日の属する会計年度の前年度」とあるのは「平成二十年度」とする。

7 第一項の規定により国民生活金融公庫が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。

 (農林漁業金融公庫の解散等)

第十六条 農林漁業金融公庫は、公庫の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において公庫が承継する。

2 公庫の成立の際現に農林漁業金融公庫が有する権利のうち、公庫が将来にわたり業務を円滑に遂行する上で必要がないと認められる資産は、公庫の成立の時において国が承継する。

3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。

4 農林漁業金融公庫の平成二十年四月一日に始まる事業年度は、農林漁業金融公庫の解散の日の前日に終わるものとする。

5 農林漁業金融公庫の平成二十年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに損益計算書、貸借対照表及び財産目録の作成等については、附則第四十二条の規定による廃止前の農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号。以下「旧農林漁業金融公庫法」という。)第二十二条の規定による公庫の予算及び決算に関する法律第十八条第一項(監事の意見に係る部分に限る。)及び第十九条第一項(監事の意見に係る部分に限る。)に係る部分を除き、公庫が従前の例により行うものとする。この場合において、旧農林漁業金融公庫法第二十二条の規定による公庫の予算及び決算に関する法律の規定の適用については、同法第十七条中「毎事業年度の決算を翌年度の五月三十一日」とあるのは「平成二十年四月一日に始まる事業年度の決算を平成二十年十一月三十日」と、同法第二十条中「翌年度の十一月三十日」とあるのは「平成二十一年十一月三十日」とする。

6 農林漁業金融公庫の平成二十年四月一日に始まる事業年度に係る旧農林漁業金融公庫法第二十三条の規定による損益計算上利益金が生じたときの国庫への納付については、公庫が従前の例により行うものとする。この場合において、同条第一項中「毎事業年度」とあるのは「平成二十年四月一日に始まる事業年度」と、「翌事業年度の五月三十一日」とあるのは「平成二十年十一月三十日」と、同条第二項中「同項に規定する日の属する会計年度の前年度」とあるのは「平成二十年度」とする。

7 第一項の規定により農林漁業金融公庫が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。

 (中小企業金融公庫の解散等)

第十七条 中小企業金融公庫は、公庫の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において公庫が承継する。

2 公庫の成立の際現に中小企業金融公庫が有する権利のうち、公庫が将来にわたり業務を円滑に遂行する上で必要がないと認められる資産は、公庫の成立の時において国が承継する。

3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。

4 中小企業金融公庫の平成二十年四月一日に始まる事業年度は、中小企業金融公庫の解散の日の前日に終わるものとする。

5 中小企業金融公庫の平成二十年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに損益計算書、貸借対照表及び財産目録の作成等については、附則第四十二条の規定による廃止前の中小企業金融公庫法(昭和二十八年法律第百三十八号。以下「旧中小企業金融公庫法」という。)第二十三条の規定による公庫の予算及び決算に関する法律第十八条第一項(監事の意見に係る部分に限る。)及び第十九条第一項(監事の意見に係る部分に限る。)に係る部分を除き、公庫が従前の例により行うものとする。この場合において、旧中小企業金融公庫法第二十三条の規定による公庫の予算及び決算に関する法律の規定の適用については、同法第十七条中「毎事業年度の決算を翌年度の五月三十一日」とあるのは「平成二十年四月一日に始まる事業年度の決算を平成二十年十一月三十日」と、同法第二十条中「翌年度の十一月三十日」とあるのは「平成二十一年十一月三十日」とする。

6 中小企業金融公庫の平成二十年四月一日に始まる事業年度に係る旧中小企業金融公庫法第二十四条、附則第十三項及び第十四項並びに株式会社日本政策金融公庫法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成十九年法律第五十八号)第三十六条の規定による改正前の破綻金融機関等の融資先である中堅事業者に係る信用保険の特例に関する臨時措置法(平成十年法律第百五十一号。以下「改正前中堅事業者信用保険特例法」という。)第十条の規定による利益及び損失の処理並びに国庫への納付については、公庫が従前の例により行うものとする。この場合において、旧中小企業金融公庫法第二十四条第一項及び第十項並びに改正前中堅事業者信用保険特例法第十条第六項中「毎事業年度」とあるのは「平成二十年四月一日に始まる事業年度」と、「翌事業年度の五月三十一日」とあるのは「平成二十年十一月三十日」と、旧中小企業金融公庫法第二十四条第五項中「翌事業年度の五月三十一日」とあるのは「平成二十年十一月三十日」と、同条第十一項中「当該各項に規定する日の属する会計年度の前年度」とあるのは「平成二十年度」と、旧中小企業金融公庫法附則第十三項及び第十四項中「毎事業年度」とあるのは「平成二十年四月一日に始まる事業年度」と、改正前中堅事業者信用保険特例法第十条第七項中「同項に規定する日の属する会計年度の前年度」とあるのは「平成二十年度」とする。

7 第一項の規定により中小企業金融公庫が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。

 (国際協力銀行の解散等)

第十八条 国際協力銀行は、公庫の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において公庫が承継する。

2 公庫の成立の際現に国際協力銀行が有する権利のうち、公庫が将来にわたり業務を円滑に遂行する上で必要がないと認められる資産は、公庫の成立の時において国が承継する。

3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。

4 国際協力銀行の平成二十年四月一日に始まる事業年度は、国際協力銀行の解散の日の前日に終わるものとする。

5 国際協力銀行の平成二十年四月一日に始まる事業年度に係る附則第四十二条の規定による廃止前の国際協力銀行法(以下「旧国際協力銀行法」という。)第四十四条の規定による利益及び損失の処理並びに国庫への納付については、公庫が従前の例により行うものとする。この場合において、同条第三項中「毎事業年度」とあるのは「平成二十年四月一日に始まる事業年度」と、「翌事業年度の五月三十一日」とあるのは「平成二十年十一月三十日」とする。

6 第一項の規定により国際協力銀行が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。

 (承継される財産の価額)

第十九条 公庫が国民生活金融公庫等から承継する資産及び負債(次項において「承継財産」という。)の価額は、評価委員が評価した価額とする。

2 評価委員は、前項の規定による評価をしようとするときは、公庫の成立の日現在における承継財産の時価を基準とするものとする。ただし、承継財産の種類、用途その他の事項を勘案して時価によることが適当でないと認めるときは、承継財産の時価によらないことができる。

3 前二項に規定するもののほか、評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。

 (承継される財産の帰属する勘定)

第二十条 公庫が国民生活金融公庫等から資産及び負債を承継した場合には、その承継の際、次の各号に掲げる資産及び負債は、それぞれ当該各号に定める勘定に属する資産及び負債として整理するものとする。

 一 国民生活金融公庫から公庫が承継した資産及び負債 第四十一条第一号に掲げる業務に係る勘定

 二 農林漁業金融公庫から公庫が承継した資産及び負債 第四十一条第二号に掲げる業務に係る勘定

 三 中小企業金融公庫から公庫が承継した資産及び負債のうち旧中小企業金融公庫法第二十三条の二第一号及び第三号に掲げる業務に係る資産及び負債 第四十一条第三号に掲げる業務に係る勘定

 四 中小企業金融公庫から公庫が承継した資産及び負債のうち旧中小企業金融公庫法第二十三条の二第二号に掲げる業務に係る資産及び負債 第四十一条第四号に掲げる業務に係る勘定

 五 中小企業金融公庫から公庫が承継した資産及び負債のうち旧中小企業金融公庫法第二十三条の二第四号に掲げる業務、旧中小企業金融公庫法附則第七項に規定する機械保険経過業務及び改正前中堅事業者信用保険特例法第七条に規定する破綻金融機関等関連特別保険等の業務に係る資産及び負債 信用保険等業務に係る勘定

 六 国際協力銀行から公庫が承継した資産及び負債 第四十一条第六号に掲げる業務に係る勘定

2 前項に規定する場合において、公庫が承継した資産及び負債のうち主務大臣が財務大臣と協議して定める資産及び負債については、同項の規定にかかわらず、第四十一条第七号に掲げる業務に係る勘定に属する資産及び負債として整理するものとする。

第二十一条 前条の規定により整理した場合において、第四十一条各号に掲げる業務に係る勘定ごとにそれぞれの勘定に属する資産の額から負債並びに資本金及び資本準備金の額の合計額(同条第一号に掲げる業務に係る勘定にあっては、当該合計額に附則第六条第一項に規定する経営改善資金特別準備金の額を加えた額)を減じて得た額は、当該それぞれの勘定に属する剰余金として整理するものとする。

2 前項の場合において、それぞれの勘定に属する剰余金の額が零を上回るときは、当該額は、当該勘定に属する利益準備金とする。

3 前二項の場合において、公庫の設立時の剰余金の額は、公庫のすべての勘定に属する剰余金の額の合計額とし、公庫の設立時の利益準備金の額は、公庫のすべての勘定に属する利益準備金の額の合計額とする。

 (根抵当権に関する経過措置)

第二十二条 国民生活金融公庫等がその解散の時に有する根抵当権(元本の確定前のものに限る。)は、当該解散の時に存する債権のほか、公庫がその成立の後に取得する債権を担保する。

2 前項の根抵当権に関し、当該根抵当権の設定者は、担保すべき元本の確定を請求することができる。

3 前項の規定による請求があったときは、担保すべき元本は、国民生活金融公庫等の解散の時に確定したものとみなす。

4 第二項の規定による請求は、当該解散の日から二週間を経過したときは、することができない。

 (権利及び義務の承継に伴う経過措置)

第二十三条 附則第十五条第一項、第十六条第一項、第十七条第一項又は第十八条第一項の規定により公庫が承継する次の各号に掲げる債券に係る債務について政府がした当該各号に定める保証契約は、その承継後においても、当該債券に係る債務について従前の条件により存続するものとし、当該保証契約のうち外資受入法第二条の規定によるものに係る次に掲げる債券の利子及び償還差益に係る租税その他の公課については、なお従前の例による。

 一 旧国民生活金融公庫法第二十二条の三第一項の国民生活債券 旧国民生活金融公庫法第二十二条の四又は外資受入法第二条の規定による保証契約

 二 旧農林漁業金融公庫法第二十四条の二第一項の農林漁業金融公庫債券 旧農林漁業金融公庫法第二十四条の三の規定による保証契約

 三 旧中小企業金融公庫法第二十五条の二第一項の中小企業債券 旧中小企業金融公庫法第二十五条の三又は外資受入法第二条の規定による保証契約

 四 旧国際協力銀行法第四十五条第一項の国際協力銀行債券 旧国際協力銀行法第四十七条又は外資受入法第二条の規定による保証契約

 五 旧国際協力銀行法附則第十五条の規定による廃止前の日本輸出入銀行法(昭和二十五年法律第二百六十八号。以下「旧輸銀法」という。)第三十九条の二第一項の外貨債券等 旧輸銀法第三十九条の三又は旧国際協力銀行法附則第二十三条の規定による改正前の外資受入法第二条の規定による保証契約

2 前項の国民生活債券、農林漁業金融公庫債券、中小企業債券、国際協力銀行債券及び外貨債券等については、公庫の社債とみなして、第五十二条の規定を適用する。

3 農林漁業金融公庫が附則第四十二条の規定の施行前に行った資金の貸付け(農林漁業金融公庫が同条の規定の施行前に受けた申込みに係る資金の貸付けで、公庫が附則第三十七条第一項第三号の規定により行うものを含む。)に係る利率、償還期限及び据置期間については、なお従前の例による。

第二十四条 附則第十八条第一項の規定により公庫が国際協力銀行の義務を承継したときは、当該承継の時において発行されているすべての改正前国際協力銀行法第四十五条第一項の国際協力銀行債券並びに旧輸銀法第三十九条の二第一項の外貨債券等及び改正前国際協力銀行法附則第十五条の規定による廃止前の海外経済協力基金法(昭和三十五年法律第百七十三号)第二十九条の二第一項の海外経済協力基金債券に係る債務については、公庫及び独立行政法人国際協力機構が連帯して弁済の責めに任ずる。

2 前項の国際協力銀行債券、外貨債券等又は海外経済協力基金債券の債権者は、公庫又は独立行政法人国際協力機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

3 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

 (名称の使用制限に関する経過措置)

第二十五条 この法律の施行の際現にその名称中に日本政策金融公庫という文字を用いている者については、第五条第一項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。

 (国内金融業務の方法に関する経過措置)

第二十六条 設立委員は、第十二条の規定の例により、国内金融業務の方法を定め、主務大臣の認可を受けることができる。

2 前項の規定により認可を受けた国内金融業務の方法は、公庫の成立の時において、第十二条の規定により公庫が定めて認可を受けた国内金融業務の方法とみなす。

 (危機対応円滑化業務実施方針に関する経過措置)

第二十七条 設立委員は、第十五条の規定の例により、危機対応円滑化業務実施方針を定め、主務大臣の承認を受けるとともに、これを公表しなければならない。

2 前項の規定により承認を受けた危機対応円滑化業務実施方針は、第十五条の規定により公庫が定めて承認を受けた危機対応円滑化業務実施方針とみなす。

 (協定に関する経過措置)

第二十八条 設立委員は、第二十一条の規定の例により、主務大臣の認可を受けて、協定を締結することができる。

2 前項の規定により認可を受けて締結した協定は、公庫の成立の時において、第二十一条の規定により公庫が認可を受けて締結した協定とみなす。

 (事業年度に関する経過措置)

第二十九条 公庫の最初の事業年度は、第二十八条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、平成二十一年三月三十一日に終わるものとする。

 (準備行為)

第三十条 国民生活金融公庫等は、国民生活金融公庫法第一条、農林漁業金融公庫法第一条、中小企業金融公庫法第一条及び国際協力銀行法第一条の規定にかかわらず、公庫がその成立の時において業務を円滑に開始するために必要な第四十一条第七号に掲げる業務に係る準備行為その他の準備行為を行うことができる。この場合において、次の各号に掲げる者が行う準備行為についての監督その他の規定の適用については、当該各号に定める業務とみなす。

 一 国民生活金融公庫 国民生活金融公庫法第十八条第一号に掲げる業務

 二 農林漁業金融公庫 農林漁業金融公庫法第十八条に規定する業務

 三 中小企業金融公庫 中小企業金融公庫法第二十三条の二第一号に掲げる業務

 四 国際協力銀行 国際協力銀行法第四十一条第一項第一号に掲げる業務

 (非課税)

第三十一条 附則第十五条第一項、第十六 条第一項、第十七条第一項及び第十八条第一項の規定により公庫が権利を承継する場合における当該承継に伴う登記又は登録については、登録免許税を課さない。

2 附則第十五条第一項、第十六条第一項、第十七条第一項及び第十八条第一項の規定により公庫が権利を承継する場合における当該承継に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税又は自動車取得税を課することができない。

 (業務の特例)

第三十二条 公庫は、第十一条に規定する業務のほか、当分の間、農山漁村電気導入促進法(昭和二十七年法律第三百五十八号)第二条第一項に規定する発電に必要な施設の改良、造成、復旧又は取得に必要な資金の貸付けを行うことができる。

2 前項の業務は、この法律の適用につい ては、第十一条第一項第一号の規定による別表第一第八号の下欄のネに掲げる資金の貸付けの業務とみなす。

第三十三条 公庫は、当分の間、第十一条第一項第一号(別表第一第八号に係る部分に限る。)の規定による農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)附則第八項に規定する資金の貸付けを行うときは、無利子で貸し付けることができる。

2 前項に規定する資金の貸付けの償還期限は二十五年以内、据置期間は十年以内で公庫が定める。

第三十四条 公庫は、当分の間、第十一条第一項第一号(別表第一第八号に係る部分に限る。)の規定による林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法(昭和五十四年法律第五十一号)第六条第二項の協定に係る資金の貸付けを行うときは、無利子で貸し付けることができる。

2 前項に規定する資金の貸付けの償還期限は三十五年以内、据置期間は二十年以内で公庫が定める。

第三十五条 別表第五の貸付金の種類の欄に掲げる資金についての第十二条第四項の規定の適用については、当分の間、同表の利率の欄中「年三分五厘」とあるのは「年三分五厘以内で主務大臣の定める利率」と、「年五分」とあるのは「年五分以内で主務大臣の定める利率」と、「年六分五厘」とあるのは「年六分五厘以内で主務大臣の定める利率」と、「年七分五厘」とあるのは「年七分五厘以内で主務大臣の定める利率」と、「年四分五厘」とあるのは「年四分五厘以内で主務大臣の定める利率」とする。

第三十六条 公庫は、第十一条及び附則第三十二条に規定する業務のほか、中小企業金融公庫法及び独立行政法人中小企業基盤整備機構法の一部を改正する法律(平成十六年法律第三十五号)附則第二条の規定による改正前の中小企業総合事業団法及び機械類信用保険法の廃止等に関する法律(平成十四年法律第百四十六号。以下「改正前の廃止法」という。)附則第八条第一項の規定によりなお従前の例によるものとされた保険関係に係る改正前の廃止法第一条(第二号に係る部分に限る。)の規定による廃止前の機械類信用保険法(昭和三十六年法律第百五十六号)第十一条に規定する業務を行う。

2 前項の規定により公庫が同項に規定する業務を行う場合には、第十一条第一項第六号中「除く。)」とあるのは「除く。)及び附則第三十六条第一項に規定する業務」と、第十二条第一項中「同項第五号」とあるのは「附則第三十六条第一項に規定する業務並びに前条第一項第五号」と、第十四条第一項中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務並びに附則第三十六条第一項に規定する業務」と、第三十一条第三項中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及び附則第三十六条第一項に規定する業務」と、第四十一条第五号中「同項第五号」とあるのは「附則第三十六条第一項に規定する業務並びに第十一条第一項第五号」と、第六十四条第一項第五号中「同項第五号」とあるのは「附則第三十六条第一項に規定する業務並びに第十一条第一項第五号」と、「財務大臣」とあるのは「財務大臣(附則第三十六条第一項に規定する業務に係る事項については、経済産業大臣)」と、第七十三条第三号中「第十一条」とあるのは 「第十一条及び附則第三十六条第一項」とする。

第三十七条 公庫は、第十一条、附則第三十二条及び前条に規定する業務のほか、次に掲げる業務(第十一条、附則第三十二条又は前条の業務に該当するものを除く。)を行うことができる。

 一 附則第四十二条の規定の施行前に国民生活金融公庫等が行った資金の貸付けその他の業務に係る債権の回収が終了するまでの間、当該債権の管理及び回収を行うこと。

 二 当分の間、附則第四十二条の規定の施行前に国際協力銀行が締結した債務保証契約に係る旧国際協力銀行法第二十三条の業務を行うこと。

 三 当分の間、国民生活金融公庫等が附則第四十二条の規定の施行前に受けた申込みに係る資金の貸付けその他の業務を行うこと。

 四 前三号の業務の利用者に対して、その業務に関連する情報の提供を行うこと。

 五 前各号の業務に附帯する業務を行う こと。

2 前項の規定により公庫が同項に規定する業務を行う場合には、第三十一条第二項第一号イ、第四十一条第一号及び第六十四条第一項第二号中「附帯する業務」とあるのは「附帯する業務並びに附則第三十七条第一項第一号に掲げる業務(国民生活金融公庫が行ったものに限る。)、同項第三号に掲げる業務(国民生活金融公庫が受けた申込みに係るものに限る。)並びにこれらに係る同項第四号及び第五号に掲げる業務」と、第三十一条第二項第一号ロ、第四十一条第二号及び第六十四条第一項第四号中「附帯する業務」とあるのは「附帯する業務並びに附則第三十七条第一項第一号に掲げる業務(農林漁業金融公庫が行ったものに限る。)、同項第三号に掲げる業務(農林漁業金融公庫が受けた申込みに係るものに限る。)並びにこれらに係る同項第四号及び第五号に掲げる業務」と、第三十一条第二項第一号ハ、第四十一条第三号及び第六十四条第一項第五号中「附帯する業務」とあるのは「附帯する業務並びに附則第三十七条第一項第一号に掲げる業務(中小企業金融公庫が行ったものに限る。)、同項第三号に掲げる業務(中小企業金融公庫が受けた申込みに係るものに限る。)並びにこれらに係る同項第四号及び第五号に掲げる業務」と、第四十一条第六号及び第六十四条第一項第六号中「附帯する業務」とあるのは「附帯する業務並びに附則第三十七条第一項第一号に掲げる業務(国際協力銀行が行ったものに限る。)、同項第二号に掲げる業務、同項第三号に掲げる業務(国際協力銀行が受けた申込みに係るものに限る。)並びにこれらに係る同項第四号及び第五号に掲げる業務」と、第六十三条第一項中「又は第五十三条」とあるのは「、第五十三条又は附則第三十七条第一項」と、同条第二項第一号中「業務」とあるのは「業務及び附則第三十七条第一項に規定する業務(附則第四十二条の規定の施行前に国際協力銀行が行ったもの又は国際協力銀行が受けた申込みに係るものに限る。)」と、同項第二号中「第十一条第一項に規定する業務及び第五十三条各号」とあるのは「第十一条第一項及び附則第三十七条第一項に規定する業務並びに第五十三条各号」と、同条第三項中「第十一条第一項」とあるのは「第十一条第一項又は附則第三十七条第一項」と、第七十三条第三号中「第十一条」とあるのは「第十一条及び附則第三十七条第一項」とする。

 (業務の委託の特例)

第三十八条 公庫は、第十四条の規定による場合のほか、独立行政法人福祉医療機構が独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)附則第五条の二第三項に規定する業務を行う場合には、第十一条第一項第一号の規定による別表第一第二号の下欄に掲げる資金の貸付けの業務のうち、同法附則第五条の二第三項の規定により独立行政法人福祉医療機構のあっせんを受ける者からの小口の教育資金(同表第二号の下欄に掲げる小口の教育資金をいう。次条において同じ。)の貸付けの申込みの受理及びその者に対する当該小口の教育資金の貸付けに係る貸付金の交付に関する業務を独立行政法人福祉医療機構に委託することができる。

2 第五十八条第二項、第五十九条及び第六十条の規定は、前項の規定により公庫が独立行政法人福祉医療機構に業務を委託する場合について準用する。この場合において、第五十九条第一項中「受託法人(第十四条第四項又は第五十四条第二項の規定により委託を受けた法人を含む。以下この項及び第七十一条において同じ。)」とあるのは「独立行政法人福祉医療機構」と、「受託法人の」とあるのは「独立行政法人福祉医療機構の」と、「受託法人に」とあるのは「独立行政法人福祉医療機構に」と読み替えるものとする。

3 前項において読み替えて準用する第五十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした公庫の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役若しくは職員又は独立行政法人福祉医療機構の役員若しくは職員は、三十万円以下の罰金に処する。

4 第二項において準用する第五十八条第二項の規定による主務大臣の命令に違反した場合には、その違反行為をした公庫の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。

第三十九条 公庫は、第十四条及び前条の規定による場合のほか、第十一条第一項第一号の規定による別表第一第二号の下欄に掲げる資金の貸付けの業務のうち、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)の施行の際現に存する同法附則第五条第一項第六号に掲げる郵便貯金の預金者であって同法第二条の規定による廃止前の郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)第六十三条の二(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律附則第五条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる場合を含む。)の規定により独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構又は郵政民営化法(平成十七年法律第九十七号)第百六十六条第一項の規定による解散前の日本郵政公社のあっせんを受ける者からの小口の教育資金の貸付けの申込みの受理及びその者に対する当該小口の教育資金の貸付けに係る貸付金の交付に関する業務を独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構に委託することができる。

2 第五十八条第二項、第五十九条及び第六十条の規定は、前項の規定により公庫が独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構に業務を委託する場合について準用する。

3 前項において準用する第五十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした公庫の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

4 第二項において準用する第五十八条第二項の規定による主務大臣の命令に違反した場合には、その違反行為をした公庫の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。

 (独立行政法人農林漁業信用基金からの寄託金の受入れ)

第四十条 公庫は、独立行政法人農林漁業信用基金から林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法第六条第二項の協定に係る寄託金の受入れをする場合には、主務大臣の認可を受けなければならない。

 (政令への委任)

第四十一条 附則第三条から前条までに定めるもののほか、公庫の設立及び国民生活金融公庫等の解散に関し必要な事項は、政令で定める。

 (国民生活金融公庫法等の廃止)

第四十二条 次に掲げる法律は、廃止する。

 一 国民生活金融公庫法

 二 農林漁業金融公庫法

 三 中小企業金融公庫法

 四 国際協力銀行法

 (国民生活金融公庫法等の廃止に伴う経過措置)

第四十三条 前条の規定の施行前に旧国民生活金融公庫法(第十三条を除く。)、旧農林漁業金融公庫法(第十条を除く。)、旧中小企業金融公庫法(第十一条を除く。)又は旧国際協力銀行法(第十一条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、この法律の相当規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。

2 国際協力銀行の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者に係る旧国際協力銀行法第十九条の規定によるその職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない義務については、前条の規定の施行後も、なお従前の例による。

3 前二項に規定するもののほか、前条各号に掲げる法律の廃止に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

 (罰則の適用に関する経過措置)

第四十四条 附則第四十二条の規定の施行前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る同条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (株式会社商工組合中央金庫に対する指定金融機関のみなし指定等)

第四十五条 株式会社商工組合中央金庫は、附則第一条第五号に定める日において第十一条第二項の規定による指定を受けたものとみなす。この場合において、第十六条第一項、第四項及び第五項並びに第十八条の規定は適用せず、第十六条第二項中「指定を受けようとする者は、主務省令で定める手続に従い」とあるのは「指定金融機関は、第二十一条第一項に規定する協定の締結前に」と、「これを指定申請書に添えて、主務大臣に提出しなければ」とあるのは「主務大臣の認可を受けなければ」と、第十七条第一項中「指定をしたときは、指定金融機関の」とあるのは「株式会社商工組合中央金庫が附則第四十五条第一項の規定により第十一条第二項の規定による指定を受けたものとみなされたときは、その」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2 株式会社商工組合中央金庫法の施行の際現に存する商工組合中央金庫(以下「転換前の法人」という。)は、株式会社商工組合中央金庫が附則第一条第五号に定める日において危機対応業務を円滑に開始するために必要な前項の規定により読み替えて適用する第十六条第二項の認可の申請及び第二十一条第一項に規定する協定の締結その他の準備行為をすることができる。

3 前項の規定により転換前の法人がした認可の申請を受けた主務大臣は、第一項の規定により読み替えて適用する第十六条第二項の規定の例により、その認可をすることができる。この場合において、転換前の法人が同項の規定の例により、その認可を受けたときは、附則第一条第五号に定める日において株式会社商工組合中央金庫が同項の規定により認可を受けたものとみなす。

4 第二項の規定により転換前の法人が第二十一条の規定の例により締結した協定は、附則第一条第五号に定める日において株式会社商工組合中央金庫が第二十一条の規定により締結した協定とみなす。

 (株式会社日本政策投資銀行に対する指定金融機関のみなし指定等)

第四十六条 株式会社日本政策投資銀行は、附則第一条第五号に定める日において第十一条第二項の規定による指定を受けたものとみなす。この場合において、第十六条第一項、第四項及び第五項並びに第十八条の規定 は適用せず、第十六条第二項中「指定を受けようとする者は、主務省令で定める手続に従い」とあるのは「指定金融機関は、第二十一条第一項に規定する協定の締結前に」と、 「これを指定申請書に添えて、主務大臣に提出しなければ」とあるのは「主務大臣の認可を受けなければ」と、第十七条第一項中「指定をしたときは、指定金融機関の」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行が附則第四十六条第一項の規定により第十一条第二項の規定による指定を受けたものとみなされたときは、その」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2 株式会社日本政策投資銀行法附則第五条に規定する設立委員(以下「銀行設立委員」という。)は、株式会社日本政策投資銀行が附則第一条第五号に定める日において危機対応業務を円滑に開始するために必要な前項の規定により読み替えて適用する第十六条第二項の認可の申請及び第二十一条第一項に規定する協定の締結その他の準備行為をすることができる。

3 前項の規定により銀行設立委員がした認可の申請を受けた主務大臣は、第一項の規定により読み替えて適用する第十六条第二項の規定の例により、その認可をすることができる。この場合において、銀行設立委員が同項の規定の例により、その認可を受けたときは、附則第一条第五号に定める日において株式会社日本政策投資銀行が同項の規定により認可を受けたものとみなす。

4 第二項の規定により銀行設立委員が第 二十一条の規定の例により締結した協定は、附則第一条第五号に定める日において株式会社日本政策投資銀行が第二十一条の規定により締結した協定とみなす。

 (公庫の業務の在り方の検討)

第四十七条 政府は、公庫の成立後、この 法律の施行の状況を勘案しつつ、公庫が一般の金融機関が行う金融を補完するものであることを旨とする観点から、第十一条第一項の規定による別表第一第十四号に掲げる資金の貸付けの業務その他の公庫の業務の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて業務の廃止その他の所要の措置を講ずるものとする。

2 政府は、公庫の成立後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案しつつ、指定金融機関に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

別表第一(第十一条関係)

 一

独立して事業を遂行する意思を有し、かつ、適切な事業計画を持つ者で、当該事業の継続が可能であると見込まれるもの

当該事業を遂行するために必要な小口の事業資金(第三号から第七号までに掲げる資金を除く。)

 二

教育(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校、高等専門学校又は大学その他これらに準ずる教育施設として政令で定めるものにおいて行われる教育をいう。以下この号において同じ。)を受ける者又はその者の親族であって、その所得の水準その他の政令で定める要件を満たすもの

小口の教育資金(教育を受ける者又はその者の親族が、教育を受け、又は受けさせるために必要な資金をいう。)

 三

生活衛生関係営業者

政令で定める施設又は設備(車両を含む。以下この表において同じ。)の設置又は整備(当該施設又は設備の設置又は整備に伴って必要となる施設の設置又は整備を含む。)に要する資金その他当該生活衛生関係営業について衛生水準を高めるため及び近代化を促進するために必要な資金であって政令で定めるもの

 四

生活衛生関係営業者が営む生活衛生関係営業に使用される者であって、当該生活衛生関係営業に使用されている年数を勘案して主務省令で定める基準に該当するもの

その者が新たに当該生活衛生関係営業と同一の業種に属する生活衛生関係営業を営むために必要な施設又は設備の設置に要する資金

 五

生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会その他これらに準ずる者であって、物品の製造その他の政令で定める事業を営むもの

当該事業を営むために必要な施設若しくは設備の設置若しくは整備に要する資金又は当該事業を営むために必要な資金であって、政令で定めるもの

 六

生活衛生関係営業に関する技術の改善及び向上のための研究を行う者

当該研究を行うために必要な施設又は設備の設置又は整備に要する資金

 七

理容師又は美容師を養成する事業(理容師法(昭和二十二年法律第二百三十四号)又は美容師法(昭和三十二年法律第百六十三号)の規定により指定を受けて理容師養成施設又は美容師養成施設を開設することをいう。)を営む者

理容師養成施設又は美容師養成施設の整備に要する資金

 八

農林漁業者

農林漁業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金であって、次に掲げるもの(資本市場からの調達が困難なものに限る。)

 

 

イ 農地又は牧野の改良、造成又は復旧に必要な資金

 

 

ロ 農業経営の改善のためにする農地又は採草放牧地(農地又は採草放牧地とする土地を含む。ハにおいて同じ。)の取得(その取得に当たって、その土地の農業上の利用を増進するため防風林、道路、水路、ため池その他の施設として利用する必要がある土地を併せて取得する場合におけるその土地の取得を含む。)に必要な資金

 

 

ハ 農地又は採草放牧地についての賃借権その他の所有権以外の使用及び収益を目的とする権利の取得に必要な資金であって主務大臣の指定するもの

 

 

ニ 果樹の植栽又は育成に必要な資金(果樹の育成に必要な資金については、別表第五第一号及び第五号に掲げる資金に係るものに限る。)

 

 

ホ 果樹以外の永年性植物であって主務大臣の指定するもの(以下「指定永年性植物」という。)の植栽又は育成に必要な資金(別表第五第一号に掲げる資金に係るもの及び同表第五号に掲げる資金のうち指定永年性植物の植栽に係るものに限る。)

 

 

ヘ 家畜の購入又は育成に必要な資金(別表第五第一号に掲げる資金に係るもの及び同表第五号に掲げる資金のうち家畜の購入に係るものに限る。)

 

 

ト 農業経営の規模の拡大、生産方式の合理化、経営管理の合理化、農業従事の態様の改善等の農業経営の改善に伴い必要な資金であって主務大臣の指定するもの

 

 

チ 農業経営の安定に必要な資金であって主務大臣の指定するもの

 

 

リ 造林に必要な資金

 

 

ヌ 森林の立木の伐採制限に伴い必要な資金

 

 

ル 林道の改良、造成又は復旧に必要な資金

 

 

ヲ 林業経営の維持に必要な資金であって主務大臣の指定するもの

 

 

ワ 林業経営の改善のためにする森林(森林とする土地を含む。)の取得又は森林の保育その他の育林に必要な資金であって主務大臣の指定するもの

 

 

カ 漁港施設の改良、造成、復旧又は取得に必要な資金

 

 

ヨ 漁船の改造、建造又は取得に必要な資金

 

 

タ 漁業経営の安定に必要な資金であって主務大臣の指定するもの

 

 

レ 漁業経営の改善のためにする漁船その他の施設の整備、生産方式の合理化、経営管理の合理化その他の措置に伴い必要な資金であって主務大臣の指定するもの

 

 

ソ 漁船の隻数の縮減、漁業の休業その他の漁業の整備に伴い必要な資金であって主務大臣の指定するもの

 

 

ツ 製塩施設の改良、造成又は取得に必要な資金

 

 

ネ 農林漁業者の共同利用に供する施設の改良、造成、復旧又は取得に必要な資金

 

 

ナ イからネまでに掲げるもののほか、農林漁業の持続的かつ健全な発展に必要な施設の改良、造成、復旧又は取得に必要な資金(当該施設の改良、造成、復旧又は取得に関連する資金を含む。)であって主務大臣の指定するもの

 九

農畜水産物の卸売市場(当該卸売市場の区域内に又はこれに隣接して設置され、主として当該卸売市場の取扱品目以外の農畜水産物の販売の業務の用に供される集団的な売場であって、当該卸売市場の一部であると認めることを相当とするもの(以下「付設集団売場」という。)を含む。)を開設する者であって地方公共団体以外のもの、農畜水産物の卸売市場において卸売の業務を行う者(以下「卸売業者」という。)若しくは仲卸しの業務(農畜水産物の卸売市場を開設する者が当該卸売市場内に設置する店舗において当該卸売市場の卸売業者から卸売を受けた農畜水産物を仕分けし又は調製して販売する業務をいう。)を行う者(以下「仲卸業者」という。)又はこれらの者が主たる構成員若しくは出資者となっている法人であって当該卸売若しくは仲卸しの業務の改善を図るため当該構成員若しくは出資者たる卸売業者若しくは仲卸業者の業務の一部に相当する業務を行うもの

食料の安定供給の確保又は農林漁業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金で、当該卸売市場(付設集団売場を含む。)の施設又は当該卸売若しくは仲卸しの業務に必要な施設であって農畜水産物の流通の合理化及び消費の安定的な拡大を図るため特に必要であると認められるものの改良、造成又は取得に必要なもの(中小企業者に対するものであってその償還期限が十年を超えるものに限る。)

 十

農林畜水産物のうちその生産事情及び需給事情からみて需要の増進を図ることが特に必要であると認められるもの(以下「特定農林畜水産物」という。)を原料又は材料として使用する製造又は加工の事業であって、当該事業により特定農林畜水産物につき新規の用途が開かれ、又は当該事業において加工原材料用の新品種に属する特定農林畜水産物が使用され、当該特定農林畜水産物の消費が拡大されると認められるものを営む者

食料の安定供給の確保又は農林漁業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金で、その製造又は加工に必要な施設の改良、造成又は取得その他新規の用途の開発若しくは採用又は品種の育成若しくは採用に必要なものであって主務大臣の指定するもの(中小企業者に対するものであってその償還期限が十年を超えるものに限る。)

 十一

指定地域(地勢その他の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域であって、農業の健全な発展を図るためには、農業の振興と併せて林業又は漁業の振興を総合的に推進することが特に必要であり、かつ、そのためには、その地域で生産される農林畜水産物の加工の増進及び流通の合理化を図り、又はその地域に存在する農地、森林その他の農林漁業資源の総合的な利用を促進することが必要かつ効果的と認められる地域として主務大臣の指定するものをいう。以下同じ。)内において生産される農林畜水産物(以下「指定地域農林畜水産物」という。)を原料若しくは材料として使用する製造若しくは加工の事業又は指定地域農林畜水産物若しくはその加工品の販売の事業であって、新商品若しくは新技術の研究開発若しくは利用、需要の開拓又は事業の合理化(以下「新商品の研究開発等」という。)が行われることにより、指定地域農林畜水産物の加工の増進又は流通の合理化が図られ、指定地域における農林漁業の振興に資すると認められるものを営む者

食料の安定供給の確保又は農林漁業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金で、当該新商品の研究開発等を行うために必要な製造、加工又は販売のための施設の改良、造成又は取得その他当該新商品の研究開発等を行うために必要なものであって主務大臣の指定するもの(中小企業者に対するものであってその償還期限が十年を超えるものに限る。)

 十二

食品(飲食料品のうち薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。)若しくは飼料の製造、加工若しくは流通(以下「食品の製造等」という。)の事業を営む者又はこれらの者の組織する法人(これらの者又は地方公共団体が主たる構成員若しくは出資者となっているか又は基本財産の額の過半を拠出している法人で食品の製造等の事業の振興を目的とするものを含む。)

食料の安定供給の確保又は農林漁業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金で、食品の製造等に必要な施設の改良、造成若しくは取得に必要なもの(当該施設が主務大臣の指定する事業の用に供されるものである場合には、当該施設の改良、造成又は取得に関連する当該事業に必要な資金を含む。)又は食品の製造等に関する高度な新技術の研究開発若しくは利用(これらのために特別に費用を支出して行うもの又は当該新技術の利用に関する権利を取得するものに限る。)に必要なものであって、主務大臣の指定するもの(前三号に掲げるものを除き、中小企業者に対するものであってその償還期限が十年を超えるものに限る。)

 十三

指定地域内において、農地、森林その他の農林漁業資源を公衆の保健の用に供するための施設であって農林漁業の振興に資するものを設置する者

当該施設の改良、造成又は取得その他当該施設の設置に必要な長期かつ低利の資金であって他の金融機関が融通することを困難とするもののうち主務大臣の指定するもの(中小企業者に対するものであってその償還期限が十年を超えるものに限る。)

 十四

中小企業者

事業の振興に必要な資金(特定の中小企業者を対象とし、かつ、中小企業に関する重要な施策の目的に従って貸付けが行われる長期の資金として主務大臣が定めるものに限る。)

 十五

信用保証協会

その保証債務の額を増大するために必要な原資となるべき資金及びその履行を円滑にするために必要な資金

別表第二(第十一条関係)

 一

国民一般特定金融機関等が金銭を支払い、これに対してあらかじめ定めた別表第一第一号から第七号までの中欄に掲げる者の信用状態に係る事由が発生した場合において公庫が金銭を支払うことを約する取引(当該事由が発生した場合において、国民一般特定金融機関等が特定国民一般貸付債権又は特定国民一般社債を移転することを約するものを含む。)又はこれに類似する取引を行うこと。

 二

農林漁業特定金融機関等が金銭を支払い、これに対してあらかじめ定めた農林漁業者の信用状態に係る事由が発生した場合において公庫が金銭を支払うことを約する取引(当該事由が発生した場合において、農林漁業特定金融機関等が特定農林漁業貸付債権又は特定農林漁業社債を移転することを約するものを含む。)又はこれに類似する取引を行うこと。

 三

特定中小企業貸付債権に係る貸付けを行った中小企業特定金融機関等からの当該特定中小企業貸付債権の譲受け及び特定中小企業社債(中小企業者が新たに発行するものに限る。)の取得を行った中小企業特定金融機関等からの当該特定中小企業社債の全部の取得を行うこと。

 四

特定中小企業貸付債権及び特定中小企業社債に係る債務の一部の保証を行うこと。

 五

中小企業特定金融機関等が金銭を支払い、これに対してあらかじめ定めた中小企業者の信用状態に係る事由が発生した場合において公庫が金銭を支払うことを約する取引(当該事由が発生した場合において、中小企業特定金融機関等が特定中小企業貸付債権又は特定中小企業社債を移転することを約するものを含む。)又はこれに類似する取引を行うこと。

 六

特定中小企業貸付債権及び特定中小企業社債(これらの信託の受益権を含む。)を担保とする債券その他これに準ずる有価証券として主務省令で定めるもの(以下「特定資産担保証券」という。)であって特定目的会社等が発行するものに係る債務の保証を行うこと。

 七

特定資産担保証券であって特定目的会社等が発行するものの取得を行うこと。

 八

特定中小企業貸付債権及び特定中小企業社債を中小企業特定金融機関等が特定信託をする場合における当該特定信託の受益権その他これに準ずる信託の受益権として主務省令で定めるものの当該中小企業特定金融機関等からの取得を行うこと。

 九

前各号に掲げる業務又は別表第一第一号から第十四号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務と密接な関連を有する業務のうち、次に掲げるもの

 

1 金銭の特定信託及び当該特定信託の受益権の全部又は一部の譲渡を行うこと。

 

2 特定目的会社等の優先株式(その発行の時において議決権を行使することができる事項のない株式であって、剰余金の配当及び残余財産の分配について優先的内容を有するものをいう。)及び優先出資(資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第五項に規定する優先出資をいう。)の取得並びに中間法人法(平成十三年法律第四十九号)第二条第二号に規定する有限責任中間法人に対する基金の拠出を行うこと。

 

3 信託会社等及び特定目的会社等に対する貸付けを行うこと。

 注 この表における用語については、次に定めるところによる。

  (1) 「国民一般特定金融機関等」とは、別表第一第一号から第七号までの中欄に掲げる者に対するそれぞれこれらの号の下欄に掲げる資金の貸付け又は同表第一号、第三号、第四号、第六号及び第七号の中欄に掲げる者がそれぞれこれらの号の下欄に掲げる資金を調達するために発行する社債(社債等の振替に関する法律第六十六条第一号に規定する短期社債を除く。(3)、(4)、(6)、(7)及び(9)において同じ。)の取得を行う金融機関その他の法人のうち、主務省令で定めるものをいう。

  (2) 「特定国民一般貸付債権」とは、国民一般特定金融機関等が別表第一第一号から第七号までの中欄に掲げる者に対して行う、それぞれこれらの号の下欄に掲げる資金の貸付けに係る貸付債権をいう。

  (3) 「特定国民一般社債」とは、別表第一第一号、第三号、第四号、第六号及び第七号の中欄に掲げる者が、それぞれこれらの号の下欄に掲げる資金を調達するために新たに発行する社債であって国民一般特定金融機関等が応募その他の方法による取得を行うものをいう。

  (4) 「農林漁業特定金融機関等」とは、農林漁業者に対する貸付け又は農林漁業者が発行する社債の取得を行う金融機関その他の法人のうち、主務省令で定めるものをいう。

  (5) 「特定農林漁業貸付債権」とは、農林漁業特定金融機関等が農林漁業者に対して行う貸付けに係る貸付債権をいう。

  (6) 「特定農林漁業社債」とは、農林漁業者が新たに発行する社債であって農林漁業特定金融機関等が応募その他の方法による取得を行うものをいう。

  (7) 「中小企業特定金融機関等」とは、中小企業者に対する貸付け又は中小企業者が発行する社債の取得を行う金融機関その他の法人のうち、主務省令で定めるものをいう。

  (8) 「特定中小企業貸付債権」とは、中小企業特定金融機関等の中小企業者に対する事業の振興に必要な長期の資金の貸付けに係る貸付債権をいう。

  (9) 「特定中小企業社債」とは、中小企業者が事業の振興に必要な長期の資金を調達するために発行した社債であって中小企業特定金融機関等が応募その他の方法により取得したものをいう。

  (10) 「特定目的会社等」とは、資産の流動化に関する法律第二条第三項に規定する特定目的会社及び同条第二項に規定する資産の流動化に類する行為を行うものとして主務省令で定める法人をいう。

  (11) 「信託会社等」とは、信託業法第二条第二項に規定する信託会社、同条第五項に規定する外国信託業者又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。

  (12) 「特定信託」とは、信託法第三条第一号に掲げる方法による信託(信託会社等との間で同号に規定する信託契約を締結する方法によるものに限る。)、同条第三号に掲げる方法による信託又はこれらに準ずる行為をいう。

 備考

  (1) 第一号、第二号及び第五号に掲げる業務は、それぞれ主務省令で定めるところにより、公庫が金銭を支払い、これに対してあらかじめ定めた別表第一第一号から第七号までの中欄に掲げる者、農林漁業者若しくは中小企業者の信用状態に係る事由が発生した場合において、それぞれ当該業務に係る取引を約した第一号の国民一般特定金融機関等、第二号の農林漁業特定金融機関等若しくは第五号の中小企業特定金融機関等以外の者が金銭を支払うことを約する取引(当該事由が発生した場合において、公庫が特定国民一般貸付債権若しくは特定国民一般社債、特定農林漁業貸付債権若しくは特定農林漁業社債又は特定中小企業貸付債権若しくは特定中小企業社債を移転することを約するものを含む。)又はこれに類似する取引を行う場合に限り、行うことができる。

  (2) 第三号に掲げる業務は、次のいずれかの場合に限り、行うことができる。

   (イ) 第三号の特定中小企業貸付債権及び特定中小企業社債について特定信託をし、当該特定信託の受益権の全部又は一部を譲渡するとき。

   (ロ) 第三号の特定中小企業貸付債権及び特定中小企業社債を特定目的会社等に譲渡するとき。

  (3) 第四号に掲げる業務は、次のいずれかの場合に限り、行うことができる。

   (イ) 中小企業特定金融機関等が、第四号の特定中小企業貸付債権に係る貸付け又は同号の特定中小企業社債の取得を行う場合において、当該特定中小企業貸付債権及び特定中小企業社債について特定信託をし、当該特定信託の受益権の全部又は一部を譲渡するとき。

   (ロ) 中小企業特定金融機関等が、第四号の特定中小企業貸付債権に係る貸付け又は同号の特定中小企業社債の取得を行う場合において、当該特定中小企業貸付債権及び特定中小企業社債を特定目的会社等に譲渡するとき。

   (ハ) 中小企業特定金融機関等が、第四号の特定中小企業貸付債権に係る貸付け又は同号の特定中小企業社債の取得を行う場合において、金銭を支払い、これに対してあらかじめ定めた中小企業者の信用状態に係る事由が発生した場合において相手方が金銭を支払うことを約する取引(当該事由が発生した場合において、中小企業特定金融機関等が特定中小企業貸付債権又は特定中小企業社債を移転することを約するものを含む。)又はこれに類似する取引を行うとき。

別表第三(第十一条関係)

 一

設備の輸出等のために必要な資金を貸し付け、当該資金に係る貸付債権を譲り受け、当該資金に係る債務の保証等を行い、又は当該資金の調達のために発行される公社債等を応募その他の方法により取得すること。

 二

重要物資の輸入等が確実かつ適時に行われるために必要な資金を貸し付け、当該資金に係る貸付債権を譲り受け、当該資金に係る債務の保証等を行い、又は当該資金の調達のために発行される公社債等を応募その他の方法により取得すること。

 三

我が国の法人等、外国政府等又は出資外国法人等が海外において行う事業に直接又は間接に充てられる資金(短期資金を除く。)を貸し付け、当該資金に係る貸付債権を譲り受け、当該資金に係る債務の保証等を行い、我が国の法人等、出資外国法人等、外国金融機関等若しくは外国政府等が外国の法人等に対して当該資金に係る債務の保証等を行った場合においてその債務の保証等に係る債務の保証等を行い、又は当該資金の調達のために発行される公社債等を応募その他の方法により取得すること。

 四

外国政府等、外国金融機関等若しくは国際通貨基金その他の国際機関に対して、その海外で行う事業若しくは当該外国の物資の輸入若しくは技術の受入れに必要な長期資金若しくは当該外国の国際収支の均衡若しくは通貨の安定を図るために必要な資金を貸し付け、当該資金に係る貸付債権を譲り受け、若しくは当該資金に係る債務の保証等を行い、又は当該資金の調達のために発行される公社債等を応募その他の方法により取得すること。

 五

外国の政府又は外国の居住者において当該外国の国際収支上の理由により輸入その他の対外取引を行うことが著しく困難であり、かつ、緊急の必要があると認められる場合において、国際通貨基金等(国際通貨基金その他の国際機関又は当該外国以外の二以上の国の政府、政府機関若しくは銀行をいう。以下同じ。)が当該外国の経済の発展を支援するための資金(以下「経済支援資金」という。)の供与を行うまでの間、当該外国の政府、政府機関又は銀行に対して、当該輸入その他の対外取引の円滑化を図るために必要な短期資金を貸し付けること。

 六

海外で事業を行う者(専ら海外投資を目的とする我が国の法人等で当該事業を行う者に対し出資するものを含む。)に対して当該事業に必要な資金を出資すること。

 七

前各号に掲げる業務に関連して必要な調査を行うこと。

 注 この表における用語については、次に定めるところによる。

  (1) 「設備の輸出等」とは、設備(航空機、船舶及び車両を含む。(5)において同じ。)並びにその部分品及び附属品で我が国で生産されたもの並びに我が国で生産されたその他の製品でその輸出が我が国の輸出入市場の開拓又は確保に著しく寄与すると認められるものを輸出すること又は我が国の輸出入市場の開拓若しくは確保若しくは外国との経済交流の促進に寄与すると認められる技術を提供することをいう。

  (2) 「債務の保証等」とは、債務の保証(保証期間が一年を超えるものに限り、債務を負担する行為であって債務の保証に準ずるものを含む。)及び当事者の一方が金銭を支払い、これに対して当事者があらかじめ定めた者の信用状態に係る事由が発生した場合において公庫が金銭を支払うことを約する取引(当該事由が発生した場合において、当事者の一方が貸付債権、公社債等その他の金銭債権を移転することを約するものを含む。)又はこれに類似する取引をいう。

  (3) 「公社債等」とは、公債、社債若しくはこれに準ずる債券又は信託の受益権をいう。

  (4) 「法人等」とは、法人その他の団体又は個人をいう。

  (5) 「重要物資の輸入等」とは、我が国の外国との貿易関係若しくは国民経済の健全な発展のために不可欠な物資(設備を含む。)又は技術を輸入し、又は受け入れることをいう。

  (6) 「外国政府等」とは、外国の政府、政府機関又は地方公共団体をいう。

  (7) 「出資外国法人等」とは、我が国の法人等の出資に係る外国の法人等(我が国の法人等と原材料の供給、役員の派遣その他の継続的な経済関係を有する外国の法人等を含む。)をいう。

  (8) 「外国金融機関等」とは、外国の銀行その他の金融機関その他主務大臣が定める外国法人をいう。

  (9) 「協調融資」とは、銀行等 (銀行法に規定する銀行、長期信用銀行法に規定する長期信用銀行その他政令で定める金融機関をいう。以下同じ。)が公庫とともに資金の貸付けを行うことをいう。

 備考

  (1) 第一号に掲げる業務のうち、 開発途上にある海外の地域((8)及び(13)において「開発途上地域」という。)以外の地域を仕向地とする輸出に係るものは、当該地域を仕向地とする輸出を行う外国の政府、政府機関又は地方公共団体によって、当該外国の輸出の促進を図るために、通常の条件より有利な条件での信用の供与、保険の引受け又は利子の補給がされる場合において、国際的取決めに従って必要な対抗措置を講ずるときに限り、行うことができる。

  (2) 第一号に掲げる業務は、我が国の法人等以外の者に対する資金に係るものに限り、行うことができる。

  (3) 第一号から第四号までに掲げる業務のうち、我が国の法人等以外の者に対する債務の保証等(公社債等に係るものを除く。)は、銀行等、外国金融機関等若しくは外国政府等が当該資金の貸付けを行う場合(当該貸付けに係る貸付債権が主務大臣が定める者に譲渡された場合を含む。)又は第三号に規定する債務の保証等に係る債務の保証等を行う場合に限り、行うことができる。

  (4) 第一号から第四号までに掲げる業務のうち次に掲げるものは、その貸付け又は譲り受けようとする貸付債権に係る貸付けが協調融資である場合に限り、行うことができる。ただし、(イ)に掲げるものにあっては銀行等が公庫とともに資金の貸付けをすることが著しく困難であり、かつ、公庫による貸付けがその目的を達成するために特に緊要であると認められる場合、(ロ)に掲げるものにあっては償還期限が一年を超える出資外国法人等に対する貸付債権を主務大臣が定める期間内に、特定目的会社等(別表第二の注(10)に規定する特定目的会社等をいう。(5)において同じ。)に譲渡することを目的として譲り受ける場合又は信託会社等(同表の注(11)に規定する信託会社等をいう。(5)において同じ。)に対して特定信託(同表の注(12)に規定する特定信託をいう。(5)において同じ。)をし、当該特定信託の受益権の全部若しくは一部を譲渡することを目的として譲り受ける場合は、この限りでない。

   (イ) 第一号から第三号までに掲げる資金の貸付けで我が国の法人等に対するもの

   (ロ) 第一号から第四号までに掲げる貸付債権の譲受け

  (5) 第一号から第四号までに掲げる業務のうち、債務の保証等(公社債等に係るものに限る。)及び公社債等の取得は、次のいずれかの場合(第一号から第三号までに掲げる業務にあっては、(ロ)から(ヘ)までの場合)に限り、行うことができる。

   (イ) 外国金融機関等、外国政府等又は国際通貨基金その他の国際機関が発行する公社債等(償還期限が一年を超えるものに限る。(ロ)及び(ハ)において同じ。)の一部を取得する場合((ロに掲げる場合を除く。)

   (ロ) 公社債等を取得し、当該公社債等を主務大臣が定める期間内に特定目的会社等に譲渡する場合又は信託会社等に対して特定信託をし、当該特定信託の受益権の全部若しくは一部を譲渡する場合

   (ハ) 特定目的会社等又は信託会社等が貸付債権又は公社債等を担保として発行する公社債等を取得する場合

   (ニ) 出資外国法人等、外国金融機関等、外国政府等又は国際通貨基金その他の国際機関が発行する公社債等に係る債務の保証等を行う場合

   (ホ) 特定目的会社等又は信託会社等が貸付債権又は公社債等を担保として公社債等を発行する場合において、当該担保目的の貸付債権若しくは公社債等又は特定目的会社等若しくは信託会社等が発行する公社債等に係る債務の保証等(銀行等が発行する公社債等に係る債務の保証等を除く。)を行うとき。

   (ヘ) 特定目的会社等が貸付債権又は公社債等を担保として公社債等を発行する場合において、当該担保目的の貸付債権又は公社債等を特定目的会社等が譲り受け、又は取得するために行う資金の借入れに係る債務の保証等を行うとき。

  (6) 第二号に掲げる業務(我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進のために行うものを除く。)は、債務の保証等であって次に掲げる資金に係るものに限り、行うことができる。

   (イ) 我が国で生産される製品では十分な代替が困難であって、我が国への輸入が不可欠である航空機その他の製品として主務大臣が定めるものの輸入に必要な資金

   (ロ) 我が国の技術では十分な代替が困難であって、我が国への受入れが不可欠である技術として主務大臣が定めるものの受入れに必要な資金

  (7) 第三号に掲げる業務のうち、我が国の法人等が海外において行う事業に必要な資金を貸し付けるものは、当該法人等に対して直接貸し付ける場合に限り、行うことができる。

  (8) 第三号に掲げる業務(我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進のために行うものを除く。)は、開発途上地域において行われる事業に係るものに限り、行うことができる。

  (9) 第三号に掲げる業務(我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進のために行うものを除く。)のうち、我が国の法人等に対する貸付けは、中小企業者又は中堅企業として主務大臣が定めるものに対するものに限り、行うことができる。

  (10) 第五号に掲げる外国の政府、政府機関又は銀行への貸付けは、国際通貨基金等による経済支援資金の供与が確実と見込まれる場合であって、次のいずれかに該当するときに限り、主務大臣の認可を受けて行うことができる。

   (イ) 国際通貨基金等(公庫を除く。)による経済支援資金の全部又は一部が当該貸付けに係る資金の償還に充てられることにより、当該償還が確保されることとなっている場合

   (ロ) 当該貸付けについて確実な担保を徴する場合

  (11) 第七号に掲げる業務は、第一号から第六号までに掲げる業務の円滑かつ効果的な実施に必要最小限の場合に限り、行うことができる。

  (12) (2)又は(9)の規定にかかわらず、国際金融秩序の混乱により我が国の法人等の輸出又は海外における事業の遂行が著しく困難となった場合において、これに対処するために公庫の業務の特例が必要となった旨を主務大臣が定めたときは、次に掲げる業務の全部又は一部を行うことができる。

   (イ) 第一号に掲げる業務のうち我が国の法人等に対する資金に係るもの

   (ロ) 第三号に掲げる業務のうち、(9)に規定する主務大臣が定めるもの以外のものに対する貸付け

  (13) (8)の規定にかかわらず、開発途上地域以外の地域における事業に関して、我が国の産業の国際競争力の維持又は向上に関する国の施策の推進を図るために特に必要があると認められるときは、政令で定めるところにより、第三号に掲げる業務のうち当該事業に係るものを行うことができる。

別表第四(第十二条関係)

貸付金の種類

利   率

償還期限

据置期間

一 別表第一第八号に掲げる資金

     

 1 農地又は牧野の改良、造成又は復旧に必要な資金

年    七分

二十五年

十年

 2 果樹の植栽に必要な資金

年    八分

二十五年

十年

 3 農業経営の安定に必要な資金であって主務大臣の指定するもの

年    五分

二十年

三年

 4 造林に必要な資金

年    七分

三十五年

二十年

 5 森林の立木の伐採制限に伴い必要な資金

年    五分

三十年

三十年

 6 林道の改良、造成又は復旧に必要な資金

年    八分

二十年

三年

 7 林業経営の維持に必要な資金であって主務大臣の指定するもの

年  五分五厘

二十年

二十年

 8 漁港施設の改良、造成、復旧又は取得に必要な資金

年    七分

二十年

三年

 9 漁船の改造、建造又は取得に必要な資金

年  八分五厘

十八年

三年

 10 漁業経営の安定に必要な資金であって主務大臣の指定するもの

年  五分五厘

二十三年

三年

 11 製塩施設の改良、造成又は取得に必要な資金

年  八分五厘

二十年

五年

 12 農林漁業者の共同利用に供する施設の改良、造成、復旧又は取得に必要な資金

年  八分五厘

三十年

八年

 13 1から12までに掲げるもののほか、農林漁業の持続的かつ健全な発展に必要な施設の改良、造成、復旧又は取得に必要な資金(当該施設の改良、造成、復旧又は取得に関連する資金を含む。)であって主務大臣の指定するもの

年  八分五厘

二十五年

八年

二 別表第一第九号の下欄に掲げる資金

年  八分五厘

二十五年

五年

三 別表第一第十号及び第十一号の下欄に掲げる資金

年  八分五厘

十五年

三年

四 別表第一第十二号の下欄に掲げる資金

年  九分五厘

十五年

三年

五 別表第一第十三号の下欄に掲げる資金

年  八分五厘

十五年

三年

別表第五(第十二条関係)

貸付金の種類

利       率

償還期限

据置期間

一 効率的かつ安定的な農業経営を育成するため、その農業経営を一体として、総合的かつ計画的に農業経営の規模の拡大、生産方式の合理化、経営管理の合理化、農業従事の態様の改善その他の農業経営の改善を図るために必要な次に掲げる資金であって、別表第一第八号の下欄のイからハまで、ト、チ若しくはナに掲げるもの又は果樹若しくは指定永年性植物の植栽若しくは育成若しくは家畜の購入若しくは育成に必要なもの

     

 1 当該資金に係る農業経営の改善が農業経営基盤強化促進法第十二条第一項の認定を受けた農業経営改善計画、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百八十二号)第二条の五の認定を受けた経営改善計画又は果樹農業振興特別措置法(昭和三十六年法律第十五号)第三条第一項の認定を受けた果樹園経営計画に従って図られるものである場合における当該資金

年        三分五厘

二十五年

十年

 2 1に掲げる資金以外のものであって主務大臣の指定するもの

年          五分

(別表第一第八号の下欄のロに掲げる資金については、年三分五厘)

二十五年

  三年

(果樹の植栽又は育成に必要なものについては、十年)

二 林業の構造改善のために必要な事業を一定の区域において総合的かつ計画的に実施するために必要な次に掲げる資金であって、別表第一第八号の下欄のネ又はナに掲げるもののうち主務大臣の指定するもの

     

 1 2に掲げる資金以外のもの

年        三分五厘

(当該資金に係る事業に要する金額が主務大臣の定める額に満たない場合における当該資金については、年五分)

二十年

三年

 2 当該資金に係る事業が国から補助金の交付を受けて行われるものである場合における当該資金

年        六分五厘

(別表第一第八号の下欄のネに掲げる資金については、年七分五厘)

二十年

三年

三 林業経営の改善のためにする森林(森林とする土地を含む。1において同じ。)の取得若しくは森林の保育その他の育林に必要な次に掲げる資金であって主務大臣の指定するもの又は別表第一第八号の下欄のナに掲げる資金であって育林期間中における林業経営の改善のために必要な次に掲げるもののうち主務大臣の指定するもの

     

 1 森林の取得に係るもの

年        三分五厘

(森林施業の実施に関し主務大臣の定める要件に適合する者以外の者に貸し付けられる資金については、年五分)

二十五年

二十五年

 2 森林の保育その他の育林に係るもの

年          五分

二十年

二十年

 3 別表第一第八号の下欄のナに掲げる資金

年        六分五厘

十五年

三年

四 漁業経営の改善及び再建整備に関する特別措置法(昭和五十一年法律第四十三号)第九条各号に規定する資金に該当する次に掲げる資金であって別表第一第八号の下欄のヨ、レ、ソ、ネ又はナに掲げるもののうち主務大臣が指定するもの

     

 1 漁船の改造、建造又は取得に係るもの(3に掲げるものを除く。)

年        三分五厘

十八年

三年

 2 漁船の隻数の縮減、漁業の休業その他の漁業の整備に係るもの

年          五分

十五年

五年

 3 漁業者の共同利用に供する施設の改良、造成又は取得に係るもの

年        六分五厘

十八年

三年

 4 1から3までに掲げるもの以外のもの

年          五分

十八年

三年

五 山村振興法(昭和四十年法律第六十四号)第十七条又は過疎地域自立促進特別措置法(平成十二年法律第十五号)第二十六条に規定する資金に該当する次に掲げる資金であって、別表第一第八号の下欄のヨ、ネ若しくはナに掲げるもの又は果樹の植栽若しくは育成、指定永年性植物の植栽若しくは家畜の購入に必要なもののうち、主務大臣の指定するもの

     

 1 2に掲げる資金以外のもの

年          五分

(据置期間中は、年四分五厘)

二十五年

八年

 2 当該資金に係る事業が国から補助金の交付を受けて行われるものである場合における当該資金

年        六分五厘

(別表第一第八号の下欄のネに掲げる資金については、年七分五厘)

二十五年

八年

(内閣総理・財務・厚生労働・農林水産・経済産業大臣署名)  

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