刑法の一部を改正する法律
法律第百三十八号(平一三・一二・五)
刑法(明治四十年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「・百六十三条」を「・第百六十三条」に、「第二百八条の二」を「第二百八条の三」に改める。
第二百八条の二を第二百八条の三とし、第二百八条の次に次の一条を加える。
(危険運転致死傷)
第二百八条の二 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で四輪以上の自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は十年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで四輪以上の自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。
2 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で四輪以上の自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で四輪以上の自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。
第二百十一条に次の一項を加える。
2 自動車を運転して前項前段の罪を犯した者は、傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行前にした行為の処罰については、なお従前の例による。
(職業安定法等の一部改正)
第三条 次に掲げる法律の規定中「第二百八条の二」を「第二百八条の三」に改める。
一 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十二条第一号
二 建設業法(昭和二十四年法律第百号)第八条第八号
三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第九条第二項第六号ニ
四 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第五条第一項第三号の二、第十八条第一項第五号の二及び第五十二条第七号ハ
五 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第七条第三項第四号ハ
六 積立式宅地建物販売業法(昭和四十六年法律第百十一号)第六条第六号ロ
七 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五十三年法律第四十二号)第二条第一項第一号
八 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第六条第一号
九 有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律(昭和六十一年法律第七十四号)第七条第一項第六号
十 抵当証券業の規制等に関する法律(昭和六十二年法律第百十四号)第六条第一項第六号ニ
十一 港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)第十三条第一号
十二 商品投資に係る事業の規制に関する法律(平成三年法律第六十六号)第六条第一項第四号ニ
十三 特定債権等に係る事業の規制に関する法律(平成四年法律第七十七号)第三十三条第一項第五号ニ
十四 不動産特定共同事業法(平成六年法律第七十七号)第六条第六号ニ
十五 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二十条第四号
十六 特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十七号)附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第八条第一項第三号ニ
十七 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第六十六条第四号
十八 著作権等管理事業法(平成十二年法律第百三十一号)第六条第一項第五号ホ
十九 株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律(平成十三年法律第六十九号)のうち、第二章の改正規定中第三条第一項第三号ヘに係る部分
二十 短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第三条第一項第三号ヘ
(道路交通法の一部改正)
第四条 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)の一部を次のように改正する。
第九十九条の二第四項第二号ニ及び第百八条の四第三項第三号中「第二百十一条」を「第二百八条の二若しくは第二百十一条第一項」に改める。
(内閣総理・法務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・国土交通・環境大臣署名)