予防接種法の一部を改正する法律

法律第百十六号(平一三・一一・七)

 予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。

 第二条第一項中「この法律で」を「この法律において」に、「免疫原」を「ワクチン」に改め、同条第二項各号列記以外の部分を次のように改める。

  その発生及びまん延を予防することを目的として、この法律の定めるところにより予防接種を行う疾病(以下「一類疾病」という。)は、次に掲げるものとする。

 第二条第三項中「この法律で」を「この法律において」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 個人の発病又はその重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資することを目的として、この法律の定めるところにより予防接種を行う疾病(以下「二類疾病」という。)は、インフルエンザとする。

 第三条第一項中「前条第二項各号に掲げる疾病」を「一類疾病及び二類疾病」に改め る。

 第六条第一項中「第二条第二項各号に掲げる疾病」を「一類疾病及び二類疾病」に改める。

 第八条第一項中「第三条第一項又は」を「第三条第一項に規定する予防接種であつて一類疾病に係るもの又は」に、「次項及び第十一条第一項において「定期の予防接種」という。)」を「以下「定期の予防接種」という。)であつて一類疾病に係るもの」に、「次項及び第十一条第一項において「臨時」を「以下「臨時」に改め、同条第二項中「第三条第一項」の下に「に規定する予防接種であつて一類疾病に係るもの」を、「定期の予防接種」の下に「であつて一類疾病に係るもの」を加える。

 第十二条中「前条第一項」を「一類疾病に係る定期の予防接種若しくは臨時の予防接種又は二類疾病に係る臨時の予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について行う前条第一項」に改め、「(以下単に「給付」という。)」を削り、同条に次の一項を加える。

2 二類疾病に係る定期の予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について行う前条第一項の規定による給付は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者に対して行う。

 一 医療費及び医療手当 予防接種を受けたことによる疾病について政令で定める程度の医療を受ける者

 二 障害児養育年金 予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある十八歳未満の者を養育する者

 三 障害年金 予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある十八歳以上の者

 四 遺族年金又は遺族一時金 予防接種を受けたことにより死亡した者の政令で定める遺族

 五 葬祭料 予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者

 第十三条中「給付の額」を「第十一条第一項の規定による給付(以下「給付」という。)の額」に改め、同条に次の一項を加える。

2 前条第二項第一号から第四号までの政令及び同項の規定による給付に係る前項の規定に基づく政令は、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法(昭和五十四年法律第五十五号)第二十七条第一項第一号に規定する救済給付に係る同法第二十八条第一項第一号から第四号までの政令及び同条第三項の規定に基づく政令の規定を参酌して定めるものとする。

 第十八条中「第十二条第一号から第三号まで」を「第十二条第一項第一号から第三号まで又は同条第二項第一号から第三号まで」に改める。

 第二十五条から第二十七条までを削り、第二十四条を第二十五条とし、同条の次に次の二条を加える。

第二十六条及び第二十七条 削除

 第二十三条を第二十四条とする。

 第二十二条第一項中「第二十条第一項」を「第二十一条第一項」に改め、同条を第二十三条とし、第二十一条を第二十二条とし、第二十条を第二十一条とし、第十九条の次に次の一条を加える。

第二十条 厚生労働大臣は、一類疾病及び二類疾病のうち、特に総合的に予防接種を推進する必要があるものとして厚生労働省令で定めるものについて、当該疾病に応じた予防接種の推進を図るための指針(以下この条において「指針」という。)を定めなければならない。

2 指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 当該疾病に係る予防接種の意義、有効性及び安全性に関する事項

 二 当該疾病に係る予防接種に関する啓発及び知識の普及に関する事項

 三 当該疾病に係る予防接種の適正な実施のための方策に関する事項

 四 当該疾病に係る予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保に関する事項

 五 当該疾病に係る予防接種に関する国際的な連携に関する事項

 六 その他当該疾病に係る予防接種の推進に関する重要事項

3 当該疾病について感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律 第百十四号)第十一条第一項の規定により同項に規定する特定感染症予防指針が作成されるときは、指針は、当該特定感染症予防指針と一体のものとして定められなければならな い。

4 厚生労働大臣は、指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (検討)

第二条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、高齢者に係るインフルエンザの流行の状況及び予防接種の接種率の状況、インフルエンザに係る予防接種の有効性に関する調査研究の結果その他この法律による改正後の予防接種法(次条において「新法」という。)の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、インフルエンザに係る定期の予防接種の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

 (インフルエンザに係る定期の予防接種に関する特例)

第三条 新法第三条第一項の規定によりインフルエンザに係る予防接種を行う場合については、当分の間、同項中「当該市町村の区域内に居住する者であつて政令で定めるもの」とあるのは、「当該市町村の区域内に居住する高齢者であつて政令で定めるもの」とする。

2 前項の規定により読み替えられた新法第三条第一項の規定によるインフルエンザに係る予防接種による健康被害の救済に係る給付については、新法第十二条第二項第二号の規定は、適用しない。

 (結核予防法の一部改正)

第四条 結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十一条の二第一項中「第十一条第一項」を「第十二条第一項」に改める。

 (予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律の一部改正)

第五条 予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律(昭和五十一年法律第六十九号)の一 部を次のように改正する。

  附則第三条第一項中「第十一条第一項」を「第十二条第一項」に改め、同条第二項中「第二十条第二項、第二十一条第二項及び第二十二条第二項」を「第二十一条第二項、第二十二条第二項及び第二十三条第二項」に改める。

 (予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律の一部改正)

第六条 予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律(平成六年法律第五十一号)の一部を次のように改正する。

  附則第二条及び第三条を次のように改める。

 第二条及び第三条 削除

  附則第四条中「新予防接種法第十一条第一項」を「予防接種法第十一条第一項」に、「、新予防接種法第八条第一項」を「同法第八条第一項」に、「みなす」を「みなし、同法第十二条第一項の規定の適用については同項に規定する一類疾病に係る定期の予防接種若しくは臨時の予防接種又は同項に規定する二類疾病に係る臨時の予防接種を受けた者とみなす」に改める。

  附則第五条中「新結核予防法第二十一条の二第一項」を「結核予防法第二十一条の二第一項」に、「新結核予防法第十七条第二項」を「同法第十七条第二項」に改める。

(厚生・内閣総理大臣署名) 

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