水道法の一部を改正する法律
法律第百号(平一三・七・四)
水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第六項中「百人をこえる者にその居住に必要な水を供給するもの」を「次の各号のいずれかに該当するもの」に改め、同項に次の各号を加える。
一 百人を超える者にその居住に必要な水を供給するもの
二 その水道施設の一日最大給水量(一日に給水することができる最大の水量をいう。以下同じ。)が政令で定める基準を超えるもの
第八条第一項第五号中「第十四条第四項各号に規定する」を「第十四条第二項各号に掲げる」に改める。
第十条第一項中「変更しようとするとき」の下に「(次の各号のいずれかに該当するときを除く。)」を加え、同項に次の各号を加える。
一 その変更が厚生労働省令で定める軽微なものであるとき。
二 その変更が他の水道事業の全部を譲り受けることに伴うものであるとき。
第十条に次の一項を加える。
3 水道事業者は、第一項各号のいずれかに該当する変更を行うときは、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
第十一条中「事業」を「水道事業」に改め、同条に次のただし書を加える。
ただし、その水道事業の全部を他の水道事業を行う水道事業者に譲り渡すことにより、その水道事業の全部を廃止することとなるときは、この限りでない。
第十一条に次の一項を加える。
2 前項ただし書の場合においては、水道事業者は、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
第十四条第二項及び第三項を削り、同条第四項各号列記以外の部分を次のように改める。
前項の供給規程は、次の各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
第十四条第四項第四号中「差別的取扱」を「差別的取扱い」に改め、同項に次の一号を加える。
五 貯水槽水道(水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。以下この号において同じ。)が設置される場合においては、貯水槽水道に関し、水道事業者及び当該貯水槽水道の設置者の責任に関する事項が、適正かつ明確に定められていること。
第十四条中第四項を第二項とし、第五項を第三項とし、第六項を第四項とし、同条に次の三項を加える。
5 水道事業者が地方公共団体である場合にあつては、供給規程に定められた事項のうち料金を変更したときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
6 水道事業者が地方公共団体以外の者である場合にあつては、供給規程に定められた供給条件を変更しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
7 厚生労働大臣は、前項の認可の申請が第二項各号に掲げる要件に適合していると認めるときは、その認可を与えなければならない。
第十五条第一項中「需用者」を「需要者」に、「申込」を「申込み」に改める。
第二十条第三項ただし書中「当該水質検査を」の下に「、厚生労働省令の定めるところにより、」を加える。
第二十四条の見出し並びに同条第一項及び第二項中「消火せん」を「消火栓」に改め、同条の次に次の二条を加える。
(情報提供)
第二十四条の二 水道事業者は、水道の需要者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、第二十条第一項の規定による水質検査の結果その他水道事業に関する情報を提供しなければならない。
(業務の委託)
第二十四条の三 水道事業者は、政令で定めるところにより、水道の管理に関する技術上の業務の全部又は一部を他の水道事業者若しくは水道用水供給事業者又は当該業務を適正かつ確実に実施することができる者として政令で定める要件に該当するものに委託することができる。
2 水道事業者は、前項の規定により業務を委託したときは、遅滞なく、厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。委託に係る契約が効力を失つたときも、同様とする。
3 第一項の規定により業務の委託を受ける者(以下「水道管理業務受託者」という。)は、水道の管理について技術上の業務を担当させるため、受託水道業務技術管理者一人を置かなければならない。
4 受託水道業務技術管理者は、第一項の規定により委託された業務の範囲内において第十九条第二項各号に掲げる事項に関する事務に従事し、及びこれらの事務に従事する他の職員を監督しなければならない。
5 受託水道業務技術管理者は、政令で定める資格を有する者でなければならない。
6 第一項の規定により水道の管理に関する技術上の業務を委託する場合においては、当該委託された業務の範囲内において、水道管理業務受託者を水道事業者と、受託水道業務技術管理者を水道技術管理者とみなして、第十三条第一項(水質検査及び施設検査の実施に係る部分に限る。)及び第二項、第十七条、第二十条から第二十二条まで、第二十三条第一項、第三十六条第二項並びに第三十九条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、当該委託された業務の範囲内において、水道事業者及び水道技術管理者については、これらの規定は、適用しない。
7 第一項の規定により水道の管理に関する技術上の業務を委託する場合においては、当該委託された業務の範囲内において、水道技術管理者については第十九条第二項の規定は適用せず、受託水道業務技術管理者が同項各号に掲げる事項に関するすべての事務に従事し、及びこれらの事務に従事する他の職員を監督する場合においては、水道事業者については、同条第一項の規定は、適用しない。
第二十五条第二項中「前条第一項」を「第二十四条第一項」に、「消火せん」を「消火栓」に改める。
第三十条第一項中「変更しようとするとき」の下に「(次の各号のいずれかに該当するときを除く。)」を加え、同項に次の各号を加える。
一 その変更が厚生労働省令で定める軽微なものであるとき。
二 その変更が他の水道用水供給事業の全部を譲り受けることに伴うものであるとき。
第三十条に次の一項を加える。
3 水道用水供給事業者は、第一項各号のいずれかに該当する変更を行うときは、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
第三十一条を次のように改める。
(準用)
第三十一条 第十一条から第十三条まで、第十五条第二項、第十九条から第二十三条まで、第二十四条の二及び第二十四条の三の規定は、水道用水供給事業者について準用する。この場合において、第十一条第一項中「水道事業」とあるのは「水道用水供給事業」と、「水道事業者」とあるのは「水道用水供給事業者」と、第十五条第二項中「常時」とあるのは「給水契約の定めるところにより」と、「関係者に周知させる」とあるのは「水道用水の供給を受ける水道事業者に通知する」と、第二十三条第一項中「関係者に周知させる」とあるのは「水道用水の供給を受ける水道事業者に通知する」と、第二十四条の二中「水道の需要者」とあるのは「水道用水の供給を受ける水道の需要者」と、「第二十条第一項」とあるのは「第三十一条において準用する第二十条第一項」と、「水道事業」とあるのは「水道用水供給事業」と、第二十四条の三第四項中「第十九条第二項各号」とあるのは「第三十一条において準用する第十九条第二項各号」と、同条第六項中「第十三条第一項」とあるのは「第三十一条において準用する第十三条第一項」と、「第十七条、第二十条から第二十二条まで、第二十三条第一項、第三十六条第二項並びに第三十九条」とあるのは「第二十条から第二十二条まで並びに第二十三条第一項並びに第三十六条第二項及び第三十九条」と、同条第七項中「第十九条第二項」とあるのは「第三十一条において準用する第十九条第二項」と、「同条第一項」とあるのは「第三十一条において準用する第十九条第一項」と読み替えるほか、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三十四条の見出しを「(準用)」に改め、同条第一項を次のように改める。
第十三条、第十九条から第二十三条まで及び第二十四条の三の規定は、専用水道の設置者について準用する。この場合において、第十三条第一項及び第二十四条の三第二項中「厚生労働大臣」とあるのは「都道府県知事」と、同条第四項中「第十九条第二項各号」とあるのは「第三十四条第一項において準用する第十九条第二項各号」と、同条第六項中「第十三条第一項」とあるのは「第三十四条第一項において準用する第十三条第一項」と、「第十七条、第二十条から第二十二条まで、第二十三条第一項、第三十六条第二項並びに第三十九条」とあるのは「第二十条から第二十二条まで並びに第二十三条第一項並びに第三十六条第二項及び第三十九条」と、同条第七項中「第十九条第二項」とあるのは「第三十四条第一項において準用する第十九条第二項」と、「同条第一項」とあるのは「第三十四条第一項において準用する第十九条第一項」と読み替えるほか、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三十五条第三項中「地方公共団体たる」を「地方公共団体である」に改める。
第四十六条第二項及び第四十八条の二第一項中「第十三条第一項」の下に「及び第二十四条の三第二項」を加える。
第五十条第四項中「第十三条第一項及び」の下に「第二十四条の三第二項並びに」を加える。
第五十二条中「一に」を「いずれかに」に改める。
第五十三条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第二号中「第十一条」を「第十一条第一項」に改め、同条中第八号を第十号とし、第七号を第九号とし、第六号を第八号とし、第五号の次に次の二号を加える。
六 第二十四条の三第一項(第三十一条及び第三十四条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、業務を委託した者
七 第二十四条の三第三項(第三十一条及び第三十四条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
第五十四条中「一に」を「いずれかに」に改める。
第五十五条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第一号中「第十四条第三項」を「第十四条第六項」に改め、同条中第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 第十条第三項、第十一条第二項(第三十一条において準用する場合を含む。)、第二十四条の三第二項(第三十一条及び第三十四条第一項において準用する場合を含む。)又は第三十条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第五十五条の二中「一に」を「いずれかに」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(専用水道に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正後の水道法(以下「新法」という。)第三条第六項の規定により新たに専用水道となるもの(以下この条において「新規専用水道」という。)を設置している者は、この法律の施行後六月以内に、都道府県知事に、水道施設の概要その他厚生労働省令で定める事項を届け出なければならない。
2 前項の規定に違反して、同項に規定する事項を届け出ず、又は虚偽の届出をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。
4 第一項の届出をした者は、当該届出に係る事項について、新法第三十二条の確認を受けたものとみなす。
5 この法律の施行の際現に新規専用水道において新法第十九条第二項各号に掲げる事項に関する事務に従事し、又はその事務に従事する他の職員を監督している者については、この法律の施行後三年間は、当該新規専用水道について、新法第三十四条第一項において準用する新法第十九条第三項の規定は、適用しない。
6 新規専用水道については、この法律の施行後一年間は、新法第五条の規定は、適用しない。
(供給規程に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に水道事業を経営している地方公共団体の新法第十四条第一項に規定する供給規程が、この法律の施行の日において同条第二項第五号に掲げる要件に適合していないときは、当該地方公共団体は、この法律の施行後一年以内に当該供給規程の変更を行い、厚生労働大臣に届け出なければならない。
2 この法律の施行の際現に水道事業を経営している地方公共団体以外の者の新法第十四条第一項に規定する供給規程が、この法律の施行の日において同条第二項第五号に掲げる要件に適合していないときは、その者は、この法律の施行後一年以内に当該供給規程の変更を行い、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
(罰則に関する経過措置)
第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(厚生労働・内閣総理大臣臨時代理署名)