海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律
法律第六十四号(平一二・五・一七)
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「油濁防止緊急措置手引書」を「海洋汚染防止緊急措置手引書等」に改める。
第七条第二項中「油濁防止規程」の下に「(以下「油濁防止規程」という。)」を加える。
第七条の二第三項中「第三章の二」を「第九条の四第七項及び第十七条の二」に改める。
第九条の四第二項中「前項の」を「有害液体物質を輸送する」に、「有害液体汚染防止管理者の業務」を「有害液体物質の不適正な排出の防止に関する業務の管理」に、「排出に関する作業の要領」を「取扱いに関する作業を行う者が遵守すべき事項」に改め、「防止に関する事項」の下に「(第六項に規定する事項を除く。)」を加え、同条第四項中「前三項」を「前各項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項に後段として次のように加える。
この場合において、第七条第二項中「前項の油濁防止規程(以下「油濁防止規程」という。)」とあるのは、「第九条の四第二項の有害液体汚染防止規程(同条第三項の海洋汚染防止規程が定められた場合にあつては、海洋汚染防止規程(同条第二項に規定する事項に係る部分に限る。))」と読み替えるものとする。
第九条の四第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 船舶所有者は、第七条第一項の国土交通省令で定める船舶であり、かつ、前項の国土交通省令で定める船舶であるものについて、油濁防止規程及び同項の有害液体汚染防止規程の作成及び備置き又は掲示に代えて、国土交通省令で定めるところにより、同条第一項及び前項に規定する事項について、海洋汚染防止規程を定め、これを当該船舶内に備え置き、又は掲示しておくことができる。この場合における同条第二項の規定の適用については、同項中「前項の油濁防止規程(以下「油濁防止規程」という。)」とあるのは、「第九条の四第三項の海洋汚染防止規程(前項に規定する事項に係る部分に限る。)」とする。
第九条の四に次の四項を加える。
6 船舶所有者は、有害液体物質を輸送する国土交通省令で定める船舶ごとに、当該船舶から有害液体物質の不適正な排出があり、又は排出のおそれがある場合において当該船舶内にある者が直ちにとるべき措置に関する事項について、有害液体汚染防止緊急措置手引書を作成し、これを当該船舶内に備え置き、又は掲示しておかなければならない。
7 船舶所有者は、第七条の二第一項の国土交通省令で定める船舶であり、かつ、前項の国土交通省令で定める船舶であるものについて、油濁防止緊急措置手引書及び同項の有害液体汚染防止緊急措置手引書(以下「有害液体汚染防止緊急措置手引書」という。)の作成及び備置き又は掲示に代えて、同条第一項及び前項に規定する事項について、海洋汚染防止緊急措置手引書を作成し、これを当該船舶内に備え置き、又は掲示しておくことができる。この場合における同条第三項の規定の適用については、同項中「第一項の油濁防止緊急措置手引書(第九条の四第七項及び第十七条の二において「油濁防止緊急措置手引書」という。)」とあるのは、「第九条の四第七項の海洋汚染防止緊急措置手引書(第一項に規定する事項に係る部分に限る。)」とする。
8 有害液体汚染防止管理者(有害液体汚染防止管理者が選任されていない船舶にあつては、船長。以下同じ。)は、有害液体汚染防止緊急措置手引書(前項の海洋汚染防止緊急措置手引書(以下「海洋汚染防止緊急措置手引書」という。)が作成された場合にあつては、海洋汚染防止緊急措置手引書(第六項に規定する事項に係る部分に限る。))に定められた事項を、当該船舶の乗組員及び乗組員以外の者で当該船舶に係る業務を行う者のうち有害液体物質の取扱いに関する作業を行うものに周知させなければならない。
9 第七条の二第二項の規定は、有害液体汚染防止緊急措置手引書及び海洋汚染防止緊急措置手引書について準用する。
第九条の五第二項中「(有害液体汚染防止管理者が選任されていない船舶にあつては、船長)」を削る。
第三章の二の章名中「油濁防止緊急措置手引書」を「海洋汚染防止緊急措置手引書等」に改める。
第十七条の二中「油濁防止緊急措置手引書を」を「油濁防止緊急措置手引書又は有害液体汚染防止緊急措置手引書を」に、「油濁防止緊急措置手引書が第七条の二第二項」を「油濁防止緊急措置手引書、有害液体汚染防止緊急措置手引書又は海洋汚染防止緊急措置手引書(以下「海洋汚染防止緊急措置手引書等」という。)が第七条の二第二項(第九条の四第九項において準用する場合を含む。次条において同じ。)」に、「油濁防止緊急措置手引書に」を「海洋汚染防止緊急措置手引書等に」に改める。
第十七条の三から第十七条の七までの規定中「油濁防止緊急措置手引書」を「海洋汚染防止緊急措置手引書等」に改める。
第十七条の十二第一項及び第二項中「油濁防止緊急措置手引書」を「海洋汚染防止緊急措置手引書等」に改め、同条第三項中「同法第七条の二第一項ノ油濁防止緊急措置手引書ニ付キ」を「海洋汚染防止緊急措置手引書等ニ付」に改める。
第十七条の十四及び第十七条の十七から第十七条の二十までの規定中「油濁防止緊急措置手引書」を「海洋汚染防止緊急措置手引書等」に改める。
第四十二条の四十三の見出しを「(財務諸表等)」に改め、同条第三項中「受けた」の下に「ときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、」を加え、「及び決算報告書を」を「、決算報告書及び監事の意見書を、」に、「備えて置かなければ」を「備えて置き、運輸省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければ」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書により国際海事機関が平成十一年七月一日に採択した千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約附属書Uの改正が日本国について効力を生ずる日から起算して二年を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 第四十二条の四十三の改正規定及び附則第四条から第七条までの規定 公布の日
二 第十七条の十二第一項の改正規定及び次条の規定 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前の政令で定める日
(経過措置)
第二条 運輸大臣又は船級協会(この法律による改正後の海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「新法」という。)第十七条の十二第一項の規定により新法第九条の四第六項の有害液体汚染防止緊急措置手引書又は同条第七項の海洋汚染防止緊急措置手引書(以下「有害液体汚染防止緊急措置手引書等」という。)についての検査を行う者として認定を受けた法人をいう。以下同じ。)は、施行日前においても、有害液体汚染防止緊急措置手引書等について、新法第十七条の二又は第十七条の十二第二項に規定する検査に相当する検査を行うことができる。
2 運輸大臣又は船級協会が前項の検査の結果当該有害液体汚染防止緊急措置手引書等について運輸省令で定める新法第九条の四第九項において準用する新法第七条の二第二項に規定する技術上の基準に相当する基準に適合すると認めたときは、運輸大臣は、有害液体汚染防止緊急措置手引書等に係る新法第十七条の三第一項の海洋汚染防止証書に相当する証書を交付しなければならない。
3 前項の規定により交付した証書は、その交付後施行日までの間に運輸省令で定める事由が生じたときを除き、施行日以後は、有害液体汚染防止緊急措置手引書等に係る新法第十七条の三第一項の規定により交付した海洋汚染防止証書とみなす。この場合において、当該証書の有効期間の起算日は、前項の規定によりその交付をした日とする。
4 次に掲げる者(国を除く。)は、実費を勘案して運輸省令で定める額の手数料を収入印紙をもって国に納付しなければならない。
一 第一項の運輸大臣の検査を受けようとする者
二 第二項の海洋汚染防止証書に相当する証書の交付を受けようとする者(船級協会が第一項に規定する検査を行った船舶に係る当該証書の交付を受けようとする者に限る。)
三 第二項の海洋汚染防止証書に相当する証書の再交付又は書換えを受けようとする者
5 偽りその他不正の行為により第二項の海洋汚染防止証書に相当する証書の交付を受けた者は、二百万円以下の罰金に処する。
6 船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第八条第二項及び第二十四条ノ二の規定は船級協会の第一項に規定する検査の業務に関する監督について、同法第二十三条及び第二十四条の規定は船級協会の同項に規定する検査の業務に従事する役員又は職員について準用する。この場合において、同法第二十三条第一項中「第八条第一項ニ掲グル船舶ニ付第二条第一項各号ニ掲グル事項又ハ満載喫水線ニ関スル検査(第八条第一項ノ命令ヲ以テ定ムルモノヲ除ク)」とあり、及び同法第二十四条第一項中「前条ニ掲グル検査」とあるのは、「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(平成十二年法律第六十四号)(以下改正法ト称ス)ニ依ル改正後ノ海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律第九条の四第六項ノ有害液体汚染防止緊急措置手引書又ハ同条第七項ノ海洋汚染防止緊急措置手引書ニ付改正法附則第二条第一項ニ規定スル検査」と読み替えるものとする。
第三条 施行日前に建造された船舶についての新法第十七条の二(有害液体汚染防止緊急措置手引書及び海洋汚染防止緊急措置手引書に係る部分に限る。)の規定の適用については、同条中「初めて」とあるのは、「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(平成十二年法律第六十四号)の施行の日以後初めて」とする。
第四条 新法第四十二条の四十三第三項の規定は、平成十一年四月一日に始まる事業年度に係る同項に規定する書類から適用する。
(政令への委任)
第五条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定めることができる。
(中央省庁等改革関係法施行法の一部改正)
第六条 中央省庁等改革関係法施行法(平成十一年法律第百六十号)の一部を次のように改正する。
第千百八十四条の次に次の一条を加える。
(海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
第千百八十四条の二 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(平成十二年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。
附則第二条中「運輸大臣」を「国土交通大臣」に、「運輸省令」及び「命令」を「国土交通省令」に改める。
(独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律の整備等に関する法律の一部改正)
第七条 独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律の整備等に関する法律(平成十一年法律第二百二十号)の一部を次のように改正する。
第三十八条の次に次の一条を加える。
(海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
第三十八条の二 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(平成十二年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。
附則第二条第四項中「国を」を「国及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人であって当該独立行政法人の業務の内容その他の事情を勘案して政令で定めるものに限る。)を」に改める。
(運輸・内閣総理大臣署名)