郵便法の一部を改正する法律

法律第五十一号(昭六三・五・二〇)

 郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

 第十三条第二項中「外国郵便」を「国際郵便」に改める。

 第十九条の二の見出しを「(郵便葉書の無償交付等)」に改め、同条第一項中「ときは」の下に「、省令の定めるところにより」を、「除く」の下に「。以下この項において同じ」を加え、「、省令の定めるところにより、」を削り、「ついた」を「付いた」に、「交付する」を「交付し、又は当該災害地の被災者が差し出す郵便物の料金(特殊取扱の料金を含む。)を免除する」に改め、同条第二項中「省令」の下に「(郵便葉書及び郵便書簡の無償交付に係る部分に限る。)」を加える。

 第十九条の三の見出し中「小包郵便物」を「救助用の郵便物」に改め、同条中「行なう」を「行う」に、「又は日本赤十字社にあてた救助用物資」を「、日本赤十字社その他省令で定める法人又は団体にあてた救助用の物」に、「小包郵便物の料金」を「郵便物の料金(特殊取扱の料金を含む。)」に改める。

 第二十七条中「定形郵便物にあつては重量二十五グラムまでのもの五十円、重量二十五グラムを超え五十グラムまでのもの六十円とし、定形外郵便物にあつては重量五十グラムまでのもの百円、重量五十グラムを超え百グラムまでのもの百四十円とする」を「郵政大臣が審議会に諮問した上、省令で定める。この場合において、その額は、同一重量の定形郵便物又は定形外郵便物についてこれらの規定に定める額より低いものでなければならない」に改め、第二号を削り、同条第三号中「前二号」を「前号」に改め、同号を同条第二号とする。

 第二十七条の三の次に次の四条を加える。

第二十七条の四 (第一種郵便物等の料金の決定の特例) 郵政大臣は、第二十一条第二項から第四項まで及び第二十二条第二項の規定にかかわらず、郵政事業特別会計の一の会計年度の郵便事業の損益計算において、欠損が生じたとき又は欠損が生ずることが確実であると認められるときとして政令で定めるときで、かつ、当該会計年度において、政令で定める額を超える郵便事業に係る累積欠損金が生じたとき又は当該累積欠損金が生ずることが確実であると認められるときとして政令で定めるときに限り、第一種郵便物(市内特別郵便物を除く。)及び第二種郵便物の全部又は一部について、当該会計年度又はその翌年度において、審議会に諮問した上、省令で、これらの規定に定める額を超える額の料金(次項において「特例引上げ料金」という。)を定めることができる。

  前項の規定は、特例引上げ料金の額を超える額の料金を定める場合について準用する。

  第一項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の郵便事業の損益計算は、郵便事業(郵政省設置法(昭和二十三年法律第二百四十四号)第三条第一項第一号に掲げる事業、これに係る同条第二項第一号に掲げる業務、同項第二号に掲げる業務(日本電信電話株式会社及び日本放送協会から委託された業務に限る。)及び同項第四号に掲げる業務をいう。以下この項及び次項において同じ。)に係る同法第四条第二十三号の事業別分計に基づいて政令で定めるところにより行い、第一項の郵便事業に係る累積欠損金は、昭和四十九年度以後の各年度におけるその郵便事業の損益計算による利益金又は欠損金の累計により計算するものとする。

  郵政大臣は、前項の規定により計算した郵便事業の損益計算及び郵便事業に係る累積欠損金(当該会計年度において累積欠損金が生じない場合は、累積利益金)について、その計算後、速やかに、内閣を経て国会に報告するものとする。

第二十七条の五 郵政大臣は、前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により第一種郵便物(市内特別郵便物を除く。次条及び第二十七条の七において同じ。)及び第二種郵便物の全部又は一部について料金を定めるときは、定形郵便物及び郵便書簡、定形外郵便物又は第二種郵便物(以下この条において「定形郵便物等」という。)の料金の改定率がそれぞれ物価等変動率を超えないように、これを定めなければならない。

  前項に規定する改定率とは、その定められる新たな料金の実施の日の属する会計年度(以下この項及び次項において「実施年度」という。)の前年度の末日において実施されている定形郵便物等の料金に対する実施年度の末日において実施される定形郵便物等の料金の割合をいう。

  第一項の物価等変動率とは、実施年度の前年度の末日において実施されている定形郵便物等の料金が実施された日の属する会計年度以後の経過年数並びに政令で定める卸売物価指数、消費者物価指数及び賃金指数に基づき政令で定める算式により算定される率をいう。

  第一項の場合において、郵便書簡の料金の額は、重量二十五グラムまでの定形郵便物の料金の額より低いものとなるようにしなければならない。

第二十七条の六 郵政大臣は、第二十一条第二項から第四項まで及び第二十二条第二項の規定にかかわらず、第一種郵便物及び第二種郵便物の全部又は一部について、郵便の事業から生ずる収入を減少させないことが確実と見込まれる範囲内において、審議会に諮問した上、省令で、これらの規定に定める額を下回る額の料金(次項において「特例引下げ料金」という。)を定めることができる。

  前項の規定は、特例引下げ料金の額を下回る額の料金を定める場合について準用する。

  前条第四項の規定は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の場合について準用する。

  郵政大臣は、第一項(第二項において準用する場合を含む。)の省令を定めようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。

第二十七条の七 第二十七条の四第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により第一種郵便物及び第二種郵便物の料金が定められている間は、第二十三条第四項中「第一種郵便物の第二十一条第二項及び第三項に規定する料金の額」とあるのは「第二十七条の四第一項(同条第二項において準用する場合を含む。第二十六条から第二十七条の二まで及び第二十七条の六において同じ。)又は第二十七条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。第二十六条から第二十七条の四までにおいて同じ。)の規定により定められた第一種郵便物(郵便書簡を除く。)の料金の額」と、第二十六条第二項中「第一種郵便物の第二十一条第二項及び第三項に規定する料金の額」とあるのは「第二十七条の四第一項又は第二十七条の六第一項の規定により定められた第一種郵便物(郵便書簡を除く。)の料金の額」と、第二十七条中「第二十一条第二項及び第三項」とあるのは「第二十七条の四第一項又は第二十七条の六第一項」と、「これらの規定に定める額」とあるのは「これらの規定により定められた額」と、第二十七条の二中「第二十一条第二項又は第三項」とあるのは「第二十七条の四第一項又は第二十七条の六第一項」と、「これらの規定に定める額」とあるのは「これらの規定により定められた額」と、第二十七条の三第一項中「第二十一条第二項若しくは第三項の規定により算出された当該第一種郵便物の料金の額又は第二十二条第二項に規定する当該第二種郵便物の料金の額」とあるのは「次条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)又は第二十七条の六第一項の規定により定められた当該第一種郵便物又は当該第二種郵便物の料金の額」と、同条第三項中「第二十一条第二項若しくは第三項又は第二十二条第二項の規定による当該広告郵便物の料金の額」とあるのは「次条第一項又は第二十七条の六第一項の規定により定められた当該広告郵便物の料金の額」と、第二十七条の四第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)中「第二十一条第二項から第四項まで及び第二十二条第二項」とあるのは「第二十七条の六第一項」と、「これらの規定に定める額」とあるのは「同項の規定により定められた額」と、前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)中「第二十一条第二項から第四項まで及び第二十二条第二項」とあるのは「第二十七条の四第一項」と、「これらの規定に定める額」とあるのは「同項の規定により定められた額」とする。

 第三十三条の見出し中「販売」を「販売等」に改め、同条中「証票」の下に「(以下この条において「切手類」という。)」を加え、同条に次の二項を加える。

  郵政省は、郵便切手を保存用の冊子に収めた物その他切手類に関し周知し、又は啓発を図るための物(次項において「郵便切手帳等」という。)を、実費により販売することができる。

  郵政大臣は、省令の定めるところにより、一定の金額が電磁的方式によつて記録されるカードであつて、切手類、郵便切手帳等及び郵政省が販売する封筒その他郵便の利用上必要な物のうちその販売額がその給付を受けようとする時において当該カードに記録されている金額を超えないものの給付を受けることができるものを発行し、郵政省及び第一項に規定する販売者において、これを販売することができる。

 第五十一条中「特殊取扱い」を「特殊取扱」に改め、「に省令で定める額の手数料を加算した額の料金」を削る。

 第五十三条第一号中「に省令で定める額の手数料を加算した額」を削る。

 第九十三条から第九十五条までを削る。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、昭和六十三年七月一日から施行する。ただし、第二十七条の三の次に四条を加える改正規定及び第九十三条から第九十五条までを削る改正規定並びに次項の規定は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

2 昭和六十二年度及び昭和六十三年度における郵便事業の損益計算についての改正後の第二十七条の四第三項の規定の適用については、同項中「日本電信電話株式会社及び日本放送協会」とあるのは、「日本放送協会」とする。

3 この法律の施行前に差し出された郵便物については、なお従前の例による。

 (郵便切手類販売所等に関する法律の一部改正)

4 郵便切手類販売所等に関する法律(昭和二十四年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「証票」の下に「、郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第三十三条第二項に規定する郵便切手帳等、同条第三項に規定するカード」を加える。

 (郵政省設置法の一部改正)

5 郵政省設置法(昭和二十三年法律第二百四十四号)の一部を次のように改正する。

  第五条第十七号中「外国郵便」を「国際郵便」に改める。

(郵政・内閣総理大臣署名) 

法令一覧(年度別)に戻る