住居表示に関する法律の一部を改正する法律

法律第百三十三号(昭和四二・八・一〇)

 住居表示に関する法律(昭和三十七年法律第百十九号)の一部を次のように改正する。

 第五条を次のように改める。

 (町又は字の区域の合理化等)

第五条 街区方式によつて住居を表示しようとする場合において、街区方式によることが不合理な町又は字の区域があるときは、できるだけその区域を合理的なものにするように努めなければならない。この場合において、町又は字の名称をあらたに定めるときは、できるだけ従来の名称に準拠するとともに、読みやすく、かつ、簡明なものにしなければならない。

 第五条の次に次の一条を加える。

 (町又は字の区域の新設等の手続の特例)

第五条の二 市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)は、第二条に規定する方法による住居表示の実施のため、地方自治法第二百六十条第一項の規定により町若しくは字の区域の新設若しくは廃止又は町若しくは字の区域若しくはその名称の変更(以下「町又は字の区域の新設等」という。)について議会の議決を経ようとするときは、あらかじめ、その案を公示しなければならない。

2 前項の規定により公示された案に係る町又は字の区域内に住所を有する者で市町村の議会の議員及び長の選挙権を有するものは、その案に異議があるときは、政令の定めるところにより、市町村長に対し、前項の公示の日から三十日を経過する日までに、その五十人以上の連署をもつて、理由を附して、その案に対する変更の請求をすることができる。

3 市町村長は、前項の期間が経過するまでの間は、住居表示の実施のための町又は字の区域の新設等の処分に関する議案を議会に提出することができない。

4 第二項の変更の請求があつたときは、市町村長は、直ちに当該変更の請求の要旨を公表しなければならない。

5 市町村長は、第二項の変更の請求があつた場合において、当該変更の請求に係る町又は字の区域の新設等の処分に関する議案を議会に提出するときは、当該変更の請求書を添えてしなければならない。

6 市町村の議会は、第二項の変更の請求に係る町又は字の区域の新設等の処分に関する議案については、あらかじめ、公聴会を開き、当該処分に係る町又は字の区域内に住所を有する者から意見をきいた後でなければ、当該議案の議決をすることができない。

7 市町村の議会は、第二項の変更の請求に係る町又は字の区域の新設等の処分に関する議案について、修正してこれを議決することを妨げない。

8 第二項の市町村の議会の議員及び長の選挙権を有する者とは、第一項の公示の日において選挙人名簿に登録されている者をいう。

 第七条中「住居表示の実施」の下に「並びに第四条の規定による街区符号、道路の名称又は住居番号の設定、変更又は廃止」を加える。

 第十条第二項中「第五条」の下に「、第五条の二」を加え、同条に次の一項を加える。

3 自治大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、報告を求め、又は援助若しくは助言をすることができる。

 本則中第十二条の次に次の一条を加える。

 (政令への委任)

第十三条 この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

 附則第二項を次のように改める。

 (住居表示の実施に関する経過規定)

2 市町村は、従前のならわしによる住居の表示が住民の日常生活に不便を与えている市街地である区域について、すみやかにこの法律の規定による住居表示を実施するように努めなければならない。


   附 則


 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。


 (適用区分)

2 この法律による改正後の住居表示に関する法律(以下「新法」という。)第五条の二の規定は、この法律の施行の際すでに議案を議会に提出してある町又は字の区域の新設等に関する処分については、適用しない。


 (町又は字の区域の新設等の処分に関する経過規定)

3 都道府県知事は、この法律による改正前の住居表示に関する法律により住居表示の実施のために行なわれた町又は字の区域の新設等に関する処分で地方自治法第二百六十条第二項の規定による告示がなされたものについて、新法第五条の規定又は同法第十二条の規定により自治大臣が定めた技術的基準に適合していないものがあると認めるときは、当該告示がなされた日(当該告示がこの法律施行の日前になされた場合にあつては、この法律施行の日)から六月以内に、市町村長に対し、当該処分の是正のために必要な措置を講ずべきことを求めることができる。

4 前項の求めに係る町又は字の区域の新設等の処分に関する市町村の議会の議決については、新法第五条の二第六項の規定を準用する。

(自治・内閣総理大臣署名)

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