住民登録法施行法

法律第百六号(昭二七・四・二八)

 (目的)

第一条 この法律は、住民登録法(昭和二十六年法律第二百十八号。以下「法」という。)施行の際現に市町村の区域内に住所を有する者について法の規定によりなすべき最初の登録に関し、必要な事項を定め、その完全な実施を図ることを目的とする。

 (住民票の作製)

第二条 市町村は、法施行の際現にその区域内に住所を有する者について、遅滞なく住民票を作製しなければならない。

2 前項の住民票には、法第四条第一号から第七号までに掲げる事項を、法施行の日の午前零時現在の事実に基いて記載しなければならない。

 (届出)

第三条 法施行の際現に市町村の区域内に住所を有する者については、法施行の日から五日内に、前条第二項の規定により記載すべき事項を届け出なければならない。

2 前項の届出については、法第十九条から第二十一条までの規定を準用する。

 (調査)

第四条 市町村は、届出の励行を図り、且つ、住民票の記載の正確を期するため、法施行の際現にその区域内に住所を有する者について、第二条第二項の規定により記載すべき事項を各世帯に就き調査する。

 (市町村相互の通知)

第五条 住所地の市町村は、住民票を作製したときは、遅滞なくその記載事項(法第四条第四号に掲げる事項を除く。)を本籍地の市町村に通知しなければならない。

2 前項の通知を受けた市町村は、遅滞なく、通知を受けた事項と戸籍の記載とを照合し、その結果を住所地の市町村に通知しなければならない。

 (附票の作製)

第六条 市町村は、法施行の際現にその区域内に本籍を有する者について、遅滞なく戸籍の附票を作製しなければならない。

 (調査員)

第七条 市町村は、最初の登録の正確な実施を図るため、政令で定めるところにより、調査員を置かなければならない。

2 調査員は、市町村長の指揮を受けて、第四条の調査及び住民票の記載その他これらに附帯する事務を行う。

3 調査員は、市町村の事務所外で前項の調査を行うときは、その身分を示す証票を携帯し、関係人に呈示しなければならない。

 (罰則)

第八条 正当な理由がなくて期間内にすべき届出をしない者は、五百円以下の過料に処する。

2 過料の裁判は、簡易裁判所がする。

 (政令への委任)

第九条 この法律に定めるものの外、この法律によつて行うべき登録事務の処理に関し必要な事項は、政令で定める。

附 則

1 この法律は、法施行の日から施行する。但し、この法律の施行準備のために必要な事項は、施行期日前に行うことができる。

2 寄留法(大正三年法律第二十七号)は、廃止する。

3 この法律の施行前にした寄留法に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

4 前項に規定するものの外、寄留法の廃止に伴う必要な経過規定は、政令で定める。

5 法務府設置法(昭和二十二年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。

第一条第三項中「戸籍、」の下に「住民登録、」を加える。

第八条第三項第三号を同項第四号とし、以下一号ずつ繰り下げ、同項第二号の次に次の一号を加える。

三 住民登録に関する事項

第十三条の二第一項中「第一号乃至第七号」を「第一号乃至第八号」に改める。

6 戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の一部を次のように改正する。

第二十五条第二項中「その寄留地又は」を削る。

第二十九条第三号及び第四号中「所在」を「住所」に改める。

第三十条第二項中「及び出生の年月日」を「、出生の年月日及び住所」に改める。

第三十三条中「所在」を「住所」に改める。

7 民事訴訟法(明治二十三年法律第二十九号)の一部を次のように改正する。

第六条を次のように改める。

第六条 削除

第二十一条中「第一条乃至前条」を「第一条乃至第五条又ハ第七条乃至前条」に改める。

第二十七条中「第五条乃至第二十一条」を「第五条、第七条乃至第二十一条」に改める。

8 沖縄関係事務整理に伴う戸籍、恩給等の特別措置に関する政令(昭和二十三年政令第三百六号)の一部を次のように改正する。

第一条第一項中「寄留事務」を「住民登録事務」に、「管掌すべきものは」を「管掌し、又は管理すべきものは」に、「管掌する」を「管掌し、又は管理する」に、同条第三項中「寄留事務」を「住民登録事務」に改め、同条第五項中「及び寄留手続令(大正三年勅令第二百二十六号)」を削る。

9 地方財政平衡交付金法(昭和二十五年法律第二百十一号)の一部を次のように改正する。

第十二条第一項の表市町村の項中「2 戸籍事務費|本籍人口」を「2 戸籍住民登録費|本籍人口及び世帯数」に改める。

(内閣総理大臣・法務総裁署名) 

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