地方行政調査委員会議設置法
法律第二百八十一号(昭二四・一二・二四)
(この法律の目的)
第一条 この法律は、地方行政調査委員会議の所掌事務の範囲、権限及び組織を明確に定めることを目的とする。
(設置)
第二条 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条第一項の規定に基いて、臨時に、総理府の機関として、地方行政調査委員会議(以下「会議」という。)を設置する。
(所掌事務の範囲及び権限)
第三条 会議は、地方自治を充実強化して国政の民主化を推進するため、地方自治を基底とする市町村、都道府県及び国相互間の事務の配分の調整等に関する計画につき調査立案し、その結果を内閣及び内閣を経由して国会に勧告する。
2 前項の計画は、左に掲げる事項に関するものとする。
一 市町村、都道府県及び国相互間の事務の配分の調整
二 地方公共団体の機関に委任して行う事務の調整
三 前二号に掲げる調整に照応する国庫補助金等に関する制度の改正
四 前三号に掲げるものを除く外、市町村、都道府県及び国相互間の事務の配分の調整に伴い必要な事項
(法律案の提出)
第四条 内閣は、前条の計画に関する法律案の国会提出等に関しては、会議の勧告を尊重しなければならない。
(組織)
第五条 会議は、内閣総理大臣が両議院の同意を経て任命する委員五人をもつて組織する。
2 前項の委員のうちには、左に掲げる者を含まなければならない。
一 全国の都道府県知事の連合組織の代表者が推薦した者 一人
二 全国の市長の連合組織の代表者が推薦した者 一人
三 全国の町村長の連合組織の代表者が推薦した者 一人
(議長)
第六条 会議に、議長を置く。
2 議長は、委員のうちから互選する。議長に事故があるときは、議長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。
3 議長は、会務を総理し、及び会議を代表する。
(議事の運営)
第七条 会議は、委員四人以上が出席しなければ、開くことができない。
2 会議の議事は、出席委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
3 前二項に規定するものを除く外、会議の運営に関し必要な事項は、会議が定める。
(参考人の出頭等)
第八条 会議は、第三条の計画の調査立案に関し必要があるときは、参考人の出頭及び意見を求め、又は関係行政機関若しくは地方公共団体等に対し記録の提出を求めることができる。
2 前項の規定により出頭を命ぜられた参考人は、内閣総理大臣が大蔵大臣と協議して定める額の旅費及び日当を受ける。
(専門調査員)
第九条 会議に、専門的事項を調査させるため、専門調査員二十人以内を置く。
2 専門調査員は、学識経験のある者のうちから、会議の推薦に基いて、内閣総理大臣が任命する。
3 専門調査員は、非常勤とすることができる。
(事務局)
第十条 会議の事務を処理させるため、会議に事務局を置く。
2 事務局に事務局長を置く。
3 事務局の内部組織は、議長が定める。
(関係行政機関又は地方公共団体との連絡)
第十一条 会議は、関係行政機関又は地方公共団体の長に対し、職員のうちから会議と当該行政機関又は地方公共団体との間の連絡にあたる者の指名を求めることができる。
2 前項の規定による指名を受けた者は、当該行政機関又は地方公共団体の所掌する事務に関し、資料の提出その他会議と関係行政機関又は地方公共団体との間の連絡にあたるものとする。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第十条中「第十六条」を「第十五条」に改める。
第十六条の次に次の一条を加える。
第十六条の二 総理府の機関として、臨時に地方行政調査委員会議を置く。
2 地方行政調査委員会議は、地方自治を充実強化して国政の民主化を推進するため地方自治を基底とする市町村、都道府県及び国相互間の事務の配分の調整等に関する計画につき調査立案し、その結果を内閣及び内閣を経由して国会に勧告するための機関とする。
3 地方行政調査委員会議の組織及び所掌事務については、地方行政調査委員会議設置法(昭和二十四年法律第二百八十一号)の定めるところによる。
3 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。
第一条第十一号の次に次の一号を加える。
十一の二 地方行政調査委員会議の議長及び委員
別表中「衆議院及び参議院の事務総長」を
「 |
衆議院及び参議院の事務総長 地方行政調査委員会議議長 |
」 |
に、「全国選挙管理委員会委員」を
「 |
全国選挙管理委員会委員 地方行政調査委員会議委員 |
」 |
に改める。
4 行政機関職員定員法(昭和二十四年法律第百二十六号)の一部を次のように改める。
第二条第一項の表総理府の項中「本府−二、二五四人」を「本府−二、二六〇人」に、「計−五八、一二七人」を「計−五八、一三三人」に、合計の項中「八七三、二三一人」を「八七三、二三七人」に改める。
(内閣総理大臣・法務総裁・外務・大蔵・文部・厚生・農林・通商産業・運輸・郵政・電気通信・労働・建設大臣・経済安定本部総裁署名)