接収刀剣類の処理に関する法律(衆法)
法律第百三十三号(平七・一二・八)
(趣旨)
第一条 この法律は、連合国占領軍に接収された刀剣類(刀、剣、やり及びなぎなたをいう。以下同じ。)でこの法律の施行の際現に東京国立博物館に保管されているもの(以下「接収刀剣類」という。)の処理につき必要な事項を定めるものとする。
(接収刀剣類の公示)
第二条 文化庁長官は、接収刀剣類ごとに、その種類、形状その他文部省令で定める事項を官報で公示しなければならない。
(返還の請求)
第三条 接収刀剣類を連合国占領軍に接収された者(その包括承継人を含む。)は、前条の公示の日から起算して一年以内に、当該接収刀剣類について、文化庁長官に対し、文部省令で定めるところにより、その種類、形状その他当該接収刀剣類であることを証する事項を記載した書面及び接収の事実を明らかにした書面を提出して、返還の請求をすることができる。
(返還等の手続)
第四条 文化庁長官は、前条の規定により接収刀剣類について返還の請求があったときは、返還請求者がその請求をすることができる者であるかどうかを審査しなければならない。
2 文化庁長官は、前項の審査の結果、返還請求者がその請求をすることができる者であると認めたときは、その旨を、遅滞なく、書面により当該返還請求者に通知するとともに、当該請求に係る接収刀剣類を当該返還請求者に返還しなければならない。
3 文化庁長官は、第一項の審査の結果、返還請求者がその請求をすることができる者であると認められないときは、その旨を、遅滞なく、書面により当該返還請求者に通知しなければならない。
(返還されない接収刀剣類の帰属等)
第五条 前条第二項の規定により返還することができない接収刀剣類は、国に帰属する。
2 前条第二項の通知をした場合において、当該返還請求者が、当該通知を受けた日から五年以内に当該接収刀剣類を受け取らないときは、当該接収刀剣類は、国に帰属する。
3 前二項の規定により国に帰属することとなった接収刀剣類の保管及び処分は、刀剣類に関し広くかつ高い識見を有する者の協力を求める等により、適切に行われるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(文部・内閣総理大臣署名)