社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律

法律第百四号(平一九・六・二七)

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 健康保険法関係(第三条)

 第三章 船員保険法関係(第四条)

 第四章 国民健康保険法関係(第五条)

 第五章 高齢者の医療の確保に関する法律関係(第六条)

 第六章 国民年金法関係

  第一節 被保険者の資格に関する特例(第七条−第十条)

  第二節 給付等に関する特例

   第一款 給付等の支給要件等に関する特例(第十一条−第十三条)

   第二款 給付等の額の計算等に関する特例(第十四条−第十七条)

  第三節 発効日前の障害又は死亡等に係る給付等に関する特例(第十八条−第二十条)

  第四節 二以上の相手国期間を有する者に係る給付等に関する特例(第二十一条・第二十二条)

  第五節 不服申立てに関する特例(第二十三条)

 第七章 厚生年金保険法関係

  第一節 被保険者の資格に関する特例(第二十四条−第二十六条)

  第二節 保険給付等に関する特例

   第一款 保険給付等の支給要件等に関する特例(第二十七条−第三十条)

   第二款 保険給付等の額の計算等に関する特例(第三十一条−第三十四条)

  第三節 発効日前の障害又は死亡に係る保険給付等に関する特例(第三十五条−第三十七条)

  第四節 二以上の相手国期間を有する者に係る保険給付等に関する特例(第三十八条・第三十九条)

  第五節 不服申立てに関する特例(第四十条)

 第八章 国家公務員共済組合法関係

  第一節 国家公務員共済組合法の適用範囲に関する特例(第四十一条)

  第二節 長期給付等に関する特例

   第一款 長期給付等の支給要件等に関する特例(第四十二条−第四十五条)

   第二款 長期給付等の額の計算等に関する特例(第四十六条−第四十九条)

  第三節 発効日前の障害又は死亡に係る長期給付等に関する特例(第五十条−第五十二条)

  第四節 二以上の相手国期間を有する者に係る長期給付等に関する特例(第五十三条・第五十四条)

  第五節 不服申立てに関する特例等(第五十五条−第五十七条)

 第九章 地方公務員等共済組合法関係

  第一節 地方公務員等共済組合法の適用範囲に関する特例(第五十八条)

  第二節 長期給付等に関する特例

   第一款 長期給付等の支給要件等に関する特例(第五十九条−第六十二条)

   第二款 長期給付等の額の計算等に関する特例(第六十三条−第六十六条)

  第三節 発効日前の障害又は死亡に係る長期給付等に関する特例(第六十七条−第六十九条)

  第四節 二以上の相手国期間を有する者に係る長期給付等に関する特例(第七十条・第七十一条)

  第五節 不服申立てに関する特例等(第七十二条−第七十五条)

 第十章 私立学校教職員共済法関係

  第一節 私立学校教職員共済法の適用範囲に関する特例(第七十六条)

  第二節 長期給付等に関する特例

   第一款 長期給付等の支給要件等に関する特例(第七十七条−第八十条)

   第二款 長期給付等の額の計算等に関する特例(第八十一条−第八十四条)

  第三節 発効日前の障害又は死亡に係る長期給付等に関する特例(第八十五条−第八十七条)

  第四節 二以上の相手国期間を有する者に係る長期給付等に関する特例(第八十八条・第八十九条)

  第五節 不服申立てに関する特例等(第九十条−第九十二条)

 第十一章 被用者年金各法の規定による給付に係る調整

  第一節 二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有する者に係る給付の支給の調整(第九十三条−第九十六条)

  第二節 発効日前の障害又は死亡に係る給付の支給の調整(第九十七条−第九十九条)

 第十二章 雑則(第百条−第百六条)

 附則

   第一章 総則

 (趣旨)

第一条 この法律は、社会保障協定を実施するため、我が国及び我が国以外の締約国の双方において就労する者等に関する医療保険制度及び年金制度について、健康保険法(大正十一年法律第七十号)、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)及び私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の特例その他必要な事項を定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。

 一 社会保障協定 我が国と我が国以外の締約国との間の社会保障に関する条約その他の国際約束であって、次に掲げる事項の一以上について定めるものをいう。

  イ 医療保険制度に係る我が国の法令及び相手国法令の重複適用の回避に関する事項

  ロ 年金制度に係る我が国の法令及び相手国法令の重複適用の回避に関する事項

  ハ 我が国及び相手国の年金制度における給付を受ける資格を得るために必要とされる期間の通算並びに当該通算により支給することとされる給付の額の計算に関する事項

 二 被用者年金各法 次に掲げる法律をいう。

  イ 厚生年金保険法(第九章を除く。)

  ロ 国家公務員共済組合法

  ハ 地方公務員等共済組合法(第十一 章を除く。)

  ニ 私立学校教職員共済法

 三 共済年金各法 前号ロからニまでに 掲げる法律をいう。

 四 相手国 一の社会保障協定における 我が国以外の締約国をいう。

 五 相手国法令 一の社会保障協定に規 定する相手国の法令をいう。

 六 日本国実施機関等又は相手国実施機 関等 それぞれ一の社会保障協定に規定する日本国の実施機関若しくは保険者又は相手国の実施機関若しくは保険者をいう。

 七 相手国期間 相手国年金(年金制度 に係る相手国法令の規定により支給される年金たる給付その他の給付をいう。第百三条において同じ。)の支給を受ける資格を得るために相手国法令上必要とされる期間の計算の 基礎となる期間として当該相手国との社会保障協定に規定する相手国の期間をいう。

   第二章 健康保険法関係

第三条 健康保険の適用事業所に使用され る者(健康保険法第三条第八項に規定する日雇労働者(次項において「日雇労働者」という。)を除く。)であって次の各号のいずれかに掲げるものは、同条第一項の規定にかか わらず、健康保険の被保険者としない。

 一 日本国の領域内において就労する者 であって、前条第一号イに掲げる事項について定める社会保障協定の規定(以下「医療保険制度適用調整規定」という。)により相手国法令の規定の適用を受けるもの(第三号及 び第四号に掲げる者を除き、政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、政令で定める者に限る。)

 二 相手国の領域内において就労する者 であって、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号及び第四号に掲げる者を除く。)

 三 日本国の領域内及び相手国の領域内 において同時に就労する者であって、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号に掲げる者を除き、政令で定める社会保障協定に係る場合にあ っては、政令で定める者に限る。)

 四 次条第一項の規定により船員保険の 被保険者としないこととされた者、第四十一条第一項の規定により国家公務員共済組合法の規定(長期給付に関する規定を除く。)を適用しないこととされた者、第五十八条第一 項の規定により地方公務員等共済組合法の規定(長期給付に関する規定を除く。)を適用しないこととされた者又は第七十六条第一項の規定により私立学校教職員共済法の短期給 付に関する規定を適用しないこととされた者

2 健康保険の適用事業所に使用される日 雇労働者のうち、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受ける者(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、政令で定める者に限る。)は、健康保 険法第三条第二項の規定にかかわらず、同項に規定する日雇特例被保険者(第五条第一項第三号において「日雇特例被保険者」という。)としない。

3 第一項に規定する者の健康保険の被保 険者の資格の取得及び喪失に関し必要な事項は、政令で定める。

   第三章 船員保険法関係

第四条 船員法(昭和二十二年法律第百 号)第一条に規定する船員として船舶所有者(船員保険法第三条に規定する場合にあっては、同条の規定により船舶所有者とされる者)に使用される者であって次の各号のいずれ かに掲げるものは、船員保険法第二条第一項の規定にかかわらず、船員保険の被保険者としない。

 一 日本国籍を有する船舶又は相手国の 国籍を有する船舶その他政令で定める船舶において就労する者であって、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号に掲げる者を除き、政令で 定める社会保障協定に係る場合にあっては、政令で定める者に限る。)

 二 第四十一条第一項の規定により国家 公務員共済組合法の規定(長期給付に関する規定を除く。)を適用しないこととされた者又は第五十八条第一項の規定により地方公務員等共済組合法の規定(長期給付に関する規 定を除く。)を適用しないこととされた者

2 前項に規定する者の船員保険の被保険 者の資格の取得及び喪失に関し必要な事項は、政令で定める。

   第四章 国民健康保険法関 係

第五条 市町村又は特別区の区域内に住所 を有する者であって次の各号のいずれかに掲げるものは、国民健康保険法第五条又は第十九条第一項の規定にかかわらず、国民健康保険の被保険者としない。

 一 日本国の領域内において就労する者 であって、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(第三号に掲げる者を除き、政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、政令で定める者 に限る。)

 二 相手国の領域内において就労する者 であって、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号に掲げる者を除く。)

 三 第三条第一項の規定により健康保険 の被保険者としないこととされた者、同条第二項の規定により日雇特例被保険者としないこととされた者、前条第一項の規定により船員保険の被保険者としないこととされた者、 次条第一項の規定により後期高齢者医療の被保険者としないこととされた者、第四十一条第一項の規定により国家公務員共済組合法の規定(長期給付に関する規定を除く。)を適 用しないこととされた者、第五十八条第一項の規定により地方公務員等共済組合法の規定(長期給付に関する規定を除く。)を適用しないこととされた者又は第七十六条第一項の 規定により私立学校教職員共済法の短期給付に関する規定を適用しないこととされた者

 四 第一号又は前号のいずれかに該当す る者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)又は子であって政令で定めるもの

2 前項に規定する者の国民健康保険の被 保険者の資格の取得及び喪失に関し必要な事項は、政令で定める。

   第五章 高齢者の医療の確保に関す る法律関係

第六条 高齢者の医療の確保に関する法律 第五十条に規定する者であって次の各号のいずれかに掲げるものは、同条の規定にかかわらず、後期高齢者医療の被保険者としない。

 一 日本国の領域内において就労する者 であって、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、政令で定める者に限る。)

 二 相手国の領域内において就労する者 であって、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの

 三 第一号に該当する者の配偶者又は子 であって政令で定めるもの

2 前項に規定する者の後期高齢者医療の 被保険者の資格の取得及び喪失に関し必要な事項は、政令で定める。

   第六章 国民年金法関係

    第一節 被保険者の資格に関する 特例

 (被保険者の資格の特例)

第七条 日本国内に住所を有する者であっ て次の各号のいずれかに掲げるものは、国民年金法第七条第一項の規定にかかわらず、国民年金の被保険者としない。

 一 日本国の領域内において就労する者 であって、第二条第一号ロに掲げる事項について定める社会保障協定の規定(以下「年金制度適用調整規定」という。)により相手国法令の規定の適用を受けるもの(第三号及び 第四号に掲げる者を除く。)

 二 相手国の領域内において就労する者 であって、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号及び第四号に掲げる者を除く。)

 三 日本国籍を有する船舶又は相手国の 国籍を有する船舶その他政令で定める船舶において就労する者であって、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号に掲げる者を除く。)

 四 第二十四条第一項の規定により厚生 年金保険の被保険者としないこととされた者

 五 第一号又は前号のいずれかに該当す る者の配偶者又は子であって、主として第一号又は前号のいずれかに該当する者の収入により生計を維持するものその他政令で定めるもの(政令で定める社会保障協定に係る場合 を除き、政令で定めるものを除く。)

2 前項第五号の規定の適用上、主として 同項第一号又は第四号のいずれかに該当する者の収入により生計を維持することの認定に関し必要な事項は、政令で定める。

3 前項の認定については、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。

4 第一項に規定する者の国民年金の被保 険者の資格の取得及び喪失に関し必要な事項は、政令で定める。

 (国民年金の任意加入被保険者の特 例)

第八条 相手国の国民(当該相手国に係る 社会保障協定に規定する国民をいう。次項において同じ。)その他政令で定める者(政令で定める社会保障協定に係るものに限る。)であって、当該相手国の領域内に通常居住す る二十歳以上六十五歳未満のもののうち、その者の国民年金法第五条第二項に規定する保険料納付済期間(以下「保険料納付済期間」という。)の月数及び他の法令の規定により 保険料納付済期間とみなされた期間であって政令で定めるものの月数並びに同条第五項に規定する保険料四分の三免除期間の月数、同条第六項に規定する保険料半額免除期間の月 数及び同条第七項に規定する保険料四分の一免除期間の月数を合算した月数が当該政令で定める社会保障協定に定める数として政令で定めるもの以上であるものは、同法附則第五 条の規定の適用については、同条第一項第三号に該当する者とみなす。

2 前項の規定により国民年金法附則第五 条第一項第三号に該当する者とみなされたものは、同条第五項の規定によって国民年金の被保険者の資格を喪失するほか、同条第八項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに 該当するに至った日の翌日(その事実があった日に更に国民年金の被保険者の資格を取得したときは、その日)に国民年金の被保険者の資格を喪失する。

 一 日本国内に住所を有するに至ったと き。

 二 当該相手国の領域内に通常居住しな くなったとき。

 三 当該相手国の国民その他政令で定め る者でなくなったとき。

 四 国民年金法第七条第一項第三号に規 定する被扶養配偶者となったとき(六十歳未満であるときに限る。)。

 五 国民年金の保険料を滞納し、その 後、国民年金の保険料を納付することなく二年間が経過したとき。

3 国民年金法第七条第一項第一号に規定 する第一号被保険者でなかった期間のうち、第一項の規定により同法附則第五条第一項第三号に該当する者とみなされたものであった期間については、同法附則第七条第一項に規 定する合算対象期間(第十一条第一項において「合算対象期間」という。)としない。

 (国民年金の任意加入の制限)

第九条 国民年金法附則第五条第一項の規 定は、日本国の領域内において就労する者であって、第七条第一項第一号又は第四号のいずれかに該当するもの(政令で定める社会保障協定に係るものに限り、政令で定めるもの を除く。)については、適用しない。ただし、同法附則第五条第一項第二号に該当する者については、この限りでない。

 (国民年金の任意脱退に関する特 例)

第十条 相手国期間を有する者に対する国 民年金法第十条第一項の規定の適用については、当該相手国期間のうち政令で定めるものは、国民年金の被保険者期間とみなす。

    第二節 給付等に関する特 例

     第一款 給付等の支給要件等に 関する特例

 (相手国期間を有する者に係る老齢基礎 年金等の支給要件等の特例)

第十一条 相手国期間(政令で定める社会 保障協定に係るものを除く。以下この項において同じ。)を有し、かつ、老齢基礎年金又は遺族基礎年金の支給要件に関する規定であって政令で定めるもの(以下この項において 「支給要件規定」という。)に規定する老齢基礎年金又は遺族基礎年金の受給資格要件たる期間を満たさない者(第十三条の規定を適用しない場合であっても国民年金法第三十七 条(第一号及び第二号に係る部分に限る。)に規定する遺族基礎年金の支給要件に該当する者を除く。)について、当該支給要件規定を適用する場合においては、その者の相手国 期間であって政令で定めるものを合算対象期間その他の政令で定める期間に算入する。

2 相手国期間を有する老齢厚生年金又は 共済年金各法による退職共済年金(第十四条第一項第一号において「退職共済年金」という。)の受給権者(国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以 下「昭和六十年国民年金等改正法」という。)附則第十四条第一項第一号に該当しない者に限る。)の配偶者について、次の各号に掲げる国民年金法による給付又は給付に加算す る額に相当する部分(以下「老齢基礎年金の振替加算等」という。)に関し、それぞれ当該各号の規定を適用する場合においては、同項第一号の規定にかかわらず、同号中「(そ の額」とあるのは「(相手国期間(社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律第二条第七号に掲げる相手国期間をいう。)であつて政令で定めるものの月 数と当該老齢厚生年金又は退職共済年金の額」と、「)の月数」とあるのは「)の月数とを合算した月数」とする。

 一 昭和六十年国民年金等改正法附則第 十四条第一項の規定により老齢基礎年金に加算する額に相当する部分

 二 昭和六十年国民年金等改正法附則第 十四条第二項の規定により老齢基礎年金に加算する額に相当する部分

 三 昭和六十年国民年金等改正法附則第 十五条第一項の規定による老齢基礎年金

 四 昭和六十年国民年金等改正法附則第 十五条第二項の規定による老齢基礎年金

 五 昭和六十年国民年金等改正法附則第 十八条第二項の規定により老齢基礎年金に加算する額に相当する部分

 六 昭和六十年国民年金等改正法附則第 十八条第三項の規定により老齢基礎年金に加算する額に相当する部分

3 相手国期間を有する者であって、その 者の相手国期間であって政令で定めるものを厚生年金保険の被保険者期間に算入することにより昭和六十年国民年金等改正法附則第十二条第一項第四号から第七号までのいずれか に該当するに至るものに対する昭和六十年国民年金等改正法附則第六十一条第一項の規定(昭和六十年国民年金等改正法附則第十四条第一項に係る部分に限る。)の適用について は、その者は、昭和六十年国民年金等改正法附則第十二条第一項第四号から第七号までのいずれかに該当するものとみなす。

4 六十五歳に達した日の属する月以後の 相手国期間を有する者(同日以後の国民年金の被保険者期間を有する者を除く。)について、昭和六十年国民年金等改正法附則第十八条第一項の規定を適用する場合においては、 同項中「同日以後の国民年金の被保険者期間」とあるのは「同日の属する月以後の相手国期間(社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律第二条第七号に 掲げる相手国期間をいう。)」と、「同法」とあるのは「国民年金法」とする。

 (相手国期間を有する者に係る障害基礎 年金の支給要件等の特例)

第十二条 相手国期間(政令で定める社会 保障協定に係るものを除く。以下この項、次項及び第十九条第一項において同じ。)を有する者が、その者の疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)に よる障害について国民年金法第三十条第一項ただし書(同法第三十条の二第二項、第三十条の三第二項、第三十四条第五項及び第三十六条第三項において準用する場合を含む。以 下この項において同じ。)に該当するときは、同法第三十条第一項ただし書の規定の適用については、その者の相手国期間であって政令で定めるものを保険料納付済期間である国 民年金の被保険者期間とみなす。ただし、その者が、当該傷病につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)から起算して一年六月を経過した日 (その期間内にその傷病が治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。第二十九条第一項において同じ。)があるときは、その日とし、以下 「障害認定日」という。)において保険料納付済期間(昭和六十年国民年金等改正法附則第八条第一項及び第九項の規定により保険料納付済期間又は保険料納付済期間である国民 年金の被保険者期間とみなされたものを含む。次項、次条第二項、第十六条第二項第一号イ、第十七条第二項第一号イ、第十九条第一項、第二十条第一項及び附則第四条において 同じ。)又は国民年金法第五条第三項に規定する保険料免除期間(同法第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。以下「保 険料免除期間」という。)を有しないときは、この限りでない。

2 相手国期間中に初診日のある傷病(政 令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。次項及び第十九条第一項第二号において「相手国期間中に初診日のある傷 病」という。)による障害を有する者であって、当該障害に係る障害認定日において保険料納付済期間又は保険料免除期間を有するものは、国民年金法第三十条第一項、第三十条 の二第一項又は第三十条の三第一項の規定の適用については、当該初診日において同法第三十条第一項第一号に該当した者とみなす。ただし、その者が、当該障害を支給事由とす る年金たる給付であって政令で定めるものの受給権を有する場合については、この限りでない。

3 相手国期間中に初診日のある傷病によ る障害を有する者は、国民年金法第三十四条第四項又は第三十六条第二項ただし書の規定の適用については、当該傷病に係る初診日において同法第三十条第一項第一号に該当した 者とみなす。

 (相手国期間を有する者に係る遺族基礎 年金の支給要件の特例)

第十三条 相手国期間(政令で定める社会 保障協定に係るものを除く。以下この条及び第二十条第一項において同じ。)及び保険料納付済期間(昭和六十年国民年金等改正法附則第八条第一項及び第九項の規定により保険 料納付済期間又は保険料納付済期間である国民年金の被保険者期間とみなされたものを含む。)又は保険料免除期間を有する者(第十一条第一項の規定を適用しない場合であって も同項に規定する支給要件規定に規定する遺族基礎年金の支給要件に該当する者を除く。)が、その者の死亡について国民年金法第三十七条ただし書に該当するときは、同条ただ し書の規定の適用については、その者の相手国期間であって政令で定めるものを保険料納付済期間である国民年金の被保険者期間とみなす。

2 相手国期間及び保険料納付済期間又は 保険料免除期間を有する者が相手国期間中に死亡した者(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当する者として政令で定める者とする。第二十条第一項第三 号において「相手国期間中に死亡した者」という。)である場合は、国民年金法第三十七条の規定の適用については、同条第一号に該当するものとみなす。ただし、その者の死亡 を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの支給を受けることができる者があるときは、この限りでない。

     第二款 給付等の額の計算等に 関する特例

 (老齢基礎年金の振替加算等の額の計算 の特例)

第十四条 次の各号に掲げる者に支給する 老齢基礎年金の振替加算等の額は、昭和六十年国民年金等改正法附則第十四条第一項の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める額(その者が当該各号のうち二以上に該当す るものであるときは、当該各号に定める額のうち最も高いもの)とする。

 一 老齢厚生年金又は退職共済年金(以 下この条において「老齢厚生年金等」という。)の受給権者(第十一条第二項の規定により昭和六十年国民年金等改正法附則第十四条第一項第一号に該当するに至った者に限る。 次項第一号において同じ。)の配偶者 同条第一項の規定による老齢基礎年金の振替加算等の額に期間比率を乗じて得た額(当該受給権者が二以上の老齢厚生年金等の受給権を有 しているときは、一の老齢厚生年金等の受給権を有しているものとしてそれぞれ計算した額のうち最も高いもの)

 二 第十一条第三項の規定により昭和六 十年国民年金等改正法附則第十二条第一項第四号から第七号までのいずれかに該当する者とみなされたもの(以下この号及び次項第二号において「中高齢特例該当者」という。) の配偶者 昭和六十年国民年金等改正法附則第十四条第一項の規定による老齢基礎年金の振替加算等の額に期間比率を乗じて得た額(当該中高齢特例該当者が昭和六十年国民年金 等改正法附則第十二条第一項第四号から第七号までのうち二以上に該当するものであるときは、同項第四号から第七号までの一に該当するものとしてそれぞれ計算した額のうち最 も高いもの)

 三 この法律の規定により支給する障害 厚生年金又は共済年金各法による障害共済年金(次項第三号において「特例による障害給付」という。)の受給権者(昭和六十年国民年金等改正法附則第十四条第一項第二号に該 当する者に限る。次項第三号において同じ。)の配偶者 同条第一項の規定による老齢基礎年金の振替加算等の額に按分率を乗じて得た額

2 次の各号に掲げる前項各号の期間比率 又は按分率は、それぞれ次の各号に定める率とする。

 一 前項第一号の期間比率 老齢厚生年 金等の受給権者の当該老齢厚生年金等の額の計算の基礎となる被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者(以下「被用者年金被保険者等」という。)であった期間の月数を、 二百四十で除して得た率

 二 前項第二号の期間比率 中高齢特例 該当者の老齢厚生年金の額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間であって政令で定めるものの月数を、当該中高齢特例該当者に係る昭和六十年国民年金等改正法附則第 十二条第一項第四号から第七号までに規定する老齢厚生年金の受給資格要件たる期間であって政令で定めるものの月数で除して得た率

 三 前項第三号の按分率 次のイ又はロ に掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める率

  イ 我が国の公的年金各法(国民年金 法及び被用者年金各法をいう。第百二条第一項、第百六条及び附則第三十四条において同じ。)の被保険者、組合員又は加入者(以下「公的年金被保険者等」という。)であるこ とが理論的に可能な期間に基づく按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 (1)に掲げる期間の月数を、(1)及び(2)に掲げる期間 の月数((2)に掲げる期間の月数が零である場合にあっては、(1)及び(3)に掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得た率

   (1) 特例による障害給付の受給 権者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものを合算したもの

   (2) 昭和三十六年四月一日以後 の期間((1)に掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間、六十歳に達した日の属する月以後の期間及び当該特例による障害給付の支給事由となった障害 に係る障害認定日(二以上の障害を支給事由とする特例による障害給付にあっては、厚生年金保険法第五十一条、国家公務員共済組合法第八十二条第四項、地方公務員等共済組合 法第八十七条第五項又は私立学校教職員共済法第二十五条において準用する国家公務員共済組合法第八十二条第四項の規定の例による障害認定日)の属する月後の期間を除 く。)

   (3) 当該特例による障害給付の 受給権者の相手国期間であって政令で定めるもの

  ロ 公的年金被保険者等であった期間 と相手国期間とを合算した期間に基づく按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イ(1)に掲げる期間の月数を、当該月数と特例による 障害給付の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率

3 第一項の場合において、老齢基礎年金 の振替加算等の受給権者に対して更に老齢基礎年金の振替加算等(以下この項において「新老齢基礎年金の振替加算等」という。)を支給すべき事由が生じた場合であって、当該 新老齢基礎年金の振替加算等の額が従前の老齢基礎年金の振替加算等の額より低いときは、当該新老齢基礎年金の振替加算等の額は、第一項の規定にかかわらず、従前の老齢基礎 年金の振替加算等の額に相当する額とする。

4 第一項の規定の適用を受けようとする 者(同項第二号に掲げる者を除く。)の配偶者の被用者年金被保険者等であった期間のうち、法律によって組織された共済組合(以下「共済組合」という。)の組合員又は私立学 校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者(以下「私学共済制度の加入者」という。)であった期間については、当該共済組合又は日本私立学校振興・共済事 業団(第三十二条第八項及び第百一条第一項において「共済組合等」という。)の確認を受けたところによる。

 (老齢基礎年金の振替加算等の支給停止 等の特例)

第十五条 この法律の規定により支給する 老齢又は障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの受給権を有する者に係る老齢基礎年金の振替加算等の支給の停止及び支給の調整に関し必要な事項は、政 令で定める。

 (障害基礎年金の額の計算の特 例)

第十六条 第十二条第一項又は第二項の規 定により支給する障害基礎年金(以下この条において「特例による障害基礎年金」という。)の額は、国民年金法第三十三条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定 による額に按分率を乗じて得た額とする。

2 前項の按分率は、次の各号に掲げる場 合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 第十四条第二項第三号イに掲げる場 合 イに掲げる期間の月数を、イ及びロに掲げる期間の月数(ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得た 率

  イ 特例による障害基礎年金の受給権 者の保険料納付済期間であって政令で定めるものとその者の保険料免除期間であって政令で定めるものとを合算したもの

  ロ 昭和三十六年四月一日以後の期間 (イに掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間、六十歳に達した日の属する月以後の期間及び当該特例による障害基礎年金の支給事由となった障害に係る 障害認定日(国民年金法第三十条の三第一項の規定による障害基礎年金については同項に規定する基準傷病に係る障害認定日とし、同法第三十一条第一項の規定による障害基礎年 金については併合されたそれぞれの障害に係る障害認定日(同法第三十条の三第一項に規定する障害については、同項に規定する基準傷病に係る障害認定日とする。)のうちいず れか遅い日とする。)の属する月後の期間を除く。)

  ハ 当該特例による障害基礎年金の受 給権者の相手国期間であって政令で定めるもの

 二 第十四条第二項第三号ロに掲げる場 合 前号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による障害基礎年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率

3 前二項の規定は、特例による障害基礎 年金に係る国民年金法第三十三条の二第一項の規定により加算する額に相当する部分(以下この条において「障害基礎年金の加算」という。)の額について準用する。

4 第一項の規定による障害基礎年金の額 は、その額が国民年金法第三十一条第二項の規定によりその受給権が消滅した障害基礎年金(障害基礎年金の加算を除く。以下この項において同じ。)の額より低いときは、第一 項の規定にかかわらず、従前の障害基礎年金の額に相当する額とする。

5 第三項において準用する第一項の規定 による障害基礎年金の加算の額は、その額が国民年金法第三十一条第二項の規定によりその受給権が消滅した障害基礎年金に係る障害基礎年金の加算の額より低いときは、第三項 において準用する第一項の規定にかかわらず、従前の障害基礎年金の加算の額に相当する額とする。

6 前項の場合において、国民年金法第三 十三条の二第三項の規定により障害基礎年金の加算の額を改定するときは、前項中「加算の額より低いとき」とあるのは「加算の額を同法第三十三条の二第三項の規定の例により 改定した額より低いとき」と、「従前の障害基礎年金の加算の額」とあるのは「当該改定した額」とする。

 (遺族基礎年金の額の計算の特 例)

第十七条 第十一条第一項又は第十三条の 規定により支給する遺族基礎年金及び同項の規定により支給する老齢基礎年金の受給権者が死亡したことによりその者の遺族に支給する遺族基礎年金(以下この条及び第二十二条 において「特例による遺族基礎年金」という。)の額は、国民年金法第三十八条及び第三十九条の二第一項の規定にかかわらず、これらの規定による額に按分率を乗じて得た額と する。

2 前項の按分率は、次の各号に掲げる場 合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 第十四条第二項第三号イに掲げる場 合 イに掲げる期間の月数を、イ及びロに掲げる期間の月数(ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得た 率

  イ 特例による遺族基礎年金の支給事 由となった死亡に係る者の保険料納付済期間とその者の保険料免除期間とを合算したもの

  ロ 昭和三十六年四月一日から当該特 例による遺族基礎年金の支給事由となった死亡に係る者の死亡した日の翌日の属する月の前月までの期間(イに掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間及 び六十歳に達した日の属する月以後の期間を除く。)

  ハ 当該特例による遺族基礎年金の支 給事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるもの

 二 第十四条第二項第三号ロに掲げる場 合 前号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による遺族基礎年金の支給事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して 得た率

3 前二項の規定は、特例による遺族基礎 年金に国民年金法第三十九条第一項の規定により加算する額に相当する部分の額について準用する。

4 第一項の規定による遺族基礎年金(当 該遺族基礎年金の支給事由となった死亡に係る者の妻に支給されるものに限る。)の額は、当該妻が当該遺族基礎年金の支給を受けることができることにより、被用者年金各法に よる死亡を支給事由とする年金たる給付に加算する額であって政令で定めるものに相当する部分(以下この項において「遺族厚生年金等の中高齢寡婦加算等」という。)の支給が 停止されている場合において、当該遺族基礎年金の額が当該遺族厚生年金等の中高齢寡婦加算等の額より低いときは、第一項の規定にかかわらず、当該遺族厚生年金等の中高齢寡 婦加算等の額に相当する額とする。

    第三節 発効日前の障害又は死亡 等に係る給付等に関する特例

 (発効日において六十五歳を超える者の 老齢基礎年金等の支給に関する特例)

第十八条 社会保障協定の効力発生の日 (二以上の相手国期間を有する者にあっては、それぞれの相手国期間に係る社会保障協定に応じ当該社会保障協定の効力発生の日をいうものとする。以下「発効日」という。)に おいて、六十五歳を超える者であって第十一条第一項の規定により老齢基礎年金を受ける権利を取得したものに対する国民年金法第二十八条の規定の適用については、同条第一項 中「六十六歳に達する」とあるのは「その受給権を取得した日から起算して一年を経過する日」と、「六十五歳に達した」とあるのは「当該老齢基礎年金の受給権を取得した」 と、「六十六歳に達した」とあるのは「起算して一年を経過した」と、同条第二項中「六十六歳に達した」とあるのは「老齢基礎年金の受給権を取得した日から起算して一年を経 過した」とする。

2 次の各号に掲げる者に対する当該各号 に定める規定の適用については、これらの規定中「六十五歳に達した日において」とあるのは「社会保障協定(社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律 第二条第一号に規定する社会保障協定をいう。以下この項において同じ。)の効力発生の日(二以上の相手国期間(同条第七号に規定する相手国期間をいう。以下この項において 同じ。)を有する者にあつては、それぞれの相手国期間に係る社会保障協定に応じ当該社会保障協定の効力発生の日をいう。)において」と、「当該六十五歳」とあるのは「その 者が六十五歳」とする。

 一 前項に規定する者 昭和六十年国民 年金等改正法附則第十四条第一項

 二 発効日において、相手国期間を有 し、かつ、六十五歳を超える者であって老齢基礎年金の受給権を有しないもの 昭和六十年国民年金等改正法附則第十五条第一項

 (発効日前の障害認定日において障害の 状態にある者の障害基礎年金の支給に関する特例)

第十九条 障害認定日が発効日前にある傷 病に係る初診日において、相手国期間を有する者であって次の各号のいずれかに該当したものが、当該障害認定日において、当該傷病により国民年金法第三十条第二項に規定する 障害等級に該当する程度の障害の状態にあり、かつ、保険料納付済期間又は保険料免除期間を有するときは、その者に、同条第一項の障害基礎年金を支給する。ただし、その者 が、当該障害につき、第十二条第一項、同法第三十条第一項ただし書並びに昭和六十年国民年金等改正法附則第二十条第一項及び第二十一条の規定を参酌して政令で定める受給資 格要件に該当しない場合は、この限りでない。

 一 国民年金法第三十条第一項各号のい ずれかに該当した者であること。

 二 当該傷病が相手国期間中に初診日の ある傷病である者であること。

2 第十六条第一項、第二項及び第四項の 規定は前項の規定により支給する障害基礎年金の額について、同条第三項、第五項及び第六項の規定は当該障害基礎年金に国民年金法第三十三条の二第一項の規定により加算する 額について、それぞれ準用する。

3 前二項の規定は、同一の傷病による障 害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの受給権を有する者については、適用しない。

4 第一項の規定による障害基礎年金の支 給は、発効日の属する月の翌月から始めるものとする。

 (発効日前の死亡に係る遺族基礎年金の 支給に関する特例)

第二十条 国民年金の被保険者又は被保険 者であった者であって、相手国期間及び保険料納付済期間又は保険料免除期間を有するものが、発効日前に死亡した場合であって、当該死亡した日において次の各号のいずれかに 該当したときは、その者の妻又は子に、国民年金法第三十七条の遺族基礎年金を支給する。ただし、その者(第一号から第三号までのいずれかに該当する者に限る。)が第十三条 第一項、同法第三十七条ただし書並びに昭和六十年国民年金等改正法附則第二十条第二項及び第二十一条の規定を参酌して政令で定める受給資格要件を満たさない場合又は当該妻 若しくは子が当該死亡した日から発効日までの間において国民年金法第四十条に規定する遺族基礎年金の受給権の消滅事由を参酌して政令で定める事由に該当した場合について は、この限りでない。

 一 国民年金の被保険者であると き。

 二 国民年金の被保険者であった者であ って、日本国内に住所を有し、かつ、六十歳以上六十五歳未満であるものであるとき。

 三 国民年金の被保険者であった者であ って、相手国期間中に死亡した者であるとき。

 四 第十一条第一項、国民年金法第二十 六条ただし書及び同法附則第九条並びに昭和六十年国民年金等改正法附則第十二条の規定を参酌して政令で定める受給資格要件を満たす者であるとき。

2 国民年金法第十八条の二、第十八条の 三及び第三十七条の二の規定は、前項の場合について準用する。

3 第十七条の規定は、第一項の規定によ り支給する遺族基礎年金の額について準用する。

4 前三項の規定は、同一の死亡を支給事 由とする年金たる給付であって政令で定めるものの支給を受けることができる者がある場合については、適用しない。

5 第一項の規定による遺族基礎年金の支 給は、発効日の属する月の翌月から始めるものとする。

    第四節 二以上の相手国期間を有 する者に係る給付等に関する特例

 (二以上の相手国期間を有する者に係る 国民年金法による給付等の支給要件等に関する特例)

第二十一条 国民年金法による給付等(同 法による給付又は給付に加算する額に相当する部分をいう。次条及び附則第八条において同じ。)の支給要件又は加算の要件に関する規定に規定する受給資格要件を満たさない者 が二以上の相手国期間を有しているときは、一の社会保障協定ごとに当該社会保障協定に係る一の相手国期間のみを有しているものとして前二節の規定をそれぞれ適用す る。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る 国民年金法による給付等の額)

第二十二条 前二節の規定により支給する 国民年金法による給付等の額は、当該国民年金法による給付等の受給権者(特例による遺族基礎年金又はこれに国民年金法第三十九条第一項の規定により加算する額に相当する部 分にあっては、当該特例による遺族基礎年金又は当該加算する額に相当する部分の支給事由となった死亡に係る者)が二以上の相手国期間(前二節の規定を適用するものとした場 合に当該国民年金法による給付等の支給要件又は加算の要件に関する規定に規定する受給資格要件を満たすこととなるものに限る。以下この条において同じ。)を有しているとき は、当該国民年金法による給付等の種類に応じ、一の社会保障協定ごとに当該社会保障協定に係る一の相手国期間のみを有しているものとしてそれぞれ計算した額のうち最も高い 額とする。

    第五節 不服申立てに関する特 例

第二十三条 第十四条第四項の場合におい て、厚生年金保険の被保険者期間以外の被用者年金被保険者等であった期間に係る同項の規定による確認の処分についての不服を、当該期間に基づく老齢基礎年金の振替加算等に 関する処分の不服の理由とすることができない。

   第七章 厚生年金保険法関 係

    第一節 被保険者の資格に関する 特例

 (被保険者の資格の特例)

第二十四条 厚生年金保険の適用事業所に 使用される者であって次の各号のいずれかに掲げるものは、厚生年金保険法第九条の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。

 一 日本国の領域内において就労する者 であって、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(第三号から第五号までに掲げる者を除く。)

 二 相手国の領域内において就労する者 であって、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号から第五号までに掲げる者を除く。)

 三 日本国の領域内及び相手国の領域内 において同時に就労する者であって、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号及び第五号に掲げる者を除く。)

 四 日本国籍を有する船舶又は相手国の 国籍を有する船舶その他政令で定める船舶において就労する者であって、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの

 五 第四十一条第二項の規定により国家 公務員共済組合法の長期給付に関する規定を適用しないこととされた者、第五十八条第二項の規定により地方公務員等共済組合法の長期給付に関する規定を適用しないこととされ た者又は第七十六条第二項の規定により私立学校教職員共済法の長期給付に関する規定を適用しないこととされた者

2 前項に規定する者の厚生年金保険の被 保険者の資格の取得及び喪失に関し必要な事項は、政令で定める。

 (厚生年金保険の加入の特例)

第二十五条 前条第一項第二号に該当する 者(政令で定める社会保障協定に係るものに限る。)であって政令で定めるものは、同項の規定にかかわらず、社会保険庁長官に申し出て、厚生年金保険の被保険者となることが できる。

2 前項の申出をした者は、その申出が受 理されたときは、その日に、被保険者の資格を取得する。ただし、前条第一項第二号に該当することとなった日から一月以内に前項の申出をした者は、その該当するに至った日 に、被保険者の資格を取得する。

3 第一項の規定による被保険者は、いつ でも、社会保険庁長官に申し出て、被保険者の資格を喪失することができる。

4 第一項の規定による被保険者は、次の 各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(その事実があった日に更に被保険者の資格を取得したとき、若しくは共済組合の組合員若しくは私学共済制度の加入者となったと き、又は厚生年金保険法第十四条第五号に該当するに至ったときは、その日)に、被保険者の資格を喪失する。

 一 厚生年金保険法第十四条第一号、第 四号又は第五号に該当するに至ったとき。

 二 その事業所に使用されなくなったと き。

 三 厚生年金保険法第八条第一項の認可 があったとき。

 四 前項の申出が受理されたと き。

 五 前条第一項第二号に該当しなくなっ たとき。

5 第一項及び第三項に規定する社会保険 庁長官の権限は、政令の定めるところにより、地方社会保険事務局長に委任することができる。

6 前項の規定により地方社会保険事務局 長に委任された権限の一部は、政令の定めるところにより、社会保険事務所長に委任することができる。

 (厚生年金保険の任意単独加入の制 限)

第二十六条 厚生年金保険法第十条の規定 は、日本国の領域内において就労する者であって、第二十四条第一項第一号又は第五号のいずれかに該当するもの(政令で定める社会保障協定に係るものに限り、政令で定めるも のを除く。)については、適用しない。

    第二節 保険給付等に関する特 例

     第一款 保険給付等の支給要件 等に関する特例

 (相手国期間を有する者に係る老齢厚生 年金等の支給要件等の特例)

第二十七条 相手国期間(政令で定める社 会保障協定に係るものを除く。以下この項において同じ。)及び厚生年金保険の被保険者期間を有し、かつ、厚生年金保険法による保険給付、同法による保険給付に加算する額に 相当する部分又は同法による脱退一時金(以下「厚生年金保険法による保険給付等」という。)のうち次に掲げるものの支給要件又は加算の要件に関する規定であって政令で定め るもの(以下この条において「支給要件等に関する規定」という。)に規定する厚生年金保険法による保険給付等の受給資格要件又は加算の資格要件たる期間を満たさない者につ いて、当該支給要件等に関する規定を適用する場合においては、その者の相手国期間であって政令で定めるものを厚生年金保険の被保険者期間その他の政令で定める期間に算入す る。

 一 老齢厚生年金

 二 遺族厚生年金

 三 特例老齢年金

 四 特例遺族年金

 五 厚生年金保険法第四十四条第一項 (同法及び他の法令において準用する場合を含む。)の規定により老齢厚生年金に加算する加給年金額に相当する部分(以下「老齢厚生年金の加給」という。)

 六 厚生年金保険法第六十二条第一項の 規定により遺族厚生年金に加算する額に相当する部分(以下「遺族厚生年金の中高齢寡婦加算」という。)

 七 昭和六十年国民年金等改正法附則第 七十三条第一項の規定により遺族厚生年金に加算する額に相当する部分(以下「遺族厚生年金の経過的寡婦加算」という。)

 八 脱退一時金

 (相手国期間を有する者に係る障害厚生 年金の支給要件等の特例)

第二十八条 相手国期間(政令で定める社 会保障協定に係るものを除く。以下この項、次項及び第三十五条第一項において同じ。)を有する者が、その者の傷病による障害について厚生年金保険法第四十七条第一項ただし 書(同法第四十七条の二第二項、第四十七条の三第二項、第五十二条第五項及び第五十四条第三項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に該当するときは、 同法第四十七条第一項ただし書の規定の適用については、その者の相手国期間であって政令で定めるものを保険料納付済期間である国民年金の被保険者期間とみなす。ただし、そ の者が、当該障害に係る障害認定日において厚生年金保険の被保険者期間を有しないときは、この限りでない。

2 相手国期間中に初診日のある傷病(政 令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。以下この章(次条第二項及び第三十六条第一項第二号を除く。)において 「相手国期間中に初診日のある傷病」という。)による障害を有する者であって、当該障害に係る障害認定日において厚生年金保険の被保険者期間を有するものは、厚生年金保険 法第四十七条第一項、第四十七条の二第一項又は第四十七条の三第一項の規定の適用については、当該初診日において厚生年金保険の被保険者であったものとみなす。ただし、そ の者が、当該障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの受給権を有する場合については、この限りでない。

3 相手国期間中に初診日のある傷病によ る障害を有する者は、厚生年金保険法第五十二条第四項又は第五十四条第二項ただし書の規定の適用については、当該初診日において厚生年金保険の被保険者であったものとみな す。

 (相手国期間を有する者に係る障害手当 金の支給要件の特例)

第二十九条 相手国期間(政令で定める社 会保障協定に係るものを除く。以下この条及び第三十六条第一項において同じ。)を有する者(その者の傷病に係る初診日から起算して五年を経過する日までの間におけるその傷 病が治った日(以下「障害程度を認定すべき日」という。)において厚生年金保険法第五十六条各号のいずれかに該当する者その他の政令で定める者を除く。)が、その者の傷病 による障害について同法第五十五条第二項において準用する同法第四十七条第一項ただし書に該当するときは、同項ただし書の規定の適用については、その者の相手国期間であっ て政令で定めるものを保険料納付済期間である国民年金の被保険者期間とみなす。ただし、その者が、当該障害に係る障害認定日において厚生年金保険の被保険者期間を有しない ときは、この限りでない。

2 相手国期間中に初診日のある傷病(政 令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。第三十六条第一項第二号において「相手国期間中に初診日のある傷病」とい う。)による障害を有する者(当該障害に係る障害程度を認定すべき日において厚生年金保険法第五十六条各号のいずれかに該当する者その他の政令で定める者を除く。)は、同 法第五十五条第一項の規定の適用については、当該初診日において厚生年金保険の被保険者であったものとみなす。ただし、その者が、当該障害に係る障害認定日において厚生年 金保険の被保険者期間を有しないときは、この限りでない。

 (相手国期間を有する者に係る遺族厚生 年金の支給要件の特例)

第三十条 相手国期間(政令で定める社会 保障協定に係るものを除く。以下この条及び第三十七条第一項において同じ。)及び厚生年金保険の被保険者期間を有する者が、その者の死亡について厚生年金保険法第五十八条 第一項ただし書に該当するときは、同項ただし書の規定の適用については、その者の相手国期間であって政令で定めるものを保険料納付済期間である国民年金の被保険者期間とみ なす。

2 相手国期間及び厚生年金保険の被保険 者期間を有する者が、相手国期間中に死亡した者(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当する者として政令で定める者とする。第三十七条第一項第二号に おいて「相手国期間中に死亡した者」という。)である場合は、厚生年金保険法第五十八条の規定の適用については、同条第一項第一号に該当するものとみなす。ただし、その者 の死亡を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの支給を受けることができる者があるときは、この限りでない。

3 相手国期間及び厚生年金保険の被保険 者期間を有する者が、相手国期間中に初診日のある傷病により当該傷病に係る初診日から起算して五年を経過する日前に死亡した場合(その者が厚生年金保険法第五十八条第一項 第一号又は第二号に該当する場合及び前項本文に規定する場合を除く。)は、同条の規定の適用については、同号に該当するものとみなす。この場合においては、同項ただし書の 規定を準用する。

     第二款 保険給付等の額の計算 等に関する特例

 (老齢厚生年金の加給等の額の計算の特 例)

第三十一条 第二十七条の規定により支給 する厚生年金保険法による保険給付等のうち次に掲げるものの額は、当該厚生年金保険法による保険給付等の額に関する規定であって政令で定めるものにかかわらず、当該規定に よる厚生年金保険法による保険給付等の額(脱退一時金にあっては、当該脱退一時金の受給権者の厚生年金保険の被保険者期間の月数が六であるものとして計算した額)に期間比 率を乗じて得た額(第一号から第三号までに掲げる厚生年金保険法による保険給付等にあっては、同条に規定する加算の要件に関する規定であって政令で定めるもののうち二以上 に該当するときは、一の加算の要件に関する規定に該当するものとしてそれぞれ計算した額のうち最も高いもの)とする。

 一 老齢厚生年金の加給

 二 遺族厚生年金の中高齢寡婦加 算

 三 遺族厚生年金の経過的寡婦加 算

 四 脱退一時金

2 前項の期間比率は、同項各号に掲げる 厚生年金保険法による保険給付等の受給権者又は当該厚生年金保険法による保険給付等の支給事由となった死亡に係る者の厚生年金保険の被保険者期間であって政令で定めるもの の月数を、当該厚生年金保険法による保険給付等の受給資格要件又は加算の資格要件たる期間であって政令で定めるものの月数で除して得た率とする。

3 第二十七条の規定により支給する老齢 厚生年金の加給の額については、当該老齢厚生年金の加給の受給権を有する者がその権利を取得した月以後における厚生年金保険の被保険者であった期間は、その計算の基礎とし ない。

4 厚生年金保険の被保険者であって、第 二十七条の規定により支給する老齢厚生年金の加給の受給権を有する者が、その厚生年金保険の被保険者の資格を喪失し、かつ、厚生年金保険の被保険者となることなくして、厚 生年金保険の被保険者の資格を喪失した日から起算して一月を経過したときは、前項の規定にかかわらず、その厚生年金保険の被保険者の資格を喪失した月前における厚生年金保 険の被保険者であった期間を当該老齢厚生年金の加給の額の計算の基礎とするものとし、その厚生年金保険の被保険者の資格を喪失した日から起算して一月を経過した日の属する 月から、当該老齢厚生年金の加給の額を改定する。

5 厚生年金保険法附則第十三条の四第三 項の規定による老齢厚生年金の受給権を有し、かつ、同条第七項の規定により読み替えられた同法第四十四条第一項の規定及び第二十七条の規定により支給する老齢厚生年金の加 給の受給権を有する者が六十五歳に達したときは、第三項の規定にかかわらず、その者の六十五歳に達した日の属する月前における厚生年金保険の被保険者であった期間を当該老 齢厚生年金の加給の額の計算の基礎とするものとし、六十五歳に達した日の属する月の翌月から、当該老齢厚生年金の加給の額を改定する。

 (障害厚生年金等の額の計算の特 例)

第三十二条 第二十八条第一項又は第二項 の規定により支給する障害厚生年金(以下この条及び次条第一項において「特例による障害厚生年金」という。)の厚生年金保険法第五十条第一項及び第二項の規定による額は、 これらの規定にかかわらず、これらの規定による額に按分率を乗じて得た額とする。ただし、特例による障害厚生年金の受給権者の被用者年金被保険者等であった期間であって政 令で定めるものの月数を合算した月数が三百以上である場合は、この限りでない。

2 前項の按分率は、次の各号に掲げる場 合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 公的年金被保険者等であることが理 論的に可能な期間に基づく按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イに掲げる期間の月数を、イ及びロに掲げる期間の月数(ロに掲げる 期間の月数が零である場合にあっては、イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数(当該合算した月数が三百を超えるときは、三百)で除して得た率

  イ 特例による障害厚生年金の受給権 者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものを合算したもの

  ロ 昭和三十六年四月一日以後の期間 (イに掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間、六十歳に達した日の属する月以後の期間及び当該特例による障害厚生年金の支給事由となった障害に係る 障害認定日(二以上の障害を支給事由とする障害厚生年金にあっては、厚生年金保険法第五十一条の規定の例による障害認定日)の属する月後の期間を除く。)

  ハ 当該特例による障害厚生年金の受 給権者の相手国期間であって政令で定めるもの

 二 公的年金被保険者等であった期間と 相手国期間とを合算した期間に基づく按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 前号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による障害 厚生年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数(当該合算した月数が三百を超えるときは、三百)で除して得た率

 三 前号に規定する按分率を厚生年金保 険法第五十条第一項後段に規定する額の計算の基礎となる被保険者期間の月数を勘案して修正した按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合  イ及びロに掲げる月数を合算した月数を三百で除して得た率

  イ 第一号イに掲げる期間の月 数

  ロ 三百からイに掲げる月数を控除し て得た月数に、イに掲げる月数を当該月数と特例による障害厚生年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率を乗じて得た月 数

3 特例による障害厚生年金の厚生年金保 険法第五十条第三項の規定による額は、同項の規定にかかわらず、同項の規定による額に按分率を乗じて得た額とする。

4 特例による障害厚生年金に係る厚生年 金保険法第五十条の二第一項の規定により加算する加給年金額に相当する部分(第六項において「障害厚生年金の配偶者加給」という。)の額は、同条第二項の規定にかかわら ず、同項の規定による額に按分率を乗じて得た額とする。

5 前二項の按分率は、次の各号に掲げる 場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 第二項第一号に掲げる場合 同号イ に掲げる期間の月数を、同号イ及びロに掲げる期間の月数(同号ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、同号イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得 た率

 二 第二項第二号又は第三号に掲げる場 合 同項第一号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による障害厚生年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率

6 特例による障害厚生年金に係る障害厚 生年金の配偶者加給の額は、その額が厚生年金保険法第四十八条第二項の規定によりその受給権が消滅した障害厚生年金に係る障害厚生年金の配偶者加給の額より低いときは、第 四項の規定にかかわらず、従前の障害厚生年金に係る障害厚生年金の配偶者加給の額に相当する額とする。

7 第一項及び第二項の規定は第二十九条の規定により支給する障害手当金の厚生年金保険法第五十七条本文の規定による額について、第三項及び第五項の規定は当該障害手当金の同条ただし書の規定による額について、それぞれ準用する。

8 第一項若しくは第三項(これらの規定を前項において準用する場合を含む。)又は第四項の規定の適用を受けようとする者の被用者年金被保険者等であった期間のうち、共済組合の組合員又は私学共済制度の加入者であった期間については、当該共済組合等の確認を受けたところによる。

 (遺族厚生年金の額の計算の特例)

第三十三条 第三十条の規定により支給する遺族厚生年金及び特例による障害厚生年金の受給権者が死亡したことによりその者の遺族に支給する遺族厚生年金(以下この条及び第三十九条において「特例による遺族厚生年金」という。)の厚生年金保険法第六十条第一項第一号及び第二号イ並びに第四項の規定による額は、これらの規定にかかわらず、これらの規定による額に、按分率を乗じて得た額とする。ただし、特例による遺族厚生年金の支給事由となった死亡に係る者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものの月数を合算した月数が三百以上である場合は、この限りでない。

2 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 前条第二項第一号に掲げる場合 イに掲げる期間の月数を、イ及びロに掲げる期間の月数(ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数(当該合算した月数が三百を超えるときは、三百)で除して得た率

  イ 特例による遺族厚生年金の支給事由となった死亡に係る者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものを合算したもの

  ロ 昭和三十六年四月一日から当該特例による遺族厚生年金の支給事由となった死亡に係る者の死亡した日の翌日の属する月の前月までの期間(イに掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間及び六十歳に達した日の属する月以後の期間を除く。)

  ハ 当該特例による遺族厚生年金の支給事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるもの

 二 前条第二項第二号に掲げる場合 前号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による遺族厚生年金の支給事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数(当該合算した月数が三百を超えるときは、三百)で除して得た率

 三 前号に規定する按分率を厚生年金保 険法第六十条第一項第一号ただし書に規定する額の計算の基礎となる被保険者期間の月数を勘案して修正した按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イ及びロに掲げる月数を合算した月数を三百で除して得た率

  イ 第一号イに掲げる期間の月数

  ロ 三百からイに掲げる月数を控除して得た月数に、イに掲げる月数を当該月数と特例による遺族厚生年金の支給事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率を乗じて得た月数

3 特例による遺族厚生年金に加算する遺族厚生年金の中高齢寡婦加算又は遺族厚生年金の経過的寡婦加算の額は、厚生年金保険法第六十二条第一項又は昭和六十年国民年金等改正法附則第七十三条第一項の規定にかかわらず、これらの規定により加算する額に按分率を乗じて得た額とする。

4 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 第二項第一号に掲げる場合 同号イに掲げる期間の月数を、同号イ及びロに掲げる期間の月数(同号ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、同号イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得た率

 二 第二項第二号又は第三号に掲げる場合 同項第一号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による遺族厚生年金の支給事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率

5 第十七条の規定は昭和六十年国民年金等改正法附則第七十四条第一項の規定により特例による遺族厚生年金に加算する額について、第十七条第一項及び第二項の規定は昭和六十年国民年金等改正法附則第七十四条第二項の規定により特例による遺族厚生年金に加算する額について、それぞれ準用する。

6 前条第八項の規定は、第一項又は第三項の場合について準用する。

 (老齢厚生年金の加給等の支給停止の特例)

第三十四条 老齢厚生年金又は障害厚生年金の受給権者の配偶者がこの法律の規定により支給する老齢、退職又は障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができる場合における当該配偶者について加算する額に相当する部分の支給の停止に関し必要な事項は、政令で定める。

    第三節 発効日前の障害又は死亡に係る保険給付等に関する特例

 (発効日前の障害認定日において障害の状態にある者の障害厚生年金の支給に関する特例)

第三十五条 障害認定日が発効日前にある傷病に係る初診日において、相手国期間を有する者であって次の各号のいずれかに該当したものが、当該障害認定日において、当該傷病により厚生年金保険法第四十七条第二項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあり、かつ、厚生年金保険の被保険者期間を有するときは、その者に、同条第一項の障害厚生年金を支給する。ただし、その者が、当該障害につき、第二十八条第一項、同法第四十七条第一項ただし書並びに昭和六十年国民年金等改正法附則第六十四条第一項及び第六十五条の規定を参酌して政令で定める受給資格要件を満たさない場合は、この限りでない。

 一 厚生年金保険の被保険者であること。

 二 当該傷病が相手国期間中に初診日のある傷病である者であること。

2 第三十二条第一項、第二項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害厚生年金の厚生年金保険法第五十条第一項又は第二項の規定による額について、第三十二条第三項、第五項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害厚生年金の同法第五十条第三項の規定による額について、第三十二条第四項から第六項まで及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害厚生年金に同法第五十条の二第一項の規定により加算する額について、それぞれ準用する。

3 前二項の規定は、同一の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの受給権を有する者については、適用しない。

4 第一項の規定による障害厚生年金の支給は、発効日の属する月の翌月から始めるものとする。

 (発効日前の障害程度を認定すべき日において障害の状態にある者の障害手当金の支給に関する特例)

第三十六条 障害程度を認定すべき日が発効日前にある傷病に係る初診日において、相手国期間を有する者(障害程度を認定すべき日において厚生年金保険法第五十六条各号のいずれかに該当する者その他の政令で定める者を除く。)であって次の各号のいずれかに該当したものが、当該障害程度を認定すべき日において当該傷病により同法第五十五条第一項の政令で定める程度の障害の状態にあり、かつ、当該障害に係る障害認定日において厚生年金保険の被保険者期間を有するときは、その者に、同項の障害手当金を支給する。ただし、その者が、当該障害につき、第二十九条第一項、同法第五十五条第二項において準用する同法第四十七条第一項ただし書並びに昭和六十年国民年金等改正法附則第六十四条第一項及び第六十五条の規定を参酌して政令で定める受給資格要件を満たさない場合は、この限りでない。

 一 厚生年金保険の被保険者であること。

 二 当該傷病が相手国期間中に初診日のある傷病である者であること。

2 第三十二条第一項、第二項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害手当金の厚生年金保険法第五十七条本文の規定による額について、第三十二条第三項、第五項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害手当金の同法第五十七条ただし書の規定による額について、それぞれ準用する。

 (発効日前の死亡に係る遺族厚生年金の支給に関する特例)

第三十七条 厚生年金保険の被保険者又は被保険者であった者であって相手国期間を有するものが、発効日前に死亡した場合であって、当該死亡した日において次の各号のいずれかに該当したときは、その者の遺族に、厚生年金保険法第五十八条第一項の遺族厚生年金を支給する。ただし、当該厚生年金保険の被保険者又は被保険者であった者(第一号から第三号までのいずれかに該当する者に限る。)が第三十条第一項、同法第五十八条第一項ただし書並びに昭和六十年国民年金等改正法附則第六十四条第二項及び第六十五条の規定を参酌して政令で定める受給資格要件を満たさない場合又は当該遺族が当該死亡した日から発効日までの間において厚生年金保険法第六十三条に規定する遺族厚生年金の受給権の消滅事由を参酌して政令で定める事由に該当した場合については、この限りでない。

 一 厚生年金保険の被保険者(失踪の宣告を受けた厚生年金保険の被保険者であった者であって、行方不明となった当時厚生年金保険の被保険者であったものを含む。)であるとき。

 二 厚生年金保険の被保険者であった者であって、相手国期間中に死亡した者であるとき(前号に該当するときを除く。)。

 三 厚生年金保険の被保険者であった者であって、厚生年金保険の被保険者であった間に初診日のある傷病又は相手国期間中に初診日のある傷病により死亡し、かつ、これらの傷病に係る初診日から起算して五年を経過していないものであるとき(前二号に該当するときを除く。)。

 四 第二十七条、厚生年金保険法第四十二条第二号及び同法附則第十四条並びに昭和六十年国民年金等改正法附則第五十七条の規定を参酌して政令で定める受給資格要件を満たす者であるとき。

2 厚生年金保険法第五十九条及び第五十九条の二並びに昭和六十年国民年金等改正法附則第七十二条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

3 第一項の場合において、死亡した厚生年金保険の被保険者又は被保険者であった者が同項第一号から第三号までのいずれかに該当し、かつ、同項第四号にも該当するときは、その遺族が遺族厚生年金の請求をしたときに別段の申出をした場合を除き、同項第一号から第三号までのいずれかのみに該当し、同項第四号には該当しないものとみなす。

4 第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給する遺族厚生年金は厚生年金保険法第五十八条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給する遺族厚生年金と、第一項第四号に該当することにより支給する遺族厚生年金は同条第一項第四号に該当することにより支給する遺族厚生年金とみなす。

5 第一項の規定により支給する遺族厚生年金の額について、厚生年金保険法第六十二条第一項の規定を適用する場合においては、同項中「その権利を取得した当時」とあるのは、「当該遺族厚生年金の支給事由となつた死亡に係る死亡の日において」とする。

6 第一項の規定により支給する遺族厚生年金の額について、昭和六十年国民年金等改正法附則第七十三条第一項の規定を適用する場合においては、同項中「妻であつた者に限る」とあるのは、「妻であつた者であつて、当該厚生年金保険の被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時四十歳(当該死亡日が平成十九年四月一日前にある場合にあつては、三十五歳)以上であつたものに限る」とする。

7 第二十七条(第六号及び第七号に係る部分に限る。)の規定は、第一項第四号に該当することにより遺族厚生年金の支給を受けることができる者であって、厚生年金保険法第六十二条第一項の遺族厚生年金の中高齢寡婦加算に係る加算の要件又は昭和六十年国民年金等改正法附則第七十三条第一項の遺族厚生年金の経過的寡婦加算に係る加算の要件たる期間を満たさないものについて準用する。

8 次の各号に掲げる額については、それぞれ当該各号に定める規定を準用する。

 一 第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給する遺族厚生年金の厚生年金保険法第六十条の規定による額 第三十三条第一項、第二項及び第六項

 二 第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給する遺族厚生年金に加算する遺族厚生年金の中高齢寡婦加算又は遺族厚生年金の経過的寡婦加算の額 第三十三条第三項、第四項及び第六項

 三 第一項第四号に該当することにより支給する遺族厚生年金に加算する遺族厚生年金の中高齢寡婦加算又は遺族厚生年金の経過的寡婦加算の額 第三十一条第一項及び第二項

 四 第一項の規定により支給する遺族厚生年金に昭和六十年国民年金等改正法附則第七十四条第一項の規定により加算する額に相当する部分の額 第十七条

 五 第一項の規定により支給する遺族厚生年金に昭和六十年国民年金等改正法附則第七十四条第二項の規定により加算する額に相当する部分の額 第十七条第一項及び第二項

9 前各項の規定は、同一の死亡を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの支給を受けることができる者がある場合については、適用しない。

10 第一項の規定による遺族厚生年金の支給は、発効日の属する月の翌月から始めるものとする。

    第四節 二以上の相手国期間を有する者に係る保険給付等に関する特例

 (二以上の相手国期間を有する者に係る厚生年金保険法による保険給付等の支給要件等に関する特例)

第三十八条 厚生年金保険法による保険給付等の支給要件又は加算の要件に関する規定に規定する受給資格要件を満たさない者が二以上の相手国期間を有しているときは、一の社会保障協定ごとに当該社会保障協定に係る一の相手国期間のみを有しているものとして前二節の規定をそれぞれ適用する。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る厚生年金保険法による保険給付等の額)

第三十九条 前二節の規定により支給する厚生年金保険法による保険給付等の額は、当該厚生年金保険法による保険給付等の受給権者(特例による遺族厚生年金又はこれに加算する遺族厚生年金の中高齢寡婦加算若しくは遺族厚生年金の経過的寡婦加算にあっては、当該特例による遺族厚生年金又は当該遺族厚生年金の中高齢寡婦加算若しくは遺族厚生年金の経過的寡婦加算の支給事由となった死亡に係る者)が二以上の相手国期間(前二節の規定を適用するものとした場合に当該厚生年金保険法による保険給付等の支給要件又は加算の要件に関する規定に規定する受給資格要件を満たすこととなるものに限る。以下この条において同じ。)を有しているときは、当該厚生年金保険法による保険給付等の種類に応じ、一の社会保障協定ごとに当該社会保障協定に係る一の相手国期間のみを有しているものとしてそれぞれ計算した額のうち最も高い額とする。

    第五節 不服申立てに関する特例

第四十条 第四十七条第八項(第四十八条第六項(第五十二条第六項において準用する場合を含む。)、第五十条第二項及び第五十一条第二項において準用する場合を含む。)、第六十四条第八項(第六十五条第六項(第六十九条第六項において準用する場合を含む。)、第六十七条第二項及び第六十八条第二項において準用する場合を含む。)又は第八十二条第八項(第八十三条第六項(第八十七条第六項において準用する場合を含む。)、第八十五条第二項及び第八十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による確認(厚生年金保険の被保険者期間に係るものに限る。)に関する処分について不服がある者は、厚生年金保険法の定めるところにより、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

2 第三十二条第八項(第三十三条第六項(第三十七条第八項において準用する場合を含む。)、第三十五条第二項及び第三十六条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の場合において、厚生年金保険の被保険者期間以外の被用者年金被保険者等であった期間に係る第三十二条第八項の規定による確認の処分についての不服を、当該期間に基づく厚生年金保険法による保険給付等に関する処分の不服の理由とすることができない。

   第八章 国家公務員共済組合法関係

    第一節 国家公務員共済組合法の適用範囲に関する特例

第四十一条 国家公務員共済組合法(以下「国共済法」という。)の規定(長期給付に関する規定を除く。)は、国共済法第二条第一項第一号に規定する職員(国共済法第百二十四条の三、第百二十五条及び第百二十六条第二項の規定により当該職員とみなされる者並びに国共済法附則第二十条の三第四項の規定により当該職員とみなされる同条第一項に規定する郵政会社等役職員(国共済法附則第二十条の七第一項の規定により当該役職員とみなされる者を含む。)を含む。)のうち、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受ける者(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、政令で定める者に限る。)には、適用しない。

2 国共済法の長期給付に関する規定は、前項の職員のうち、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受ける者には、適用しない。

    第二節 長期給付等に関する特例

     第一款 長期給付等の支給要件等に関する特例

 (相手国期間を有する者に係る退職共済年金等の支給要件等の特例)

第四十二条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。以下この項において同じ。)及び国家公務員共済組合(国共済法第三条第一項に規定する国家公務員共済組合をいう。以下同じ。)の組合員である期間(以下「国共済組合員期間」という。)を有し、かつ、国共済法による長期給付、国共済法による長期給付に加算する金額に相当する部分又は国共済法による一時金(以下「国共済法による長期給付等」という。)のうち次に掲げるものの支給要件又は加算の要件に関する規定であって政令で定めるもの(以下この項において「支給要件等に関する規定」という。)に規定する国共済法による長期給付等の受給資格要件又は加算の資格要件である期間を満たさない者について、当該支給要件等に関する規定を適用する場合においては、その者の相手国期間であって政令で定めるものを国共済組合員期間その他の政令で定める期間に算入する。

 一 退職共済年金

 二 遺族共済年金

 三 国共済法第七十八条第一項の規定により退職共済年金に加算する加給年金額に相当する部分(以下「国共済法の退職共済年金の加給」という。)

 四 国共済法第九十条の規定により遺族共済年金に加算する金額に相当する部分(以下「国共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算」という。)

 五 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百五号。以下「昭和六十年国共済改正法」という。)附則第二十八条第一項の規定により遺族共済年金に加算する金額に相当する部分(以下「国共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算」という。)

 六 国共済法附則第十三条の十第一項に規定する脱退一時金(第四十六条第一項において「脱退一時金」という。)

2 前項の規定により国共済法による退職共済年金の受給資格要件である期間を満たすこととなる者については、国共済法附則第十三条の十第一項の規定は、適用しない。

 (相手国期間中に初診日のある傷病による障害に係る障害共済年金の支給要件等の特例)

第四十三条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。以下この章において「相手国期間中に初診日のある傷病」という。)による障害を有する者であって、当該障害に係る障害認定日において国共済組合員期間を有するものは、国共済法第八十一条第一項、第三項又は第五項の規定の適用については、当該初診日において国家公務員共済組合の組合員であったものとみなす。ただし、その者が、当該障害を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの受給権を有する場合については、この限りでない。

2 相手国期間中に初診日のある傷病によ る障害を有する者は、国共済法第八十四条第二項又は第八十七条第四項ただし書の規定の適用については、当該初診日において国家公務員共済組合の組合員であったものとみなす。

 (相手国期間中に初診日のある公務によらない傷病による障害に係る障害一時金の支給要件の特例)

第四十四条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある公務によらない傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。 第五十一条第一項において「相手国期間中に初診日のある公務によらない傷病」という。)による障害を有する者(その退職の日(国共済法第八十七条の五第一項に規定する退職の日をいう。第五十一条第一項において同じ。)において国共済法第八十七条の六各号のいずれかに該当する者その他の政令で定める者を除く。)は、国共済法第八十七条の五第一項の規定の適用については、当該初診日において国家公務員共済組合の組合員であったものとみなす。

 (相手国期間を有する者に係る遺族共済年金の支給要件の特例)

第四十五条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。以下この条及び第五十二条第一項において同じ。)及び国共済組合員期間を有する者が、相手国期間中に死亡した者(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当する者として政令で定める者とする。同項第一号において「相手国期間中に死亡した者」という。)である場合は、国共済法第八十八条の規定の適用については、同条第一項第一号に該当するものとみなす。ただし、その者の死亡を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの支給を受けることができる者があるときは、この限りでない。

2 相手国期間及び国共済組合員期間を有する者が、相手国期間中に初診日のある傷病により当該傷病に係る初診日から起算して五年を経過する日前に死亡した場合(その者が国共済法第八十八条第一項第一号又は第二号に該当する場合及び前項本文に規定する場合を除く。)は、同条の規定の適用については、同号に該当するものとみなす。この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。

     第二款 長期給付等の額の計算等に関する特例

 (国共済法の退職共済年金の加給等の額の計算の特例)

第四十六条 第四十二条第一項の規定により支給する国共済法による長期給付等のうち次に掲げるものの額は、当該国共済法による長期給付等の額に関する規定であって政令で定めるものにかかわらず、当該規定による国共済法による長期給付等の額(脱退一時金にあっては、当該脱退一時金の受給権者の国共済組合員期間の月数が六月であるものとして算定した額)に期間比率を乗じて得た額とする。

 一 国共済法の退職共済年金の加給

 二 国共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算

 三 国共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算

 四 脱退一時金

2 前項の期間比率は、同項各号に掲げる国共済法による長期給付等の受給権者又は当該国共済法による長期給付等の給付事由となった死亡に係る者の国共済組合員期間であって政令で定めるものの月数を、当該国共済法による長期給付等の受給資格要件又は加算の資格要件である期間であって政令で定めるものの月数で除して得た率とする。

3 第四十二条第一項の規定により支給する国共済法の退職共済年金の加給の額については、当該国共済法の退職共済年金の加給の受給権を有する者がその権利を取得した日の翌日の属する月以後における国共済組合員期間は、その算定の基礎としない。

4 国家公務員共済組合の組合員であって、第四十二条第一項の規定により支給する国共済法の退職共済年金の加給の受給権を有する者が退職(国共済法第二条第一項第四号に規定する退職をいう。)したとき(当該退職した日の翌日から起算して一月を経過するまでの間に再び国家公務員共済組合の組合員の資格を取得したときを除く。)は、前項の規定にかかわらず、当該退職した日の翌日の属する月の前月までの国共済組合員期間を算定の基礎として、当該国共済法の退職共済年金の加給の額を改定する。

5 国共済法附則第十二条の六の二第三項の規定による退職共済年金の受給権を有し、かつ、同条第八項の規定により読み替えられた国共済法第七十八条第一項の規定及び第四十二条第一項の規定により支給する国共済法の退職共済年金の加給の受給権を有する者が六十五歳に達したときは、第三項の規定にかかわらず、その者の六十五歳に達した日の翌日の属する月の前月までの国共済組合員期間を算定の基礎として、当該国共済法の退職共済年金の加給の額を改定する。

 (国共済法の障害共済年金等の額の計算の特例)

第四十七条 第四十三条第一項の規定により支給する障害共済年金(以下この条及び次条第一項において「特例による障害共済年金」という。)の国共済法第八十二条第一項(後段を除く。)の規定による金額は、同項の規定にかかわらず、同項第一号の規定による金額(特例による障害共済年金の受給権者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものの月数を合算した月数が三百月未満であるときは、当該金額に按分率を乗じて得た金額)とする。

2 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 公的年金被保険者等であることが理論的に可能な期間に基づく按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イに掲げる期間の月数を、イ及びロに掲げる期間の月数(ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

  イ 特例による障害共済年金の受給権者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものを合算したもの

  ロ 昭和三十六年四月一日以後の期間(イに掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間、六十歳に達した日の属する月以後の期間及び当該特例による障害共済年金の給付事由となった障害に係る障害認定日(二以上の障害を給付事由とする障害共済年金にあっては、国共済法第八十二条第四項の規定の例による障害認定日)の属する月後の期間を除く。)

  ハ 当該特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるもの

 二 公的年金被保険者等であった期間と相手国期間とを合算した期間に基づく按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 前号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

 三 前号に規定する按分率を障害共済年金の額の計算の基礎となる国共済組合員期間の月数(国共済法第八十二条第一項第一号に規定する月数をいう。)を勘案して修正した按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イ及びロに掲げる月数を合算した月数を三百で除して得た率

  イ 第一号イに掲げる期間の月数

  ロ 三百月からイに掲げる月数を控除して得た月数に、イに掲げる月数を当該月数と特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率を乗じて得た月数

3 特例による障害共済年金の国共済法第八十二条第一項第一号に掲げる金額の同項後段の規定による金額は、同項後段の規定にかかわらず、同項後段の規定による金額に按分率を乗じて得た金額とする。

4 特例による障害共済年金に係る国共済法第八十三条第一項の規定により加算する加給年金額に相当する部分(第六項において「国共済法の障害共済年金の配偶者加給」という。)の額は、同条第三項の規定にかかわらず、同項の規定による金額に按分率を乗じて得た金額とする。

5 前二項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 第二項第一号に掲げる場合 同号イに掲げる期間の月数を、同号イ及びロに掲げる期間の月数(同号ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、同号イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得た率

 二 第二項第二号又は第三号に掲げる場合 同項第一号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率

6 特例による障害共済年金に係る国共済法の障害共済年金の配偶者加給の額は、その額が国共済法第八十五条第四項の規定によりその受給権が消滅した国共済法による障害共済年金に係る国共済法の障害共済年金の配偶者加給の額より低いときは、第四項の規定にかかわらず、従前の国共済法による障害共済年金に係る国共済法の障害共済年金の配偶者加給の額に相当する額とする。

7 第一項及び第二項の規定は第四十四条の規定により支給する障害一時金の国共済法第八十七条の七(後段を除く。)の規定による金額について、第三項及び第五項の規定は当該障害一時金の同条第一号に掲げる金額の同条後段の規定による金額について、それぞれ準用する。

8 第一項若しくは第三項(これらの規定を前項において準用する場合を含む。)又は第四項の規定の適用を受けようとする者の被用者年金被保険者等であった期間のうち国共済組合員期間以外の期間については、社会保険庁長官(当該国共済組合員期間以外の期間が私学共済制度の加入者であった期間であるときは、日本私立学校振興・共済事業団)の確認を受けたところによる。

 (国共済法の遺族共済年金の額の計算の特例)

第四十八条 第四十五条の規定により支給する遺族共済年金及び特例による障害共済年金の受給権者が死亡したことによりその者の遺族に支給する遺族共済年金(以下この条及び第五十四条において「特例による遺族共済年金」という。)の国共済法第八十九条第一項第一号イの規定による金額は、同号イの規定にかかわらず、同号イ(1)の規定による金額(特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものの月数を合算した月数が三百月未満であるときは、当該金額に按分率を乗じて得た金額)とする。

2 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 前条第二項第一号に掲げる場合 イに掲げる期間の月数を、イ及びロに掲げる期間の月数(ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

  イ 特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものを合算したもの

  ロ 昭和三十六年四月一日から当該特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の死亡した日の翌日の属する月の前月までの期間(イに掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間及び六十歳に達した日の属する月以後の期間を除く。)

  ハ 当該特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるもの

 二 前条第二項第二号に掲げる場合 前号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

 三 前号に規定する按分率を遺族共済年金の額の計算の基礎となる国共済組合員期間の月数(国共済法第八十九条第一項第一号イに規定する月数をいう。)を勘案して修正した按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イ及びロに掲げる月数を合算した月数を三百で除して得た率

  イ 第一号イに掲げる期間の月数

  ロ 三百月からイに掲げる月数を控除して得た月数に、イに掲げる月数を当該月数と特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率を乗じて得た月数

3 特例による遺族共済年金に加算する国共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算又は国共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の額は、国共済法第九十条又は昭和六十年国共済改正法附則第二十八条第一項の規定にかかわらず、これらの規定により加算する金額に、按分率を乗じて得た金額とする。

4 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 第二項第一号に掲げる場合 同号イに掲げる期間の月数を、同号イ及びロに掲げる期間の月数(同号ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、同号イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得た率

 二 第二項第二号又は第三号に掲げる場合 同項第一号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率

5 第十七条の規定は昭和六十年国共済改正法附則第二十九条第一項の規定により特例による遺族共済年金に加算する額について、第十七条第一項及び第二項の規定は昭和六十年国共済改正法附則第二十九条第二項の規定により特例による遺族共済年金に加算する額について、それぞれ準用する。

6 前条第八項の規定は、第一項又は第三項の場合について準用する。

 (国共済法の退職共済年金の加給等の支給停止の特例)

第四十九条 国共済法による退職共済年金又は障害共済年金の受給権者の配偶者がこの法律の規定により支給する退職、老齢又は障害を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものを受けることができる場合における当該配偶者について加算する金額に相当する部分の支給の停止に関し必要な事項は、政令で定める。

    第三節 発効日前の障害又は死亡に係る長期給付等に関する特例

 (発効日前の障害認定日において障害の状態にある者の国共済法による障害共済年金の支給に関する特例)

第五十条 障害認定日が発効日前にある傷病(相手国期間中に初診日のある傷病に限る。)による障害を有する者(当該初診日において国家公務員共済組合の組合員であった者を除く。)が、当該障害認定日において、国共済組合員期間を有し、かつ、当該傷病により国共済法第八十一条第二項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に、同条第一項の障害共済年金を支給する。

2 第四十七条第一項、第二項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害共済年金の国共済法第八十二条第一項(後段を除く。)の規定による金額について、第四十七条第三項、第五項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害共済年金の国共済法第八十二条第一項第一号に掲げる金額の同項後段の規定による金額について、第四十七条第四項から第六項まで及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害共済年金に国共済法第八十三条第一項の規定により加算する金額について、それぞれ準用する。

3 前二項の規定は、同一の障害を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの受給権を有する者については、適用しない。

4 第一項の規定による障害共済年金の支給は、発効日の属する月の翌月から始めるものとする。

 (発効日前の退職の日において障害の状態にある者の国共済法による障害一時金の支給に関する特例)

第五十一条 退職の日が発効日前である者であって、相手国期間中に初診日のある公務によらない傷病による障害を有するもの(当該初診日において国家公務員共済組合の組合員であった者を除く。)が、当該退職の日において、国共済組合員期間を有し、かつ、当該傷病により国共済法第八十七条の五第一項の政令で定める程度の障害の状態にあるときは、その者に、同項の障害一時金を支給する。ただし、その者が、当該退職の日において国共済法第八十七条の六各号のいずれかに該当する者その他の政令で定める者である場合については、この限りでない。

2 第四十七条第一項、第二項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害一時金の国共済法第八十七条の七(後段を除く。)の規定による金額について、第四十七条第三項、第五項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害一時金の国共済法第八十七条の七第一号に掲げる金額の同条後段の規定による金額について、それぞれ準用する。

 (発効日前の死亡に係る国共済法による遺族共済年金の支給に関する特例)

第五十二条 国家公務員共済組合の組合員であった者であって相手国期間を有するものが、発効日前に死亡した場合であって、当該死亡した日において次の各号のいずれかに該当したとき(当該死亡した日において国家公務員共済組合の組合員であった場合を除く。)は、その者の遺族に、国共済法第八十八条第一項の遺族共済年金を支給する。ただし、当該遺族が当該死亡した日から発効日までの間において国共済法第九十三条の二に規定する遺族共済年金の受給権の消滅事由を参酌して政令で定める事由に該当した場合については、この限りでない。

 一 相手国期間中に死亡した者であるとき。

 二 相手国期間中に初診日のある傷病により死亡し、かつ、当該死亡した日が当該初診日から起算して五年を経過していないものであるとき(前号に該当するときを除く。)。

 三 第四十二条第一項、国共済法第八十 八条第一項第四号及び昭和六十年国共済改正法附則第十四条第一項から第三項までの規定を参酌して政令で定める受給資格要件を満たすとき。

2 国共済法第二条第一項第三号、第二項及び第三項、第四十三条、第四十四条並びに第七十四条の五の規定は、前項の場合について準用する。

3 第一項の場合において、死亡した国家公務員共済組合の組合員であった者が同項第一号又は第二号に該当し、かつ、同項第三号にも該当するときは、その遺族が国共済法による遺族共済年金の請求をしたときに別段の申出をした場合を除き、同項第一号又は第二号のみに該当するものとし、同項第三号には該当しないものとする。

4 第一項第一号又は第二号に該当することにより支給する遺族共済年金は国共済法第八十八条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給する遺族共済年金と、第一項第三号に該当することにより支給する遺族共済年金は同条第一項第四号に該当することにより支給する遺族共済年金とみなす。

5 第四十二条第一項(第四号及び第五号に係る部分に限る。)の規定は、第一項第三号に該当することにより遺族共済年金の支給を受けることができる者であって、国共済法第九十条に規定する国共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算の加算の資格要件又は昭和六十年国共済改正法附則第二十八条第一項に規定する国共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の加算の資格要件である期間を満たさないものについて準用する。

6 次の各号に掲げる額については、それぞれ当該各号に定める規定を準用する。

 一 第一項第一号又は第二号に該当することにより支給する遺族共済年金の国共済法第八十九条第一項第一号イの規定による額 第四十八条第一項、第二項及び第六項

 二 第一項第一号又は第二号に該当する ことにより支給する遺族共済年金に加算する国共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算又は国共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の額 第四十八条第三項、第四項及び第六項

 三 第一項第三号に該当することにより支給する遺族共済年金に加算する国共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算又は国共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の額 第四十六条第一項及び第二項

 四 第一項の規定により支給する遺族共 済年金に昭和六十年国共済改正法附則第二十九条第一項の規定により加算する額に相当する部分の額 第十七条

 五 第一項の規定により支給する遺族共済年金に昭和六十年国共済改正法附則第二十九条第二項の規定により加算する額に相当する部分の額 第十七条第一項及び第二項

7 前各項の規定は、同一の死亡を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの支給を受けることができる者がある場合については、適用しない。

8 第一項の規定による遺族共済年金の支給は、発効日の属する月の翌月から始めるものとする。

    第四節 二以上の相手国期間を有する者に係る長期給付等に関する特例

 (二以上の相手国期間を有する者に係る国共済法による長期給付等の支給要件等に関する特例)

第五十三条 国共済法による長期給付等の支給要件又は加算の要件に関する規定に規定する受給資格要件を満たさない者が二以上の相手国期間を有しているときは、一の社会保障協定ごとに当該社会保障協定に係る一の相手国期間のみを有しているものとして前二節の規定をそれぞれ適用する。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る国共済法による長期給付等の額)

第五十四条 前二節の規定により支給する国共済法による長期給付等の額は、当該国共済法による長期給付等の受給権者(特例による遺族共済年金又はこれに加算する国共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算若しくは国共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算にあっては、当該特例による遺族共済年金又は当該国共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算若しくは国共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の給付事由となった死亡に係る者)が二以上の相手国期間(前二節の規定を適用するものとした場合に当該国共済法による長期給付等の支給要件又は加算の要件に関する規定に規定する受給資格要件を満たすこととなるものに限る。以下この条において同じ。)を有しているときは、当該国共済法による長期給付等の種類に応じ、一の社会保障協定ごとに当該社会保障協定に係る一の相手国期間のみを有しているものとしてそれぞれ計算した額のうち最も高いものとする。

    第五節 不服申立てに関する特例等

 (国共済法の規定による審査請求の特例)

第五十五条 第十四条第四項、第三十二条第八項(第三十三条第六項(第三十七条第八項において準用する場合を含む。)、第三十五条第二項及び第三十六条第二項において準用する場合を含む。)又は第八十二条第八項(第八十三条第六項(第八十七条第六項において準用する場合を含む。)、第八十五条第二項及び第八十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による確認(国共済組合員期間に係るものに限る。)に関する処分について不服がある者は、国共済法の定めるところにより、国家公務員共済組合審査会に対して審査請求をすることができる。

2 第四十七条第八項(第四十八条第六項(第五十二条第六項において準用する場合を含む。)、第五十条第二項及び第五十一条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の場合において、国共済組合員期間以外の期間に係る第四十七条第八項の規定による確認の処分についての不服を、当該期間に基づく国共済法による長期給付等に関する処分についての不服の理由とすることができない。

 (国共済法の規定による審査請求の手続の特例)

第五十六条 国共済法第百三条第一項の規定による審査請求は、同項の規定によるほか、相手国法令(政令で定める社会保障協定に係るものを除き、政令で定めるものに限る。)の規定により同種の請求を受理することとされている相手国実施機関等を経由してすることができる。

2 前項の場合における国共済法第百三条第二項の規定による審査請求の期間の計算については、その経由した相手国実施機関等に審査請求書を提出し、又は行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第十五条第一項及び第二項に規定する事項を口頭で陳述した時に審査請求があったものとみなす。

3 前二項の規定は、発効日前に行われた国共済法の規定による処分に対する国共済法第百三条第一項の規定による審査請求については、適用しない。

 (財務大臣の権限)

第五十七条 財務大臣は、社会保障協定及びこの法律の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、国家公務員共済組合又は国家公務員共済組合連合会に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。

   第九章 地方公務員等共済組合法関係

    第一節 地方公務員等共済組合法の適用範囲に関する特例

第五十八条 地方公務員等共済組合法(以下「地共済法」という。)の規定(長期給付に関する規定を除く。)は、地共済法第二条第一項第一号に規定する職員(地共済法第百四十一条第一項及び第二項、第百四十一条の二、第百四十二条第一項並びに第百四十四条の三第一項の規定により当該職員とみなされる者を含む。)のうち、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受ける者(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、政令で定める者に限る。)には、適用しない。

2 地共済法の長期給付に関する規定は、前項の職員及び地共済法第百四十条第一項に規定する公庫等職員(同条第二項に規定する継続長期組合員の資格を有する者に限る。)のうち、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受ける者には、適用しない。

    第二節 長期給付等に関する特例

     第一款 長期給付等の支給要件等に関する特例

 (相手国期間を有する者に係る退職共済年金等の支給要件等の特例)

第五十九条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。以下この項において同じ。)及び地方公務員共済組合(地共済法第三条第一項に規定する地方公務員共済組合をいう。以下同じ。)の組合員である期間(以下「地共済組合員期間」という。)を有し、かつ、地共済法による長期給付、地共済法による長期給付に加算する金額に相当する部分又は地共済法による一時金(以下「地共済法による長期給付等」という。)のうち次に掲げるものの支給要件又は加算の要件に関する規定であって政令で定めるもの(以下この項において「支給要件等に関する規定」という。)に規定する地共済法による長期給付等の受給資格要件又は加算の資格要件である期間を満たさない者について、当該支給要件等に関する規定を適用する場合においては、その者の相手国期間であって政令で定めるものを地共済組合員期間その他の政令で定める期間に算入する。

 一 退職共済年金

 二 遺族共済年金

 三 地共済法第八十条第一項の規定により退職共済年金に加算する加給年金額に相当する部分(以下「地共済法の退職共済年金の加給」という。)

 四 地共済法第九十九条の三の規定により遺族共済年金に加算する金額に相当する部分(以下「地共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算」という。)

 五 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百八号。以下「昭和六十年地共済改正法」という。)附則第二十九条第一項の規定により遺族共済年金に加算する額に相当する部分(以下「地共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算」という。)

 六 地共済法附則第二十八条の十三第一項に規定する脱退一時金(第六十三条第一項において「脱退一時金」という。)

2 前項の規定により地共済法による退職共済年金の受給資格要件である期間を満たすこととなる者については、地共済法附則第二十八条の十三第一項の規定は、適用しない。

 (相手国期間中に初診日のある傷病による障害に係る障害共済年金の支給要件等の特例)

第六十条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。以下この章において「相手国期間中に初診日のある傷病」という。)による障害を有する者であって、当該障害に係る障害認定日において地共済組合員期間を有するものは、地共済法第八十四条第一項、第八十五条第一項又は第八十六条第一項の規定の適用については、当該初診日において地方公務員共済組合の組合員であったものとみなす。ただし、その者が、当該障害を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの受給権を有する場合については、この限りでない。

2 相手国期間中に初診日のある傷病による障害を有する者は、地共済法第八十九条第二項又は第九十二条第五項ただし書の規定の適用については、当該初診日において地方公務員共済組合の組合員であったものとみなす。

 (相手国期間中に初診日のある公務によらない傷病による障害に係る障害一時金の支給要件の特例)

第六十一条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある公務によらない傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。第六十八条第一項において「相手国期間中に初診日のある公務によらない傷病」という。)による障害を有する者(その退職の日(地共済法第九十六条第一項に規定する退職の日をいう。第六十八条第一項において同じ。)において地共済法第九十七条各号のいずれかに該当する者その他の政令で定める者を除く。)は、地共済法第九十六条第一項の規定の適用については、当該初診日において地方公務員共済組合の組合員であったものとみなす。

 (相手国期間を有する者に係る遺族共済年金の支給要件の特例)

第六十二条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。以下この条及び第六十九条第一項において同じ。)及び地共済組合員期間を有する者が、相手国期間中に死亡した者(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当する者として政令で定める者とする。同項第一号において「相手国期間中に死亡した者」という。)である場合は、地共済法第九十九条の規定の適用については、同条第一項第一号に該当するものとみなす。ただし、その者の死亡を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの支給を受けることができる者があるときは、この限りでない。

2 相手国期間及び地共済組合員期間を有する者が、相手国期間中に初診日のある傷病により当該傷病に係る初診日から起算して五年を経過する日前に死亡した場合(その者が地共済法第九十九条第一項第一号又は第二号に該当する場合及び前項本文に規定する場合を除く。)は、同条の規定の適用については、同号に該当するものとみなす。この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。

     第二款 長期給付等の額の計算等に関する特例

 (地共済法の退職共済年金の加給等の額の計算の特例)

第六十三条 第五十九条第一項の規定により支給する地共済法による長期給付等のうち次に掲げるものの額は、当該地共済法による長期給付等の額に関する規定であって政令で定めるものにかかわらず、当該規定による地共済法による長期給付等の額(脱退一時金にあっては、当該脱退一時金の受給権者の地共済組合員期間の月数が六月であるものとして算定した額)に期間比率を乗じて得た額とする。

 一 地共済法の退職共済年金の加給

 二 地共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算

 三 地共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算

 四 脱退一時金

2 前項の期間比率は、同項各号に掲げる地共済法による長期給付等の受給権者又は当該地共済法による長期給付等の給付事由となった死亡に係る者の地共済組合員期間であって政令で定めるものの月数を、当該地共済法による長期給付等の受給資格要件又は加算の資格要件である期間であって政令で定めるものの月数で除して得た率とする。

3 第五十九条第一項の規定により支給する地共済法の退職共済年金の加給の額については、当該地共済法の退職共済年金の加給の受給権を有する者がその権利を取得した日の翌日の属する月以後における地共済組合員期間は、その算定の基礎としない。

4 地方公務員共済組合の組合員であって、第五十九条第一項の規定により支給する地共済法の退職共済年金の加給の受給権を有する者が退職(地共済法第二条第一項第四号に規定する退職をいう。)したとき(当該退職した日の翌日から起算して一月を経過するまでの間に再び地方公務員共済組合の組合員の資格を取得したときを除く。)は、前項の規定にかかわらず、当該退職した日の翌日の属する月の前月までの地共済組合員期間を算定の基礎として、当該地共済法の退職共済年金の加給の額を改定する。

5 地共済法附則第二十四条の二第三項の規定による退職共済年金の受給権を有し、かつ、同条第八項の規定により読み替えられた地共済法第八十条第一項の規定及び第五十九条第一項の規定により支給する地共済法の退職共済年金の加給の受給権を有する者が六十五歳に達したときは、第三項の規定にかかわらず、その者の六十五歳に達した日の翌日の属する月の前月までの地共済組合員期間を算定の基礎として、当該地共済法の退職共済年金の加給の額を改定する。

 (地共済法の障害共済年金等の額の計算の特例)

第六十四条 第六十条第一項の規定により支給する障害共済年金(以下この条及び次条第一項において「特例による障害共済年金」という。)の地共済法第八十七条第一項の規定による金額は、同項の規定にかかわらず、同項第一号の規定による金額(特例による障害共済年金の受給権者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものの月数を合算した月数が三百月未満であるときは、当該金額に按分率を乗じて得た金額)とする。

2 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 公的年金被保険者等であることが理論的に可能な期間に基づく按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イに掲げる期間の月数を、イ及びロに掲げる期間の月数(ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

  イ 特例による障害共済年金の受給権者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものを合算したもの

  ロ 昭和三十六年四月一日以後の期間(イに掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間、六十歳に達した日の属する月以後の期間及び当該特例による障害共済年金の給付事由となった障害に係る障害認定日(二以上の障害を給付事由とする障害共済年金にあっては、地共済法第八十七条第五項の規定の例による障害認定日)の属する月後の期間を除く。)

  ハ 当該特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるもの

 二 公的年金被保険者等であった期間と相手国期間とを合算した期間に基づく按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 前号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

 三 前号に規定する按分率を障害共済年金の額の計算の基礎となる地共済組合員期間の月数(地共済法第八十七条第一項第一号に規定する月数をいう。)を勘案して修正した按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イ及びロに掲げる月数を合算した月数を三百で除して得た率

  イ 第一号イに掲げる期間の月数

  ロ 三百月からイに掲げる月数を控除して得た月数に、イに掲げる月数を当該月数と特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率を乗じて得た月数

3 特例による障害共済年金の地共済法第八十七条第一項第一号に掲げる金額の同条第三項の規定による金額は、同項の規定にかかわらず、同項の規定による金額に按分率を乗じて得た金額とする。

4 特例による障害共済年金に係る地共済法第八十八条第一項の規定により加算する加給年金額に相当する部分(第六項において「地共済法の障害共済年金の配偶者加給」という。)の額は、同条第三項の規定にかかわらず、同項の規定による金額に按分率を乗じて得た金額とする。

5 前二項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 第二項第一号に掲げる場合 同号イに掲げる期間の月数を、同号イ及びロに掲げる期間の月数(同号ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、同号イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得た率

 二 第二項第二号又は第三号に掲げる場合 同項第一号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率

6 特例による障害共済年金に係る地共済法の障害共済年金の配偶者加給の額は、その額が地共済法第九十条第五項の規定によりその受給権が消滅した地共済法による障害共済年金に係る地共済法の障害共済年金の配偶者加給の額より低いときは、第四項の規定にかかわらず、従前の地共済法による障害共済年金に係る地共済法の障害共済年金の配偶者加給の額に相当する額とする。

7 第一項及び第二項の規定は第六十一条の規定により支給する障害一時金の地共済法第九十八条(後段を除く。)の規定による金額について、第三項及び第五項の規定は当該障害一時金の同条第一号に掲げる金額の同条後段の規定による金額について、それぞれ準用する。

8 第一項若しくは第三項(これらの規定を前項において準用する場合を含む。)又は第四項の規定の適用を受けようとする者の被用者年金被保険者等であった期間のうち地共済組合員期間以外の期間については、社会保険庁長官(当該地共済組合員期間以外の期間が私学共済制度の加入者であった期間であるときは、日本私立学校振興・共済事業団)の確認を受けたところによる。

 (地共済法の遺族共済年金の額の計算の特例)

第六十五条 第六十二条の規定により支給する遺族共済年金及び特例による障害共済年金の受給権者が死亡したことによりその者の遺族に支給する遺族共済年金(以下この条及び第七十一条において「特例による遺族共済年金」という。)の地共済法第九十九条の二第一項第一号イの規定による金額は、同号イの規定にかかわらず、同号イ(1)の規定による金額(特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものの月数を合算した月数が三百月未満であるときは、当該金額に按分率を乗じて得た金額)とする。

2 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 前条第二項第一号に掲げる場合 イに掲げる期間の月数を、イ及びロに掲げる期間の月数(ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

  イ 特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものを合算したもの

  ロ 昭和三十六年四月一日から当該特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の死亡した日の翌日の属する月の前月までの期間(イに掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間及び六十歳に達した日の属する月以後の期間を除く。)

  ハ 当該特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるもの

 二 前条第二項第二号に掲げる場合 前号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

 三 前号に規定する按分率を遺族共済年金の額の計算の基礎となる地共済組合員期間の月数(地共済法第九十九条の二第一項第一号イに規定する月数をいう。)を勘案して修正した按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イ及びロに掲げる月数を合算した月数を三百で除して得た率

  イ 第一号イに掲げる期間の月数

  ロ 三百月からイに掲げる月数を控除して得た月数に、イに掲げる月数を当該月数と特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率を乗じて得た月数

3 特例による遺族共済年金に加算する地共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算又は地共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の額は、地共済法第九十九条の三又は昭和六十年地共済改正法附則第二十九条第一項の規定にかかわらず、これらの規定により加算する金額に、按分率を乗じて得た金額とする。

4 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 第二項第一号に掲げる場合 同号イに掲げる期間の月数を、同号イ及びロに掲げる期間の月数(同号ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、同号イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得た率

 二 第二項第二号又は第三号に掲げる場合 同項第一号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率

5 第十七条の規定は昭和六十年地共済改正法附則第三十条第一項の規定により特例による遺族共済年金に加算する額について、第十七条第一項及び第二項の規定は昭和六十年地共済改正法附則第三十条第二項の規定により特例による遺族共済年金に加算する額について、それぞれ準用する。

6 前条第八項の規定は、第一項又は第三項の場合について準用する。

 (地共済法の退職共済年金の加給等の支給停止の特例)

第六十六条 地共済法による退職共済年金又は障害共済年金の受給権者の配偶者がこの法律の規定により支給する退職、老齢又は障害を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものを受けることができる場合における当該配偶者について加算する金額に相当する部分の支給の停止に関し必要な事項は、政令で定める。

    第三節 発効日前の障害又は死亡に係る長期給付等に関する特例

 (発効日前の障害認定日において障害の状態にある者の地共済法による障害共済年金の支給に関する特例)

第六十七条 障害認定日が発効日前にある傷病(相手国期間中に初診日のある傷病に限る。)による障害を有する者(当該初診日において地方公務員共済組合の組合員であった者を除く。)が、当該障害認定日において、地共済組合員期間を有し、かつ、当該傷病により地共済法第八十四条第二項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に、同条第一項の障害共済年金を支給する。

2 第六十四条第一項、第二項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害共済年金の地共済法第八十七条第一項の規定による金額について、第六十四条第三項、第五項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害共済年金の地共済法第八十七条第一項第一号に掲げる金額の同条第三項の規定による金額について、第六十四条第四項から第六項まで及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害共済年金に地共済法第八十八条第一項の規定により加算する金額について、それぞれ準用する。

3 前二項の規定は、同一の障害を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの受給権を有する者については、適用しない。

4 第一項の規定による障害共済年金の支給は、発効日の属する月の翌月から始めるものとする。

 (発効日前の退職の日において障害の状態にある者の地共済法による障害一時金の支給に関する特例)

第六十八条 退職の日が発効日前である者であって、相手国期間中に初診日のある公務によらない傷病による障害を有するもの(当該初診日において地方公務員共済組合の組合員であった者を除く。)が、当該退職の日において、地共済組合員期間を有し、かつ、当該傷病により地共済法第九十六条第一項の政令で定める程度の障害の状態にあるときは、その者に、同項の障害一時金を支給する。ただし、その者が、当該退職の日において地共済法第九十七条各号のいずれかに該当する者その他の政令で定める者である場合については、この限りでない。

2 第六十四条第一項、第二項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害一時金の地共済法第九十八条(後段を除く。)の規定による金額について、第六十四条第三項、第五項及び第八項の規定は前項の規定によ り支給する障害一時金の地共済法第九十八条第一号に掲げる金額の同条後段の規定による金額について、それぞれ準用する。

 (発効日前の死亡に係る地共済法による遺族共済年金の支給に関する特例)

第六十九条 地方公務員共済組合の組合員であった者であって相手国期間を有するものが、発効日前に死亡した場合であって、当該死亡した日において次の各号のいずれかに該当したとき(当該死亡した日において地方公務員共済組合の組合員であった場合を除く。)は、その者の遺族に、地共済法第九十九条第一項の遺族共済年金を支給する。ただし、当該遺族が当該死亡した日から発効日までの間において地共済法第九十九条の七に規定する遺族共済年金の受給権の消滅事由を参酌して政令で定める事由に該当した場合については、この限りでない。

 一 相手国期間中に死亡した者であるとき。

 二 相手国期間中に初診日のある傷病により死亡し、かつ、当該死亡した日が当該初診日から起算して五年を経過していないものであるとき(前号に該当するときを除く。)。

 三 第五十九条第一項、地共済法第九十九条第一項第四号並びに昭和六十年地共済改正法附則第十三条第一項、第三項及び第四項の規定を参酌して政令で定める受給資格要件を満たすとき。

2 地共済法第二条第一項第三号、第二項及び第三項、第四十五条、第四十六条並びに第七十六条の五の規定は、前項の場合において準用する。

3 第一項の場合において、死亡した地方公務員共済組合の組合員であった者が同項第一号又は第二号に該当し、かつ、同項第三号にも該当するときは、その遺族が地共済法による遺族共済年金の請求をしたときに別段の申出をした場合を除き、同項第一号又は第二号のみに該当するものとし、同項第三号には該当しないものとする。

4 第一項第一号又は第二号に該当することにより支給する遺族共済年金は地共済法第九十九条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給する遺族共済年金と、第一項第三号に該当することにより支給する遺族共済年金は同条第一項第四号に該当することにより支給する遺族共済年金とみなす。

5 第五十九条第一項(第四号及び第五号に係る部分に限る。)の規定は、第一項第三号に該当することにより遺族共済年金の支給を受けることができる者であって、地共済法第九十九条の三に規定する地共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算の加算の資格要件又は昭和六十年地共済改正法附則第二十九条第一項に規定する地共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の加算の資格要件である期間を満たさないものについて準用する。

6 次の各号に掲げる額については、それぞれ当該各号に定める規定を準用する。

 一 第一項第一号又は第二号に該当することにより支給する遺族共済年金の地共済法第九十九条の二第一項第一号イの規定による額 第六十五条第一項、第二項及び第六項

 二 第一項第一号又は第二号に該当することにより支給する遺族共済年金に加算する地共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算又は地共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の額 第六十五条第三項、第四項及び第六 項

 三 第一項第三号に該当することにより支給する遺族共済年金に加算する地共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算又は地共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の額 第六十三条第一項及び第二項

 四 第一項の規定により支給する遺族共済年金に昭和六十年地共済改正法附則第三十条第一項の規定により加算する額に相当する部分の額 第十七条

 五 第一項の規定により支給する遺族共済年金に昭和六十年地共済改正法附則第三十条第二項の規定により加算する額に相当する部分の額 第十七条第一項及び第二項

7 前各項の規定は、同一の死亡を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの支給を受けることができる者がある場合については、適用しない。

8 第一項の規定による遺族共済年金の支給は、発効日の属する月の翌月から始めるものとする。

    第四節 二以上の相手国期間を有する者に係る長期給付等に関する特例

 (二以上の相手国期間を有する者に係る地共済法による長期給付等の支給要件等に関する特例)

第七十条 地共済法による長期給付等の支給要件又は加算の要件に関する規定に規定する受給資格要件を満たさない者が二以上の相手国期間を有しているときは、一の社会保障協定ごとに当該社会保障協定に係る一の相手国期間のみを有しているものとして前二節の規定をそれぞれ適用する。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る地共済法による長期給付等の額)

第七十一条 前二節の規定により支給する地共済法による長期給付等の額は、当該地共済法による長期給付等の受給権者(特例による遺族共済年金又はこれに加算する地共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算若しくは地共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算にあっては、当該特例による遺族共済年金又は当該地共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算若しくは地共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の給付事由となった死亡に係る者)が二以上の相手国期間(前二節の規定を適用するものとした場合に当該地共済法による長期給付等の支給要件又は加算の要件に関する規定に規定する受給資格要件を満たすこととなるものに限る。以下この条において同じ。)を有しているときは、当該地共済法による長期給付等の種類に応じ、一の社会保障協定ごとに当該社会保障協定に係る一の相手国期間のみを有しているものとしてそれぞれ計算した額のうち最も高いものとする。

    第五節 不服申立てに関する特例等

 (地共済法の規定による審査請求の特例)

第七十二条 第十四条第四項、第三十二条第八項(第三十三条第六項(第三十七条第八項において準用する場合を含む。)、第三十五条第二項及び第三十六条第二項において準用する場合を含む。)又は第八十二条第八項(第八十三条第六項(第八十七条第六項において準用する場合を含む。)、第八十五条第二項及び第八十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による確認(地共済組合員期間に係るものに限る。)に関する処分について不服がある者は、地共済法の定めるところにより、地方公務員共済組合審査会に対して審査請求をすることができる。

2 第六十四条第八項(第六十五条第六項(第六十九条第六項において準用する場合を含む。)、第六十七条第二項及び第六十八条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の場合において、地共済組合員期間以外の期間に係る第六十四条第八項の規定による確認の処分についての不服を、当該期間に基づく地共済法による長期給付等に関する処分についての不服の理由とすることができない。

 (地共済法の規定による審査請求の手続の特例)

第七十三条 地共済法第百十七条第一項の規定による審査請求は、同項の規定によるほか、相手国法令(政令で定める社会保障協定に係るものを除き、政令で定めるものに限る。)の規定により同種の請求を受理することとされている相手国実施機関等を経由してすることができる。

2 前項の場合における地共済法第百十七条第二項の規定による審査請求の期間の計算については、その経由した相手国実施機関等に審査請求書を提出し、又は行政不服審査法第十五条第一項及び第二項に規定する事項を口頭で陳述した時に審査請求があったものとみなす。

3 前二項の規定は、発効日前に行われた地共済法の規定による処分に対する地共済法第百十七条第一項の規定による審査請求については、適用しない。

 (主務大臣の権限)

第七十四条 地共済法第百四十四条の二十九第一項に規定する主務大臣は、社会保障協定及びこの法律の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、同項に定めるところにより地方公務員共済組合又は地方公務員共済組合連合会に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。

 (地方公務員共済組合連合会の事業)

第七十五条 地方公務員共済組合連合会は、地共済法第三十八条の二に規定する事業のほか、社会保障協定に基づく連絡機関としての事業を行うものとする。

   第十章 私立学校教職員共済法関係

    第一節 私立学校教職員共済法の適用範囲に関する特例

第七十六条 私立学校教職員共済法(以下「私学共済法」という。)の短期給付に関する規定は、教職員等(私学共済法第十四条第一項に規定する教職員等をいう。次項において同じ。)のうち、次の各号のいずれかに掲げるものには、適用しない。

 一 日本国の領域内において就労する者であって、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(第三号及び第四号に掲げる者を除き、政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、政令で定める者に限る。)

 二 相手国の領域内において就労する者であって、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号及び第四号に掲げる者を除く。)

 三 日本国の領域内及び相手国の領域内において同時に就労する者であって、医療保険制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号に掲げる者を除き、政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、政令で定める者に限る。)

 四 第四条第一項の規定により船員保険の被保険者としないこととされた者

2 私学共済法の長期給付に関する規定は、教職員等のうち、次の各号のいずれかに掲げるものには、適用しない。

 一 日本国の領域内において就労する者であって、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(第三号及び第四号に掲げる者を除く。)

 二 相手国の領域内において就労する者であって、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号及び第四号に掲げる者を除く。)

 三 日本国の領域内及び相手国の領域内において同時に就労する者であって、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの(次号に掲げる者を除く。)

 四 前項第四号に掲げる者

3 前二項の規定により私学共済法の短期給付及び長期給付に関する規定を適用しないこととされた者は、私学共済法第十四条の規定にかかわらず、私学共済制度の加入者にならないものとする。

4 次に掲げる者の私学共済法による掛金の標準給与の月額及び標準賞与の額に対する割合は、それぞれ、政令で定める範囲内において、私学共済法第四条第一項に規定する共済規程で定める。

 一 第一項の規定により私学共済法の短期給付に関する規定を適用しないこととされた私学共済制度の加入者

 二 第二項の規定により私学共済法の長期給付に関する規定を適用しないこととされた私学共済制度の加入者

    第二節 長期給付等に関する特例

     第一款 長期給付等の支給要件等に関する特例

 (相手国期間を有する者に係る退職共済年金等の支給要件等の特例)

第七十七条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。以下この項において同じ。)及び私学共済法第十七条第一項に規定する加入者期間(以下「私学共済加入者期間」という。)を有し、かつ、私学共済法による長期給付、私学共済法による長期給付に加算する金額に相当する部分又は私学共済法による一時金(以下「私学共済法による長期給付等」という。)のうち次に掲げるものの支給要件又は加算の要件に関する規定であって政令で定めるもの(以下この項において「支給要件等に関する規定」という。)に規定する私学共済法による長期給付等の受給資格要件又は加算の資格要件である期間を満たさない者について、当該支給要件等に関する規定を適用する場合においては、その者の相手国期間であって政令で定めるものを私学共済加入者期間その他の政令で定める期間に算入する。

 一 退職共済年金

 二 遺族共済年金

 三 私学共済法第二十五条において準用する国共済法(以下この章において「準用国共済法」という。)第七十八条第一項の規定により退職共済年金に加算する加給年金額に相当する部分(以下「私学共済法の退職共済年金の加給」という。)

 四 準用国共済法第九十条の規定により 遺族共済年金に加算する金額に相当する部分(以下「私学共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算」という。)

 五 私学共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる昭和六十年国共済改正法附則第二十八条第一項の規定により遺族共済年金に加算する金額に相当する部分(以下「私学共済法の遺族共済年金の経過 的寡婦加算」という。)

 六 準用国共済法附則第十三条の十第一項に規定する脱退一時金(第八十一条第一項において「脱退一時金」という。)

2 前項の規定により私学共済法による退職共済年金の受給資格要件である期間を満たすこととなる者については、準用国共済法附則第十三条の十第一項の規定は、適用しない。

 (相手国期間中に初診日のある傷病による障害に係る障害共済年金の支給要件等の特例)

第七十八条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。以下この章において「相手国期間中に初診日のある傷病」という。)による障害を有する者であって、当該障害に係る障害認定日において私学共済加入者期間を有するものは、準用国共済法第八十一条第一項、第三項又は第五項の規定の適用については、当該初診日において私学共済制度の加入者であったものとみなす。ただし、その者が、当該障害を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの受給権を有する場合については、この限りでない。

2 相手国期間中に初診日のある傷病による障害を有する者は、準用国共済法第八十四条第二項又は第八十七条第四項ただし書の規定の適用については、当該初診日において私学共済制度の加入者であったものとみなす。

 (相手国期間中に初診日のある職務によらない傷病による障害に係る障害一時金の支給要件の特例)

第七十九条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある職務によらない傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。第八十六条第一項において「相手国期間中に初診日のある職務によらない傷病」という。)による障害を有する者(その退職の日(準用国共済法第八十七条の五第一項に規定する退職の日をいう。第八十六条第一項において同じ。)において準用国共済法第八十七条の六各号のいずれかに該当する者その他の政令で定める者を除く。)は、準用国共済法第八十七条の五第一項の規定の適用については、当該初診日において私学共済制度の加入者であったものとみなす。

 (相手国期間を有する者に係る遺族共済年金の支給要件の特例)

第八十条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。以下この条及び第八十七条第一項において同じ。)及び私学共済加入者期間を有する者が、相手国期間中に死亡した者(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当する者として政令で定める者とする。同項第一号において「相手国期間中に死亡した者」という。)である場合は、準用国共済法第八十八条の規定の適用については、同条第一項第一号に該当するものとみなす。ただし、その者の死亡を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの支給を受けることができる者があるときは、この限りでない。

2 相手国期間及び私学共済加入者期間を有する者が、相手国期間中に初診日のある傷病により当該傷病に係る初診日から起算して五年を経過する日前に死亡した場合(その者が準用国共済法第八十八条第一項第一号又は第二号に該当する場合及び前項本文に規定する場合を除く。)は、同条の規定の適用については、同号に該当するものとみなす。この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。

     第二款 長期給付等の額の計算等に関する特例

 (私学共済法の退職共済年金の加給等の額の計算の特例)

第八十一条 第七十七条第一項の規定により支給する私学共済法による長期給付等のうち次に掲げるものの額は、当該私学共済法による長期給付等の額に関する規定であって政令で定めるものにかかわらず、当該規定による私学共済法による長期給付等の額(脱退一時金にあっては、当該脱退一時金の受給権者の私学共済加入者期間の月数が六月であるものとして算定した額)に期間比率を乗じて得た額とする。

 一 私学共済法の退職共済年金の加給

 二 私学共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算

 三 私学共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算

 四 脱退一時金

2 前項の期間比率は、同項各号に掲げる私学共済法による長期給付等の受給権者又は当該私学共済法による長期給付等の給付事由となった死亡に係る者の私学共済加入者期間であって政令で定めるものの月数を、当該私学共済法による長期給付等の受給資格要件又は加算の資格要件である期間であって政令で定めるものの月数で除して得た率とする。

3 第七十七条第一項の規定により支給する私学共済法の退職共済年金の加給の額については、当該私学共済法の退職共済年金の加給の受給権を有する者がその権利を取得した日の翌日の属する月以後における私学共済加入者期間は、その算定の基礎としない。

4 私学共済制度の加入者であって、第七十七条第一項の規定により支給する私学共済法の退職共済年金の加給の受給権を有する者が退職(準用国共済法第二条第一項第四号に規定する退職をいう。)したとき(当該退職した日の翌日から起算して一月を経過するまでの間に再び私学共済制度の加入者の資格を取得したときを除く。)は、前項の規定にかかわらず、当該退職した日の翌日の属する月の前月までの私学共済加入者期間を算定の基礎として、当該私学共済法の退職共済年金の加給の額を改定する。

5 準用国共済法附則第十二条の六の二第三項の規定による退職共済年金の受給権を有し、かつ、同条第八項の規定により読み替えられた準用国共済法第七十八条第一項の規定及び第七十七条第一項の規定により支給する私学共済法の退職共済年金の加給の受給権を有する者が六十五歳に達したときは、第三項の規定にかかわらず、その者の六十五歳に達した日の翌日の属する月の前月までの私学共済加入者期間を算定の基礎として、当該私学共済法の退職共済年金の加給の額を改定する。

 (私学共済法の障害共済年金等の額の計算の特例)

第八十二条 第七十八条第一項の規定により支給する障害共済年金(以下この条及び次条第一項において「特例による障害共済年金」という。)の準用国共済法第八十二条第一項(後段を除く。)の規定による金額は、同項の規定にかかわらず、同項第一号の規定による金額(特例による障害共済年金の受給権者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものの月数を合算した月数が三百月未満であるときは、当該金額に按分率を乗じて得た金額)とする。

2 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 公的年金被保険者等であることが理論的に可能な期間に基づく按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イに掲げる期間の月数を、イ及びロに掲げる期間の月数(ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

  イ 特例による障害共済年金の受給権者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものを合算したもの

  ロ 昭和三十六年四月一日以後の期間(イに掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間、六十歳に達した日の属する月以後の期間及び当該特例による障害共済年金の給付事由となった障害に係る障害認定日(二以上の障害を給付事由とする障害共済年金にあっては、準用国共済法第八十二条第四項の規定の例による障害認定日)の属する月後の期間を除く。)

  ハ 当該特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるもの

 二 公的年金被保険者等であった期間と相手国期間とを合算した期間に基づく按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 前号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

 三 前号に規定する按分率を障害共済年金の額の計算の基礎となる私学共済加入者期間の月数(準用国共済法第八十二条第一項第一号に規定する月数をいう。)を勘案して修正した按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イ及びロに掲げる月数を合算した月数を三百で除して得た率

  イ 第一号イに掲げる期間の月数

  ロ 三百月からイに掲げる月数を控除して得た月数に、イに掲げる月数を当該月数と特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率を乗じて得た月数

3 特例による障害共済年金の準用国共済法第八十二条第一項第一号に掲げる金額の同項後段の規定による金額は、同項後段の規定にかかわらず、同項後段の規定による金額に按分率を乗じて得た金額とする。

4 特例による障害共済年金に係る準用国共済法第八十三条第一項の規定により加算する加給年金額に相当する部分(第六項において「私学共済法の障害共済年金の配偶者加給」という。)の額は、同条第三項の規定にかかわらず、同項の規定による金額に按分率を乗じて得た金額とする。

5 前二項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 第二項第一号に掲げる場合 同号イ に掲げる期間の月数を、同号イ及びロに掲げる期間の月数(同号ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、同号イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得た率

 二 第二項第二号又は第三号に掲げる場合 同項第一号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による障害共済年金の受給権者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率

6 特例による障害共済年金に係る私学共済法の障害共済年金の配偶者加給の額は、その額が準用国共済法第八十五条第四項の規定によりその受給権が消滅した私学共済法による障害共済年金に係る私学共済法の障害共済年金の配偶者加給の額より低いときは、第四項の規定にかかわらず、従前の私学共済法による障害共済年金に係る私学共済法の障害共済年金の配偶者加給の額に相当する額とする。

7 第一項及び第二項の規定は第七十九条の規定により支給する障害一時金の準用国共済法第八十七条の七(後段を除く。)の規定による金額について、第三項及び第五項の規定は当該障害一時金の同条第一号に掲げる金額の同条後段の規定による金額について、それぞれ準用する。

8 第一項若しくは第三項(これらの規定を前項において準用する場合を含む。)又は第四項の規定の適用を受けようとする者の被用者年金被保険者等であった期間のうち私学共済加入者期間以外の期間については、社会保険庁長官(当該私学共済加入者期間以外の期間が共済組合の組合員であった期間であるときは、当該共済組合)の確認を受けたところによる。

 (私学共済法の遺族共済年金の額の計算の特例)

第八十三条 第八十条の規定により支給する遺族共済年金及び特例による障害共済年金の受給権者が死亡したことによりその者の遺族に支給する遺族共済年金(以下この条及び第八十九条において「特例による遺族共済年金」という。)の準用国共済法第八十九条第一項第一号イの規定による金額は、同号イの規定にかかわらず、同号イ(1)の規定による金額(特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものの月数を合算した月数が三百月未満であるときは、当該金額に按分率を乗じて得た金額)とする。

2 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 前条第二項第一号に掲げる場合 イに掲げる期間の月数を、イ及びロに掲げる期間の月数(ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

  イ 特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の被用者年金被保険者等であった期間であって政令で定めるものを合算したもの

  ロ 昭和三十六年四月一日から当該特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の死亡した日の翌日の属する月の前月までの期間(イに掲げる期間並びに二十歳に達した日の属する月の前月までの期間及び六十歳に達した日の属する月以後の期間を除く。)

  ハ 当該特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるもの

 二 前条第二項第二号に掲げる場合 前号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数(当該合算した月数が三百月を超えるときは、三百月)で除して得た率

 三 前号に規定する按分率を遺族共済年金の額の計算の基礎となる私学共済加入者期間の月数(準用国共済法第八十九条第一項第一号イに規定する月数をいう。)を勘案して修正した按分率により給付の額を計算するものとされた政令で定める社会保障協定の場合 イ及びロに掲げる月数を合算した月数を三百で除して得た率

  イ 第一号イに掲げる期間の月数

  ロ 三百月からイに掲げる月数を控除して得た月数に、イに掲げる月数を当該月数と特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率を乗じて得た月数

3 特例による遺族共済年金に加算する私学共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算又は私学共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の額は、準用国共済法第九十条又は私学共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる昭和六十年国共済改正法附則第二十八条第一項の規定にかかわらず、これらの規定により加算する金額に、按分率を乗じて得た金額とする。

4 前項の按分率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率とする。

 一 第二項第一号に掲げる場合 同号イに掲げる期間の月数を、同号イ及びロに掲げる期間の月数(同号ロに掲げる期間の月数が零である場合にあっては、同号イ及びハに掲げる期間の月数)を合算した月数で除して得た率

 二 第二項第二号又は第三号に掲げる場合 同項第一号イに掲げる期間の月数を、当該月数と特例による遺族共済年金の給付事由となった死亡に係る者の相手国期間であって政令で定めるものの月数とを合算した月数で除して得た率

5 第十七条の規定は私学共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる昭和六十年国共済改正法附則第二十九条第一項の規定により特例による遺族共済年金に加算する額について、第十七条第一項及び第二項の規定は私学共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる昭和六十年国共済改正法附則第二十九条第二項の規定により特例による遺族共済年金に加算する額について、それぞれ準用する。

6 前条第八項の規定は、第一項又は第三項の場合について準用する。

 (私学共済法の退職共済年金の加給等の支給停止の特例)

第八十四条 私学共済法による退職共済年金又は障害共済年金の受給権者の配偶者がこの法律の規定により支給する退職、老齢又は障害を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものを受けることができる場合における当該配偶者について加算する金額に相当する部分の支給の停止に関し必要な事項は、政令で定める。

    第三節 発効日前の障害又は死亡に係る長期給付等に関する特例

 (発効日前の障害認定日において障害の状態にある者の私学共済法による障害共済年金の支給に関する特例)

第八十五条 障害認定日が発効日前にある傷病(相手国期間中に初診日のある傷病に限る。)による障害を有する者(当該初診日において私学共済制度の加入者であった者を除く。)が、当該障害認定日において、私学共済加入者期間を有し、かつ、当該傷病により準用国共済法第八十一条第二項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に、同条第一項の障害共済年金を支給する。

2 第八十二条第一項、第二項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害共済年金の準用国共済法第八十二条第一項(後段を除く。)の規定による金額について、第八十二条第三項、第五項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害共済年金の準用国共済法第八十二条第一項第一号に掲げる金額の同項後段の規定による金額について、第八十二条第四項から第六項まで及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害共済年金に準用国共済法第八十三条第一項の規定により加算する金額について、それぞれ準用する。

3 前二項の規定は、同一の障害を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの受給権を有する者については、適用しない。

4 第一項の規定による障害共済年金の支給は、発効日の属する月の翌月から始めるものとする。

 (発効日前の退職の日において障害の状態にある者の私学共済法による障害一時金の支給に関する特例)

第八十六条 退職の日が発効日前である者であって、相手国期間中に初診日のある職務によらない傷病による障害を有するもの(当該初診日において私学共済制度の加入者であった者を除く。)が、当該退職の日において、私学共済加入者期間を有し、かつ、当該傷病により準用国共済法第八十七条の五第一項の政令で定める程度の障害の状態にあるときは、その者に、同項の障害一時金を支給する。ただし、その者が、当該退職の日において準用国共済法第八十七条の六各号のいずれかに該当する者その他の政令で定める者である場合については、この限りでない。

2 第八十二条第一項、第二項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害一時金の準用国共済法第八十七条の七(後段を除く。)の規定による金額について、第八十二条第三項、第五項及び第八項の規定は前項の規定により支給する障害一時金の準用国共済法第八十七条の七第一号に掲げる金額の同条後段の規定による金額について、それぞれ準用する。

 (発効日前の死亡に係る私学共済法による遺族共済年金の支給に関する特例)

第八十七条 私学共済制度の加入者であった者であって相手国期間を有するものが、発効日前に死亡した場合であって、当該死亡した日において次の各号のいずれかに該当したとき(当該死亡した日において私学共済制度の加入者であった場合を除く。)は、その者の遺族に、準用国共済法第八十八条第一項の遺族共済年金を支給する。ただし、当該遺族が当該死亡した日から発効日までの間において準用国共済法第九十三条の二に規定する遺族共済年金の受給権の消滅事由を参酌して政令で定める事由に該当した場合については、この限りでない。

 一 相手国期間中に死亡した者であるとき。

 二 相手国期間中に初診日のある傷病により死亡し、かつ、当該死亡した日が当該初診日から起算して五年を経過していないものであるとき(前号に該当するときを除く。)。

 三 第七十七条第一項、準用国共済法第八十八条第一項第四号及び私学共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる昭和六十年国共済改正法附則第十四条第一項から第三項までの規定を参酌して政令で定める受給資格要件を満たすとき。

2 準用国共済法第二条第一項第三号、第二項及び第三項、第四十三条、第四十四条並びに第七十四条の五の規定は、前項の場合について準用する。

3 第一項の場合において、死亡した私学共済制度の加入者であった者が同項第一号又は第二号に該当し、かつ、同項第三号にも該当するときは、その遺族が私学共済法による遺族共済年金の請求をしたときに別段の申出をした場合を除き、同項第一号又は第二号のみに該当するものとし、同項第三号には該当しないものとする。

4 第一項第一号又は第二号に該当することにより支給する遺族共済年金は準用国共済法第八十八条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給する遺族共済年金と、第一項第三号に該当することにより支給する遺族共済年金は同条第一項第四号に該当することにより支給する遺族共済年金とみなす。

5 第七十七条第一項(第四号及び第五号に係る部分に限る。)の規定は、第一項第三号に該当することにより遺族共済年金の支給を受けることができる者であって、準用国共済法第九十条に規定する私学共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算の加算の資格要件又は私学共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる昭和六十年国共済改正法附則第二十八条第一項に規定する私学共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の加算の資格要件である期間を満たさないものについて準用する。

6 次の各号に掲げる額については、それぞれ当該各号に定める規定を準用する。

 一 第一項第一号又は第二号に該当することにより支給する遺族共済年金の準用国共済法第八十九条第一項第一号イの規定による額 第八十三条第一項、第二項及び第六項

 二 第一項第一号又は第二号に該当することにより支給する遺族共済年金に加算する私学共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算又は私学共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の額 第八十三条第三項、第四項及び第六項

 三 第一項第三号に該当することにより支給する遺族共済年金に加算する私学共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算又は私学共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の額 第八十一条第一項及び第二項

 四 第一項の規定により支給する遺族共済年金に私学共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる昭和六十年国共済改正法附則第二十九条第一項の規定により加算する額に相当する部分の額 第十七条

 五 第一項の規定により支給する遺族共済年金に私学共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる昭和六十年国共済改正法附則第二十九条第二項の規定により加算する額に相当する部分の額 第十七条第一項及び第二項

7 前各項の規定は、同一の死亡を給付事由とする年金である給付であって政令で定めるものの支給を受けることができる者がある場合については、適用しない。

8 第一項の規定による遺族共済年金の支給は、発効日の属する月の翌月から始めるものとする。

    第四節 二以上の相手国期間を有する者に係る長期給付等に関する特例

 (二以上の相手国期間を有する者に係る私学共済法による長期給付等の支給要件等に関する特例)

第八十八条 私学共済法による長期給付等の支給要件又は加算の要件に関する規定に規定する受給資格要件を満たさない者が二以上の相手国期間を有しているときは、一の社会保障協定ごとに当該社会保障協定に係る一の相手国期間のみを有しているものとして前二節の規定をそれぞれ適用する。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る私学共済法による長期給付等の額)

第八十九条 前二節の規定により支給する私学共済法による長期給付等の額は、当該私学共済法による長期給付等の受給権者(特例による遺族共済年金又はこれに加算する私学共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算若しくは私学共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算にあっては、当該特例による遺族共済年金又は当該私学共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算若しくは私学共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算の給付事由となった死亡に係る者)が二以上の相手国期間(前二節の規定を適用するものとした場合に当該私学共済法による長期給付等の支給要件又は加算の要件に関する規定に規定する受給資格要件を満たすこととなるものに限る。以下この条において同じ。)を有しているときは、当該私学共済法による長期給付等の種類に応じ、一の社会保障協定ごとに当該社会保障協定に係る一の相手国期間のみを有しているものとしてそれぞれ計算した額のうち最も高いものとする。

    第五節 不服申立てに関する特例等

 (私学共済法の規定による審査請求の特例)

第九十条 第十四条第四項、第三十二条第八項(第三十三条第六項(第三十七条第八項において準用する場合を含む。)、第三十五条第二項及び第三十六条第二項において準用する場合を含む。)、第四十七条第八項(第四十八条第六項(第五十二条第六項において準用する場合を含む。)、第五十条第二項及び第五十一条第二項において準用する場合を含む。)又は第六十四条第八項(第六十五条第六項(第六十九条第六項において準用する場合を含む。)、第六十七条第二項及び第六十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による確認(私学共済加入者期間に係るものに限る。)に関する処分について不服がある者は、私学共済法の定めるところにより、日本私立学校振興・共済事業団の共済審査会に対して審査請求をすることができる。

2 第八十二条第八項(第八十三条第六項(第八十七条第六項において準用する場合を含む。)、第八十五条第二項及び第八十六条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の場合において、私学共済加入者期間以外の期間に係る第八十二条第八項の規定による確認の処分についての不服を、当該期間に基づく私学共済法による長期給付等に関する処分についての不服の理由とすることができない。

 (私学共済法の規定による審査請求の手続の特例)

第九十一条 私学共済法第三十六条第一項の規定による審査請求は、同項の規定によるほか、相手国法令(政令で定める社会保障協定に係るものを除き、政令で定めるものに限る。)の規定により同種の請求を受理することとされている相手国実施機関等を経由してすることができる。

2 前項の場合における私学共済法第三十六条第二項の規定による審査請求の期間の計算については、その経由した相手国実施機関等に審査請求書を提出し、又は行政不服審査法第十五条第一項及び第二項に規定する事項を口頭で陳述した時に審査請求があったものとみなす。

3 前二項の規定は、発効日前に行われた私学共済法の規定による処分に対する私学共済法第三十六条第一項の規定による審査請求については、適用しない。

 (文部科学大臣の権限)

第九十二条 文部科学大臣は、社会保障協定及びこの法律を施行するため必要があると認めるときは、日本私立学校振興・共済事業団に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。

   第十一章 被用者年金各法の規定による給付に係る調整

    第一節 二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有する者に係る給付の支給の調整

 (老齢給付の加給の支給の調整)

第九十三条 第二十七条、第四十二条第一項、第五十九条第一項又は第七十七条第一項の規定により、同時に二以上の老齢厚生年金の加給、国共済法の退職共済年金の加給、地共済法の退職共済年金の加給又は私学共済法の退職共済年金の加給(以下この条において「老齢給付の加給」という。)の支給を受けることができる者については、国共済法第七十九条第七項(私学共済法第二十五条において読み替えて準用する場合を含む。)及び地共済法第八十一条第八項の規定にかかわらず、その額が最も高い一の老齢給付の加給を支給し、その間、他の老齢給付の加給の支給を停止する。この場合において、当該最も高い老齢給付の加給が二以上あるときは、共済年金各法の定めるところにより、その一の老齢給付の加給を支給し、その間、他の老齢給付の加給の支給を停止する。

 (二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有する者に係る障害厚生年金等の支給の調整)

第九十四条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。以下この章(第四項及び第九十七条第二項を除く。)において「相手国期間中に初診日のある傷病」という。)による障害を有する者であって、当該障害に係る障害認定日において二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有するもの(当該初診日において、当該傷病以外の傷病による障害を支給事由とする被用者年金各法による年金たる給付の受給権を有する者に限る。)は、当該年金たる給付に係る被用者年金被保険者等であった期間のみを有するものとみなして、第二十八条第二項、第四十三条第一項、第六十条第一項又は第七十八条第一項の規定を適用する。

2 相手国期間中に初診日のある傷病による障害を有する者であって、当該障害に係る障害認定日において二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有するもの(当該障害認定日がその一の期間中にある障害に係る者に限るものとし、前項の規定により同一の障害を支給事由とする被用者年金各法による年金たる給付の受給権を有するに至った者を除く。)は、当該一の期間のみを有するものとみなして、第二十八条第二項、第四十三条第一項、第六十条第一項又は第七十八条第一項の規定を適用する。

3 相手国期間中に初診日のある傷病による障害を有する者であって、当該障害に係る障害認定日において二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有するもの(前二項の規定により同一の障害を支給事由とする被用者年金各法による年金たる給付の受給権を有するに至った者を除く。)は、当該障害認定日前の直近の被用者年金被保険者等の資格を喪失した日の前日における被用者年金被保険者等であった期間のみを有するものとみなして、第二十八条第二項、第四十三条第一項、第六十条第一項又は第七十八条第一項の規定を適用する。ただし、その者が当該障害を支給事由とする被用者年金各法による年金たる給付の受給権を有するに至らなかった場合にあっては、その者を当該資格を喪失した日前の直近の資格を喪失した日の前日における被用者年金被保険者等であった期間のみを有する者とみなして、これらの規定を適用するものとし、これによっても当該年金たる給付の受給権を有するに至らなかった場合にあっても、同様とする。

4 前三項の規定は、相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。第九十七条第二項において同じ。)による障害を有する者であって、当該障害に係る障害認定日又は第四十四条、第六十一条若しくは第七十九条に規定する退職の日(以下「障害認定日等」という。)において二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有するものの障害手当金又は障害一時金の支給について準用する。この場合において、第一項中「以下この章(第四項及び第九十七条第二項を除く。)」とあるのは「次項及び第三項」と、「障害認定日」とあるのは「第四項に規定する障害認定日等」と、「年金たる給付の」とあるのは「障害手当金又は障害一時金(以下この条において「障害手当金等」という。)の」と、「当該年金たる給付」とあるのは「当該障害手当金等」と、「第二十八条第二項、第四十三条第一項、第六十条第一項又は第七十八条第一項」とあるのは「第二十九条第二項、第四十四条、第六十一条又は第七十九条」と、第二項中「障害認定日に」とあるのは「第四項に規定する障害認定日等に」と、「障害認定日が」とあるのは「障害認定日等が」と、「年金たる給付」とあるのは「障害手当金等」と、「第二十八条第二項、第四十三条第一項、第六十条第一項又は第七十八条第一項」とあるのは「第二十九条第二項、第四十四条、第六十一条又は第七十九条」と、前項中「障害認定日に」とあるのは「次項に規定する障害認定日等に」と、「年金たる給付」とあるのは「障害手当金等」と、「障害認定日前」とあるのは「障害認定日等前」と、「第二十八条第二項、第四十三条第一項、第六十条第一項又は第七十八条第一項」とあるのは「第二十九条第二項、第四十四条、第六十一条又は第七十九条」と読み替えるものとする。

 (二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有する者に係る遺族厚生年金等の支給の調整)

第九十五条 相手国期間中に初診日のある傷病により当該傷病に係る初診日から起算して五年を経過する日前に死亡した者であって、当該死亡した日において二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有するもの(当該死亡した日がその一の期間中にある者に限る。)は、当該一の期間のみを有するものとみなして、第三十条第三項、第四十五条第二項、第六十二条第二項又は第八十条第二項の規定を適用する。

2 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に死亡した者(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当する者として政令で定める者とする。第九十八条第一項において「相手国期間中に死亡した者」という。)又は相手国期間中に初診日のある傷病により当該傷病に係る初診日から起算して五年を経過する日前に死亡した者であって、当該死亡した日において二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有するもの(前項の規定により同一の死亡を支給事由とする被用者年金各法による年金たる給付の受給権を有するに至った者がある場合における当該死亡に係る者を除く。)は、当該死亡した日前の直近の被用者年金被保険者等の資格を喪失した日の前日における被用者年金被保険者等であった期間のみを有するものとみなして、第三十条第二項及び第三項、第四十五条、第六十二条又は第八十条の規定を適用する。ただし、その者の死亡を支給事由とする被用者年金各法による年金たる給付の受給権を有するに至る者がない場合にあっては、当該死亡した者を当該資格を喪失した日前の直近の資格を喪失した日の前日における被用者年金被保険者等であった期間のみを有する者とみなして、これらの規定を適用するものとし、これによっても当該年金たる給付の受給権を有するに至る者がない場合にあっても、同様とする。

 (遺族給付の中高齢寡婦加算等の支給の調整)

第九十六条 第二十七条、第四十二条第一項、第五十九条第一項又は第七十七条第一項の規定により、同時に同一の死亡を支給事由とする二以上の遺族厚生年金の中高齢寡婦加算、国共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算、地共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算又は私学共済法の遺族共済年金の中高齢寡婦加算(以下この項及び第九十九条第一項において「遺族給付の中高齢寡婦加算」という。)の支給を受けることができる者は、国共済法第九十三条第二項(私学共済法第二十五条において読み替えて準用する場合を含む。)及び地共済法第九十九条の六第二項の規定にかかわらず、その額が最も高い一の遺族給付の中高齢寡婦加算を支給し、その間、他の遺族給付の中高齢寡婦加算の支給を停止する。この場合において、当該最も高い遺族給付の中高齢寡婦加算が二以上あるときは、共済年金各法の定めるところにより、その一の遺族給付の中高齢寡婦加算を支給し、その間、他の遺族給付の中高齢寡婦加算の支給を停止する。

2 第二十七条、第四十二条第一項、第五十九条第一項又は第七十七条第一項の規定により、同時に同一の死亡を支給事由とする二以上の遺族厚生年金の経過的寡婦加算、国共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算、地共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算又は私学共済法の遺族共済年金の経過的寡婦加算(以下この項及び第九十九条第二項において「遺族給付の経過的寡婦加算」という。)の支給を受けることができる者は、昭和六十年国共済改正法附則第二十八条第四項(私学共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる場合を含む。)及び昭和六十年地共済改正法附則第二十九条第四項の規定にかかわらず、その額が最も高い一の遺族給付の経過的寡婦加算を支給し、その間、他の遺族給付の経過的寡婦加算の支給を停止する。この場合において、当該最も高い遺族給付の経過的寡婦加算が二以上あるときは、共済年金各法の定めるところにより、その一の遺族給付の経過的寡婦加算を支給し、その間、他の遺族給付の経過的寡婦加算の支給を停止する。

    第二節 発効日前の障害又は死亡に係る給付の支給の調整

 (発効日前に障害認定日又は障害程度を認定すべき日がある場合における二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有する者に係る障害厚生年金及び障害手当金の支給の調整)

第九十七条 障害認定日が発効日前にある傷病(当該傷病が相手国期間中に初診日のある傷病である場合に限る。)に係る初診日において相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)を有し、被用者年金被保険者等でない者が、当該障害認定日において、当該傷病により当該傷病に係る障害を支給事由とする被用者年金各法による年金たる給付の受給資格要件たる障害等級に該当する程度の障害の状態にあり、かつ、二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有するときは、第九十四条第一項から第三項までの規定中「第二十八条第二項、第四十三条第一項、第六十条第一項又は第七十八条第一項」とあるのは、「第三十五条、第五十条、第六十七条又は第八十五条」と読み替えてこれらの規定を準用する。

2 障害程度を認定すべき日又は第四十四条、第六十一条若しくは第七十九条に規定する退職の日(以下この項において「障害程度を認定すべき日等」という。)が発効日前にある傷病(当該傷病が相手国期間中に初診日のある傷病である場合に限る。)に係る初診日において相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)を有し、被用者年金被保険者等でない者が、当該障害程度を認定すべき日等において当該傷病により当該傷病に係る障害を支給事由とする被用者年金各法による障害手当金又は障害一時金の受給資格要件に該当する程度の障害の状態にあり、かつ、当該障害に係る障害認定日等において二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有するときは、第九十四条第四項において読み替えて準用する同条第一項から第三項までの規定中「第二十九条第二項、第四十四条、第六十一条又は第七十九条」とあるのは、「第三十六条、第五十一条、第六十八条又は第八十六条」と読み替えてこれらの規定を準用する。

 (発効日前の死亡した日に二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有する者に係る遺族厚生年金等の支給の調整)

第九十八条 被用者年金被保険者等でない者(相手国期間中に死亡した者に限る。)が発効日前に死亡した場合であって、当該死亡した日において二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有するときは、第九十五条第二項中「第三十条第二項及び第三項、第四十五条、第六十二条又は第八十条」とあるのは、「第三十七条、第五十二条、第六十九条又は第八十七条」と読み替えて同項の規定を準用する。

2 被用者年金被保険者等でない者(相手国期間中に初診日のある傷病により当該傷病に係る初診日から起算して五年を経過する日前に死亡した者に限る。)が発効日前に死亡した場合であって、当該死亡した日において二以上の被用者年金被保険者等であった期間を有するときは、第九十五条中「第三十条第三項、第四十五条第二項、第六十二条第二項又は第八十条第二項」とあり、及び「第三十条第二項及び第三項、第四十五条、第六十二条又は第八十条」とあるのは「第三十七条、第五十二条、第六十九条又は第八十七条」と読み替えて同条の規定を準用する。

 (発効日前の死亡の場合における遺族給付の中高齢寡婦加算等の支給の調整)

第九十九条 第九十六条第一項の規定は、第三十七条第七項、第五十二条第五項、第六十九条第五項又は第八十七条第五項の規定により、同時に同一の死亡を支給事由とする二以上の遺族給付の中高齢寡婦加算の支給を受けることができる者について準用する。

2 第九十六条第二項の規定は、第三十七条第七項、第五十二条第五項、第六十九条第五項又は第八十七条第五項の規定により、同時に同一の死亡を支給事由とする二以上の遺族給付の経過的寡婦加算の支給を受けることができる者について準用する。

   第十二章 雑則

 (国民年金法又は厚生年金保険法の規定による審査請求等の手続の特例)

第百条 次に掲げる規定による審査請求又は再審査請求は、社会保険審査官及び社会保険審査会法(昭和二十八年法律第二百六号)第五条第二項(同法第三十二条第四項において準用する場合を含む。)の規定によるほか、相手国法令(政令で定める社会保障協定に係るものを除き、政令で定めるものに限る。次条において同じ。)の規定により同種の請求を受理することとされている相手国実施機関等を経由してすることができる。

 一 国民年金法第百一条第一項

 二 国民年金法附則第九条の三の二第五項

 三 厚生年金保険法第九十条第一項

 四 厚生年金保険法第九十一条

 五 厚生年金保険法附則第二十九条第六項

2 前項の場合における社会保険審査官及び社会保険審査会法第四条若しくは第三十二条第二項の規定による審査請求の期間又は同条第一項の規定による再審査請求の期間の計算については、その経由した相手国実施機関等に審査請求書若しくは再審査請求書を提出し、又は口頭で陳述した時に、審査請求又は再審査請求があったものとみなす。

3 前二項の規定は、発効日前に行われた国民年金法又は厚生年金保険法による処分に対する第一項各号に掲げる規定による審査請求又は再審査請求については、適用しない。

 (相手国法令による申請等)

第百一条 相手国法令において相手国実施機関等に対して行うこととされている申請又は申告(以下この項において「相手国法令による申請等」という。)を行おうとする者は、当該相手国法令による申請等に係る文書を日本国実施機関等(社会保険庁長官、国家公務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会又は共済組合等(国家公務員共済組合又は全国市町村職員共済組合連合会を組織する共済組合を除く。)に限る。)に提出することができる。この場合において、当該日本国実施機関等が当該文書を受理したときは、遅滞なく、当該文書を当該相手国実施機関等に送付するものとする。

2 相手国法令において相手国実施機関等に申し立てることとされている不服申立てを行おうとする者は、社会保険審査官若しくは社会保険審査会、国家公務員共済組合審査会、地方公務員共済組合審査会又は日本私立学校振興・共済事業団の共済審査会(以下この項において「審査機関」という。)にその旨の文書を提出することができる。この場合において、当該審査機関が当該文書を受理したときは、遅滞なく、当該文書を相手国実施機関等に送付するものとする。

 (情報の提供等)

第百二条 日本国実施機関等又は社会保険審査官若しくは社会保険審査会(以下この条において「日本側保有機関」という。)は、公的年金各法並びに医療保険各法(高齢者の医療の確保に関する法律第七条第一項に規定する医療保険各法をいう。)及び高齢者の医療の確保に関する法律(以下この項において「日本側適用法令」という。)の被保険者若しくは被保険者であった者、組合員若しくは組合員であった者、加入者若しくは加入者であった者又は公的年金各法による給付の受給権者に関する情報であってこの法律、日本側適用法令その他関係法令の実施のために自らが保有するもの(以下この条において「保有情報」という。)を、保有情報の本人又はその遺族の権利義務に係る社会保障協定の規定の実施に必要な限度において、社会保障協定に規定する相手国の権限のある当局又は相手国実施機関等(以下この条において「相手国側保有機関」という。)に対して提供することができる。

2 日本側保有機関は、前項の場合のほか、相手国側保有機関(政令で定める社会保障協定に係るものに限る。)からの要請に基づいて、当該社会保障協定に係る相手国法令の規定の実施のために必要と認められる場合であって、保有情報の本人若しくはその遺族の利益になるとき、又は保有情報の本人若しくはその遺族の同意が得られるときに限り、当該保有情報を、当該相手国側保有機関に対して提供することができる。

3 前二項の規定により日本側保有機関が相手国側保有機関に提供した保有情報の本人又はその遺族(政令で定める社会保障協定に係るものに限る。)は、日本側保有機関の長に対し、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)又は独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号)の規定によるほか、当該保有情報の内容又は相手国側保有機関への提供の目的について、書面によりその開示を請求することができる。

4 日本側保有機関の長は、前項の開示の請求があったときは、当該開示の請求をした者に対し、書面により当該開示の請求に係る情報について開示をしなければならない。

5 日本側保有機関は、相手国側保有機関から提供を受けた情報であって個人に関するものについて、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律又は独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律の規定によるほか、これらの法律における個人に関する情報の保護の措置に準じて、個人に関する情報の安全の確保その他の必要な措置を講じなければならない。

 (戸籍事項の無料証明)

第百三条 市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長とする。)は、相手国年金の受給権者(政令で定める社会保障協定に係るものに限る。以下この条において同じ。)に対して、当該市町村の条例で定めるところにより、相手国法令(政令で定める社会保障協定に係るものに限る。以下この条において同じ。)の適用を受ける者、相手国法令の適用を受けたことがある者又は相手国年金の受給権者であって日本国の国籍を有するものの戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。

 (経過措置)

第百四条 この法律に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。

 (実施命令)

第百五条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、社会保障協定及びこの法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、内閣府令・総務省令・文部科学省令、総務省令、財務省令、文部科学省令又は厚生労働省令で定める。

 (政令への委任)

第百六条 前各条に規定するもののほか、公的年金各法による年金たる給付の支給要件、加算の要件及び額の計算並びにその支給の停止及び支給の調整に関する規定を適用する場合における必要な技術的読替えその他の社会保障協定及びこの法律の実施に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成二十年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三十条及び第三十一条の規定は公布の日から、第五章の規定は健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日から施行する。

 (国民健康保険の被保険者等に関する経過措置)

第二条 この法律の施行の日(次条第一項及び附則第十七条において「施行日」という。)から健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日の前日までの間における第一条、第五条第一項第三号及び第百二条第一項の規定の適用については、第一条中「高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)、国民年金法」とあるのは「国民年金法」と、同号中「しないこととされた者、次条第一項の規定により後期高齢者医療の被保険者としないこととされた者」とあるのは「しないこととされた者」と、同項中「並びに医療保険各法(高齢者の医療の確保に関する法律第七条第一項に規定する医療保険各法をいう。)及び高齢者の医療の確保に関する法律」とあるのは「及び医療保険各法(老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)第六条第一項に規定する医療保険各法をいう。)」とする。

 (労働者災害補償保険法等の適用に関する経過措置)

第三条 施行日から雇用保険法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第三十号)附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間における第四条第一項の規定の適用については、同項中「第三条」とあるのは「第十条」と、「第二条第一項」とあるのは「第十七条」とする。

2 前項の規定により読み替えられた第四条第一項の規定により船員保険の被保険者としないこととされた者については、雇用保険法等の一部を改正する法律附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、船員法第十章、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)及び雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)の規定は、適用しない。

 (初診日が昭和六十一年四月一日前にあ る傷病による障害等に係る障害基礎年金の支給に関する経過措置)

第四条 疾病にかかり、若しくは負傷した日が昭和六十一年四月一日前にある傷病又は初診日が同日前にある傷病による障害(相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)及び保険料納付済期間又は保険料免除期間を有する者に係るものに限る。)に係るこの法律及び他の法令による障害基礎年金の支給要件又は額に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (昭和六十一年四月一日において六十歳以上である者の死亡に係る遺族基礎年金の支給に関する経過措置)

第五条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)及び国民年金の被保険者期間又は被用者年金被保険者等であった期間を有し、かつ、大正十五年四月一日以前に生まれた者であって政令で定めるものが発効日前に死亡した場合におけるこの法律及び他の法令による遺族基礎年金の支給要件又は額に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (旧国民年金法による通算老齢年金等の支給要件等の特例)

第六条 第十一条第一項の規定は、昭和六十年国民年金等改正法附則第三十一条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた昭和六十年国民年金等改正法第一条の規定による改正前の国民年金法(次条及び附則第八条において「旧国民年金法」という。)による通算老齢年金について準用する。

第七条 旧国民年金法による障害年金(当該障害年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたことにより昭和六十年国民年金等改正法附則第二十六条第一項の規定が適用されるものを除く。)を受けることができる者であって、国民年金法第三十四条第四項及び第三十六条第二項ただし書に規定するその他障害が相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。)によるものは、これらの規定の適用については、障害基礎年金の受給権者であって、当該初診日において同法第三十条第一項第一号に該当する者であったものとみなす。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る国民年金法による給付等に関する特例)

第八条 第六章第四節の規定は、附則第四条から前条までの規定により支給する国民年金法による給付等及び旧国民年金法による給付について準用する。

 (初診日が昭和六十一年四月一日前にある傷病による障害等に係る障害厚生年金等の支給に関する経過措置)

第九条 疾病にかかり、若しくは負傷した日が昭和六十一年四月一日前にある傷病又は初診日が同日前にある傷病による障害(相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)及び厚生年金保険の被保険者期間を有する者に係るものに限る。)に係るこの法律及び他の法令による障害厚生年金又は障害手当金の支給要件又は額に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (昭和六十一年四月一日前の死亡等に係る遺族厚生年金の支給に関する経過措置)

第十条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)及び厚生年金保険の被保険者期間を有する者が昭和六十一年四月一日前に死亡した場合又は同日前に発した傷病により当該傷病に係る初診日から起算して五年を経過する日前に死亡した者その他の政令で定める者が発効日前に死亡した場合における遺族厚生年金の支給要件又は額に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (旧厚生年金保険法による保険給付の支給要件等の特例)

第十一条 第二十七条の規定は、昭和六十年国民年金等改正法第三条の規定による改正前の厚生年金保険法(以下「旧厚生年金保険法」という。)による次に掲げる保険給付について準用する。

 一 昭和六十年国民年金等改正法附則第六十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧厚生年金保険法による老齢年金(次項において「旧厚生年金保険法による老齢年金」という。)

 二 昭和六十年国民年金等改正法附則第六十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧厚生年金保険法による通算老齢年金

 三 昭和六十年国民年金等改正法附則第六十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧厚生年金保険法による特例老齢年金

 四 昭和六十年国民年金等改正法附則第七十五条の規定によりなおその効力を有するものとされた旧厚生年金保険法による脱退手当金(次項において「旧厚生年金保険法による脱退手当金」という。)

2 前項の規定により支給する旧厚生年金保険法による老齢年金(旧厚生年金保険法第三十四条第一項第一号に掲げる額に相当する部分又は旧厚生年金保険法第四十三条第一項の規定により加算する加給年金額に相当する部分に限る。)の額及び旧厚生年金保険法による脱退手当金の額は、第三十一条第一項及び第二項の規定を参酌して政令で定めるところによる。

第十二条 旧厚生年金保険法による障害年金(その権利を取得した当時から引き続き旧厚生年金保険法別表第一に定める一級又は二級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く。)を受けることができる者であって、厚生年金保険法第五十二条第四項及び第五十四条第二項ただし書に規定するその他障害が相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。)によるものは、これらの規定の適用については、障害厚生年金の受給権者であって、当該初診日において厚生年金保険の被保険者であったものとみなす。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る厚生年金保険法による保険給付等に関する特例)

第十三条 第七章第四節の規定は、附則第九条から前条までの規定により支給する厚生年金保険法による保険給付等及び旧厚生年金保険法による保険給付について準用する。

 (旧船員保険法による老齢年金等の支給要件等の特例)

第十四条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。以下この項において同じ。)及び昭和六十年国民年金等改正法第五条の規定による改正前の船員保険法(以下「旧船員保険法」という。)による船員保険の被保険者であった期間を有し、かつ、旧船員保険法又は昭和六十年国民年金等改正法附則第百七条の規定による改正前の船員保険法の一部を改正する法律(昭和四十年法律第百五号。以下この項において「旧船員保険一部改正法」という。)による保険給付のうち次に掲げるものの支給要件に関する規定であって政令で定めるもの(以下この項において「支給要件規定」という。)に規定する当該保険給付の受給資格要件たる期間を満たさない者について、当該支給要件規定を適用する場合においては、その者の相手国期間であって政令で定めるものを、旧船員保険法による船員保険の被保険者であった期間その他の政令で定める期間に算入する。

 一 昭和六十年国民年金等改正法附則第八十六条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧船員保険法による老齢年金(次項において「旧船員保険法による老齢年金」という。)

 二 昭和六十年国民年金等改正法附則第八十六条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧船員保険法による通算老齢年金

 三 昭和六十年国民年金等改正法附則第八十六条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧船員保険一部改正法による特例老齢年金

 四 昭和六十年国民年金等改正法附則第八十六条第六項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧船員保険法による脱退手当金(次項において「旧船員保険法による脱退手当金」という。)

2 前項の規定により支給する旧船員保険法による老齢年金(旧船員保険法第三十五条第一号に規定する額に相当する部分又は旧船員保険法第三十六条第一項の規定により加給する額に相当する部分に限る。)の額及び旧船員保険法による脱退手当金の額は、第三十一条第一項及び第二項の規定を参酌して政令で定めるところによる。

第十五条 旧船員保険法による障害年金のうち職務外の事由によるもの(その権利を取得した当時から引き続き旧船員保険法別表第四の下欄に定める一級又は二級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く。)を受けることができる者であって、厚生年金保険法第五十二条第四項及び第五十四条第二項ただし書に規定するその他障害が相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)中に初診日のある傷病(政令で定める社会保障協定に係る場合にあっては、これに相当するものとして政令で定めるものとする。)によるものは、これらの規定の適用については、障害厚生年金の受給権者であって、当該初診日において厚生年金保険の被保険者であったものとみなす。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る旧船員保険法による保険給付に関する特例)

第十六条 第七章第四節の規定は、前二条の規定により支給する旧船員保険法による保険給付について準用する。

 (郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律による国家公務員共済組合法の一部改正に伴う経過措置)

第十七条 施行日が郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)第六十六条の規定の施行の日前である場合には、同条の規定の施行の日の前日までの間における第四十一条第一項の規定の適用については、同項中「当該職員とみなされる者並びに国共済法附則第二十条の三第四項の規定により当該職員とみなされる同条第一項に規定する郵政会社等役職員(国共済法附則第二十条の七第一項の規定により当該役職員とみなされる者を含む。)」とあるのは、「当該職員とみなされる者」とする。

 (初診日が昭和六十一年四月一日前にある傷病による障害等に係る国共済法による障害共済年金等の支給に関する経過措置)

第十八条 病気にかかり、若しくは負傷した日が昭和六十一年四月一日前にある傷病又は初診日が同日前にある傷病による障害(相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)及び国共済組合員期間を有する者に係るものに限る。)に係るこの法律及び他の法令による国共済法による障害共済年金又は障害一時金の支給要件又は額に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (昭和六十一年四月一日前の死亡に係る国共済法による遺族共済年金の支給に関する経過措置)

第十九条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)及び国共済組合員期間を有する者が昭和六十一年四月一日前に死亡した場合における国共済法による遺族共済年金の支給要件又は額に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (国共済法の旧脱退一時金等の支給)

第二十条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。以下この項において同じ。)及び昭和六十一年四月一日前の国共済組合員期間を有し、かつ、昭和六十年国共済改正法附則第六十一条の規定によりなお従前の例によることとされる脱退一時金又は特例死亡一時金の受給資格要件である期間を満たさない者については、その者の相手国期間であって政令で定めるものをその者の国共済組合員期間に算入して昭和六十年国共済改正法第一条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法の規定を適用したとするならば同法の規定に基づく脱退一時金又は特例死亡一時金が支給されることとなるときは、その者に当該脱退一時金又は特例死亡一時金を支給する。ただし、その者が第四十二条第一項の規定により支給する退職共済年金その他の政令で定める年金である給付を受ける権利を有するときは、この限りでない。

2 前項の規定により支給する脱退一時金又は特例死亡一時金の額については、第四十六条第一項及び第二項の規定を参酌して政令で定めるところによる。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る国共済法による長期給付等に関する特例)

第二十一条 第八章第四節の規定は、前三条の規定により支給する国共済法による長期給付等について準用する。

 (初診日が昭和六十一年四月一日前にある傷病による障害等に係る地共済法による障害共済年金等の支給に関する経過措置)

第二十二条 病気にかかり、若しくは負傷した日が昭和六十一年四月一日前にある傷病又は初診日が同日前にある傷病による障害(相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)及び地共済組合員期間を有する者に係るものに限る。)に係るこの法律及び他の法令による地共済法による障害共済年金又は障害一時金の支給要件又は額に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (昭和六十一年四月一日前の死亡に係る地共済法による遺族共済年金の支給に関する経過措置)

第二十三条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)及び地共済組合員期間を有する者が昭和六十一年四月一日前に死亡した場合における地共済法による遺族共済年金の支給要件又は額に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (地共済法の旧脱退一時金等の支給)

第二十四条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。以下この項において同じ。)及び昭和六十一年四月一日前の地共済組合員期間を有し、かつ、昭和六十年地共済改正法附則第四十二条の規定によりなお従前の例によることとされる脱退一時金又は特例死亡一時金の受給資格要件である期間を満たさない者については、その者の相手国期間であって政令で定めるものをその者の地共済組合員期間に算入して昭和六十年地共済改正法第一条の規定による改正前の地方公務員等共済組合法の規定を適用したとするならば同法の規定に基づく脱退一時金又は特例死亡一時金が支給されることとなるときは、その者に当該脱退一時金又は特例死亡一時金を支給する。ただし、その者が第五十九条第一項の規定により支給する退職共済年金その他の政令で定める年金である給付を受ける権利を有するときは、この限りでない。

2 前項の規定により支給する脱退一時金又は特例死亡一時金の額については、第六十三条第一項及び第二項の規定を参酌して政令で定めるところによる。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る地共済法による長期給付等に関する特例)

第二十五条 第九章第四節の規定は、前三条の規定により支給する地共済法による長期給付等について準用する。

 (初診日が昭和六十一年四月一日前にある傷病による障害等に係る私学共済法による障害共済年金等の支給に関する経過措置)

第二十六条 病気にかかり、若しくは負傷した日が昭和六十一年四月一日前にある傷病又は初診日が同日前にある傷病による障害(相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)及び私学共済加入者期間を有する者に係るものに限る。)に係るこの法律及び他の法令による私学共済法による障害共済年金又は障害一時金の支給要件又は額に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (昭和六十一年四月一日前の死亡に係る私学共済法による遺族共済年金の支給に関する経過措置)

第二十七条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。)及び私学共済加入者期間を有する者が昭和六十一年四月一日前に死亡した場合における私学共済法による遺族共済年金の支給要件又は額に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (私学共済法の旧脱退一時金等の支給)

第二十八条 相手国期間(政令で定める社会保障協定に係るものを除く。以下この項において同じ。)及び昭和六十一年四月一日前の私学共済加入者期間を有し、かつ、私学共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる昭和六十年国共済改正法附則第六十一条の規定によりなお従前の例によることとされる脱退一時金又は特例死亡一時金の受給資格要件である期間を満たさない者については、その者の相手国期間であって政令で定めるものをその者の私学共済加入者期間に算入して私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百六号)第一条の規定による改正前の私立学校教職員共済組合法の規定を適用したとするならば同法の規定に基づく脱退一時金又は特例死亡一時金が支給されることとなるときは、その者に当該脱退一時金又は特例死亡一時金を支給する。ただし、その者が第七十七条第一項の規定により支給する退職共済年金その他の政令で定める年金である給付を受ける権利を有するときは、この限りでない。

2 前項の規定により支給する脱退一時金又は特例死亡一時金の額については、第八十一条第一項及び第二項の規定を参酌して政令で定めるところによる。

 (二以上の相手国期間を有する者に係る私学共済法による長期給付等に関する特例)

第二十九条 第十章第四節の規定は、前三条の規定により支給する私学共済法による長期給付等について準用する。

 (社会保障に関する日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律の一部改正)

第三十条 社会保障に関する日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成十七年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。

  第二十条第二項ただし書中「に係る障害程度を認定すべき日」を「に係る障害認定日」に改める。

  第二十一条第三項中「に係る障害程度を認定すべき日」を「に係る障害認定日」に、「当該障害程度を認定すべき日」を「当該障害に係る障害程度を認定すべき日」に改める。

  第六十七条第四項中「障害程度を認定すべき日」を「障害認定日」に、「日(以下」を「日(附則第三十六条第二項において」に改める。

  附則第十条第一項各号列記以外の部分中「厚生年金保険の」を「当該障害に係る障害認定日において厚生年金保険の」に改める。

  附則第三十六条第二項中「障害程度を認定すべき日等が」を「障害程度を認定すべき日又は第三十一条第三項、第四十三条第三項若しくは第五十六条第三項に規定する退職の日(以下この項において「障害程度を認定すべき日等」という。)が」に、「二以上の」を「当該障害に係る障害認定日等において二以上の」に改める。

 (社会保障に関する日本国とベルギー王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律の一部改正)

第三十一条 社会保障に関する日本国とベルギー王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成十七年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第二項ただし書中「に係る障害程度を認定すべき日」を「に係る障害認定日」に改める。

  第二十条第三項中「に係る障害程度を認定すべき日」を「に係る障害認定日」に、「当該障害程度を認定すべき日」を「当該障害に係る障害程度を認定すべき日」に改める。

  第六十六条第四項中「障害程度を認定すべき日」を「障害認定日」に、「日(以下」を「日(附則第三十六条第二項において」に改める。

  附則第十条第一項各号列記以外の部分中「厚生年金保険の」を「当該障害に係る障害認定日において厚生年金保険の」に改める。

  附則第三十六条第二項中「障害程度を認定すべき日等が」を「障害程度を認定すべき日又は第三十条第三項、第四十二条第三項若しくは第五十五条第三項に規定する退職の日(以下この項において「障害程度を認定すべき日等」という。)が」に、「二以上の」を「当該障害に係る障害認定日等において二以上の」に改める。

 (他の法律の廃止)

第三十二条 次に掲げる法律は、廃止する。

 一 社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成十年法律第七十七号)

 二 社会保障に関する日本国とグレー ト・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成十二年法律第八十三号)

 三 社会保障に関する日本国とアメリカ 合衆国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成十六年法律第百二十六号)

 四 社会保障に関する日本国と大韓民国 との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成十六年法律第百二十七号)

 五 社会保障に関する日本国政府とフラ ンス共和国政府との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律

 六 社会保障に関する日本国とベルギー 王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律

 七 社会保障に関する日本国とカナダと の間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成十八年法律第七十二号)

 (前条の規定による法律の廃止に伴う経 過措置)

第三十三条 前条の規定による廃止前の同 条各号に掲げる法律又はこれらに基づく命令の規定によりした処分、手続その他の行為は、この法律又はこれに基づく命令の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみ なす。

第三十四条 附則第三十二条の規定による 廃止前の同条第一号、第三号及び第五号から第七号までに掲げる法律の規定により支給する公的年金各法による給付及び当該給付に加算する額に相当する部分(以下この条におい て「公的年金各法による給付等」という。)は、この法律中の相当する規定により支給する公的年金各法による給付等とみなして、この法律の規定を適用する。

 (その他の経過措置の政令への委 任)

第三十五条 この附則に規定するもののほ か、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

(内閣総理・総務・財務・文部科学・厚生労働大臣署名)  

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