自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律

法律第八十三号(平一三・六・二九)

 (自動車損害賠償保障法の一部改正)

第一条 自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第二節 自動車損害賠償責任保険契約及び自動車損害賠償責任共済契約(第十一条―第二十三条の三)」を

第二節 自動車損害賠償責任保険契約及び自動車損害賠償責任共済契約(第十一条―第二十三条の四)

 
 

第二節の二 指定紛争処理機関(第二十三条の五―第二十三条の二十一)

 に、「第三十九条」を「第七十条」に改め、「第五節 政府の自動車損害賠償責任再保険事業及び自動車損害賠償責任共済保険事業(第四十条―第七十条)」を削り、「第八十二条」を「第八十二条の二」に、「第八十二条の二」を「第八十二条の三」に、「第九十一条」を「第九十二条」に改める。

  第九条の四中「第二十三条の二第一項」を「第二十三条の三第一項」に改める。

  第十六条の二中「損害賠償額」の下に「(第二十八条の四第一項を除き、以下「保険金等」という。)」を加え、同条の次に次の六条を加える。

  (支払基準)

 第十六条の三 保険会社は、保険金等を支払うときは、死亡、後遺障害及び傷害の別に国土交通大臣及び内閣総理大臣が定める支払基準(以下「支払基準」という。)に従つてこれを支払わなければならない。

 2 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、前項の規定により支払基準を定める場合には、公平かつ迅速な支払の確保の必要性を勘案して、これを定めなければならない。これを変更する場合も、同様とする。

  (書面の交付)

 第十六条の四 保険会社は、保険金等の請求があつたときは、遅滞なく、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、支払基準の概要その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面を当該請求を行つた被保険者又は被害者に交付しなければならない。

 2 保険会社は、保険金等の支払を行つたときは、遅滞なく、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、支払つた保険金等の金額、後遺障害の該当する等級、当該等級に該当すると判断した理由その他の保険金等の支払に関する重要な事項であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものを記載した書面を前項に規定する請求を行つた被保険者又は被害者に交付しなければならない。

 3 保険会社は、第三条ただし書に規定する事項の証明があつたことその他の理由により保険金等を支払わないこととしたときは、遅滞なく、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、支払を行わないこととした理由を記載した書面を第一項に規定する請求を行つた被保険者又は被害者に交付しなければならない。

 4 保険会社は、前三項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、被保険者又は被害者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該保険会社は、当該書面を交付したものとみなす。

  (書面による説明等)

 第十六条の五 保険会社は、前条第二項又は第三項の規定により書面を交付した後において、被保険者又は被害者から、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、書面により、保険金等の支払に関する重要な事項(同条第二項の国土交通省令・内閣府令で定める事項を除く。)であつて国土交通省令・内閣府令で定めるもの又は同条第三項に規定する支払を行わないこととした理由の詳細であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものについて説明を求められたときは、次項前段に規定する場合を除き、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、当該説明を求めた者に対し、書面により、当該説明を求められた事項を説明しなければならない。ただし、当該説明を求めた者の同意があるときは、書面以外の方法により説明することができる。

 2 保険会社は、前項の規定により説明を求められた場合であつて第三者の権利利益を不当に害するおそれがあるときその他正当な理由があるときは、当該説明を求められた事項の全部又は一部について説明をしないことができる。この場合において、保険会社は、説明をしない旨及びその理由を記載した書面を当該説明を求めた者に交付しなければならない。

 3 第一項の規定による説明又は前項の規定による書面の交付(次項において「説明等」という。)は、第一項の規定により説明を求められた日から起算して三十日以内にしなければならない。

 4 保険会社は、事務処理上の困難その他正当な理由により前項に規定する期間内に説明等をすることができないときは、同項に規定する期間内に、第一項の規定により説明を求めた者に対し、書面により、前項に規定する期間内に当該説明等をすることができない理由及び当該説明等の期限を通知しなければならない。

 5 保険会社は、第一項の規定による書面による説明、第二項の規定による書面の交付又は前項の規定による書面による通知(以下「書面による説明等」という。)に代えて、政令で定めるところにより、被保険者又は被害者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該保険会社は、書面による説明等を行つたものとみなす。

  (支払等の届出)

 第十六条の六 保険会社は、保険金等の支払の適正化を図る必要性が特に高いものとして国土交通省令で定める死亡その他の損害に関し、保険金等を支払つたとき又は第十六条の四第三項の規定による書面の交付をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

  (国土交通大臣に対する申出)

 第十六条の七 被保険者又は被害者は、保険会社による保険金等の支払又は支払に係る手続に関し、次のいずれかに該当する事実があるときは、国土交通大臣に対し、その事実を申し出ることができる。

  一 保険金等の支払が支払基準に従つていないとき。

  二 第十六条の四第一項から第三項までの規定による書面の交付を行つていないとき。

  三 第十六条の五第一項の規定による説明、同条第二項の規定による書面の交付又は同条第四項の規定による通知を行つていないとき。

  (指示等)

 第十六条の八 国土交通大臣は、第十六条の六の規定による届出があつた場合、前条の規定による申出があつた場合その他の場合において、保険会社による保険金等の支払又は支払に係る手続が同条各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該保険会社に対し、支払基準に従つた支払、第十六条の四第一項から第三項までの規定による書面の交付又は第十六条の五第一項の規定による説明、同条第二項の規定による書面の交付若しくは同条第四項の規定による通知をすべき旨の指示をするものとする。

 2 国土交通大臣は、前項に規定する指示を行つたときは、遅滞なく、内閣総理大臣にその旨を通知しなければならない。

 3 国土交通大臣は、第一項に規定する指示を受けた保険会社が、正当な理由がなくてその指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

 4 国土交通大臣は、第一項に規定する指示を受けた保険会社が、前項の規定によりその指示に従わなかつた旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくてその指示に係る措置をとらなかつたときは、当該保険会社に対し、その指示に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

 5 国土交通大臣は、第三項に規定する公表又は前項に規定する命令を行おうとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の同意を得るものとする。

  第十九条の二を削る。

  第二十三条の三を第二十三条の四とする。

  第二十三条の二第一項中「第十九条の二まで及び第二十二条」を「第十九条まで、第二十二条及び前条」に改め、「「共済金」と」の下に「、「保険金等」とあるのは「共済金等」と」を加え、「、「追加保険料」とあるのは「追加共済掛金」と」を削り、「「前条第一項」とあるのは「第二十三条の二第一項において準用する第十六条第一項」と」を「「前条第一項」とあるのは「第二十三条の三第一項において準用する第十六条第一項」と、「第二十八条の四第一項を除き、以下」とあるのは「以下」と、第十六条の五第一項中「前条第二項又は第三項」とあるのは「第二十三条の三第一項において準用する第十六条の四第二項又は第三項」と、第十六条の六中「第十六条の四第三項」とあるのは「第二十三条の三第一項において準用する第十六条の四第三項」と、第十六条の七第二号及び第十六条の八第一項中「第十六条の四第一項から第三項まで」とあるのは「第二十三条の三第一項において準用する第十六条の四第一項から第三項まで」と、第十六条の七第三号及び第十六条の八第一項中「第十六条の五第一項」とあるのは「第二十三条の三第一項において準用する第十六条の五第一項」と、第十六条の八第一項中「第十六条の六」とあるのは「第二十三条の三第一項において準用する第十六条の六」と、「前条」とあるのは「第二十三条の三第一項において準用する第十六条の七」と、第十六条の八第二項及び第五項中「内閣総理大臣」とあるのは「行政庁(農業協同組合等に係るものを行う場合にあつては第二十七条第一項に規定する行政庁とし、消費生活協同組合等に係るものを行う場合にあつては第二十七条の二第一項において読み替えて準用する第二十七条第一項に規定する行政庁とし、事業協同組合等に係るものを行う場合にあつては第二十七条の二第二項において読み替えて準用する第二十七条第一項に規定する行政庁とする。)」と」に、「「第十六条第一項」とあるのは「第二十三条の二第一項」を「「第十六条第一項」とあるのは「第二十三条の三第一項」に、「「第十六条第一項及び第十七条第一項」とあるのは「第二十三条の二第一項」を「「第十六条第一項及び第十七条第一項」とあるのは「第二十三条の三第一項」に改め、同条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

 2 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、前項において準用する第十六条の三第一項に規定する支払基準を定め、又は変更しようとするとき並びに前項において準用する第十六条の四並びに同項において準用する第十六条の五第一項及び第五項に規定する国土交通省令・内閣府令を制定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣、厚生労働大臣及び事業協同組合等の定款において組合員の資格として定められる事業の所管大臣(以下「事業所管大臣」という。)に協議するものとする。

  第二十三条の二を第二十三条の三とし、第二十三条の次に次の一条を加える。

  (報告及び立入検査)

 第二十三条の二 国土交通大臣は、第十一条から前条までの規定の施行に必要な限度において、国土交通省令で定めるところにより、保険会社に対し、責任保険の業務に関し報告をさせ、又はその職員に、保険会社の営業所、事務所その他の施設に立ち入り、責任保険の業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

 2 前項の規定により立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

 3 第一項に規定する立入検査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

  第三章第二節の次に次の一節を加える。

     第二節の二 指定紛争処理機関

  (指定紛争処理機関の指定等)

 第二十三条の五 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、保険金等又は共済金等の支払に係る紛争の公正かつ適確な解決による被害者の保護を図ることを目的として民法第三十四条の規定により設立された法人であつて、次条第一項に規定する業務(以下「紛争処理業務」という。)に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、紛争処理業務を行う者として指定することができる。

  一 職員、紛争処理業務の実施の方法その他の事項についての紛争処理業務の実施に関する計画が、紛争処理業務の適確な実施のために適切なものであること。

  二 前号の紛争処理業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有するものであること。

  三 役員及び職員の構成が、紛争処理業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

  四 紛争処理業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて紛争処理業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

  五 前各号に定めるもののほか、紛争処理業務を公正かつ適確に行うことができるものであること。

 2 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、前項の規定による指定(以下「指定」という。)をしたときは、その指定した者(以下「指定紛争処理機関」という。)の名称及び住所、紛争処理業務を行う事務所の所在地並びに紛争処理業務を開始する日を公示しなければならない。

 3 指定紛争処理機関は、その名称若しくは住所又は紛争処理業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨及びこれらの事項を変更しようとする日を国土交通大臣及び内閣総理大臣に届け出なければならない。

 4 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

 5 指定紛争処理機関は、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、指定紛争処理機関である旨を、その事務所において公衆に見やすいように掲示しなければならない。

  (業務)

 第二十三条の六 指定紛争処理機関は、次に掲げる業務を行うものとする。

  一 保険金等又は共済金等の支払に関する紛争の当事者である保険会社、組合、被保険者、被共済者又は被害者からの申請により、当該紛争の調停(以下「紛争処理」という。)を行うこと。

  二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

 2 前項第一号の申請の手続は、国土交通省令・内閣府令で定める。

  (紛争処理委員)

 第二十三条の七 指定紛争処理機関は、人格が高潔で識見の高い者のうちから、国土交通省令・内閣府令で定める数以上の紛争処理委員を選任しなければならない。

 2 指定紛争処理機関は、紛争処理を行うときは、前項の規定により選任した紛争処理委員のうちから、事件ごとに、指定紛争処理機関の長が指名する者に紛争処理を実施させなければならない。この場合において、指定紛争処理機関の長は、当該事件に関し当事者と利害関係を有することその他紛争処理の公正を妨げるべき事情がある紛争処理委員については、当該事件の紛争処理委員に指名してはならない。

 3 前項の規定により指名される紛争処理委員のうち少なくとも一人は、弁護士でなければならない。

  (役員等の選任及び解任)

 第二十三条の八 紛争処理業務に従事する指定紛争処理機関の役員(紛争処理委員を含む。次項及び次条において同じ。)の選任及び解任は、国土交通大臣及び内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 2 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、指定紛争処理機関の役員が、第二十三条の十一第一項の認可を受けた紛争処理業務規程に違反したとき、紛争処理業務に関し著しく不適当な行為をしたとき、又はその在任により指定紛争処理機関が第二十三条の五第一項第三号に掲げる基準に適合しなくなつたときは、指定紛争処理機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

  (秘密保持義務等)

 第二十三条の九 指定紛争処理機関の役員及び職員並びにこれらの職にあつた者は、紛争処理業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。

 2 指定紛争処理機関の役員及び職員で紛争処理業務に従事する者は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

  (紛争処理業務の義務)

 第二十三条の十 指定紛争処理機関は、紛争処理業務を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、紛争処理業務を行わなければならない。

  (紛争処理業務規程)

 第二十三条の十一 指定紛争処理機関は、紛争処理業務に関する規程(以下「紛争処理業務規程」という。)を定め、国土交通大臣及び内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 2 紛争処理業務規程で定めるべき事項は、国土交通省令・内閣府令で定める。

 3 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、第一項の認可をした紛争処理業務規程が紛争処理業務の公正かつ適確な実施上不適当となつたと認めるときは、その紛争処理業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

  (説明又は資料提出の請求)

 第二十三条の十二 指定紛争処理機関は、紛争処理業務の実施に必要な限度において、保険会社又は組合に対して、文書若しくは口頭による説明又は資料の提出を求めることができる。

 2 保険会社又は組合は、前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。

  (紛争処理の手続の非公開)

 第二十三条の十三 指定紛争処理機関が行う紛争処理の手続は、公開しない。ただし、指定紛争処理機関は、相当と認める者に傍聴を許すことができる。

  (事業計画等)

 第二十三条の十四 指定紛争処理機関は、毎事業年度、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、紛争処理業務に係る事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、国土交通大臣及び内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 2 指定紛争処理機関は、毎事業年度、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、紛争処理業務に係る事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度経過後三月以内に、国土交通大臣及び内閣総理大臣に提出しなければならない。

  (業務の休廃止等)

 第二十三条の十五 指定紛争処理機関は、国土交通大臣及び内閣総理大臣の許可を受けなければ、紛争処理業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

 2 国土交通大臣及び内閣総理大臣が前項の規定により紛争処理業務の全部の廃止を許可したときは、当該許可に係る指定は、その効力を失う。

 3 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、第一項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

  (帳簿の備付け等)

 第二十三条の十六 指定紛争処理機関は、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、紛争処理業務に関する事項で国土交通省令・内閣府令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。

  (報告及び立入検査)

 第二十三条の十七 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、紛争処理業務の公正かつ適確な実施の確保に必要な限度において、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、指定紛争処理機関に対し、紛争処理業務に関し報告をさせ、又はその職員に、指定紛争処理機関の事務所に立ち入り、紛争処理業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

 2 第二十三条の二第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査又は質問について準用する。

  (監督命令)

 第二十三条の十八 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、紛争処理業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定紛争処理機関に対し、紛争処理業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

  (指定の取消し等)

 第二十三条の十九 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、指定紛争処理機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて紛争処理業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

  一 第二十三条の五第一項各号に掲げる基準に適合していないと認めるとき。

  二 第二十三条の五第三項若しくは第五項、第二十三条の七、第二十三条の八第一項、第二十三条の十、第二十三条の十三、第二十三条の十四又は第二十三条の十五第一項の規定に違反したとき。

  三 第二十三条の八第二項、第二十三条の十一第三項又は前条の規定による命令に違反したとき。

  四 第二十三条の十一第一項の認可を受けた紛争処理業務規程によらないで紛争処理業務を行つたとき。

  五 指定紛争処理機関又はその役員が、紛争処理業務に関し著しく不適当な行為をしたとき。

  六 不正な手段により指定を受けたとき。

 2 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は紛争処理業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

  (指定紛争処理機関への情報提供等)

 第二十三条の二十 国土交通大臣及び内閣総理大臣は、指定紛争処理機関に対し、紛争処理業務の実施に関し必要な情報及び資料の提供を行うものとする。

  (国土交通省令・内閣府令への委任)

 第二十三条の二十一 この節に規定するもののほか、指定紛争処理機関及び紛争処理業務に関し必要な事項は、国土交通省令・内閣府令で定める。

  第二十七条の二第二項中「当該事業協同組合等の定款において組合員の資格として定められる事業の所管大臣(以下「事業所管大臣」という。)」を「事業所管大臣」に改める。

  第二十八条の四第一項第一号中「第四十条及び第七十八条その他この法律」を「第七十八条」に改め、同項第二号中「第四十条その他この法律」を「第十六条第四項又は第十七条第四項(これらの規定を第二十三条の三第一項において準用する場合を含む。)」に改める。

  「第五節 政府の自動車損害賠償責任再保険事業及び自動車損害賠償責任共済保険事業」を削る。

  第四十条から第七十条までを次のように改める。

 第四十条から第七十条まで 削除

  第七十二条第二項、第七十五条並びに第七十六条第二項及び第三項中「第二十三条の二第一項」を「第二十三条の三第一項」に改める。

  第八十二条中「自動車損害賠償責任再保険特別会計」を「自動車損害賠償保障事業特別会計」に改める。

  第八十二条の二第一項及び第三項中「第二十三条の二第一項」を「第二十三条の三第一項」に改め、同条を第八十二条の三とする。

  第四章中第八十二条の次に次の一条を加える。

  (報告及び立入検査)

 第八十二条の二 国土交通大臣は、第七十八条の規定の施行に必要な限度において、国土交通省令で定めるところにより、保険会社若しくは組合に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、保険会社若しくは組合の営業所、事務所その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

 2 第二十三条の二第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査又は質問について準用する。

  第八十三条中「自動車損害賠償責任再保険事業、自動車損害賠償責任共済保険事業及び」を削る。

  第八十六条の二中「十万円」を「百万円」に改める。

  第八十六条の三から第八十八条までを次のように改める。

 第八十六条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

  一 第五条の規定に違反した者

  二 第二十三条の九第一項の規定に違反して、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用した者

  三 第八十四条の二第二項又は第三項の規定に違反した者

 第八十七条 偽りその他不正の手段により、自動車損害賠償責任保険証明書若しくは自動車損害賠償責任共済証明書又は保険標章、共済標章若しくは保険・共済除外標章の交付又は再交付を受けた者は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 第八十七条の二 第十六条の八第四項(第二十三条の三第一項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者は、百万円以下の罰金に処する。

 第八十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

  一 第八条又は第九条の三第一項若しくは第二項(第九条の五第三項及び第十条の二第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

  二 第二十三条の二第一項(第二十三条の三第一項において準用する場合を含む。)又は第八十二条の二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくはこれらの規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者

  三 第二十八条の四第三項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

  第八十八条の次に次の一条を加える。

 第八十八条の二 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定紛争処理機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

  一 第二十三条の十五第一項の規定による許可を受けないで紛争処理業務の全部を廃止したとき。

  二 第二十三条の十六の規定に違反して帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。

  三 第二十三条の十七第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

  第八十九条中「各号の一」を「各号のいずれか」に、「一万円」を「二十万円」に改める。

  第九十条中「関して、」の下に「第八十六条の三第一号若しくは第二号又は」を加える。

  第九十一条第一項中「第二十四条第一項又は第二項の規定に違反したときは」を「次の各号のいずれかに該当する場合には」に、「三十万円」を「百万円」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 第十六条の六(第二十三条の三第一項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

  二 第二十三条の十二第二項の規定による説明若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の説明若しくは資料の提出をしたとき。

  三 第二十四条第一項又は第二項の規定に違反したとき。

  四 第二十八条の四第四項の規定による命令に違反したとき。

  第九十一条第二項中「第二十六条の三の」の下に「規定による」を加え、「三十万円」を「百万円」に改め、同条第三項中「含む。)の」の下に「規定による」を加え、「三十万円」を「百万円」に改め、同条第四項を削る。

  第九十一条の次に次の一条を加える。

 第九十二条 偽りその他不正の手段により、第十六条の五第一項(第二十三条の三第一項において準用する場合を含む。)の規定による説明(第十六条の五第五項(第二十三条の三第一項において準用する場合を含む。)の規定により書面による説明等を行つたものとみなされる場合における説明を含む。)を受けた者は、十万円以下の過料に処する。

  附則第二項中「第五十一条及び」を削り、附則第三項から第十一項までを削り、附則に次の六項を加える。

 3 前項の場合においては、自動車損害賠償保障事業特別会計法(昭和三十年法律第百三十四号。以下「特別会計法」という。)第三条中「同条第二項の規定による一般会計からの繰入金、法第七十六条」とあるのは、「法第七十六条」とする。

  (自動車事故対策計画)

 4 国土交通大臣は、被害者の保護の増進を図るとともに、自動車事故の発生の防止に資するため、当分の間、自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律(平成十三年法律第八十三号)附則第四条第四項の規定により特別会計法附則第十五項の規定による読替え後の特別会計法附則第三項に規定する自動車事故対策勘定に帰属した資産を充てて行う被害者の保護の増進又は自動車事故の発生の防止の対策に関する事業に関する計画(以下「自動車事故対策計画」という。)を作成し、又は変更するものとする。

 5 政府は、自動車事故対策計画に基づき、自動車事故対策センターに対する自動車事故対策センター法(昭和四十八年法律第六十五号)第四条第四項の出資及び同法第四十条の貸付け並びに自動車事故対策センターその他の自動車事故対策計画に規定する事業を実施する者に対する補助を安定的に行うものとする。

 6 国土交通大臣は、自動車事故対策計画を作成し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、財務大臣及び国家公安委員会に協議しなければならない。

  (保険料等充当交付金)

 7 政府は、平成十四年四月一日から平成二十年三月三十一日までの間に効力が生じた責任保険又は責任共済の契約について、保険契約者又は共済契約者が保険会社又は組合に支払うべき当該責任保険の契約の保険料又は当該責任共済の契約の共済掛金の一部に充てさせるため、その充てさせるべき額に相当する額の交付金(以下「保険料等充当交付金」という。)を、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、保険会社又は組合に交付するものとする。

 8 保険料等充当交付金は、遅くとも責任保険又は責任共済の効力が生じた日の属する年度の翌年度までに交付しなければならない。

 (自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部改正)

第二条 自動車損害賠償責任再保険特別会計法(昭和三十年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。

  題名を次のように改める。

    自動車損害賠償保障事業特別会計法

  第一条中「自動車損害賠償責任再保険事業、自動車損害賠償責任共済保険事業及び」を削り、「自動車損害賠償責任再保険特別会計」を「自動車損害賠償保障事業特別会計」に改める。

  第三条及び第四条を削る。

  第五条の見出しを「(歳入及び歳出)」に改め、同条中「保障勘定」を「この会計」に、「保険勘定」を「同条第二項の規定による一般会計」に、「基く」を「基づく」に、「保障金、自動車損害賠償保障事業の業務の取扱に関する諸費に充てるための業務勘定への繰入金」を「法第七十二条第一項及び第二項の規定による支払金(以下「保障金」という。)」に改め、「一時借入金の利子」の下に「、業務取扱費」を加え、同条を第三条とする。

  第六条を削る。

  第七条第二項中「保険勘定及び保障勘定に係る」を削り、「添附」を「添付」に改め、同条を第四条とし、第八条を第五条とする。

  第九条第二項中「第七条第一項」を「第四条第一項」に、「添附」を「添付」に改め、同条を第六条とする。

  第十条第一項中「保険勘定又は保障勘定」を「この会計」に、「利益を生じたときは、これを当該勘定の積立金に組み入れて」を「生じた利益又は損失は、翌年度に繰り越して」に改め、同条第二項を削り、同条を第七条とする。

  第十一条の見出しを「(剰余金の繰入れ)」に改め、同条中「各勘定」を「この会計」に改め、「当該勘定の」を削り、同条を第八条とする。

  第十二条第二項中「保険勘定及び保障勘定の」を削り、「添附」を「添付」に改め、同条を第九条とし、第十三条を第十条とする。

  第十四条中「各勘定」を「この会計」に改め、同条を第十一条とする。

  第十五条第一項中「保険勘定又は保障勘定」及び「当該勘定」を「この会計」に改め、同条第二項を次のように改める。

 2 前項の規定により借入金をすることができる金額は、賦課金及び法第八十二条第一項の規定による他の会計からの繰入金をもつて保障金を支弁するのに不足する金額を限度とする。

  第十五条を第十二条とする。

  第十六条第一項中「保険勘定又は保障勘定」及び「当該勘定」を「この会計」に改め、同条を第十三条とし、第十七条を第十四条とする。

  第十八条の見出し中「繰入」を「繰入れ」に改め、同条中「第十五条第一項」を「第十二条第一項」に、「第十六条第一項」を「第十三条第一項」に改め、同条を第十五条とし、第十九条を第十六条とし、第二十条を第十七条とする。

  附則第一項に見出しとして「(施行期日)」を付し、附則第二項を削り、附則に次の十九項を加える。

  (再保険事業等に関する政府の経理の経過措置)

 2 自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律(平成十三年法律第八十三号。以下「改正法」という。)附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有することとされた改正法第一条の規定による改正前の自動車損害賠償保障法(以下「なお効力を有する旧自賠法」という。)の規定に基づく再保険関係及び保険関係に係る自動車損害賠償責任再保険事業及び自動車損害賠償責任共済保険事業(以下「再保険事業等」という。)並びに法附則第四項の自動車事故対策計画(以下「自動車事故対策計画」という。)に基づく法附則第五項の規定による出資及び貸付け並びに補助に関する政府の経理は、当分の間、第一条の規定にかかわらず、この会計において行うものとする。

 3 前項の規定により自動車事故対策計画に基づく法附則第五項の規定による出資及び貸付け並びに補助に関する政府の経理をこの会計において行う場合においては、この会計は、保障勘定及び自動車事故対策勘定に区分する。

 4 前項に規定する自動車事故対策勘定(以下「自動車事故対策勘定」という。)においては、平成十四年四月一日における当該勘定の資産の金額から同日における当該勘定の負債の金額を控除した額に相当する金額をもつて基金とする。

 5 前項の基金の金額は、附則第八項又は第九項の規定による整理が行われることにより増減するものとする。

 6 自動車事故対策勘定においては、附則第十項に規定する当該勘定の積立金からの受入金、当該積立金から生ずる収入、自動車事故対策計画に基づく法附則第五項の規定による貸付金の償還金及び附属雑収入をもつてその歳入とし、自動車事故対策計画に基づく同項の規定による出資金及び貸付金並びに補助金、保障勘定への繰入金、一時借入金の利子その他の諸費をもつてその歳出とする。

 7 前項に規定する保障勘定への繰入金は、予算で定めるところにより、自動車事故対策計画に基づく法附則第五項の規定による出資及び貸付け並びに補助に係る業務取扱費に充てるための金額を繰り入れるものとする。

 8 自動車事故対策勘定において、毎会計年度の損益計算上利益を生じたときは、これを当該勘定の基金に組み入れて整理するものとする。

 9 自動車事故対策勘定において、毎会計年度の損益計算上損失を生じたときは、その損失については、当該勘定の基金を減額して整理するものとする。

 10 自動車事故対策勘定において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、これを当該勘定の積立金として積み立てなければならない。ただし、歳出の翌年度への繰越額に相当する金額は、当該勘定の翌年度の歳入に繰り入れるものとする。

 11 自動車事故対策勘定の積立金は、当該勘定の歳出の財源に充てるため必要がある場合には、予算で定める額を限り、当該勘定の歳入に繰り入れることができる。

 12 自動車事故対策勘定の積立金は、財政融資資金に預託して、運用することができる。

 13 附則第二項の規定により同項に規定する政府の経理をこの会計において行う場合においては、第三条中「この会計」とあるのは「保障勘定」と、「過怠金」とあるのは「過怠金、自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律(平成十三年法律第八十三号。以下「改正法」という。)附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有することとされた改正法第一条の規定による改正前の自動車損害賠償保障法(以下「なお効力を有する旧自賠法」という。)第四十六条(なお効力を有する旧自賠法第五十条第一項において準用する場合を含む。)の規定による納付金、なお効力を有する旧自賠法第五十一条の規定による一般会計からの繰入金、附則第三項に規定する自動車事故対策勘定からの繰入金」と、「借入金の償還金」とあるのは「なお効力を有する旧自賠法第四十条第一項の規定による再保険の再保険金及び同条第二項の規定による保険の保険金、なお効力を有する旧自賠法第四十五条第二項(なお効力を有する旧自賠法第五十条第一項において準用する場合を含む。)の規定による返還金、借入金の償還金」と、「業務取扱費」とあるのは「法の規定による自動車損害賠償保障事業、なお効力を有する旧自賠法の規定に基づく再保険関係及び保険関係に係る自動車損害賠償責任再保険事業及び自動車損害賠償責任共済保険事業並びに法附則第四項の自動車事故対策計画に基づく法附則第五項の規定による出資及び貸付け並びに補助に係る業務取扱費」と、第四条第二項中「次の書類」とあるのは「各勘定に係る次の書類」と、第七条及び第八条中「この会計」とあるのは「保障勘定」と、第八条中「翌年度」とあるのは「当該勘定の翌年度」と、第九条第二項中「当該年度」とあるのは「各勘定の当該年度」と、第十一条中「この会計」とあるのは「保障勘定」と、第十二条第一項中「この会計に」とあるのは「保障勘定に」と、「この会計の」とあるのは「当該勘定の」と、第十三条第一項中「この会計に」とあるのは「各勘定に」と、「この会計の」とあるのは「当該勘定の」とする。

  (保険料等充当交付金の交付に関する政府の経理の経過措置)

 14 法附則第七項の規定による保険料等充当交付金(以下「保険料等充当交付金」という。)の交付に関する政府の経理は、保険料等充当交付金の交付が完了する年度までの間、第一条及び附則第二項の規定にかかわらず、この会計において行うものとする。

 15 前項の規定により同項に規定する政府の経理をこの会計において行う場合においては、附則第三項中「前項」とあるのは「前項及び附則第十四項」と、「補助」とあるのは「補助並びに法附則第七項の規定による保険料等充当交付金の交付」と、「及び自動車事故対策勘定」とあるのは「、自動車事故対策勘定及び保険料等充当交付金勘定」とする。

 16 前項の規定による読替え後の附則第三項に規定する保険料等充当交付金勘定においては、附則第十八項の規定による読替え後の附則第十項に規定する当該勘定の積立金からの受入金、当該積立金から生ずる収入、なお効力を有する旧自賠法第四十条第一項の規定による再保険の再保険料及び同条第二項の規定による保険の保険料(以下「再保険料等」という。)、なお効力を有する旧自賠法第四十六条(なお効力を有する旧自賠法第五十条第一項において準用する場合を含む。)の規定による納付金、なお効力を有する旧自賠法第五十一条の規定による一般会計からの繰入金及び附属雑収入をもつてその歳入とし、保険料等充当交付金、なお効力を有する旧自賠法第四十条第一項の規定による再保険の再保険金及び同条第二項の規定による保険の保険金、なお効力を有する旧自賠法第四十五条(なお効力を有する旧自賠法第五十条第一項において準用する場合を含む。)の規定による再保険料等の払戻金及び返還金、保障勘定への繰入金、一時借入金の利子その他の諸費をもつてその歳出とする。

 17 前項に規定する保障勘定への繰入金は、予算で定めるところにより、当該勘定における保障金の支払財源に充てるため再保険料等のうち政令で定める金額並びに再保険事業等及び保険料等充当交付金の交付に係る業務取扱費に充てるための金額を繰り入れるものとする。

 18 附則第十四項の規定により同項に規定する政府の経理をこの会計において行う場合においては、附則第四項中「という。)」とあるのは「という。)及び同項に規定する保険料等充当交付金勘定(以下「保険料等充当交付金勘定」という。)」と、附則第八項から第十二項までの規定中「自動車事故対策勘定」とあるのは「自動車事故対策勘定又は保険料等充当交付金勘定」と、附則第十三項中「附則第二項」とあるのは「附則第二項及び次項」と、「同項」とあるのは「これらの項」と、「「過怠金、自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律(平成十三年法律第八十三号。以下「改正法」という。)附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有することとされた改正法第一条の規定による改正前の自動車損害賠償保障法(以下「なお効力を有する旧自賠法」という。)第四十六条(なお効力を有する旧自賠法第五十条第一項において準用する場合を含む。)の規定による納付金、なお効力を有する旧自賠法第五十一条の規定による一般会計からの繰入金、附則第三項に規定する自動車事故対策勘定からの繰入金」と、「借入金の償還金」とあるのは「なお効力を有する旧自賠法第四十条第一項の規定による再保険の再保険金及び同条第二項の規定による保険の保険金、なお効力を有する旧自賠法第四十五条第二項(なお効力を有する旧自賠法第五十条第一項において準用する場合を含む。)の規定による返還金、借入金の償還金」と」とあるのは「「過怠金、附則第三項に規定する自動車事故対策勘定及び保険料等充当交付金勘定からの繰入金」と」と、「自動車損害賠償責任共済保険事業並びに」とあるのは「自動車損害賠償責任共済保険事業、」と、「補助」とあるのは「補助並びに法附則第七項の規定による保険料等充当交付金の交付」とする。

  (保険料等充当交付金勘定の権利義務の帰属等)

 19 保険料等充当交付金の交付が完了する年度の末日における保険料等充当交付金勘定に所属する権利義務は、附則第三項に規定する保障勘定に帰属するものとする。この場合において、保険料等充当交付金勘定の当該年度の歳入歳出の決算上剰余金又は当該勘定の積立金があるときは、同項に規定する保障勘定の翌年度の歳入に繰り入れるものとする。

 20 保険料等充当交付金の交付が完了する年度における保険料等充当交付金勘定の経費の金額のうち、第十六条第一項の規定による繰越しをするものは、附則第三項に規定する保障勘定に繰り越して使用することができる。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行前に政府と保険会社との間に成立した再保険関係及び政府と組合との間に成立した保険関係については、第一条の規定による改正前の自動車損害賠償保障法(以下「旧自賠法」という。)第四十条から第五十一条まで及び第八十三条の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。

2 前項の場合においては、同項の規定によりなおその効力を有することとされた旧自賠法第五十一条中「自動車損害賠償責任再保険特別会計」とあるのは「自動車損害賠償保障事業特別会計」と、第一条の規定による改正後の自動車損害賠償保障法(以下「新自賠法」という。)第二十八条の四第一項第一号中「第七十八条」とあるのは「第七十八条並びに自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律(平成十三年法律第八十三号。以下「改正法」という。)附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有することとされた改正法第一条の規定による改正前の自動車損害賠償保障法(以下「なお効力を有する旧自賠法」という。)第四十条及び第四十六条(なお効力を有する旧自賠法第五十条第一項において準用する場合を含む。)」と、同項第二号中「準用する場合を含む。)」とあるのは「準用する場合を含む。)並びになお効力を有する旧自賠法第四十条及び第四十五条(なお効力を有する旧自賠法第五十条第一項において準用する場合を含む。)」と、新自賠法附則第二項中「第八十二条第二項」とあるのは「第八十二条第二項及びなお効力を有する旧自賠法第五十一条」と、新自賠法附則第三項中「、「法第七十六条」」とあるのは「「法第七十六条」と、特別会計法附則第十三項中「納付金、なお効力を有する旧自賠法第五十一条の規定による一般会計からの繰入金」とあるのは「納付金」と、特別会計法附則第十六項中「、なお効力を有する旧自賠法第五十一条の規定による一般会計からの繰入金及び附属雑収入」とあるのは「及び附属雑収入」と、特別会計法附則第十八項中「納付金、なお効力を有する旧自賠法第五十一条の規定による一般会計からの繰入金」とあるのは「納付金」」とする。

第三条 この法律の施行前に政府と保険会社との間に再保険関係が成立した責任保険の契約に係る保険会社が被保険者に対して支払うべき保険金若しくは新自賠法第十六条第一項の規定により被害者に対して支払うべき損害賠償額の支払又はこの法律の施行前に政府と組合との間に保険関係が成立した責任共済の契約に係る組合が被共済者に対して支払うべき共済金若しくは新自賠法第二十三条の三第一項において準用する新自賠法第十六条第一項の規定により被害者に対して支払うべき損害賠償額の支払については、新自賠法第十六条の六(新自賠法第二十三条の三第一項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。

第四条 自動車損害賠償責任再保険特別会計の平成十三年度の収入及び支出並びに同年度以前の年度の決算については、次項及び第三項の規定を除き、なお従前の例による。

2 第二条の規定による改正前の自動車損害賠償責任再保険特別会計法(以下「旧特別会計法」という。)に基づく自動車損害賠償責任再保険特別会計(以下「旧特別会計」という。)の保険勘定(以下「旧保険勘定」という。)の平成十三年度の決算上剰余金を生じたときは、当該剰余金のうち、第四項の規定により第二条の規定による改正後の自動車損害賠償保障事業特別会計法(以下「新特別会計法」という。)附則第十五項の規定による読替え後の新特別会計法附則第三項に規定する新特別会計法に基づく自動車損害賠償保障事業特別会計(以下「新特別会計」という。)の自動車事故対策勘定(以下「自動車事故対策勘定」という。)に帰属した資産の金額から当該資産のうち自動車事故対策センターへの出資金及び貸付金の額に相当する金額を控除した金額は自動車事故対策勘定の積立金として積み立て、第六項の規定により繰り越して使用できる金額は新特別会計法附則第十五項の規定による読替え後の新特別会計法附則第三項に規定する新特別会計の保険料等充当交付金勘定(以下「保険料等充当交付金勘定」という。)の歳入に繰り入れ、その他の金額は保険料等充当交付金勘定の積立金として積み立てるものとする。

3 旧特別会計の保障勘定(以下「旧保障勘定」という。)及び旧特別会計の業務勘定(以下「旧業務勘定」という。)の平成十三年度の決算上剰余金を生じたときは、当該剰余金を新特別会計法附則第十五項の規定による読替え後の新特別会計法附則第三項に規定する新特別会計の保障勘定(以下「新保障勘定」という。)の歳入に繰り入れるものとする。

4 この法律の施行の際旧保険勘定に所属する権利義務(附則第七条の規定による改正後の平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律(平成六年法律第四十三号。以下「新六年財特法」という。)附則第二項の規定による読替え後の新六年財特法第七条第二項及び附則第八条の規定による改正後の平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律(平成七年法律第六十号。以下「新七年財特法」という。)附則第二項の規定による読替え後の新七年財特法第十条第二項の規定により一般会計から自動車事故対策勘定に繰り入れられるべきものを除く。)のうち、第一号、第三号及び第五号に掲げる金額を合算した金額の二十分の九に相当する金額から第二号から第五号までに掲げる金額を合算した金額を控除した金額を基準として、新自賠法附則第四項に規定する自動車事故対策計画に基づく新自賠法附則第五項の規定による出資及び貸付け並びに補助の安定的な実施に必要なものとして政令で定める金額に相当する資産(附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有することとされた旧自賠法に基づく再保険関係及び保険関係に係るものを除く。)は、政令で定めるところにより、自動車事故対策勘定に帰属し、その他の権利義務は、保険料等充当交付金勘定に帰属するものとする。

 一 平成十四年三月三十一日における旧特別会計法第十条第一項の規定による旧保険勘定の積立金の額に、旧保険勘定において平成十三年度の損益計算上利益を生じた場合には当該利益の額を加え、同年度の損益計算上損失を生じた場合には当該損失の額を控除した額に相当する金額

 二 附則第七条の規定による改正前の平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律(以下「旧六年財特法」という。)第七条第一項の規定により旧保険勘定から一般会計に繰り入れられた金額から、平成十四年三月三十一日までに同条第二項の規定により一般会計から旧保険勘定に繰り入れられた金額を控除した金額

 三 旧六年財特法第七条第一項の規定による旧保険勘定から一般会計への繰入れがなかったとした場合に平成十四年三月三十一日までに旧保険勘定において生じていたと見込まれる運用収入に相当する金額

 四 附則第八条の規定による改正前の平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律(以下「旧七年財特法」という。)第十条第一項の規定により旧保険勘定から一般会計に繰り入れられた金額から、平成十四年三月三十一日までに同条第二項の規定により一般会計から旧保険勘定に繰り入れられた金額を控除した金額

 五 旧七年財特法第十条第一項の規定による旧保険勘定から一般会計への繰入れがなかったとした場合に平成十四年三月三十一日までに旧保険勘定において生じていたと見込まれる運用収入に相当する金額

5 この法律の施行の際旧保障勘定及び旧業務勘定に所属する権利義務は、新保障勘定に帰属するものとする。

6 旧保険勘定又は旧保障勘定若しくは旧業務勘定の平成十三年度の歳出予算の経費の金額のうち、旧特別会計法第十九条第一項の規定により繰越しをするものは、保険料等充当交付金勘定又は新保障勘定にそれぞれ繰り越して使用することができる。

7 新特別会計法第四条第二項又は第六条第二項の規定により新特別会計の歳入歳出予定計算書又は予算に添付すべき前前年度の貸借対照表及び損益計算書並びに前年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書であって自動車事故対策勘定及び保険料等充当交付金勘定に係るものは、平成十四年度(前前年度の貸借対照表及び損益計算書については、平成十五年度を含む。)の予算に限り、これらの規定にかかわらず、その添付を要しないものとする。

 (罰則に関する経過措置)

第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置は、政令で定める。

 (平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律の一部改正)

第七条 平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律の一部を次のように改正する。

  第七条第二項中「それぞれ」を削り、「当該勘定」の下に「又は自動車損害賠償保障事業特別会計」を加え、「同特別会計の保険勘定又は保障勘定」を「同特別会計」に改め、同条第三項中「同特別会計の保険勘定又は保障勘定への繰入金は、それぞれ」を「自動車損害賠償保障事業特別会計への繰入金は、」に、「保険勘定又は保障勘定の歳入」を「歳入」に改める。

  附則第二項を次のように改める。

 2 自動車損害賠償保障事業特別会計法(昭和三十年法律第百三十四号)附則第二項の規定により、自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)附則第四項の自動車事故対策計画に基づく同法附則第五項の規定による出資及び貸付け並びに補助に関する政府の経理を自動車損害賠償保障事業特別会計において行う場合においては、第七条第二項中「その繰入金」とあるのは「それぞれその繰入金」と、「自動車損害賠償保障事業特別会計」とあるのは「自動車損害賠償保障事業特別会計の自動車事故対策勘定若しくは保障勘定」と、「一般会計から同特別会計」とあるのは「自動車損害賠償責任再保険特別会計の保険勘定からの繰入れに係るものにあっては一般会計から自動車損害賠償保障事業特別会計の自動車事故対策勘定に、自動車損害賠償責任再保険特別会計の保障勘定からの繰入れに係るものにあっては一般会計から自動車損害賠償保障事業特別会計の保障勘定」と、同条第三項中「への繰入金は、同特別会計」とあるのは「の自動車事故対策勘定又は保障勘定への繰入金は、それぞれ同特別会計の自動車事故対策勘定又は保障勘定」とする。

 (平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律の一部改正)

第八条 平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律の一部を次のように改正する。

  第十条第二項中「それぞれ」を削り、「当該勘定」の下に「又は自動車損害賠償保障事業特別会計」を加え、「同特別会計の保険勘定又は保障勘定」を「同特別会計」に改め、同条第三項中「同特別会計の保険勘定又は保障勘定への繰入金は、それぞれ」を「自動車損害賠償保障事業特別会計への繰入金は、」に、「保険勘定又は保障勘定の歳入」を「歳入」に改める。

  附則を附則第一項とし、附則に次の一項を加える。

 2 自動車損害賠償保障事業特別会計法(昭和三十年法律第百三十四号)附則第二項の規定により、自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)附則第四項の自動車事故対策計画に基づく同法附則第五項の規定による出資及び貸付け並びに補助に関する政府の経理を自動車損害賠償保障事業特別会計において行う場合においては、第十条第二項中「その繰入金」とあるのは「それぞれその繰入金」と、「自動車損害賠償保障事業特別会計」とあるのは「自動車損害賠償保障事業特別会計の自動車事故対策勘定若しくは保障勘定」と、「一般会計から同特別会計」とあるのは「自動車損害賠償責任再保険特別会計の保険勘定からの繰入れに係るものにあっては一般会計から自動車損害賠償保障事業特別会計の自動車事故対策勘定に、自動車損害賠償責任再保険特別会計の保障勘定からの繰入れに係るものにあっては一般会計から自動車損害賠償保障事業特別会計の保障勘定」と、同条第三項中「への繰入金は、同特別会計」とあるのは「の自動車事故対策勘定又は保障勘定への繰入金は、それぞれ同特別会計の自動車事故対策勘定又は保障勘定」とする。

 (国土交通省設置法の一部改正)

第九条 国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第四条第八十五号中「自動車損害賠償責任再保険事業、自動車損害賠償責任共済保険事業及び」を削る。

  附則第二条第二項中「関する事務」の下に「並びに自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律(平成十三年法律第八十三号)附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有することとされた同法第一条の規定による改正前の自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)の規定に基づく再保険関係及び保険関係に係る自動車損害賠償責任再保険事業及び自動車損害賠償責任共済保険事業に関する事務」を加える。

(内閣総理・財務・厚生労働・農林水産・経済産業・国土交通大臣署名) 

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