農産物検査法の一部を改正する法律

法律第五十四号(平一二・四・二八)

 農産物検査法(昭和二十六年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「農産物について国が検査を行うことによつて」を「農産物検査の制度を設けるとともに、その適正かつ確実な実施を確保するための措置を講ずることにより」に改める。

 第二条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

  この法律において「農産物検査」とは、品位等検査及び成分検査をいう。

 第二条に次の三項を加える。

3 この法律において「品位等検査」とは、第十七条第一項第一号に掲げる検査の区分に係る登録検査機関が、農林水産省令で定めるところにより、第十一条第一項の農産物検査規格に基づいて行う同号に掲げる検査をいう。

4 この法律において「成分検査」とは、第十七条第一項第二号に掲げる検査の区分に係る登録検査機関が、農林水産省令で定めるところにより、第十一条第一項の農産物検査規格に基づいて行う同号に掲げる検査をいう。

5 この法律において「登録検査機関」とは、第十七条第二項の規定により農林水産大臣の登録を受けた法人をいう。

 第三条の見出し中「検査」を「品位等検査」に改め、同条第一項中「(第八条において「計画出荷米」という。)」を削り、「国の検査(以下単に「検査」という。)」を「品位等検査」に改め、同条第二項中「検査」を「品位等検査」に改める。

 第四条(見出しを含む。)中「検査」を「品位等検査」に改める。

 第五条の見出し及び同条第一項中「検査」を「品位等検査」に改め、同条第二項中「で検査」を「で品位等検査」に、「検査を受ける」を「品位等検査(量目及び品位についての検査に限る。)を受ける」に改め、同項第一号中「第十六条第一項」を「第十三条第一項」に、「検査に」を「品位等検査に」に改める。

 第七条から第十一条までを削る。

 第六条の見出しを「(農産物検査規格)」に改め、同条第一項中「量目及び荷造り、包装等」を「量目、荷造り及び包装」に改め、「ついての規格」の下に「(以下この条及び第三十三条第一項において「農産物検査規格」という。)」を加え、ただし書を削り、同条第二項中「前項の規格」を「農産物検査規格」に改め、同条第三項中「第一項の規格」を「農産物検査規格」に改め、同条を第十一条とする。

 第五条の五(見出しを含む。)中「検査」を「品位等検査」に改め、同条を第九条とし、同条の次に次の一条を加える。

 (成分検査)

第十条 農産物のうち政令で定めるものの生産者、輸入業者又は売買取引業者等は、その所有し、又は占有する当該農産物について成分検査を受けることができる。

 第五条の四中「第五条の二」を「第六条」に改め、同条を第八条とする。

 第五条の三(見出しを含む。)中「検査」を「品位等検査」に改め、同条を第七条とする。

 第五条の二(見出しを含む。)中「検査」を「品位等検査」に改め、同条を第六条とする。

 第十二条を次のように改める。

 (受検者の立会い)

第十二条 品位等検査を受けようとする者又はその代理人は、品位等検査の実施に立ち会うことができる。

 第十三条から第十五条までを削る。

 第十六条第一項中「農産物検査官は、検査が完了した」を「登録検査機関は、農産物検査を行つた」に改め、「、容器」を削り、「検査の」を「農産物検査の」に、「受検者」を「当該農産物検査を請求した者(第十六条において「受検者」という。)」に改め、同条第二項中「、容器」を削り、同条第三項中「又は容器」を削り、同条を第十三条とし、同条の次に次の一条を加える。

 (生産者に係る品位等検査を行う者の特定等)

第十四条 第三条第一項及び第二項(第八条において準用する場合を含む。)、第六条並びに第九条の品位等検査であつて、農産物の生産者からの請求により行うものについては、当該生産者の住所地又は検査を受けようとする農産物の生産地を農産物検査を行う区域に含む登録検査機関以外の登録検査機関は行うことができない。

2 登録検査機関は、第五条第一項(第八条において準用する場合を含む。)、第九条及び次条第二項の品位等検査であつて、農産物の売買取引業者等からの請求により行うものについては、農林水産省令で定める場合を除き、銘柄についての検査を行うことができない。

 第十七条第一項中「検査を受けた米穀又は麦」を「農産物検査を受けた農産物」に、「一に」を「いずれかに」に、「、検査」を「、農産物検査」に、「成分以外の事項の検査」を「品位等検査」に、「同号の検査」を「同号の品位等検査」に、「受けた検査」を「受けた品位等検査」に改め、ただし書を次のように改める。

  ただし、第二十三条の規定による命令に基づき、表示又は検査証明書の記載が改められた場合は、この限りでない。

 第十七条第一項第一号及び第二号中「前条第一項」を「第十三条第一項」に改め、同項第四号中「第二十一条の二第三項」を「第三十四条第三項」に、「検査に係る前条第一項」を「品位等検査に係る第十三条第一項」に改め、同条第二項中「第五条の二又は第二十一条の二第一項の検査」を「第六条又は第三十四条第一項の品位等検査」に、「検査を受けて」を「農産物検査を受けて」に、「委託前に検査」を「委託前に品位等検査」に、「応じ、検査」を「応じ、品位等検査」に改め、同条を第十五条とする。

 第十八条中「食糧事務所長は、不正な手段により検査」を「農林水産大臣は、受検者が不正な手段により農産物検査」に、「農産物検査官」を「その職員」に、「第十六条第一項」を「第十三条第一項」に改め、同条を第十六条とし、同条の次に次の二条を加える。

 (登録検査機関の登録)

第十七条 登録検査機関の登録を受けようとする者は、農林水産省令で定める手続に従い、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付して、次に掲げる検査の区分により、農林水産大臣に登録の申請をしなければならない。

 一 農産物の種類及び銘柄、量目、荷造り及び包装並びに品位についての検査

 二 農産物の成分についての検査

2 農林水産大臣は、前項の規定による登録の申請が次に掲げる要件のすべてに適合していると認められるとき(同項第一号の検査の区分に係る登録の申請にあつては、都道府県の区域ごとに第一号及び第二号に掲げる要件に適合している場合に限る。)は、農林水産省令で定めるところにより、その登録をしなければならない。

 一 農産物検査を適確に行うために必要な知識及び技能を有する者として農林水産省令で定めるものが農産物検査を実施し、その数が農林水産省令で定める数以上であること。

 二 農林水産省令で定める機械器具その他の設備を用いて農産物検査を行うものであること。

 三 農産物検査の業務を適確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎を有する法人であること。

 四 農産物検査の業務の公正な実施を確保するため必要な体制が整備されていること。

3 次の各号のいずれかに該当する法人は、登録検査機関の登録を受けることができない。

 一 その法人又はその業務を行う役員がこの法律又は主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることのなくなつた日から一年を経過しないもの

 二 第二十四条第一項から第三項までの規定により登録を取り消され、その取消しの日から一年を経過しない法人

 三 第二十四条第一項から第三項までの規定による登録の取消しの日前三十日以内にその取消しに係る法人の業務を行う役員であつた者でその取消しの日から一年を経過しないものが業務を行う役員となつている法人

4 登録は、次に掲げる事項を登録台帳に記帳して行う。

 一 登録年月日及び登録番号

 二 登録検査機関の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地

 三 登録検査機関が農産物検査を行う農産物の種類

 四 登録の区分

 五 登録検査機関が農産物検査を行う区域及び農産物検査を行う場所

 六 第二十八条の規定により業務の委託をし、又は委託を受ける場合にあつては、当該委託に係る契約の相手方である登録検査機関の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地

 七 農産物検査を行う農産物検査員(第二項第一号に規定する者をいう。第二十条において同じ。)の氏名その他農林水産省令で定める事項

5 品位等検査に係る登録の申請に係る前項第五号の農産物検査を行う区域は、都道府県の区域を単位とするものでなければならない。

6 農林水産大臣は、第二項の登録をしたときは、遅滞なく、第四項に掲げる事項を公示しなければならない。

7 登録検査機関は、第四項第二号、第六号又は第七号に掲げる事項を変更したときは、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

8 登録検査機関は、農産物検査の業務の全部若しくは一部を休止し、又は廃止しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

9 農林水産大臣は、前二項の届出があつたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (登録の更新)

第十八条 登録検査機関の登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

2 前条第一項から第六項までの規定は、前項の更新について準用する。

3 農林水産大臣は、第一項の規定により登録検査機関の登録が効力を失つたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 第十九条及び第二十条を次のように改める。

 (変更登録)

第十九条 登録検査機関は、第十七条第四項第三号から第五号までに掲げる事項を変更しようとするときは、変更登録を受けなければならない。

2 前項の変更登録を受けようとする者は、農林水産省令で定める手続に従い、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付して、農林水産大臣に変更登録の申請をしなければならない。

3 第十七条第二項から第六項までの規定は、第一項の変更登録について準用する。

 (農産物検査の義務等)

第二十条 登録検査機関は、農産物検査を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、農産物検査を行わなければならない。

2 農産物検査員は、公正かつ誠実にその職務を行わなければならない。

3 登録検査機関は、農産物検査員が農産物検査を実施したときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に報告しなければならない。

 第二十三条中「前条」を「第三十七条又は第三十九条」に、「同条」を「各本条」に改め、同条を第四十一条とする。

 第二十二条の前の見出しを削り、同条中「一に」を「いずれかに」に、「三十万円」を「一年以下の懲役又は百万円」に改め、同条第一号中「第五条の二又は第十七条第二項」を「第六条又は第十五条第二項」に改め、同条第二号中「第十六条第二項又は第三項」を「第十三条第二項又は第三項」に改め、同条第三号中「第十八条」を「第十六条」に改め、同条第四号を削り、同条を第三十七条とし、同条の前に見出しとして「(罰則)」を付し、同条の次に次の三条を加える。

第三十八条 第二十四条第二項の規定による業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした登録検査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第三十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十六条の規定に違反した者

 二 第三十条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 三 第三十一条第一項の規定による調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

第四十条 次の各号のいずれかに掲げる違反があつた場合においては、その行為をした登録検査機関の役員又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 第十七条第七項又は第八項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 二 第二十五条の規定による帳簿の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。

 三 第三十条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 四 第三十一条第二項の規定による調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

 第二十一条の二の見出し中「検査」を「農産物検査」に改め、同条第一項中「検査を行う」を「品位等検査を受ける」に改め、同項第一号中「検査」を「品位等検査」に改め、同項第二号中「第十七条第一項第一号から第三号まで」を「第十五条第一項第一号から第三号まで」に、「検査」を「品位等検査」に改め、同条第二項中「第七条第二項」を「第十四条第二項」に、「検査」を「品位等検査」に改め、同条第三項中「及び第七条第三項」を削り、「検査」を「品位等検査」に改め、後段を削り、同条第四項を次のように改める。

4 第十条の規定は、政府の所有に係る農産物について準用する。

 第二十一条の二第五項を削り、同条を第三十四条とし、同条の次に次の二条を加える。

 (農林水産大臣による農産物検査の業務の実施)

第三十五条 農林水産大臣は、登録検査機関が天災その他の事由により農産物検査の業務の全部又は一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該農産物検査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。

2 農林水産大臣は、前項の規定により農産物検査の業務を行い、又は同項の規定により行つている農産物検査の業務を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。

3 農林水産大臣が第一項の規定により農産物検査の業務を行うこととした場合における農産物検査の業務の引継ぎその他の必要な事項は、農林水産省令で定める。

4 第一項の農産物検査の結果については、第三十三条第一項の規定による申出を行うことができる。

5 第一項の農産物検査の結果については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。

6 第一項の農産物検査の結果に不服がある者は、第三十三条第一項の規定による申出に係る農林水産大臣の処分又は不作為に対してのみ、行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)による訴えを提起することができる。

 (手数料)

第三十六条 前条第一項の規定により農林水産大臣の行う農産物検査を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

 第二十一条を削る。

 第二十条の二第一項中「限度において」の下に「、その職員に」を加え、「又は指定検査機関に対し、必要な事項に関し報告をさせ、又はその職員に、これらの者」を削り、「若しくは関係者」を「又は関係者」に改め、同条第三項中「第一項」の下に「又は第二項」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、登録検査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を調査させ、又は関係者に質問させることができる。

 第二十条の二を第三十一条とし、同条の次に次の二条を加える。

 (聴聞の特例)

第三十二条 農林水産大臣は、第二十四条第二項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

2 第二十四条の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

3 前項の聴聞の主宰者は、行政手続法第十七条第一項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。

 (農林水産大臣に対する申出)

第三十三条 何人も、第十三条第一項の規定による表示が付され、又は同項の検査証明書が交付された農産物が当該表示又は検査証明書の記載に係る農産物検査規格に該当しないと認めるときは、農林水産省令で定める手続に従い、その旨を農林水産大臣に申し出て適切な措置をとるべきことを求めることができる。

2 農林水産大臣は、前項に規定する申出があつたときは、必要な調査を行い、その申出の内容が事実であると認めるときは、第二十三条に規定する措置その他の適切な措置をとらなければならない。

 第二十条の次に次の十条を加える。

 (業務規程)

第二十一条 登録検査機関は、農産物検査の業務の開始前に、農産物検査の業務の実施方法、検査手数料に関する事項その他の農林水産省令で定める事項を内容とする業務規程を定め、農林水産大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。

2 農林水産大臣は、前項の規定による届出に係る業務規程が農産物検査の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

 (適合命令)

第二十二条 農林水産大臣は、登録検査機関が第十七条第二項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (改善命令)

第二十三条 農林水産大臣は、登録検査機関が第二十条の規定に違反していると認めるとき、又は登録検査機関が行う農産物検査若しくは第十三条第一項の規定による表示若しくは検査証明書の記載が適当でないと認めるときは、当該登録検査機関に対し、農産物検査を行うべきこと又は農産物検査の方法その他の業務の方法の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (登録の取消し等)

第二十四条 農林水産大臣は、登録検査機関が第十七条第三項第一号又は第三号に該当するに至つたときは、その登録を取り消さなければならない。

2 農林水産大臣は、登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めて農産物検査の業務の停止を命ずることができる。

 一 第二十一条第一項の規定による届出に係る業務規程によらないで農産物検査を行つたとき。

 二 不正の手段により第十七条第二項の登録又は第十九条第一項の変更登録を受けたとき。

 三 この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反したとき。

3 農林水産大臣は、前二項に規定する場合のほか、登録検査機関が、正当な理由がないのに、その登録を受けた日から一年を経過してもなお農産物検査の業務を開始せず、又は一年以上継続して農産物検査の業務を停止したときは、その登録を取り消すことができる。

4 農林水産大臣は、前三項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (帳簿の記載)

第二十五条 登録検査機関は、農林水産省令で定めるところにより、帳簿を備え、これに農産物検査に関し農林水産省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 (農産物検査規格登録検査機関という名称の使用の禁止)

第二十六条 登録検査機関でない者は、農産物検査規格登録検査機関という名称又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

 (照会)

第二十七条 登録検査機関は、品位等検査の適正な実施のため必要な事項について、食糧事務所長その他の政令で定める行政機関に照会することができる。この場合において、当該行政機関は、当該照会をした登録検査機関に対して、照会に係る事項の通知その他必要な措置を講ずるものとする。

2 登録検査機関は、前項の行政機関以外の者で、品位等検査の適正な実施のため必要な事項に関する情報を有するものとして政令で定めるものに対しても、照会をすることができる。

 (業務の委託)

第二十八条 第十七条第一項第二号に掲げる検査の区分に係る登録検査機関は、農林水産省令で定めるところにより、成分検査に関する業務のうち試料の分析の業務及びその分析の結果に基づいて行う検査証明の業務以外のものを他の登録検査機関に委託することができる。

 (情報の提供)

第二十九条 国は、農産物の公正かつ円滑な取引及びその品質の改善に資するため、農産物検査の結果その他農産物検査に関する情報の提供に努めなければならない。

 (報告の徴収)

第三十条 農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、農産物の生産者、輸入業者、売買取引業者等又は倉庫業者に対し、その業務の状況に関し報告をさせることができる。

2 農林水産大臣は、第二十条第三項に定めるもののほか、この法律の施行に必要な限度において、登録検査機関に対し、農産物検査の業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十三年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 次条の規定 平成十三年一月一日

 二 附則第十一条の規定 附則第三条第一項の政令で定める日が属する国の会計年度の翌会計年度の初日

 三 附則第十三条の規定 附則第三条第一項の政令で定める日

 (施行前の準備)

第二条 この法律による改正後の農産物検査法(以下「新法」という。)第十七条第二項の規定による登録を受けようとする者は、この法律の施行前においても、その申請を行うことができる。新法第二十一条第一項の規定による業務規程の届出についても、同様とする。

 (国の検査に関する経過措置)

第三条 農林水産大臣は、この法律の施行の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日までの間は、受検者(新法第十三条第一項の受検者をいう。)の検査に対する需要及び登録検査機関の登録の状況を勘案して、農産物検査を行うことができる。

2 前項の規定により農林水産大臣が農産物検査を行う場合においては、農林水産大臣を登録検査機関とみなして、新法第三条から第十条まで、第十二条、第十三条、第十四条第二項、第十五条、第十六条及び第三十四条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、新法第三十四条第一項中「受ける」とあるのは「行う」と、同条第三項中「準用する」とあるのは「準用する。この場合において、同項中「受ける」とあるのは「行う」と読み替えるものとする」と、同条第四項中「準用する」とあるのは「準用する。この場合において、同条中「受ける」とあるのは「行う」と読み替えるものとする」とする。

3 第一項の農林水産大臣が行う検査を受ける者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

4 次に掲げる場合には、前項の規定は、適用しない。

 一 米穀を政府に売り渡し、又はその政府への売渡しを委託するため検査を受ける場合

 二 輸入に係る農産物を政府に売り渡すため検査を受ける場合

5 第三項の手数料の納付は、農林水産省令で定めるところにより、農産物検査印紙をもってしなければならない。

6 第一項の農産物検査の結果については、新法第三十三条第一項の規定による申出を行うことができる。

7 第一項の農産物検査の結果については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。

8 第一項の農産物検査の結果に不服がある者は、新法第三十三条第一項の規定による申出に係る農林水産大臣の処分又は不作為に対してのみ、行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)による訴えを提起することができる。

9 第三項から前項までに定めるもののほか、農林水産大臣が行う検査に関する申請その他の手続に関する所要の経過措置は、農林水産省令で定める。

 (検査規格に関する経過措置)

第四条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の農産物検査法(以下「旧法」という。)第六条第一項の規定により設定されている規格は、新法第十一条第一項の規定により設定された農産物検査規格とみなす。

 (施行前に請求があった検査に関する経過措置)

第五条 この法律の施行前に旧法第十一条第一項の規定による検査の請求があった農産物の検査については、なお従前の例による。

 (再検査に関する経過措置)

第六条 この法律の施行前に旧法の規定により行われた検査については、旧法第十九条の規定は、なおその効力を有する。

 (旧法の規定による検査に関する経過措置)

第七条 この法律の施行前に旧法の規定により行われた検査は、新法の相当規定により行われた検査とみなす。

 (旧法の規定による表示等に関する経過措置)

第八条 この法律の施行前に旧法第十六条第一項の規定により付された表示又は同項の規定により交付された検査証明書は、それぞれ新法第十三条第一項の規定により付された表示又は同項の規定により交付された検査証明書とみなす。

 (罰則に関する経過措置)

第九条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (食糧管理特別会計法の一部改正)

第十条 食糧管理特別会計法(大正十年法律第三十七号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「農産物検査法(昭和二十六年法律第百四十四号)」を「農産物検査法の一部を改正する法律(平成十二年法律第五十四号)附則第三条第一項」に改める。

  第六条ノ三中「農産物検査法第十二条第三項」を「農産物検査法の一部を改正する法律附則第三条第五項」に、「同法」を「同条第一項」に、「同項」を「同条第五項」に改める。

第十一条 食糧管理特別会計法の一部を次のように改正する。

  第一条中「並農産物検査法の一部を改正する法律(平成十二年法律第五十四号)附則第三条第一項ノ規定ニ依ル農産物ノ検査」を削る。

  第六条ノ三中「、農産物検査法の一部を改正する法律附則第三条第五項ニ規定スル農産物検査印紙ノ売渡収入」及び「、同条第一項ノ規定ニ依ル農産物ノ検査ニ関スル諸費、同条第五項ノ農産物検査印紙ノ売捌手数料」を削る。

 (印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部改正)

第十二条 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(昭和二十三年法律第百四十二号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項第二号中「農産物検査法(昭和二十六年法律第百四十四号)第十二条第一項」を「農産物検査法の一部を改正する法律(平成十二年法律第五十四号)附則第三条第三項」に改め、同条第二項中「農産物検査法第十二条第三項」を「農産物検査法の一部を改正する法律附則第三条第五項」に改める。

第十三条 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部を次のように改正する。

  第二条第一項中第二号を削り、第三号を第二号とし、第四号から第七号までを一号ずつ繰り上げ、同条第二項中「、農産物検査法の一部を改正する法律附則第三条第五項に規定する農産物検査印紙」を削る。

  第三条第一項中第三号を削り、第四号を第三号とし、第五号から第八号までを一号ずつ繰り上げ、同条第二項中「第五号、第六号、第七号及び第八号」を「第四号、第五号、第六号及び第七号」に改め、「、同項第三号の印紙の売りさばきの管理及び手続に関する事項は農林水産大臣が」を削り、「同項第四号」を「同項第三号」に改める。

 (農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部改正)

第十四条 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)の一部を次のように改正する。

  第十五条第一項中「(農産物検査法(昭和二十六年法律第百四十四号)第十六条第一項の規定による表示を除く。以下同じ。)」を削る。

 (農林水産省設置法の一部改正)

第十五条 農林水産省設置法(平成十一年法律第九十八号)の一部を次のように改正する。

  第四条第五十七号中「の実施」を削る。

  第二十七条第三項中第二号を削り、第三号を第二号とする。

(大蔵・農林水産・内閣総理大臣署名) 

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