アルコール事業法

法律第三十六号(平一二・四・五)

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 事業等の許可

  第一節 アルコールの製造の事業(第三条―第十五条)

  第二節 アルコールの輸入の事業(第十六条―第二十条)

  第三節 アルコールの販売の事業(第二十一条―第二十五条)

  第四節 アルコールの使用(第二十六条―第三十条)

 第三章 特定アルコールの販売(第三十一条―第三十四条)

 第四章 雑則(第三十五条―第四十五条)

 第五章 罰則(第四十六条―第五十三条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、アルコールが広く工業用に使用され、国民生活及び産業活動に不可欠であり、かつ、酒類(酒税法(昭和二十八年法律第六号)第二条第一項に規定する酒類をいう。以下同じ。)と同一の特性を有していることにかんがみ、アルコールの酒類の原料への不正な使用の防止に配慮しつつ、アルコールの製造、輸入及び販売の事業の運営等を適正なものとすることにより、我が国のアルコール事業の健全な発展及びアルコールの安定的かつ円滑な供給の確保を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「アルコール」とは、アルコール分(温度十五度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいう。第三十五条において同じ。)が九十度以上のアルコールをいう。

2 この法律において「酒母」とは、酵母で含糖質物を発酵させることができるもの及び酵母を培養したもので含糖質物を発酵させることができるものであって、アルコールの製造の用に供することができるものをいう。

3 この法律において「もろみ」とは、アルコールの原料となる物品に発酵させる手段を講じたもの(アルコールの製造の用に供することができるものに限る。)で蒸留する前のものをいう。

4 この法律において「特定アルコール」とは、第三十二条第一項の認可を受けた価格で新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「機構」という。)が販売するアルコールをいう。

   第二章 事業等の許可

    第一節 アルコールの製造の事業

 (製造の許可)

第三条 アルコールの製造(精製(アルコールの利用価値を高めるため蒸留その他の方法によりアルコールの不純物を除去することをいう。以下同じ。)を含む。第十五条を除き、以下同じ。)を業として行おうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 三 未成年者(営業に関し成年者と同一の能力を有する者を除く。以下同じ。)又は成年被後見人、被保佐人若しくは被補助人である場合においては、その法定代理人(アルコールの製造に係る事業に関し代理権を有する者に限る。)の氏名、商号又は名称及び住所

 四 前号に規定する法定代理人が法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 五 主たる事務所の所在地並びに製造場及び貯蔵所の所在地

 六 製造場及び貯蔵所ごとの設備の能力及び構造

 七 事業開始の予定年月日

 八 その他経済産業省令で定める事項

第四条 前条第一項の許可を受けた者(以下「製造事業者」という。)でなければ、アルコールを製造してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

 一 第二十六条第一項の許可を受けた者(以下「許可使用者」という。)が当該許可に係るアルコールの使用の過程においてそのアルコールを精製するとき。

 二 特定アルコールを使用する者がその使用の過程においてその特定アルコールを精製するとき。

 三 アルコールの製造の方法を試験し、又は研究するためにアルコールを製造する場合において、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の承認を受けたとき。

 (欠格条項)

第五条 次の各号のいずれかに該当する者は、第三条第一項の許可を受けることができない。

 一 この法律若しくは酒税法の規定により罰金の刑に処せられ、又は酒税法の規定に違反して国税犯則取締法(明治三十三年法律第六十七号)の規定により通告処分(科料に相当する金額に係る通告処分を除く。)を受け、それぞれ、その刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなった日又はその通告の旨を履行した日から三年を経過しない者

 二 第十二条第一号、第二号、第四号若しくは第五号(これらの規定を第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)の規定により許可を取り消され、又は酒税法第十二条第一号若しくは第二号(これらの規定を同法第十三条において準用する場合を含む。)、同法第十二条第五号若しくは同法第十四条第一号若しくは第二号の規定により免許を取り消され、それぞれ、その取消しの日から三年を経過しない者

 三 第三条第一項、第十六条第一項、第二十一条第一項若しくは第二十六条第一項の許可を受けた法人が第十二条第一号、第二号、第四号若しくは第五号(これらの規定を第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)の規定により許可を取り消された場合(第十二条第二号(第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)の規定により許可を取り消された場合については、当該法人が第一号(第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)に規定する者に該当することとなったことによる場合に限る。)又は酒税法第七条第一項若しくは同法第九条第一項の免許を受けた法人が同法第十二条第一号、第二号若しくは第五号若しくは同法第十四条第一号若しくは第二号の規定により免許を取り消された場合(同法第十二条第二号又は同法第十四条第二号の規定により免許を取り消された場合については、当該法人が同法第十条第七号(この法律若しくは酒税法の規定により罰金の刑に処せられ、又は同法の規定に違反して国税犯則取締法の規定により通告処分(科料に相当する金額に係る通告処分を除く。)を受けたことによる場合に限る。)に規定する者に該当することとなったことによる場合に限る。)において、その取消しの原因となった事実があった日以前一年以内に当該法人の業務を行う役員であった者で、それぞれ、その取消しの日から三年を経過しない者

 四 禁 _ 錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

 五 法人であって、その業務を行う役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

 六 未成年者又は成年被後見人、被保佐人若しくは被補助人であって、(その法定代理人(アルコールの製造に係る事業に関し代理権を有する者に限る。)が前各号のいずれかに該当するもの

 (許可の基準)

第六条 経済産業大臣は、第三条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

 一 その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有すること。

 二 アルコールの数量の管理のための措置が経済産業省令で定める基準に適合するものであること。

 三 その他アルコールの適正な流通の確保に支障を及ぼすおそれがないこと。

 (承継)

第七条 製造事業者がその事業の全部を譲り渡し、又は製造事業者について相続若しくは合併があったときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下同じ。)若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、その製造事業者の地位を承継する。ただし、当該事業の全部を譲り受けた者又は当該相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人が第五条各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

2 前項の規定により製造事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

 (変更の許可等)

第八条 製造事業者は、第三条第二項第六号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、経済産業省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。

2 製造事業者は、第三条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号に掲げる事項に変更があったとき又は前項ただし書の経済産業省令で定める軽微な変更をしたときは遅滞なく、同条第二項第五号又は第七号に掲げる事項を変更しようとするときはあらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

3 第六条の規定は、第一項の許可に準用する。

 (報告等)

第九条 製造事業者は、経済産業省令で定めるところにより、帳簿を備え、その業務に関し経済産業省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

2 製造事業者は、毎年、経済産業省令で定めるところにより、その業務に関し経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に報告しなければならない。

3 製造事業者は、前項に定めるもののほか、その業務に係るアルコール、酒母又はもろみを亡失し、又は盗み取られたときは、経済産業省令で定めるところにより、直ちに、その旨を経済産業大臣に報告し、その検査を受けなければならない。

 (業務改善命令)

第十条 経済産業大臣は、製造事業者の業務の運営に関しアルコールの適正な流通を確保するために改善が必要であると認めるときは、当該製造事業者に対し、その改善に必要な措置を命ずることができる。

 (廃止の届出)

第十一条 製造事業者は、その事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

2 製造事業者がその事業を廃止したときは、その許可は効力を失う。

 (許可の取消し等)

第十二条 経済産業大臣は、製造事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその事業の停止を命ずることができる。

 一 この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は許可に付された条件に違反したとき。

 二 第五条第一号又は第四号から第六号までに掲げる者に該当することとなったとき。

 三 正当な理由がないのに、二年以内にその事業を開始せず、又は二年を超えて引き続きその事業を休止したとき。

 四 不正の手段により第三条第一項又は第八条第一項の許可を受けたとき。

 五 第八条第一項の規定により許可を受けなければならない事項を同項の許可を受けないで変更したとき。

 (必要な行為の継続等)

第十三条 製造事業者の相続人につき第七条第一項ただし書の規定の適用がある場合、第十一条第二項の規定により製造事業者の許可が効力を失った場合又は前条の規定により製造事業者の許可が取り消された場合において、当該製造場又は貯蔵所にその業務に係る半製品又はアルコールが現存するときは、経済産業大臣は、当該相続人、当該効力を失った許可を受けていた者又は当該取り消された許可を受けていた者の申請により、期間を指定し、そのアルコールの製造又は譲渡を継続させることができる。

2 前項の場合においては、同項の規定により経済産業大臣が指定した期間は、同項に規定する者を製造事業者とみなして、この法律の規定を適用する。

 (製造事業者名簿)

第十四条 経済産業大臣は、製造事業者に関する第三条第二項第一号、第二号及び第五号に掲げる事項その他経済産業省令で定める事項を記載した製造事業者名簿を備えなければならない。

2 経済産業大臣は、製造事業者名簿を一般の閲覧に供しなければならない。

 (酒母等の譲渡等の禁止)

第十五条 製造事業者は、アルコールの製造に係る酒母又はもろみを譲渡し、アルコールの製造以外の用途に使用し、又は経済産業大臣の承認を受けないで製造場から移出してはならない。

    第二節 アルコールの輸入の事業

 (輸入の許可)

第十六条 アルコールの輸入を業として行おうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 三 未成年者又は成年被後見人、被保佐人若しくは被補助人である場合においては、その法定代理人(アルコールの輸入に係る事業に関し代理権を有する者に限る。)の氏名、商号又は名称及び住所

 四 前号に規定する法定代理人が法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 五 主たる事務所の所在地及び貯蔵所の所在地

 六 貯蔵所ごとの設備の能力及び構造

 七 事業開始の予定年月日

 八 その他経済産業省令で定める事項

第十七条 前条第一項の許可を受けた者(以下「輸入事業者」という。)でなければ、アルコールを輸入してはならない。ただし、試験、研究又は分析のために使用する目的でアルコールを輸入しようとする場合において、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

 (許可の基準)

第十八条 経済産業大臣は、第十六条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

 一 その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎を有すること。

 二 アルコールの数量の管理のための措置が経済産業省令で定める基準に適合するものであること。

 三 その他アルコールの適正な流通の確保に支障を及ぼすおそれがないこと。

 (必要な行為の継続等)

第十九条 輸入事業者の相続人につき次条において準用する第七条第一項ただし書の規定の適用がある場合、次条において準用する第十一条第二項の規定により輸入事業者の許可が効力を失った場合又は次条において準用する第十二条の規定により輸入事業者の許可が取り消された場合において、当該貯蔵所にその業務に係るアルコールが現存するときは、経済産業大臣は、当該相続人、当該効力を失った許可を受けていた者又は当該取り消された許可を受けていた者の申請により、期間を指定し、そのアルコールの譲渡を継続させることができる。

2 前項の場合においては、同項の規定により経済産業大臣が指定した期間は、同項に規定する者を輸入事業者とみなして、この法律の規定を適用する。

 (準用)

第二十条 第五条の規定は第十六条第一項の許可に、第七条から第十二条まで及び第十四条の規定は輸入事業者に準用する。この場合において、第七条第一項中「第五条各号」とあるのは「第二十条において準用する第五条各号」と、第八条第一項中「第三条第二項第六号」とあるのは「第十六条第二項第六号」と、同条第二項中「第三条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」とあるのは「第十六条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」と、同条第三項中「第六条」とあるのは「第十八条」と、第九条第三項中「アルコール、酒母又はもろみ」とあるのは「アルコール」と、第十二条第二号中「第五条第一号又は第四号から第六号まで」とあるのは「第二十条において準用する第五条第一号又は第四号から第六号まで」と、同条第四号中「第三条第一項」とあるのは「第十六条第一項」と、同号及び同条第五号中「第八条第一項」とあるのは「第二十条において準用する第八条第一項」と、第十四条中「製造事業者名簿」とあるのは「輸入事業者名簿」と、同条第一項中「第三条第二項第一号、第二号及び第五号」とあるのは「第十六条第二項第一号、第二号及び第五号」と読み替えるものとする。

    第三節 アルコールの販売の事業

 (販売の許可)

第二十一条 アルコール(特定アルコールを除く。以下この条及び次条において同じ。)の販売を業として行おうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、製造事業者又は輸入事業者が、その製造し、又は輸入したアルコールを販売する場合は、この限りでない。

2 前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 三 未成年者又は成年被後見人、被保佐人若しくは被補助人である場合においては、その法定代理人(アルコールの販売に係る事業に関し代理権を有する者に限る。)の氏名、商号又は名称及び住所

 四 前号に規定する法定代理人が法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 五 主たる事務所の所在地並びに営業所及び貯蔵所の所在地

 六 貯蔵所ごとの設備の能力及び構造

 七 事業開始の予定年月日

 八 その他経済産業省令で定める事項

第二十二条 前条第一項の許可を受けた者(以下「販売事業者」という。)、製造事業者又は輸入事業者でなければ、アルコールを譲渡してはならない。ただし、許可使用者が経済産業大臣の承認を受けて、アルコールを譲渡する場合は、この限りでない。

2 販売事業者は、製造事業者等(製造事業者、販売事業者、許可使用者、第四条第三号の規定により経済産業大臣の承認を受けた者及び機構をいう。以下同じ。)以外の者にアルコールを譲渡してはならない。ただし、輸出する場合は、この限りでない。

3 製造事業者は、その製造したアルコールを製造事業者等以外の者に譲渡してはならない。ただし、輸出する場合は、この限りでない。

4 輸入事業者は、その輸入したアルコールを製造事業者等以外の者に譲渡してはならない。ただし、輸出する場合は、この限りでない。

 (許可の基準)

第二十三条 経済産業大臣は、第二十一条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

 一 その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎を有すること。

 二 アルコールの数量の管理のための措置が経済産業省令で定める基準に適合するものであること。

 三 その他アルコールの適正な流通の確保に支障を及ぼすおそれがないこと。

 (必要な行為の継続等)

第二十四条 販売事業者の相続人につき次条において準用する第七条第一項ただし書の規定の適用がある場合、次条において準用する第十一条第二項の規定により販売事業者の許可が効力を失った場合又は次条において準用する第十二条の規定により販売事業者の許可が取り消された場合において、当該貯蔵所にその業務に係るアルコールが現存するときは、経済産業大臣は、当該相続人、当該効力を失った許可を受けていた者又は当該取り消された許可を受けていた者の申請により、期間を指定し、そのアルコールの譲渡を継続させることができる。

2 前項の場合においては、同項の規定により経済産業大臣が指定した期間は、同項に規定する者を販売事業者とみなして、この法律の規定を適用する。

 (準用)

第二十五条 第五条の規定は第二十一条第一項の許可に、第七条から第十二条まで及び第十四条の規定は販売事業者に準用する。この場合において、第七条第一項中「第五条各号」とあるのは「第二十五条において準用する第五条各号」と、第八条第一項中「第三条第二項第六号」とあるのは「第二十一条第二項第六号」と、同条第二項中「第三条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」とあるのは「第二十一条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」と、同条第三項中「第六条」とあるのは「第二十三条」と、第九条第三項中「アルコール、酒母又はもろみ」とあるのは「アルコール」と、第十二条第二号中「第五条第一号又は第四号から第六号まで」とあるのは「第二十五条において準用する第五条第一号又は第四号から第六号まで」と、同条第四号中「第三条第一項」とあるのは「第二十一条第一項」と、同号及び同条第五号中「第八条第一項」とあるのは「第二十五条において準用する第八条第一項」と、第十四条中「製造事業者名簿」とあるのは「販売事業者名簿」と、同条第一項中「第三条第二項第一号、第二号及び第五号」とあるのは「第二十一条第二項第一号、第二号及び第五号」と読み替えるものとする。

    第四節 アルコールの使用

 (使用の許可)

第二十六条 アルコール(特定アルコールを除く。以下この条及び次条において同じ。)を工業用に使用しようとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 三 未成年者又は成年被後見人、被保佐人若しくは被補助人である場合においては、その法定代理人(アルコールの使用に関し代理権を有する者に限る。)の氏名、商号又は名称及び住所

 四 前号に規定する法定代理人が法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 五 主たる事務所の所在地並びにアルコールの使用施設及び貯蔵設備の所在地

 六 使用施設ごとのアルコールの用途及び使用方法並びに使用設備の能力及び構造並びに貯蔵設備ごとの能力及び構造

 七 使用の時期

 八 その他経済産業省令で定める事項

第二十七条 許可使用者でなければ、アルコールを使用してはならない。ただし、第十七条ただし書の規定により経済産業大臣の承認を受けて輸入したアルコールを試験、研究又は分析のために使用するときは、この限りでない。

2 許可使用者は、当該許可に係る用途にアルコールを使用し、かつ当該許可に係る使用方法によりアルコールを使用しなければならない。

 (許可の基準)

第二十八条 経済産業大臣は、第二十六条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

 一 使用方法がアルコールの数量を適確に管理できるものと認められること。

 二 アルコールの数量の管理のための措置が経済産業省令で定める基準に適合するものであること。

 三 その他アルコールの適正な流通の確保に支障を及ぼすおそれがないこと。

 (必要な行為の継続等)

第二十九条 許可使用者の相続人につき次条において準用する第七条第一項ただし書の規定の適用がある場合、次条において準用する第十一条第二項の規定により許可使用者の許可が効力を失った場合又は次条において準用する第十二条の規定により許可使用者の許可が取り消された場合において、当該使用施設又は貯蔵設備にアルコールが現存するときは、経済産業大臣は、当該相続人、当該効力を失った許可を受けていた者又は当該取り消された許可を受けていた者の申請により、期間を指定し、そのアルコールの使用を継続させることができる。

2 前項の場合においては、同項の規定により経済産業大臣が指定した期間は、同項に規定する者を許可使用者とみなして、この法律の規定を適用する。

 (準用)

第三十条 第五条の規定は第二十六条第一項の許可に、第七条から第十二条まで及び第十四条の規定は許可使用者に準用する。この場合において、第七条第一項中「第五条各号」とあるのは「第三十条において準用する第五条各号」と、第八条第一項中「第三条第二項第六号」とあるのは「第二十六条第二項第六号」と、同条第二項中「第三条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」とあるのは「第二十六条第二項第一号から第四号まで若しくは第八号」と、同条第三項中「第六条」とあるのは「第二十八条」と、第九条第三項中「アルコール、酒母又はもろみ」とあるのは「アルコール」と、第十一条及び第十二条中「事業」とあるのは「使用」と、同条第二号中「第五条第一号又は第四号から第六号まで」とあるのは「第三十条において準用する第五条第一号又は第四号から第六号まで」と、同条第四号中「第三条第一項」とあるのは「第二十六条第一項」と、同号及び同条第五号中「第八条第一項」とあるのは「第三十条において準用する第八条第一項」と、第十四条中「製造事業者名簿」とあるのは「許可使用者名簿」と、同条第一項中「第三条第二項第一号、第二号及び第五号」とあるのは「第二十六条第二項第一号、第二号及び第五号」と読み替えるものとする。

   第三章 特定アルコールの販売

 (機構の特定アルコールの販売の業務)

第三十一条 機構は、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律(昭和五十五年法律第七十一号。以下「石油代替エネルギー法」という。)第三十九条第一項及び第二項に規定する業務のほか、この法律の目的を達成するため、次の業務を行う。

 一 特定アルコールの販売を行うこと。

 二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

 (特定販売価格等)

第三十二条 機構は、前条第一号の規定により販売する特定アルコールの価格(以下この条において「特定販売価格」という。)を定めようとするときは、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の特定販売価格は、アルコールの買入れ、輸送、保管、売渡しその他の特定アルコールの販売に要する経費の適正な原価を償うとともに、アルコールが酒類の原料に不正に使用されることを防止するために必要な額として経済産業省令で定めるところにより計算した額(以下「加算額」という。)を含むものであり、かつ、営利を目的としないものでなければならない。

3 経済産業大臣は、第一項の規定により特定販売価格を認可したときは、経済産業省令で定めるところにより、当該認可をした特定販売価格を公告するものとする。

4 機構は、第一項の認可を受けた特定販売価格によらなければ特定アルコールを販売してはならない。

 (特別の勘定等)

第三十三条 機構は、第三十一条に規定する業務に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。

2 機構は、政令で定めるところにより、当該事業年度に売り渡した特定アルコールの数量に当該特定アルコールに係る加算額を乗じて得た額を国庫に納付しなければならない。

 (石油代替エネルギー法の特例)

第三十四条 第三十一条の規定により機構の業務が行われる場合には、石油代替エネルギー法第四十一条第一項中「第三十九条第一項」とあるのは「第三十九条第一項及びアルコール事業法第三十一条」と、石油代替エネルギー法第五十二条中「この法律及びこれに基づく政令」とあるのは「この法律及びアルコール事業法並びにこれらに基づく政令」と、石油代替エネルギー法第五十三条第二項及び第五十四条第一項中「この法律」とあるのは「この法律又はアルコール事業法」と、石油代替エネルギー法第五十九条第三号中「第三十九条第一項」とあるのは「第三十九条第一項及びアルコール事業法第三十一条」とする。

   第四章 雑則

 (アルコールの希釈の制限)

第三十五条 製造事業者、輸入事業者、販売事業者、許可使用者及び機構は、許可使用者がその使用の過程において薄める場合その他経済産業省令で定める場合のほか、アルコール(特定アルコールを除く。)を薄めてアルコール分を九十度未満にしてはならない。

 (納付金の徴収)

第三十六条 経済産業大臣は、次の各号に掲げる者に対し、それぞれ当該各号に掲げるアルコールの数量にそのアルコールに係る加算額を乗じて得た額に相当する額の納付金を国庫に納付することを命じなければならない。

 一 製造事業者等以外の者にアルコール(特定アルコールを除く。以下この条において同じ。)を譲渡した製造事業者(アルコールを輸出した者を除く。) 当該譲渡されたアルコールの数量

 二 製造事業者等以外の者にアルコールを譲渡した輸入事業者(アルコールを輸出した者を除く。) 当該譲渡されたアルコールの数量

 三 製造事業者等以外の者にアルコールを譲渡した販売事業者(アルコールを輸出した者を除く。) 当該譲渡されたアルコールの数量

 四 アルコールを譲渡した許可使用者(第二十二条第一項ただし書の規定による承認を受けてアルコールを譲渡した場合を除く。) 当該譲渡されたアルコールの数量

 五 アルコールを使用した製造事業者 当該使用されたアルコールの数量

 六 アルコールを使用した輸入事業者 当該使用されたアルコールの数量

 七 アルコールを使用した販売事業者 当該使用されたアルコールの数量

 八 第二十六条第一項の許可に係る用途以外の用途にアルコールを使用した許可使用者 当該使用されたアルコールの数量

2 前項の規定による命令を受けた者は、同項に規定する納付金を国庫に納付しなければならない。

3 第四十七条第二項の規定により没収されたアルコールには、第一項に規定する納付金を課さない。

 (強制徴収)

第三十七条 経済産業大臣は、前条第一項に規定する納付金を納期限までに納付しない者があるときは、督促状によって納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

2 経済産業大臣は、前項の規定による督促をしたときは、同項の納付金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納期限の翌日からその納付の日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。

3 前項の場合において、納付金の額の一部につき納付があったときは、その納付の日以降の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる納付金の額は、その納付のあった納付金の額を控除した額とする。

4 第一項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しない場合においては、経済産業大臣は、国税滞納処分の例により、第一項及び第二項に規定する納付金及び延滞金を徴収することができる。この場合における納付金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

5 延滞金は、納付金に先立つものとする。

 (密造アルコール等の所持等の禁止)

第三十八条 何人も、法令に基づく場合のほか、第四条の規定に違反して製造されたアルコール又は第十七条の規定に違反して輸入されたアルコールを所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。

 (許可等の条件)

第三十九条 許可又は承認には、条件を付し、及びこれを変更することができる。

2 前項の条件は、許可又は承認に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可又は承認を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。

 (報告及び立入検査)

第四十条 経済産業大臣は、この法律で別に定めるもののほか、この法律の施行に必要な限度において、製造事業者、輸入事業者、販売事業者、許可使用者、第四条第三号の規定により経済産業大臣の承認を受けた者(次項において「承認試験研究製造者」という。)又は第十七条ただし書の規定により経済産業大臣の承認を受けた者(次項において「承認輸入者」という。)に対し、その業務に関し報告をさせることができる。

2 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、製造事業者、輸入事業者、販売事業者、許可使用者、承認試験研究製造者又は承認輸入者の事務所その他の事業場に立ち入り、アルコール、酒母、もろみ、機械、器具、帳簿、書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、又は分析のため必要最小限度の分量に限りアルコールその他の必要な試料を収去させることができる。

3 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (緊急時の措置)

第四十一条 経済産業大臣は、緊急時(アルコールの供給が大幅に不足し、又は不足するおそれがある場合において、アルコールの供給を緊急に増加する必要があると経済産業大臣が認めるときをいう。以下この条において同じ。)においては、経済産業省令で定めるところにより、製造事業者、輸入事業者、販売事業者又は許可使用者に対し、緊急時であることを示してアルコールの製造予定数量その他の必要な情報の報告をさせ、当該報告に基づき、製造事業者又は輸入事業者に対し、アルコールの製造予定数量又はアルコールの輸入予定数量の増加その他の必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

2 経済産業大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた者が、正当な理由がなく、その勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

3 経済産業大臣は、緊急時においては、国民経済の健全な発展に寄与するため、アルコールの製造、輸入、流通又は在庫の状況に関し、必要な情報を国民に提供するものとする。

 (適用除外)

第四十二条 この法律の規定は、酒税法第七条第一項の規定により酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料としてその免許を受けた製造場において製造するアルコールについては、適用しない。

 (権限の委任)

第四十三条 この法律の規定により経済産業大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、経済産業局長に行わせることができる。

 (国に対する適用)

第四十四条 この法律の規定は、第三十六条、第三十七条及び次章の規定を除き、国に適用があるものとする。この場合において、「許可」とあるのは、「承認」と読み替えるものとする。

 (経過措置)

第四十五条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   第五章 罰則

第四十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第四条又は第十七条の規定に違反した者

 二 第十二条(第二十条において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者

2 前項第一号の未遂罪は、罰する。

3 第一項第一号及び前項の犯罪に係るアルコール、酒母、もろみ及びその容器並びにアルコールの製造用の機械及び器具は、没収する。ただし、犯罪の後犯人以外の者が情を知らないでそのアルコール、酒母、もろみ若しくはその容器又はアルコールの製造用の機械若しくは器具を取得したと認められる場合においては、この限りでない。

4 前項の場合において、そのアルコール、酒母又はもろみの全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第四十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第二十二条の規定に違反した者

 二 第二十五条又は第三十条において準用する第十二条の規定による命令に違反した者

 三 第二十七条第一項の規定に違反した者

 四 第三十条において準用する第八条第一項の規定に違反して、第二十六条第二項第六号に掲げる使用施設ごとのアルコールの用途を変更した者

 五 第三十八条の規定に違反した者

2 前項(第二号を除く。)の犯罪に係るアルコール及びその容器は、没収する。ただし、犯罪の後犯人以外の者が情を知らないでそのアルコール又はその容器を取得したと認められる場合においては、この限りでない。

第四十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、二百万円以下の罰金に処する。

 一 第八条第一項の規定に違反して、第三条第二項第六号に掲げる事項を変更した者

 二 第二十条において準用する第八条第一項の規定に違反して、第十六条第二項第六号に掲げる事項を変更した者

 三 第二十五条において準用する第八条第一項の規定に違反して、第二十一条第二項第六号に掲げる事項を変更した者

 四 第三十条において準用する第八条第一項の規定に違反して、第二十六条第二項第六号に掲げる事項を変更した者(前条第一項第四号の規定に該当する者を除く。)

 五 第三十五条の規定に違反した者

第四十九条 第十条(第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者は、百万円以下の罰金に処する。

第五十条 第三十九条第一項の条件に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。

第五十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第九条第一項(第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、同項に規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者

 二 第九条第二項(第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)、第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 三 第九条第三項(第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

 四 第十五条の規定に違反した者

 五 第四十条第二項の規定による検査若しくは収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

2 前項第四号の犯罪に係る酒母、もろみ及びその容器は、没収する。ただし、犯罪の後犯人以外の者が情を知らないでその酒母、もろみ又はその容器を取得したと認められる場合においては、この限りでない。

3 前項の場合において、その酒母又はもろみの全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第五十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第四十六条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第五十三条 第七条第二項、第八条第二項又は第十一条第一項(これらの規定を第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十三年四月一日から施行する。ただし、第三条第二項、第十六条第二項、第二十一条第二項及び第二十六条第二項並びに附則第二十三条の規定は、同年一月六日から施行する。

 (機構の業務)

第二条 機構は、当分の間、石油代替エネルギー法第三十九条第一項及び第二項に規定する業務のほか、アルコールの製造を行う業務及びこれに附帯する業務(以下「アルコール製造業務」という。)並びにアルコール(特定アルコールを除く。)の販売を行う業務及びこれに附帯する業務(以下「一般アルコール販売業務」という。)を行うことができる。

 (機構の販売価格の認可等)

第三条 機構は、前条の規定により販売するアルコール(以下この条において「一般アルコール」という。)の価格(以下この条において「販売価格」という。)を定めようとするときは、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の販売価格は、アルコールの買入れ、輸送、保管、売渡しその他の一般アルコールの販売に要する経費の適正な原価を償うものであり、かつ、営利を目的としないものでなければならない。

3 経済産業大臣は、第一項の規定により販売価格を認可したときは、経済産業省令で定めるところにより、当該認可をした販売価格を公告するものとする。

4 機構は、第一項の認可を受けた販売価格によらなければ一般アルコールを販売してはならない。

 (特別の勘定)

第四条 機構は、アルコール製造業務及び一般アルコール販売業務に係る経理については、その他の経理と区分し、それぞれ特別の勘定を設けて整理しなければならない。

 (石油代替エネルギー法の特例)

第五条 附則第二条の規定により機構の業務が行われる場合には、石油代替エネルギー法第四十一条第一項中「第三十九条第一項」とあるのは「第三十九条第一項及びアルコール事業法附則第二条」と、石油代替エネルギー法第五十二条中「政令」とあるのは「政令並びにアルコール事業法」と、石油代替エネルギー法第五十三条第二項及び第五十四条第一項中「この法律」とあるのは「この法律又はアルコール事業法」と、石油代替エネルギー法第五十九条第三号中「第三十九条第一項」とあるのは「第三十九条第一項及びアルコール事業法附則第二条」とする。

 (機構の業務の実施に伴う特例)

第六条 附則第二条の規定により機構の業務が行われる場合には、第十五条中「製造事業者」とあるのは「製造事業者及び機構」と、第二十二条第一項中「又は輸入事業者」とあるのは「、輸入事業者又は機構」と、同条第二項中「販売事業者は」とあるのは「販売事業者又は機構は」と、同条第三項中「製造事業者等」とあるのは「製造事業者及び機構」と、同条第四項中「製造事業者等」とあるのは「製造事業者、機構及び許可使用者であって酒税法第七条第一項の規定により酒類の製造免許を受けているもの」とし、第二章第一節から第三節まで(第十五条及び第二十二条を除く。)の規定は、機構については適用しない。

 (検討)

第七条 政府は、アルコールに関する内外の経済的社会的環境の変化に応じ、この法律の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第八条 政府は、この法律の施行後五年を目途に、附則第二条の規定により機構の行うアルコール製造業務及び一般アルコール販売業務を同時に終了させるとともに、機構からアルコール製造業務の全部を引き継ぐ株式会社として政府がその資本の全額を出資するものを設立し、及び当該株式会社をできる限り早期に民営化するため、必要な措置を講ずるものとする。

 (アルコール専売法等の廃止)

第九条 次に掲げる法律は、廃止する。

 一 アルコール専売法(昭和十二年法律第三十二号)

 二 アルコール専売事業特別会計法(昭和二十二年法律第三十九号)

 三 アルコール専売事業特別会計から一般会計への納付の特例に関する法律(昭和二十五年法律第三十号)

 (製造の委託を受けた者等に関する経過措置)

第十条 この法律の施行の際現に前条の規定による廃止前のアルコール専売法(以下「旧法」という。)第三条第二項の規定によりアルコール製造の委託を受けている者は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)に第三条第一項の許可を受けたものとみなす。

2 前項の場合において、同項の規定により第三条第一項の許可を受けたものとみなされる者がこの法律の施行の際現にアルコールを所持するときは、そのアルコールをこの法律の施行後にその者が製造したアルコールとみなして、この法律を適用する。

第十一条 施行日前に旧法第三条第二項の規定によるアルコール製造の委託を解除された者が、この法律の施行の際現にアルコールを所持するときは、その者は、第二十二条第一項の規定にかかわらず、そのアルコールを製造事業者又は機構に譲渡することができる。

 (製造場又は蔵置場の新設、変更又は廃止の許可等に関する経過措置)

第十二条 この法律の施行の際現に旧法第七条の規定によりされている許可又は許可の申請であって附則第十条第一項の規定により第三条第一項の許可を受けたものとみなされる者に係るものは、施行日に第八条第一項の規定によりされた許可又は許可の申請とみなす。

 (アルコールの試験研究製造の許可を受けた者等に関する経過措置)

第十三条 この法律の施行の際現に旧法第十八条第一項の許可を受けている者又は施行日前に旧法第十八条ノ二若しくは第十八条ノ三の規定により許可を取り消された者が、この法律の施行の際現にアルコールを所持するときは、その者は、第二十二条第一項の規定にかかわらず、そのアルコールを製造事業者又は機構に譲渡することができる。

 (施行日前に経済産業大臣が売り渡したアルコールの取扱いに関する経過措置)

第十四条 施行日前に旧法第二十条の価格をもってアルコールを買い受けた者及び当該価格をもって買い受けたアルコールについては、旧法第二十二条から第二十五条まで及び第二十九条ノ五から第三十一条までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)は、この法律の施行後においても、なおその効力を有する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2 施行日前に旧法第二十七条第一項に規定する者に該当することとなった者に係る同項に規定する差額に相当する金額の交付の請求については、なお従前の例による。

3 この法律の施行の際現に旧法第十九条の価格をもって経済産業大臣が売り渡したアルコールを所持する者(次条第一項の規定により第二十一条第一項の許可を受けたものとみなされる者及び附則第十六条に規定する者を除く。)は、第二十二条第一項及び第二十七条第一項の規定にかかわらず、そのアルコールを輸出し、又は使用することができる。

4 この法律の施行の際現に旧法第二十条第一号又は第二号に掲げる用途に供する目的で同条の価格をもって買い受けたアルコールを所持する者は、第二十七条第一項の規定にかかわらず、そのアルコールを使用することができる。

5 この法律の施行の際現に旧法第二十条第三号に掲げる用途に供する目的で同条の価格をもって買い受けたアルコールを所持する者は、第二十二条第一項の規定にかかわらず、そのアルコールを輸出することができる。

 (売捌人の指定を受けた者等に関する経過措置)

第十五条 この法律の施行の際現に旧法第二十八条の規定により指定を受けている者は、施行日に第二十一条第一項の許可を受けたものとみなす。

2 前項の場合において、同項の規定により第二十一条第一項の許可を受けたものとみなされる者がこの法律の施行の際現に旧法第十九条の価格をもって経済産業大臣が売り渡したアルコールを所持するときは、そのアルコールを特定アルコールとみなして、この法律を適用する。

第十六条 施行日前に旧法第二十八条の規定による指定を取り消された者が、この法律の施行の際現に旧法第十九条の価格をもって経済産業大臣が売り渡したアルコールを所持するときは、そのアルコールを特定アルコールとみなして、この法律を適用する。

 (特別の勘定に関する経過措置)

第十七条 この法律の施行の際旧法第二十九条ノ三に規定する特別の勘定(次項において「旧特別勘定」という。)に所属する権利及び義務は、附則第四条に規定するアルコール製造業務に係る特別の勘定(同項において「新特別勘定」という。)に帰属するものとする。

2 前項の規定により旧特別勘定に所属する権利及び義務が新特別勘定に帰属したときは、この法律の施行前にアルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律(昭和五十七年法律第三十七号)附則第二条第二項の規定により政府から機構に対し出資されたものとされた額に相当する金額は、この法律の施行に際し政府から機構に対し出資されたものとする。

 (国税犯則取締法の準用に関する経過措置)

第十八条 この法律の施行前における旧法の違反事件及び施行後における附則第十四条第一項においてなおその効力を有するものとされる旧法の違反事件について、旧法第四十条の規定は、この法律の施行後においても、なおその効力を有する。この場合において、旧法第四十条第二項中「専売官吏」とあるのは、「経済産業大臣が指定する職員」とする。

 (アルコールの製造の許可の拒否等に関する経過措置)

第十九条 第五条第一号、第五号又は第六号(これらの規定を第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、旧法の規定(附則第十四条第一項の規定によりなおその効力を有することとされる場合及び附則第二十二条の規定によりなおその例によることとされる場合を含む。)により罰金の刑に処せられた者又は旧法の規定(附則第十四条第一項の規定によりなおその効力を有することとされる場合を含む。)に違反して旧法第四十条(前条の規定によりなおその効力を有することとされる場合を含む。)において準用する国税犯則取締法の規定により通告処分(科料に相当する金額に係る通告処分を除く。)を受け、その通告の旨を履行した者は、その処分を受けた日又は通告の旨を履行した日において、この法律により罰金の刑に処せられた者とみなす。

 (アルコール専売事業特別会計からの権利及び義務の承継等)

第二十条 この法律の施行の際現に国が有する権利及び義務のうち、旧法に規定するアルコールの製造、収納、販売等の事業に関するもので政令で定めるものは、この法律の施行の時において、機構がアルコール専売事業特別会計(次条において「特別会計」という。)から承継する。

2 前項の規定による承継があったときは、その承継の際、その承継される権利に係る財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から機構に対し出資されたものとする。この場合において、機構は、石油代替エネルギー法第十四条第三項の認可を受けることなく、その額により資本金を増加するものとする。

3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、施行日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。

4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。

 (アルコール専売事業特別会計法の廃止に伴う経過措置)

第二十一条 特別会計の平成十二年度以前の年度の決算に関しては、なお従前の例による。ただし、附則第九条の規定による廃止前のアルコール専売事業特別会計法第十二条、附則第二十四条の規定による改正前の印刷局特別会計及びアルコール専売事業特別会計の利益の一般会計への納付の特例に関する法律(昭和二十四年法律第六十四号)及び附則第九条の規定による廃止前のアルコール専売事業特別会計から一般会計への納付の特例に関する法律の規定は、適用しない。

2 この法律の施行の際特別会計に所属する権利及び義務(前条第一項の規定により機構に承継されるものを除く。)は、この法律の施行の時において、一般会計に帰属するものとする。

3 前項の規定により一般会計に帰属した現金は、平成十二年度の一般会計の歳入とする。

 (罰則に関する経過措置)

第二十二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第二十三条 附則第十条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (印刷局特別会計及びアルコール専売事業特別会計の利益の一般会計への納付の特例に関する法律の一部改正)

第二十四条 印刷局特別会計及びアルコール専売事業特別会計の利益の一般会計への納付の特例に関する法律の一部を次のように改正する。

  題名を次のように改める。

    印刷局特別会計の利益の一般会計への納付の特例に関する法律

  第一条中「及びアルコール専売事業特別会計(以下「各会計」という。)」及び「並びにアルコール専売事業特別会計法(昭和二十二年法律第三十九号)第十二条、附則第五条及び第六条」を削り、「各会計」を「同特別会計」に改める。

  第二条第一項中「各会計の決算上の利益」を「印刷局特別会計の決算上の利益」に、「各会計の当該年度」を「同特別会計の当該年度」に、「各会計の運転資金」を「同特別会計の運転資金」に、「各会計の所管大臣と財務大臣とが協議して」を「財務大臣が」に改め、同条第二項中「各会計の所管大臣と財務大臣とが協議して」を「財務大臣が」に改める。

 (退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計からする一般会計への繰入れに関する法律の一部改正)

第二十五条 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計からする一般会計への繰入れに関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「、アルコール専売事業特別会計」を削る。

 (日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律の一部改正)

第二十六条 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律(昭和二十七年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

  第三条第三項中「、アルコール専売法(昭和十二年法律第三十二号)」を削る。

 (日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第二十七条 この法律の施行前における旧法の違反事件については、前条の規定による改正前の日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律第三条の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。

 (酒税法の一部改正)

第二十八条 酒税法の一部を次のように改正する。

  第八条第三号を次のように改める。

  三 アルコール事業法(平成十二年法律第三十六号)第三条第一項(製造の許可)又は同法第四条第三号(試験等のための製造の承認)の規定によりアルコールの製造の許可又は承認を受けた者が、当該アルコールの製造の用に供するため、同法第二条第二項(定義)に規定する酒母又は同条第三項(定義)に規定するもろみを製造する場合

  第十条第一号中「又は」を「若しくは」に改め、「ある者」の下に「又はアルコール事業法第十二条第一号、第二号、第四号若しくは第五号(許可の取消し等)(これらの規定を同法第二十条(準用)、第二十五条(準用)及び第三十条(準用)において準用する場合を含む。)の規定により許可を取り消されたことがある者」を加え、同条第二号中「又は」を「若しくは」に、「において」を「又はアルコール事業法第三条第一項(製造の許可)、第十六条第一項(輸入の許可)、第二十一条第一項(販売の許可)若しくは第二十六条第一項(使用の許可)の許可を受けた法人が同法第十二条第一号、第二号、第四号若しくは第五号(これらの規定を同法第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)の規定により許可を取り消された場合(同法第十二条第二号(同法第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)の規定により許可を取り消された場合については、当該法人が同法第五条第一号(欠格条項)(同法第二十条、第二十五条及び第三十条において準用する場合を含む。)に規定する者に該当することとなつたことによる場合に限る。)において、それぞれ」に改め、同条第七号中「若しくは酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和二十八年法律第七号)」を「、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和二十八年法律第七号)若しくはアルコール事業法」に改める。

 (酒税法の一部改正に伴う経過措置)

第二十九条 附則第二条の規定により機構のアルコール製造業務が行われる場合には、前条の規定による改正後の酒税法第八条第三号中「又は同法第四条第三号」とあるのは「若しくは同法第四条第三号」と、「許可又は承認を受けた者」とあるのは「許可若しくは承認を受けた者又は同法附則第二条の規定によりアルコールの製造を行う新エネルギー・産業技術総合開発機構」とする。

 (日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律の一部改正)

第三十条 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十九年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。

  第五条中「アルコール専売法(昭和十二年法律第三十二号)、」を削る。

 (日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第三十一条 この法律の施行前における旧法の違反事件については、前条の規定による改正前の日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律第五条の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。この場合において、同条中「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律(昭和二十七年法律第百十三号)」とあるのは、「アルコール事業法(平成十二年法律第三十六号)附則第二十六条の規定による改正前の日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律(昭和二十七年法律第百十三号)」とする。

 (地価税法の一部改正)

第三十二条 地価税法(平成三年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第十七号を次のように改める。

  十七 削除

 (経済産業省設置法の一部改正)

第三十三条 経済産業省設置法(平成十一年法律第九十九号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項中第三十八号を削り、第三十九号を第三十八号とし、第四十号から第六十五号までを一号ずつ繰り上げる。

  第十二条第二項中「第四十九号及び第六十四号」を「第四十八号及び第六十三号」に改める。

  第十七条中「第四十三号、第四十六号、第四十九号から第六十号まで、第六十三号及び第六十五号」を「第四十二号、第四十五号、第四十八号から第五十九号まで、第六十二号及び第六十四号」に改める。

  第二十一条第三項中「第四条第一項第五十八号から第六十号まで、第六十三号及び第六十五号」を「第四条第一項第五十七号から第五十九号まで、第六十二号及び第六十四号」に改める。

  第二十六条中「第六十一号、第六十三号及び第六十四号」を「第六十号、第六十二号及び第六十三号」に改める。

(大蔵・通商産業・内閣総理大臣臨時代理署名) 

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