弁理士法

法律第四十九号(平一二・四・二六)

 弁理士法(大正十年法律第百号)の全部を改正する。

目次

 第一章 総則(第一条―第八条)

 第二章 弁理士試験(第九条―第十六条)

 第三章 登録(第十七条―第二十八条)

 第四章 弁理士の義務(第二十九条―第三十一条)

 第五章 弁理士の責任(第三十二条―第三十六条)

 第六章 特許業務法人(第三十七条―第五十五条)

 第七章 日本弁理士会(第五十六条―第七十四条)

 第八章 雑則(第七十五条―第七十七条)

 第九章 罰則(第七十八条―第八十四条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、弁理士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、工業所有権の適正な保護及び利用の促進等に寄与し、もって経済及び産業の発展に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律で「国際出願」とは、特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律(昭和五十三年法律第三十号)第二条に規定する国際出願をいう。

2 この法律で「国際登録出願」とは、商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第六十八条の二第一項に規定する国際登録出願をいう。

3 この法律で「回路配置」とは、半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和六十年法律第四十三号)第二条第二項に規定する回路配置をいう。

4 この法律で「特定不正競争」とは、不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する不正競争であって、同項第一号から第九号までに掲げるもの(同項第四号から第九号までに掲げるものにあっては、技術上の秘密(秘密として管理されている生産方法その他の事業活動に有用な技術上の情報であって公然と知られていないものをいう。第四条第三項において同じ。)に関するものに限る。)をいう。

5 この法律で「特許業務法人」とは、第四条第一項の業務を組織的に行うことを目的として、この法律の定めるところにより、弁理士が共同して設立した法人をいう。

 (職責)

第三条 弁理士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。

 (業務)

第四条 弁理士は、他人の求めに応じ、特許、実用新案、意匠若しくは商標又は国際出願若しくは国際登録出願に関する特許庁における手続及び特許、実用新案、意匠又は商標に関する異議申立て又は裁定に関する経済産業大臣に対する手続についての代理並びにこれらの手続に係る事項に関する鑑定その他の事務を行うことを業とする。

2 弁理士は、前項に規定する業務のほか、他人の求めに応じ、次に掲げる事務を行うことを業とすることができる。

 一 関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)第二十一条第四項に規定する認定手続に関する税関長に対する手続のうち政令で定めるもの並びに同法第二十一条の二第一項の規定による申立て及び当該申立てをした者が行う税関長又は財務大臣に対する手続についての代理

 二 特許、実用新案、意匠、商標、回路配置又は特定不正競争に関する仲裁事件の手続(これらの事件の仲裁の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として経済産業大臣が指定するものが行う仲裁の手続(当該手続に伴う和解の手続を含む。)に限る。)についての代理

3 弁理士は、前二項に規定する業務のほか、弁理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、特許、実用新案、意匠、商標、回路配置若しくは著作物(著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第二条第一項第一号に規定する著作物をいう。)に関する権利若しくは技術上の秘密の売買契約、通常実施権の許諾に関する契約その他の契約の締結の代理若しくは媒介を行い、又はこれらに関する相談に応ずることを業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。

第五条 弁理士は、特許、実用新案、意匠若しくは商標、国際出願若しくは国際登録出願、回路配置又は特定不正競争に関する事項について、裁判所において、補佐人として、当事者又は訴訟代理人とともに出頭し、陳述又は尋問をすることができる。

2 前項の陳述及び尋問は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。ただし、当事者又は訴訟代理人が同項の陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

第六条 弁理士は、特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第百七十八条第一項、実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第四十七条第一項、意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第五十九条第一項又は商標法第六十三条第一項に規定する訴訟に関して訴訟代理人となることができる。

 (資格)

第七条 次の各号のいずれかに該当する者は、弁理士となる資格を有する。

 一 弁理士試験に合格した者

 二 弁護士となる資格を有する者

 三 特許庁において審判官又は審査官として審判又は審査の事務に従事した期間が通算して七年以上になる者

 (欠格事由)

第八条 次の各号のいずれかに該当する者は、前条の規定にかかわらず、弁理士となる資格を有しない。

 一 禁 _ 錮以上の刑に処せられた者

 二 前号に該当する者を除くほか、第七十八条から第八十一条までの罪、特許法第百九十六条から第百九十八条まで若しくは第二百条の罪、実用新案法第五十六条から第五十八条まで若しくは第六十条の罪、意匠法第六十九条から第七十一条まで若しくは第七十三条の罪又は商標法第七十八条から第八十条まで若しくは同法附則第二十八条の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

 三 前二号に該当する者を除くほか、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第百九条第二項(関税定率法第二十一条第一項第五号に係る部分に限る。以下この号において同じ。)若しくは第三項(関税法第百九条第二項に係る部分に限る。)若しくは第百十二条第一項(関税法第百九条第二項に係る部分に限る。)の罪、著作権法第百十九条から第百二十二条までの罪、半導体集積回路の回路配置に関する法律第五十一条第一項若しくは第五十二条の罪又は不正競争防止法第十三条(同法第十条の二第一項に係る部分を除く。)の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

 四 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者

 五 第二十三条第一項の規定により登録の取消しの処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者

 六 第三十二条の規定により業務の禁止の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者

 七 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)若しくは外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和六十一年法律第六十六号)、公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)又は税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)の規定による懲戒処分により、弁護士会からの除名、公認会計士の登録の抹消又は税理士の業務の禁止の処分を受けた者でこれらの処分の日から三年を経過しないもの

 八 第三十二条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間中にその登録が抹消され、当該期間を経過しない者

 九 未成年者、成年被後見人又は被保佐人

 十 破産者で復権を得ないもの

   第二章 弁理士試験

 (試験の目的及び方法)

第九条 弁理士試験は、弁理士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することをもってその目的とし、次条に定めるところによって、短答式(択一式を含む。以下同じ。)及び論文式による筆記並びに口述の方法により行う。

 (試験の内容)

第十条 短答式による試験は、次に掲げる科目について行う。

 一 特許、実用新案、意匠及び商標(以下この条及び次条第二号において「工業所有権」という。)に関する法令

 二 工業所有権に関する条約

 三 前二号に掲げるもののほか、弁理士の業務を行うのに必要な法令であって、経済産業省令で定めるもの

2 論文式による試験は、短答式による試験に合格した者につき、次に掲げる科目について行う。

 一 工業所有権に関する法令

 二 経済産業省令で定める技術又は法律に関する科目のうち受験者のあらかじめ選択する一科目

3 口述試験は、筆記試験に合格した者につき、工業所有権に関する法令について行う。

 (試験の免除)

第十一条 次の各号のいずれかに該当する者に対しては、その申請により、それぞれ当該各号に掲げる試験を免除する。

 一 筆記試験に合格した者 次回の弁理士試験の筆記試験

 二 特許庁において審判又は審査の事務に従事した期間が通算して五年以上になる者 工業所有権に関する法令及び条約について行う試験

 三 前条第二項第二号の受験者が選択する科目について筆記試験に合格した者と同等以上の学識を有する者として経済産業省令で定める者 当該科目について行う論文式による試験

 (試験の執行)

第十二条 弁理士試験は、審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関をいう。)で政令で定めるもの(以下「審議会」という。)が、これを行う。

2 弁理士試験は、毎年一回以上、これを行う。

 (合格証書)

第十三条 弁理士試験に合格した者には、当該試験に合格したことを証する証書を授与する。

 (合格の取消し等)

第十四条 審議会は、不正の手段によって弁理士試験を受け、又は受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその試験を受けることを禁止することができる。

2 審議会は、前項の規定による処分を受けた者に対し、情状により三年以内の期間を定めて弁理士試験を受けることができないものとすることができる。

 (受験手数料)

第十五条 弁理士試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を納付しなければならない。

2 前項の規定により納付した受験手数料は、弁理士試験を受けなかった場合においても返還しない。

 (試験の細目)

第十六条 この法律に定めるもののほか、弁理士試験に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。

   第三章 登録

 (登録)

第十七条 弁理士となる資格を有する者が、弁理士となるには、日本弁理士会に備える弁理士登録簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地その他経済産業省令で定める事項の登録を受けなければならない。

2 弁理士登録簿の登録は、日本弁理士会が行う。

 (登録の申請)

第十八条 前条第一項の登録を受けようとする者は、日本弁理士会に登録申請書を提出しなければならない。

2 前項の登録申請書には、氏名、生年月日、事務所の所在地その他経済産業省令で定める事項を記載し、弁理士となる資格を有することを証する書類を添付しなければならない。

 (登録の拒否)

第十九条 日本弁理士会は、前条第一項の規定による登録の申請をした者が弁理士となる資格を有せず、又は次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、その登録を拒否しなければならない。この場合において、当該申請者が次の各号のいずれかに該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、第七十条に規定する登録審査会の議決に基づいてしなければならない。

 一 心身の故障により弁理士の業務を行わせることがその適正を欠くおそれがあるとき。

 二 弁理士の信用を害するおそれがあるとき。

2 日本弁理士会は、当該申請者が前項各号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知して、相当の期間内に自ら又はその代理人を通じて弁明する機会を与えなければならない。

 (登録に関する通知)

第二十条 日本弁理士会は、第十八条第一項の規定による登録の申請を受けた場合において、登録をしたとき、又は登録を拒否したときは、その旨を当該申請者に書面により通知しなければならない。

 (登録を拒否された場合の審査請求)

第二十一条 第十九条第一項の規定により登録を拒否された者は、当該処分に不服があるときは、経済産業大臣に対して行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。

2 第十八条第一項の規定による登録の申請をした者は、その申請の日から三月を経過しても当該申請に対して何らの処分がされないときは、当該登録を拒否されたものとして、経済産業大臣に対して前項の審査請求をすることができる。

3 前二項の規定による審査請求が理由があるときは、経済産業大臣は、日本弁理士会に対し、相当の処分をすべき旨を命じなければならない。

 (登録事項の変更の届出)

第二十二条 弁理士は、弁理士登録簿に登録を受けた事項に変更が生じたときは、遅滞なく、日本弁理士会にその旨を届け出なければならない。

 (登録の取消し)

第二十三条 日本弁理士会は、弁理士の登録を受けた者が、偽りその他不正の手段により当該登録を受けたことが判明したときは、当該登録を取り消さなければならない。

2 日本弁理士会は、前項の規定により登録を取り消したときは、その旨を当該処分を受ける者に書面により通知しなければならない。

3 第十九条第一項後段並びに第二十一条第一項及び第三項の規定は、第一項の登録の取消しについて準用する。

 (登録の抹消)

第二十四条 弁理士が次の各号のいずれかに該当する場合には、日本弁理士会は、その登録を抹消しなければならない。

 一 その業務を廃止したとき。

 二 死亡したとき。

 三 第八条各号(第五号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。

 四 前条第一項の規定による登録の取消しの処分を受けたとき。

 五 第六十一条の規定による退会の処分を受けたとき。

2 弁理士が前項第一号から第三号までの規定のいずれかに該当することとなったときは、その者又はその法定代理人若しくは相続人は、遅滞なく、日本弁理士会にその旨を届け出なければならない。

3 日本弁理士会は、第一項第一号、第三号又は第五号の規定により登録を抹消したときは、その旨を当該弁理士に書面により通知しなければならない。

第二十五条 弁理士が心身の故障により弁理士の業務を行わせることがその適正を欠くおそれがあるときは、日本弁理士会は、その登録を抹消することができる。

2 第十九条第一項後段及び前条第三項の規定は、前項の規定による登録の抹消について準用する。

 (登録拒否に関する規定の準用)

第二十六条 第二十一条第一項及び第三項の規定は、第二十四条第一項第一号、第三号若しくは第五号又は前条第一項の規定による登録の抹消について準用する。

 (登録及び登録の抹消の公告)

第二十七条 日本弁理士会は、弁理士の登録をしたとき、及びその登録の抹消をしたときは、遅滞なく、その旨を官報をもって公告しなければならない。

 (登録の細目)

第二十八条 この法律に定めるもののほか、弁理士の登録に関して必要な事項は、経済産業省令で定める。

   第四章 弁理士の義務

 (信用失墜行為の禁止)

第二十九条 弁理士は、弁理士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。

 (秘密を守る義務)

第三十条 弁理士又は弁理士であった者は、正当な理由がなく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。

 (業務を行い得ない事件)

第三十一条 弁理士は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その業務を行ってはならない。ただし、第三号に該当する事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

 一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

 二 相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの

 三 受任している事件の相手方からの依頼による他の事件

 四 公務員として職務上取り扱った事件

 五 仲裁手続により仲裁人として取り扱った事件

 六 社員又は使用人である弁理士として特許業務法人の業務に従事していた期間内に、その特許業務法人が相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

 七 社員又は使用人である弁理士として特許業務法人の業務に従事していた期間内に、その特許業務法人が相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの

   第五章 弁理士の責任

 (懲戒の種類)

第三十二条 弁理士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは、経済産業大臣は、次に掲げる処分をすることができる。

 一 戒告

 二 二年以内の業務の停止

 三 業務の禁止

 (懲戒の手続)

第三十三条 何人も、弁理士に前条に該当する事実があると思料するときは、経済産業大臣に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

2 前項に規定する報告があったときは、経済産業大臣は、事件について必要な調査をしなければならない。

3 経済産業大臣は、弁理士に前条に該当する事実があると思料するときは、職権をもって、必要な調査をすることができる。

4 経済産業大臣は、前条の規定により戒告又は二年以内の業務の停止の処分をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

5 前条の規定による懲戒の処分は、聴聞を行った後、相当な証拠により同条に該当する事実があると認めた場合において、審議会の意見を聴いて行う。

 (調査のための権限)

第三十四条 経済産業大臣は、前条第二項(第六十九条第二項において準用する場合を含む。)又は第三項の規定により事件について必要な調査をするため、当該弁理士に対し、その業務に関し必要な報告を命じ、又は帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができる。

 (登録抹消の制限)

第三十五条 日本弁理士会は、弁理士が懲戒の手続に付された場合においては、その手続が結了するまでは、第二十四条第一項第一号若しくは第五号又は第二十五条第一項の規定による当該弁理士の登録の抹消をすることができない。

 (懲戒処分の公告)

第三十六条 経済産業大臣は、第三十二条の規定により懲戒の処分をしたときは、その旨を官報をもって公告しなければならない。

   第六章 特許業務法人

 (設立)

第三十七条 弁理士は、この章の定めるところにより、特許業務法人を設立することができる。

 (名称)

第三十八条 特許業務法人は、その名称中に特許業務法人という文字を使用しなければならない。

 (社員の資格)

第三十九条 特許業務法人の社員は、弁理士でなければならない。

2 次に掲げる者は、社員となることができない。

 一 第三十二条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者

 二 第五十四条の規定により特許業務法人が解散又は業務の停止を命ぜられた場合において、その処分の日以前三十日内にその社員であった者でその処分の日から三年(業務の停止を命ぜられた場合にあっては、当該業務の停止の期間)を経過しないもの

 (業務の範囲)

第四十条 特許業務法人は、第四条第一項の業務を行うほか、定款で定めるところにより、同条第二項及び第三項の業務の全部又は一部を行うことができる。

第四十一条 前条に規定するもののほか、特許業務法人は、第五条及び第六条の規定により弁理士が処理することができる事務を当該特許業務法人の社員又は使用人である弁理士(以下「社員等」という。)に行わせる事務の委託を受けることができる。この場合において、当該特許業務法人は、委託者に、当該特許業務法人の社員等のうちからその補佐人又は訴訟代理人を選任させなければならない。

 (登記)

第四十二条 特許業務法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

 (設立の手続)

第四十三条 特許業務法人を設立するには、その社員になろうとする弁理士が、共同して定款を定めなければならない。

2 定款には、少なくとも次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 目的

 二 名称

 三 事務所の所在地

 四 社員の氏名及び住所

 五 社員の出資に関する事項

 六 業務の執行に関する事項

 (成立の時期)

第四十四条 特許業務法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。

 (成立の届出)

第四十五条 特許業務法人は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記簿の謄本及び定款を添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

 (業務を執行する権限)

第四十六条 特許業務法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。

 (定款の変更)

第四十七条 特許業務法人は、定款を変更したときは、変更の日から二週間以内に、変更に係る事項を経済産業大臣に届け出なければならない。

 (特定の事件についての業務の制限)

第四十八条 特許業務法人は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その業務を行ってはならない。ただし、第三号に規定する事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

 一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

 二 相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの

 三 受任している事件の相手方からの依頼による他の事件

 四 第三項各号に掲げる事件として特許業務法人の社員の半数以上の者が関与してはならない事件

2 特許業務法人の社員等は、前項各号に掲げる事件については、自己又は第三者のためにその業務を行ってはならない。

3 特許業務法人の社員等は、当該特許業務法人が行う業務であって、次の各号のいずれかに該当する事件に係るものには関与してはならない。

 一 社員等が当該特許業務法人の社員等となる前に相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

 二 社員等が当該特許業務法人の社員等となる前に相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの

 三 社員等が公務員として職務上取り扱った事件

 四 社員等が仲裁手続により仲裁人として取り扱った事件

 五 社員等が当該特許業務法人の社員等となる前に他の特許業務法人の社員等としてその業務に従事していた期間内に、その特許業務法人が相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

 六 社員等が当該特許業務法人の社員等となる前に他の特許業務法人の社員等としてその業務に従事していた期間内に、その特許業務法人が相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの

 (業務の執行方法)

第四十九条 特許業務法人は、弁理士でない者にその業務を行わせてはならない。

 (弁理士の業務に関する規定の準用)

第五十条 第二十九条の規定は、特許業務法人について準用する。

 (法定脱退)

第五十一条 特許業務法人の社員は、次に掲げる理由によって脱退する。

 一 弁理士の登録の抹消

 二 定款に定める理由の発生

 三 総社員の同意

 四 除名

 (解散)

第五十二条 特許業務法人は、次に掲げる理由によって解散する。

 一 定款に定める理由の発生

 二 総社員の同意

 三 他の特許業務法人との合併

 四 破産

 五 解散を命じる裁判

 六 第五十四条の規定による解散の命令

2 特許業務法人は、前項の規定による場合のほか、社員が一人になり、そのなった日から引き続き六月間その社員が二人以上にならなかった場合においても、その六月を経過した時に解散する。

3 特許業務法人は、第一項第三号及び第六号の事由以外の事由により解散したときは、解散の日から二週間以内に、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

 (合併)

第五十三条 特許業務法人は、総社員の同意があるときは、他の特許業務法人と合併することができる。

2 合併は、合併後存続する特許業務法人又は合併によって成立した特許業務法人が、その主たる事務所の所在地において登記することによって、その効力を生ずる。

3 特許業務法人は、合併したときは、合併の日から二週間以内に、登記簿の謄本(合併によって設立した特許業務法人にあっては、登記簿の謄本及び定款)を添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

 (違法行為等についての処分)

第五十四条 経済産業大臣は、特許業務法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められるときは、その特許業務法人に対し、戒告し、若しくは二年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は解散を命ずることができる。

2 第三十三条、第三十四条及び第三十六条の規定は、前項の処分について準用する。

3 第一項の規定は、同項の規定により特許業務法人を処分する場合において、当該特許業務法人の社員等につき第三十二条に該当する事実があるときは、その社員等である弁理士に対し、懲戒の処分を併せて行うことを妨げるものと解してはならない。

 (民法の準用等)

第五十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五十条、第五十五条及び第八十一条から第八十三条まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項、第三十六条、第百二十六条第一項、第百三十四条から第百三十五条ノ五まで、第百三十五条ノ八、第百三十六条から第百三十七条まで、第百三十八条及び第百三十八条ノ三の規定は、特許業務法人について準用する。

2 商法(明治三十二年法律第四十八号)第三十二条から第三十六条までの規定は特許業務法人の帳簿その他の書類について、同法第五十八条及び第五十九条の規定は特許業務法人について、それぞれ準用する。この場合において、同法第五十八条及び第五十九条第一項中「株主」とあるのは、「社員」と読み替えるものとする。

3 商法第六十八条、第六十九条及び第七十二条から第七十五条までの規定は、特許業務法人の内部の関係について準用する。

4 商法第七十六条から第八十三条までの規定は、特許業務法人の外部の関係について準用する。

5 商法第八十四条、第八十六条第一項及び第二項(除名及び代表権の喪失に関する部分に限る。)並びに第八十七条から第九十三条までの規定は、特許業務法人の社員の脱退について準用する。

6 商法第百条、第百三条から第百六条まで及び第百九条から第百十一条までの規定は、特許業務法人の合併について準用する。

7 商法第百十六条から第百十九条まで、第百二十条から第百二十二条まで、第百二十四条第一項及び第二項、第百二十五条、第百二十六条、第百二十八条から第百三十三条まで、第百三十四条ノ二、第百三十五条、第百三十六条、第百三十八条並びに第百四十三条から第百四十五条までの規定は、特許業務法人の清算について準用する。この場合において、同法第百十七条第二項及び第百二十二条中「第九十四条第四号又ハ第六号」とあるのは、「弁理士法第五十二条第一項第五号若ハ第六号又ハ第二項」と読み替えるものとする。

8 商法第百六十七条の規定は、特許業務法人の定款について準用する。

9 破産法(大正十一年法律第七十一号)第百二十七条の規定の適用については、特許業務法人は、合名会社とみなす。

   第七章 日本弁理士会

 (設立、目的及び法人格)

第五十六条 弁理士は、この法律の定めるところにより、全国を通じて一個の日本弁理士会(以下この章において「弁理士会」という。)を設立しなければならない。

2 弁理士会は、弁理士の使命及び職責にかんがみ、弁理士の品位を保持し、弁理士の業務の改善進歩を図るため、会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行い、並びに弁理士の登録に関する事務を行うことを目的とする。

3 弁理士会は、法人とする。

 (会則)

第五十七条 弁理士会は、会則を定め、これに次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 名称及び事務所の所在地

 二 入会及び退会に関する規定

 三 会員の種別及びその権利義務に関する規定

 四 役員に関する規定

 五 会議に関する規定

 六 支部に関する規定

 七 弁理士の登録に関する規定

 八 登録審査会に関する規定

 九 会員の品位保持に関する規定

 十 会員の研修に関する規定

 十一 会員の業務に関する紛議の調停に関する規定

 十二 弁理士会及び会員に関する情報の提供に関する規定

 十三 会費に関する規定

 十四 会計及び資産に関する規定

 十五 事務局に関する規定

2 会則の制定又は変更(政令で定める重要な事項に係る変更に限る。)は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (支部)

第五十八条 弁理士会は、その目的を達成するため必要があるときは、支部を設けることができる。

 (登記)

第五十九条 弁理士会は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

 (入会及び退会)

第六十条 弁理士及び特許業務法人は、当然、弁理士会の会員となり、弁理士がその登録を抹消されたとき及び特許業務法人が解散したときは、当然、弁理士会を退会する。

 (弁理士会の退会処分)

第六十一条 弁理士会は、経済産業大臣の認可を受けて、弁理士会の秩序又は信用を害するおそれのある会員を退会させることができる。

 (会則を守る義務)

第六十二条 会員は、弁理士会の会則を守らなければならない。

 (役員)

第六十三条 弁理士会に、会長、副会長その他会則で定める役員を置く。

2 会長は、弁理士会を代表し、その会務を総理する。

3 副会長は、会長の定めるところにより、会長を補佐し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行う。

 (総会)

第六十四条 弁理士会は、毎年、定期総会を開かなければならない。

2 弁理士会は、必要と認める場合には、臨時総会を開くことができる。

 (総会の決議を必要とする事項)

第六十五条 弁理士会の会則の変更、予算及び決算は、総会の決議を経なければならない。

 (総会の決議等の報告)

第六十六条 弁理士会は、総会の決議並びに役員の就任及び退任を特許庁長官に報告しなければならない。

 (紛議の調停)

第六十七条 弁理士会は、会員の業務に関する紛議について、会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。

 (建議及び答申)

第六十八条 弁理士会は、弁理士に係る業務又は制度について、経済産業大臣又は特許庁長官に建議し、又はその諮問に答申することができる。

 (懲戒事由に該当する事実の報告)

第六十九条 弁理士会は、その会員に第三十二条又は第五十四条の規定に該当する事実があると認めたときは、経済産業大臣に対し、その事実を報告するものとする。

2 第三十三条第二項の規定は、前項の報告があった場合について準用する。

 (登録審査会)

第七十条 弁理士会に、登録審査会を置く。

2 登録審査会は、弁理士会の請求により、第十九条第一項の規定による登録の拒否、第二十三条第一項の規定による登録の取消し又は第二十五条第一項の規定による登録の抹消について必要な審査を行うものとする。

3 登録審査会は、会長及び委員四人をもって組織する。

4 会長は、弁理士会の会長をもってこれに充てる。

5 委員は、会長が、経済産業大臣の承認を受けて、弁理士、弁理士に係る行政事務に従事する経済産業省の職員及び学識経験者のうちから委嘱する。

6 委員の任期は、二年とする。ただし、欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

7 前各項に規定するもののほか、登録審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

 (報告及び検査)

第七十一条 経済産業大臣は、弁理士会の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、弁理士会に対し、報告若しくは資料の提出を求め、又は当該職員に弁理士会の事務所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をしようとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (総会の決議の取消し及び役員の解任)

第七十二条 経済産業大臣は、弁理士会の総会の決議又は役員の行為が法令又は弁理士会の会則に違反し、その他公益を害するときは、総会の決議の取消し又は役員の解任を命ずることができる。

 (民法の準用)

第七十三条 民法第四十四条、第五十条及び第五十五条の規定は、弁理士会について準用する。

 (経済産業省令への委任)

第七十四条 この法律に定めるもののほか、弁理士会に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。

   第八章 雑則

 (弁理士又は特許業務法人でない者の業務の制限)

第七十五条 弁理士又は特許業務法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、特許、実用新案、意匠若しくは商標若しくは国際出願若しくは国際登録出願に関する特許庁における手続若しくは特許、実用新案、意匠若しくは商標に関する異議申立て若しくは裁定に関する経済産業大臣に対する手続についての代理(特許料の納付手続についての代理、特許原簿への登録の申請手続についての代理その他の政令で定めるものを除く。)又はこれらの手続に係る事項に関する鑑定若しくは政令で定める書類若しくは電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成を業とすることができない。

 (名称の使用制限)

第七十六条 弁理士又は特許業務法人でない者は、弁理士若しくは特許事務所又はこれらに類似する名称を用いてはならない。

2 特許業務法人でない者は、特許業務法人又はこれに類似する名称を用いてはならない。

3 日本弁理士会でない団体は、日本弁理士会又はこれに類似する名称を用いてはならない。

 (弁理士の使用人等の秘密を守る義務)

第七十七条 弁理士若しくは特許業務法人の使用人その他の従業者又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、第四条から第六条までの業務を補助したことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。

   第九章 罰則

第七十八条 弁理士となる資格を有しない者が、日本弁理士会に対し、その資格につき虚偽の申請をして弁理士登録簿に登録させたときは、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第七十九条 第七十五条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第八十条 第三十条又は第七十七条の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

第八十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。

 一 第七十一条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 二 第七十六条の規定に違反した者

第八十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第七十九条又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。

第八十三条 第三十四条の規定(第五十四条第二項において準用する場合を含む。)による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は帳簿書類その他の物件の提出をしなかった者は、三十万円以下の過料に処する。

第八十四条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、特許業務法人の社員若しくは清算人又は日本弁理士会の役員は、三十万円以下の過料に処する。

 一 この法律に基づく政令の規定に違反して登記をすることを怠ったとき。

 二 第五十五条第一項において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して破産の宣告の請求を怠ったとき。

 三 定款又は第五十五条第二項において準用する商法第三十二条第一項の会計帳簿若しくは貸借対照表に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。

 四 第五十五条第六項において準用する商法第百条第一項又は第三項(同法第百十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して合併し、又は財産を処分したとき。

 五 第五十五条第七項において準用する商法第百三十一条の規定に違反して財産を分配したとき。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。

 一 第二章の規定 平成十四年一月一日

 二 第四条第三項の規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日

 (弁理士の資格に関する経過措置)

第二条 次に掲げる者は、改正後の弁理士法(以下「新法」という。)第七条に規定する弁理士となる資格を有するものとみなす。

 一 この法律の施行の際現に弁理士となる資格を有する者

 二 附則第四条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる改正前の弁理士法(以下「旧法」という。)第二条第二項の弁理士試験に合格した者

 (欠格事由に関する経過措置)

第三条 新法第八条第二号(商標法附則第二十八条の罪に係る部分を除く。)の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に同号に規定する刑に処せられた者について適用し、施行日前に旧法第五条第二号に規定する刑に処せられた者の当該刑に係る欠格事由については、なお従前の例による。

2 新法第八条第二号(商標法附則第二十八条の罪に係る部分に限る。)及び第三号の規定は、施行日以後にした行為によりこれらの規定に規定する刑に処せられた者について適用する。

3 新法第八条第四号及び第七号の規定は、施行日以後にこれらの規定に規定する処分を受けた者について適用し、施行日前に旧法第五条第三号に規定する処分を受けた者の当該処分に係る欠格事由については、なお従前の例による。

 (弁理士試験に関する経過措置)

第四条 旧法第二条第二項の規定は、平成十三年十二月三十一日までの間は、なおその効力を有する。

2 第二章の規定の施行の日前に旧法第二条第二項(前項の規定によりなおその効力を有するものとされる場合を含む。)の弁理士試験を受験した者が同章の規定の施行の日以後に同章に規定する弁理士試験を受験する場合における新法第十一条の規定による試験の免除及び新法第十四条第二項の規定による試験の受験の停止に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (登録に関する経過措置)

第五条 旧法第六条第二項の規定による弁理士登録簿の登録は、新法第十七条第一項の規定による弁理士登録簿の登録とみなす。

2 施行日前に旧法第六条第三項の規定により旧法に規定する弁理士会(以下「旧弁理士会」という。)に対して行った登録の申請は、新法第十八条第一項の規定により日本弁理士会に対して行った登録の申請とみなす。

3 施行日前に旧法の規定により旧弁理士会がした登録の拒否又は登録の抹消及びその通知は、新法の規定により日本弁理士会がしたものとみなす。

 (資質の向上のための研修)

第六条 次に掲げる者(弁護士その他の経済産業省令で定める者を除く。)は、経済産業省令で定めるところにより、日本弁理士会が行う弁理士の資質の向上を図るための研修を受けなければならない。

 一 この法律の施行の際現に弁理士である者

 二 附則第二条各号に掲げる者であって、新法第十七条第一項の規定により登録を受けたもの

 (秘密を守る義務に関する経過措置)

第七条 施行日以後は、旧法第二十二条に規定する弁理士であった者は、新法第三十条に規定する弁理士であったものと、旧法第二十二条に規定する弁理士に係るその業務上取り扱ったことについて知り得た秘密は、新法第三十条に規定する弁理士に係るその業務上取り扱ったことについて知り得た秘密とみなして、同条の規定(これに係る罰則を含む。)を適用する。

 (懲戒処分に関する経過措置)

第八条 この法律の施行の際現に弁理士である者について、施行日前に、旧法において懲戒の処分の理由とされる事実で、これに相当する事実が新法においても懲戒の処分の理由とされているものがあったときは、新法において懲戒の処分の理由とされている事実があったものとみなして新法の規定を適用する。

2 施行日前に旧法第十七条の規定により過料の処分を受けた者については、旧法第二十一条の規定は、なおその効力を有する。

3 旧法第十七条の規定により業務の停止の処分を受け、この法律の施行の際現に業務の停止の期間中である者については、その処分を受けた日において新法第三十二条の規定により業務の停止の処分を受けた者とみなす。この場合において、経済産業大臣は、この法律の施行後遅滞なくその旨を官報をもって公告しなければならない。

4 旧法第十九条の規定により懲戒の申告で、この法律の施行の際まだ懲戒の手続を終えないものについては、施行日に新法第六十九条第一項に規定する報告がされたものとみなす。

 (弁理士会に関する経過措置)

第九条 施行日に現に存する旧弁理士会は、施行日において、新法第五十六条第一項の規定による日本弁理士会となり、同一性をもって存続するものとする。

2 旧弁理士会は、施行日までに、新法第五十七条の例により、この法律の施行に伴い必要となる会則の変更をし、通商産業大臣の認可を受けなければならない。この場合において、その認可の効力は、施行日から生じるものとする。

3 第一項の日本弁理士会は、速やかに、新法第五十九条の規定により設立の登記をしなければならない。

 (名称の使用制限に関する経過措置)

第十条 この法律の施行の際現に特許業務法人又はこれに類似する名称を用いている者については、新法第七十六条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。

 (罰則に関する経過措置)

第十一条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第十二条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第十三条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (公認会計士法の一部改正)

第十四条 公認会計士法の一部を次のように改正する。

  第四条第七号中「弁理士法(大正十年法律第百号)」を「弁理士法(平成十二年法律第四十九号)」に改める。

 (公認会計士法の一部改正に伴う経過措置)

第十五条 旧法第十七条の規定により業務の禁止の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者は、前条の規定による改正後の公認会計士法第四条の規定にかかわらず、公認会計士となる資格を有しない。

 (資産再評価法の一部改正)

第十六条 資産再評価法(昭和二十五年法律第百十号)の一部を次のように改正する。

  第三十九条第一項第二号中「弁理士会」を「日本弁理士会」に改める。

 (地方税法の一部改正)

第十七条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の五第一項第二号中「弁理士会」を「日本弁理士会」に改める。

 (税理士法の一部改正)

第十八条 税理士法の一部を次のように改正する。

  第四条第九号中「弁理士法(大正十年法律第百号)」を「弁理士法(平成十二年法律第四十九号)」に改める。

 (税理士法の一部改正に伴う経過措置)

第十九条 旧法第十七条の規定により業務の禁止の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者は、前条の規定による改正後の税理士法第四条の規定にかかわらず、税理士となる資格を有しない。

 (所得税法の一部改正)

第二十条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表日本弁護士連合会の項の次に次のように加える。

日本弁理士会

弁理士法(平成十二年法律第四十九号)

  別表第一第一号の表弁理士会の項を削る。

 (法人税法の一部改正)

第二十一条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  別表第二第一号の表日本弁護士連合会の項の次に次のように加える。

日本弁理士会

弁理士法(平成十二年法律第四十九号)

  別表第二第一号の表弁理士会の項を削る。

 (登録免許税法の一部改正)

第二十二条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第二十三号(十)中「弁理士法(大正十年法律第百号)第六条第二項(弁理士の登録)」を「弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第十七条第一項(登録)」に改める。

 (技術士法の一部改正)

第二十三条 技術士法(昭和五十八年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。

  第三条第六号中「弁理士法(大正十年法律第百号)第十七条」を「弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第三十二条第三号」に改める。

 (技術士法の一部改正に伴う経過措置)

第二十四条 旧法第十七条の規定により業務の禁止の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者は、前条の規定による改正後の技術士法第三条の規定にかかわらず、技術士となる資格を有しない。

 (消費税法の一部改正)

第二十五条 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)の一部を次のように改正する。

  別表第三第一号の表日本弁護士連合会の項の次に次のように加える。

日本弁理士会

弁理士法(平成十二年法律第四十九号)

  別表第三第一号の表弁理士会の項を削る。

 (中央省庁等改革関係法施行法の一部改正)

第二十六条 中央省庁等改革関係法施行法(平成十一年法律第百六十号)の一部を次のように改正する。

  第千三百三十七条第一項中「弁理士法第三条第二号」を「弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第七条第三号」に改め、同条第二項を削る。

(内閣総理・大蔵・通商産業・自治大臣署名) 

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