海外移住事業団法
法律第百二十四号(昭三八・七・八)
目次
第一章 総則(第一条―第七条)
第二章 役員及び職員(第八条―第十八条)
第三章 運営審議会(第十九条・第二十条)
第四章 業務(第二十一条―第二十四条)
第五章 財務及び会計(第二十五条―第三十六条)
第六章 監督(第三十七条・第三十八条)
第七章 雑則(第三十九条―第四十一条)
第八章 罰則(第四十二条―第四十四条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 海外移住事業団は、移住者の援助及び指導その他海外移住の振興に必要な業務を国の内外を通じ一貫して効率的に行なうことを目的とする。
(法人格)
第二条 海外移住事業団(以下「事業団」という。)は、法人とする。
(事務所)
第三条 事業団は、主たる事務所を東京都に置く。
2 事業団は、外務大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(資本金)
第四条 事業団の資本金は、八億円と附則第七条第八項の規定により政府から出資があつたものとされる金額との合計額とし、政府がその全額を出資する。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、事業団に追加して出資することができる。
3 事業団は、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により資本金を増額するものとする。
(登記)
第五条 事業団は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(名称の使用制限)
第六条 事業団でない者は、海外移住事業団という名称を用いてはならない。
(民法の準用)
第七条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、事業団について準用する。
第二章 役員及び職員
(役員)
第八条 事業団に、役員として、理事長一人、理事四人以内及び監事二人以内を置く。
2 事業団に、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事四人以内を置くことができる。
(役員の職務及び権限)
第九条 理事長は、事業団を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行なう。
3 監事は、事業団の業務を監査する。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は理事長を通じて外務大臣に意見を提出することができる。
(役員の任命)
第十条 理事長及び監事は、外務大臣が任命する。
2 理事は、外務大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
(役員の任期)
第十一条 理事長及び理事の任期は、四年とし、監事の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十二条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 国務大臣、国会議員、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長
二 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)
(役員の解任)
第十三条 外務大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 外務大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、あらかじめ、外務大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼職禁止)
第十四条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、外務大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(代表権の制限)
第十五条 事業団と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が事業団を代表する。
(代理人の選任)
第十六条 理事長は、理事又は事業団の職員のうちから、事業団の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(職員の任命)
第十七条 事業団の職員は、理事長が任命する。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第十八条 事業団の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 運営審議会
(運営審議会)
第十九条 事業団に、運営審議会を置く。
2 運営審議会は、理事長の諮問に応じ、事業団の業務の運営に関する重要事項を審議する。
3 運営審議会は、事業団の業務の運営につき、理事長に対して意見を述べることができる。
4 運営審議会は、委員十五人以内で組織する。
(委員)
第二十条 委員は、事業団の業務に関し学識経験を有する者のうちから、外務大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
2 委員の任期は、二年とする。
3 委員は、再任されることができる。
4 第十三条第二項及び第三項の規定は、委員について準用する。
第四章 業務
(業務の範囲)
第二十一条 事業団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。
一 海外移住に関する調査及び知識の普及を行なうこと。
二 海外移住に関し、相談に応じ、及びあつせんを行なうこと。
三 移住者に対して、訓練及び講習並びに渡航費の貸付け及び支度金等の支給を行なうこと。
四 移住者の渡航に関し、宿泊施設の提供、引率その他援助及び指導を行なうこと。
五 海外において、移住者の事業、職業その他移住者の生活一般について、相談に応じ、及び指導を行なうこと。
六 海外において、移住者の定着のために必要な福祉施設の整備その他の援助を行なうこと。
七 移住者が入植するための土地の取得、造成、管理及び譲渡並びに取得のあつせんを行なうこと。
八 移住者及びその団体で海外において農業、漁業、工業その他の事業を行なうものに対して、その事業に必要な資金を貸し付け、及びその事業に必要な資金の借入れに係る債務について保証すること。
九 海外において農業、漁業、工業その他の事業を行なう者(移住者及びその団体を除く。)に対して、その者が移住者をその事業に受け入れることが確実であり、かつ、その受入れが海外移住の振興に寄与すると認められる場合に、その受入れに関してその事業に必要な資金を貸し付けること。
十 前九号に掲げる業務に附帯する業務を行なうこと。
十一 前各号に掲げるもののほか、第一条の目的を達するため必要な業務を行なうこと。
2 事業団は、前項第十一号に掲げる業務を行なおうとするときは、外務大臣の認可を受けなければならない。
3 第一項に掲げる業務を外国において行なう場合には、当該国の法令の定めるところによるものとする。
(業務の委託)
第二十二条 事業団は、必要があるときは、外務大臣の認可を受けて、その指定する地方公共団体その他の団体に前条第一項各号に掲げる業務(第二号に掲げる業務のうちあつせんに係る業務及び第三号に掲げる業務のうち渡航費の貸付けに係る業務を除く。)の一部を委託することができる。
(基本方針)
第二十三条 外務大臣は、毎事業年度、事業団の業務について基本方針を定め、当該事業年度の開始前に、これを事業団に指示するものとする。
(業務方法書)
第二十四条 事業団は、業務の開始の際、業務方法書を作成し、外務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、外務省令で定める。
第五章 財務及び会計
(事業年度)
第二十五条 事業団の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(区分経理)
第二十六条 事業団は、次に掲げる経理については、政令で定めるところにより、それぞれその他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
一 第二十一条第一項第三号に掲げる業務のうち渡航費の貸付けに係る業務及びこれに附帯する業務に係る経理
二 第二十一条第一項第七号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に係る経理
三 第二十一条第一項第八号及び第九号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務に係る経理
(事業計画等の認可)
第二十七条 事業団は、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、外務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(財務諸表)
第二十八条 事業団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後四月以内に外務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 外務大臣は、やむを得ない事情があると認めるときは、事業団の申出により、二月をこえない範囲内において、前項の期間を延長することができる。
3 事業団は、第一項の規定により財務諸表を外務大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見をつけなければならない。
(利益及び損失の処理並びに納付金)
第二十九条 事業団は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額のうち、政令で定める基準により計算した額を積立金として積み立てなければならない。
2 事業団は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
3 事業団は、第一項に規定する残余の額から同項の規定により積立金として積み立てた額を控除して残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 第一項の利益金の計算の方法及び前項の納付金の納付の手続その他同項の納付金に関し必要な事項については、政令で定める。
(借入金及び海外移住債券)
第三十条 事業団は、外務大臣の認可を受けて、長期借入金若しくは短期借入金をし、又は海外移住債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができない金額に限り、外務大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。
4 第一項の規定による債券の債権者は、事業団の財産について、他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
6 事業団は、外務大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
7 商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百九条から第三百十一条までの規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
8 第一項及び第四項から前項までに定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
(交付金の交付)
第三十一条 政府は、予算の範囲内において、事業団に対し、その業務に要する費用の一部に相当する金額を交付することができる。
(償還計画)
第三十二条 事業団は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画をたてて、外務大臣の認可を受けなければならない。
(余裕金の運用)
第三十三条 事業団は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債その他外務大臣の指定する有価証券の取得
二 資金運用部への預託
三 銀行若しくは外国銀行への預金又は郵便貯金
(財産の処分等の制限)
第三十四条 事業団は、外務省令で定める重要な財産を譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、外務大臣の認可を受けなければならない。
(給与及び退職手当の支給の基準)
第三十五条 事業団は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、外務大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(外務省令への委任)
第三十六条 この法律に規定するもののほか、事業団の財務及び会計に関し必要な事項は、外務省令で定める。
第六章 監督
(監督)
第三十七条 事業団は、外務大臣が監督する。
2 外務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業団に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第三十八条 外務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業団に対してその業務に関し報告をさせ、又はその職員に事業団の事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第七章 雑則
(連絡等)
第三十九条 事業団は、その業務の運営については、地方公共団体と密接に連絡するものとする。
2 地方公共団体は、事業団に対し、その業務の運営について協力するよう努めるものとする。
(解散)
第四十条 事業団の解散については、別に法律で定める。
(協議)
第四十一条 外務大臣は、次の場合には、あらかじめ、大蔵大臣に協議しなければならない。
一 第二十二条、第二十四条第一項、第二十七条、第三十条第一項、第二項ただし書若しくは第六項、第三十二条、又は第三十四条の規定による認可をしようとするとき。
二 第二十四条第二項、第三十四条又は第三十六条の規定により外務省令を定めようとするとき。
三 第二十八条第一項又は第三十五条の規定による承認をしようとするとき。
四 第三十三条第一号の規定による指定をしようとするとき。
2 外務大臣は、次の場合には、あらかじめ、関係各大臣に協議しなければならない。
一 第二十一条第二項の規定による認可をしようとするとき。
二 第二十三条の規定により基本方針を定めようとするとき。
第八章 罰則
(罰則)
第四十二条 第三十八条第一項の規定による報告を求められて、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした事業団の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。
第四十三条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした事業団の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。
一 この法律により外務大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第五条第一項の政令の規定に違反して登記することを怠つたとき。
三 第二十一条第一項に規定する業務以外の業務を行なつたとき。
四 第三十三条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
五 第三十七条第二項の規定による命令に違反したとき。
第四十四条 第六条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十四条、附則第十六条及び附則第十七条の規定は、公布の日から起算して九月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(事業団の設立)
第二条 外務大臣は、事業団の理事長又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、事業団の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。
第三条 外務大臣は、設立委員を命じて、事業団の設立に関する事務を処理させる。
2 設立委員は、設立の準備を完了したときは、遅滞なく、政府に対し、出資金の払込みの請求をしなければならない。
3 設立委員は、出資金の払込みがあつた日において、その事務を前条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。
第四条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前条第三項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
第五条 事業団は、設立の登記をすることによつて成立する。
(財団法人日本海外協会連合会からの引継ぎ)
第六条 昭和二十九年一月五日に設立された財団法人日本海外協会連合会(以下この条において「連合会」という。)は、寄附行為の定めるところにより、設立委員に対して、事業団において、その一切の権利及び義務を承継すべき旨を申し出ることができる。
2 設立委員は、前項の規定による申出があつたときは、遅滞なく、外務大臣の認可を申請しなければならない。
3 前項の認可があつたときは、連合会の一切の権利及び義務は、事業団の成立の時において事業団に承継されるものとし、連合会は、その時において解散するものとする。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。
4 前項の規定により事業団が連合会の権利及び義務を承継した場合においては、その資産の価額から負債の価額を控除した残額に相当する金額は、資本準備金として積み立てなければならない。
5 第三項の規定により事業団が連合会の権利及び義務を承継した場合における連合会の行なつた移住者に対する渡航費の貸付けに係る業務及びこれに附帯する業務に係る事業団の経理については、これを第二十六条第一号に掲げる経理とみなして同条の規定を適用する。
6 第三項の規定により連合会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(日本海外移住振興株式会社からの引継ぎ)
第七条 日本海外移住振興株式会社法(昭和三十年法律第百三十九号)により設立された日本海外移住振興株式会社(以下この条から附則第九条までにおいて「会社」という。)は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百四十三条に規定する株主総会の決議を得て、設立委員に対して、事業団にその営業の全部を出資すべき旨を申し出ることができる。
2 設立委員は、前項に規定する申出があつたときは、遅滞なく、外務大臣の認可を申請しなければならない。
3 第一項に規定する決議があつたときは、政府以外の株主の所有する株式は、前項の認可があつた時に会社が買い取つて消却したものとみなす。
4 前項の場合における株式一株の買取価額は、会社の純資産の額をその発行済株式の総数で除して得た額とする。
5 前項の会社の純資産の額の評価のため、外務省に、評価委員会を置く。
6 前項の評価委員会に関し必要な事項は、外務省令で定める。第四十一条第一項の規定は、この場合について準用する。
7 第二項の認可があつたときは、会社の一切の権利及び義務は、事業団の成立の時において事業団に承継されるものとし、会社は、その時において解散するものとする。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。
8 前項に規定する承継があつたときは、会社の解散の時までに政府の一般会計及び産業投資特別会計から会社に対して出資された額は、事業団の成立の時において、それぞれ政府の一般会計及び産業投資特別会計から事業団に対して出資されたものとする。
9 第七項の規定により会社が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(会社から承継する債務の保証)
第八条 政府は、附則第七条第七項の規定により事業団が会社から承継する債務のうち、日本海外移住振興株式会社法第十六条の規定により政府が手形を買い取る旨の契約をした外国銀行に対する会社の借入金に係る債務について、その承継の日において、事業団のために当該債務に係る手形を買い取る旨の契約をし、及び当該債務に係る利息債務について保証するものとする。
(区分経理)
第九条 附則第七条第七項の規定により事業団が会社の権利及び義務を承継した場合におけるその資産及び負債の経理については、これをその他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理するものとする。
2 前項の規定による経理の方法、勘定の処理その他区分経理に関し必要な事項については、政令で定める。
(非課税)
第十条 附則第六条第三項及び附則第七条第七項の規定により事業団が権利を承継する場合における当該承継に係る不動産の取得については、不動産取得税を課することができない。
(経過規定)
第十一条 この法律(附則第一条ただし書に係る部分を除く。以下この条において同じ。)の施行の際現に海外移住事業団という名称を使用している者については、第六条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第十二条 事業団の最初の事業年度は、第二十五条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十九年三月三十一日に終わるものとする。
第十三条 事業団の最初の事業年度の事業計画、予算及び資金計画については、第二十七条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「事業団の成立後遅滞なく」とする。
(日本海外移住振興株式会社法の廃止等)
第十四条 日本海外移住振興株式会社法は、廃止する。
2 前項の規定の施行前にした廃止前の日本海外移住振興株式会社法の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(地方財政再建促進特別措置法の一部改正)
第十五条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)の一部を次のように改正する。
第二十四条第二項中「雇用促進事業団」の下に「、海外移住事業団」を加える。
(租税特別措置法の一部改正)
第十六条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第八十四条第一項中「、日本海外移住振興株式会社」を削る。
(財団法人日本海外協会連合会に対する移住者渡航費貸付資金の貸付条件等に関する法律の一部改正)
第十七条 財団法人日本海外協会連合会に対する移住者渡航費貸付資金の貸付条件等に関する法律(昭和三十五年法律第四十六号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
海外移住事業団に対する移住者渡航費貸付条件に関する法律
第一条中「財団法人日本海外協会連合会」を「海外移住事業団」に、「連合会」を「事業団」に改め、同条の見出し及び条名を削る。
第二条を削る。
(登録税法の一部改正)
第十八条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「海外技術協力事業団」の下に「、海外移住事業団」を、「海外技術協力事業団法」の下に「、海外移住事業団法」を加える。
(印紙税法の一部改正)
第十九条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第九号ノ五ノ三の次に次の一号を加える。
九ノ五ノ四 海外移住事業団ノ発スル証書、帳簿
(所得税法の一部改正)
第二十条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第十号中「海外技術協力事業団」の下に「、海外移住事業団」を加える。
(法人税法の一部改正)
第二十一条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第四条第三号中「海外技術協力事業団」の下に「、海外移住事業団」を加える。
(地方税法の一部改正)
第二十二条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の四第一項第三号中「海外技術協力事業団」の下に「、海外移住事業団」を加える。
(行政管理庁設置法の一部改正)
第二十三条 行政管理庁設置法(昭和二十三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第十二号中「海外技術協力事業団」の下に「、海外移住事業団」を加える。
(外務省設置法の一部改正)
第二十四条 外務省設置法(昭和二十六年法律第二百八十三号)の一部を次のように改正する。
第十三条の二中第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。
四 海外移住事業団を監督すること。
(内閣総理・法務・外務・大蔵・自治大臣署名)