恩給法等の一部を改正する法律

法律第百二十四号(昭三三・五・一)

 (恩給法の一部改正)

第一条 恩給法(大正十二年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

 第五十八条ノ四第一項中「一割五分」を「二割」に、「二割」を「三割」に、「二割五分」を「四割」に、「三割」を「五割」に改める。

 第五十八条ノ五中「第六十五条第二項」の下に「乃至第六項」を加える。

 第六十五条第一項中「退職当時ノ俸給年額及」及びただし書を削り、同条に次の三項を加える。

  前項ノ規定ニ拘ラズ増加恩給ヲ受クル者ノ退職後出生シタル未成年ノ子ニシテ出生当時ヨリ引続キ増加恩給ヲ受クル者ニ依リ生計ヲ維持シ又ハ之ト生計ヲ共ニスルモノアルトキハ同項ノ未成年ノ子ト合シテ四人ヲ超エザル員数ヲ限リ之ヲ扶養家族トス

  前項ノ未成年ノ子ニ付テハ第二項ノ金額ハ二千四百円トス但シ其ノ中一人ニ付テハ第三項ノ未成年ノ子ナキトキニ限リ第二項ノ金額ニ依ル

  第一項ノ場合ニ於テ増加恩給ヲ受クル者ノ不具廃疾ノ程度特別項症乃至第二項症ニ該当スルトキハ二万四千円ヲ増加恩給ノ年額ニ加給ス

 第六十五条ノ二第一項中「退職当時ノ俸給年額及」を削り、同条第二項を削る。

  別表第二号表及び第三号表を次のように改める。

 第二号表

不具廃疾ノ程度

金額

特別項症

第一項症ノ金額ニ其ノ十分ノ五以内ノ金額ヲ加ヘタル金額

第一項症

一七一、〇〇〇円

第二項症

一三九、〇〇〇円

第三項症

一一一、〇〇〇円

第四項症

七七、〇〇〇円

第五項症

四三、〇〇〇円

第六項症

三二、〇〇〇円

 第三号表

傷病ノ程度

金額

第一款症

一六〇、〇〇〇円

第二款症

一二八、〇〇〇円

第三款症

一一二、〇〇〇円

第四款症

九六、〇〇〇円

第五款症

八〇、〇〇〇円


 (恩給法の一部を改正する法律の一部改正)

第二条 恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)の一部を次のように改正する。

  附則第五条第一項中「第六十五条ノ二(第三項を除く。)」を「第六十五条ノ二第一項」に改める。

  附則第十四条第三号中「百五十分の三・五」を「百五十分の四・五」に、「百五十分の二十五」を「百五十分の二十二」に改める。

  附則第十六条第二項中「退職当時の俸給年額及び」を削る。

  附則第十八条第一項中「この法律施行の日」の下に「(この法律施行後給与事由が生じたときは、その給与事由発生の日)」を、「この法律施行の際」の下に「(この法律施行後給与事由が生じたときは、その給与事由発生の際)」を加え、同条第二項中「百五十分の三・五」を「百五十分の四・五」に、「百五十分の二・五」を「百五十分の三・五」に改める。

  附則第二十二条第一項中「退職当時の俸給年額及び傷病の程度により定めた附則別表第四」を「傷病の程度により定めた附則別表第四」に、「退職当時の俸給年額及び傷病の程度により定めた附則別表第五」を「傷病の程度により定めた附則別表第五」に改め、同項及び同条第二項中「の規定により普通恩給」を「又は第二十四条の四の規定により普通恩給」に改め、同条第三項中「第六十五条ノ二第三項」を「第六十五条第二項及び第三項並びに第六十五条ノ二第三項」に、「附則第八条第五項」を「恩給法第六十五条第二項から第五項まで」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 第二十二条の二 恩給法第四十六条第三項の規定により、又は改正前の恩給法第四十六条第三項(改正前の恩給法第四十六条ノ二第二項の規定により準用される場合を含む。)の規定の例により、旧軍人、旧準軍人又は旧軍属に給する増加恩給又は傷病年金を給し、又は改定する場合においては、当該恩給の給与の始期は、これらの規定にかかわらず、恩給審査会の議決によりその議決をする月以前の月とすることができる。

  附則第二十三条第六項中「、「百五十分の三・五」とあるのは「百五十分の二・五(警察監獄職員にあつては、百五十分の三・五)」と読み替えるものとする」を「読み替えるものとし、同条第三号の規定により百五十分の五十から所要最短在職年数に不足する一年ごとに減ずる率は、警察監獄職員にあつては百五十分の三・五、その他の一般公務員にあつては百五十分の二・五とし、同号ただし書の率は、百五十分の二十五とする」に改める。

  附則第二十四条第一項中「ものを除く外」の下に「、昭和三十五年六月三十日までの間は」を加える。

  附則第二十四条の三中「在職年が」を「実在職年が」に改め、「ただし」の下に「、その年月数を拘禁前の公務員としての実在職年に加えたものが」を加える。

  附則第二十四条の三の次に次の一条を加える。

  (除算された実在職年の算入に伴う措置)

 第二十四条の四 附則第二十四条第一項又は第二十四条の二の規定により恩給の基礎在職年に算入されなかつた実在職年を算入することによつてその在職年が普通恩給についての最短恩給年限に達することとなる公務員又はその遺族については、昭和三十五年七月から普通恩給又は扶助料を給し、附則第二十四条第一項又は第二十四条の二の規定の適用を受けて計算された在職年を基礎とする普通恩給又は扶助料を受ける公務員又はその遺族については、同年七月分以降、これらの規定により恩給の基礎在職年に算入されなかつた実在職年を通算して、その年額を改定する。

 2 前項の規定は、次の各号に掲げる公務員又はその遺族については、適用しないものとする。

  一 旧勅令第六十八号施行後恩給法に規定する普通恩給を受ける権利を失うべき事由に該当した公務員

  二 旧勅令第六十八号施行後恩給法に規定する普通恩給を受ける権利を失うべき事由(死亡を除く。)に該当した公務員の遺族

  三 前号に掲げる者以外の公務員の遺族で、当該公務員の死亡後恩給法に規定する扶助料を受ける権利又は資格を失うべき事由に該当したもの

  四 前二号に掲げる者以外の公務員の子で、昭和三十五年七月一日前に成年に達したもの(不具廃疾で生活資料を得るみちのない子を除く。)

 3 第一項の規定により新たに普通恩給又は扶助料を給されることとなる者が、同一の公務員に係る一時恩給又は一時扶助料で昭和二十八年八月一日以後に給与事由の生じたものを受けた者である場合においては、当該普通恩給又は扶助料の年額は、当該一時恩給又は一時扶助料の金額(その者が二以上の一時恩給又は一若しくは二以上の一時恩給と一時扶助料を受けた者であるときは、その合算額とし、すでに国庫又は都道府県に返還されたものは、控除するものとする。以下本項において同じ。)の十五分の一に相当する金額をその年額から控除した額とする。ただし、当該一時恩給又は一時扶助料が国庫又は都道府県に返還された場合は、この限りでない。

  附則第二十五条に次の一項を加える。

 4 第一項及び第二項の規定は、前条の規定により普通恩給を給されるべき者について準用する。この場合において、これらの規定中「この法律」とあるのは、「前条の規定」と読み替えるものとする。

  附則第二十六条中「第二十三条」の下に「、第二十四条の四」を加える。

  附則第二十七条を次のように改める。

  (旧軍人又は旧準軍人の遺族に給する扶助料の年額)

 第二十七条 旧軍人又は旧準軍人の遺族に給する恩給法第七十五条第一項第二号又は第三号に規定する扶助料の年額は、同条同項第一号の規定による金額に退職当時の階級により定めた附則別表第三(イ)又は(ロ)の率を乗じた金額とする。

  附則第三十条第四項中「死亡が判明した日の属する月の翌月」を「死亡した日の属する月の翌月(旧軍人、旧準軍人又は旧軍属であつた未帰還公務員の遺族については、当該未帰還公務員の死亡した日が昭和二十八年四月前であるときは同月、その他の未帰還公務員の遺族については、当該未帰還公務員の死亡した日が同年八月前であるときは同月)」に改め、同条に次の一項を加える。

 6 第四項の規定により未帰還公務員の遺族に扶助料を給する場合において、当該未帰還公務員に関し、当該扶助料の支給が始められる月から当該未帰還公務員の死亡が判明した日の属する月までの分として、未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)による留守家族手当若しくは特別手当又は第二項及び第三項の規定による普通恩給が支給されたときは、その支給されたものの額を合算した額は、当該期間の分として支給する扶助料の額から、その額を限度として控除するものとする。

  附則第三十一条中「百五十分の三・五」を「百五十分の四・五」に、「百五十分の二・五」を「百五十分の三・五」に改める。

  附則別表第一から第五までを次のように改める。

附則別表第一

階級

仮定俸給年額

 

大将

七二六、〇〇〇

中将

五七三、六〇〇

少将

四三〇、八〇〇

大佐

三七五、一〇〇

中佐

三五六、六〇〇

少佐

二八六、二〇〇

大尉

二三六、三〇〇

中尉

一八一、九〇〇

少尉

一六〇、七〇〇

准士官

一三九、二〇〇

曹長又は上等兵曹

一一一、六〇〇

軍曹又は一等兵曹

一〇四、四〇〇

伍長又は二等兵曹

一〇〇、八〇〇

九〇、〇〇〇

備考 各階級は、これに相当するものを含むものとする。

附則別表第二

傷病の程度

金額

第一目症

四八、〇〇〇円

第二目症

三二、〇〇〇円

附則別表第三

 (イ) 恩給法第七十五条第一項第二号に規定する扶助料の場合

階級

大将

中将

少将

大佐

中佐

少佐

大尉

中尉

少尉

准士官

曹長

上等兵曹

軍曹

一等兵曹

伍長

二等兵曹

一七・〇〇

一九・〇〇

二〇・〇〇

二三・〇六

二八・七二

二〇・六七

三一・七四

三五・五〇

備考 各階級は、これに相当するものを含むものとする。

 (ロ) 恩給法第七十五条第一項第三号に規定する扶助料の場合

階級

大将

中将

少将

大佐

中佐

少佐

大尉

中尉

少尉

准士官

曹長

上等兵曹

軍曹

一等兵曹

伍長

二等兵曹

一二・八〇

一四・三〇

一五・〇〇

一五・五〇

一八・三一

一九・三〇

一九・八一

二一・三〇

備考 各階級は、これに相当するものを含むものとする。

附則別表第四

傷病の程度

年額

第七項症

二一、〇〇〇円

附則別表第五

傷病の程度

年額

第一款症

二二、〇〇〇円

第二款症

一九、〇〇〇円

第三款症

一七、〇〇〇円

第四款症

一四、〇〇〇円

 普通恩給を併給される者の傷病年金の年額は、この表の年額の十分の八に相当する金額とする。


 (昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律の一部改正)

第三条 昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律(昭和三十一年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。

  第二条中「及び扶助料を受ける子」を「並びに扶助料を受ける妻及び子」に改める。


 (旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律の一部改正)

第四条 旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律(昭和三十一年法律第百七十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第二項中「恩給法の規定により旧軍人等の遺族に給する恩給の金額を計算する場合におけるその計算の基礎となるべき俸給年額」を「退職当時の階級」に改める。

  別表を次のように改める。

別表

階級

大将

中将

少将

大佐

中佐

少佐

大尉

中尉

少尉

准士官

曹長

上等兵曹

軍曹

一等兵曹

伍長

二等兵曹

一〇・〇〇

一一・五〇

一三・五〇

一五・二九

一八・三一

一九・三〇

一九・八一

二一・三〇

備考 各階級は、これに相当するものを含むものとする。


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律中、次の各号に掲げる規定はそれぞれ当該各号に掲げる日から、その他の規定はこの法律の公布の日から施行する。

 一 第一条中恩給法第五十八条ノ四第一項、第五十八条ノ五、第六十五条及び別表第二号表の改正規定

   第二条中恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号。以下「法律第百五十五号」という。)附則第十四条第三号、附則第十八条第二項、附則第二十二条第一項中附則別表第四に係る部分、同条第三項、附則第二十七条及び附則第三十一条並びに附則別表第一、第三及び第四の改正規定

   第四条、附則第四条から附則第九条まで、附則第十一条、附則第十三条、附則第十五条、附則第十六条、附則第十九条、附則第二十条及び附則別表第一から第五まで

昭和三十三年十月一日

 二 第一条中恩給法第六十五条ノ二及び同法別表第三号表の改正規定

   第二条中法律第百五十五号附則第五条第一項、附則第十六条第二項、附則第二十二条第一項中附則別表第五に係る部分並びに附則別表第二及び第五の改正規定

   附則第十条及び附則第十二条              昭和三十四年七月一日

 三 第二条中法律第百五十五号附則第二十四条の三の改正規定

   第三条及び附則第十四条                昭和三十五年七月一日


 (臨時恩給等調査会設置法の廃止)

第二条 臨時恩給等調査会設置法(昭和三十二年法律第百二号)は、廃止する。


 (総理府設置法の一部改正)

第三条 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十五条第一項の表中臨時恩給等調査会の項を削る。


 (文官等の恩給年額の改定)

第四条 昭和二十八年十二月三十一日以前に退職し、又は死亡した公務員(法律第百五十五号附則第十条第一項に規定する旧軍人(以下「旧軍人」という。)を除く。)又は公務員に準ずる者(法律第百五十五号附則第十条第一項に規定する旧準軍人(以下「旧準軍人」という。)を除く。)に給する普通恩給については、昭和三十五年七月分以降、これらの者の遺族に給する扶助料のうち、恩給法第七十五条第一項第一号に規定する扶助料(以下「普通扶助料」という。)については同月分以降、その他の扶助料については昭和三十三年十月分以降、その年額を、次の各号に掲げる年額に改定する。ただし、その年額の計算の基礎となつている俸給年額が四十一万四千円をこえる普通恩給及び扶助料(以下「年金恩給」という。)については、この限りでない。

 一 第二号及び第三号に掲げる普通恩給及び扶助料以外の年金恩給については、その年額の計算の基礎となつている俸給年額にそれぞれ対応する附則別表第一の仮定俸給年額を退職又は死亡当時の俸給年額とみなして算出して得た年額

 二 昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律(昭和二十八年法律第百五十七号。以下「法律第百五十七号」という。)第一項第二号に掲げるもの又は特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の規定による俸給を受けた者で昭和二十七年十一月一日以後に退職し、若しくは死亡したもの若しくはその遺族に給する年金恩給については、その年額の計算の基礎となつている俸給年額にそれぞれ対応する附則別表第二の仮定俸給年額を退職又は死亡当時の俸給年額とみなして算出して得た年額

 三 法律第百五十七号第一項第三号に掲げるもの又は裁判官の報酬等に関する法律(昭和二十三年法律第七十五号)若しくは検察官の俸給等に関する法律(昭和二十三年法律第七十六号)の規定による俸給を受けた者で昭和二十七年十一月一日以後に退職し、若しくは死亡したもの若しくはその遺族に給する年金恩給については、その年額の計算の基礎となつている俸給年額にそれぞれ対応する附則別表第三の仮定俸給年額を退職又は死亡当時の俸給年額とみなして算出して得た年額

2 前項各号に掲げる年額を算出する場合においては、法律第百五十五号附則第十八条第二項又は同法附則第三十一条の規定による普通恩給については改正後のこれらの規定を適用し、同法附則第二十三条の普通恩給については改正後の同法附則第三十一条の規定を準用し、扶助料については恩給法第七十五条の規定を適用して算出するものとする。ただし、その年額の計算の基礎となつている俸給年額に対応する仮定俸給年額が十五万七千二百円をこえる扶助料については、同条の規定にかかわらず、同条第一項第二号又は第三号に規定する率は、附則別表第四又は第五の率によるものとする。

3 第一項の場合において、改定年額が改定前の年額に達しないときは、改定前の年額をもつて改定年額とする。

第五条 前条の規定により、昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた法律第百五十五号による改正前の恩給法第七十五条第一項第二号から第四号までに規定する扶助料で、その年額の計算の基礎となつている俸給年額が七万九千八百円未満のものの年額を改定する場合においては、当該俸給年額は、七万九千八百円とみなす。

第六条 附則第四条第一項中「昭和三十五年七月分以降」とあるのは、普通恩給又は普通扶助料を受ける者(旧軍人及び旧準軍人並びにこれらの者の遺族を除く。)で、昭和三十三年十月一日において六十五歳に満ちているものについては「昭和三十三年十月分以降」と、同日後昭和三十五年五月三十一日までの間に六十五歳に満ちるものについては「六十五歳に満ちた日の属する月の翌月分以降」と読み替えて、同条の規定を適用するものとする。この場合において、普通扶助料を受ける者が二人あり、かつ、その二人が普通扶助料を受けているときは、そのうちの年長者が六十五歳に満ちた月をもつて、その二人が六十五歳に満ちた月とみなす。

2 前項の規定により年額を改定された普通恩給及び普通扶助料は、昭和三十五年六月分まで、改定年額と改定前の年額との差額の十分の五を停止する。

第七条 附則第四条の規定により年額を改定された年金恩給を受ける者(増加恩給又は傷病年金と併給される普通恩給を受ける者並びに扶助料を受ける妻及び子を除く。)については、その者が六十歳に満ちる月までは、改定年額と改定前の年額との差額を停止する。この場合において、扶助料を受ける者が二人あり、かつ、その二人が扶助料を受けているときは、そのうちの年長者が六十歳に満ちる月をもつて、その二人が六十歳に満ちる月とみなす。

第八条 附則第四条の規定により年額を改定された普通扶助料以外の扶助料は、昭和三十五年六月分まで、改定年額と改定前の年額との差額の十分の五を停止する。


 (公務傷病恩給年額の改定等)

第九条 恩給法第六十五条の改正規定の施行の際現に増加恩給(第七項症の増加恩給を除く。)を受けている者については、昭和三十三年十月分以降、その年額(同法第六十五条第二項の規定による加給年額を除く。)を、改正後の同法別表第二号表による年額に改定する。ただし、改正後の同法別表第二号表による年額が従前の年額に達しない者については、この改定を行わない。

2 昭和三十三年十月一日前に給与事由の生じた増加恩給(第七項症の増加恩給を除く。)の同年九月分までの年額の計算については、同日以後も、なお従前の例による。

3 改正後の恩給法第六十五条第六項の規定による加給は昭和三十三年十月分から、改正後の同条第四項及び第五項(法律第百五十五号附則第二十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定による加給は昭和三十四年一月分から行う。

第十条 昭和三十四年七月一日前に給与事由の生じた傷病賜金の金額の計算については、同日以後も、なお従前の例による。

第十一条 第二条中法律第百五十五号附則第二十二条第一項中同法附則別表第四に係る部分の改正規定の施行の際現に第七項症の増加恩給を受けている者については、昭和三十三年十月分以降、その年額(同法による改正前の恩給法第六十五条第二項の規定の例による加給年額を除く。)を、改正後の法律第百五十五号附則別表第四の年額に改定する。ただし、改正後の同法附則別表第四の年額が従前の年額に達しない者については、この改定を行わない。

2 昭和三十三年十月一日前に給与事由の生じた第七項症の増加恩給の同年九月分までの年額の計算については、同日以後も、なお従前の例による。

第十二条 第二条中法律第百五十五号附則第二十二条第一項中同法附則別表第五に係る部分の改正規定の施行の際現に傷病年金を受けている者については、昭和三十四年七月分以降、その年額を、改正後の同法附則別表第五の年額に改定する。ただし、改正後の同法附則別表第五の年額が従前の年額(同法による改正前の恩給法第六十五条ノ二第三項の規定の例による加給年額を含む。)に達しない者については、この改定を行わない。

2 昭和三十四年七月一日前に給与事由の生じた傷病年金の同年六月分までの年額の計算については、同日以後も、なお従前の例による。


 (旧軍人等の恩給年額の改定)

第十三条 旧軍人若しくは旧準軍人又はこれらの者の遺族として普通恩給又は普通扶助料を受ける者については、昭和三十五年七月分以降、その年額を、改正後の法律第百五十五号附則別表第一の仮定俸給年額を退職又は死亡当時の俸給年額とみなし、改正後の同法附則第十四条の規定を適用して算出して得た年額に改定する。ただし、その年額の計算の基礎となつている仮定俸給年額が四十三万八百円以上の普通恩給又は普通扶助料を受ける者については、この限りでない。

2 旧軍人又は旧準軍人の遺族として恩給法第七十五条第一項第二号又は第三号に規定する扶助料を受ける者については、昭和三十三年十月分以降、その年額を、改正後の法律第百五十五号附則第二十七条の規定により算出して得た年額に改定する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

3 附則第四条第三項及び附則第七条の規定は前二項の規定による恩給年額の改定の場合に、附則第六条の規定は第一項の規定による恩給年額の改定の場合に、附則第八条の規定は前項の規定による恩給年額の改定の場合に準用する。

第十四条 法律第百五十五号附則第二十四条の三の改正規定の施行に伴い改定されるべき年金たる恩給の給与は、昭和三十五年七月から始めるものとする。

第十五条 第四条の規定の施行の際現に旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律の規定により扶助料を受けている者については、昭和三十三年十月分以降、その年額を、改正後の同法第三条第二項の規定により計算して得た年額に改定する。この場合においては、附則第四条第三項、附則第七条、附則第八条及び附則第十三条第一項ただし書の規定を準用する。


 (みなして改定する場合)

第十六条 昭和二十八年十二月三十一日以前に退職し、若しくは死亡した公務員若しくは準公務員又はこれらの者の遺族が昭和三十三年十月一日以後に新たに普通恩給又は扶助料を給されることとなる場合においては、その普通恩給又は扶助料を受ける者は、同年八月三十一日にその給与事由が生じていたとしたならば受けるべきであつた普通恩給又は扶助料を受けていたものとみなし、附則第四条、附則第六条から第八条まで及び附則第十三条の規定を適用するものとする。


 (職権改定)

第十七条 この法律の附則(附則第十四条及び前条を除く。)の規定による恩給年額の改定は、裁定庁が受給者の請求を待たずに行う。


 (恩給年額の改定の場合の端数計算)

第十八条 改正後の法律第百五十五号附則第二十四条の四又はこの法律の附則の規定により恩給年額を改定する場合において、これらの規定により算出して得た恩給年額に百円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てた金額をもつてこれらの規定による改定年額とする。ただし、その端数を切り捨てた金額が改定前の年額を下ることとなるときは、この限りでない。

 (普通恩給及び普通扶助料の年額の計算の特例)

第十九条 昭和三十三年十月一日から昭和三十五年六月三十日までの間は、附則第六条(附則第十三条第三項で準用する場合を含む。)の規定により年額を改定される普通恩給及び普通扶助料を除きその他の普通恩給及び普通扶助料の年額の計算については、改正後の法律第百五十五号附則第十四条第三号、同法附則第十八条第二項又は同法附則第三十一条の規定にかかわらず、改正前のこれらの規定の例による。

 (多額所得による恩給停止)

第二十条 昭和三十三年十月一日前に給与事由の生じた普通恩給については、改正後の恩給法第五十八条ノ四第一項の規定にかかわらず、改正前の同項の規定の例による。

 (改正後の法律第百五十五号附則第三十条の適用)

第二十一条 改正後の法律第百五十五号附則第三十条の規定は、この法律の公布の日前に未帰還公務員の死亡が判明した場合にも、適用する。

 (昭和二十年九月二日前に国外で死亡した公務員に係る扶助料の調整)

第二十二条 未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)第二条に規定する未帰還者であつて法律第百五十五号附則第三十条第一項に規定する未帰還公務員でない公務員の死亡がこの法律の公布の日以後に判明した場合においては、当該公務員に関し、昭和二十二年七月分以降(旧軍人、旧準軍人及び法律第百五十五号附則第十条第一項に規定する旧軍属に関しては、昭和二十八年四月分以降)その死亡が判明した日の属する月までの分として支給された旧未復員者給与法(昭和二十二年法律第百八十二号)並びに旧官吏俸給令(昭和二十一年勅令第百九十二号)、旧政府職員の新給与実施に関する法律(昭和二十三年法律第四十六号)及び一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の規定による俸給及び扶養手当(他の法令によるこれに相当する給与を含む。)並びに未帰還者留守家族等援護法の規定による留守家族手当及び特別手当の額は、当該公務員に関しその死亡が判明した日までに給与されるべきであつた扶助料の内払とみなす。

附則別表第一

恩給年額計算の基礎となつている俸給年額

仮定俸給年額

六四、八〇〇

七〇、八〇〇

六六、六〇〇

七二、六〇〇

六八、四〇〇

七四、四〇〇

七〇、二〇〇

七六、八〇〇

七二、〇〇〇

七九、二〇〇

七四、四〇〇

八二、八〇〇

七六、八〇〇

八六、四〇〇

七九、八〇〇

九〇、〇〇〇

八二、八〇〇

九三、六〇〇

八五、八〇〇

九七、二〇〇

八八、八〇〇

一〇〇、八〇〇

九一、八〇〇

一〇四、四〇〇

九四、八〇〇

一〇八、〇〇〇

九七、八〇〇

一一一、六〇〇

一〇〇、八〇〇

一一五、二〇〇

一〇三、八〇〇

一二〇、〇〇〇

一〇七、四〇〇

一二四、八〇〇

一一一、〇〇〇

一二九、六〇〇

一一四、六〇〇

一三四、四〇〇

一一八、二〇〇

一三九、二〇〇

一二三、〇〇〇

一四五、二〇〇

一二七、八〇〇

一五一、二〇〇

一三三、二〇〇

一五七、二〇〇

一三八、六〇〇

一六〇、七〇〇

一四四、〇〇〇

一六六、七〇〇

一四九、四〇〇

一七二、六〇〇

一五四、八〇〇

一七八、六〇〇

一六〇、八〇〇

一八一、九〇〇

一六八、〇〇〇

一九〇、一〇〇

一七五、二〇〇

一九八、二〇〇

一八二、四〇〇

二〇六、四〇〇

一八九、六〇〇

二一四、六〇〇

一九六、八〇〇

二二二、七〇〇

二〇五、二〇〇

二三一、一〇〇

二一三、六〇〇

二三六、三〇〇

二二二、〇〇〇

二四四、七〇〇

二三〇、四〇〇

二五三、九〇〇

二四〇、〇〇〇

二六三、五〇〇

二四九、六〇〇

二七三、一〇〇

二五九、二〇〇

二八二、七〇〇

二六八、八〇〇

二八六、二〇〇

二七九、六〇〇

二九七、〇〇〇

二九〇、四〇〇

三〇九、〇〇〇

三〇一、二〇〇

三二一、〇〇〇

三一四、四〇〇

三三四、二〇〇

三二七、六〇〇

三四七、四〇〇

三四〇、八〇〇

三五六、六〇〇

三五四、〇〇〇

三六九、八〇〇

三六七、二〇〇

三七五、一〇〇

三八二、八〇〇

三九一、〇〇〇

三九八、四〇〇

四〇六、八〇〇

四一四、〇〇〇

四二二、六〇〇

 恩給年額の計算の基礎となつている俸給年額がこの表に記載された額に合致しないものについては、その直近多額の俸給年額に対応する仮定俸給年額による。ただし、恩給年額の計算の基礎となつている俸給年額が六四、八〇〇円未満の場合においては、その年額の千分の千九十二倍に相当する金額(一円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を仮定俸給年額とする。

附則別表第二

恩給年額計算の基礎となつている俸給年額

仮定俸給年額

 

二〇四、〇〇〇

二二八、〇〇〇

二四〇、〇〇〇

二六九、四〇〇

二八八、〇〇〇

三〇九、〇〇〇

三三六、〇〇〇

三五七、〇〇〇

三八四、〇〇〇

三九二、四〇〇

 恩給年額の計算の基礎となつている俸給年額が二〇四、〇〇〇円未満の場合においては、附則別表第一の例による。

附則別表第三

恩給年額計算の基礎となつている俸給年額

仮定俸給年額

一三八、六〇〇

一六〇、七〇〇

一四九、四〇〇

一七二、六〇〇

一六〇、八〇〇

一八一、九〇〇

一七五、二〇〇

一九八、二〇〇

一八二、四〇〇

二〇六、四〇〇

二〇五、二〇〇

二三一、一〇〇

二三〇、四〇〇

二五三、九〇〇

二五九、二〇〇

二八二、七〇〇

二七九、六〇〇

二九七、〇〇〇

三〇一、二〇〇

三二一、〇〇〇

三四〇、八〇〇

三五六、六〇〇

三八二、八〇〇

三九一、〇〇〇

四一四、〇〇〇

四二二、六〇〇

 恩給年額の計算の基礎となつている俸給年額が一三八、六〇〇円未満の場合においては、附則別表第一の例による。

附則別表第四

仮定俸給年額

四二二、六〇〇円

一八・五割

二七三、一〇〇円以上

四〇六、八〇〇円以下

一九・〇割。ただし、仮定俸給年額が二七三、一〇〇円以上二八二、七〇〇円以下のものにあつては、二八六、二〇〇円を仮定俸給年額とみなして、この割合による。

一六〇、七〇〇円以上

二六九、四〇〇円以下

二〇・〇割

附則別表第五

仮定俸給年額

四二二、六〇〇円

一三・九割

二七三、一〇〇円以上

四〇六、八〇〇円以下

一四・三割。ただし、仮定俸給年額が二七三、一〇〇円以上二八二、七〇〇円以下のものにあつては、二八六、二〇〇円を仮定俸給年額とみなして、この割合による。

一六〇、七〇〇円以上

二六九、四〇〇円以下

一五・〇割

(内閣総理・法務・が生む・大蔵・文部・厚生・農林・通商産業・運輸・郵政・労働・建設大臣署名) 

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