歯科衛生士法の一部を改正する法律

法律第百六十七号(昭三〇・八・一六)

 歯科衛生士法(昭和二十三年法律第二百四号)の一部を次のように改正する。

 第二条中「含む。」の下に「以下同じ。」を加え、「者」を「女子」に改め、同条に次の一項を加える。

2 歯科衛生士は、保健婦助産婦看護婦法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、歯科診療の補助をなすことを業とすることができる。

 第五条第二号中「業務」の下に「(歯科診療の補助の業務を含む。)」を加える。

 第八条第二項中「業務」の下に「(歯科診療の補助の業務を含む。)」を加える。

 第十一条第三項中「歯科医師国家試験委員」を「歯科医師試験審議会の委員」に改める。

 第十二条の次に次の二条を加える。

第十二条の二 歯科医師試験審議会の委員その他試験に関する事務をつかさどる者は、その事務の施行に当つて厳正を保持し、不正の行為がないようにしなければならない。

第十二条の三 試験に関して不正の行為があつた場合には、その不正の行為に関係のある者について、その受験を停止させ、又はその試験を無効とすることができる。この場合においては、なお、その者について期間を定めて試験を受けることを許さないことができる。

 第十三条中「第二条」を「第二条第一項」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第十三条の二 歯科衛生士は、歯科診療の補助をなすに当つては、主治の歯科医師の指示があつた場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、又は医薬品について指示をなし、その他歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をすることは、さしつかえない。

 第十六条を次のように改める。

第十六条 次の各号の一に該当する者は、六箇月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。

 一 第八条第二項の規定による業務の停止命令に違反した者

 二 第十二条の二の規定に違反して、故意若しくは重大な過失により事前に試験問題を漏らし、又は故意に不正の採点をした者

 三 第十三条の二の規定に違反した者

 附則を附則第一項とし、同項の次に次の一項を加える。

2 第二条に規定する業務を行う男子については、この法律の規定を準用する。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (経過規定)

2 新法第八条第二項の規定は、歯科衛生士が歯科診療の補助に関しこの法律の施行前に行つた犯罪又は不正の行為についても、適用する。

3 この法律の施行前歯科衛生士である間に歯科診療の補助に関し保健婦助産婦看護婦法第三十一条第一項又は第三十二条の違反行為をした者の処罰については、その者がその間に歯科診療の補助に関し同法第三十七条本文に規定する行為をしたものである場合に限り、この法律の施行後も、なお従前の例による。ただし、同法第三十七条本文に規定する行為をするに際して主治の歯科医師又は医師の指示を受けたものであるとき、又は臨時応急の手当としてその行為をしたものであるときは、この限りでない。

4 前項の場合においては、その刑は、同項の規定にかかわらず、六箇月以下の懲役又は五千円以下の罰金とする。

(厚生・内閣総理大臣署名) 

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