刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律

法律第五十八号(平一八・六・八)

 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)の一部を次のように改正する。

 題名を次のように改める。

   刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律

 目次を次のように改める。

目次

 第一編 総則

  第一章 通則(第一条・第二条)

  第二章 刑事施設(第三条―第十三条)

  第三章 留置施設(第十四条―第二十四条)

  第四章 海上保安留置施設(第二十五条―第二十九条)

 第二編 被収容者等の処遇

  第一章 処遇の原則(第三十条―第三十二条)

  第二章 刑事施設における被収容者の処遇

   第一節 収容の開始(第三十三条・第三十四条)

   第二節 処遇の態様(第三十五条―第三十七条)

   第三節 起居動作の時間帯等(第三十八条・第三十九条)

   第四節 物品の貸与等及び自弁(第四十条―第四十三条)

   第五節 金品の取扱い(第四十四条―第五十五条)

   第六節 保健衛生及び医療(第五十六条―第六十六条)

   第七節 宗教上の行為等(第六十七条・第六十八条)

   第八節 書籍等の閲覧(第六十九条―第七十二条)

   第九節 規律及び秩序の維持(第七十三条―第八十三条)

   第十節 矯正処遇の実施等

    第一款 通則(第八十四条―第九十一条)

    第二款 作業(第九十二条―第百二条)

    第三款 各種指導(第百三条―第百五条)

    第四款 外出及び外泊(第百六条―第百八条)

    第五款 未決拘禁者としての地位を有する受刑者(第百九条)

   第十一節 外部交通

    第一款 受刑者についての留意事項(第百十条)

    第二款 面会

     第一目 受刑者(第百十一条―第百十四条)

     第二目 未決拘禁者(第百十五条―第百十八条)

     第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者(第百十九条)

     第四目 死刑確定者(第百二十条―第百二十二条)

     第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者(第百二十三条)

     第六目 各種被収容者(第百二十四条・第百二十五条)

    第三款 信書の発受

     第一目 受刑者(第百二十六条―第百三十三条)

     第二目 未決拘禁者(第百三十四条―第百三十六条)

     第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者(第百三十七条・第百三十八条)

     第四目 死刑確定者(第百三十九条―第百四十一条)

     第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者(第百四十二条)

     第六目 各種被収容者(第百四十三条・第百四十四条)

    第四款 被告人又は被疑者である被収容者の面会及び信書の発受(第百四十五条)

    第五款 電話等による通信(第百四十六条・第百四十七条)

    第六款 外国語による面会等(第百四十八条)

   第十二節 賞罰(第百四十九条―第百五十六条)

   第十三節 不服申立て

    第一款 審査の申請及び再審査の申請(第百五十七条―第百六十二条)

    第二款 事実の申告(第百六十三条―第百六十五条)

    第三款 苦情の申出(第百六十六条―第百六十八条)

    第四款 雑則(第百六十九条・第百七十条)

   第十四節 釈放(第百七十一条―第百七十五条)

   第十五節 死亡(第百七十六条・第百七十七条)

   第十六節 死刑の執行(第百七十八条・第百七十九条)

  第三章 留置施設における被留置者の処遇

   第一節 留置の開始(第百八十条・第百八十一条)

   第二節 処遇の態様等(第百八十二条・第百八十三条)

   第三節 起居動作の時間帯等(第百八十四条・第百八十五条)

   第四節 物品の貸与等及び自弁(第百八十六条―第百九十条)

   第五節 金品の取扱い(第百九十一条―第百九十八条)

   第六節 保健衛生及び医療(第百九十九条―第二百四条)

   第七節 宗教上の行為(第二百五条)

   第八節 書籍等の閲覧(第二百六条―第二百九条)

   第九節 規律及び秩序の維持(第二百十条―第二百十五条)

   第十節 外部交通

    第一款 面会(第二百十六条―第二百二十条)

    第二款 信書の発受(第二百二十一条―第二百二十七条)

    第三款 外国語による面会等(第二百二十八条)

   第十一節 不服申立て

    第一款 審査の申請及び再審査の申請(第二百二十九条・第二百三十条)

    第二款 事実の申告(第二百三十一条・第二百三十二条)

    第三款 苦情の申出(第二百三十三条―第二百三十五条)

    第四款 雑則(第二百三十六条・第二百三十七条)

   第十二節 釈放(第二百三十八条)

   第十三節 死亡(第二百三十九条)

   第十四節 法務大臣との協議(第二百四十条)

  第四章 海上保安留置施設における海上保安被留置者の処遇

   第一節 留置の開始(第二百四十一条・第二百四十二条)

   第二節 処遇の態様(第二百四十三条)

   第三節 起居動作の時間帯(第二百四十四条)

   第四節 物品の貸与等及び自弁(第二百四十五条)

   第五節 金品の取扱い(第二百四十六条―第二百五十三条)

   第六節 保健衛生及び医療(第二百五十四条―第二百五十六条)

   第七節 宗教上の行為(第二百五十七条)

   第八節 書籍等の閲覧(第二百五十八条―第二百六十条)

   第九節 規律及び秩序の維持(第二百六十一条―第二百六十四条)

   第十節 外部交通

    第一款 面会(第二百六十五条―第二百六十八条)

    第二款 信書の発受(第二百六十九条―第二百七十三条)

    第三款 外国語による面会等(第二百七十四条)

   第十一節 不服申立て

    第一款 審査の申請及び再審査の申請(第二百七十五条・第二百七十六条)

    第二款 事実の申告(第二百七十七条・第二百七十八条)

    第三款 苦情の申出(第二百七十九条―第二百八十一条)

    第四款 雑則(第二百八十二条・第二百八十三条)

   第十二節 釈放(第二百八十四条)

   第十三節 死亡(第二百八十五条)

 第三編 補則

  第一章 代替収容の場合における刑事訴訟法等の適用(第二百八十六条)

  第二章 労役場及び監置場(第二百八十七条―第二百八十九条)

  第三章 司法警察職員(第二百九十条)

  第四章 条約の効力(第二百九十一条)

  第五章 罰則(第二百九十二条・第二百九十三条)

 附則

 第一編中第一条の前に次の章名を付する。

   第一章 通則

 第一条中「刑事施設」を「刑事収容施設(刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設をいう。)」に、「受刑者等」を「被収容者、被留置者及び海上保安被留置者」に、「その者」を「これらの者」に改める。

 第二条を次のように改める。

 (定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 一 被収容者 刑事施設に収容されている者をいう。

 二 被留置者 留置施設に留置されている者をいう。

 三 海上保安被留置者 海上保安留置施設に留置されている者をいう。

 四 受刑者 懲役受刑者、禁錮受刑者又は拘留受刑者をいう。

 五 懲役受刑者 懲役の刑(国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第十六条第一項第一号の共助刑を含む。以下同じ。)の執行のため拘置されている者をいう。

 六 禁錮受刑者 禁錮の刑(国際受刑者移送法第十六条第一項第二号の共助刑を含む。以下同じ。)の執行のため拘置されている者をいう。

 七 拘留受刑者 拘留の刑の執行のため拘置されている者をいう。

 八 未決拘禁者 被逮捕者、被勾留者その他未決の者として拘禁されている者をいう。

 九 被逮捕者 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により逮捕されて留置されている者をいう。

 十 被勾留者 刑事訴訟法の規定により勾留されている者をいう。

 十一 死刑確定者 死刑の言渡しを受けて拘置されている者をいう。

 十二 各種被収容者 被収容者であって、受刑者、未決拘禁者及び死刑確定者以外のものをいう。

 第二条の次に次の章名を付する。

   第二章 刑事施設

 第三条を次のように改める。

 (刑事施設)

第三条 刑事施設は、次に掲げる者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。

 一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者

 二 刑事訴訟法の規定により、逮捕された者であって、留置されるもの

 三 刑事訴訟法の規定により勾留される者

 四 死刑の言渡しを受けて拘置される者

 五 前各号に掲げる者のほか、法令の規定により刑事施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者

 第四条第一項第二号を次のように改める。

 二 受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者としての地位を有する受刑者、死刑確定者及び各種被収容者の別

 第四条第二項中「第七十一条又は第七十二条」を「第九十二条又は第九十三条」に改め、同条第三項中「以下」を「次編第二章において」に改める。

 第七条第一項中「以下」の下に「この章において」を加える。

 第九条第四項中「第九十四条及び刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号)第五十条」を「第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条」に改める。

 第百五十二条第一項中「第六十条第二項(第百四十三条」を「第八十三条第二項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項」に、「受刑者又は労役場留置者が、第六十条第三項(第百四十三条」を「被収容者(刑法第九十七条に規定する者に該当するものに限る。)、労役場留置者又は監置場留置者が、第八十三条第三項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項」に改め、同条第二項中「受刑者」を「刑事施設に収容されている受刑者」に改め、同項第二号中「第八十五条第一項」を「第百六条第一項」に改め、同条に次の一項を加える。

3 第二百十五条第二項の規定により解放された被留置者(刑法第九十七条に規定する者に該当するものに限る。)が、第二百十五条第三項の規定に違反して留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。

 第三編第五章中第百五十二条を第二百九十三条とし、同条の前に次の一条を加える。

第二百九十二条 第二十一条第五項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 第三編第四章を次のように改める。

   第四章 条約の効力

第二百九十一条 この法律に規定する面会及び信書の発受に関する事項について条約に別段の定めがあるときは、その規定による。

 第三編第三章中第百四十五条を第二百九十条とする。

 第百四十三条の見出しを「(労役場留置者の処遇)」に改め、同条中「については、この法律に特別の定めがあるもののほか」を「の処遇については」に、「この法律中」を「前編第二章中」に改め、第三編第二章中同条を第二百八十八条とし、同条の次に次の一条を加える。

 (被監置者の処遇)

第二百八十九条 監置場に留置されている者(以下「監置場留置者」という。)の処遇については、前編第二章(第四十一条第二項並びに第十一節第二款第六目及び第三款第六目を除く。)中の各種被収容者に関する規定を準用する。

2 監置場留置者の自弁の物品の使用及び摂取については、第四十一条の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)」とあるのは「(衣類、日用品及び文房具並びに次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と、同条第二項中「前項各号に掲げる物品及び寝具」とあるのは「衣類、日用品及び文房具(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と読み替えるものとする。

3 監置場留置者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第一目及び第三款第一目の規定を準用する。

4 監置場留置者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第三目及び第三款第三目の規定を準用する。

5 監置の裁判の執行のため第二百八十七条第二項の規定により刑事施設に留置されている者については、第四十一条第二項並びに前編第二章第十一節第二款第六目及び第三款第六目の規定にかかわらず、前三項の規定を準用する。

6 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の被留置受刑者に関する規定を準用する。

7 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の未決拘禁者としての地位を有する被留置受刑者に関する規定を準用する。

 第百四十二条第四項中「委員会」を「刑事施設視察委員会」に改め、同条を第二百八十七条とする。

 第三編第一章を次のように改める。

   第一章 代替収容の場合における刑事訴訟法等の適用

第二百八十六条 第十五条第一項の規定により留置施設に留置される者については、留置施設を刑事施設と、留置業務管理者を刑事施設の長と、留置担当官を刑事施設職員とみなして、刑事訴訟法第六十四条第一項、第六十五条第三項、第七十条第二項、第七十三条第二項、第七十八条、第八十条後段、第九十八条第一項及び第二項、第二百八十六条の二、第三百六十六条、第三百六十七条並びに第四百八十一条第二項、犯罪者予防更生法第二十八条前段、第二十九条から第三十二条まで、第四十八条第二項から第四項まで、第四十八条の三第二項及び第三項、第五十条、第五十二条、第五十四条第二項、第五十五条の二第三項並びに第五十七条第二項並びに民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二条第三項の規定を適用する。

 第二編の編名及び同編第一章の章名を次のように改める。

  第二編 被収容者等の処遇

   第一章 処遇の原則

 第二編第二章から第八章まで(第十五条第一項、第十八条、第二十三条第一項第二号、第二十七条、第三十五条、第三十七条及び第五十三条を除く。)及び第十一章から第十四章まで(第百五条第二項、第百六条第一項第六号、第百七条第二項、第百九条第三項及び第百二十六条を除く。)の規定中「受刑者」を「被収容者」に改める。

 第二編第十五章及び第十六章を削る。

 第二編第二章から第九章までの章名、同章第一節から第四節までの節名、同編第十章の章名、同章第一節から第五節までの節名、同編第十一章及び第十二章の章名、同章第一節から第四節までの節名並びに同編第十三章及び第十四章の章名を削る。

 第二編中第百三十条を第百七十七条とし、同条の次に次の一節及び二章を加える。

    第十六節 死刑の執行

 (死刑の執行)

第百七十八条 死刑は、刑事施設内の刑場において執行する。

2 日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日及び十二月二十九日から十二月三十一日までの日には、死刑を執行しない。

 (解縄)

第百七十九条 死刑を執行するときは、絞首された者の死亡を確認してから五分を経過した後に絞縄を解くものとする。

   第三章 留置施設における被留置者の処遇

    第一節 留置の開始

 (留置開始時の告知)

第百八十条 留置業務管理者は、被留置者に対し、その留置施設における留置の開始に際し、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。その留置施設に留置されている被留置者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。

 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項

 二 第百九十五条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項

 三 保健衛生及び医療に関する事項

 四 宗教上の行為に関する事項

 五 書籍等の閲覧に関する事項

 六 第二百十一条第一項に規定する遵守事項

 七 面会及び信書の発受に関する事項

 八 審査の申請を行うことができる措置、審査庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項

 九 第二百三十一条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項

 十 苦情の申出に関する事項

2 前項の規定による告知は、内閣府令で定めるところにより、書面で行う。

 (識別のための身体検査)

第百八十一条 留置担当官は、被留置者について、その留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。その後必要が生じたときも、同様とする。

2 女子の被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の留置担当官がこれを行わなければならない。ただし、女子の留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の留置担当官が留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。

    第二節 処遇の態様等

 (処遇の態様)

第百八十二条 被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の内閣府令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百十二条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。

2 未決拘禁者(留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。

3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。

 (留置施設における矯正処遇)

第百八十三条 留置施設においては、受刑者としての地位を有する被留置者(以下この章において「被留置受刑者」という。)について、矯正処遇は行わない。

    第三節 起居動作の時間帯等

 (起居動作の時間帯)

第百八十四条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを被留置者に告知するものとする。

 (活動の援助)

第百八十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者に対し、知的、教育的及び娯楽的活動その他の活動について、援助を与えるように努めなければならない。

    第四節 物品の貸与等及び自弁

 (物品の貸与等)

第百八十六条 被留置者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、留置施設における日常生活に必要なもの(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。

 一 衣類及び寝具

 二 食事及び湯茶

 三 日用品、筆記具その他の物品

2 被留置者には、前項に定めるもののほか、内閣府令で定めるところにより、必要に応じ、留置施設における日常生活に用いる物品(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜好品を支給することができる。

 (自弁の物品の使用等)

第百八十七条 留置業務管理者は、被留置者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。

 一 衣類

 二 食料品及び飲料

 三 嗜好品

 四 日用品、文房具その他の留置施設における日常生活に用いる物品

 (補正器具等の自弁等)

第百八十八条 被留置者には、次に掲げる物品については、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。

 一 眼鏡その他の補正器具

 二 信書を発するのに必要な封筒その他の物品

 三 その他内閣府令で定める物品

2 前項各号に掲げる物品について、被留置者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。

 (物品の貸与等の基準)

第百八十九条 第百八十六条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被留置者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被留置者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。

 (反則行為があった場合の自弁の物品に関する措置)

第百九十条 留置業務管理者は、被留置者が次に掲げる行為(第二百八条第一項において「反則行為」という。)を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、第百八十七条第三号に掲げる物品について、三日を超えない期間に限り、自弁のものの摂取を許さないことができる。

 一 犯罪行為

 二 他人に対する粗野若しくは乱暴な言動又は他人に対し迷惑を及ぼす行為

 三 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為

 四 留置施設の安全を害するおそれのある行為

 五 留置施設内の衛生を害する行為

2 第百五十条第二項及び第三項、第百五十三条、第百五十四条第一項から第三項まで、第百五十五条並びに第百五十六条第一項の規定は、留置業務管理者による被留置者に対する前項の措置について準用する。この場合において、第百五十条第二項中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第百五十三条中「刑事施設の規律」とあるのは「留置施設の規律」と、「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第百五十四条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第三項中「第三十四条第二項」とあるのは「第百八十一条第二項」と、第百五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、「刑事施設の職員」とあるのは「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。

3 第一項の措置は、いやしくも都道府県警察がする捜査の目的のためにこれを用いてはならない。

    第五節 金品の取扱い

 (金品の検査)

第百九十一条 留置業務に従事する職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。

 一 被留置者が留置される際に所持する現金及び物品

 二 被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(留置業務管理者から支給された物品を除く。)

 三 被留置者に交付するため当該被留置者以外の者が留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品

 (留置時の所持物品等の処分)

第百九十二条 留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。

 一 保管に不便なものであるとき。

 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。

 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。

2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。

 (差入物の引取り等)

第百九十三条 留置業務管理者は、第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。

 一 被留置者に交付することにより、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。

 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。

 三 交付の相手方が被留置受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その被留置受刑者に交付することにより、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。

 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。

 五 自弁物品等以外の物品であるとき。

 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。

2 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。

3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、その留置施設の属する都道府県に帰属する。

4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。ただし、売却できないものは、廃棄することができる。

5 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、留置業務管理者は、被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。

6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。

7 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。

 (物品の引渡し及び領置)

第百九十四条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、被留置者に引き渡す。

 一 第百九十一条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第百九十二条第一項各号のいずれにも該当しないもの

 二 第百九十一条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。)

2 次に掲げる金品は、留置業務管理者が領置する。

 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの

 二 第百九十一条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第三号又は第四号のいずれにも該当しないもの

 (保管私物等)

第百九十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、保管私物(被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。

2 留置業務管理者は、被留置者の保管私物(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は被留置者について領置している物品(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。

3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。

 (領置金の使用)

第百九十六条 留置業務管理者は、被留置者が、自弁物品等を購入し、又は留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。

 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。

 (保管私物又は領置金品の交付)

第百九十七条 留置業務管理者は、被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百二十七条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。

 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。第三号において同じ。)により、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。

 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。

 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、交付により、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。

 (刑事施設に関する規定の準用)

第百九十八条 第五十一条の規定は留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は被留置者の遺留物(留置施設に遺留した金品をいう。第二百三十九条において同じ。)について、それぞれ準用する。この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「次章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と読み替えるものとする。

    第六節 保健衛生及び医療

 (保健衛生及び医療の原則)

第百九十九条 留置施設においては、被留置者の心身の状況を把握することに努め、被留置者の健康及び留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。

 (健康診断等)

第二百条 留置業務管理者は、留置担当官に、被留置者から、その留置施設における留置の開始に際し、疾病、外傷等の有無その他の健康状態につき事情を聴取させなければならない。

2 留置業務管理者は、被留置者に対し、おおむね一月につき二回、内閣府令で定めるところにより、当該留置業務管理者が委嘱する医師による健康診断を行わなければならない。留置施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。

3 被留置者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。

 (診療等)

第二百一条 留置業務管理者は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、当該留置業務管理者が委嘱する医師等による診療を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。

 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。

 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。

2 留置業務管理者は、前項の規定により診療を行う場合において、被留置者を病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被留置者を病院又は診療所に入院させることができる。

 (指名医による診療)

第二百二条 留置業務管理者は、負傷し、又は疾病にかかっている被留置者が、当該留置業務管理者が委嘱する医師等以外の医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、留置施設に留置される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被留置者の医療上適当であると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、留置施設内又は留置業務管理者が適当と認める病院若しくは診療所において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。

2 留置業務管理者は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被留置者に対して診療を行うため必要があるときは、留置業務に従事する職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。

3 指名医は、その診療に際し、留置業務管理者が内閣府令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。

4 留置業務管理者は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により留置業務管理者が行う措置に従わないとき、前項の規定により留置業務管理者が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。

 (調髪及びひげそり)

第二百三条 留置業務管理者は、被留置者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。

 (刑事施設に関する規定の準用)

第二百四条 第五十七条から第五十九条までの規定は被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は留置業務管理者による被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。この場合において、第五十七条、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十七条ただし書及び第五十九条中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「留置施設内」と、「第六十一条」とあるのは「第二百条第二項及び第三項」と、「第六十二条」とあるのは「第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「留置施設の外」と読み替えるものとする。

    第七節 宗教上の行為

第二百五条 被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。ただし、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。

    第八節 書籍等の閲覧

 (自弁の書籍等の閲覧)

第二百六条 被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。

第二百七条 留置業務管理者は、被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。

 一 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。

 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。

 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。

2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、被留置者にその費用を負担させることができる。この場合において、被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。

 (反則行為があった場合の自弁の書籍等に関する措置)

第二百八条 留置業務管理者は、被留置者が反則行為を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、内閣府令で定める自弁の書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。)について、三日を超えない期間に限り、その閲覧を許さないことができる。

2 第百九十条第二項及び第三項の規定は、被留置者に対する前項の措置について準用する。

 (刑事施設に関する規定の準用)

第二百九条 第七十一条の規定は留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条の規定は留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与等の措置について、それぞれ準用する。この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第七十二条第二項中「第三十九条第二項」とあるのは「第百八十五条」と、「刑事施設に」とあるのは「留置施設に」と読み替えるものとする。

    第九節 規律及び秩序の維持

 (留置施設の規律及び秩序)

第二百十条 留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。

2 前項の目的を達成するため執る措置は、被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。

 (遵守事項等)

第二百十一条 留置業務管理者は、被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。

2 遵守事項は、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。

 一 犯罪行為をしてはならないこと。

 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。

 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。

 四 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。

 五 自己又は他の被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。

 六 留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。

 七 留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。

 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。

 九 前各号に掲げるもののほか、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項

 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。

3 前二項のほか、留置業務管理者又はその指定する留置業務に従事する職員は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。

 (身体の検査等)

第二百十二条 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。

2 第百八十一条第二項の規定は、前項の規定による女子の被留置者の身体及び着衣の検査について準用する。

3 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、留置施設内において、被留置者以外の者(弁護人等を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。

4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。

 (捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の使用)

第二百十三条 留置担当官は、被留置者を護送する場合又は被留置者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、内閣府令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。

 一 逃走すること。

 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。

 三 留置施設の設備、器具その他の物を損壊すること。

2 留置担当官は、被留置者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、拘束衣を使用することができる。ただし、捕縄、手錠又は防声具と同時に使用することはできない。

3 保護室が設置されていない留置施設においては、留置担当官は、被留置者が留置担当官の制止に従わず大声を発し続けて、留置施設内の平穏な生活を乱す場合において、他にこれを抑止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、防声具を使用することができる。この場合において、その被留置者が防声具を取り外し、又は損壊することを防ぐため必要があるときは、その使用と同時に捕縄又は手錠を使用することができる。

4 前二項に規定する場合において、留置業務管理者の命令を待ついとまがないときは、留置担当官は、その命令を待たないで、拘束衣又は防声具(前項後段の規定により使用する捕縄又は手錠を含む。)を使用することができる。この場合には、速やかに、その旨を留置業務管理者に報告しなければならない。

5 拘束衣及び防声具の使用の期間は、三時間とする。ただし、拘束衣の使用については、留置業務管理者は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。

6 留置業務管理者は、前項の期間中であっても、拘束衣又は防声具の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。

7 被留置者に拘束衣若しくは防声具を使用し、又は拘束衣の使用の期間を更新した場合には、留置業務管理者は、速やかに、その被留置者の健康状態について、当該留置業務管理者が委嘱する医師の意見を聴かなければならない。

8 捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の制式は、内閣府令で定める。

 (保護室への収容)

第二百十四条 留置担当官は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、留置業務管理者の命令により、その者を保護室に収容することができる。

 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。

 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。

  イ 留置担当官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。

  ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。

  ハ 留置施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。

2 第七十九条第二項から第六項までの規定は、被留置者の保護室への収容について準用する。この場合において、同条第二項から第五項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第五項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該留置業務管理者が委嘱する医師」と、同条第六項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と読み替えるものとする。

 (災害時の避難及び解放)

第二百十五条 留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、留置施設内において避難の方法がないときは、被留置者を適当な場所に護送しなければならない。

2 前項の場合において、被留置者を護送することができないときは、留置業務管理者は、その者を留置施設から解放することができる。地震、火災その他の災害に際し、留置施設の外にある被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。

3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、留置施設又は留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。

    第十節 外部交通

     第一款 面会

 (面会の相手方)

第二百十六条 留置業務管理者は、被留置受刑者以外の被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。

 (被留置受刑者の面会の相手方)

第二百十七条 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。

 一 被留置受刑者の親族

 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者

 三 被留置受刑者の更生保護に関係のある者、被留置受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により被留置受刑者の改善更生に資すると認められる者

2 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又はその被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。

 (弁護人等以外の者との面会の立会い等)

第二百十八条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。

2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。

3 留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、被留置者の次に掲げる者との面会については、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。

 一 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員

 二 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士

 (面会の一時停止及び終了)

第二百十九条 留置業務に従事する職員は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。この場合においては、面会の一時停止のため、被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。

 一 被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。

  イ 次条第五項の規定による制限に違反する行為

  ロ 留置施設の規律及び秩序を害する行為

 二 被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。

  イ 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できないもの

  ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの

  ハ 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの

 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。

 四 被留置受刑者又はその面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する内容の発言をするとき。

  イ 被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれのあるもの

  ロ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの

2 留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。

 (面会に関する制限)

第二百二十条 被留置者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の留置施設の執務時間内とする。

2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。

3 留置業務管理者は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、留置施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。

4 留置業務管理者は、第一項の面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の場所について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。

5 留置業務管理者は、被留置者と弁護人等以外の者との面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。

6 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一日につき一回を下回ってはならない。

     第二款 信書の発受

 (発受を許す信書)

第二百二十一条 留置業務管理者は、被留置者に対し、この款又は第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。

 (信書の検査)

第二百二十二条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。

2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。

3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。

 一 被留置者が次に掲げる者から受ける信書

  イ 弁護人等

  ロ 国又は地方公共団体の機関

  ハ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人を含む。以下この款において同じ。)

 二 未決拘禁者以外の被留置者が次に掲げる者に対して発する信書

  イ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関

  ロ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士

 (信書の発受の禁止)

第二百二十三条 留置業務管理者は、犯罪性のある者その他被留置受刑者が信書を発受することにより、留置施設の規律及び秩序を害し、又は被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがある者(被留置受刑者の親族を除く。)については、被留置受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。

 (信書の内容による差止め等)

第二百二十四条 留置業務管理者は、第二百二十二条の規定による検査の結果、被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。

 一 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できない内容のものであるとき。

 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。

 三 発受によって、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。

 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。

 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。

 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。

 七 被留置受刑者が発受する信書について、その発受によって、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。

2 前項の規定にかかわらず、被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。

 (信書に関する制度)

第二百二十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、被留置者が発信を申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)の通数並びに被留置者の信書の発受の方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。

2 前項の規定により被留置者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一日につき一通を下回ってはならない。

 (発受を禁止した信書等の取扱い)

第二百二十六条 留置業務管理者は、第二百二十三条、第二百二十四条又は第二百二十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第二百二十四条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。

2 留置業務管理者は、第二百二十四条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。

3 留置業務管理者は、被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。

4 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等(内閣府令で定める遺族その他の者をいう。第二百三十九条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。

5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。次に掲げる場合において、その引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。

 一 釈放された被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

 二 被留置者が、第百九十八条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。この場合において、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百二十六条第四項の申請」と読み替えるものとする。

7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、被留置者の釈放若しくは死亡の日又は被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、その留置施設の属する都道府県に帰属する。

 (刑事施設に関する規定の準用)

第二百二十七条 第百三十一条の規定は被留置者の信書について、第百三十三条の規定は被留置者の文書図画について、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百三十一条中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と読み替えるものとする。

     第三款 外国語による面会等

第二百二十八条 留置業務管理者は、被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。

2 留置業務管理者は、被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。

3 被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。

    第十一節 不服申立て

     第一款 審査の申請及び再審査の申請

 (審査の申請)

第二百二十九条 次に掲げる留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、警察本部長に対し、審査の申請をすることができる。

 一 第百八十七条又は第百九十条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分

 二 第百九十条第二項(第二百八条第二項において準用する場合を含む。)において準用する第百五十三条の規定による物を都道府県に帰属させる処分

 三 第百九十六条の規定による領置されている現金の使用又は第百九十七条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分

 四 第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止

 五 第二百五条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限

 六 第二百七条第一項若しくは第二百八条第一項の規定又は第二百九条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限

 七 第二百七条第二項の規定による費用を負担させる処分

 八 第二百二十三条、第二百二十四条若しくは第二百二十五条第一項の規定又は第二百二十七条において準用する第百三十三条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限

 九 第二百二十六条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。)

 十 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分

2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十四条第四項、第十五条第一項、第二項及び第四項、第十八条第一項及び第四項、第十九条、第二十一条、第三十四条第一項、第二項及び第六項、第三十五条から第三十七条まで、第三十九条、第四十条第一項から第五項まで、第四十一条、第四十二条並びに第四十三条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同法第十八条第一項中「正本及び副本を処分庁又は」とあるのは「正本を」と、同法第三十四条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第四十二条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 (再審査の申請)

第二百三十条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、公安委員会に対し、再審査の申請をすることができる。

2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十四条第三項及び第四項、第十五条第一項、第二項及び第四項、第二十一条、第三十四条第一項、第二項及び第六項、第三十五条から第三十七条まで、第三十九条、第四十条第一項から第五項まで、第四十一条第一項、第四十二条、第四十三条第一項及び第二項並びに第五十五条の規定は、再審査の申請について準用する。この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同法第三十四条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第四十二条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

     第二款 事実の申告

 (警察本部長に対する事実の申告)

第二百三十一条 被留置者は、自己に対する留置業務に従事する職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、警察本部長に対し、その事実を申告することができる。

 一 身体に対する違法な有形力の行使

 二 違法又は不当な捕縄、手錠、拘束衣又は防声具の使用

 三 違法又は不当な保護室への収容

2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十四条第四項、第十八条第一項及び第四項、第十九条、第二十一条、第三十六条、第三十九条並びに第四十一条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と、同法第十八条第一項中「正本及び副本を処分庁又は」とあるのは「正本を」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 (公安委員会に対する事実の申告)

第二百三十二条 被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、公安委員会に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。

2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十四条第四項、第二十一条、第三十六条、第三十九条及び第四十一条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

     第三款 苦情の申出

 (警察本部長に対する苦情の申出)

第二百三十三条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、警察本部長に対し、苦情の申出をすることができる。

2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の警察本部長に対する苦情の申出について準用する。

 (監査官に対する苦情の申出)

第二百三十四条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。

2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。

 (留置業務管理者に対する苦情の申出)

第二百三十五条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。

2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。

     第四款 雑則

 (秘密申立て)

第二百三十六条 留置業務管理者は、被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百三十一条第一項若しくは第二百三十二条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は警察本部長若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を留置業務に従事する職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。

2 第二百二十二条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。

 (不利益取扱いの禁止)

第二百三十七条 留置業務に従事する職員は、被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。

    第十二節 釈放

第二百三十八条 第百七十一条から第百七十三条までの規定は被留置者の釈放について、第百七十五条の規定は釈放される被留置者について、それぞれ準用する。この場合において、第百七十一条第二号及び第四号中「刑事施設」とあるのは、「留置施設」と読み替えるものとする。

    第十三節 死亡

第二百三十九条 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。

    第十四節 法務大臣との協議

第二百四十条 内閣総理大臣は、被勾留者及び受刑者の処遇の斉一を図るため、被勾留者である被留置者及び被留置受刑者の処遇に関し内閣府令を制定し、又は改廃するに当たっては、法務大臣と協議するものとする。

   第四章 海上保安留置施設における海上保安被留置者の処遇

    第一節 留置の開始

 (留置開始時の告知)

第二百四十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。

 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項

 二 第二百五十条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項

 三 保健衛生及び医療に関する事項

 四 宗教上の行為に関する事項

 五 書籍等の閲覧に関する事項

 六 第二百六十二条第一項に規定する遵守事項

 七 面会及び信書の発受に関する事項

 八 審査の申請を行うことができる措置、審査庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項

 九 第二百七十七条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項

 十 苦情の申出に関する事項

2 前項の規定による告知は、国土交通省令で定めるところにより、書面で行う。

 (識別のための身体検査)

第二百四十二条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者について、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。その後必要が生じたときも、同様とする。

2 女子の海上保安被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の海上保安留置担当官がこれを行わなければならない。ただし、女子の海上保安留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の海上保安留置担当官が海上保安留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。

    第二節 処遇の態様

第二百四十三条 海上保安被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の国土交通省令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(海上保安被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として海上保安留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百六十四条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。

2 未決拘禁者(海上保安留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。

3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。

    第三節 起居動作の時間帯

第二百四十四条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを海上保安被留置者に告知するものとする。

    第四節 物品の貸与等及び自弁

第二百四十五条 第百八十六条から第百八十九条までの規定は、海上保安留置施設における海上保安被留置者に対する物品の貸与及び支給並びに自弁について準用する。この場合において、第百八十六条第二項、第百八十七条及び第百八十八条第一項第三号中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第百八十七条中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、「、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き」とあるのは「を除き」と読み替えるものとする。

    第五節 金品の取扱い

 (金品の検査)

第二百四十六条 海上保安留置担当官は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。

 一 海上保安被留置者が留置される際に所持する現金及び物品

 二 海上保安被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(海上保安留置業務管理者から支給された物品を除く。)

 三 海上保安被留置者に交付するため当該海上保安被留置者以外の者が海上保安留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品

 (留置時の所持物品等の処分)

第二百四十七条 海上保安留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、海上保安被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。

 一 保管に不便なものであるとき。

 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。

 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。

2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。

 (差入物の引取り等)

第二百四十八条 海上保安留置業務管理者は、第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。

 一 海上保安被留置者に交付することにより、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。

 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。

 三 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。

 四 自弁物品等以外の物品であるとき。

 五 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。

2 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第三号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、海上保安留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。

3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。

4 第二項に規定する物品であって、第一項第五号に該当するものについては、海上保安留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。ただし、売却できないものは、廃棄することができる。

5 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第四号又は第五号に該当するもの(同項第一号から第三号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。

6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。

7 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、海上保安被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、海上保安留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。

 (物品の引渡し及び領置)

第二百四十九条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、海上保安被留置者に引き渡す。

 一 第二百四十六条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第二百四十七条第一項各号のいずれにも該当しないもの

 二 第二百四十六条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(海上保安被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。)

2 次に掲げる金品は、海上保安留置業務管理者が領置する。

 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの

 二 第二百四十六条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号又は第三号のいずれにも該当しないもの

 (保管私物等)

第二百五十条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、保管私物(海上保安被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び海上保安被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、海上保安留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。

2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の保管私物(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は海上保安被留置者について領置している物品(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該海上保安被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。

3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は海上保安被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は海上保安被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。

 (領置金の使用)

第二百五十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、自弁物品等を購入し、又は海上保安留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。

 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。

 (保管私物又は領置金品の交付)

第二百五十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百七十三条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その海上保安留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。

 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。)により、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。

 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。

 (刑事施設に関する規定の準用)

第二百五十三条 第五十一条の規定は海上保安留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は海上保安留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は海上保安被留置者の遺留物(海上保安留置施設に遺留した金品をいう。第二百八十五条において同じ。)について、それぞれ準用する。この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「第四章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と読み替えるものとする。

    第六節 保健衛生及び医療

 (保健衛生及び医療の原則)

第二百五十四条 海上保安留置施設においては、海上保安被留置者の心身の状況を把握することに努め、海上保安被留置者の健康及び海上保安留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。

 (運動)

第二百五十五条 海上保安被留置者には、国土交通省令で定めるところにより、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。

 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用)

第二百五十六条 第五十八条、第五十九条、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定は海上保安被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。この場合において、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあり、並びに第二百二条第一項及び第三項並びに第二百三条中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十九条中「刑事施設」とあり、並びに第二百条第一項及び第二百二条第一項中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「海上保安留置施設内」と、「第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条」とあるのは「第二百五十六条において準用する第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「海上保安留置施設の外」と、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百条第一項中「留置担当官」とあり、及び第二百二条第二項中「留置業務に従事する職員」とあるのは「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。

    第七節 宗教上の行為

第二百五十七条 海上保安被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。ただし、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。

    第八節 書籍等の閲覧

 (自弁の書籍等の閲覧)

第二百五十八条 海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。

第二百五十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。

 一 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。

 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。

2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。この場合において、海上保安被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。

 (刑事施設に関する規定の準用)

第二百六十条 第七十一条の規定は海上保安留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条第一項の規定は海上保安留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与について、それぞれ準用する。この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と読み替えるものとする。

    第九節 規律及び秩序の維持

 (海上保安留置施設の規律及び秩序)

第二百六十一条 海上保安留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。

2 前項の目的を達成するため執る措置は、海上保安被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。

 (遵守事項等)

第二百六十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。

2 遵守事項は、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。

 一 犯罪行為をしてはならないこと。

 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。

 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。

 四 海上保安留置担当官の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。

 五 自己又は他の海上保安被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。

 六 海上保安留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。

 七 海上保安留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。

 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。

 九 前各号に掲げるもののほか、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項

 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。

3 前二項のほか、海上保安留置業務管理者又は海上保安留置担当官は、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、海上保安被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。

 (災害時の避難及び解放)

第二百六十三条 海上保安留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設内において避難の方法がないときは、海上保安被留置者を適当な場所に護送しなければならない。

2 前項の場合において、海上保安被留置者を護送することができないときは、海上保安留置業務管理者は、その者を海上保安留置施設から解放することができる。地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設の外にある海上保安被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。

3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、海上保安留置施設又は海上保安留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。

 (刑事施設に関する規定の準用)

第二百六十四条 第七十五条の規定は海上保安留置担当官による海上保安被留置者の身体、着衣、所持品及び居室の検査並びに所持品の保管並びに海上保安被留置者以外の者の着衣及び携帯品の検査並びに携帯品の保管について、第七十八条の規定は海上保安留置担当官による捕縄、手錠及び拘束衣の使用について、それぞれ準用する。この場合において、第七十五条第一項及び第三項並びに第七十八条第一項第三号中「刑事施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第七十五条第二項中「第三十四条第二項」とあるのは「第二百四十二条第二項」と、第七十八条第一項、第二項及び第六項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、同条第一項及び第七項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条第二項から第六項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該海上保安留置業務管理者が委嘱する医師」と読み替えるものとする。

    第十節 外部交通

     第一款 面会

 (面会の相手方)

第二百六十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。

 (弁護人等以外の者との面会の立会い等)

第二百六十六条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。

2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。

3 海上保安留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、海上保安被留置者の次に掲げる者との面会については、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。

 一 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員

 二 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士

 (面会の一時停止及び終了)

第二百六十七条 海上保安留置担当官は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。この場合においては、面会の一時停止のため、海上保安被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。

 一 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。

  イ 次条において準用する第二百二十条第五項の規定による制限に違反する行為

  ロ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する行為

 二 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。

  イ 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できないもの

  ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの

  ハ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの

 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。

2 海上保安留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。

 (留置施設に関する規定の準用)

第二百六十八条 第二百二十条の規定は、海上保安被留置者の面会について準用する。この場合において、同条第一項及び第三項から第五項までの規定中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、同条第三項から第五項までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第四項及び第五項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と読み替えるものとする。

     第二款 信書の発受

 (発受を許す信書)

第二百六十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、この款又は第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。

 (信書の検査)

第二百七十条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。

2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。

3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。

 一 海上保安被留置者が次に掲げる者から受ける信書

  イ 弁護人等

  ロ 国又は地方公共団体の機関

  ハ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人を含む。以下この款において同じ。)

 二 未決拘禁者以外の海上保安被留置者が次に掲げる者に対して発する信書

  イ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関

  ロ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士

 (信書の内容による差止め等)

第二百七十一条 海上保安留置業務管理者は、前条の規定による検査の結果、海上保安被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。

 一 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できない内容のものであるとき。

 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。

 三 発受によって、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。

 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。

 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。

 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。

2 前項の規定にかかわらず、海上保安被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び海上保安被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその海上保安被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。

 (発受を禁止した信書等の取扱い)

第二百七十二条 海上保安留置業務管理者は、前条又は第二百七十四条第三項の規定により信書の発受を差し止め、又は禁止した場合にはその信書を、前条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。

2 海上保安留置業務管理者は、前条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。

3 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。

4 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等(国土交通省令で定める遺族その他の者をいう。第二百八十五条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。

5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。次に掲げる場合において、その引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。

 一 釈放された海上保安被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

 二 海上保安被留置者が、第二百五十三条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、海上保安被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。この場合において、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百七十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。

7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、海上保安被留置者の釈放若しくは死亡の日又は海上保安被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。

 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用)

第二百七十三条 第百三十一条の規定は海上保安被留置者の信書について、第百三十三条の規定は海上保安被留置者の文書図画について、第二百二十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者の信書に関する制限について、それぞれ準用する。この場合において、第百三十一条及び第百三十三条中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百二十五条第一項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と読み替えるものとする。

     第三款 外国語による面会等

第二百七十四条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。

2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。

3 海上保安被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。

    第十一節 不服申立て

     第一款 審査の申請及び再審査の申請

 (審査の申請)

第二百七十五条 次に掲げる海上保安留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、審査の申請をすることができる。

 一 第二百四十五条において準用する第百八十七条の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分

 二 第二百五十一条の規定による領置されている現金の使用又は第二百五十二条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分

 三 第二百五十六条において準用する第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は第二百五十六条において準用する第二百二条第四項の規定による診療の中止

 四 第二百五十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限

 五 第二百五十九条第一項の規定又は第二百六十条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限

 六 第二百五十九条第二項の規定による費用を負担させる処分

 七 第二百七十一条の規定又は第二百七十三条において準用する第百三十三条若しくは第二百二十五条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の差止め又は制限

 八 第二百七十二条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。)

 九 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分

2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十四条第四項、第十五条第一項、第二項及び第四項、第十八条第一項及び第四項、第十九条、第二十一条、第三十四条第一項、第二項及び第六項、第三十五条から第三十七条まで、第三十九条、第四十条第一項から第五項まで、第四十一条、第四十二条並びに第四十三条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同法第十八条第一項中「正本及び副本を処分庁又は」とあるのは「正本を」と、同法第三十四条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第四十二条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 (再審査の申請)

第二百七十六条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、海上保安庁長官に対し、再審査の申請をすることができる。

2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十四条第三項及び第四項、第十五条第一項、第二項及び第四項、第二十一条、第三十四条第一項、第二項及び第六項、第三十五条から第三十七条まで、第三十九条、第四十条第一項から第五項まで、第四十一条第一項、第四十二条、第四十三条第一項及び第二項並びに第五十五条の規定は、再審査の申請について準用する。この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同法第三十四条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第四十二条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

     第二款 事実の申告

 (管区海上保安本部長に対する事実の申告)

第二百七十七条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置担当官による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、その事実を申告することができる。

 一 身体に対する違法な有形力の行使

 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用

2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十四条第四項、第十八条第一項及び第四項、第十九条、第二十一条、第三十六条、第三十九条並びに第四十一条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と、同法第十八条第一項中「正本及び副本を処分庁又は」とあるのは「正本を」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 (海上保安庁長官に対する事実の申告)

第二百七十八条 海上保安被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、海上保安庁長官に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。

2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十四条第四項、第二十一条、第三十六条、第三十九条及び第四十一条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

     第三款 苦情の申出

 (海上保安庁長官に対する苦情の申出)

第二百七十九条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、海上保安庁長官に対し、苦情の申出をすることができる。

2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の海上保安庁長官に対する苦情の申出について準用する。

 (監査官に対する苦情の申出)

第二百八十条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第二十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。

2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。

 (海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出)

第二百八十一条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、海上保安留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。

2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。

     第四款 雑則

 (秘密申立て)

第二百八十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百七十七条第一項若しくは第二百七十八条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は海上保安庁長官若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を海上保安留置担当官に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。

2 第二百七十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。

 (不利益取扱いの禁止)

第二百八十三条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。

    第十二節 釈放

第二百八十四条 海上保安被留置者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。

2 第百七十五条の規定は、釈放される海上保安被留置者について準用する。

    第十三節 死亡

第二百八十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。

 第百二十九条中「又は支給すべき」を「、支給すべき」に改め、「死亡手当金」の下に「又は発受禁止信書等」を加え、同条を第百七十六条とする。

 第百二十八条を第百七十五条とし、同条の次に次の節名を付する。

    第十五節 死亡

 第百二十七条第二項中「刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律中の被勾留者」を「各種被収容者」に改め、同条を第百七十四条とする。

 第百二十六条の見出しを「(受刑者の釈放)」に改め、同条を第百七十一条とし、同条の次に次の二条を加える。

 (被勾留者の釈放)

第百七十二条 被勾留者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この条において同じ。)の釈放は、次に掲げる事由が生じた後直ちに行う。

 一 被告人の勾留の期間が満了したこと。

 二 刑事訴訟法第三百四十五条の規定により勾留状が効力を失ったこと(被勾留者が公判廷にある場合に限る。)。

 三 検察官の釈放の指揮又は通知を受けたこと。

 (その他の被収容者の釈放)

第百七十三条 前二条の規定によるもののほか、被収容者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。

 第百二十五条を第百七十条とし、同条の次に次の節名を付する。

    第十四節 釈放

 第百二十四条第一項中「第百十八条第一項若しくは第百二十条第一項」を「第百六十三条第一項若しくは第百六十五条第一項」に改め、同条第二項中「第九十四条」を「第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条」に改め、同条を第百六十九条とする。

 第百二十三条第二項中「第百十二条第二項」を「第百五十七条第二項」に改め、同条第四項中「第百二十一条第三項」を「第百六十六条第三項」に改め、同条を第百六十八条とし、同条の次に次の款名を付する。

     第四款 雑則

 第百二十二条第一項中「監査官」の下に「(以下この節において単に「監査官」という。)」を加え、同条第二項中「第百十二条第二項」を「第百五十七条第二項」に改め、同条を第百六十七条とする。

 第百二十一条第二項中「第百十二条第二項」を「第百五十七条第二項」に改め、同条を第百六十六条とする。

 第百二十条第一項中「第百十八条第一項」を「第百六十三条第一項」に改め、同条第三項中「第百十二条第二項、第百十三条第二項、第百十五条、第百十六条第一項」を「第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項」に改め、同条を第百六十五条とし、同条の次に次の款名を付する。

     第三款 苦情の申出

 第百十九条第三項中「第百十六条第一項」を「第百六十一条第一項」に改め、同条を第百六十四条とする。

 第百十八条第三項中「第百十二条第二項、第百十三条第二項及び第百十五条」を「第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第百六十条」に改め、同条を第百六十三条とする。

 第百十七条第二項中「再審査の申請」を「前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)」に改め、同条第三項中「第百十二条第二項、第百十三条第二項、第百十五条」を「第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条」に改め、同条を第百六十二条とし、同条の次に次の款名を付する。

     第二款 事実の申告

 第百十六条を第百六十一条とし、第百十三条から第百十五条までを四十五条ずつ繰り下げる。

 第百十二条第一項各号を次のように改める。

 一 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分

 二 第四十九条の規定による領置されている現金の使用又は第五十条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分

 三 第六十三条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止

 四 第六十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限

 五 第七十条第一項又は第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限

 六 第七十条第二項の規定による費用を負担させる処分

 七 第七十六条第一項の規定による隔離

 八 第九十八条第一項の規定による作業報奨金の支給に関する処分

 九 第百条第二項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による障害手当金の支給に関する処分

 十 第百条第四項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給に関する処分

 十一 第百二十八条(第百三十八条において準用する場合を含む。)の規定又は第百二十九条、第百三十条第一項若しくは第百三十三条(これらの規定を第百三十六条(第百四十五条においてその例による場合を含む。次号において同じ。)、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限

 十二 第百三十二条第五項前段(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(第百三十二条第三項(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による引渡しに係るものに限る。)

 十三 第百四十八条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分

 十四 第百五十条第一項の規定による懲罰

 十五 第百五十三条の規定による物を国庫に帰属させる処分

 十六 第百五十四条第四項の規定による隔離

 第百十二条第二項中「審査の申請」を「前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)」に改め、同条を第百五十七条とする。

 第百十一条を第百五十六条とし、同条の次に次の節名及び款名を付する。

    第十三節 不服申立て

     第一款 審査の申請及び再審査の申請

 第百十条第一項中「第百八条」を「第百五十三条」に改め、同条を第百五十五条とする。

 第百九条第一項中「第百五条第二項」を「第百五十条第二項」に改め、同条第二項後段を削り、同条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、同条第三項中「第一項に規定する」を「受刑者について、反則行為をした疑いがあると思料する」に改め、「反則行為をした疑いのある受刑者を」を削り、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。

 第百九条を第百五十四条とし、第百八条を第百五十三条とする。

 第百七条第一項第一号中「第十八条」を「第四十一条」に改め、同項第四号中「第六十九条第一項に規定する」を削り、同条第二項を削り、同条第三項中「第三十四条」を「第五十七条」に改め、同項を同条第二項とし、同条に次の一項を加える。

3 閉居罰を科されている受刑者には、謹慎の趣旨に反しない限度において、矯正処遇等を行うものとする。

 第百七条を第百五十二条とする。

 第百六条第一項中「懲罰の種類は」を「受刑者に科する懲罰の種類は」に改め、同項第二号中「第七十二条」を「第九十三条」に改め、同項第三号中「第十八条」を「第四十一条第一項」に改め、同項第四号中「除く。」の下に「第三項第三号及び」を加え、同項第六号中「受刑者」を「者」に改め、同条第二項中「この章」を「この節」に改め、同条に次の二項を加える。

3 受刑者以外の被収容者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。

 一 戒告

 二 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止

 三 書籍等の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止

 四 閉居罰

4 前項第二号及び第三号の懲罰は、併せて科することができる。

 第百六条を第百五十一条とする。

 第百五条第一項中「第七十五条第四項(第八十五条第二項」を「第九十六条第四項(第百六条第二項」に、「第五十一条第三項」を「第七十四条第三項」に改め、同条第二項中「この章」を「この節」に、「受刑者の年齢」を「被収容者の年齢」に、「受刑者の態度、懲罰がその受刑者」を「被収容者の態度、受刑者にあっては懲罰がその者」に改め、同条を第百五十条とする。

 第百四条第二号中「第五十九条第一項」を「第八十二条第一項」に改め、同条を第百四十九条とする。

 第百三条の見出しを削り、同条第一項中「受刑者」を「被収容者」に、「第百一条第一項」を「第百四十六条第一項」に改め、同条第二項及び第三項中「受刑者」を「被収容者」に改め、同条を第百四十八条とし、同条の次に次の節名を付する。

    第十二節 賞罰

 第百二条第二項中「第九十一条第一項」を「第百十三条第一項」に改め、同条を第百四十七条とし、同条の次に次の款名を付する。

     第六款 外国語による面会等

 第百一条第一項中「受刑者に対し、第六十五条第二項」を「受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この款において同じ。)に対し、第八十八条第二項」に改め、同条第二項中「第九十八条」を「第百三十一条」に改め、同条を第百四十六条とする。

 第百条を第百三十三条とし、同条の次に次の五目、一款及び款名を加える。

      第二目 未決拘禁者

 (発受を許す信書)

第百三十四条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。

 (信書の検査)

第百三十五条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。

2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。

 一 未決拘禁者が弁護人等から受ける信書

 二 未決拘禁者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書

 三 未決拘禁者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士から受ける信書

3 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、前二項の規定にかかわらず、第一項の検査を行わせないことができる。

 (信書の内容による差止め等)

第百三十六条 第百二十九条から第百三十三条までの規定は、未決拘禁者が発受する信書について準用する。この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十五条」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。

      第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者

 (発受を許す信書)

第百三十七条 刑事施設の長は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。

 (信書の発受の禁止等)

第百三十八条 第百二十八条から第百三十三条まで及び第百三十五条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者が発受する信書について準用する。この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十八条において準用する第百三十五条」と、同項第六号中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、同条第二項中「場合」とあるのは「場合又は信書の発受によって罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるものである場合」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、第百三十二条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。

      第四目 死刑確定者

 (発受を許す信書)

第百三十九条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、次に掲げる信書を発受することを許すものとする。

 一 死刑確定者の親族との間で発受する信書

 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため発受する信書

 三 発受により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる信書

2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる信書以外の信書の発受について、その発受の相手方との交友関係の維持その他その発受を必要とする事情があり、かつ、その発受により刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。

 (信書の検査)

第百四十条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。

2 第百二十七条第二項の規定は、前項の検査について準用する。

 (信書の内容による差止め等)

第百四十一条 第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、死刑確定者が発受する信書について準用する。この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十条」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。

      第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者

第百四十二条 第百二十九条から第百三十三条まで、第百三十五条第一項及び第二項並びに第百三十九条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者が発受する信書について準用する。この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十二条において準用する第百三十五条第一項及び第二項」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と、第百三十九条第一項中「、この目」とあるのは「、次目」と、「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と読み替えるものとする。

      第六目 各種被収容者

 (発受を許す信書)

第百四十三条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。

 (信書の検査等)

第百四十四条 第百二十七条、第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、各種被収容者が発受する信書について準用する。この場合において、第百二十七条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。

     第四款 被告人又は被疑者である被収容者の面会及び信書の発受

第百四十五条 被告人又は被疑者である被収容者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)が弁護人等と面会し、又は弁護人等との間において信書の発受をする場合については、第二款第二目又は前款第二目中の未決拘禁者の弁護人等との面会又は信書の発受に関する規定(第百三十六条において準用する第百二十九条第一項第六号を除く。)の例による。

     第五款 電話等による通信

 第九十九条第一項中「第九十五条、第九十六条又は第百三条第三項」を「第百二十八条、第百二十九条又は第百四十八条第三項」に、「第九十六条の」を「第百二十九条の」に改め、同条第二項中「第九十六条」を「第百二十九条」に改め、同条第三項及び第四項を次のように改める。

3 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。

4 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。

 第九十九条に次の三項を加える。

5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。次に掲げる場合において、その引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときも、同様とする。

 一 釈放された受刑者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

 二 受刑者が、第五十四条第一項各号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

6 第五十三条第一項、第五十四条第一項並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、受刑者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。この場合において、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは、「第百三十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。

7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、受刑者の釈放若しくは死亡の日又は受刑者が第五十四条第一項各号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。

 第九十九条を第百三十二条とし、第九十八条を第百三十一条とする。

 第九十七条第一項中「及び」を「、その発信の申請の日及び時間帯、受刑者が発信を申請する信書の」に改め、同条第二項中「発する」を「発信を申請する」に改め、同条を第百三十条とする。

 第九十六条第一項中「第九十四条」を「第百二十七条」に改め、同条第二項中「に対して発する」を「との間で発受する」に改め、同条を第百二十九条とし、第九十五条を第百二十八条とする。

 第九十四条第二項第三号中「第九十六条第二項」を「以下この款」に改め、同条を第百二十七条とする。

 第九十三条を削る。

 第九十二条第一項中「第八十九条」を「受刑者」に、「管理運営」を「規律及び秩序の維持その他管理運営」に改め、同条を第百十四条とし、同条の次に次の五目、款名、目名及び一条を加える。

      第二目 未決拘禁者

 (面会の相手方)

第百十五条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。ただし、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されない場合は、この限りでない。

 (弁護人等以外の者との面会の立会い等)

第百十六条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者の弁護人等以外の者との面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。ただし、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、その立会い並びに録音及び録画(次項において「立会い等」という。)をさせないことができる。

2 刑事施設の長は、前項の規定にかかわらず、未決拘禁者の第百十二条各号に掲げる者との面会については、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、立会い等をさせてはならない。

 (面会の一時停止及び終了)

第百十七条 第百十三条(第一項第二号ホを除く。)の規定は、未決拘禁者の面会について準用する。この場合において、同項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と読み替えるものとする。

 (面会に関する制限)

第百十八条 未決拘禁者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の刑事施設の執務時間内とする。

2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。

3 刑事施設の長は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、刑事施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。

4 刑事施設の長は、第一項の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の場所について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。

5 第百十四条の規定は、未決拘禁者と弁護人等以外の者との面会について準用する。この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。

      第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者

第百十九条 第百十一条、第百十三条、第百十四条、第百十六条及び前条第一項から第四項までの規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者の面会について準用する。この場合において、第百十一条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、第百十四条第一項中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。

      第四目 死刑確定者

 (面会の相手方)

第百二十条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。

 一 死刑確定者の親族

 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者

 三 面会により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる者

2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。

 (面会の立会い等)

第百二十一条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。ただし、死刑確定者の訴訟の準備その他の正当な利益の保護のためその立会い又は録音若しくは録画をさせないことを適当とする事情がある場合において、相当と認めるときは、この限りでない。

 (面会の一時停止及び終了等)

第百二十二条 第百十三条(第一項第二号ニを除く。)及び第百十四条の規定は、死刑確定者の面会について準用する。この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。

      第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者

第百二十三条 第百十三条、第百十八条、第百二十条及び第百二十一条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者の面会について準用する。この場合において、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、第百二十条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百二十一条中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。

      第六目 各種被収容者

 (面会の相手方)

第百二十四条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項及び次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。

 (各種被収容者の面会の立会い等)

第百二十五条 第百十二条、第百十三条(第一項第二号ニ及びホを除く。)及び第百十四条の規定は、各種被収容者の面会について準用する。この場合において、第百十二条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百十四条第二項中「一月につき二回」とあるのは「一日につき一回」と読み替えるものとする。

     第三款 信書の発受

      第一目 受刑者

 (発受を許す信書)

第百二十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。

 第九十一条を第百十三条とする。

 第九十条中「前条」を「受刑者」に改め、同条を第百十二条とする。

 第八十九条第一項各号列記以外の部分中「受刑者」の下に「(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)」を、「ときは」の下に「、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き」を加え、同項第一号中「(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。第九十五条において同じ。)」を削り、同条第二項中「により」の下に「、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又は」を加え、同条を第百十一条とする。

 第八十八条の見出しを削り、同条中「この章」を「この節」に、「第百一条第一項」を「第百四十六条第一項」に改め、同条を第百十条とし、同条の次に次の款名及び目名を付する。

     第二款 面会

      第一目 受刑者

 第八十七条中「第八十五条第一項」を「第百六条第一項」に改め、同条を第百八条とし、同条の次に次の一款、節名及び款名を加える。

     第五款 未決拘禁者としての地位を有する受刑者

第百九条 未決拘禁者としての地位を有する受刑者についての第八十四条第一項及び第八十九条の規定の適用については、第八十四条第一項中「矯正処遇として」とあるのは「未決の者としての地位を損なわない限度で、かつ、その拘禁の期間を考慮して可能な範囲内で、矯正処遇として」と、第八十九条第三号中「第百十一条」とあるのは「第百十九条において準用する第百十一条」とする。

2 未決拘禁者としての地位を有する受刑者については、第八十六条から第八十八条まで、第九十六条及び前款の規定は、適用しない。

    第十一節 外部交通

     第一款 受刑者についての留意事項

 第八十六条を第百七条とする。

 第八十五条第一項中「第六十五条第二項」を「第八十八条第二項」に改め、同条第二項中「第七十五条第四項」を「第九十六条第四項」に改め、同条を第百六条とする。

 第八十四条を第百五条とし、同条の次に次の款名を付する。

     第四款 外出及び外泊

 第八十三条を第百四条とし、第八十二条を第百三条とする。

 第八十一条中「第七十九条」を「第百条」に改め、同条を第百二条とし、同条の次に次の款名を付する。

     第三款 各種指導

 第八十条を第百一条とし、第七十九条を第百条とし、第七十八条を第九十九条とする。

 第七十七条第五項第二号中「第六十条第二項」を「第八十三条第二項」に改め、同項第三号中「第八十五条第一項」を「第百六条第一項」に改め、同条を第九十八条とし、第七十六条を第九十七条とする。

 第七十五条第一項中「(昭和二十三年法律第百六十八号)」を削り、「第六十五条第二項」を「第八十八条第二項」に改め、同条を第九十六条とし、第七十四条を第九十五条とし、第七十三条を第九十四条とする。

 第七十二条中「禁錮受刑者又は拘留受刑者」を「禁錮受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この節において同じ。)又は拘留受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。)」に改め、同条を第九十三条とする。

 第七十一条中「懲役受刑者に」を「懲役受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この節において同じ。)に」に改め、同条を第九十二条とする。

 第七十条を第九十一条とし、同条の次に次の款名を付する。

     第二款 作業

 第六十八条及び第六十九条を削り、第六十七条を第九十条とする。

 第六十六条第一号中「第十七条第二項」を「第四十条第二項」に改め、同条第二号中「第十八条」を「第四十一条第一項」に改め、同条第三号中「第八十九条」を「第百十一条」に改め、同条を第八十九条とする。

 第六十五条中「第十四条」を「第三十条」に改め、同条を第八十八条とし、第六十四条を第八十七条とし、第六十三条を第八十六条とする。

 第六十二条第二項中「第八十五条第一項」を「第百六条第一項」に改め、同条を第八十五条とする。

 第六十一条第一項中「第七十一条又は第七十二条」を「第九十二条又は第九十三条」に、「第八十二条及び第八十三条」を「第百三条及び第百四条」に改め、同条を第八十四条とする。

 第六十条を第八十三条とし、同条の次に次の節名及び款名を付する。

    第十節 矯正処遇の実施等

     第一款 通則

 第五十九条第二項中「第七十九条から第八十一条まで」を「第百条から第百二条まで」に改め、同条を第八十二条とする。

 第五十八条第二号中「第七十五条第一項」を「第九十六条第一項」に、「第八十五条第一項」を「第百六条第一項」に改め、同条を第八十一条とし、第五十七条を第八十条とし、第五十四条から第五十六条までを二十三条ずつ繰り下げる。

 第五十三条の見出しを「(受刑者の隔離)」に改め、同条を第七十六条とする。

 第五十二条第二項中「第十六条第二項」を「第三十四条第二項」に改め、同条を第七十五条とする。

 第五十一条第一項中「以下」の下に「この章において」を加え、同条第二項中「遵守事項は」の下に「、被収容者としての地位に応じ」を加え、同項第九号中「第七十一条若しくは第七十二条」を「第九十二条若しくは第九十三条」に、「第六十二条第一項各号、第八十二条若しくは第八十三条」を「第八十五条第一項各号、第百三条若しくは第百四条」に改め、同項第十一号中「第七十五条第四項(第八十五条第二項」を「第九十六条第四項(第百六条第二項」に改め、同条を第七十四条とし、第五十条を第七十三条とする。

 第四十九条第二項中「第六十九条第二項」を「第三十九条第二項」に改め、同条を第七十二条とし、同条の次に次の節名を付する。

    第九節 規律及び秩序の維持

 第四十八条を第七十一条とする。

 第四十七条第一項第二号中「矯正処遇」を「被収容者が受刑者である場合において、その矯正処遇」に改め、同項に次の一号を加える。

 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。

 第四十七条を第七十条とする。

 第四十六条の前の見出しを削り、同条中「この章及び第十一章」を「この節及び第十二節」に改め、同条を第六十九条とし、同条の前に見出しとして「(自弁の書籍等の閲覧)」を付する。

 第四十五条を第六十八条とし、同条の次に次の節名を付する。

    第八節 書籍等の閲覧

 第四十四条を第六十七条とする。

 第四十三条を第六十六条とし、同条の次に次の節名を付する。

    第七節 宗教上の行為等

 第四十二条を第六十五条とする。

 第四十一条中「第三十八条」を「第六十一条」に、「第三十九条」を「第六十二条」に改め、同条を第六十四条とし、第四十条を第六十三条とし、第三十九条を第六十二条とし、第三十八条を第六十一条とする。

 第三十七条に次の一項を加える。

3 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。

 第三十七条を第六十条とし、第三十六条を第五十九条とする。

 第三十五条(見出しを含む。)中「受刑者」を「被収容者」に改め、同条を第五十八条とする。

 第三十四条に次のただし書を加える。

  ただし、公判期日への出頭その他の事情により刑事施設の執務時間内にその機会を与えることができないときは、この限りでない。

 第三十四条を第五十七条とし、第三十三条を第五十六条とする。

 第三十二条第一項中「以下」の下に「この章において」を加え、同条第二項及び第三項中「第百二十九条」を「第百七十六条」に改め、同条第四項中「第三十条第二項」を「第五十三条第二項」に改め、同条を第五十五条とし、同条の次に次の節名を付する。

    第六節 保健衛生及び医療

 第三十一条第一項第二号中「第六十条第二項」を「第八十三条第二項」に改め、同項第三号中「第七十五条第一項」を「第九十六条第一項」に、「第八十五条第一項」を「第百六条第一項」に改め、同条を第五十四条とする。

 第三十条第一項中「が刑事施設に遺留した金品(以下「遺留物」という。)」を「の遺留物(刑事施設に遺留した金品をいう。以下この章において同じ。)」に改め、同条を第五十三条とし、第二十九条を第五十二条とする。

 第二十八条中「この章」を「この節」に改め、同条を第五十一条とする。

 第二十七条中「受刑者が」を「被収容者が」に、「第百条」を「第百三十三条(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)」に改め、「場合には」の下に「、次の各号のいずれかに該当する場合を除き」を加え、同条ただし書を削り、同条に次の各号を加える。

 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。次号において同じ。)により、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。

 二 被収容者が受刑者である場合において、交付により、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。

 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。

 第二十七条を第五十条とする。

 第二十六条ただし書中「その購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなる場合」を「次の各号のいずれかに該当するとき」に改め、同条に次の各号を加える。

 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。

 二 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。

 第二十六条を第四十九条とする。

 第二十五条第一項中「以下」の下に「この章において」を加え、同条第二項中「この章」を「この節」に改め、「保管限度量(」及び「領置限度量(」の下に「被収容者としての地位の別ごとに」を加え、同条第三項中「第二十二条第二項」を「第四十五条第二項」に改め、同条を第四十八条とする。

 第二十四条第一項第一号中「第二十一条第一号」を「第四十四条第一号」に、「第二十二条第一項各号」を「第四十五条第一項各号」に改め、同項第二号中「第二十一条第三号」を「第四十四条第三号」に改め、同条第二項第二号中「第二十一条各号」を「第四十四条各号」に、「から第三号まで」を「、第二号又は第四号」に改め、同条を第四十七条とする。

 第二十三条第一項中「第二十一条第三号」を「第四十四条第三号」に改め、「この条及び第二十八条において」を削り、同項第二号中「差入人」を「交付の相手方が受刑者であり、かつ、差入人」に、「受刑者」を「その受刑者」に改め、同項中第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

 三 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。

 第二十三条第二項中「第二十一条第三号」を「第四十四条第三号」に、「第三号まで」を「第四号まで」に改め、同条第四項中「第一項第五号」を「第一項第六号」に改め、同条第五項中「第二十一条第三号」を「第四十四条第三号」に、「第一項第四号又は第五号」を「第一項第五号又は第六号」に、「第三号まで」を「第四号まで」に改め、同条第七項中「第二十一条第三号」を「第四十四条第三号」に改め、同条を第四十六条とする。

 第二十二条第一項中「親族」の下に「(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)」を加え、同条を第四十五条とし、第二十一条を第四十四条とする。

 第二十条中「第十七条」を「第四十条」に改め、同条を第四十三条とし、同条の次に次の節名を付する。

    第五節 金品の取扱い

 第十九条第一項第二号中「第六十九条第一項に規定する」を削り、同項第四号中「第八十五条第一項」を「第百六条第一項」に改め、同条を第四十二条とする。

 第十八条中「除く」の下に「。次項において同じ」を加え、同条に次の一項を加える。

2 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が、前項各号に掲げる物品及び寝具について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合並びに第十二節の規定により禁止される場合を除き、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。

 第十八条を第四十一条とする。

 第十七条第一項中「この章」を「この節」に、「第十九条第一項各号」を「第四十二条第一項各号」に改め、同条第二項中「第十九条第一項各号」を「第四十二条第一項各号」に、「次条において」を「以下」に改め、同条を第四十条とする。

 第十六条を第三十四条とし、同条の次に次の二節及び節名を加える。

    第二節 処遇の態様

 (未決拘禁者の処遇の態様)

第三十五条 未決拘禁者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合における処遇を除く。次条第一項及び第三十七条第一項において同じ。)は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。

2 未決拘禁者(死刑確定者としての地位を有するものを除く。)の居室は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、単独室とし、それ以外の場合にあっても、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。

3 未決拘禁者は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、居室外においても相互に接触させてはならない。

 (死刑確定者の処遇の態様)

第三十六条 死刑確定者の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。

2 死刑確定者の居室は、単独室とする。

3 死刑確定者は、居室外においても、第三十二条第一項に定める処遇の原則に照らして有益と認められる場合を除き、相互に接触させてはならない。

 (各種被収容者の処遇の態様)

第三十七条 各種被収容者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。

2 各種被収容者の居室は、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。

    第三節 起居動作の時間帯等

 (起居動作の時間帯等)

第三十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、次に掲げる時間帯を定め、これを被収容者に告知するものとする。

 一 食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯

 二 受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)については、第八十六条第一項に規定する矯正処遇等の時間帯及び余暇に充てられるべき時間帯

 (余暇活動の援助等)

第三十九条 刑事施設の長は、被収容者に対し、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがない限り、余暇時間帯等(受刑者にあっては余暇に充てられるべき時間帯をいい、その他の被収容者にあっては食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯以外の時間帯をいう。次項において同じ。)において自己契約作業(その者が刑事施設の外部の者との請負契約により行う物品の製作その他の作業をいう。以下同じ。)を行うことを許すものとする。

2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者に対し、自己契約作業、知的、教育的及び娯楽的活動、運動競技その他の余暇時間帯等における活動について、援助を与えるものとする。

    第四節 物品の貸与等及び自弁

 第十五条第一項中「受刑者に」を「被収容者に」に改め、「際し」の下に「、被収容者としての地位に応じ」を加え、「受刑者以外の者が受刑者となった」を「被収容者がその地位を異にするに至った」に改め、同項第二号中「第二十五条第一項」を「第四十八条第一項」に改め、同項第六号中「第五十一条第一項」を「第七十四条第一項」に改め、同項第十号中「第百十八条第一項」を「第百六十三条第一項」に改め、同条を第三十三条とし、同条の前に次の章名及び節名を付する。

   第二章 刑事施設における被収容者の処遇

    第一節 収容の開始

 第十四条に見出しとして「(受刑者の処遇の原則)」を付し、第二編第一章中同条を第三十条とし、同条の次に次の二条を加える。

 (未決拘禁者の処遇の原則)

第三十一条 未決拘禁者の処遇に当たっては、未決の者としての地位を考慮し、その逃走及び罪証の隠滅の防止並びにその防御権の尊重に特に留意しなければならない。

 (死刑確定者の処遇の原則)

第三十二条 死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。

2 死刑確定者に対しては、必要に応じ、民間の篤志家の協力を求め、その心情の安定に資すると認められる助言、講話その他の措置を執るものとする。

 第一編中第十三条の次に次の二章を加える。

   第三章 留置施設

 (留置施設)

第十四条 都道府県警察に、留置施設を設置する。

2 留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。

 一 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)及び刑事訴訟法の規定により、都道府県警察の警察官が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの

 二 前号に掲げる者で、次条第一項の規定の適用を受けて刑事訴訟法の規定により勾留されるもの

 三 前二号に掲げる者のほか、法令の規定により留置施設に留置することができることとされる者

第十五条 第三条各号に掲げる者は、次に掲げる者を除き、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。

 一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者(これらの刑の執行以外の逮捕、勾留その他の事由により刑事訴訟法その他の法令の規定に基づいて拘禁される者としての地位を有するものを除く。)

 二 死刑の言渡しを受けて拘置される者

 三 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第十七条の四第一項又は少年院法(昭和二十三年法律第百六十九号)第十七条の二(同法第十四条第四項(同法第十七条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定により仮に収容される者

 四 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第五条第一項、第十七条第二項若しくは第二十五条第一項又は国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)第二十三条第一項の規定により拘禁される者

2 法務大臣は、国家公安委員会に対し、前項の規定による留置に関する留置施設の運営の状況について説明を求め、又は同項の規定により留置された者の処遇について意見を述べることができる。

 (留置業務管理者等)

第十六条 留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「留置業務管理者」という。)は、警視庁、道府県警察本部又は方面本部(第二十条において「警察本部」という。)に置かれる留置施設にあっては警視以上の階級にある警察官のうちから警視総監、道府県警察本部長又は方面本部長(以下「警察本部長」という。)が指名する者とし、警察署に置かれる留置施設にあっては警察署長とする。

2 留置施設に係る留置業務に従事する警察官(以下「留置担当官」という。)には、被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。

3 留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。

 (被留置者の分離)

第十七条 被留置者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。

 一 性別

 二 受刑者としての地位を有する者か否かの別

2 前項の規定にかかわらず、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要がある場合において、被留置者の処遇上支障を生ずるおそれがないと認めるときは、同項第二号に掲げる別による分離をしないことができる。

 (実地監査)

第十八条 警察本部長は、都道府県公安委員会(道警察本部の所在地を包括する方面以外の方面にあっては、方面公安委員会。以下「公安委員会」という。)の定めるところにより、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。

 (巡察)

第十九条 警察庁長官は、国家公安委員会の定めるところにより、被留置者の処遇の斉一を図り、この法律の適正な施行を期するため、その指名する職員に留置施設を巡察させるものとする。

 (留置施設視察委員会)

第二十条 警察本部に、留置施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、その置かれた警察本部に係る都道府県警察の管轄区域内にある留置施設(道警察本部にあってはその所在地を包括する方面の区域内にある留置施設、方面本部にあっては当該方面の区域内にある留置施設)を視察し、その運営に関し、留置業務管理者に対して意見を述べるものとする。

 (組織等)

第二十一条 委員会は、委員十人以内で組織する。

2 委員は、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、公安委員会が任命する。

3 委員の任期は、一年とする。ただし、再任を妨げない。

4 委員は、非常勤とする。

5 委員又は委員であった者は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

6 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。

 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等)

第二十二条 留置業務管理者は、留置施設の運営の状況(第百九十条第一項又は第二百八条第一項の規定による措置に関する事項を含む。)について、公安委員会の定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。

2 委員会は、留置施設の運営の状況を把握するため、委員による留置施設の視察をすることができる。この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、留置業務管理者に対し、委員による被留置者との面接の実施について協力を求めることができる。

3 留置業務管理者は、前項の視察及び被留置者との面接について、必要な協力をしなければならない。

4 第二百二十二条の規定にかかわらず、被留置者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。

 (委員会の意見等の公表)

第二十三条 警察本部長は、毎年、委員会が留置業務管理者に対して述べた意見及びこれを受けて留置業務管理者が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。

 (刑事施設に関する規定の準用)

第二十四条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、留置施設について準用する。この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。

   第四章 海上保安留置施設

 (海上保安留置施設)

第二十五条 管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶に、海上保安留置施設を設置する。

2 海上保安留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。ただし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設には、やむを得ない事由により、管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設に速やかに留置することができない場合に限り、留置することができる。

 一 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)及び刑事訴訟法の規定により、海上保安官又は海上保安官補が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの

 二 前号に掲げる者のほか、法令の規定により海上保安留置施設に留置することができることとされる者

 (海上保安留置業務管理者等)

第二十六条 海上保安留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「海上保安留置業務管理者」という。)は、管区海上保安本部に置かれる海上保安留置施設にあっては管区海上保安本部長が指名する海上保安官とし、管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設にあっては当該事務所の長とし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設にあっては当該船舶の船長とする。

2 海上保安留置施設に係る留置業務に従事する海上保安官及び海上保安官補(以下「海上保安留置担当官」という。)には、海上保安被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに海上保安被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。

3 海上保安留置担当官は、その海上保安留置施設に留置されている海上保安被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。

 (海上保安被留置者の分離)

第二十七条 海上保安被留置者は、性別に従い、互いに分離するものとする。

 (実地監査)

第二十八条 海上保安庁長官は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各海上保安留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。

 (刑事施設に関する規定の準用)

第二十九条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、海上保安留置施設について準用する。この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (収容開始時の告知に関する特例)

第二条 この法律による改正後の刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下「新法」という。)第三十三条の規定は、この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者以外の被収容者についても、適用する。この場合において、同条第一項前段中「その刑事施設における収容の開始に際し」とあるのは、「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律(平成十八年法律第五十八号)の施行後速やかに」とする。

2 新法第百八十条の規定は、この法律の施行の際現に留置施設に留置されている受刑者以外の被留置者についても、適用する。この場合において、同条第一項前段中「その留置施設における留置の開始に際し」とあるのは、「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律の施行後速やかに」とする。

3 新法第二百四十一条の規定は、この法律の施行の際現に海上保安留置施設に留置されている海上保安被留置者についても、適用する。この場合において、同条第一項中「その海上保安留置施設における留置の開始に際し」とあるのは、「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律の施行後速やかに」とする。

 (金品の取扱いに関する経過措置)

第三条 この法律の施行の際現に附則第十四条の規定による廃止前の刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号。以下「旧収容等法」という。)又はこれに基づく命令の規定により領置されている受刑者以外の被収容者の金品は、新法第四十四条第二号に掲げる金品とみなして、新法第四十七条の規定を適用する。

2 この法律の施行の際現に旧収容等法又はこれに基づく命令の規定により領置され、又は留置施設において保管されている受刑者以外の被留置者の金品(信書を除く。)は、新法第百九十一条第二号に掲げる金品とみなして、新法第百九十四条の規定を適用する。

3 この法律の施行の際現に海上保安留置施設において保管されている海上保安被留置者の金品(信書を除く。)は、新法第二百四十六条第二号に掲げる金品とみなして、新法第二百四十九条の規定を適用する。

 (遺留物の措置に関する経過措置)

第四条 この法律の施行の際現に刑事施設に存する死亡者及び逃走車の遺留物(受刑者以外の被収容者に係るものに限る。)の措置については、なお従前の例による。

2 この法律の施行の際現に留置施設又は海上保安留置施設に存する死亡者及び逃走者の遺留物(受刑者以外の被留置者又は海上保安被留置者に係るものに限る。)の措置については、なお従前の例による。

(作業報奨金に関する経過措置)

第五条 この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者以外の被収容者について、この法律の施行の際に、旧収容等法第二十七条第二項の作業賞与金で未支給のものがあるときは、この法律の施行後速やかに、これを支給するものとする。

(手当金に関する経過措置)

第六条 新法第八十二条第二項において準用する新法第百条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に受刑者以外の被収容者が負傷し、又は疾病にかかった場合において、施行日以後に手当金の支給事由が生じたときについても、適用する。

2 受刑者以外の被収容者について施行日前に支給事由が生じた旧収容等法第二十八条第一項(旧収容等法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の手当金(死亡に係るものを除く。)で未支給のものの支給は、旧収容等法第二十八条第二項(旧収容等法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、この法律の施行後速やかに行うものとする。

 (発受を禁止した信書の取扱いに関する経過措置)

第七条 この法律の施行の際現に刑事施設に存する発受を許されなかった受刑者以外の被収容者に係る信書は、新法第百三十六条、第百四十一条、第百四十二条又は第百四十四条において準用する新法第百三十二条第一項の規定により保管されている信書とみなす。

2 この法律の施行の際現に留置施設に存する発受を許されなかった受刑者以外の被留置者に係る信書は、新法第二百二十六条第一項の規定により保管されている信書とみなす。

3 この法律の施行の際現に海上保安留置施設に存する発受を許されなかった海上保安被留置者に係る信書は、新法第二百七十二条第一項の規定により保管されている信書とみなす。

 (懲罰に関する経過措置)

第八条 新法第百五十条から第百五十六条までの規定は、次に掲げる行為であって、この法律の施行の際まだ懲罰が科されていないものについても、適用する。この場合において、新法第百五十一条第二項中「同項第五号」とあるのは「同項第三号から第五号まで」と、同条第四項中「及び第三号」とあるのは「から第四号まで」と、新法第百五十二条第一項中「次に」とあるのは「第二号及び第四号から第六号までに」とする。

 一 この法律による改正前の刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(以下「旧法」という。)第百三十七条第一項の規定により適用される旧法第百五条第一項の規定により懲罰を科されるべき行為

 二 旧法第百三十七条第四項の規定により適用される旧収容等法第五十九条の規定により懲罰を科されるべき行為

 三 前号に掲げるもののほか、旧収容等法第五十九条の規定により懲罰を科されるべき行為

2 次に掲げる懲罰の執行については、なお従前の例による。

 一 旧法第百三十七条第一項の規定により適用される旧法第百五条第一項の規定により科され、この法律の施行の際まだその執行が終わっていない懲罰

 二 旧法第百三十七条第二項の規定により執行され、この法律の施行の際まだその執行が終わっていない懲罰

 三 旧法第百三十七条第五項の規定により執行され、この法律の施行の際まだその執行が終わっていない懲罰

3 旧法第百三十七条第四項の規定により適用される旧収容等法第五十九条の規定により科され、この法律の施行の際まだその執行が終わっていない懲罰は、施行日以後も執行するものとする。

4 新法第百五十二条第一項(第一号及び第三号を除く。)、第二項及び第三項並びに第百五十六条第一項ただし書及び第二項の規定は、前項の規定により執行する旧収容等法第六十条第一項第八号の懲罰について準用する。

5 旧収容等法第五十九条の規定により科され、この法律の施行の際まだその執行が終わっていない懲罰(第二項第二号に掲げる懲罰及び第三項に規定する懲罰を除く。)は、次に掲げるものに限り、施行日以後も執行するものとする。ただし、その執行の期間は、第一号に掲げる懲罰にあっては三十日から施行日前に執行した期間を除いた期間、第四号に掲げる懲罰にあっては六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)から施行日前に執行した期間を除いた期間を超えてはならない。

 一 旧収容等法第六十条第一項第二号の懲罰であって、施行日前に執行した期間が三十日に満たないもの

 二 旧収容等法第六十条第一項第四号の懲罰

 三 旧収容等法第六十条第一項第五号の懲罰

 四 旧収容等法第六十条第一項第八号の懲罰であって、施行日前に執行した期間が六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)に満たないもの

6 新法第百五十二条第一項(第一号及び第三号を除く。)、第二項及び第三項並びに第百五十六条第一項ただし書及び第二項の規定は、前項の規定により執行する旧収容等法第六十条第一項第八号の懲罰について準用する。

 (審査の申請等に関する規定の準用)

第九条 新法第二編第二章第十三節第一款及び第四款の規定は、前条第三項又は第五項の規定により執行される懲罰に係る不服について準用する。この場合において、新法第百五十八条第一項中「措置の告知があった日」とあるのは、「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律の施行の日」と読み替えるものとする。

2 旧法第百三十七条第二項の規定により執行された懲罰(前条第二項第二号に掲げる懲罰を含む。)に係る不服については、なお従前の例による。

 (事実の申告に関する経過措置)

第十条 新法第二編第二章第十三節第二款の規定は、受刑者以外の被収容者に対し施行日前にされた刑事施設の職員による行為については、適用しない。

2 新法第二編第三章第十一節第二款の規定は、受刑者以外の被留置者に対し施行日前にされた留置業務に従事する職員による行為については、適用しない。

3 新法第二編第四章第十一節第二款の規定は、海上保安被留置者に対し施行日前にされた海上保安留置担当官による行為については、適用しない。

 (情願に関する経過措置)

第十一条 この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者以外の被収容者が旧収容等法第七条の規定により行った情願であって、この法律の施行の際まだその処理がされていないものは、法務大臣に係るものにあっては新法第百六十六条第一項の規定により行った苦情の申出と、それ以外のものにあっては新法第百六十七条第一項の規定により行った苦情の申出とみなす。

 (監置場留置者への準用)

第十二条 附則第二条第一項、第三条第一項、第四条第一項、第五条、第六条、第七条第一項、第八条、第九条、第十条第一項及び前条の規定は、監置場に留置されている者について準用する。この場合において、附則第二条第一項中「第三十三条」とあるのは「第二百八十九条第一項において準用する新法第三十三条」と、附則第三条第一項、第六条第一項、第八条第一項、第四項及び第六項、第九条第一項、第十条第一項並びに前条中「新法」とあるのは「新法第二百八十九条第一項において準用する新法」と、附則第五条、第六条第二項、第八条第一項第三号、第五項及び第六項並びに前条中「旧収容等法」とあるのは「旧収容等法第九条において準用する旧収容等法」と、附則第七条第一項中「第百三十六条、第百四十一条、第百四十二条又は第百四十四条」とあるのは「第二百八十九条第三項において準用する新法第百三十二条第一項の規定又は新法第二百八十九条第四項において準用する新法第百三十八条」と、附則第八条第一項第一号及び第二項第一号中「第百三十七条第一項」とあるのは「第百四十四条第二項において準用する旧法第百三十七条第一項」と、同条第一項第二号、第二項第二号及び第三号並びに第三項並びに附則第九条第二項中「旧法」とあるのは「旧法第百四十四条第二項において準用する旧法」と読み替えるものとする。

 (罰則の適用に関する経過措置)

第十三条 施行日前にした行為及び附則第十五条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律の廃止)

第十四条 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律は、廃止する。

 (刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律の廃止に伴う解放に関する経過措置)

第十五条 施行日前に旧収容等法第二十二条第一項(旧収容等法第九条において準用する場合を含む。)の規定により解放された者の出頭については、なお従前の例による。

 (少年法の一部改正)

第十六条 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)の一部を次のように改正する。

  第十七条の四第一項中「(刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号)第二条の規定により代用されるものを含まない。)」を削る。

  第四十九条第三項中「刑事施設に」を「刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設に」に、「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第三条第二号の受刑者(同条第六号の被勾留者又は同条第九号の各種被収容者」を「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二条第四号の受刑者(同条第八号の未決拘禁者」に改める。

  第五十六条第一項中「刑事施設内」を「刑事施設若しくは留置施設内」に改める。

 (少年院法の一部改正)

第十七条 少年院法(昭和二十三年法律第百六十九号)の一部を次のように改正する。

  第十七条の二中「(刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号)第二条の規定により代用されるものを含まない。以下この条において同じ。)」を削る。

  第十七条の六第一項中「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第六十条、第百二十六条及び第百二十八条」を「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第八十三条、第百七十一条及び第百七十五条」に、「第六十条第三項」を「第八十三条第三項」に改め、同条第二項中「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律第六十条第二項」を「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第八十三条第二項」に改める。

 (出入国管理及び難民認定法の一部改正)

第十八条 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)の一部を次のように改正する。

  第四十一条第三項中「警察署」を「留置施設」に改める。

 (行政不服審査法の一部改正)

第十九条 行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第一号及び第二号中「行なわれる」を「行われる」に改め、同項第三号中「うえで行なわれる」を「上で行われる」に改め、同項第六号及び第七号中「行なう」を「行う」に改め、同項第八号中「行なわれる」を「行われる」に改め、同項第九号中「拘置所」の下に「、留置施設、海上保安留置施設」を加え、「被収容者」を「これらの施設に収容されている者」に、「行なわれる」を「行われる」に改め、同項第十一号中「もつぱら」を「専ら」に改める。

 (国際捜査共助等に関する法律の一部改正)

第二十条 国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。

  第二十二条の見出しを「(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の特則)」に改め、同条第一項中「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二十九条、第三十条、第六十二条第一項、第七十七条第一項、第二項及び第四項、第七十九条第四項、第九十九条第三項及び第四項、第百十九条第一項(第百二十条第三項において準用する場合を含む。)、第百二十一条第三項(第百二十二条第四項及び第百二十三条第四項において準用する場合を含む。)並びに第二編第十三章」を「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第五十二条、第五十三条第一項(同法第百三十二条第六項において準用する場合を含む。)及び第二項、第八十五条第一項、第九十八条第一項、第二項及び第四項、第百条第四項、第百三十二条第三項、第五項及び第七項、第百六十四条第一項(同法第百六十五条第三項において準用する場合を含む。)、第百六十六条第三項(同法第百六十七条第四項及び第百六十八条第四項において準用する場合を含む。)、第百七十一条、第百七十四条並びに第百七十五条」に改め、同条第二項中「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律第三十一条」を「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第五十四条」に、「第三十二条、第七十七条第五項」を「第五十五条、第九十八条第五項」に、「第七十八条及び第百二十九条」を「第九十九条、第百三十二条第四項から第七項まで及び第百七十六条」に、「又は作業報奨金」を「、作業報奨金又は発受を禁止し、若しくは差し止めた信書、削除した信書の部分若しくは抹消した信書の部分の複製」に改め、同項に後段として次のように加える。

  この場合において、同法第百三十二条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号のいずれか」とあるのは「第五十四条第一項第一号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第二号及び第三号を除く。)」と読み替えるものとする。

 (行政手続法の一部改正)

第二十一条 行政手続法(平成五年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第八号中「留置場(警視庁、道府県警察本部(方面本部を含む。)又は警察署に置かれる人を留置するための施設をいう。)、海上保安庁の留置場(管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶に置かれる人を留置するための施設をいう。)」を「留置施設、海上保安留置施設」に改める。

 (日本郵政公社法の一部改正)

第二十二条 日本郵政公社法(平成十四年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。

  第六十三条第六項中「警察署」を「留置施設」に改める。

 (構造改革特別区域法の一部改正)

第二十三条 構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)の一部を次のように改正する。

  第十一条の前の見出しを「(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律等の特例)」に改め、同条第一項中「(刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号)第二条の規定により代用されるものを除く。次条において同じ。)」を削り、「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」を「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」に改める。

 (海上保安庁法の一部改正)

第二十四条 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第五条中第二十八号を第二十九号とし、第十五号から第二十七号までを一号ずつ繰り下げ、第十四号の次に次の一号を加える。

  十五 留置業務に関すること。

 (警察法の一部改正)

第二十五条 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。

  第二十一条中第二十一号を第二十二号とし、第十号から第二十号までを一号ずつ繰り下げ、第九号の次に次の一号を加える。

  十 留置施設に関すること。

 (法務省設置法の一部改正)

第二十六条 法務省設置法(平成十一年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。

  第八条第二項中「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」を「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」に改める。

(内閣総理・法務・外務・国土交通大臣署名) 

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