独立行政法人造幣局法
法律第四十号(平一四・五・一〇)
目次
第一章 総則(第一条―第六条)
第二章 役員(第七条―第十条)
第三章 業務等(第十一条―第十七条)
第四章 雑則(第十八条―第二十一条)
第五章 罰則(第二十二条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、独立行政法人造幣局の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人造幣局とする。
(造幣局の目的)
第三条 独立行政法人造幣局(以下「造幣局」という。)は、貨幣の製造等を行うとともに、貨幣に対する国民の信頼を維持するために必要な情報の提供を行うこと等により、通貨制度の安定に寄与することを目的とする。
2 造幣局は、前項に規定するもののほか、勲章、褒章、記章及び金属工芸品の製造等並びに貴金属の品位の証明等であって、公共上の見地から必要とされるものを行うことを目的とする。
(特定独立行政法人)
第四条 造幣局は、通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人とする。
(事務所)
第五条 造幣局は、主たる事務所を大阪府に置く。
(資本金)
第六条 造幣局の資本金は、附則第四条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、造幣局に追加して出資することができる。
3 造幣局は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員
(役員)
第七条 造幣局に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 造幣局に、役員として、理事三人以内を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第八条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して造幣局の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第九条 役員の任期は、二年とする。
(役員の欠格条項の特例)
第十条 通則法第二十二条の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定めるものは、非常勤の理事又は監事となることができる。
2 造幣局の非常勤の理事及び監事の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人造幣局法第十条第一項」とする。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第十一条 造幣局は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 貨幣の製造、販売及び鋳つぶしを行うこと。
二 貨幣回収準備資金に関する法律(平成十四年法律第四十二号)第二条の規定により設置された貨幣回収準備資金に属する地金の保管を行うこと。
三 貨幣に対する国民の信頼を維持するために必要な情報の提供を行うこと。
四 勲章、褒章、賜杯、記章及び極印の製造を行うこと。
五 公共上の見地から必要な金属工芸品の製造及び販売を行うこと。
六 貴金属の精製及び品位の証明並びに地金及び鉱物の分析を行うこと。
七 前各号の業務に関し、調査、試験、研究又は開発を行うこと。
八 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
2 造幣局は、前項の業務のほか、同項の業務の遂行に支障のない範囲内で、次の業務を行うことができる。
一 外国政府、外国の地方公共団体、外国の中央銀行、国際機関その他これらに準ずるもの(以下この号において「外国政府等」という。)の委託を受けて、当該外国政府等の貨幣の製造、販売及び鋳つぶし、勲章その他の金属工芸品及び極印の製造並びに貴金属の精製及び品位の証明並びに地金及び鉱物の分析を行うこと。
二 前号の業務に関し、調査、試験、研究又は開発を行うこと。
(貨幣の製造)
第十二条 造幣局は、前条第一項第一号の業務(貨幣の製造に限る。以下同じ。)については、財務大臣の定める製造計画に従って行わなければならない。
(通貨制度の安定に重大な影響を与える契約の承認)
第十三条 造幣局は、貨幣の偽造を防止するための製造の方法に関する技術(以下「偽造防止技術」という。)に係る事項その他の第十一条第一項第一号及び第七号の業務(同号の業務にあっては、同項第一号の業務に係るものに限る。次条及び第十九条第一項において同じ。)の実施に関する事項であって通貨制度の安定に重大な影響を与えるおそれがあるものとして財務省令で定めるものをその内容とする契約を締結しようとするときは、財務大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(偽造防止技術に係る秘密の管理)
第十四条 造幣局は、第十一条第一項第一号及び第七号の業務を行うに当たっては、偽造防止技術に係る秘密について、その漏えいの防止その他の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
(積立金の処分)
第十五条 造幣局は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この条において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項本文又は第二項の規定による整理(以下この項において「整理」という。)を行った後、同条第一項の規定による積立金(以下この条において「積立金」という。)がある場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める金額について財務省令で定める基準により計算した額を国庫に納付しなければならない。
一 当該中期目標の期間(以下この項及び次項において「当該期間」という。)の直前の中期目標の期間(次号において「前期間」という。)の最後の事業年度に係る整理を行った後積立金がなかったとき 当該期間の最後の事業年度に係る整理を行った後の積立金の額に相当する金額
二 前期間の最後の事業年度に係る整理を行った後積立金があった場合であって、当該期間の最後の事業年度に係る整理を行った後の積立金の額に相当する金額が前期間の最後の事業年度に係る整理を行った後の積立金の額(当該前期間の最後の事業年度において、この項の規定により国庫に納付した場合にあってはその納付した額を、次項の規定により財務大臣の承認を受けた金額がある場合にあってはその承認を受けた金額に相当する額を、それぞれ控除した残額)に相当する金額を超えるとき その超える額に相当する金額
2 造幣局は、前項各号列記以外の部分に規定する場合において、積立金の額に相当する金額から同項の規定により国庫に納付しなければならない額に相当する金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額に相当する金額のうち財務大臣の承認を受けた金額を、当該期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十一条に規定する業務の財源に充てることができる。
3 財務大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、財務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
4 造幣局の最初の中期目標の期間については、第一項第一号中「なかったとき」とあるのは、「なかったとき又は当該期間が最初の中期目標の期間であるとき」とする。
5 前各項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
(長期借入金及び独立行政法人造幣局債券)
第十六条 造幣局は、財務大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は独立行政法人造幣局債券(以下この条及び次条において「債券」という。)を発行することができる。
2 財務大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、財務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
3 第一項の規定による債券の債権者は、造幣局の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
4 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
5 造幣局は、財務大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
6 商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百九条、第三百十条及び第三百十一条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
7 前各項に定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
(償還計画)
第十七条 造幣局は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、財務大臣の認可を受けなければならない。
2 財務大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、財務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
第四章 雑則
(中期目標の期間の終了時の検討に当たっての配慮)
第十八条 財務大臣は、通則法第三十五条第一項の規定による検討を行うに当たっては、貨幣の確実な製造の確保並びに偽造防止技術の維持及び向上による通貨制度の安定の確保の必要性に配慮するものとする。
(緊急の必要がある場合の財務大臣の要請)
第十九条 財務大臣は、貨幣の偽造に対処するため必要があると認めるときその他貨幣の適切かつ確実な製造のため緊急の必要があると認めるときは、造幣局に対し、第十一条第一項第一号、第三号及び第七号の業務に関し必要な措置を実施すべきことを要請することができる。
2 造幣局は、前項の規定による財務大臣の要請があったときは、速やかにその要請された措置を実施しなければならない。
(主務大臣等)
第二十条 造幣局に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ財務大臣、財務省及び財務省令とする。
(国家公務員宿舎法の適用除外)
第二十一条 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、造幣局の役員及び職員には適用しない。
第五章 罰則
第二十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした造幣局の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により財務大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二 第十一条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十五年四月一日から施行する。ただし、第二十条及び附則第四条の規定、附則第十条の規定(退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計からする一般会計への繰入れに関する法律(昭和二十五年法律第六十二号。附則第十一条において「繰入法」という。)第一条の改正規定中「自動車損害賠償責任再保険特別会計」を「自動車損害賠償保障事業特別会計」に改める部分に限る。)並びに附則第二十二条の規定は、公布の日から施行する。
(職員の引継ぎ等)
第二条 造幣局の成立の際現に財務省造幣局の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、造幣局の成立の日において、造幣局の相当の職員となるものとする。
第三条 造幣局の成立の際現に財務省造幣局の職員である者のうち、造幣局の成立の日において引き続き造幣局の職員となったものであって、造幣局の成立の日の前日において財務大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、造幣局の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、造幣局の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、造幣局の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
(権利義務の承継等)
第四条 造幣局の成立の際現に国が有する権利及び義務のうち、財務省設置法(平成十一年法律第九十五号)第十条第一項に規定する財務省造幣局の事務に係るもので政令で定めるものは、造幣局の成立の時において造幣局が承継する。
2 前項の規定により造幣局が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る財産(政令で定める物品を除く。)の価額の合計額から承継される義務に係る負債の価額及び造幣局がその成立の日において有することとなる財務省令で定める引当金の額に相当する金額の合計額を控除した額に相当する金額は、政府から造幣局に対し出資されたものとする。
3 前項に規定する財産の価額は、造幣局の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(造幣局特別会計法の廃止)
第五条 造幣局特別会計法(昭和二十五年法律第六十三号)は、廃止する。
(造幣局特別会計法の廃止に伴う経過措置)
第六条 造幣局特別会計の平成十四年度以前の年度の決算に関しては、なお従前の例による。
2 前条の規定による廃止前の造幣局特別会計法第十九条の二の規定による平成十四年度の一般会計の歳入への繰入れについては、なお従前の例による。この場合において、同条中「回収準備資金から」とあるのは「貨幣回収準備資金に関する法律(平成十四年法律第四十二号)第二条の規定により設置される貨幣回収準備資金から」と、「当該年度」とあるのは「平成十四年度」とする。
3 この法律の施行の際造幣局特別会計に属する権利及び義務(附則第四条第一項の規定により造幣局に承継されるものを除く。)は、この法律の施行の時において、一般会計に帰属するものとする。
4 この法律の施行の際造幣局特別会計の貨幣回収準備資金に属する現金(附則第四条第一項の規定により造幣局に承継される権利に係るものを除く。)及び地金(政府において引き換え、又は回収した貨幣を含む。)は、この法律の施行の時において、貨幣回収準備資金に関する法律第二条の規定により設置される貨幣回収準備資金に帰属するものとする。
(恩給負担金の取扱い)
第七条 この法律の施行前に給与事由が生じた恩給の支払に充てるべき金額で従前の造幣局特別会計が引き続き存続するものとした場合において造幣局特別会計において負担すべきこととなるものについては、造幣局が造幣局特別会計として存続するものとみなし、特別会計の恩給負担金を一般会計に繰り入れることに関する法律(昭和六年法律第八号)の規定を準用する。
(国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律の一部改正)
第八条 国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第一号ニを削る。
第三十六条中「及びニ」を削る。
(国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第九条 この法律の施行前に前条の規定による改正前の国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律第二条第一号ニに掲げる事業(これに附帯する事業を含む。)を行う国の経営する企業(次項において「造幣事業」という。)がした行為は、国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律(次項において「国労法」という。)第三条第一項の規定により読み替えて適用される労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第七条(第一号ただし書を除く。)及び第二十七条(第九項中段及び後段を除く。)の規定の適用については、造幣局がした行為とみなす。
2 この法律の施行の際現に中央労働委員会に係属している造幣事業とその職員に係る国労法第四条第二項の労働組合(以下この項において「組合」という。)とを当事者とするあっせん、調停又は仲裁に係る事件及びこの法律の施行前に中央労働委員会がした造幣事業と組合との間の紛争に係る裁定については、造幣事業を造幣局とみなして、国労法第六章の規定を適用する。
(退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計からする一般会計への繰入れに関する法律の一部改正)
第十条 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計からする一般会計への繰入れに関する法律の一部を次のように改正する。
第一条中「、造幣局特別会計」を削り、「自動車損害賠償責任再保険特別会計」を「自動車損害賠償保障事業特別会計」に改める。
(退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計からする一般会計への繰入れに関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第十一条 前条の規定による改正前の繰入法第一条の規定により一般会計において造幣局特別会計から受け入れた金額の過不足額の調整については、造幣局を造幣局特別会計とみなして、繰入法第三条の規定を適用する。
2 造幣局は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に退職した政府の職員で失業しているものに対し施行日以後に支給される国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第十条に規定する差額に相当する退職手当の支給に要する費用の財源に充てるべき金額で従前の造幣局特別会計が引き続き存続するものとした場合において造幣局特別会計において負担すべきこととなるものを、政令で定めるところにより、国庫に納付しなければならない。この場合において、国庫に納付した金額の過不足額の調整については、繰入法第三条の規定を準用する。
(金管理法の一部改正)
第十二条 金管理法(昭和二十八年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項ただし書を削る。
(国家公務員共済組合法の一部改正)
第十三条 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
第三条第二項第三号を次のように改める。
三 財務省 印刷局に属する職員
第八条第一項中「、造幣局長」を削る。
第九十九条第一項第一号及び第三号中「国」を「国又は独立行政法人造幣局」に改め、同条第三項中「国は」を「国又は独立行政法人造幣局は、政令で定めるところにより」に改める。
第百二条第三項中「国」を「国又は独立行政法人造幣局」に改める。
第百二十四条の二第一項及び第百二十五条中「並びに」を「及び」に改める。
附則第二十条の三第二項中「並びに国」を「及び国」に、「「並びに」を「「及び」に改める。
(国家公務員共済組合法の一部改正に伴う経過措置)
第十四条 前条の規定による改正前の国家公務員共済組合法(第三項において「改正前国共済法」という。)第三条第二項第三号ロの規定により設けられた組合(次項及び次条において「旧組合」という。)は、施行日に解散するものとし、その一切の権利及び義務は、国家公務員共済組合法第三条第一項の規定により財務省に属する職員をもって組織された組合(次条において「財務省共済組合」という。)が承継する。
2 旧組合の平成十四年度に係る決算並びに貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。
3 施行日前に改正前国共済法又はこれに基づく命令の規定によりした処分、手続その他の行為は、別段の定めがあるもののほか、この法律若しくは前条の規定による改正後の国家公務員共済組合法又はこれらに基づく命令中の相当規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第十五条 施行日の前日に旧組合の組合員であった者(施行日に財務省共済組合の組合員の資格を取得した者に限る。以下この条において「更新組合員」という。)は財務省共済組合の組合員であった者と、旧組合の組合員であった期間(次に掲げる期間を除く。)は財務省共済組合の組合員であった期間とみなす。
一 国家公務員共済組合法附則第十三条の十の規定による脱退一時金の支給を受けた場合におけるその脱退一時金の額の算定の基礎となった期間
二 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百五号。第四号において「昭和六十年国共済改正法」という。)第一条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法第八十条第一項の規定による脱退一時金(他の法令の規定により当該脱退一時金とみなされたものを含む。)の支給を受けた場合におけるその脱退一時金の額の算定の基礎となった期間
三 国家公務員及び公共企業体職員に係る共済組合制度の統合等を図るための国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(昭和五十八年法律第八十二号)附則第二条の規定による廃止前の公共企業体職員等共済組合法(昭和三十一年法律第百三十四号)第六十一条の三第一項の規定による脱退一時金の支給を受けた場合におけるその脱退一時金の額の算定の基礎となった期間
四 昭和六十年国共済改正法附則第六十一条の規定による脱退一時金の支給を受けた場合におけるその脱退一時金の額の算定の基礎となった期間
2 旧組合が施行日前に国家公務員共済組合法第四十二条第二項、第五項又は第七項の規定により決定し、又は改定した施行日の前日における更新組合員の同条第一項に規定する標準報酬は、当該更新組合員の属する財務省共済組合が同条第二項、第五項又は第七項の規定により決定し、又は改定した同条第一項に規定する標準報酬とみなす。
3 施行日前に国家公務員共済組合法第五十三条第一項(第二号を除く。)の規定により更新組合員が旧組合に届け出なければならない事項についてその届出がされていない場合には、施行日以後は、同項の規定により当該更新組合員が財務省共済組合に届け出なければならない事項についてその届出がされていないものとみなして、同条の規定を適用する。
4 退職の日が施行日前である旧組合の組合員(国家公務員共済組合法第百二十四条の二第二項に規定する継続長期組合員を除く。次項において同じ。)であった者に対し同法第五十九条、第六十六条第三項又は第六十七条(第一項及び第二項を除く。)の規定が適用されるものとしたならば、これらの規定により支給される給付を受けることができるときは、これらの給付は、同法の規定の例によるものとし、財務省共済組合が支給する。
5 施行日前に旧組合の組合員が退職し、かつ、施行日以後に出産し、又は死亡した場合において、国家公務員共済組合法第六十一条第二項、第六十四条又は第六十七条第二項の規定が適用されるものとしたならば、これらの規定により支給される給付を受けることができるときは、これらの給付は、同法の規定の例によるものとし、財務省共済組合が支給する。
6 施行日前に国家公務員共済組合法第百条の二の規定により更新組合員が旧組合にした申出は、同条の規定により財務省共済組合にした申出とみなして、同条の規定を適用する。
7 施行日の前日において国家公務員共済組合法第百二十四条の二第一項の規定により旧組合の組合員であるものとされていた者及び同日において旧組合の組合員であった者で同日に任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じて引き続き同項に規定する公庫等職員となるため退職したものについては、財務省共済組合を同項に規定する転出の際に所属していた組合とみなして、同条の規定を適用する。
8 施行日の前日において国家公務員共済組合法第百二十六条の五第一項又は附則第十二条第二項の規定により旧組合の組合員であるものとみなされていた者及び同日において旧組合の組合員であった者で同日に退職し、同法第百二十六条の五第一項又は附則第十二条第一項の規定による申出を同日に旧組合に行ったものについては、財務省共済組合を同法第百二十六条の五第一項又は附則第十二条第一項の規定による申出に係る組合とみなして、同法第百二十六条の五又は附則第十二条の規定を適用する。
9 施行日前に退職し、国家公務員共済組合法第百二十六条の五第一項の規定による申出を旧組合にすることができる者で、施行日前に当該申出をしていないものについては、財務省共済組合を同項の規定による申出に係る組合とみなして、同条の規定を適用する。この場合において、同項中「当該組合」とあるのは、「当該組合(独立行政法人造幣局法(平成十四年法律第四十号)の施行前の期間については、その者の所属していた同法附則第十四条第一項に規定する旧組合とする。)」とする。
第十六条 この法律の施行前にした附則第十三条の規定による改正前の国家公務員共済組合法の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部改正)
第十七条 国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法(昭和三十三年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
第三条の二第二項、第二十九条第一項及び第五十四条第一項中「国」を「国又は独立行政法人造幣局」に改める。
(国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部改正に伴う経過措置)
第十八条 施行日以後の月分の国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法第三条の二第一項に規定する年金である給付に要する費用のうち、当該年金である給付の額について施行日前に行われた改定により増加した費用で従前の造幣局特別会計が引き続き存続するものとした場合において造幣局特別会計において負担すべきこととなるものについては、造幣局が負担する。
(国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律の一部改正)
第十九条 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。
附則第三十一条第一項中「国は」を「国又は独立行政法人造幣局は、政令で定めるところにより」に改め、同条第二項中「国が」を「国又は独立行政法人造幣局が」に、「国の」を「国又は独立行政法人造幣局の」に改め、同条第三項中「国」を「国又は独立行政法人造幣局」に改める。
附則第六十四条第四号中「国」を「国又は独立行政法人造幣局」に改める。
(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律の一部改正)
第二十条 通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(昭和六十二年法律第四十二号)の一部を次のように改正する。
第四条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 財務大臣は、貨幣の製造に関する事務を、独立行政法人造幣局(以下「造幣局」という。)に行わせる。
第四条に次の一項を加える。
4 財務大臣が造幣局に対し支払う貨幣の製造代金は、貨幣の製造原価等を勘案して算定する。
第十条の見出しを「(造幣局による貨幣の販売)」に改め、同条第一項各号列記以外の部分を次のように改める。
造幣局は、次に掲げる貨幣であつて財務大臣が指定するものを販売するものとする。
第十条第一項第一号中「その他財務大臣が指定するもの」を削り、同条第二項中「前項各号に掲げる」を「前項の」に改め、同条第三項中「政府は、第一項各号に掲げる」を「造幣局は、第一項の」に、「販売することができる」を「販売するものとする」に改め、同条第四項中「政府に交付しなければならない」を「造幣局に交付するものとする」に改め、同条に次の一項を加える。
5 造幣局は、政令で定めるところにより、第一項の規定により販売した貨幣の販売収入から販売に要する費用を控除した金額を国庫に納付するものとする。
(厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部改正)
第二十一条 厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成八年法律第八十二号)の一部を次のように改正する。
附則第五十四条第一項第二号及び第三項第二号中「国が」を「国又は独立行政法人造幣局が」に改める。
(その他の経過措置の政令への委任)
第二十二条 附則第二条から第四条まで、第六条、第七条、第九条、第十一条、第十四条から第十六条まで及び第十八条に定めるもののほか、造幣局の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(財務省設置法の一部改正)
第二十三条 財務省設置法の一部を次のように改正する。
第三条中「造幣事業及び」を削る。
第四条第六十二号を次のように改める。
六十二 削除
第九条及び第十条を次のように改める。
第九条及び第十条 削除
第十一条第五項中「第三項」を「第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条中第四項を第五項とし、第一項から第三項までを一項ずつ繰り下げ、同条に第一項として次の一項を加える。
本省に、印刷局を置く。
第二十五条中「造幣局及び」を削り、「(造幣局長及び印刷局長」を「(印刷局長」に改め、「それぞれ造幣局長及び」を削る。
(財務・内閣総理大臣署名)