地方公務員災害補償法の一部を改正する法律
法律第九十五号(昭六一・一二・五)
地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項ただし書中「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為」を「日常生活上必要な行為であつて自治省令で定めるもの」に、「行なう」を「行う」に、「最少限度」を「最小限度」に改め、同条第六項第二号中「六週間前」を「六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十週間)前」に、「六週間以内」を「八週間以内」に改め、同条に次の二項を加える。
9 傷病補償年金、障害補償年金又は遺族補償年金(以下「年金たる補償」という。)の額の算定の基礎として用いる平均給与額(以下この項において「年金平均給与額」という。)は、当該年金たる補償を支給すべき場合において、次の各号に掲げる場合に該当するときは、当該各号に定める額とする。
一 第四項から前項までの規定により平均給与額として計算した額が、自治省令で定める年齢階層(以下この項において単に「年齢階層」という。)ごとに年金平均給与額の最低限度額として自治大臣が定める額のうち、当該年金たる補償を受けるべき職員の当該年金たる補償を支給すべき月の属する年度(四月一日から翌年三月三十一日までをいう。)の四月一日(以下この項において「基準日」という。)における年齢(遺族補償年金を支給すべき場合にあつては、当該支給をすべき事由に係る職員の死亡がなかつたものとして計算した場合に得られる当該職員の基準日における年齢。次号において同じ。)の属する年齢階層に係る額に満たない場合 当該年齢階層に係る額
二 第四項から前項までの規定により平均給与額として計算した額が、年齢階層ごとに年金平均給与額の最高限度額として自治大臣が定める額のうち、当該年金たる補償を受けるべき職員の基準日における年齢の属する年齢階層に係る額を超える場合 当該年齢階層に係る額
10 前項各号の自治大臣が定める額は、自治省令で定めるところにより、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第八条の二第二項各号の労働大臣が定める額を考慮して定めるものとする。
第二十八条に次のただし書を加える。
ただし、次に掲げる場合(自治省令で定める場合に限る。)には、その拘禁され、又は収容されている期間については、休業補償は、行わない。
一 監獄、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されている場合
二 少年院その他これに準ずる施設に収容されている場合
第三十九条の二中「傷病補償年金、障害補償年金又は遺族補償年金(以下「年金たる補償」という。)」を「年金たる補償」に改める。
第六十七条第二項中「(昭和二十二年法律第五十号)」を削る。
附則第七条の三に次の二項を加える。
2 前項の規定により年金たる補償の額を改定して支給すべき場合における第二条第九項の規定の適用については、同項中「計算した額」とあるのは、「計算した額に、附則第七条の三第一項の規定により年金たる補償の額を改定して支給すべき場合に当該改定に用いるべき率と同一の率を乗じて得た額」とする。
3 前項において読み替えて適用する第二条第九項の規定により同項第一号又は第二号の自治大臣が定める額を年金たる補償に係る同項に規定する年金平均給与額として当該年金たる補償の額を算定して支給すべき場合には、第一項の規定にかかわらず、同項の規定による改定をしないこととして算定した年金たる補償の額により当該年金たる補償を支給する。
附則第八条第一項中「労働者災害補償保険法別表第一第一号又は第二号の政令で定める」を「同一の事由により労働者災害補償保険法の年金たる保険給付と他の法令による年金たる給付とが支給されるべき場合に同法の年金たる保険給付の額の算定に用いられる」に改め、同条第二項中「労働者災害補償保険法別表第一第二号の政令で定める率のうち傷病補償年金について定める」を「同一の事由により労働者災害補償保険法の傷病補償年金と他の法令による年金たる給付とが支給されるべき場合に同法の傷病補償年金の額の算定に用いられる」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十二年二月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第二条第六項第二号の改正規定並びに附則第三条及び第六条の規定 公布の日
二 第二条第三項ただし書及び第二十八条の改正規定並びに次条の規定 昭和六十二年四月一日
(経過措置)
第二条 この法律による改正後の地方公務員災害補償法(以下「新法」という。)第二条第三項ただし書の規定は、昭和六十二年四月一日以後に発生した事故に起因する通勤による災害について適用する。
第三条 新法第二条第六項第二号の規定は、この法律の公布の日以後に発生した事故に起因する公務上の災害又は通勤による災害に係る補償について適用する。
第四条 新法第二条第九項及び第十項の規定は、傷病補償年金、障害補償年金又は遺族補償年金(以下「年金たる補償」という。)のうちこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後の期間に係る分について適用する。
第五条 同一の公務上の障害(負傷又は疾病により障害の状態にあることを含む。以下この項において同じ。)若しくは死亡又は同一の通勤による障害若しくは死亡に関し、施行日の前日において年金たる補償を受ける権利を有していた者であつて、施行日以後においても年金たる補償を受ける権利を有するものに対する当該施行日以後において受ける権利を有する年金たる補償(以下この項において「施行後補償年金」という。)の施行日以後の期間に係る額の算定については、当該施行日の前日において受ける権利を有していた年金たる補償(以下この条において「施行前補償年金」という。)の額の算定の基礎として用いられた平均給与額(以下この条において「施行前平均給与額」という。)が、新法第二条第九項第二号の自治大臣が定める額のうち、当該施行後補償年金に係る同号に規定する年金たる補償を受けるべき職員の基準日における年齢の属する年齢階層に係る額を超える場合には、同項(新法附則第七条の三第二項において読み替えて適用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該施行前平均給与額を当該施行後補償年金に係る新法第二条第九項に規定する年金平均給与額とする。
2 施行前補償年金が遺族補償年金である場合であつて、施行日以後において、当該遺族補償年金を、地方公務員災害補償法第三十四条第一項後段の規定により次順位者に支給するとき、又は同法第三十五条第一項後段の規定により次順位者を先順位者として支給するときは、当該次順位者は、施行日の前日において当該遺族補償年金を受ける権利を有していたものとみなして、前項の規定を適用する。
3 前二項の規定により施行前平均給与額を新法第二条第九項に規定する年金平均給与額として年金たる補償の額を算定して支給すべき場合には、新法附則第七条の三第一項の規定にかかわらず、同項の規定による改定をしないこととして算定した年金たる補償の額により当該年金たる補償を支給する。
(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(自治・内閣総理大臣署名)