年金積立金管理運用独立行政法人法
法律第百五号(平一六・六・一一)
目次
第一章 総則(第一条―第五条)
第二章 役員及び職員(第六条―第十四条)
第三章 運用委員会(第十五条―第十七条)
第四章 業務等(第十八条―第二十三条)
第五章 財務及び会計(第二十四条・第二十五条)
第六章 業務の概況の公表(第二十六条)
第七章 雑則(第二十七条―第三十二条)
第八章 罰則(第三十三条―第三十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、年金積立金管理運用独立行政法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、年金積立金管理運用独立行政法人とする。
(管理運用法人の目的)
第三条 年金積立金管理運用独立行政法人(以下「管理運用法人」という。)は、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)及び国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の規定に基づき厚生労働大臣から寄託された積立金(以下「年金積立金」という。)の管理及び運用を行うとともに、その収益を国庫に納付することにより、厚生年金保険事業及び国民年金事業の運営の安定に資することを目的とする。
(事務所)
第四条 管理運用法人は、主たる事務所を神奈川県に置く。
(資本金)
第五条 管理運用法人の資本金は、附則第四条第一項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
第二章 役員及び職員
(役員)
第六条 管理運用法人に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 管理運用法人に、役員として、理事一人を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第七条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して管理運用法人の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し、又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第八条 理事長の任期は、任命の日から、その日を含む管理運用法人に係る通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(次項において「中期目標の期間」という。)の末日までとする。
2 通則法第二十九条第一項後段の規定により中期目標が変更された場合において中期目標の期間が変更されたときは、理事長の任期は、変更後の中期目標の期間の末日までとする。
3 理事の任期は、当該理事について理事長が定める期間(その末日が理事長の任期の末日以前であるものに限る。)とする。
4 第二項の規定により理事長の任期が変更された場合において、理事の任期の末日が理事長の任期の末日後となるときは、当該理事の任期は、変更後の理事長の任期の末日までとする。
5 監事の任期は、二年とする。
(役員の欠格条項の特例)
第九条 通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 銀行業、信託業、証券業、生命保険業その他の金融業(これらに類似し、又は密接に関連する事業を含む。)を営む者であって管理運用法人と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
第十条 管理運用法人の役員の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び年金積立金管理運用独立行政法人法(平成十六年法律第百五号)第九条」とする。
(役員等の注意義務)
第十一条 管理運用法人の役員及び職員は、年金積立金が厚生年金保険及び国民年金の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、慎重かつ細心の注意を払い、全力を挙げてその職務を遂行しなければならない。
2 理事長及び理事は、第十八条第一号に掲げる業務(以下「管理運用業務」という。)に関する職務の執行に際しては、委任を受けて他人のために資産の管理及び運用を行う者であってその職務に関して一般に認められている専門的な知見に基づき慎重な判断を行うものが同様の状況の下で払う注意に相当する注意(第二十二条において「慎重な専門家の注意」という。)を払わなければならない。
3 理事長及び理事は、管理運用業務について、この法律、厚生年金保険法若しくは国民年金法、これらの法律に基づく命令若しくは通則法若しくはこの法律に基づいてする厚生労働大臣の処分又は管理運用法人が定める業務方法書その他の規則を遵守し、管理運用法人のため忠実にその職務を遂行しなければならない。
(理事長及び理事の禁止行為)
第十二条 理事長及び理事は、自己又は管理運用法人以外の第三者の利益を図る目的をもって、次に掲げる行為を行ってはならない。
一 特別の利益の提供を受け、又は受けるために、年金積立金の管理及び運用に関する契約を管理運用法人に締結させること。
二 自己若しくは自己と利害関係のある者の有する有価証券その他の資産を管理運用法人に取得させ、又は年金積立金の管理及び運用に係る資産を自己若しくは自己と利害関係のある者が取得するようにさせること。
(秘密保持義務)
第十三条 管理運用法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、管理運用業務に係る職務に関して知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
(役員及び職員の地位)
第十四条 管理運用法人の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 運用委員会
(運用委員会の設置及び権限)
第十五条 管理運用法人に、運用委員会を置く。
2 次に掲げる事項は、運用委員会の議を経なければならない。
一 業務方法書の作成又は変更
二 通則法第三十条第一項に規定する中期計画(第二十条において「中期計画」という。)の作成又は変更
3 運用委員会は、年金積立金の運用状況その他の管理運用業務の実施状況を監視する。
4 運用委員会は、前二項に規定するもののほか、管理運用業務に関し、理事長の諮問に応じて重要事項について意見を述べ、又は必要と認める事項について理事長に建議することができる。
(運用委員会の組織)
第十六条 運用委員会は、委員十一人以内をもって組織する。
(委員)
第十七条 委員は、経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が任命する。
2 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 第九条、第十一条第一項、第十三条及び第十四条並びに通則法第十四条、第二十一条第二項、第二十二条並びに第二十三条第一項(第十条において読み替えて適用する場合を含む。)及び第二項の規定は、委員について準用する。この場合において、通則法第十四条第三項中「第二十条第一項」とあるのは「年金積立金管理運用独立行政法人法第十七条第一項」と、通則法第二十二条中「非常勤の者」とあるのは「非常勤の者及び教育公務員で政令で定めるもの」と、通則法第二十三条第一項及び第二項中「主務大臣又は法人の長は、それぞれ」とあるのは「厚生労働大臣は、」と読み替えるものとする。
第四章 業務等
(業務の範囲)
第十八条 管理運用法人は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 年金積立金の管理及び運用を行うこと。
二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(業務の委託)
第十九条 管理運用法人は、業務方法書で定めるところにより、金融機関その他政令で定める法人に対し、前条に規定する業務の一部を委託することができる。
2 第十一条及び第十二条の規定は、前項の規定により業務の委託を受けた者について準用する。
(中期計画の記載事項)
第二十条 管理運用法人は、中期計画に、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 年金積立金の管理及び運用の基本的な方針
二 年金積立金の管理及び運用における長期的な観点からの資産の構成に関する事項
三 年金積立金の管理及び運用に関し遵守すべき事項
2 前項各号に掲げる事項は、資産の管理及び運用に関し一般に認められている専門的な知見並びに内外の経済動向を考慮するとともに、年金積立金の運用が市場その他の民間活動に与える影響に留意しつつ、安全かつ確実を基本とし、年金積立金の運用が特定の方法に集中せず、かつ、厚生年金保険法第七十九条の二及び国民年金法第七十五条の目的に適合するものでなければならない。
3 第一項第二号に掲げる事項は、厚生年金保険法第二条の四第一項に規定する財政の現況及び見通し及び国民年金法第四条の三第一項に規定する財政の現況及び見通しを勘案し、かつ、年金積立金の運用収入の変動の可能性に留意したものでなければならない。
4 管理運用法人の中期計画に関する通則法第三十条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「年金積立金管理運用独立行政法人法第二十条第一項各号に掲げる事項のほか、次に」とする。
(積立金の管理及び運用)
第二十一条 厚生年金保険法第七十九条の三第一項の規定に基づき寄託された積立金(以下「厚生年金積立金」という。)及び国民年金法第七十六条第一項の規定に基づき寄託された積立金(以下「国民年金積立金」という。)の運用は、次に掲げる方法により安全かつ効率的に行われなければならない。
一 証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)に規定する有価証券(同法第百八条の二第三項の規定により国債証券又は外国国債証券とみなされる標準物(第六号において「標準物」という。)を含む。)であって政令で定めるもの(株式を除く。)の売買
二 預金又は貯金(厚生労働大臣が適当と認めて指定したものに限る。)
三 信託会社(信託業務を営む銀行を含む。)への信託。ただし、運用方法を特定するものにあっては、次に掲げる方法により運用するものに限る。
イ 前二号及び第五号から第八号までに掲げる方法
ロ 投資顧問業者(有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律(昭和六十一年法律第七十四号)第二条第三項に規定する者をいう。)との投資一任契約(同条第四項に規定する契約をいう。)であって政令で定めるものの締結
四 厚生年金保険の被保険者及び国民年金の被保険者(国民年金法第七条第一項第一号に規定する第一号被保険者に限る。)を被保険者とする生命保険(被保険者の所定の時期における生存を保険金の支払事由とするものに限る。)の保険料の払込み
五 第一号の規定により取得した有価証券のうち政令で定めるものの金融機関その他政令で定める法人に対する貸付け
六 債券オプション(当事者の一方の意思表示により当事者間において債券(標準物を含む。)の売買契約を成立させ、又は解除させることができる権利であって政令で定めるものをいう。)の取得又は付与
七 先物外国為替(外国通貨をもって表示される支払手段であって、その売買契約に基づく債権の発生、変更又は消滅に係る取引を当該売買契約の契約日後の一定の時期に一定の外国為替相場により実行する取引(金融先物取引所の開設する市場において行われる取引又はこれに類する取引であって、政令で定めるものに該当するものを除く。)の対象となるものをいう。)の売買
八 通貨オプション(当事者の一方の意思表示により当事者間において外国通貨をもって表示される支払手段の売買取引(前号の政令で定める取引に該当するものを除く。)を成立させることができる権利をいう。)の取得又は付与
2 管理運用法人は、厚生年金積立金及び国民年金積立金を合同して管理及び運用を行うことができる。
(年金積立金の管理及び運用に関する契約)
第二十二条 管理運用法人は、年金積立金の管理及び運用に関して、次に掲げる契約を締結するときは、当該契約において、当該契約の相手方が慎重な専門家の注意を払うとともに、法令及び管理運用法人と締結した契約その他の規程を遵守し、管理運用法人のため忠実にその職務を遂行しなければならない旨の規定を定めなければならない。
一 前条第一項第三号に掲げる信託の契約
二 前条第一項第三号ロに規定する投資一任契約
三 前条第一項第四号に掲げる生命保険の保険料の払込みの契約
(制裁規程)
第二十三条 管理運用法人は、業務の開始の際、制裁規程を作成し、これを厚生労働大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 前項の制裁規程においては、管理運用法人の役員、委員及び職員(以下この項において「役員等」という。)が、この法律、厚生年金保険法若しくは国民年金法、これらの法律に基づく命令若しくは通則法若しくはこの法律に基づいてする厚生労働大臣の処分若しくは管理運用法人が定める業務方法書その他の規則に違反し、又は管理運用法人の役員等たるにふさわしくない行為をしたときは、当該役員等に対し、免職、停職、減給又は戒告の処分その他の制裁を課する旨を定めなければならない。
第五章 財務及び会計
(区分経理)
第二十四条 管理運用法人は、次の各号に掲げる経理については、他の経理と区分し、それぞれ当該各号の区分に応じ、当該各号に定める勘定を設けて整理しなければならない。
一 厚生年金積立金の管理に係る経理 厚生年金勘定
二 国民年金積立金の管理に係る経理 国民年金勘定
三 厚生年金勘定及び国民年金勘定から受け入れた資金の管理並びに第十八条に規定する業務に必要な事務に係る経理 総合勘定
2 前項各号に定める勘定に係る業務上の余裕金の運用については、通則法第四十七条の規定にかかわらず、第二十一条の規定を準用する。
(利益及び損失の処理の特例等)
第二十五条 管理運用法人は、通則法第四十四条第一項の規定にかかわらず、総合勘定において、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、当該事業年度における厚生年金勘定及び国民年金勘定から受け入れた資金の額を基準として政令で定めるところにより按分した額を、それぞれこれらの勘定に帰属させるものとする。
2 管理運用法人は、通則法第四十四条第二項の規定にかかわらず、総合勘定において、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、当該事業年度における厚生年金勘定及び国民年金勘定から受け入れた資金の額を基準として政令で定めるところにより按分し、それぞれこれらの勘定から受け入れた資金を減額して整理するものとする。
3 厚生年金勘定及び国民年金勘定については、通則法第四十四条第一項ただし書、第三項及び第四項の規定は、適用しない。
4 管理運用法人は、厚生年金勘定又は国民年金勘定において、通則法第四十四条第一項及び第二項の規定により整理された積立金の額から政令で定めるところにより厚生労働大臣が定める額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を翌事業年度の三月三十一日までにそれぞれ厚生保険特別会計年金勘定又は国民年金特別会計国民年金勘定に納付しなければならない。
5 前項の規定による納付金の納付の手続については、政令で定める。
第六章 業務の概況の公表
第二十六条 管理運用法人は、各事業年度の決算完結後遅滞なく、当該事業年度における年金積立金の資産の額及びその構成割合並びに運用収入の額その他厚生労働省令で定める事項を記載した業務概況書を作成し、これを公表しなければならない。
第七章 雑則
(特に必要がある場合の厚生労働大臣の要求)
第二十七条 厚生労働大臣は、年金積立金の安全かつ効率的な運用を行うため特に必要があると認めるときは、管理運用法人に対し、管理運用業務に関し必要な措置をとることを求めることができる。
2 管理運用法人は、厚生労働大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
(年金財政に与える影響の検証等)
第二十八条 厚生労働大臣は、毎年度年金積立金の運用が年金財政に与える影響について検証し、通則法第三十二条第一項の規定による評価に資するよう、厚生労働省の独立行政法人評価委員会に報告しなければならない。
2 管理運用法人の業務の実績についての評価に関する通則法第三十二条第二項及び第三項の規定の適用については、同条第二項中「分析の結果」とあるのは「分析の結果並びに年金積立金管理運用独立行政法人法第二十八条第一項の規定による報告の内容」と、同条第三項中「評価の結果」とあるのは「評価の結果及び年金積立金管理運用独立行政法人法第二十八条第一項の規定による報告の内容」とする。
(財務大臣との協議)
第二十九条 厚生労働大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。
一 第二十一条第一項第二号の規定による指定をしようとするとき。
二 第二十五条第四項の額を定めようとするとき。
三 第二十六条の規定により厚生労働省令を定めようとするとき。
(主務大臣等)
第三十条 管理運用法人に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ厚生労働大臣、厚生労働省及び厚生労働省令とする。
(国家公務員宿舎法の適用除外)
第三十一条 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、管理運用法人の役員及び職員には適用しない。
(国家公務員共済組合法の適用に関する特例)
第三十二条 管理運用法人の役員及び職員は、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の規定の適用については、同法第二条第一項第一号に規定する職員には該当しないものとする。この場合において必要な事項は、政令で定める。
第八章 罰則
第三十三条 第十三条(第十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第三十四条 管理運用法人に関する通則法第七十条の規定の適用については、「又は職員」とあるのは、「、委員又は職員」とする。
第三十五条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした管理運用法人の役員又は職員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第十八条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第二十三条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
三 第二十三条第一項又は第二十六条の規定による公表をせず、又は虚偽の公表をしたとき。
四 第二十四条第二項の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十八年四月一日から施行する。ただし、第十七条第三項(通則法第十四条の規定を準用する部分に限る。)及び第三十条並びに次条から附則第五条まで、附則第七条及び附則第三十九条の規定は、公布の日から施行する。
(基金の長期借入金の償還)
第二条 年金資金運用基金(以下「基金」という。)は、附則第十四条の規定による廃止前の年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律(平成十二年法律第二十号。以下「年金福祉事業団業務承継法」という。)第二十条第一項及び年金福祉事業団業務承継法附則第三条の規定による廃止前の年金福祉事業団法(昭和三十六年法律第百八十号。以下「旧事業団法」という。)第二十六条第一項の規定に基づく長期借入金(旧事業団法第十七条第二項の規定に基づく業務(以下「資金確保業務」という。)及び年金福祉事業団業務承継法附則第三条の規定による廃止前の年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律(昭和六十二年法律第五十九号)第二条の規定に基づく業務(以下「基盤強化業務」という。)に係る部分を除く。)については、政令で定めるところにより、次条第一項の規定による基金の解散の時(以下「解散時」という。)までに償還するものとする。
2 政府は、前項の規定による償還に要する資金として政令で定める額の出資及び交付金の交付を行うものとする。
(基金の解散等)
第三条 基金は、管理運用法人の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、権利及び義務の承継に関し必要な事項を定めた承継計画書において定めるところに従い、その時において管理運用法人及び独立行政法人福祉医療機構(以下「機構」という。)が承継する。
2 基金の解散の際現に基金が有する権利のうち、管理運用法人及び機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、解散時において国が承継する。
3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4 第一項の規定により承継する権利及び義務の範囲は、次の各号に掲げる法人ごとに当該各号に定めるところによる。
一 管理運用法人 基金が有する権利及び義務のうち次号に定めるもの以外のもの
二 機構 年金福祉事業団業務承継法第十二条第一項に規定する業務及びこれに附帯する業務並びに年金福祉事業団業務承継法第十三条に規定する業務に係る権利及び義務
5 第一項の承継計画書は、基金が作成して厚生労働大臣の認可を受けたものでなければならない。
6 基金の平成十七年四月一日に始まる事業年度に係る決算及び国庫納付金の納付並びに財産目録、貸借対照表、損益計算書及び業務概況書については、管理運用法人及び機構が従前の例により行うものとする。
7 第一項の規定により基金が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(基金の資産の承継に伴う出資の取扱い等)
第四条 前条第一項の規定により管理運用法人が基金の権利及び義務を承継したときは、解散時までに政府から基金に対して出資された額(年金福祉事業団業務承継法第十一条第一項及び第三項、第十二条並びに第十三条に規定する業務に必要な資金に充てるべきものとして出資された額を除く。)は、その承継に際し政府から管理運用法人に第十八条に規定する管理運用法人の業務に必要な資金に充てるべきものとして出資されたものとする。
2 前条第一項の規定により機構が基金の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、同項に規定する承継計画書において定めるところに従い機構が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。
3 前項の資産の価額は、管理運用法人の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(厚生年金勘定等に関する経過措置)
第五条 附則第三条第一項の規定により管理運用法人が基金の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、次の各号に掲げる勘定に属する資産及び負債は、それぞれ当該各号に定める勘定に属する資産及び負債として整理するものとする。
一 附則第十四条の規定による廃止前の年金資金運用基金法(平成十二年法律第十九号。以下「基金法」という。)第三十六条第一項第一号に定める厚生年金勘定(以下この条において「旧厚生年金勘定」という。) 厚生年金勘定
二 基金法第三十六条第一項第二号に定める国民年金勘定(以下この条において「旧国民年金勘定」という。) 国民年金勘定
三 基金法第三十六条第一項第三号に定める総合勘定(以下この条において「旧総合勘定」という。) 総合勘定
四 年金福祉事業団業務承継法第六条に規定する承継資金運用勘定(以下この条において「旧承継資金運用勘定」という。) 附則第九条第一項に規定する特別の勘定(以下「承継資金運用勘定」という。)
2 前条第一項の規定により政府から出資されたものとされた額は、総合勘定に属する資本金として整理するものとする。
3 附則第三条第一項の規定により管理運用法人が基金の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、旧総合勘定から承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額が総合勘定において資本金として整理されている金額を超えるときは、当該超える金額を旧総合勘定が旧厚生年金勘定、旧国民年金勘定及び旧承継資金運用勘定から受け入れた資金の額を基準として政令で定めるところにより按分した額により、それぞれ厚生年金勘定、国民年金勘定及び承継資金運用勘定から受け入れた資金を増額して整理するものとする。
4 附則第三条第一項の規定により管理運用法人が基金の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、旧総合勘定から承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額が総合勘定において資本金として整理されている金額を下回るときは、当該下回る金額を旧総合勘定が旧厚生年金勘定、旧国民年金勘定及び旧承継資金運用勘定から受け入れた資金の額を基準として政令で定めるところにより按分した額により、それぞれ厚生年金勘定、国民年金勘定及び承継資金運用勘定から受け入れた資金を減額して整理するものとする。
5 第一項の規定により厚生年金勘定、国民年金勘定若しくは承継資金運用勘定に整理された資産の価額に第三項の規定によりそれぞれの勘定から受け入れた資金を増額して整理するものとされた額を加えた額又は第一項の規定により厚生年金勘定、国民年金勘定若しくは承継資金運用勘定に整理された資産の価額から前項の規定によりそれぞれの勘定から受け入れた資金を減額して整理するものとされた額を差し引いた額から、第一項の規定により厚生年金勘定、国民年金勘定又は承継資金運用勘定の負債として整理された金額を差し引いた額は、それぞれの勘定に属する積立金又は繰越欠損金として整理するものとする。
6 第一項、第三項及び第四項の資産の価額は、管理運用法人の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
7 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(非課税)
第六条 附則第三条第一項の規定により管理運用法人が権利を承継する場合における当該承継に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税又は自動車取得税を課することができない。
(事務所に関する経過措置)
第七条 管理運用法人は、政令で定める日までの間、第四条の規定にかかわらず、主たる事務所を東京都に置く。
(承継資金運用業務)
第八条 管理運用法人は、旧事業団法第二十六条第一項の規定に基づく長期借入金(資金確保業務及び基盤強化業務に係る部分に限る。附則第十一条第一項において同じ。)の償還が終了するまでの間、第十八条に規定する業務のほか、附則第三条第一項の規定により承継した資金確保業務及び基盤強化業務に係る資金の管理及び運用を行う。
(承継資金運用勘定)
第九条 管理運用法人は、前条の規定による業務(以下「承継資金運用業務」という。)に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
2 承継資金運用勘定については、通則法第四十四条第一項ただし書、第三項及び第四項の規定は、適用しない。
(合同運用)
第十条 承継資金運用勘定に属する資産は、年金積立金と合同して管理及び運用を行うものとする。
(総合勘定からの資金の融通)
第十一条 管理運用法人は、承継資金運用業務を円滑に実施するため、毎事業年度、長期借入金の償還に充てるべき金額に相当する金額を総合勘定から承継資金運用勘定へ融通するものとする。
2 附則第十三条第一項の規定により読み替えて適用される第二十五条第一項の規定に基づき承継資金運用勘定に帰属させるものとされた利益のうち前項の規定により融通された資金の運用により生じたものとして政令で定めるところにより算出した金額に相当するものについては、第二十五条第一項の規定を準用する。
3 附則第十三条第一項の規定により読み替えて適用される第二十五条第二項の規定に基づき承継資金運用勘定の資金を減額して整理するものとされた損失のうち第一項の規定により融通された資金の運用により生じたものとして政令で定めるところにより算出した金額に相当するものについては、第二十五条第二項の規定を準用する。
(承継資金運用勘定の廃止等)
第十二条 管理運用法人は、承継資金運用業務を終えたときは、承継資金運用勘定を廃止するものとし、政令で定めるところにより、その廃止の際承継資金運用勘定に属する資産及び負債を総合勘定に帰属させるものとする。
(管理運用業務に関する規定の準用等)
第十三条 管理運用法人が承継資金運用業務を行う場合には、次の表の上欄に掲げるこの法律の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第十一条第二項 |
掲げる業務 |
掲げる業務及び附則第八条に規定する業務 |
第十二条第一号 |
年金積立金 |
年金積立金及び附則第九条第一項に規定する特別の勘定(以下「承継資金運用勘定」という。)に属する資産 |
第十二条第二号 |
係る資産 |
係る資産並びに承継資金運用勘定に属する資産 |
第十九条第一項 |
前条 |
前条及び附則第八条 |
第二十条第一項から第三項まで、第二十二条、第二十六条、第二十七条第一項及び第二十八条第一項 |
年金積立金 |
年金積立金及び承継資金運用勘定に属する資産 |
第二十一条第一項 |
及び国民年金法第七十六条第一項の規定に基づき寄託された積立金(以下「国民年金積立金」という。) |
、国民年金法第七十六条第一項の規定に基づき寄託された積立金(以下「国民年金積立金」という。)及び承継資金運用勘定に属する資産 |
第二十四条第一項第三号並びに第二十五条第一項及び第二項 |
及び国民年金勘定 |
、国民年金勘定及び承継資金運用勘定 |
第二十四条第二項 |
勘定 |
勘定及び承継資金運用勘定 |
2 承継資金運用業務は、第三十五条第一号の規定の適用については、第十八条第一号に掲げる業務とみなす。
(年金資金運用基金法等の廃止)
第十四条 次の法律は、廃止する。
一 年金資金運用基金法
二 年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律
(年金資金運用基金法等の廃止に伴う経過措置)
第十五条 基金の役員、投資専門委員又は職員であった者に係るその職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない義務については、この法律の施行の日(以下この条、次条及び附則第三十一条において「施行日」という。)以後も、なお従前の例による。
2 施行日前に基金法(第十二条及び第二十条第三項を除く。)又は年金福祉事業団業務承継法の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則の経過措置)
第十六条 施行日前にした行為並びに附則第三条第六項及び前条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(厚生年金保険法の一部改正)
第十七条 厚生年金保険法の一部を次のように改正する。
目次中「第七十九条の八」を「第七十九条の七」に改める。
第七十九条の三第一項中「を達成するため、年金資金運用基金に対し、次条第一項に規定する基本方針」を削り、「目的として」の下に「、年金積立金管理運用独立行政法人に対し」を加える。
第七十九条の四及び第七十九条の五を削り、第七十九条の六を第七十九条の四とし、第七十九条の七を第七十九条の五とし、第七十九の八を第七十九条の六とし、第四章の二中同条の次に次の一条を加える。
(年金積立金管理運用独立行政法人法との関係)
第七十九条の七 積立金の運用については、この法律に定めるもののほか、年金積立金管理運用独立行政法人法(平成十六年法律第百五号)の定めるところによる。
(国民年金法の一部改正)
第十八条 国民年金法の一部を次のように改正する。
第七十六条第一項中「を達成するため、年金資金運用基金に対し、次条第一項に規定する基本方針」を削り、「目的として」の下に「、年金積立金管理運用独立行政法人に対し」を加える。
第七十七条及び第七十八条を削り、第七十九条を第七十七条とし、第八十条を第七十八条とし、同条の次に次の二条を加える。
(懲戒処分)
第七十九条 運用職員が前条の規定に違反したと認めるときは、厚生労働大臣は、その職員に対し国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)に基づく懲戒処分をしなければならない。
(年金積立金管理運用独立行政法人法との関係)
第八十条 積立金の運用については、この法律に定めるもののほか、年金積立金管理運用独立行政法人法(平成十六年法律第百五号)の定めるところによる。
第八十一条から第八十四条までを次のように改める。
第八十一条から第八十四条まで 削除
(積立金の運用に関する経過措置)
第十九条 平成十七年度に係る附則第十七条の規定による改正前の厚生年金保険法第七十九条の五第一項又は前条の規定による改正前の国民年金法第七十八条第一項の規定による報告書については、なお従前の例による。この場合において、これらの規定中「遅滞なく、社会保障審議会に提出するとともに」とあるのは、「遅滞なく」とする。
(厚生保険特別会計法等の一部改正)
第二十条 次に掲げる法律の規定中「年金資金運用基金」を「年金積立金管理運用独立行政法人」に改める。
一 厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)第五条及び第六条
二 国民年金特別会計法(昭和三十六年法律第六十三号)第四条第一項及び第六条
三 国民年金法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第十八号)附則第三十七条
(国民生活金融公庫法の一部改正)
第二十一条 国民生活金融公庫法(昭和二十四年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
附則第十九項中「年金資金運用基金が年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律(平成十二年法律第二十号。以下「年金福祉事業団業務承継法」という。)第十三条」を「独立行政法人福祉医療機構が独立行政法人福祉医療機構法附則第五条の二第三項」に、「年金福祉事業団業務承継法第十三条」を「独立行政法人福祉医療機構法附則第五条の二第三項」に、「年金資金運用基金の」を「独立行政法人福祉医療機構の」に、「年金資金運用基金に」を「独立行政法人福祉医療機構に」に改め、附則第二十項及び第二十一項中「年金資金運用基金」を「独立行政法人福祉医療機構」に改め、附則第二十三項中「年金福祉事業団業務承継法第十五条第一項第二号」を「独立行政法人福祉医療機構法附則第五条の二第十一項の規定により読み替えて適用する同法第十四条第一項」に、「年金資金運用基金」を「独立行政法人福祉医療機構」に改める。
(住宅金融公庫法の一部改正)
第二十二条 住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
附則第十一項中「年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律(平成十二年法律第二十号)第十五条第一項第二号」を「独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)附則第五条の二第十一項の規定により読み替えて適用される同法第十四条第一項」に、「年金資金運用基金」を「独立行政法人福祉医療機構」に改める。
附則第十二項中「年金資金運用基金」を「独立行政法人福祉医療機構」に改める。
(地方財政再建促進特別措置法の一部改正)
第二十三条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)の一部を次のように改正する。
第二十四条第二項中「、年金資金運用基金」を削る。
(日本勤労者住宅協会法の一部改正)
第二十四条 日本勤労者住宅協会法(昭和四十一年法律第百三十三号)の一部を次のように改正する。
附則第十条の二を削る。
(社会保険労務士法の一部改正)
第二十五条 社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
別表第一第二十七号を次のように改める。
二十七 独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号。附則第五条の二の規定に限る。)
(沖縄振興開発金融公庫法の一部改正)
第二十六条 沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)の一部を次のように改正する。
附則第七条第一項中「年金資金運用基金」を「独立行政法人福祉医療機構」に、「年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律(平成十二年法律第二十号)第十三条」を「独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)附則第五条の二第三項」に、「同法第十三条」を「同法附則第五条の二第三項」に改め、同条第二項中「年金資金運用基金」を「独立行政法人福祉医療機構」に改める。
(保険業法の一部改正)
第二十七条 保険業法(平成七年法律第百五号)の一部を次のように改正する。
附則第一条の十三第二項中「年金資金運用基金」を「年金積立金管理運用独立行政法人」に改める。
(確定給付企業年金法の一部改正)
第二十八条 確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)の一部を次のように改正する。
第百十四条第四項中「年金資金運用基金又は年金資金運用基金」を「年金積立金管理運用独立行政法人又は年金積立金管理運用独立行政法人」に、「年金資金運用基金等」を「年金積立金管理運用独立行政法人等」に、「年金資金運用基金法(平成十二年法律第十九号)第一条」を「年金積立金管理運用独立行政法人法(平成十六年法律第百五号)第三条」に、「年金資金の」を「年金積立金の」に改め、同条第五項中「年金資金運用基金」を「年金積立金管理運用独立行政法人」に改める。
(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の一部改正)
第二十九条 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年法律第百四十号)の一部を次のように改正する。
別表第一年金資金運用基金の項を削る。
(独立行政法人福祉医療機構法の一部改正)
第三十条 独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)の一部を次のように改正する。
附則第五条の次に次の一条を加える。
(業務の特例)
第五条の二 機構は、年金積立金管理運用独立行政法人法(平成十六年法律第百五号)附則第十四条の規定による廃止前の年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律第十二条第一項に規定する債権の回収が終了するまでの間、第十二条第一項に規定する業務のほか、当該債権の管理及び回収の業務を行う。
2 機構は、前項に規定する業務に附帯する業務を行うことができる。
3 機構は、別に法律で定める日までの間、第十二条第一項及び前二項に規定する業務のほか、厚生労働大臣の認可を受けて、国民生活金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫から国民生活金融公庫法(昭和二十四年法律第四十九号)第十八条第二号又は沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)第十九条第一項第二号の規定による小口の教育資金の貸付けを受けようとする厚生年金保険又は国民年金の被保険者(国民年金法第五条第一項第二号から第四号までに掲げる法律の規定による組合員又は加入者を除く。次項において同じ。)で厚生労働省令で定める要件を満たしているものに対して、その貸付けを受けることについて国民生活金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫へのあっせんを行うことをその業務とすることができる。
4 機構は、年金積立金管理運用独立行政法人法附則第二十一条の規定による改正後の国民生活金融公庫法附則第十九項又は年金積立金管理運用独立行政法人法附則第二十六条の規定による改正後の沖縄振興開発金融公庫法附則第七条第一項の規定により国民生活金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫の業務の委託を受けたときは、厚生年金保険又は国民年金の被保険者の福祉の増進に必要な業務を行う法人で政令で定めるものに対し、その委託を受けた業務の一部を委託することができる。第十四条第三項の規定は、この場合について準用する。
5 機構は、第一項及び第二項に規定する業務(以下この条において「承継債権管理回収業務」という。)並びに第三項に規定する業務(以下この条において「承継教育資金貸付けあっせん業務」という。)に係る経理については、その他の経理と区分し、それぞれ特別の勘定(以下この条においてそれぞれ「承継債権管理回収勘定」及び「承継教育資金貸付けあっせん勘定」という。)を設けて整理しなければならない。
6 機構は、承継債権管理回収勘定において、毎事業年度、通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、政令で定めるところにより、当該各号に定める金額をそれぞれ厚生保険特別会計、船員保険特別会計及び国民年金特別会計に納付しなければならない。
一 通則法第四十四条第一項の規定による積立金がある場合 第一項に規定する債権の元本であって当該事業年度において回収されたものの金額に当該積立金に相当する金額を加えた金額
二 通則法第四十四条第二項の規定による繰越欠損金がある場合(同条第一項の規定による積立金及び同条第二項の規定による繰越欠損金のいずれもない場合を含む。) 第一項に規定する債権の元本であって当該事業年度において回収されたものの金額
7 機構は、前項の規定により納付金を納付したときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額により、それぞれ資本金を減少するものとする。
一 前項第一号に掲げる場合 納付金の納付額から同号の積立金の額に相当する金額を差し引いた金額
二 前項第二号に掲げる場合 納付金の納付額に同号の繰越欠損金の額に相当する金額を加えた金額(繰越欠損金がない場合にあっては、納付金の納付額)
8 前二項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
9 機構は、承継債権管理回収業務又は承継教育資金貸付けあっせん業務を終えたときは、それぞれ承継債権管理回収勘定又は承継教育資金貸付けあっせん勘定を廃止するものとし、政令で定めるところにより、それぞれの廃止の際承継債権管理回収勘定又は承継教育資金貸付けあっせん勘定に属する資産及び負債を厚生保険特別会計、船員保険特別会計及び国民年金特別会計に帰属させるものとする。
10 機構は、前項の規定により承継債権管理回収勘定又は承継教育資金貸付けあっせん勘定を廃止したときは、それぞれの廃止の際承継債権管理回収勘定又は承継教育資金貸付けあっせん勘定に属する資本金の額により資本金を減少するものとする。
11 第一項から第三項までの規定により機構が承継債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務を行う場合には、次の表の上欄に掲げるこの法律の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第五条第二項 |
金額 |
金額及び年金積立金管理運用独立行政法人法(平成十六年法律第百五号)附則第四条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額 |
第十四条第一項 |
業務 |
業務並びに附則第五条の二第一項に規定する業務 |
金融機関 |
金融機関その他政令で定める法人 |
|
第十四条第三項 |
第一項 |
第一項(附則第五条の二第十一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。) |
第十六条第一項 |
第十二条第一項 |
第十二条第一項及び附則第五条の二第三項 |
第十六条第四項 |
前条第六号に掲げる業務に係る勘定 |
前条第六号に掲げる業務に係る勘定並びに附則第五条の二第五項に規定する承継教育資金貸付けあっせん勘定 |
第二十四条第一項 |
掲げる業務 |
掲げる業務並びに附則第五条の二第一項及び第三項に規定する業務 |
第二十五条第一項及び第二十六条第一号 |
第十四条第一項 |
第十四条第一項(附則第五条の二第十一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。) |
第二十八条 |
業務 |
業務並びに附則第五条の二第一項に規定する業務 |
第三十二条 |
第二十五条第一項 |
第二十五条第一項(附則第五条の二第十一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。) |
12 第一項から第三項までの規定により機構が承継債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務を行う場合には、年金積立金管理運用独立行政法人法附則第十五条第二項中「又はこの法律」とあるのは、「、この法律又は独立行政法人福祉医療機構法」とする。
13 第一項から第三項までの規定により機構が承継債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務を行う場合には、厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)第五条中「国庫納付金」とあるのは「国庫納付金、独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)附則第五条の二第六項ノ規定ニ依ル納付金」と、第六条中「第十六条第四項」とあるのは「附則第五条の二第十一項ノ規定ニ依リ読替テ適用スル同法第十六条第四項」とする。
14 第一項から第三項までの規定により機構が承継債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務を行う場合には、船員保険特別会計法(昭和二十二年法律第二百三十六号)第三条中「生ずる収入」とあるのは、「生ずる収入、独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)附則第五条の二第六項の規定による納付金」とする。
15 第一項から第三項までの規定により機構が承継債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務を行う場合には、国民年金特別会計法(昭和三十六年法律第六十三号)第四条第一項中「国庫納付金」とあるのは、「国庫納付金、独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)附則第五条の二第六項の規定による納付金」とする。
16 承継債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務は、第三十三条第二号の規定の適用については、第十二条第一項第十二号に掲げる業務とみなす。
(別に法律で定める日の検討)
第三十一条 前条の規定による改正後の独立行政法人福祉医療機構法(以下この条において「新機構法」という。)附則第五条の二第三項の別に法律で定める日については、施行日後一回目以降の厚生年金保険法第二条の四第一項に規定する財政の現況及び見通し及び国民年金法第四条の三第一項に規定する財政の現況及び見通しが作成される際に、新機構法附則第五条の二第三項に規定する業務の実施状況を踏まえて検討するものとし、その結果に基づいて定めるものとする。
(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律の一部改正)
第三十二条 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
別表年金資金運用基金の項を削る。
(所得税法の一部改正)
第三十三条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表年金資金運用基金の項を削る。
(法人税法の一部改正)
第三十四条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表年金資金運用基金の項を削る。
(印紙税法の一部改正)
第三十五条 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。
別表第二年金資金運用基金の項を削る。
(登録免許税法の一部改正)
第三十六条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第二年金資金運用基金の項を削る。
(消費税法の一部改正)
第三十七条 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
別表第三第一号の表年金資金運用基金の項を削る。
(厚生労働省設置法の一部改正)
第三十八条 厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項第四号中「、健康保険法等の一部を改正する法律(昭和五十九年法律第七十七号)、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)及び国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)」を「及び健康保険法等の一部を改正する法律(昭和五十九年法律第七十七号)」に改める。
(政令への委任)
第三十九条 附則第二条から第十三条まで、附則第十五条、附則第十六条及び附則第十九条に定めるもののほか、管理運用法人の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(内閣総理臨時代理・総務・財務・厚生労働・国土交通大臣署名)