国鉄改革のあゆみ 「公企業レポート」と呼ばれる労働運動等の動向をレポートしたもの

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こちらでは、国鉄旅客輸送今昔というタイトルで書かせいただきました、blogのindexになります。
    「国鉄改革のあゆみ」は、「公企業レポート」と呼ばれる公共企業体並びに現業機関の労働運動等の動向をレポートしたもので、国鉄改革の時期であったことからコピーをファイリングしていたものを底本としてblogにアップしたものです。
    第11話以前は、こちらをクリックしてください
  1. 国鉄改革のあゆみ 第11話
    国鉄改革に伴う一環として、職員の給与査定を遅ればせながら導入する方針を決めた国鉄当局の話でしたが、今回は国鉄でも最大派閥の国労の見解について述べて見たいと思います。
    国労、酒井副委員長(当時の肩書き)の談話を公企労レポートから引用しますと。
    【今回、この時期に期末手当の査定という提案があった背景をどう見ていますか】
     国鉄のいわゆる分割・民営化に向けて労務管理を強化するための差別支配政策の一つとしてこの問題は出されたのではないかと思います。
     しかし、現実には公務員ならびに公労協の各組合にも査定は行われているわけですから、われわれとしては時期も時期であるし、内容的に差別支配は基本的に認められないことであっても、周囲の状況から考えて管理者の心情的行為により勤務成績をうんぬんして差別をつけることを阻止することを前提に、具体的な要求を提示して当局側と早急に交渉をつめたいと考えています。
  2. 国鉄改革のあゆみ 第12話
    国労の第2回目です。
    ここは、個別のコメントを書くよりも、公企労レポートを引用するのが良いと思いますので全文引用させていただきます。
    【他の組合は、基本的には賛成のようで、査定にも自信を持っているようですが】
    そうは言っても、10人の7人は国労の組合員です。その人たちがまじめに働かなかったら列車はまともに動きません。したがって自分たちだけがいい子のつもりであっても、客観的には証明されないでしょう。皆同じ仕事をして、列車を動かしているのです。まじめに働いている労働者を、それが国労の組合員だからと言って差別することがあれば、これは明らかに不当労働行為です。そういうことは、なんとしても排除したいと思います。いずれにしても、初めてのことですから実施されないと何も言えませんが、過去の昇給の場合を見ても多少その傾向はさけられませんから昨日の中央委員会でもいままで述べた内容で方針を決定、これから交渉に入ります。
  3. 国鉄改革のあゆみ 第13話
    労使協調宣言を結んで、かっての国労とは一線を画した対応を見せる動労の見解です。
    公企労レポートによりますと。
    動労の佐藤武副委員長は、今回の期末手当の支給について勤務成績を反映する事に対して、下記のとおり答えています。
    今回国鉄が、ボーナスの査定制度を導入したことは、国鉄の今おかれている状況を抜きにしては考えられません。
    つまり、雇用問題で労使が苦労している中で出されたわけであり、動労としてもこの間に、共同宣言、広域移動、派遣問題などを積極的に取り組んできました。 ですから、動労の組合員を正しく当局からの評価を受けることになると信じており、今回の提案も積極的に受け止めたいと考えております。
  4. 国鉄改革のあゆみ 第14話
    今回は、同じく労使協調宣言を結んだ鉄労の見解を述べたいと思います。
    鉄労の志摩好達書記長と記者の対話を要約しますと以下のとおりとなります。
    鉄労としては、今回の当局の提案を大変前向きに受け止めており、真面目に働いているものとそうでないものを分けて評価することは当然であり以前から主張していたことが認められたと認識しているといい、この制度の導入を積極的に受け入れる方向を示しています。
    民間レベルでは当然のことであり、今までできなかったことに対して今回はそれが導入されたことを評価すると述べています。
  5. 国鉄改革のあゆみ 第15話
    本日は、賞与査定について労使協調宣言を結んでいる組合、全施労の見解です
    全施労の、滝口書記長【当時】は、全施労も、動労・鉄労と同様当初から労使協調宣言を行うなど国鉄改革に積極的に取り組んできた組合ですが、他の労使協調宣言を行っている組合同様、真面目に働いている職員に正当な評価を受けられる労務管理を望んでいることが述べられています。
    以下、公企労レポートから引用させていただきますと。
  6. 国鉄改革のあゆみ 第16話
    国鉄改革は、国鉄改革関連9法案が国会に提出され、そのうち「国鉄経営改善緊急措置法案(日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度に緊急に講ずべき特別措置に関する法律)」については、5月30日に成立し、法律という形で一歩進みました。
    また、当局もこれに呼応し、今まで手をつけられていなかった職員の働きによる期末賞与の査定を導入するなど、民営化に向けた取り組みが始まっていきました。
    国鉄当局と、労働組合は対立する存在ではなく、ビジネスのパートナーとしての役割を再認識させるそんな動きがみえてきたのもこのころからです。
  7. 国鉄改革のあゆみ 第17話
    国鉄改革がおおきな、転機を迎えた。
    労働組合の代表と運輸大臣が会談を行ったということについて、国鉄の見解はどうだったのでしょうか。
    現、JR東海会長 葛西職員局次長【当時】の談話を公企労レポートから引用します。
    (三塚運輸大臣が国労を除く組合が一緒になってほしいと要望したと新聞報道がなされましたが)
    それは動労、鉄労、全施労、真国労が大臣に会いたいということで会ったわけです。4組合の主張は次期国会で必ず国鉄改革法案を成立させてもらいたいということ、労使関係が国会審議の中で取り上げられて国会が労使関係に介入する、あるいは国会が団交の場に化するようでは困るということ、大臣は責任を持って最後まで続投して国鉄改革を仕上げてもらいたいということでした。また、雇用問題につきましてもキチッと確保してもらいたいという要請が4組合からありました。それを受けて大臣から4組合が一本になって労働運動をリードし、労使関係の推進役になってもらいたい、正常な労使関係を築き、国鉄の分割、民営化に賛成・協力してもらいたいという話がされたものです。したがって、これからの課題として4組合が一歩進めて何らかの具体的な形をとっていくことになるのではないかとみています。4組合がそれぞれの主権を確保しながら新しい協議会を作っていくという方向も出てくるのではないかと思っています。
  8. 国鉄改革のあゆみ 第18話
    国鉄当局の見解について述べたいと思います。
    この点について、全文公企労レポートから引用しますと。
    【国労を除く組合と現場管理者、一般職員の結集を目指した具体的な動きですが・・・・】
    聞くところでは6月29日に国鉄改革の大集会があるようです。この集会は3千人くらいの人が日比谷公会堂に集まるということです。この集会には職員からの盛り上がりで動労、鉄労、全施労、真国労の四組合、それに都内の有志組合である新生鉄道を作る会、活力ある新会社を作る会、有隣会、六和会、睦会、見習いの人達、東京北局の現場管理者の会である新生会、東京南局の管理者の会である未来を拓く会、東京西局管理者の行政改革完遂のための考える会の人達が一堂に会して決意表明など国鉄改革に向けて鉄道精神を新たにしようということのようです。このような気運が出てきています。
  9. 国鉄改革のあゆみ 第19話
    国鉄経営改善緊急措置法案が成立し、管理職を含む職員たちの間にも国鉄改革がより現実となってきたことに鑑み、三塚運輸大臣【当時】と会談した動労の見解を公企労レポートを引用しながら述べていきます。
    この点については、動労。福原書記長は以下のような談話を発表しています。
    動労としては、新事業体ができるまでには、それに対応出来る組織を作る必要があり、特に分割民営化により7つの会社(6旅客鉄道と貨物会社に分離)になるわけですから、動労の組織について7つの会社がどのように対応すべきかを考える必要があるのだが、その際に動労としては、職能組合(運転士だけの職能組合)としての連合体構想を考えていたのだが鉄労も国労も実際にはデパートメントであり、職能総連合の構想では一企業一組合の基本に沿わなくなってくるため、その場合は職能連合構想も自体は取下げ、基本に適合できるようにしたいと考えている。
  10. 国鉄改革のあゆみ 第20話
    鉄労は、設立当初から労使協調路線を標榜していた組合ですが、動労との確執はやはり大きいようです。
    三塚運輸大臣から、組合統一の要請を受けたのですがこれに対して、鉄労の志摩書記長は現時点では組織の合同を考えておらず、努力はするが具体的に動くつもりはないと言っています。
    以下、公企労レポートから引用しますと。
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