国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律

法律第六十四号(平四・五・二九)

 国際観光ホテル整備法(昭和二十四年法律第二百七十九号)の一部を次のように改正する。

 題名の次に次の目次及び章名を付する。

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 ホテルの登録(第三条―第十七条)

 第三章 旅館の登録(第十八条)

 第四章 指定登録機関(第十九条―第三十条)

 第五章 登録ホテル等の整備(第三十一条―第三十三条)

 第六章 登録ホテル等に関する情報の提供(第三十四条―第四十条)

 第七章 民間団体による外客接遇の向上に関する事業の推進(第四十一条―第四十三条)

 第八章 雑則(第四十四条―第五十条)

 第九章 罰則(第五十一条―第五十六条)

 附則

   第一章 総則

 第一条を次のように改める。

 (目的)

第一条 この法律は、ホテルその他の外客宿泊施設について登録制度を実施するとともに、これらの施設の整備を図り、あわせて外客に対する登録ホテル等に関する情報の提供を促進する等の措置を講ずることにより、外客に対する接遇を充実し、もつて国際観光の振興に寄与することを目的とする。

 第二条の見出しを「(定義)」に改め、同条第一項中「、洋式の構造及び設備をもつて、造られた施設」を「造られた施設であつて洋式の構造及び設備を主とするもの」に改め、同条に次の二項を加える。

3 この法律で「旅館」とは、外客の宿泊に適するように造られた施設であつてホテル以外のものをいう。

4 この法律で「旅館業」とは、旅館により人を宿泊及び飲食させる営業をいう。

 第三条の見出しを「(ホテルの登録)」に改め、同条中「主務大臣」を「運輸大臣」に改め、同条の前に次の章名を付する。

   第二章 ホテルの登録

 第四条及び第五条を次のように改める。

 (登録の申請)

第四条 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を運輸大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 ホテルの名称及び所在地

 三 構造及び設備別の客室数、収容人員その他運輸省令で定めるホテルの施設に関する事項

 四 第十条に規定する外客接遇主任者の氏名

2 前項の申請書には、ホテルの図面その他の運輸省令で定める書類を添付しなければならない。

 (登録の実施)

第五条 運輸大臣は、前条の規定による登録の申請があつたときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、次に掲げる事項をホテル登録簿に登録しなければならない。

 一 前条第一項各号に掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 運輸大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録の申請者に通知するとともに、運輸省令で定める事項を公示しなければならない。

 第十五条を削る。

 第十四条中「主務大臣」を「運輸大臣」に改め、同条を第十五条とする。

 第十三条第四項中「主務大臣」を「運輸大臣」に改め、同条に次の一項を加える。

5 第七条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による届出について準用する。

 第十三条を第十四条とする。

 第七条から第十二条までを削る。

 第六条の二第一項中「登録を受けたホテルの」を「登録ホテルの」に、「登録を受けたホテルに掲示すべき事項」を「外客に対する宿泊に関するサービスの提供に関する事項」に、「省令」を「運輸省令」に改め、同条第二項中「主務大臣」を「運輸大臣」に、「省令の」を「運輸省令で」に、「登録を受けたホテル」を「登録ホテル」に改め、同条を第十三条とし、同条の前に次の一条を加える。

 (施設の維持等)

第十二条 登録ホテル業を営む者は、登録ホテルの施設及び宿泊に関するサービスを第六条第一項第一号の基準に適合するように維持しなければならない。

2 運輸大臣は、登録ホテルの施設及び宿泊に関するサービスが第六条第一項第一号の基準に適合していないと認めるときは、当該登録ホテル業を営む者に対し、当該登録ホテルの施設の改善その他その是正のために必要な措置を講ずべきことを指示することができる。

 第六条第一項中「省令の」を「運輸省令で」に、「主務大臣」を「運輸大臣」に改め、同条第二項中「主務大臣」を「運輸大臣」に改め、同条第三項中「省令の」を「運輸省令で」に改め、同条を第十一条とし、第五条の次に次の五条を加える。

 (登録の拒否)

第六条 運輸大臣は、第四条の規定による登録の申請が次の各号の一に該当するときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 申請に係るホテルの施設及び宿泊に関するサービスが次の基準に適合しないものであるとき。

  イ 客室の構造及び設備並びに数が、外客の宿泊に適するものとして運輸省令で定める基準に適合するものであること。

  ロ ロビーその他の客の共用に供する室及び食堂の構造及び設備並びに規模が、外客の宿泊に適するものとして運輸省令で定める基準に適合するものであること。

  ハ その他外客の快適性及び利便性を確保するために必要と認められる運輸省令で定める基準に適合するものであること。

 二 申請者が第十条の規定による外客接遇主任者を確実に選任すると認められない者であるとき。

 三 申請者がこの法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から一年を経過しない者であるとき。

 四 申請者が第十六条第一項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から一年を経過しない者であるとき。

 五 申請者が禁治産者若しくは準禁治産者又は破産の宣告を受け復権を得ない者であるとき。

 六 申請者が法人である場合において、その役員のうちに前三号の一に該当する者があるとき。

 七 申請に係るホテルによるホテル業の経営が著しく不健全又は不確実であると認められるとき。

2 運輸大臣は、前項の規定により登録の拒否をしたときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録の申請者に通知しなければならない。

 (登録事項の変更の届出)

第七条 第三条の登録を受けたホテル(以下「登録ホテル」という。)によるホテル業(以下「登録ホテル業」という。)を営む者は、第四条第一項各号に掲げる事項に変更があつたときは、その日から三十日以内に、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。

2 前項の規定による届出をする場合には、運輸省令で定める書類を添付しなければならない。

3 運輸大臣は、第一項の規定による届出を受理したときは、第十六条第一項の規定により登録を取り消す場合を除き、届出があつた事項をホテル登録簿に登録しなければならない。

4 運輸大臣は、前項の規定による登録をしたときは、第五条第二項の運輸省令で定める事項に変更がある場合に限り、当該変更に係る事項を公示しなければならない。

 (名称の使用制限)

第八条 何人も、登録ホテル以外の宿泊施設について登録ホテル又はこれに類似する名称を用いてはならない。

 (標識の掲示)

第九条 登録ホテル業を営む者は、登録ホテルの見やすい場所に、運輸省令で定める様式の標識を掲示しなければならない。

 (外客接遇主任者の選任)

第十条 登録ホテル業を営む者は、登録ホテルごとに、ホテルにおける外客の接遇について運輸省令で定める一定の実務の経験その他の要件を備える者のうちから、外客接遇主任者を選任し、外客に接する従業員の指導、外客からの苦情の処理その他運輸省令で定める外客の接遇に関する業務の管理に関する事務を行わせなければならない。

 第三十三条中「前二条」を「第五十二条又は第五十三条」に、「罰する外」を「罰するほか」に、「罰金刑又は科料刑」を「刑」に改め、同条を第五十六条とし、同条の前に次の二条を加える。

第五十四条 次の各号の一に該当するときは、その違反行為をした指定登録機関の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十六条の規定に違反して帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。

 二 第二十八条第一項の規定に違反して登録事務の全部を廃止したとき。

 三 第四十四条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 四 第四十四条第四項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

第五十五条 次の各号の一に該当するときは、その違反行為をした情報提供機関又は指定法人の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第四十四条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 二 第四十四条第四項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

 第三十二条中「左の」を「次の」に、「一万円」を「二十万円」に改め、「又は科料」を削り、同条第一号中「第六条第一項(第二十八条において準用する場合を含む。)、第十三条第四項(第二十八条において準用する場合を含む。)又は第十四条第一項から第三項まで」を「第七条第一項、第十一条第一項、第十四条第四項又は第十五条第一項から第三項まで(これらの規定を第十八条第二項において準用する場合を含む。)」に改め、同条第四号中「第十六条第二項(第二十八条において準用する場合を含む。)」を「第四十四条第三項」に改め、同号を同条第五号とし、同条第三号中「第十六条第一項(第二十八条において準用する場合を含む。)」を「第四十四条第一項」に改め、同号を同条第四号とし、同条第二号中「第六条第三項(第二十八条」を「第十一条第三項(第十八条第二項」に改め、同号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。

 二 第九条(第十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による標識を掲示しなかつた者

 第三十二条を第五十三条とし、同条の前に次の二条、章名及び二条を加える。

 (聴聞)

第四十九条 運輸大臣は、第十六条第一項(第十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二十二条第二項、第二十九条第一項若しくは第二項、第三十九条第一項若しくは第二項又は第四十三条の規定による処分をしようとするときは、当該処分に係る者に対し、期日及び場所を指定して、聴聞をしなければならない。聴聞に際しては、これらの者に対し、意見を述べ、及び証拠を提出する機会が与えられなければならない。

 (運輸省令への委任)

第五十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、運輸省令で定める。

   第九章 罰則

第五十一条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十三条第一項の規定に違反してその職務に関し知り得た秘密を漏らした者

 二 指定登録機関が第二十九条第二項の規定による登録事務の停止の命令に違反した場合におけるその違反行為をした指定登録機関の役員又は職員

第五十二条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第八条(第十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

 二 第十条(第十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

 第三十条、第三十一条の前の見出し及び同条を削る。

 第二十九条中「主務大臣」を「運輸大臣」に、「政令の」を「政令で」に改め、同条を第四十八条とし、同条の前に次の三条を加える。

 (手数料)

第四十五条 指定登録機関が登録事務を行う場合において、ホテル又は旅館の登録を受けようとする者は、実費を勘案して運輸省令で定める額の手数料を指定登録機関に納めなければならない。

2 前項の規定により指定登録機関に納められた手数料は、指定登録機関の収入とする。

 (指定登録機関がした処分等に係る審査請求)

第四十六条 指定登録機関が行う登録事務に係る処分又はその不作為については、運輸大臣に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。

 (経過措置)

第四十七条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

 第十七条から第二十八条までを削る。

 第十六条第一項中「主務大臣」を「運輸大臣」に、「を確保するため必要があると認めるときは、省令の」を「に必要な限度において、運輸省令で」に、「登録ホテル業」を「登録ホテル業等」に改め、同条第四項中「第二項」を「第三項及び第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第五項とし、同項の前に次の一項を加える。

4 運輸大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、指定登録機関、情報提供機関又は指定法人の事務所に立ち入り、業務の状況又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

 第十六条第二項中「主務大臣」を「運輸大臣」に、「を確保するため特に必要があると認めるときは」を「に必要な限度において」に、「登録を受けたホテル」を「登録ホテル等」に改め、「、ホテル」の下に「又は旅館」を加え、「これに関する」を「帳簿、」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 運輸大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定登録機関、情報提供機関又は指定法人に対し、その業務に関し報告をさせることができる。

 第十六条を第四十四条とし、同条の前に次の二条、五章及び章名を加える。

 (登録の取消し)

第十六条 運輸大臣は、登録ホテル業を営む者が次の各号の一に該当するときは、当該登録ホテルについて登録を取り消すことができる。

 一 この法律、この法律に基づく命令又は第十一条第二項、第十二条第二項若しくは第十三条第二項の規定による指示に違反したとき。

 二 第六条第一項第二号から第七号までの一に該当するに至つたとき。

 三 不正の手段により第三条の登録を受けたとき。

2 第六条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

 (登録の抹消)

第十七条 運輸大臣は、第十五条第二項の規定による届出若しくは同条第三項の規定による営業の全部を廃止する旨の届出があつたとき、前条第一項の規定による登録の取消しをしたとき、又は登録の抹消の申請があつたときは、当該登録ホテルの登録を抹消するとともに、その旨を公示しなければならない。

   第三章 旅館の登録

第十八条 旅館業を営んでいる者は、旅館ごとに、運輸大臣の登録を受けることができる。

2 第四条から第六条までの規定は前項の登録について、第七条及び第九条から第十五条までの規定は前項の登録を受けた旅館(以下「登録旅館」という。)による旅館業(以下「登録旅館業」という。)を営む者について、第八条の規定は登録旅館以外の宿泊施設について、第十六条の規定は登録旅館に係る登録の取消しについて、前条の規定は登録旅館に係る登録の抹消について準用する。この場合において、第四条及び第六条第一項第一号中「ホテル」とあるのは「旅館」と、第五条第一項及び第七条第三項中「ホテル登録簿」とあるのは「旅館登録簿」と、第六条第一項第一号ロ中「ロビーその他の客の共用に供する室及び食堂」とあるのは「ロビーその他の客の共用に供する室」と、同項第七号中「ホテルによるホテル業」とあるのは「旅館による旅館業」と、第八条中「登録ホテル又は」とあるのは「登録旅館又は」と、第九条、第十条、第十二条及び第十三条中「登録ホテル」とあるのは「登録旅館」と、第十条中「ホテルに」とあるのは「旅館に」と、第十六条第一項中「登録ホテル業」とあるのは「登録旅館業」と読み替えるものとする。

   第四章 指定登録機関

 (指定登録機関の指定等)

第十九条 運輸大臣は、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、ホテル及び旅館の登録の実施に関する事務(第十一条第一項及び第二項、第十二条第二項、第十三条第二項並びに第十六条(これらの規定を前条第二項において準用する場合を含む。)の規定による事務を除く。以下「登録事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。

2 指定登録機関の指定は、登録事務を行おうとする者の申請により行う。

3 運輸大臣は、指定登録機関の指定をしたときは、指定登録機関が行う登録事務を行わないものとし、この場合における登録事務の引継ぎその他の必要な事項は、運輸省令で定める。

4 指定登録機関が登録事務を行う場合における第三条から第七条まで、第十四条、第十五条、第十七条及び前条の規定の適用については、これらの規定中「運輸大臣」とあるのは「指定登録機関」と、第七条第三項(第十四条第五項(前条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)中「登録を取り消す場合」とあるのは「運輸大臣が登録を取り消す場合」と、第十七条(前条第二項において準用する場合を含む。)中「前条第一項の規定による登録の取消しをしたとき」とあるのは「前条第一項の規定により運輸大臣が登録の取消しをしたとき」とする。

 (指定の基準)

第二十条 運輸大臣は、他に指定登録機関の指定を受けた者がなく、かつ、前条第二項の申請が次の基準に適合していると認めるときでなければ、指定登録機関の指定をしてはならない。

 一 職員、登録事務の実施の方法その他の事項についての登録事務の実施に関する計画が登録事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。

 二 前号の登録事務の実施に関する計画を適正かつ確実に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

 三 登録事務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて登録事務が不公正になるおそれがないこと。

2 運輸大臣は、前条第二項の申請をした者が次の各号の一に該当する場合には、その指定をしてはならない。

 一 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人以外の者であること。

 二 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であること。

 三 第二十九条第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。

 四 その役員のうちに、次のいずれかに該当する者であること。

  イ 第二号に該当する者

  ロ 第二十二条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から二年を経過しない者

 (指定の公示等)

第二十一条 運輸大臣は、指定登録機関の指定をしたときは、指定登録機関の名称及び住所、指定登録機関が行う登録事務の範囲、登録事務を行う事務所の所在地並びに登録事務の開始の日を公示しなければならない。

2 指定登録機関は、その名称若しくは住所又は登録事務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。

3 運輸大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

 (役員の選任及び解任)

第二十二条 登録事務に従事する指定登録機関の役員の選任及び解任は、運輸大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 運輸大臣は、指定登録機関の役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは第二十四条第一項の登録事務規程に違反したとき、又は登録事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定登録機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

 (秘密保持義務等)

第二十三条 指定登録機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、登録事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

2 登録事務に従事する指定登録機関の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

 (登録事務規程)

第二十四条 指定登録機関は、運輸省令で定める登録事務の実施に関する事項について登録事務規程を定め、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 運輸大臣は、前項の認可をした登録事務規程が登録事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定登録機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

 (事業計画等)

第二十五条 指定登録機関は、毎事業年度、登録事務に係る事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 指定登録機関は、毎事業年度、登録事務に係る事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に運輸大臣に提出しなければならない。

 (帳簿の備付け等)

第二十六条 指定登録機関は、運輸省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに登録事務に関する事項で運輸省令で定めるものを記載し、及びこれを保存しなければならない。

 (監督命令)

第二十七条 運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定登録機関に対し、登録事務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (登録事務の休廃止)

第二十八条 指定登録機関は、運輸大臣の許可を受けなければ、登録事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

2 運輸大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

 (指定の取消し等)

第二十九条 運輸大臣は、指定登録機関が第二十条第二項各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。

2 運輸大臣は、指定登録機関が次の各号の一に該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 この章の規定に違反したとき。

 二 第二十条第一項各号の一に適合しなくなつたと認められるとき。

 三 第二十二条第二項、第二十四条第二項又は第二十七条の規定による命令に違反したとき。

 四 第二十四条第一項の規定により認可を受けた登録事務規程によらないで登録事務を行つたとき。

 五 不正な手段により指定を受けたとき。

3 運輸大臣は、第一項若しくは前項の規定により指定を取り消し、又は同項の規定により登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

 (運輸大臣による登録事務の実施)

第三十条 運輸大臣は、指定登録機関が第二十八条第一項の規定により登録事務の全部若しくは一部を休止したとき、前条第二項の規定により指定登録機関に対し登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定登録機関が天災その他の事由により登録事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、第十九条第三項の規定にかかわらず、登録事務の全部又は一部を自ら行うものとする。

2 運輸大臣は、前項の規定により登録事務を行うこととし、又は同項の規定により行つている登録事務を行わないこととするときは、その旨を公示しなければならない。

3 運輸大臣が、第一項の規定により登録事務を行うこととし、第二十八条第一項の規定により登録事務の廃止を許可し、又は前条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における登録事務の引継ぎその他の必要な事項は、運輸省令で定める。

   第五章 登録ホテル等の整備

 (減価償却資産の耐用年数の特例)

第三十一条 登録ホテル業又は登録旅館業(以下「登録ホテル業等」という。)の用に供する減価償却資産で租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)で定めるものの耐用年数については、同法で定めるところにより、特別の措置を講ずる。

 (地方税の不均一課税)

第三十二条 登録ホテル業等の用に供する建物については、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条第二項の規定の適用があるものとする。

 (施設及び経営の改善の勧告並びに資金のあつせん)

第三十三条 運輸大臣は、第一条に規定する目的を達成するため必要があると認めるときは、登録ホテル業等を営む者に対し、登録ホテル又は登録旅館(以下「登録ホテル等」という。)の施設又は経営の改善に関し勧告することができる。

2 運輸大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、必要があると認めるときは、当該登録ホテル業等を営む者に対し、当該登録ホテル等の施設又は経営の改善に要する資金をあつせんするものとする。

   第六章 登録ホテル等に関する情報の提供

 (情報の提供)

第三十四条 運輸大臣は、外客の宿泊に関する利便の増進を図るため、登録ホテル等に関し必要な情報を提供するよう努めるものとする。

 (情報提供事業実施機関の指定)

第三十五条 運輸大臣は、指定登録機関の指定を受けている法人が次条に規定する事業(以下「情報提供事業」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるときは、その申請により、当該法人を情報提供事業実施機関(以下「情報提供機関」という。)として指定することができる。

 (情報提供事業)

第三十六条 情報提供機関は、外客の宿泊に関する利便の増進を図るため、次に掲げる事業を行うものとする。

 一 登録ホテル等の施設、料金その他宿泊に関するサービスに関する情報(以下「登録ホテル等に関する情報」という。)を収集し、及び整理すること。

 二 登録ホテル等に関する情報を定期的に、若しくは時宜に応じて、又は依頼に応じて、刊行物の発行その他の方法により提供すること。

 三 前二号に掲げる事業に附帯する事業を行うこと。

 (登録事務に関して得られた情報の使用)

第三十七条 情報提供機関は、指定登録機関が行う登録事務の実施に関して得られた登録ホテル等に関する情報のうち、外客による宿泊施設の選択の利便に資すると認められ、かつ、登録ホテル業等を営む者又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがないと認められるものとして運輸省令で定める登録ホテル等に関する情報については、これを情報提供事業の用に供するために使用することができる。

 (情報提供事業実施規程)

第三十八条 情報提供機関は、登録ホテル等に関する情報の収集、整理及び提供の方法その他運輸省令で定める事項について情報提供事業実施規程を定め、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 運輸大臣は、前項の認可の申請に係る情報提供事業実施規程が、登録ホテル等に関する情報の収集、整理及び提供を適正かつ確実に行うために必要な事項に関し運輸大臣が定める基準に適合すると認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。

3 運輸大臣は、第一項の認可をした情報提供事業実施規程が情報提供事業の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、情報提供機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

 (指定の取消し等)

第三十九条 運輸大臣は、情報提供機関の指定を受けている法人が第二十九条第一項又は第二項の規定により指定登録機関の指定を取り消されたときは、その指定を取り消さなければならない。

2 運輸大臣は、情報提供機関が次の各号の一に該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて情報提供事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 情報提供事業を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

 二 この章の規定に違反したとき。

 三 前条第三項又は次条において準用する第二十七条の規定による命令に違反したとき。

 四 前条第一項の規定により認可を受けた情報提供事業実施規程によらないで情報提供事業を行つたとき。

 五 不正な手段により指定を受けたとき。

3 運輸大臣は、第一項若しくは前項の規定により指定を取り消し、又は同項の規定により情報提供事業の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

 (準用規定)

第四十条 第二十一条、第二十五条及び第二十七条の規定は、情報提供機関について準用する。この場合において、第二十一条第一項中「指定登録機関が行う登録事務の範囲、登録事務」とあるのは「情報提供事業」と、「並びに登録事務」とあるのは「並びに情報提供事業」と、同条第二項、第二十五条及び第二十七条中「登録事務」とあるのは「情報提供事業」と読み替えるものとする。

   第七章 民間団体による外客接遇の向上に関する事業の推進

 (指定法人)

第四十一条 運輸大臣は、登録ホテル業等を営む者の業務の改善向上を図ることを目的とし、かつ、登録ホテル業等を営む者を社員とする民法第三十四条の規定により設立された社団法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、同項に規定する事業を行う者として指定することができる。

2 前項の指定を受けた法人(以下「指定法人」という。)は、次に掲げる事業を行うものとする。

 一 登録ホテル業等を営む社員に対し、この法律又はこの法律に基づく命令の遵守に関する指導その他登録ホテル等における外客接遇の向上に関する指導を行うこと。

 二 登録ホテル等の外客に接する従業員に対する研修を行うこと。

 三 登録ホテル等に関する外客からの苦情を処理すること。

 四 登録ホテル等における外客接遇の向上に関する調査研究を行うこと。

 (改善命令)

第四十二条 運輸大臣は、指定法人の前条第二項に規定する事業の運営に関し改善が必要であると認めるときは、この指定法人に対し、その改善に必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

 (指定の取消し)

第四十三条 運輸大臣は、指定法人が前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。

   第八章 雑則

 別表第一から別表第三までを削る。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の国際観光ホテル整備法(以下「旧法」という。)第三条又は旧法第二十八条において準用する旧法第三条の登録を受けているホテル又は旅館については、この法律による改正後の国際観光ホテル整備法(以下「新法」という。)第三条又は新法第十八条第一項の登録を受けたホテル又は旅館とみなす。

2 旧法に基づく命令の規定による登録簿は、新法第五条第一項又は新法第十八条第二項において読み替えて準用する新法第五条第一項の規定によるホテル登録簿又は旅館登録簿とみなす。

3 第一項の規定により新法第三条又は新法第十八条第一項の登録を受けたものとみなされたホテル又は旅館(以下「既存登録ホテル等」という。)について、前項の規定によりホテル登録簿又は旅館登録簿とみなされた旧法に基づく命令の規定による登録簿に、新法第四条第一項第三号に規定する収容人員その他運輸省令で定めるホテルの施設に関する事項又は新法第十八条第二項において読み替えて準用する新法第四条第一項第三号に規定する収容人員その他運輸省令で定める旅館の施設に関する事項に相当する事項の記載がないときは、運輸大臣は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から一年を経過する日までの間に限り、運輸省令で定めるところにより、職権でこれらのホテル又は旅館に係る登録を更正することができる。

第三条 既存登録ホテル等の施設及び宿泊に関するサービスについての新法第十二条又は新法第十八条第二項において準用する新法第十二条の規定の適用については、施行日から三年間は、これらの規定中「第六条第一項第一号の基準」とあるのは、「運輸省令で定める基準」とする。

第四条 既存登録ホテル等によりホテル業又は旅館業を営む者については、施行日から一年間は、新法第十条の規定は、適用しない。

2 前項に規定する者についての新法第十六条第一項第二号又は新法第十八条第二項において準用する新法第十六条第一項第二号の規定の適用については、施行日から一年間は、これらの規定中「第六条第一項第二号」とあるのは、「第六条第一項第三号」とする。

3 第一項に規定する者は、施行日から一年を経過した日から三十日以内に、新法第十条又は新法第十八条第二項において準用する新法第十条の規定により選任した外客接遇主任者の氏名を運輸大臣に届け出なければならない。

4 新法第七条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による届出について準用する。この場合において、同条第三項中「第十六条第一項」とあるのは「第十六条第一項又は第十八条第二項において準用する第十六条第一項」と、「ホテル登録簿」とあるのは「ホテル登録簿又は旅館登録簿」と読み替えるものとする。

5 第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、二十万円以下の罰金に処する。

6 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員がその法人又は人の業務に関し前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。

第五条 新法第十九条第一項の規定により指定登録機関がホテル及び旅館の登録の実施に関する事務を行う場合にあっては、運輸大臣は、指定登録機関に、附則第二条第三項並びに前条第三項及び第四項の規定による事務(以下「登録の更正等に関する事務」という。)を行わせることができる。この場合における附則第二条第三項並びに前条第三項及び第四項の規定の適用については、附則第二条第三項及び前条第三項並びに同条第四項において準用する新法第七条第三項中「運輸大臣」とあるのは「指定登録機関」と、同項中「登録を取り消す場合」とあるのは「運輸大臣が登録を取り消す場合」とする。

2 新法第二十四条、第二十六条、第二十七条、第二十八条、第二十九条第二項第三号(第二十二条第二項に係る部分を除く。)及び第四号並びに第三項、第三十条、第四十四条(第一項及び第三項を除く。)、第四十六条並びに第四十九条の規定は、指定登録機関が行う登録の更正等に関する事務について準用する。

第六条 旧法又は旧法に基づく命令によりした処分、手続その他の行為で、新法中相当する規定があるものは、附則第二条に規定するものを除き、新法によりしたものとみなす。

 (罰則に関する経過措置)

第七条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第八条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 (租税特別措置法の一部改正)

第九条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第十七条の見出し中「登録ホテル業等」を「特定の登録ホテル等」に改め、同条中「第八条(同法第二十八条において準用する場合を含む。)に規定する減価償却資産」を「第七条第一項に規定する登録ホテル又は同法第十八条第二項に規定する登録旅館のうち、特に国際観光の振興に寄与するものとして政令で定めるものに含まれる減価償却資産(政令で定めるものに限る。)」に改める。

  第五十二条の四の見出し中「登録ホテル業等」を「特定の登録ホテル等」に改め、同条中「第八条(同法第二十八条において準用する場合を含む。)に規定する減価償却資産」を「第七条第一項に規定する登録ホテル又は同法第十八条第二項に規定する登録旅館のうち、特に国際観光の振興に寄与するものとして政令で定めるものに含まれる減価償却資産(政令で定めるものに限る。)」に改める。

 (租税特別措置法の一部改正に伴う経過措置)

第十条 前条の規定による改正後の租税特別措置法(以下この条において「新租税特別措置法」という。)第十七条の規定は、施行日の属する年分以後の所得税について適用し、施行日の属する年分前の所得税については、なお従前の例による。この場合において、既存登録ホテル等を有する個人の附則第三条の規定の適用を受けている期間内に終了する各年における当該ホテル又は旅館に係る新租税特別措置法第十七条の規定の適用については、同条中「国際観光ホテル整備法(昭和二十四年法律第二百七十九号)第七条第一項に規定する登録ホテル又は同法第十八条第二項に規定する登録旅館のうち、特に国際観光の振興に寄与するものとして政令で定めるもの」とあるのは、「国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律(平成四年法律第六十四号)附則第二条第一項の規定の適用を受けるホテル又は旅館」とする。

2 新租税特別措置法第五十二条の四の規定は、法人(法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第八号に規定する人格のない社団等を含む。以下この項において同じ。)の施行日以後に終了する事業年度分の法人税について適用し、法人の施行日前に終了した事業年度分の法人税については、なお従前の例による。この場合において、既存登録ホテル等を有する法人の附則第三条の規定の適用を受けている期間内に終了する各事業年度における当該ホテル又は旅館に係る新租税特別措置法第五十二条の四の規定の適用については、同条中「国際観光ホテル整備法第七条第一項に規定する登録ホテル又は同法第十八条第二項に規定する登録旅館のうち、特に国際観光の振興に寄与するものとして政令で定めるもの」とあるのは、「国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律(平成四年法律第六十四号)附則第二条第一項の規定の適用を受けるホテル又は旅館」とする。

 (登録免許税法の一部改正)

第十一条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

 別表第一第四十二号(一)中「(登録)」を「(ホテルの登録)」に改め、同号(二)中「第二十八条(登録旅館業)において準用する同法第三条」を「第十八条第一項(旅館の登録)」に改める。

(大蔵・運輸・自治・内閣総理大臣署名)

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