国鉄改革のあゆみ 「公企業レポート」と呼ばれる労働運動等の動向をレポートしたもの
index5
こちらでは、国鉄旅客輸送今昔というタイトルで書かせいただきました、blogのindexになります。
「国鉄改革のあゆみ」は、「公企業レポート」と呼ばれる公共企業体並びに現業機関の労働運動等の動向をレポートしたもので、国鉄改革の時期であったことからコピーをファイリングしていたものを底本としてblogにアップしたものです。
第40話以前は、こちらをクリックしてください- 国鉄改革のあゆみ 第41話
国鉄改革に対して、積極的に労使協調の方針を打ち出せない国労は、国労大会において、国労組織の存続をかけて執行部への対応の一任を打ち出したのですが、具体的な内容などは決定できないまま、閉会することとなったのですが。
今回は、国労書記長の側からの見解をみていきたいと思います。
以下、公企労レポートからの引用です。
【厳しい状況のなか。書記長就任、苦労の多いことと思います。今回の大会は、委員長発言をめぐって激しい対立を露呈したが・・・・】- 国鉄改革のあゆみ 第42話
本日は、国労第49回定期大会、国労下田書記長の見解の2回目です。
この中でも述べられていますが、国労は大きな組織でありかつ、職能組合ではないため、駅務もあれば運転、検査、さらには技術といった複数の組織に横断しているほか、国労という組織の中には、左派と右派に分かれていることから、なかなか意思統一ができないのが現状です。
以下に、公企労レポートからの全文をアップしたいと思います。
【雇用不安をなくすためにどうするか、また、執行部一任、大胆な妥協とは何か、本部の具体的方針、その中味が4日間の中では少しも出てきませんでしたが】- 国鉄改革のあゆみ 第43話
動労、総評と訣別、独自路線を推進
役員選挙が引き金、国労と熾烈な対立決定的
国鉄改革労組協議会、一企業一組合へ多数派形成
国鉄動力車労働組合は7月24日総評に脱退を通告、会費の納入を凍結した。公労協、県評、地評からも必然的に脱退、役員引き上げとなり総評に対する打撃は必至である。総評は何とか再考を促したが、可能性はない。脱退の理由は先の総評大会の役選問題、国労の山崎委員長を副議長に選出、動労出身の事務局次長が外されたことが原因となった。- 国鉄改革のあゆみ 第44話
今回は、同じく労使協調宣言を結んだ鉄労の見解を述べたいと思います。
鉄労の志摩好達書記長と記者の対話を要約しますと以下のとおりとなります。
鉄労としては、今回の当局の提案を大変前向きに受け止めており、真面目に働いているものとそうでないものを分けて評価することは当然であり以前から主張していたことが認められたと認識しているといい、この制度の導入を積極的に受け入れる方向を示しています。
民間レベルでは当然のことであり、今までできなかったことに対して今回はそれが導入されたことを評価すると述べています。- 国鉄改革のあゆみ 第45話
動労・福原書記長へのインタビューする形式となっています。
役選問題が総評脱退の直接の動機
【総評からの脱退について、書記長の率直な見解をお伺いしたい。】
直接のきっかけは、総評の役選をめぐる問題です。今年の総評大会は国鉄問題がひとつの焦点でしたが、それは動労方針と国労方針をどのように取り扱い、最終局面にきた国鉄問題についてどのような方針を出すかということでした。そうしますと、これは当然役選にも反映することになるわけです。ところが役選問題につきましては、当該者の一方である動労に何の話もなく、しかも総評として出された定数削減についてもなんら明らかにせず結果として国労委員長が副議長に座り動労選出の事務局次長が辞めるということだけに終わり、スリムになると言うことも何らなしえないという結果となりました。- 国鉄改革のあゆみ 第46話
国鉄改革は、国鉄改革関連9法案が国会に提出され、そのうち「国鉄経営改善緊急措置法案(日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度に緊急に講ずべき特別措置に関する法律)」については、5月30日に成立し、法律という形で一歩進みました。
また、当局もこれに呼応し、今まで手をつけられていなかった職員の働きによる期末賞与の査定を導入するなど、民営化に向けた取り組みが始まっていきました。
国鉄当局と、労働組合は対立する存在ではなく、ビジネスのパートナーとしての役割を再認識させるそんな動きがみえてきたのもこのころからです。- 国鉄改革のあゆみ 第47話
総評と袂を分かった動労に対し、総評議長は何らかの動きを起こそうとしたみたいですがその辺りを公企労レポートから引用してみたいと思います。
公企労レポートによりますと、動労と総評との亀裂は決定的となり修復は不可能といえる状態になっています。
とりわけ、総評の役員が、「動労は総評で追い詰められたから逃げた」とか「総評の利用価値がなくなったから脱退した」といういわば、無茶な言い分を並べていることに対し、かなり怒りを感じているようです。- 国鉄改革のあゆみ 第48話
公企労レポート、今回は動労に対する国鉄当局の見解です。
今回の動労による総評脱退劇は当然の結果であり、むしろ国鉄改革に向けて動きやすくなったのではないか、と評価しています。
早速、公企労レポート〜引用したいと思います。
インタビューに応じたのは、南谷労働課長【昭和60年9月から現職、後のJR西日本会長】です。
【動労の総評脱退は、国鉄の今後の労使関係にどういう影響をもたらすでしょうか。また、この実情をどう理解しておられるでしょうか】- 国鉄改革のあゆみ 第49話
同じ総評に加入している国労の見解です。
今回も、記者と国労秋山企画部長の談話という形式で話が続いていきます。
国労は、動労の主張は全く受け入れできない、少なくとも組合同士が闘う、まして同じ総評にいた動労と国労が組織の生き残りをかけていくことは、いわば同士討ちであり労働組合の指導者としてはどうかと思うという厳しい意見が述べれられています。
以下長文になりますが、一気に引用したいと思います。
『組織問題には我々も厳しく対応する 国鉄労働者間に差別があってはならない』
言いがかりに過ぎない動労の主張- 国鉄改革のあゆみ 第50話
第51話以降は、こちらをクリックしてください
今回は、森原総評議長の談話です。
【同じ公労協の中で、動労と国労とが路線の違いが根底にあって、総評大会が引き金になったということになっていますが、今回、動労の公労協からの脱退をどのように受け止めておられますか】
社会党案を基本、総評を舞台に対応
動労の言い分は、総評は国労に片寄っている、雇用を守るために骨身を削っていないではないか、そういう国労に加担をして、動労を袖にしたと言っておりますが、私はそれ自体は全く間違っていると、私も総評の闘争委員会の副議長をやっている訳ですが、どちらかと言えば国労をずいぶん厳しくたしなめて、動労の意見を吸い上げながら一つのものへ纏める努力をしてきたつもりです。従って大変不満に思っています。
以下、公企労レポートから引用しますと。