民法及び民法施行法の一部を改正する法律

法律第六十八号(昭五四・一二・二〇)

 (民法の一部改正)

第一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

  第十一条中「、聾者、唖者、盲者」を削る。

  第三十四条の次に次の一条を加える。

 第三十四条ノ二 社団法人又ハ財団法人ニ非ザルモノハ其名称中ニ社団法人若クハ財団法人ナル文字又ハ此等ト誤認セシムベキ文字ヲ使用スルコトヲ得ズ

  第六十七条第一項の次に次の一項を加える。

  主務官庁ハ法人ニ対シ監督上必要ナル命令ヲ為スコトヲ得

  第七十一条中「条件」の下に「若クハ主務官庁ノ監督上ノ命令」を加え、「為シタルトキハ」を「為シタル場合ニ於テ他ノ方法ニ依リ監督ノ目的ヲ達スルコト能ハザルトキハ」に改め、同条に後段として次のように加える。

   正当ノ事由ナクシテ引続キ三年以上事業ヲ為サザルトキ亦同ジ

  第七十七条第一項中「破産」の下に「及ビ設立許可ノ取消」を加え、「又何レノ場合ニ於テモ」を「且ツ」に改め、同条に次の一項を加える。

  前項ノ規定ハ設立許可ノ取消ニ因ル解散ノ際ニ就職シタル清算人ニ之ヲ準用ス

  第八十四条中「五円以上二百円以下」を「五十万円以下」に改め、同条第三号の次に次の一号を加える。

   三ノ二 主務官庁ノ監督上ノ命令ニ違反シタルトキ

  第一編第二章第四節中第八十四条の次に次の一条を加える。

 第八十四条ノ二 第三十四条ノ二ノ規定ニ違反シタル者ハ十万円以下ノ過料ニ処セラル

  第千五条中「二百円」を「五万円」に改める。


 (民法施行法の一部改正)

第二条 民法施行法(明治三十一年法律第十一号)の一部を次のように改正する。

  第二十三条中「条件」の下に「若クハ主務官庁ノ監督上ノ命令」を加え、「為シタルトキハ」を「為シタル場合ニ於テ他ノ方法ニ依リ監督ノ目的ヲ達スルコト能ハザルトキハ」に改め、同条に後段として次のように加える。

   正当ノ事由ナクシテ引続キ三年以上事業ヲ為サザルトキ亦同ジ

  第二十三条に次の一項を加える。

  前項ノ規定ニ依ル解散ノ命令ハ民法第七十七条ノ規定ノ適用ニ付テハ設立許可ノ取消ト看做ス

  第二十五条を次のように改める。

 第二十五条 民法第七十一条又ハ第二十三条ノ規定ニ依ル処分ヲ為スベキトキハ主務官庁ハ予メ法人ノ理事ニ付キ聴聞ヲ為スベシ但法人ノ理事ノ欠ケタルトキ又ハ其所在ヲ知ルコト能ハザルトキハ此限ニ在ラズ

  第二十五条の次に次の二条を加える。

 第二十五条ノ二 理事ノ欠ケタルトキ又ハ其所在ヲ知ルコト能ハザルトキハ主務官庁ハ前条ノ処分ノ告知ニ代ヘテ其要旨ヲ官報ニ掲載スルコトヲ得

  前項ノ場合ニ於テハ前条ノ処分ハ官報ノ掲載ヲ為シタル日ヨリ二十日ヲ経過シタル時ニ其効力ヲ生ズ

 第二十五条ノ三 第二十五条ノ処分ヲ為シタルトキハ主務官庁ハ法人ノ各事務所ノ所在地ノ登記所ニ解散ノ原因及ビ年月日ノ登記ノ嘱託ヲ為スベシ


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。


 (法人の設立許可の取消し等に関する経過措置)

第二条 この法律による改正後の民法第七十一条及び民法施行法第二十三条第一項の規定は、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、改正前の当該規定によつて生じた効力を妨げない。


 (法人の解散の登記に関する経過措置)

第三条 この法律の施行前に主務官庁が設立許可を取り消し、又は解散を命じた法人の解散の登記に関しては、なお従前の例による。


 (罰則に関する経過措置)

第四条 この法律の施行前にした行為及び前条の規定により従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

第五条 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の四、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十四条及び職員団体等に対する法人格の付与に関する法律(昭和五十三年法律第八十号)第十一条において準用する民法第八十四条の規定により科すべき過料の額については、当分の間、なお従前の例による。

2 前項の規定は、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第三十三条の規定により科すべき過料の額について準用する。


 (非訟事件手続法の一部改正)

第六条 非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)の一部を次のように改正する。

  第百二十二条の次に次の一条を加える。

 第百二十二条ノ二 法人ノ設立許可ノ取消又ハ解散ノ命令ニ因ル解散ノ際ニ就職シタル清算人ノ登記ノ申請書ニハ理事ガ清算人タラザル場合ニ於テハ清算人ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス


 (国家公務員法の一部改正)

第七条 国家公務員法の一部を次のように改正する。

  第百八条の四中「民法第三十八条第二項」を「民法第三十四条ノ二、第三十八条第二項」に、「及び第七十一条」を「、第七十一条、第七十七条第三項、第八十四条第三号ノ二及び第八十四条ノ二並びに非訟事件手続法第百二十二条ノ二」に改め、「「登録」と」の下に「、同法第七十七条第一項中「破産及ビ設立許可ノ取消」とあるのは「破産」と」を加える。


 (損害保険料率算出団体に関する法律の一部改正)

第八条 損害保険料率算出団体に関する法律(昭和二十三年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。

  第二十三条中「及び第七十二条」を「、第七十二条から第七十六条まで、第七十七条第一項及び第二項並びに第七十八条」に改め、同条に後段として次のように加える。

  この場合において、同法第七十七条第一項中「破産及ビ設立許可ノ取消」とあるのは、「破産」と読み替えるものとする。


 (地方公務員法の一部改正)

第九条 地方公務員法の一部を次のように改正する。

  第五十四条中「民法第三十八条第二項」を「民法第三十四条ノ二、第三十八条第二項」に、「及び第七十一条」を「、第七十一条、第七十七条第三項、第八十四条第三号ノ二及び第八十四条ノ二並びに非訟事件手続法第百二十二条ノ二」に改め、「「登録」と」の下に「、同法第七十七条第一項中「破産及ビ設立許可ノ取消」とあるのは「破産」と」を加える。


 (日本労働協会法の一部改正)

第十条 日本労働協会法(昭和三十三年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。

  第八条及び第三十九条中「第六十七条第二項」を「第六十七条第三項」に改める。


 (職業訓練法の一部改正)

第十一条 職業訓練法(昭和四十四年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。

  第四十三条中「及び第五十条から第六十七条まで」を「、第五十条から第六十六条まで並びに第六十七条第一項及び第三項」に、「第六十七条、第七十七条第二項及び」を「第六十七条第一項及び第三項、第七十七条第二項並びに」に改める。

  第百七条第五号中「第六十七条第二項」を「第六十七条第三項」に改める。


 (職員団体等に対する法人格の付与に関する法律の一部改正)

第十二条 職員団体等に対する法人格の付与に関する法律の一部を次のように改正する。

  第十一条中「民法第三十八条第二項」を「民法第三十四条ノ二、第三十八条第二項」に、「並びに第七十一条」を「、第七十一条、第七十七条第三項、第八十四条第三号ノ二並びに第八十四条ノ二並びに非訟事件手続法第百二十二条ノ二」に改め、「「規約ノ認証」と」の下に「、同法第七十七条第一項中「破産及ビ設立許可ノ取消」とあるのは「破産」と」を加える。

(内閣総理・法務・大蔵・労働・自治大臣署名)

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