独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律
法律第二十五号(平一八・三・三一)
(独立行政法人産業安全研究所法の一部改正)
第一条 独立行政法人産業安全研究所法(平成十一年法律第百八十一号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
独立行政法人労働安全衛生総合研究所法
目次中「第六条」を「第五条」に、「役員(第七条―第九条)」を「役員及び職員(第六条―第十条)」に、「第十条―第十二条」を「第十一条―第十三条」に、「第十三条・第十四条」を「第十四条・第十五条」に、「第十五条」を「第十六条・第十七条」に改める。
第一条及び第二条中「独立行政法人産業安全研究所」を「独立行政法人労働安全衛生総合研究所」に改める。
第三条中「独立行政法人産業安全研究所」を「独立行政法人労働安全衛生総合研究所」に、「に関する」を「並びに労働者の健康の保持増進及び職業性疾病の病因、診断、予防その他の職業性疾病に係る事項に関する総合的な」に改め、「の安全」の下に「及び健康」を加える。
第四条を削り、第五条を第四条とし、第六条を第五条とする。
「第二章 役員」を「第二章 役員及び職員」に改める。
第十五条第一号中「第十条」を「第十一条」に改め、同条第二号中「第十二条第一項」を「第十三条第一項」に改め、同条を第十七条とし、第五章中同条の前に次の一条を加える。
第十六条 第九条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第四章中第十四条を第十五条とする。
第十三条第一項中「(昭和四十七年法律第五十七号)」及び「労働災害の原因を究明するための調査及び研究その他の」を削り、「第十条」を「第十一条」に改め、同条を第十四条とする。
第十二条第一項中「第十条」を「第十一条」に改め、第三章中同条を第十三条とし、第十一条を第十二条とする。
第十条第一号中「に関する」を「並びに労働者の健康の保持増進及び職業性疾病の病因、診断、予防その他の職業性疾病に係る事項に関する総合的な」に改め、同条に次の一項を加える。
2 研究所は、前項の業務のほか、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第九十六条の二第一項に規定する調査及び同条第二項に規定する立入検査を行う。
第十条を第十一条とする。
第七条第二項中「一人」を「二人以内」に改め、第二章中同条を第六条とし、第八条を第七条とし、第九条を第八条とし、同条の次に次の二条を加える。
(役員及び職員の秘密保持義務)
第九条 研究所の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(役員及び職員の地位)
第十条 研究所の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(労働安全衛生法の一部改正)
第二条 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。
第五十条第一項中「第百二十三条」を「第百二十三条第一号」に改める。
第九十六条の次に次の二条を加える。
(研究所による労働災害の原因の調査等の実施)
第九十六条の二 厚生労働大臣は、第九十三条第二項又は第三項の規定による労働災害の原因の調査が行われる場合において、当該労働災害の規模その他の状況から判断して必要があると認めるときは、独立行政法人労働安全衛生総合研究所(以下「研究所」という。)に、当該調査を行わせることができる。
2 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、研究所に、第九十四条第一項の規定による立入検査(前項に規定する調査に係るものに限る。)を行わせることができる。
3 厚生労働大臣は、前項の規定により研究所に立入検査を行わせる場合には、研究所に対し、当該立入検査の場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。
4 研究所は、前項の指示に従つて立入検査を行つたときは、その結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
5 第九十一条第三項及び第四項の規定は、第二項の規定による立入検査について準用する。この場合において、同条第三項中「労働基準監督官」とあるのは、「独立行政法人労働安全衛生総合研究所の職員」と読み替えるものとする。
(研究所に対する命令)
第九十六条の三 厚生労働大臣は、前条第一項に規定する調査に係る業務及び同条第二項に規定する立入検査の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、研究所に対し、これらの業務に関し必要な命令をすることができる。
第百二十三条を次のように改める。
第百二十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。
一 第五十条第一項(第五十三条の三から第五十四条の二まで及び第七十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに第五十条第二項(第五十三条の三から第五十四条の二まで及び第七十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだ者
二 研究所が第九十六条の三の規定による命令に違反した場合におけるその違反行為をした研究所の役員
(独立行政法人国立健康・栄養研究所法の一部改正)
第三条 独立行政法人国立健康・栄養研究所法(平成十一年法律第百八十号)の一部を次のように改正する。
目次中「第六条」を「第五条」に、「役員(第七条―第九条)」を「役員及び職員(第六条―第十条)」に、「第十条・第十一条」を「第十一条・第十二条」に、「第十二条・第十三条」を「第十三条・第十四条」に、「第十四条」を「第十五条・第十六条」に改める。
第四条を削り、第五条を第四条とし、第六条を第五条とする。
「第二章 役員」を「第二章 役員及び職員」に改める。
第十四条第一号中「第十条」を「第十一条」に改め、同条第二号中「第十一条第一項」を「第十二条第一項」に改め、同条を第十六条とし、第五章中同条の前に次の一条を加える。
第十五条 第九条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第四章中第十三条を第十四条とする。
第十二条第一項中「第十条」を「第十一条」に改め、同条を第十三条とする。
第三章中第十一条を第十二条とする。
第十条第二項第三号中「及び第三十二条第三項」を「、第三十二条第三項及び第三十二条の三第三項」に改め、同条を第十一条とする。
第二章中第七条を第六条とし、第八条を第七条とし、第九条を第八条とし、同条の次に次の二条を加える。
(役員及び職員の秘密保持義務)
第九条 研究所の役員及び職員は、職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(役員及び職員の地位)
第十条 研究所の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十八年四月一日から施行する。ただし、附則第九条第二項及び第三項並びに第十二条の規定は、公布の日から施行する。
(職員の引継ぎ等)
第二条 この法律の施行の際現に独立行政法人産業医学総合研究所(以下「産業医学総合研究所」という。)の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)において、独立行政法人労働安全衛生総合研究所(以下「労働安全衛生総合研究所」という。)の職員となるものとする。
2 この法律の施行の際現に独立行政法人産業安全研究所(以下「産業安全研究所」という。)及び独立行政法人国立健康・栄養研究所(以下「国立健康・栄養研究所」という。)の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、施行日において、引き続き、産業安全研究所の職員である者にあっては労働安全衛生総合研究所の、国立健康・栄養研究所の職員である者にあっては国立健康・栄養研究所の職員となるものとする。
第三条 前条の規定により労働安全衛生総合研究所及び国立健康・栄養研究所(以下「施行日後の労働安全衛生総合研究所等」という。)の職員となった者に対する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第二項の規定の適用については、当該施行日後の労働安全衛生総合研究所等の職員を同項に規定する特別職国家公務員等と、前条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。
第四条 附則第二条の規定により施行日後の労働安全衛生総合研究所等の職員となる者に対しては、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基づく退職手当は、支給しない。
2 施行日後の労働安全衛生総合研究所等は、前項の規定の適用を受けた当該施行日後の労働安全衛生総合研究所等の職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間を当該施行日後の労働安全衛生総合研究所等の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。
3 施行日の前日の産業安全研究所、産業医学総合研究所及び国立健康・栄養研究所(以下「施行日前の産業安全研究所等」という。)に職員として在職する者が、附則第二条の規定により引き続いて施行日後の労働安全衛生総合研究所等の職員となり、かつ、引き続き当該施行日後の労働安全衛生総合研究所等の職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の当該施行日後の労働安全衛生総合研究所等の職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。ただし、その者が当該施行日後の労働安全衛生総合研究所等を退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。
4 施行日後の労働安全衛生総合研究所等は、施行日の前日に施行日前の産業安全研究所等の職員として在職し、附則第二条の規定により引き続いて施行日後の労働安全衛生総合研究所等の職員となった者のうち施行日から雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による失業等給付の受給資格を取得するまでの間に当該施行日後の労働安全衛生総合研究所等を退職したものであって、その退職した日まで当該施行日前の産業安全研究所等の職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。
(国家公務員退職手当法の適用に関する経過措置)
第五条 施行日前に施行日前の産業安全研究所等を退職した者に関する国家公務員退職手当法第十二条の二及び第十二条の三の規定の適用については、産業安全研究所及び産業医学総合研究所を退職した者にあっては労働安全衛生総合研究所の、国立健康・栄養研究所を退職した者にあっては国立健康・栄養研究所の理事長は、同法第十二条の二第一項に規定する各省各庁の長等とみなす。
(労働組合についての経過措置)
第六条 この法律の施行の際現に存する特定独立行政法人等の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号。次条において「特労法」という。)第四条第二項に規定する労働組合であって、その構成員の過半数が附則第二条の規定により施行日後の労働安全衛生総合研究所等の職員となる者であるものは、この法律の施行の際労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該労働組合が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、施行日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3 第一項の規定により労働組合法の適用を受ける労働組合となったものについては、施行日から起算して六十日を経過する日までは、同法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
第七条 施行日前に特労法第十八条の規定に基づき施行日前の産業安全研究所等がした解雇に係る中央労働委員会に対する申立て及び中央労働委員会による命令の期間については、なお従前の例による。
2 この法律の施行の際現に中央労働委員会に係属している施行日前の産業安全研究所等とその職員に係る特労法の適用を受ける労働組合とを当事者とするあっせん、調停又は仲裁に係る事件に関する特労法第三章(第十二条から第十六条までの規定を除く。)及び第六章に規定する事項については、なお従前の例による。
(産業医学総合研究所の解散等)
第八条 産業医学総合研究所は、この法律の施行の時において解散するものとし、次項の規定により国が承継する資産を除き、その一切の権利及び義務は、その時において労働安全衛生総合研究所が承継する。
2 この法律の施行の際現に産業医学総合研究所が有する権利のうち、労働安全衛生総合研究所がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、この法律の施行の時において国が承継する。
3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4 産業医学総合研究所の平成十八年三月三十一日に終わる事業年度における業務の実績についての独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下この条において「通則法」という。)第三十二条第一項の規定による評価及び同日に終わる中期目標の期間(通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間をいう。次項において同じ。)における業務の実績についての通則法第三十四条第一項の規定による評価は、労働安全衛生総合研究所が受けるものとする。この場合において、通則法第三十二条第三項(通則法第三十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による通知及び勧告は、労働安全衛生総合研究所に対してなされるものとする。
5 産業医学総合研究所の平成十八年三月三十一日に終わる中期目標の期間に係る通則法第三十三条の規定による事業報告書の提出及び公表は、労働安全衛生総合研究所が行うものとする。
6 産業医学総合研究所の平成十八年三月三十一日に終わる事業年度に係る通則法第三十八条及び第三十九条の規定により財務諸表等に関し独立行政法人が行わなければならないとされる行為は、労働安全衛生総合研究所が行うものとする。
7 産業医学総合研究所の平成十八年三月三十一日に終わる事業年度における通則法第四十四条第一項及び第二項の規定による利益及び損失の処理に係る業務は、労働安全衛生総合研究所が行うものとする。
8 前項の規定による処理において、通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、当該積立金の処分は、労働安全衛生総合研究所が行うものとする。この場合において、附則第十条の規定による廃止前の独立行政法人産業医学総合研究所法(平成十一年法律第百八十二号。次条第一項において「旧産業医学総合研究所法」という。)第十二条の規定(この規定に係る罰則を含む。)は、なおその効力を有するものとし、同条第一項中「当該中期目標の期間の次の」とあるのは「独立行政法人労働安全衛生総合研究所の平成十八年四月一日に始まる」と、「次の中期目標の期間における第十条」とあるのは「中期目標の期間における独立行政法人労働安全衛生総合研究所法(平成十一年法律第百八十一号)第十一条第一項」とする。
9 第一項の規定により産業医学総合研究所が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(労働安全衛生総合研究所への出資)
第九条 前条第一項の規定により労働安全衛生総合研究所が産業医学総合研究所の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、労働安全衛生総合研究所が承継する資産の価額(同条第八項の規定によりなおその効力を有するものとして読み替えて適用される旧産業医学総合研究所法第十二条第一項の規定による承認を受けた金額があるときは、当該金額に相当する金額を除く。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から労働安全衛生総合研究所に出資されたものとする。この場合において、労働安全衛生総合研究所は、その額により資本金を増加するものとする。
2 前項に規定する資産の価額は、施行日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
3 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(独立行政法人産業医学総合研究所法の廃止)
第十条 独立行政法人産業医学総合研究所法は、廃止する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第十一条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
(国家公務員共済組合法の一部改正)
第十三条 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
別表第三に次のように加える。
独立行政法人労働安全衛生総合研究所 |
独立行政法人労働安全衛生総合研究所法(平成十一年法律第百八十一号) |
独立行政法人国立健康・栄養研究所 |
独立行政法人国立健康・栄養研究所法(平成十一年法律第百八十号) |
(労働保険特別会計法の一部改正)
第十四条 労働保険特別会計法(昭和四十七年法律第十八号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第六号中「独立行政法人産業安全研究所法」を「独立行政法人労働安全衛生総合研究所法」に、「第十二条第三項、独立行政法人産業医学総合研究所法(平成十一年法律第百八十二号)第十二条第三項」を「第十三条第三項」に改め、同条第二項第二号中「独立行政法人産業安全研究所、独立行政法人産業医学総合研究所」を「独立行政法人労働安全衛生総合研究所」に改める。
(食品安全基本法の一部改正)
第十五条 食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第二十七条第三項中「第十二条第一項の」を「第十三条第一項の」に改める。
(内閣総理・財務・厚生労働大臣署名)