独立行政法人医薬基盤研究所法
法律第百三十五号(平一六・六・二三)
目次
第一章 総則(第一条―第六条)
第二章 役員及び職員(第七条―第十四条)
第三章 業務等(第十五条―第十七条)
第四章 財務及び会計(第十八条・第十九条)
第五章 雑則(第二十条―第二十二条)
第六章 罰則(第二十三条・第二十四条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、独立行政法人医薬基盤研究所の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人医薬基盤研究所とする。
(研究所の目的)
第三条 独立行政法人医薬基盤研究所(以下「研究所」という。)は、医薬品技術及び医療用具等技術に関し、医薬品及び医療用具等並びに薬用植物その他の生物資源の開発に資することとなる共通的な研究、民間等において行われる研究及び開発の振興等の業務を行うことにより、医薬品技術及び医療用具等技術の向上のための基盤の整備を図り、もって国民保健の向上に資することを目的とする。
(定義)
第四条 この法律において「医薬品」とは、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項に規定する医薬品であって、専ら動物のために使用されることが目的とされているもの以外のものをいう。
2 この法律において「医療用具」とは、薬事法第二条第四項に規定する医療用具であって、専ら動物のために使用されることが目的とされているもの以外のものをいう。
3 この法律において「医薬品技術」とは、医薬品の生産又は販売に関する技術のうち厚生労働省の所掌に係るものであって、その品質、有効性及び安全性の確保又は向上に寄与するものその他国民の健康の保持増進に相当程度寄与するものをいう。
4 この法律において「医療用具等技術」とは、医療用具その他人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用すること又は人の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている物(以下「医療用具等」という。)の生産又は販売に関する技術のうち厚生労働省の所掌に係るものであって、これらの品質、有効性及び安全性の確保又は向上に寄与するものその他国民の健康の保持増進に相当程度寄与するもの(医薬品技術を除く。)をいう。
5 この法律において「希少疾病用医薬品」とは、薬事法第二条第八項に規定する希少疾病用医薬品をいう。
6 この法律において「希少疾病用医療用具」とは、薬事法第二条第八項に規定する希少疾病用医療用具をいう。
(事務所)
第五条 研究所は、主たる事務所を大阪府に置く。
(資本金)
第六条 研究所の資本金は、附則第八条第二項並びに附則第十一条第二項及び第三項の規定により政府から出資があったものとされた金額の合計額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、研究所に追加して出資することができる。
3 研究所は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員及び職員
(役員)
第七条 研究所に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 研究所に、役員として、理事一人を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第八条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して研究所の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第九条 理事長の任期は四年とし、理事及び監事の任期は二年とする。
(役員の欠格条項の特例)
第十条 通則法第二十二条の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定めるもの(次条各号のいずれかに該当する者を除く。)は、理事又は監事となることができる。
第十一条 通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 物品の製造若しくは販売、工事の請負若しくは役務の提供を業とする者であって研究所と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
第十二条 研究所の理事長の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人医薬基盤研究所法第十一条」とする。
2 研究所の理事及び監事の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条並びに独立行政法人医薬基盤研究所法第十条及び第十一条」とする。
(秘密保持義務)
第十三条 研究所の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
(役員及び職員の地位)
第十四条 研究所の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第十五条 研究所は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 医薬品技術及び医療用具等技術に関する次に掲げる業務
イ 医薬品及び医療用具等並びに薬用植物その他の生物資源の開発に資することとなる共通的な研究を行い、その成果を普及すること。
ロ 基礎的研究(イに掲げるものを除く。)を他に委託して行い、その成果を普及すること。
ハ 試験研究を政府等(政府及び独立行政法人(通則法第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)をいう。ニにおいて同じ。)以外の者に委託して行い、その成果を普及すること(ロに掲げるものを除く。)。
ニ 政府等以外の者に対し、試験研究を国の試験研究機関又は試験研究に関する業務を行う独立行政法人と共同して行うことについてあっせんすること。
ホ 海外から研究者を招へいすること。
ヘ 情報を収集し、整理し、及び提供すること。
ト 調査すること。
二 希少疾病用医薬品及び希少疾病用医療用具に関する試験研究に関し、必要な資金に充てるための助成金を交付し、並びに指導及び助言を行うこと(厚生労働省の所管する他の独立行政法人の業務に属するものを除く。)。
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用)
第十六条 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の規定(罰則を含む。)は、前条第二号の規定により研究所が交付する助成金について準用する。この場合において、同法(第二条第七項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「独立行政法人医薬基盤研究所」と、「各省各庁の長」とあるのは「独立行政法人医薬基盤研究所の理事長」と、同法第二条第一項及び第四項、第七条第二項、第十九条第一項及び第二項、第二十四条並びに第三十三条中「国」とあるのは「独立行政法人医薬基盤研究所」と、同法第十四条中「国の会計年度」とあるのは「独立行政法人医薬基盤研究所の事業年度」と読み替えるものとする。
(試験研究実施者等の納付金)
第十七条 研究所は、業務方法書で定めるところにより、第十五条第二号の助成金の交付を受けた者であって、当該助成金に係る希少疾病用医薬品又は希少疾病用医療用具に関する試験研究を行った者又はその承継人(以下この条において「試験研究実施者等」という。)から、当該希少疾病用医薬品又は希少疾病用医療用具の利用により試験研究実施者等が得た収入又は利益の一部を同号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に充てるための納付金として徴収することができる。
第四章 財務及び会計
(区分経理)
第十八条 研究所は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第十五条第一号イ及びロ並びに第二号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務
二 第十五条第一号ハからトまでに掲げる業務及びこれらに附帯する業務
(利益及び損失の処理の特例等)
第十九条 研究所は、前条第一号に掲げる業務に係る勘定において、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち厚生労働大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十五条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、厚生労働省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
3 研究所は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 前条第二号に掲げる業務に係る勘定における通則法第四十四条第一項ただし書の規定の適用については、同項中「第三項の規定により同項の使途に充てる場合」とあるのは、「政令で定めるところにより計算した額を国庫に納付する場合又は第三項の規定により同項の使途に充てる場合」とする。
5 第一項から第三項までの規定は、前項の勘定について準用する。この場合において、第一項中「通則法第四十四条第一項」とあるのは、「第四項の規定により読み替えられた通則法第四十四条第一項」と読み替えるものとする。
6 前各項に定めるもののほか、第三項の納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第五章 雑則
(主務大臣等)
第二十条 研究所に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ厚生労働大臣、厚生労働省及び厚生労働省令とする。
(国家公務員宿舎法の適用除外)
第二十一条 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、研究所の役員及び職員には適用しない。
(国家公務員共済組合法の適用に関する特例)
第二十二条 研究所の役員及び職員は、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の規定の適用については、同法第二条第一項第一号に規定する職員には該当しないものとする。この場合において必要な事項は、政令で定める。
第六章 罰則
第二十三条 第十三条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした研究所の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第十五条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第十九条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により厚生労働大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第十二条、第十三条及び第十六条の規定 平成十七年四月一日
二 附則第十七条の規定 この法律の公布の日又は国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百三十号)の公布の日のいずれか遅い日
(職員の引継ぎ等)
第二条 研究所の成立の際現に厚生労働省の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者は、厚生労働大臣が指名する者を除き、別に辞令を発せられない限り、研究所の成立の日において、研究所の職員となるものとする。
第三条 前条の規定により研究所の職員となった者に対する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第二項の規定の適用については、研究所の職員を同項に規定する特別職国家公務員等と、前条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。
第四条 附則第二条の規定により厚生労働省の職員が研究所の職員となる場合には、その者に対しては、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基づく退職手当は、支給しない。
2 研究所は、前項の規定の適用を受けた研究所の職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間を研究所の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。
3 研究所の成立の日の前日に厚生労働省の職員として在職する者が、附則第二条の規定により引き続いて研究所の職員となり、かつ、引き続き研究所の職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の研究所の職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。ただし、その者が研究所を退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。
4 研究所は、研究所の成立の日の前日に厚生労働省の職員として在職し、附則第二条の規定により引き続いて研究所の職員となった者のうち研究所の成立の日から雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による失業給付の受給資格を取得するまでの間に研究所を退職したものであって、その退職した日まで厚生労働省の職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。
第五条 附則第二条の規定により研究所の職員となった者であって、研究所の成立の日の前日において厚生労働大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、研究所の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、研究所の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、研究所の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
(研究所の成立の日の前日において厚生労働省共済組合の組合員である職員に関する経過措置)
第六条 研究所の成立の日の前日において国家公務員共済組合法第三条第一項の規定により厚生労働省に属する職員(同法第二条第一項第一号に規定する職員をいう。以下この条において同じ。)及びその所管する独立行政法人の職員をもって組織された国家公務員共済組合(以下この条において「厚生労働省共済組合」という。)の組合員である職員(同日において附則第二条に規定する厚生労働省の部局又は機関で政令で定めるものに属する者に限る。)が研究所の成立の日において研究所の役員又は職員(職員に相当するものに限るものとし、以下この条において「役職員」という。)となる場合であって、かつ、引き続き同日以後において役職員である場合には、第二十二条の規定にかかわらず同法の規定の適用については、当該役職員は、同日から起算して二十日を経過する日(正当な理由があると厚生労働省共済組合が認めた場合には、その認めた日)までに申出をしたときは、同日以後引き続く当該役職員である期間厚生労働省共済組合を組織する職員に該当するものとする。
2 前項に規定する役職員が同項に規定する申出をその期限内に行うことなく死亡した場合には、その申出は、当該役職員の遺族(国家公務員共済組合法第二条第一項第三号に規定する遺族に相当する者に限る。)がすることができる。
3 研究所の成立の日の前日において厚生労働省共済組合の組合員である職員(同日において附則第二条に規定する厚生労働省の部局又は機関で政令で定めるものに属する者に限る。)が研究所の成立の日において役職員となる場合であって、かつ、第一項又は前項の規定による申出を行わなかった場合には、当該役職員は、研究所の成立の日の前日に退職(国家公務員共済組合法第二条第一項第四号に規定する退職をいう。)したものとみなす。
(研究所の職員となる者の職員団体についての経過措置)
第七条 研究所の成立の際現に存する国家公務員法第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が附則第二条の規定により研究所に引き継がれる職員であるものは、研究所の成立の際労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、研究所の成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3 第一項の規定により労働組合となったものについては、研究所の成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
(国の権利義務の承継等)
第八条 研究所の成立の際、第十五条第一号イに掲げる業務及びこれに附帯する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、研究所の成立の時において研究所が承継する。
2 前項の規定により研究所が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から研究所に対し出資されたものとする。
3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、研究所の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(非課税)
第九条 前条第一項の規定により研究所が権利を承継する場合における当該承継に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税又は自動車取得税を課することができない。
(国有財産の無償使用)
第十条 国は、研究所の成立の際現に附則第二条に規定する厚生労働省の部局又は機関で政令で定めるものに属する者の住居の用に供されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、研究所の用に供するため、研究所に無償で使用させることができる。
(独立行政法人医薬品医療機器総合機構の権利義務の承継等)
第十一条 研究所の成立の際、附則第十六条の規定による改正前の独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成十四年法律第百九十二号。以下「旧機構法」という。)第十五条第一項第三号及び第四号並びに附則第十八条第一項から第三項までに掲げる業務に関し、現に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)が有する権利及び義務は、研究所の成立の時において研究所が承継する。
2 前項の規定により研究所が機構の権利及び義務を承継したときは、旧機構法第二十九条第一項第三号に掲げる業務に係る勘定において研究所の成立の日の前日までに政府から機構に対して出資された額は、その承継に際し政府から研究所に、第十八条第二号に掲げる業務に必要な資金に充てるべきものとして出資されたものとする。
3 第一項の規定により研究所が機構の権利及び義務を承継したときは、その承継の際旧機構法第二十九条第一項第四号に掲げる業務に係る勘定から承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額は、政府から研究所に、第十五条第一号ロ及び第二号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務に必要な資金に充てるべきものとして出資されたものとする。
4 附則第八条第三項及び第四項の規定は、前項の資産の価額について準用する。
5 第一項の規定により研究所が機構の権利及び義務を承継したときは、旧機構法附則第十八条第一項から第三項までに掲げる業務に係る勘定において研究所の成立の日の前日までに政府から機構に対して出資された額(次項の規定により出資されたものとされた額を含み、同項の規定により出資がなかったものとされた額を除く。)は、その承継に際し政府から研究所に、次条第一項から第三項までに規定する業務(以下「承継業務」という。)に必要な資金に充てるべきものとして出資されたものとする。
6 機構が旧機構法附則第十三条第一項の規定により承継した株式を処分した場合において、当該株式の処分により生じた収入の総額が当該株式の取得に要した費用の総額を超えるときはその差額に相当する額については研究所の成立の日の前日において、政令で定めるところにより、機構に対し政府から出資されたものとし、当該株式の処分により生じた収入の総額が当該株式の取得に要した費用の総額を下回るときはその差額に相当する額については研究所の成立の日の前日において、政令で定めるところにより、機構に対する政府の出資はなかったものとする。
7 機構は、第一項の規定により研究所が機構の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、次に掲げる額の合計額によりその資本金を減少するものとする。
一 第二項及び第五項の規定により研究所に対して出資されたものとされた額
二 旧機構法第二十九条第一項第四号に掲げる業務に係る勘定において研究所の成立の日の前日までに政府から機構に対して出資された額
(承継業務等)
第十二条 研究所は、第十五条に規定する業務のほか、政令で指定する日までの間において、旧機構法附則第十三条第一項の規定により機構が医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構から承継した株式であって、前条第一項の規定により機構から承継したものの処分の業務を行う。
2 研究所は、第十五条及び前項に規定する業務のほか、旧機構法附則第二十一条の規定による廃止前の医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法(昭和五十四年法律第五十五号)第二十七条第二項第三号及び第三項第二号の規定により貸し付けられた資金に係る債権(旧機構法附則第十三条第一項の規定により機構が医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構から承継したものであって、前条第一項の規定により機構から承継したものに限る。)の回収が終了するまでの間、当該債権の管理及び回収の業務を行う。
3 研究所は、前二項に規定する業務に附帯する業務を行うことができる。
4 研究所は、承継業務については、特別の勘定(以下「承継勘定」という。)を設けて経理しなければならない。
5 第一項から第三項までの規定により研究所が承継業務を行う場合には、第六条第一項中「附則第八条第二項並びに附則第十一条第二項及び第三項」とあるのは「附則第八条第二項並びに附則第十一条第二項、第三項及び第五項」と、第十九条第四項及び第五項中「勘定」とあるのは「勘定及び附則第十二条第四項に規定する承継勘定」とする。
6 承継業務は、第二十四条第一号の規定の適用については、第十五条第一号ハからトまでに掲げる業務とみなす。
第十三条 研究所は、承継業務を終えたときは、承継勘定を廃止するものとし、その廃止の際承継勘定についてその債務を弁済してなお残余財産があるときは、当該残余財産の額に相当する金額を国庫に納付するものとする。
2 研究所は、前項の規定により承継勘定を廃止したときは、その廃止の際承継勘定に属する資本金の額により資本金を減少するものとする。
(政令への委任)
第十四条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、研究所の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
p> (薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律の一部改正)第十五条 薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律(平成十四年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。
第二条のうち薬事法第八十三条第一項の改正規定中「第十三条の二第一項第一号」を「第十三条の三第一項第一号」に改める。
附則第二十五条の二の次に次の一条を加える。
第二十五条の三 独立行政法人医薬基盤研究所法(平成十六年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
第三条中「医療用具等技術」を「医療機器等技術」に、「医療用具等並びに」を「医療機器等並びに」に改める。
第四条第二項中「医療用具」を「医療機器」に改め、同条第四項中「医療用具等技術」を「医療機器等技術」に、「、医療用具」を「、医療機器」に、「「医療用具等」」を「「医療機器等」」に改め、同条第五項中「第二条第八項」を「第二条第十四項」に改め、同条第六項中「希少疾病用医療用具」を「希少疾病用医療機器」に、「第二条第八項」を「第二条第十四項」に改める。
第十五条第一号中「医療用具等技術」を「医療機器等技術」に改め、同号イ中「医療用具等並びに」を「医療機器等並びに」に改め、同条第二号中「希少疾病用医療用具」を「希少疾病用医療機器」に改める。
第十七条中「希少疾病用医療用具」を「希少疾病用医療機器」に改める。
(独立行政法人医薬品医療機器総合機構法の一部改正)
第十六条 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法の一部を次のように改正する。
第三条中「国民の健康の保持増進に寄与する医薬品技術等の研究及び開発を振興するとともに、」を削る。
第四条第十項から第十三項までを削る。
第六条を次のように改める。
(資本金)
第六条 機構の資本金は、その設立に際し、附則第十二条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額並びに附則第十三条第七項の規定により政府から出資があったものとされた金額のうち第十五条第一項第五号及び同条第二項に掲げる業務(以下「審査等業務」という。)に必要な資金に充てるべきものとして出資されたものの合計額とする。
第十五条第一項第三号及び第四号を次のように改める。
三及び四 削除
第十五条第一項第五号ハ中「第三号ヘ及びこの号」を削り、「掲げる業務」の下に「及び厚生労働省の所管する他の独立行政法人の業務に属するもの」を加える。
第二十七条及び第二十八条を次のように改める。
第二十七条及び第二十八条 削除
第二十九条第一項第三号を次のように改める。
三 審査等業務
第二十九条第一項第四号及び第五号を削る。
第三十一条第一項中「第二十九条第一項第四号及び第五号」を「第二十九条第一項第三号」に改め、「それぞれの」を削り、同条中第四項及び第五項を削り、第六項を第四項とし、第七項を第五項とし、第八項を第六項とする。
附則第十五条第五項及び第十七条第三項中「第三十一条第六項及び第七項」を「第三十一条第四項及び第五項」に改める。
附則第十八条及び第十九条を次のように改める。
第十八条及び第十九条 削除
(国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律の一部改正)
第十七条 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。
附則第一条第二号中「第七十六条」を「第七十六条の二」に改める。
附則第七十六条の次に次の一条を加える。
(独立行政法人医薬基盤研究所法の一部改正)
第七十六条の二 独立行政法人医薬基盤研究所法(平成十六年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
第二十二条を次のように改める。
第二十二条 削除
附則第六条第一項中「国家公務員共済組合法」の下に「(昭和三十三年法律第百二十八号)」を加え、「、第二十二条の規定にかかわらず同法の規定の適用については」を削る。
(財務・厚生労働・内閣総理大臣署名)