独立行政法人種苗管理センター法

法律第百八十四号(平一一・一二・二二)

目次

 第一章 総則(第一条―第六条)

 第二章 役員(第七条―第九条)

 第三章 業務等(第十条・第十一条)

 第四章 雑則(第十二条)

 第五章 罰則(第十三条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、独立行政法人種苗管理センターの名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。

 (名称)

第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人種苗管理センターとする。

 (センターの目的)

第三条 独立行政法人種苗管理センター(以下「センター」という。)は、農林水産植物の品種登録に係る栽培試験、農作物の種苗の検査、ばれいしょその他の農作物の増殖に必要な種苗の生産及び配布等を行うことにより、適正な農林水産植物の品種登録の実施及び優良な種苗の流通の確保を図ることを目的とする。

 (特定独立行政法人)

第四条 センターは、通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人とする。

 (事務所)

第五条 センターは、主たる事務所を茨城県に置く。

 (資本金)

第六条 センターの資本金は、附則第五条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。

2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、センターに追加して出資することができる。

3 センターは、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。

   第二章 役員

 (役員)

第七条 センターに、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。

2 センターに、役員として、理事二人以内を置くことができる。

 (理事の職務及び権限等)

第八条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐してセンターの業務を掌理する。

2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。

3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。

 (役員の任期)

第九条 理事長の任期は四年とし、理事及び監事の任期は二年とする。

   第三章 業務等

 (業務の範囲)

第十条 センターは、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。

 一 農林水産植物の品種登録に係る栽培試験を行うこと。

 二 農作物(飼料作物を除く。)の種苗の検査を行うこと。

 三 ばれいしょ、茶樹及びさとうきびの増殖に必要な種苗の生産及び配布を行うこと。

 四 前三号の業務に係る技術に関する調査及び研究を行うこと。

 五 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。

2 センターは、前項の業務のほか、種苗法(平成十年法律第八十三号)第五十三条の二第一項の規定による集取を行う。

3 センターは、前二項の業務のほか、前二項の業務の遂行に支障のない範囲内で、農作物に関する技術上の試験及び研究の素材となる植物の保存及び増殖を行うことができる。

 (積立金の処分)

第十一条 センターは、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち農林水産大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における前条に規定する業務の財源に充てることができる。

2 農林水産大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、農林水産省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。

3 センターは、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。

4 前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。

   第四章 雑則

 (主務大臣等)

第十二条 センターに係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ農林水産大臣、農林水産省及び農林水産省令とする。

   第五章 罰則

第十三条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をしたセンターの役員は、二十万円以下の過料に処する。

 一 第十条に規定する業務以外の業務を行ったとき。

 二 第十一条第一項の規定により農林水産大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、第十条第二項及び附則第七条から第九条までの規定は、同日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (職員の引継ぎ等)

第二条 センターの成立の際現に農林水産省の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者は、別に辞令を発せられない限り、センターの成立の日において、センターの相当の職員となるものとする。

第三条 センターの成立の際現に前条に規定する政令で定める部局又は機関の職員である者のうち、センターの成立の日において引き続きセンターの職員となったもの(次条において「引継職員」という。)であって、センターの成立の日の前日において農林水産大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、センターの成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項の給付(以下この条において「特例給付」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付の支給に関しては、センターの成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、センターの成立の日の前日の属する月の翌月から始める。

 (センターの職員となる者の職員団体についての経過措置)

第四条 センターの成立の際現に存する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が引継職員であるものは、センターの成立の際国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。

2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、センターの成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。

3 第一項の規定により労働組合となったものについては、センターの成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。

 (権利義務の承継等)

第五条 センターの成立の際、第十条に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、センターの成立の時においてセンターが承継する。

2 前項の規定によりセンターが国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府からセンターに対し出資されたものとする。

3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、センターの成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。

4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。

 (政令への委任)

第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、センターの設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (植物防疫法の一部改正)

第七条 植物防疫法(昭和二十五年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。

  第十六条中「左に」を「次に」に、「前四条」を「第十二条から前条まで」に改め、同条第二号中「国又は都道府県」を「都道府県又は独立行政法人種苗管理センター」に、「且つ、」を「かつ、農林水産大臣の定める基準に従つて」に改める。

 (種苗法の一部改正)

第八条 種苗法の一部を次のように改正する。

  目次中「第六十一条」を「第六十二条」に改める。

  第十五条第二項中「現地調査又は」を「現地調査を行わせ、又は独立行政法人種苗管理センター(以下「種苗管理センター」という。)に」に改め、同条第三項中「又は栽培試験」を削り、同条に次の三項を加える。

 4 栽培試験の項目、試験方法その他第二項の栽培試験の実施に関して必要な事項は、農林水産省令で定める。

 5 種苗管理センターは、農林水産大臣の同意を得て、第二項の規定による栽培試験を関係行政機関、学校その他適当と認める者に依頼することができる。

 6 農林水産大臣は、第二項の栽培試験の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、種苗管理センターに対し、当該業務に関し必要な命令をすることができる。

  第四十条第二項中「現地調査又は」を「現地調査を行わせ、又は種苗管理センターに」に改め、同条第三項中「第十五条第三項」の下に「から第六項まで」を加える。

  第五十三条の次に次の二条を加える。

  (種苗管理センターによる指定種苗の集取)

 第五十三条の二 農林水産大臣は、必要があると認めるときは、種苗管理センターに、種苗業者から検査のために必要な数量の指定種苗を集取させることができる。ただし、時価によってその対価を支払わなければならない。

 2 農林水産大臣は、前項の規定により種苗管理センターに集取を行わせる場合には、種苗管理センターに対し、当該集取の期日、場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。

 3 種苗管理センターは、前項の指示に従って第一項の集取を行ったときは、農林水産省令の定めるところにより、同項の規定により得た検査の結果を農林水産大臣に報告しなければならない。

 4 第一項の場合において種苗業者の要求があったときは、同項の規定により集取をする種苗管理センターの職員は、その身分を示す証明書を提示しなければならない。

  (種苗管理センターに対する命令)

 第五十三条の三 農林水産大臣は、前条第一項の集取の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、種苗管理センターに対し、当該業務に関し必要な命令をすることができる。

  第五十九条第二号中「第五十三条第一項」の下に「又は第五十三条の二第一項」を加える。

  第六十一条を第六十二条とし、第六十条の次に次の一条を加える。

 第六十一条 第十五条第六項(第四十条第三項において準用する場合を含む。)又は第五十三条の三の規定による命令に違反した場合には、その違反行為をした種苗管理センターの役員は、二十万円以下の過料に処する。

 (種苗法の一部改正に伴う経過措置)

第九条 前条の規定の施行の際現に同条の規定による改正前の種苗法(以下「旧法」という。)第十五条第二項又は第四十条第二項の規定により農林水産大臣の職員に行わせている栽培試験は、前条の規定による改正後の種苗法(以下「新法」という。)第十五条第二項又は第四十条第二項の規定によりセンターに行わせている栽培試験とみなす。

2 前条の規定の施行の日前に旧法第十五条第二項又は第四十条第二項の規定により農林水産大臣の職員に行わせた栽培試験は、新法第十五条第二項又は第四十条第二項の規定によりセンターに行わせた栽培試験とみなす。

3 前条の規定の施行の日前に旧法第十五条第三項(旧法第四十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により農林水産大臣が依頼した栽培試験は、新法第十五条第五項(新法第四十条第三項において準用する場合を含む。)の規定によりセンターが依頼した栽培試験とみなす。

(内閣総理・大蔵・農林水産大臣署名) 

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