動労 新綱領

新綱領前文(要約)

我が組合の綱領、それは「逃避なきたたかいのなかで自ら導きだした綱領」である。この基本的立場は昔も今も不変である。”たたかい”は真空の中ではあり得ない。たたかう者の眼前に繰りひろげられる情勢によって規定される。同時にその情勢は、闘いによって切りひらかれるのである。ここ数年、わが組合は”派遣”や”広域移動”に象徴される血と汗にまみれた闘いを展開してきた。国鉄は危機的状況にあった。われわれの周囲は「親方日の丸意識にどっぷりつかった労使」「働かない労働者」という世評に覆いつくされ、「分割民営化以外にない」との大勢が形づくられた。」労働運動も低迷の極にあった。わが組合はこの現実を直視し、状況を打破し国鉄の改革を自らおしすすめる決意に立って、誹謗・中傷・妨害の渦巻く中で苦難に満ちた道なきたたかいを選択した。
たたかいのなかで、”社会が見え”た。また”社会もわが組合のたたかいに応えはじめた。われわれはたたかいを通じて社会を知り、現在に至った。わが組合は、このたたかいをつうじてかちとった成果のうえに立って、飛躍を勝ちとるために新たな綱領が必要であることを痛感した。しかし、この新たな綱領の希求はこと目新しいものではない。
わが組合の先達がたどった道がそのことを示している。三十五年前、職場の労働者の切実な要求に国鉄労働組合本部は聞く耳を持たなかった。当時の運転職場の叫びはやがて「組合員のための労働組合」のスローガンのもとに1951年機関車労働組合を結成させた。GHQも国鉄当局も、機関車労働組合結成に反対し、国労を激励した。
爾来、わが先達は”友愛と信義”の結成理念を掲げ、自らの力で労働組合を創り、幾多の試練をのりこえ、そのなかで自らと組織を強化し、道を切りひらいてきた。逆境に抗し、切実な要求の実現のため、わが組合は団結し、全力をあげた。たたかいのなかで「組合結成の理念」を問いなおしつつ、時々の情勢の把握と闘いの総括のうえに1976年、現綱領を作りだしたのである。
いまわれわれは歴史的な転換点に立っている。百十余年の歴史を持ち苦悩する国鉄の改革に向け、机上の空理空論に終始するのでなく、強い決意をもって自ら苦難の道をつきすすんでいる。教科書のないたたかいのなかで、自ら未来を創り発展させる主体たらしめるために己を陶冶しつつある。
情報通信産業の時代に生き抜く21世紀鉄道としての活気ある新事業体の創造と発展!鉄道産業労働者の利益をはかることを基礎とした壮大な労働組合・労働運動の創造!それがわれわれの獲得する未来である。
この未来を獲得するたたかいの道は決して平坦ではない。きわめて厳しい労働運動の全体状況、歯ぎしりするほどに危機的な国鉄、もはや労働組合として存在価値すら問われる国労がなお多数を占める国鉄労働運動の惨状!われわれには、この事実を冷静に理性的にたらえ、その変革のために、逃避することなく、”骨身を削って”たたかい、自己変革しつつ永遠に前進し続ける任務がある。
一、われらは、労働条件の維持・改善と生活向上のためにたたかう。
一、われらは、鉄道労働者の使命を自覚し、技術の練磨と人格の陶冶に励み、二一世紀鉄道の興隆のためにたたかう。
一、われらは、強固な組織を確立し政党の支配介入を許さず、労働組合発展のためにたたかう。
一、われらは、国内外のすべての労働者と連帯し、戦争に反対し、世界平和の達成と基本的人権の確立のためにたたかう。

おしらせ

参考資料

サブメニュー