国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律

衆議院HPより引用


    法律第八十二号(昭三一・四・二四)

    改正 法律第三十五号(昭三二・三・三一)

    改正 法律第百三号(昭三二・五・一六)

      

    ◎国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律

     (用語の意義)

    第一条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

     一 地方公共団体 都道府県、市町村、特別区及びこれらの組合をいう。

     二 公社 日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社をいう。

     三 固定資産 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百四十一条第一号に規定する固定資産に該当するものをいう。

     四 土地 地方税法第三百四十一条第二号に規定する土地に該当するものをいう。

     五 家屋 地方税法第三百四十一条第三号に規定する家屋に該当するものをいう。

     六 償却資産 地方税法第三百四十一条第四号に規定する償却資産に該当するものをいう。ただし、公社にあつては、当該償却資産に該当するもので、日本専売公社については日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)第四十三条の八第一項の財産目録に、日本国有鉄道については日本国有鉄道法(昭和二十三年法律第二百五十六号)第四十条第一項の財産目録に、日本電信電話公社については日本電信電話公社法(昭和二十七年法律第二百五十号)第五十八条第一項の財産目録に登録されるべきものをいう。

     (市町村に対する交付金の交付又は納付金の納付)

    第二条 国又は地方公共団体は、毎年度、当該年度の初日の属する年の前年(以下「前年」という。)の三月三十一日現在において所有する固定資産で次の各号に掲げる固定資産に該当するものにつき、当該固定資産所在の市町村に対して、国有資産等所在市町村交付金(以下「市町村交付金」という。)を交付する。

     一 当該固定資産を所有する国又は地方公共団体以外の者が使用している固定資産(次号に掲げるものを除く。)

     二 国有林野法(昭和二十六年法律第二百四十六号)第二条の国有林野に係る土地

     三 発電所、変電所又は送電施設の用に供する固定資産(第一号に掲げるものを除く。)

    2 公社は、毎年度、前年の三月三十一日現在において所有する固定資産(地方税法第五条第二項第二号及び第七百四十条の固定資産税(以下「固定資産税」という。)を課されるべきものを除く。)につき、当該固定資産所在の市町村に対して、公社有資産所在市町村納付金(以下「市町村納付金」という。)を納付する。

    3 国又は地方公共団体は、第一項第一号及び第二号に掲げる固定資産のうち、次の各号に掲げるものについては、同項の規定にかかわらず、市町村交付金を交付しない。

     一 皇室の用に供する固定資産

     二 国家公務員のための国設宿舎に関する法律(昭和二十四年法律第百十七号)第十条の公邸及び同法第十二条の無料宿舎の用に供する固定資産

     三 国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三条に規定する行政財産又は普通財産で同法第二十二条第一項第二号(同法第十九条又は第二十六条において準用する場合を含む。)の規定により地方公共団体が保護を要する生活困窮者の収容の用に供する固定資産

     四 地方税法第三百四十三条第五項の土地又は農地で、国が買収し、又は収納した日から国が当該土地又は農地を他人に売り渡し、その所有権が売渡の相手方に移転する日までの間において国が所有するもの

     五 国有林野法第十条第一号の部分林で地方公共団体が造林者であるものに係る土地

     六 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う国有の財産の管理に関する法律(昭和二十七年法律第百十号)第二条の規定により使用させている固定資産

     七 前各号に掲げるもののほか、地方税法第三百四十八条第二項第一号、第三号から第六号まで、第八号から第十一号まで及び第十二号に掲げる固定資産(第二号に掲げるものを除き、住宅(もつぱら人の居住の用に供する家屋をいう。以下同じ。)及び住宅の用に供する土地を除く。)

     八 前各号に掲げるもののほか、これらに類する固定資産で政令で定めるもの

    4 公社は、その所有する固定資産のうち、病院及び診療所の用に供するもの、直接職員の教育の用に供するもの並びに前項第一号に掲げるもの及び同項第六号に掲げる固定資産に類するもので、政令で定めるものについては、第二項の規定にかかわらず、市町村納付金を納付しない。

    5 目本国有鉄道は、直接その本来の事業の用に供するため借り受けている車両で政令で定めるものについては、これを日本国有鉄道が所有する償却資産とみなして、この法律の規定により、当該償却資産所在の市町村に対して、市町村納付金を納付する。

     (交付金額又は納付金額の算定)

    第三条 市町村交付金として交付すべき金額(以下「交付金額」という。)又は市町村納付金として納付すべき金額(以下「納付金額」という。)は、交付金算定標準額又は納付金算定標準額にそれぞれ百分の一・四を乗じて得た額とする。

    2 前項の交付金算定標準額又は納付金算定標準額は、固定資産の価格とする。

    3 国又は地方公共団体が所有する固定資産に係る前項の固定資産の価格は、それぞれ国有財産法第三十二条第一項の台帳若しくは物品管理法(昭和三十一年法律第百十三号)第三十六条の帳簿又は地方公共団体がその所有する財産について備える台帳(以下「国有財産台帳等」という。)に記載された当該固定資産の価格とする。ただし、国有財産法第四条第二項の各省各庁の長(以下「各省各庁の長」という。)又は地方公共団体の長が第八条又は第九条第二項の規定によつて交付金算定標準額の基礎とすべき価格を通知した固定資産(第十条第一項に規定する固定資産を除く。)については、当該通知に係る固定資産の価格とし、第十条第一項に規定する固定資産については、各省各庁の長又は地方公共団体の長が同条同項、第二項又は第四項の規定によつて配分し、及び通知した価格とする。

    4 公社が所有する固定資産に係る第二項の固定資産の価格は、自治庁長官が第十一条第一項の規定によつて配分し、及び通知した価格とする。

     (交付金算定標準額又は納付金算定標準額の特例)

    第四条 第二条第一項第一号に掲げる固定資産のうち住宅及び住宅の用に供する土地に係る交付金算定標準額は、前条第二項の規定にかかわらず、同項の価格の、政令で定める住宅に係るものにあつては十分の二、その他の住宅に係るものにあつては十分の四の額とする。

    2 発電所、変電所又は送電施設の用に供する固定資産に係る交付金算定標準額は、前条第二項の規定にかかわらず、当該固定資産について市町村交付金が交付されることとなつた年度から十年度間にあつては、当該固定資産を地方税法第三百四十九条の三第一項の固定資産と、当該固定資産について市町村交付金が交付されることとなつた年度を同条同項の当該固定資産に対して新たに固定資産税が課されることとなつた年度と、前条第二項の固定資産の価格を同法同条第一項の固定資産税の課税標準となるべき価格とみなした場合において同条同項の規定により固定資産税の課税標準となるべき額の十分の五の額とし、当該固定資産について市町村交付金が交付されることとなつた年度から十年度を経過した年度以後にあつては、前条第二項の価格の十分の五の額とする。

    3 公社が所有する固定資産に係る納付金算定標準額は、前条第二項の規定にかかわらず、同項の価格の十分の五の額とする。

     (大規模の償却資産に係る交付金算定標準額又は納付金算定標準額の特例等)

    第五条 国若しくは地方公共団体又は公社は、各省各庁の長がそれぞれ管理し、又は一の地方公共団体若しくは一の公社が所有する償却資産(公社が所有する償却資産で鉄道又は電気通信の用に供するもののうち総理府令で定めるものを除く。以下本条及び次条において同じ。)のうち第二条の規定によつて市町村交付金を交付し、又は市町村納付金を納付すべきもので一の市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十五条第二項の市を除く。以下本条及び次条において同じ。)町村内に所在するものに係る交付金算定標準額又は納付金算定標準額となるべき価格(前条の規定の適用を受けるものにあつては、同条の規定によつて交付金算定標準額又は納付金算定標準額となるべき額とする。以下同じ。)の合計額(一の公社が所有する償却資産(地方税法第三百四十九条の五第一項の新設大規模償却資産を除く。以下本条において同じ。)にあつては、当該合計額と当該一の公社が所有する固定資産税を課される償却資産で当該市町村内に所在するものに係る固定資産税の課税標準となるべき額(同法第三百四十九条の二及び第三百四十九条の三の規定によつて固定資産税の課税標準となるべき額をいう。以下本条において同じ。)の合計額(以下「固定資産税の課税標準額」という。)【削除】との合算額とする。)が次の表の上欄に掲げる市町村において同表の下欄に掲げる金額をこえるもの(以下「大規模の償却資産」という。)については、前二条の規定にかかわらず、同表の下欄に掲げる金額を交付金算定標準額又は納付金算定標準額として当該市町村に市町村交付金を交付し、又は市町村納付金を納付するものとする。ただし、公社にあつては、次の表の下欄に掲げる金額から当該公社が所有する固定資産税を課される償却資産に係る同法第三百四十九条の二から第三百四十九条の四までの規定によつて算定した固定資産税の課税標準額(以下本条及び第十六条第二項において「固定資産税の課税標準額」という。)を控除した額を納付金算定標準額として当該市町村に市町村納付金を納付するものとし、固定資産税の課税標準額が同表の下欄に掲げる金額以上の額であるときは、、当該市町村に市町村納付金を納付することを要しないものとする。

    市町村の区分

    金額

    人口五千人未満の町村

    二億円

    人口五千人以上一万人未満の町村

    人口六千人未満の場合にあつては二億三千万円、人口六千人以上の場合にあつては二億三千万円に人口千人を増すごとに三千万円を加算した額

    人口一万人以上三万人未満の市町村

    人口一万一千人未満の場合にあつては三億六千五百万円、人口一万一千人以上の場合にあつては三億六千五百万円に人口千人を増すごとに千五百万円を加算した額

    人口三万人以上の市町村

    六億五千万円(当該大規模の償却資産の交付金算定標準額となるべき価格の十分の二の額が六億五千万円をこえるときは当該交付金算定標準額となるべき価格の十分の二の額とし、当該大規模の償却資産の納付金算定標準額となるべき価格と当該大規模の償却資産を所有する公社が所有する固定資産税を課される償却資産に係る固定資産税の課税標準となるべき額との合算額の十分の二の額が六億五千万円をこえるときは当該合算額の十分の二の額とする。)

    2 前年度の地方交付税の算定の基礎となつた基準財政収入額(以下本項において「前年度の基準財政収入額」という。)からこれに算入された大規模の償却資産に係る市町村交付金又は市町村納付金の収入見込額(地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条第二項の基準率をもつて算定した市町村交付金又は市町村納付金の収入見込額をいう。以下本項において同じ。)を控除した額に、当該大規模の償却資産について前項の規定を適用した場合において当該年度分として交付されるべき市町村交付金又は納付されるべき市町村納付金の収入見込額を加算した額(一の公社が所有する大規模の償却資産で、これに係る納付金算定標準額となるべき価格と当該公社が所有する固定資産税を課される償却資産に係る固定資産税の課税標準となるべき額との合計額によつて大規模の償却資産に該当することとなるものにあつては、前年度の基準財政収入額からこれに算入された当該大規模の償却資産に係る市町村納付金の収入見込額と当該固定資産税の税収入見込額(地方交付税法第十四条第二項の基準税率をもつて算定した税収入見込額をいう。以下本項において同じ。)との合計額を控除した額に、当該大規模の償却資産について前項の規定を適用した場合において当該年度分として納付されるべき市町村納付金の収入見込額と当該公社が所有する固定資産税を課される償却資産について地方税法第三百四十九条の二、第三百四十九条の三及び第三百四十九条の四第一項の規定を適用した場合において当該年度分として課することができる固定資産税の税収入見込額との合計額を加算した額とする。以下本項において「基準財政収入見込額」という。)が前年度の地方交付税の算定の基礎となつた基準財政需要額(以下本項において「前年度の基準財政需要額」という。)の百分の百三十に満たないこととなる市町村については、前項の表の下欄に掲げる金額を、基準財政収入見込額が前年度の基準財政需要額の百分の百三十に達することとなるように増額して同項の規定を適用する。この場合において、当該市町村に大規模の償却資産が二以上あるときは、当該大規模の償却資産のうち交付金算定標準額又は納付金算定標準額となるべき価格の低いものから順次当該価格を限度として当該市町村の基準財政収入見込額が前年度の基準財政需要額の百分の百三十に達することとなるように前項の表の下欄に掲げる金額を増額するものとする。

    3 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、当該各省各庁の長が管理し、又は当該地方公共団体が所有する償却資産で交付金算定標準額となるべき価格の合計額が第一項の表の上欄に掲げる市町村において同表の下欄に掲げる金額をこえるものがある場合においては、前年の九月三十日までに、総理府令で定めるところにより、当該償却資産の交付金算定標準額となるべき価格の合計額その他必要な事項を自治庁長官に通知しなければならない。ただし、前年前に通知した事項に異動がないものについては、この限りでない。

    4 市町村長は、次条、第八条若しくは第九条第二項の規定によつて固定資産の価格の通知を受けた場合又は第十条第一項、第二項若しくは第四項の規定によつて固定資産の価格の配分の通知を受けた場合において、当該各省各庁の長が管理し、又は当該地方公共団体が所有する償却資産についてその交付金算定標準額となるべき価格の合計額が第一項の表の上欄に掲げる市町村において同表の下欄に掲げる金額(第二項の規定によつて当該金額を増額したときは、当該増額された後の金額とする。以下第十六条第二項において同じ。)をこえるものがあるときは、遅滞なく、総理府令で定めるところにより、当該償却資産の交付金算定標準額となるべき価格の合計額その他必要な事項を当該市町村を包括する都道府県の知事を経由して自治庁長官に通知しなければならない。

    (新設大規模償却資産に係る交付金算定標準額又は納付金算定標準額の特例)

    第五条の二 国若しくは地方公共団体又は公社は、各省各庁の長がそれぞれ管理し、又は一の地方公共団体若しくは一の公社が所有する償却資産のうち第二条の規定によつて市町村交付金を交付し、又は市町村納付金を納付すべきもので、一の市町村内に所在する新たに建設された一の工場又は発電所の用に供するものに係る交付金算定標準額又は納付金算定標準額となるべき価格の合計額が、当該償却資産について同条の規定によつて市町村交付金を交付し、又は市町村納付金を納付することとなつた最初の年度から五年度間のうちいずれか一の年度において、前条第一項の表の上欄に掲げる市町村において同表の下欄に掲げる金額をこえることとなるもの(以下本条及び第十一条第二項において「新設大規模償却資産」という。)がある場合においては、当該こえることとなつた最初の年度から五年度分の市町村交付金又は市町村納付金に限り、地方税法第三百四十九条の五第一項及び第二項並びに第五項に基く政令の規定の例により、前条第一項の表の下欄に掲げる金額を増額して同項(ただし書を除く。)の規定を適用し、当該新設大規模償却資産に係る交付金算定標準額又は納付金算定標準額となるべき金額を算定し、及び当該金額を交付金算定標準額又は納付金算定標準額として市町村交付金を交付し、又は市町村納付金を納付するものとする。

    2 一の市町村の区域内に新設大規模償却資産が二以上ある場合及び新設大規模償却資産と新設大規模償却資産以外の大規模の償却資産とがある場合における当該新設大規模償却資産又は当該大規模の償却資産について前条第一項の表の下欄に掲げる金額を増加するための計算方法は、地方税法第三百四十九条の五第三項及び第四項に基く総理府令の規定の例による。

     (台帳価格等の通知)

    第六条 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、当該各省各庁の長が管理し、又は当該地方公共団体が所有する固定資産のうち第二条の規定によつて市町村交付金を交付すべきものについて、総理府令で定めるところにより、前年の三月三十一日現在において国有財産台帳等に記載された当該固定資産の価格その他交付金額の算定に関し必要な事項を前年の十一月三十日までに当該固定資産の所在地の市町村長に通知するものとする。ただし、前年前に通知した事項に異動がないものについては、この限りでない。

     (公社の価格の申告)

    第七条 公社は、その所有する固定資産のうち第二条の規定によつて市町村納付金を納付すべきものについて、総理府令で定めるところにより、前年の三月三十一日現在において公社の財産目録に記載された当該固定資産の価格その他納付金額の算定に関し必要な事項を前年の十一月三十日までに自治庁長官に申告するものとする。

     (価格の修正通知)

    第八条 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、第二条の規定によつて市町村交付金を交付すべき固定資産について、国有財産台帳等に記載された当該固定資産の価格が当該固定資産に類似する固定資産で固定資産税を課されるものに係る固定資産税の課税標準の基礎となるべき価格と著しく異なると認める場合においては、前年の十一月三十日までに、国有財産台帳等に記載された固定資産の価格と異なる価格を当該固定資産の所在地の市町村長に当該固定資産に係る交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格として通知することができる。この場合においては、各省各庁の長又は地方公共団体の長は、当該通知に係る固定資産の価格の算定の根拠をあわせて通知しなければならない。

     (価格の修正の申出等)

    第九条 市町村長は、当該市町村内に所在する各省各庁の長が管理し、又は地方公共団体が所有する固定資産で第二条の規定によつて市町村交付金を交付されるべきものについて、国有財産台帳等に価格が記載されていないものがある場合又は国有財産台帳等に記載された当該固定資産の価格若しくは前条の規定による通知に係る当該固定資産の価格が当該固定資産に類似する固定資産で固定資産税を課されるものに係る固定資産税の課税標準の基礎となるべき価格と著しく異なると認める場合においては、前年の十二月三十一日までに、当該固定資産を管理する各省各庁の長又は当該固定資産を所有する地方公共団体の長に対して、その理由をつけて、交付金算定標準額の基礎とすべき価格として当該固定資産の価格を通知し、又は国有財産台帳等に記載された当該固定資産の価格と異なる価格若しくは前条の規定による通知に係る固定資産の価格を修正した価格を交付金算定標準額の基礎とすべき価格として通知すべき旨を申し出ることができる。

    2 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、前項の申出があつた場合において、その申出について正当な理由があると認めるときは、交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格を当該固定資産の所在地の市町村長に通知しなければならない。

    3 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、第一項の申出があつた場合において、その申出について正当な理由がないと認めたため、交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格を通知しないときは、その旨及びその理由を当該固定資産の所在地の市町村長に通知しなければならない。

    4 前二項の規定による通知は、おそくとも第一項の申出のあつた日から起算して二月以内にしなければならない。

    5 市町村長は、第一項の申出をした場合において、当該申出をした日から起算して二月以内に第二項若しくは第三項の通知がないとき、又は当該通知に係る事項について不服があるときは、自治庁長官に対してその旨を申し出ることができる。

    6 自治庁長官は、前項の申出を受けた場合において、その申出について正当な理由があると認めるときは、各省各庁の長又は地方公共団体の長に対してその意見を申し出ることができる。

     (二以上の市町村にわたる固定資産の価格の配分等)

    第十条 第二条第一項第一号又は第三号に掲げる固定資産のうち、船舶その他二以上の市町村にわたつて使用される償却資産又は発電、変電若しくは送電の用に供する固定資産その他二以上の市町村にわたつて所在する固定資産については、当該固定資産を管理する各省各庁の長又は当該固定資産を所有する地方公共団体の長は、総理府令で定めるところにより、当該固定資産が所在するものとされる市町村を定め、及び国有財産台帳等に記載された当該固定資産の価格(第八条の規定によつて交付金算定標準額の基礎とすべき価格を通知した固定資産にあつては、当該通知に係る固定資産の価格とする。)を当該市町村に配分し、これを前年の十一月三十日までに当該市町村の市町村長に通知しなければならない。

    2 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、前項の通知をした後において、前条第二項の規定により交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格を通知した場合においては、前項の規定によつて配分し、及び通知した価格を修正し、これを当該市町村の市町村長に通知しなければならない。

    3 第一項の規定によつて固定資産の価格の配分を受けるべきであると認められるのにかかわらず配分を受けなかつた市町村の市町村長又は同項の規定による固定資産の価格の配分に錯誤があると認める市町村長は、前年の十二月三十一日までに、当該固定資産を管理する各省各庁の長又は当該固定資産を所有する地方公共団体の長に対して、その理由をつけて、当該市町村に固定資産の価格を配分し、又は当該市町村に配分すべき固定資産の価格を修正すべきことを申し出ることができる。

    4 前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格を当該固定資産の所在地の市町村長」とあるのは「当該市町村に固定資産の価格を配分し、又は当該市町村に配分すべき固定資産の価格を修正して市町村長」と、同条第三項中「交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格を通知しないときは、」とあるのは「当該市町村に固定資産の価格を配分せず、又は当該市町村に配分した固定資産の価格を修正しないときは、」と読み替えるものとする。

     (公社の固定資産の価格の配分)

    第十一条 自治庁長官は、公社が所有する固定資産のうち第二条の規定によつて市町村納付金を納付すベきものについて、地方税法第三百八十八条第二項第二号の評価の基準並びに同項第三号の評価の実施の方法及び手続に準じて評価を行つた後、総理府令で定めるところにより、当該固定資産の価格及び当該価格に第四条第三項に定める率を乗じて得た額(以下「価格等」という。)を決定し、決定した価格等を当該固定資産所在の市町村(船舶、車両その他二以上の市町村にわたつて使用される償却資産又は鉄道若しくは電気通信の用に供する固定資産その他二以上の市町村にわたつて所在する固定資産にあつては、当該償却資産又は固定資産が所在するものとして自治庁長官が決定した市町村とする。)に配分し、これを毎年一月三十一日までに当該市町村の市町村長に通知するものとする。

    2 自治庁長官は、前項の規定によつて固定資産の価格等を市町村に配分した場合において、当該市町村内に所在する一の公社が所有する固定資産のうちに大規模の償却資産(新設大規模償却資産を含む。以下本項、第十六条第一項及び第二項並びに第十九条第一項において同じ。)があると認めるときは、総理府令で定めるところにより、当該大規模の償却資産に係る納付金算定標準額となるべき価格その他必要な事項を、当該市町村を包括する都道府県の知事に通知するものとする。

    3 市町村長は、第一項の規定によつてした自治庁長官の価格等の配分が当該市町村に著しく不利益であると認める場合においては、自治庁長官に対して、理由をつけて、その配分の調整を申し出ることができる。

    4 自治庁長官は、第一項の規定によつて公社が所有する固定資産の価格等を市町村に配分した後において当該配分に係る価格等に錯誤があることを発見した場合又は前項の規定による配分の調整の申出を受けた場合において、第一項の規定によつて配分した当該公社が所有する固定資産の価格等を修正する必要が生じたときは、当該配分に係る価格等に増額し、又はこれから減額すべき額として総理府令で定めるところによつて計算した額を、翌年度において当該公社が所有する固定資産の価格等を配分する際に当該配分に係る価格等に増額し、又はこれから減額することができる。

     (公社に対する価格等の通知等)

    第十二条 自治庁長官は、前条第一項の規定によつて、公社が所有する固定資産のうち第二条の規定によつて市町村納付金を納付すべき固定資産について価格等を決定した場合においては、遅滞なく、当該価格等を当該固定資産を所有する公社に通知しなければならない。

    2 公社は、前条第一項の規定による価格等の決定について不服がある場合においては、前項の通知を受けた日から起算して三十日以内に自治庁長官に異議の申立をすることができる。

    3 前項の規定による異議の申立に対する自治庁長官の決定は、その申立を受理した日から起算して二月以内にしなければならない。

    4 自治庁長官は、前項の決定をした場合においては、遅滞なく、その旨を当該固定資産を所有する公社及び当該固定資産の所在地の市町村長に通知しなければならない。

     (交付金の請求又は納付金の納額告知)

    第十三条 市町村長は、総理府令で定めるところにより、国が所有する固定資産については当該固定資産を管理する各省各庁の長に、地方公共団体が所有する固定資産については当該固定資産を所有する地方公共団体の長に対して、毎年四月三十日までに、交付金交付請求書を送付するものとする。

    2 市町村長は、総理府令で定めるところにより、公社が所有する固定資産について、当該公社に対して、毎年四月三十日までに、納付金納額告知書を送付するものとする。

    3 第一項の交付金交付請求書又は前項の納付金納額告知書には、総理府令で定める様式により、それぞれ固定資産の価格、当該固定資産に係る交付金算定標準額及び交付金額又は当該固定資産に係る納付金算定標準額及び納付金額その他必要な事項を記載しなければならない。

     (交付金の交付又は納付金の納付)

    第十四条 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、前条第一項の交付金交付請求書の送付を受けた場合においては、毎年六月三十日までに、当該交付金交付請求書に記載された交付金額を固定資産所在の市町村に交付するものとする。

    2 公社は、前条第二項の納付金納額告知書の送付を受けた場合においては、毎年五月三十一日及び十月三十一日までに、それぞれ当該納付金納額告知書に記載された納付金額の二分の一に相当する額を固定資産所在の市町村に納付するものとする。

     (違法又は錯誤に係る交付金額又は納付金額の修正)

    第十五条 各省各庁の長若しくは地方公共団体の長又は公社は、交付金額又は納付金額の算定について違法又は錯誤があると認める場合においては、それぞれ第十三条第一項の交付金交付請求書又は同条第二項の納付金納額告知書の送付を受けた日から起算して三十日以内に、市町村長に対して当該交付金交付請求書に記載された交付金額又は当該納付金納額告知書に記載された納付金額の修正を求めることができる。ただし、公社が第十二条第二項の規定により固定資産の価格等の決定について自治庁長官に異議の申立をしている場合にあつては、当該異議の申立について自治庁長官の決定があつた後において、市町村長に対して当該納付金納額告知書に記載された納付金額の修正を求めなければならない。

    2 市町村長は、前項の求めがあつた場合において交付金額又は納付金額の算定について違法若しくは錯誤があると認めるとき、又は固定資産の価格等の決定の異議の申立について自治庁長官が当該固定資産の価格等を修正すべき旨の決定の通知をしたときは、交付金交付請求書に記載された交付金額又は納付金納額告知書に記載された納付金額を修正しなければならない。

     (都道府県に対する交付金の交付又は納付金の納付)

    第十六条 国又は地方公共団体は、大規模の償却資産が所在する市町村を包括する都道府県に対して、当該大規模の償却資産に係る交付金算定標準額となるべき価格のうち第五条第一項及び第二項並びに第五条の二の規定によつて当該大規模の償却資産所在の市町村の市町村交付金の交付金算定標準額となるべき額をこえる部分の額を交付金算定標準額として国有資産等所在都道府県交付金(以下「都道府県交付金」という。)を交付するものとする。

    2 公社は、大規模の償却資産が所在する市町村を包括する都道府県に対して、当該大規模の償却資産に係る納付金算定標準額となるべき価格のうち第五条第一項及び第二項並びに第五条の二の規定によつて当該大規模の償却資産所在の市町村の市町村納付金の納付金算定標準額となるべき額をこえる部分の額(固定資産税の課税標準額が第五条第一項の表の下欄に掲げる金額以上の額であるため、同項ただし書の規定により市町村に市町村納付金を納付しない場合にあつては、当該大規模の償却資産に係る納付金算定標準額となるべき価格とする。)を納付金算定標準額として公社有資産所在都道府県納付金(以下「都道府県納付金」という。)を納付するものとする。

    3 自治庁長官は、国又は地方公共団体が所有する償却資産で第一項の規定によつて都道府県に対して都道府県交付金が交付されるべきであると認められるものがある場合においては、前年の十月三十一日までに、これを指定し、その旨を当該償却資産を管理する各省各庁の長又は当該償却資産を所有する地方公共団体の長並びに当該償却資産の所在地の市町村長及び当該市町村を包括する都道府県の知事に通知するものとする。

    4 都道府県知事は、第一項の規定によつて都道府県交付金を交付するものとされる償却資産に係る交付金算定標準額となるべき価格及び都道府県交付金に係る交付金算定標準額を、毎年一月三十一日までに、当該償却資産を管理する各省各庁の長又は当該償却資産を所有する地方公共団体の長及び当該償却資産の所在地の市町村長に、第二項の規定によつて都道府県納付金を納付されるべき償却資産に係る納付金算定標準額となるべき価格及び都道府県納付金に係る納付金算定標準額を、毎年二月末日までに、当該償却資産を所有する公社及び当該償却資産の所在地の市町村長に通知しなければならない。

    5 第三条第一項、第六条、第八条、第九条、第十三条第一項及び第三項、第十四条第一項、前条並びに第二十条の規定は第一項の都道府県交付金の交付について、第三条第一項、第十三条第二項及び第三項、第十四条第二項、前条並びに第二十条の規定は第二項の都道府県納付金の納付について準用する。

     (都の特例)

    第十七条 都の特別区の存する区域内に所在する国若しくは地方公共団体又は公社の所有する固定資産について交付すべき市町村交付金又は納付すべき市町村納付金は、都に対して交付し、又は納付するものとする。この場合においては、第六条若しくは第八条の規定による固定資産の価格の通知、第九条の規定による価格の修正の申出若しくはこれに係る通知、第十条の規定による固定資産の価格の配分の通知及びこれに係る修正の申出、第十一条の規定による固定資産の価格の配分の通知及び配分の調整の申出、第十三条の規定による市町村交付金の請求若しくは市町村納付金の納額告知又は第十五条の規定による交付金額若しくは納付金額の修正の要求は、それぞれ都知事が行い、又は都知事に対して行うものとする。

    2 前項の規定によつて都に対して市町村交付金を交付し、又は市町村納付金を納付する場合においては、第五条及び第五条の二の規定は、適用しない。

    3 都の特別区の存する区域に対する第十条第一項又は第十一条第一項の規定の適用については、これらの規定中「二以上の市町村」とあるのは、「二以上の市町村(都の特別区の存する区域にあつては、特別区の存する区域を合して一の市の区域とみなす。)」とする。

     (使用料等の限度額の特例)

    第十八条 地方公共団体が所有する第二条第一項第一号に掲げる固定資産の使用料等(使用料、貸付料その他何らの名義をもつてするを問わず、当該固定資産を使用する者がその使用について支払うべき金額をいう。以下同じ。)の限度額について法律の定がある場合において、当該限度額の算定の基礎に固定資産税に相当する額が加算されていないときは、地方公共団体は、当該固定資産については、当該法律の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、当該固定資産につき交付されることとなるべき市町村交付金又は都道府県交付金の交付金額に相当する額をこえない範囲内の額を当該法律に規定する使用料等の限度額に加算した額をもつて当該法律に規定する使用料等の限度額とすることができる。

     (交付金の交付の特例等)

    第十九条 市町村が所有する第二条第一項第一号若しくは第三号に掲げる固定資産が当該市町村の区域内に所在する場合若しくは都が所有する同条同項第一号若しくは第三号に掲げる固定資産が都の特別区の存する区域内に所在する場合又は都道府県が所有する大規模の償却資産が当該都道府県の区域内に所在する場合において、当該固定資産又は大規模の償却資産がそれぞれ当該市町村又は都道府県の特別会計に所属するものであるときは、当該市町村又は都道府県は、当該固定資産又は大規模の償却資産につき、第三条から第五条まで又は第十六条第一項の規定の例によつて算定した市町村交付金又は都道府県交付金に係る交付金額に相当する額を当該特別会計から一般会計に繰り入れることができる。

    2 前項の場合においては、当該一般会計に繰り入れた額は、当該固定資産につき交付されることとなるべき市町村交付金又は都道府県交付金の交付金額に相当する額とみなして前条の規定を適用する。

     (国有財産台帳等の閲覧の請求等)

    第二十条 市町村長は、交付金額の算定のため必要があると認める場合においては、各省各庁の長若しくは地方公共団体の長に対して国有財産台帳等の閲覧を求め、又は国有財産台帳等に記載された事項を記録することができる。この場合においては、各省各庁の長又は地方公共団体の長は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。

    2 市町村長は、納付金額の算定のため必要があると認める場合においては、自治庁長官に対して公社が第七条の規定によつて自治庁長官に申告した事項を記載した書類の閲覧を求め、又は当該書類に記載された事項を記録することができる。前項後段の規定は、この場合について準用する。

     (自治庁職員の質問等)

    第二十一条 自治庁の職員で自治庁長官が指定する者は、第十一条第一項の規定による固定資産の価格等の決定又は第十二条第三項の規定による固定資産の価格等の決定に対する異議の申立の決定のため必要がある場合においては、公社に質問し、又は公社の帳簿書類の閲覧を求め、若しくは当該帳簿書類に記載された事項を記録することができる。前条第一項後段の規定は、この場合について準用する。

    2 前項の場合においては、当該職員は、その身分を証明する証票を携帯し、公社の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

    (発電の用に供する多目的ダムに係る市町村交付金等)

     第二十一条の二 特定多目的ダム法(昭和三十二年法律第三十五号)第二条第一項に規定する多目的ダムで、当該多目的ダムによる流水の貯留を利用して流水が発電の用に供されているものについては、当該多目的ダムを、建設大臣が管理する場合(同法第十七条の規定によるダム使用権の設定前の場合を含む。)にあつては国が、都道府県知事が管理する場合にあつては当該都道府県が所有する第二条第一項第三号に掲げる固定資産と、当該多目的ダム及び当該用途につき同法第二十七条に規定する方法と同一の方法により算出した額を国有財産台帳等に記載された当該固定資産の価格とみなして、この法律の規定(第二十条を除く。)を適用する。この場合において、当該多目的ダムによる流水の貯留を利用して流水を発電の用に供する者が、地方税法第三百四十八条第一項の規定により固定資産税を課することができない者以外の者であるときは、第四条第二項中「課税標準となるべき額の課税標準となるべき額の十分の五の額とし、当該固定資産について市町村交付金が交付されることとなつた年度から十年度を経過した年度以後にあつては、前条第二項の価格の十分の五の額」」とあるのは、「課税標準となるべき額」とする。

     (政令への委任)

    第二十二条 この法律に定めるもののほか、交付金額又は納付金額の算定、市町村交付金及び都道府県交付金の交付手続又は市町村納付金及び都道府県納付金の納付手続その他市町村交付金及び都道府県交付金の交付又は市町村納付金及び都道府県納付金の納付に関し必要な事項は、政令で定める。


       附 則

     (施行期日)

    1 この法律に、公布の日から施行し、昭和三十一年度分の市町村交付金及び都道府県交付金並びに市町村納付金及び都道府県納付金から適用する。


     (昭和三十一年度分及び昭和三十二年度分の市町村交付金及び都道府県交付金の特例)

    2 昭和三十一年度分の市町村交付金及び都道府県交付金については、第五条第三項中「前年の九月三十日」とあるのは「昭和三十一年五月三十一日」と、第六条中「前年の十一月三十日」とあるのは「昭和三十一年七月三十一日」と、第九条第一項中「前年の十二月三十一日」とあるのは「昭和三十一年八月三十一日」と、第十条第一項中「前年の十一月三十日」とあるのは「昭和三十一年七月三十一日」と、同条第三項中「前年の十二月三十一日」とあるのは「昭和三十一年八月三十一日」と、第十三条第一項中「毎年四月三十日」とあるのは「昭和三十一年十一月三十日」と、第十四条第一項中「毎年六月三十日」とあるのは「昭和三十一年十二月三十一日」と、第十六条第三項中「前年の十月三十一日」とあるのは「昭和三十一年六月三十日」と、同条第四項中「毎年一月三十一日」とあるのは「昭和三十一年九月三十日」と読み替えるものとする。

    3 国が所有する固定資産で第二条第一項第一号に掲げるものに係る昭和三十一年度分及び昭和三十二年度分の市町村交付金に限り、第三条から第十条まで及び第十三条から第十六条までの規定にかかわらず、政令で定めるところにより、各省各庁の長が管理する当該固定資産の使用料等の総額に政令で定める率を乗じて得た額(当該額のうち第四条第一項の規定の適用を受けるものに係る部分にあつては、当該部分の額にさらに同項に規定する率を乗じて得た額とする。)を当該固定資産の価格の総額とし、これに百分の一・四を乗じて得た額をそれぞれ当該年度において交付すべき市町村交付金の総額とし、各省各庁の長は、毎年十二月三十一日までに、これを当該固定資産所在の市町村ごとの使用料等の合算額にあん分して得た額を当該市町村に対して交付するものとする。

    4 前項の規定によつて市町村交付金の総額を当該固定資産所在の市町村ごとの使用料等の合算額にあん分する場合においては、当該使用料等のうち住宅及び住宅の用に供する土地に係る部分の額は、当該住宅及び住宅の用に供する土地に係る使用料等の額の十分の四の額によるものとする。

    5 地方公共団体が所有する固定資産で第二条第一項第一号に掲げるものに係る昭和三十一年度分及び昭和三十二年度分の市町村交付金については、本則の規定によるほか、地方公共団体の長は、規則で、附則第三項の規定の例によつて当該年度において交付すべき市町村交付金の総額を定め、毎年十二月三十一日までに、これを当該固定資産所在の市町村ごとの使用料等の合算額にあん分して得た額を当該市町村に対して交付することができる。

    6 附則第四項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、附則第四項中「十分の四」とあるのは、「政令で定める住宅に係るものにあつては十分の二、その他の住宅に係るものにあつては十分の四」と読み替えるものとする。

    7 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、附則第三項又は第五項の規定によつて市町村交付金を交付する場合においては、総理府令で定めるところにより、当該年度分として交付すべき市町村交付金の総額及びその算定の基礎となつた使用料等の総額並びに当該市町村に係る交付金額及びその算定の基礎となつた使用料等の合算額その他必要な事項をあわせて通知するものとする。

    8 市町村長は、前項の通知を受けた場合において、当該通知に係る交付金額の算定について違法又は錯誤があると認めるときは、この理由をつけて、当該通知を受けた日から起算して三十日以内に、各省各庁の長又は地方公共団体の長に対して審査を申し出ることができる。

    9 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、前項の審査の申出があつた場合においては、その申出を受けた日から起算して三十日以内に、これを審査して、その結果を当該市町村長に通知しなければならない。

    10 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、附則第七項の規定による通知をした後において、当該通知に係る交付金額の算定に違法若しくは錯誤があることを発見したとき、又は前項の規定による審査の結果交付金額の算定に違法若しくは錯誤があることを発見したときは、すでに交付した交付金額に増額し、又はこれから減額すべき額に相当する額を翌年度において交付すべき交付金額に加え、又はこれから減額するものとする。

    11 附則第三項から前項までに規定するもののほか、国又は地方公共団体が所有する固定資産で第二条第一項第一号に掲げるものに係る昭和三十一年度分及び昭和三十二年度分の市町村交付金の交付並びに前項の規定により違法又は錯誤に係る金額を昭和三十三年度において交付すべき交付金額に加え、又はこれから減額する場合における昭和三十三年度分の市町村交付金の交付に関し必要な経過措置は、政令で定める。

     (昭和三十一年度分の市町村納付金及び都道府県納付金の特例)

    12 昭和三十一年度分の市町村納付金及び都道府県納付金については、第四条第三項中「十分の五」とあるのは「十分の二・五」と、第七条中「前年の十一月三十日」とあるのは「昭和三十一年八月三十一日」と、第十一条第一項中「毎年一月三十一日」とあるのは「昭和三十一年十一月三十日」と、第十三条第二項中「毎年四月三十日」とあるのは「昭和三十二年一月三十一日」と、第十四条第二項中「毎年五月三十一日及び十月三十一日」とあるのは「昭和三十二年二月末日」と、第十六条第四項中「毎年二月末日」とあるのは「昭和三十一年十二月三十一日」と読み替えるものとする。

     (国有林野に係る特例)

    13 当分の間、国有林野事業特別会計法(昭和二十二年法律第三十八号)の規定による国有林野事業特別会計において、第二条第一項第二号の土地につき第三条第一項の規定によつて算定した交付金額の財源に不足を生ずる場合における交付金額の算定については、同項の規定にかかわらず、政令で特例を定めることができる。

     (市町村法定外普通税の経過措置)

    14 この法律の施行の際、国若しくは地方公共団体又は公社が所有する固定資産の使用について市町村が地方税法第五条第三項の規定による普通税(以下「市町村法定外普通税」という。)を課している場合において、この法律の施行により当該市町村に対して当該国若しくは地方公共団体又は公社が所有する固定資産につき市町村交付金若しくは都道府県交付金が交付され、又は市町村納付金若しくは都道府県納付金が納付されることとなつたことに基いて、当該固定資産の使用者の負担が過重となり、又は物の流通に重大な障害を与えると認められるときは、自治庁長官は、当該市町村法定外普通税の許可を取り消し、又は税率その他の事項について必要な変更を加えた上改めて地方税法第六百六十九条の許可を受けるべきことを求めることができる。

     (自治庁設置法の一部改正)

    15 自治庁設置法(昭和二十七年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。

      第十二条第一号中「及び地方道路譲与税」を「、地方道路譲与税並びに国有資産等所在市町村交付金、国有資産等所在都道府県交付金、公社有資産所在市町村納付金及び公社有資産所在都道府県納付金」に改める。

      第十三条第一号中「地方税」の下に「、入場譲与税、地方道路譲与税並びに国有資産等所在市町村交付金、国有資産等所在都道府県交付金、公社有資産所在市町村納付金及び公社有資産所在都道府県納付金」を加え、同条第十一号中「及びその他の法律」を「、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律(昭和三十一年法律第八十二号)その他の法律」に、「及び地方道路譲与税」を「、地方道路譲与税並びに国有資産等所在市町村交付金、国有資産等所在都道府県交付金、公社有資産所在市町村納付金及び公社有資産所在都道府県納付金」に改める。

    (内閣総理・大蔵・農林・運輸・郵政大臣署名) 

     

国鉄に関する主な法令

日本国憲法

陸上交通事業調整法

地方鉄道軌道整備法

国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律

日本鉄道建設公団法

運輸施設整備事業団法

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法

東京地下鉄株式会社法

都市鉄道等利便増進法

日本国有鉄道法

国有鉄道運賃法

日本国有鉄道法施行法

鉄道公安職員の職務に関する法律

日本国有鉄道新線建設補助特別措置法

日本国有鉄道財政再建促進特別措置法

日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法

日本国有鉄道清算事業団法

日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職の促進に関する特別措置法

運輸省設置法

戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律

東海道新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法

全国新幹線鉄道整備法

航空・鉄道事故調査委員会設置法

日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律

日本国有鉄道改革法

日本国有鉄道改革法等施行法

旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律

鉄道事業法

JR化以降制定法令

旅客鉄道株式会社が建設主体とされている新幹線鉄道の建設に関する事業の日本鉄道建設公団への引継ぎに関する法律

新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律

鉄道整備基金法

日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律

運輸施設整備事業団法

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法

その他コンテンツ

改正の経緯

blackcat写真館もご覧ください。

blackcat