東大ポポロ事件最高裁判例

◇最高裁判決文
大学における学問の自由を保障するために、伝統的に大学の自治が認められている。
この自治は、とくに大学の教授その他の研究者の人事に関して認められ、大学の学長、教授その他の研究者が大学の自主的判断に基づいて選任される。
また、大学の施設と学生の管理についてもある程度で認められ、これらについてある程度で大学に自主的な秩序維持の権能 が認められる。
このように、大学の学問の自由と自治は、大学が学術の中心として深く真理を 探求し、専門の学芸を教授研究することを本質とするに基づくから、直接には教授その他の研究者の研究、その結果の発表、研究結果の教授の自由とこれらを保 障するための自治とを意味すると解される。
大学の施設と学生は、これらの自由 と自治の効果として、施設が大学当局によって自治的に管理され、学生も学問の 自由と施設の利用を認められるのである。
もとより、憲法二三条の学問の自由は、学生も一般の国民と同じように享有する。
しかし、大学の学生としてそれ以上に学 問の自由を享有し、また大学当局の自治 管理による施設を利用できるのは、大学の本質に基づき、大学の教授その他の研 究者の有する特別な学問の自由と自治の 効果としてである。
大学における学生の集会も、右の範囲において自由と自治を認められるもので あって、大学の公認した学内団体であるとか、大学の許可した学内集会であるとかいうことのみによって、特別な自由と 自治を享有するものではない。

昭和27年後半

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