国立国会図書館から引用

政府刊行物の普及の強化について

昭和31年11月2日 閣議了解

第一 趣旨
 従来、各省庁により刊行されている図書その他の官庁資料は、国の政治・経済の実体を知る上に、また、各種の調査研究に極めて重要、かつ、貴重な資料であるにもかかわらず、一般にあまり利用されていない実情である。
 よって、一般国民にとってこの種の官庁資料の入手を容易にし、国の政治経済の実体の認識を深めしめ、国の施策の滲透をはかる要がある。
 このため、政府機関が編集する印刷物で販売又は頒布するもの(以下「政府刊行物」という。)について、次の措置を講ずるものとする。
第二 措置
1 政府刊行物サービス・センターの整備活用
 政府刊行物の普及を一層強化するため、現在設置されているサービス・センターを整備活用し、一般に販売されている政府刊行物を展示販売するとともに、販売を目的としない政府刊行物についても各省庁の協力をえて展示頒布するものとする。
 なお、今後必要に応じ、大都市に同様のサービス・センターを設け、政府刊行物の普及に資するものとする。
2 政府刊行物の発行
 (1) 総理府内に政府刊行物普及協議会をおき、政府刊行物の発行、サービス・センターの運営その他、政府刊行物の普及に関し協議する。
  協議会は、各省庁の関係官をもって組織する。
 (2) 各省庁は、政府刊行物として一般に販売することを適当と認めたものを事前に協議会に連絡するとともに、販売を目的としない政府刊行物その他の資料を協議会に提出する等、政府刊行物の普及強化につき協力するものとする。
 (3) 協議会は、政府刊行物の普及に資するため、政府刊行物目録(月報及び年報)を編集するものとする。
 (4) 政府刊行物の印刷発行については、各省庁は大蔵省印刷局を活用するものとする。
 (5) なお、協議会の円滑な運営を期するため、協議会の運営に関する細目は、協議会においてこれを定める。
 (備考)
 本件については、立法・司法各機関並びに政府関係機関に対しても協力を求めるものとする。