構造改革特別区域法
法律第百八十九号(平一四・一二・一八)
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 構造改革特別区域基本方針(第三条)
第三章 構造改革特別区域計画の認定等(第四条―第十条)
第四章 法律の特例に関する措置(第十一条―第二十五条)
第五章 構造改革特別区域推進本部(第二十六条―第三十五条)
第六章 雑則(第三十六条―第三十八条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、地方公共団体の自発性を最大限に尊重した構造改革特別区域を設定し、当該地域の特性に応じた規制の特例措置の適用を受けて地方公共団体が特定の事業を実施し又はその実施を促進することにより、教育、物流、研究開発、農業、社会福祉その他の分野における経済社会の構造改革を推進するとともに地域の活性化を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「構造改革特別区域」とは、地方公共団体が当該地域の活性化を図るために自発的に設定する区域であって、当該地域の特性に応じた特定事業を実施し又はその実施を促進するものをいう。
2 この法律において「特定事業」とは、地方公共団体が実施し又はその実施を促進する事業のうち、別表に掲げる事業で、規制の特例措置の適用を受けるものをいう。
3 この法律において「規制の特例措置」とは、法律により規定された規制についての第四章で規定する法律の特例に関する措置及び政令又は主務省令により規定された規制についての政令又は主務省令で規定するこれらの規定の特例に関する措置をいい、これらの措置の適用を受ける場合において当該規制の趣旨に照らし地方公共団体がこれらの措置と併せて実施し又はその実施を促進することが必要となる措置を含むものとする。
4 この法律(第三十二条第一項を除く。)において「地方公共団体」とは、都道府県、市町村(特別区を含む。第四条第三項及び第六項並びに第十三条第一項において同じ。)又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百八十四条第一項の一部事務組合若しくは広域連合をいう。
第二章 構造改革特別区域基本方針
(構造改革特別区域基本方針)
第三条 内閣総理大臣は、構造改革特別区域において特定事業を実施し又はその実施を促進することによる経済社会の構造改革の推進及び地域の活性化(以下単に「構造改革の推進等」という。)に関する基本的な方針(以下「構造改革特別区域基本方針」という。)の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
2 構造改革特別区域基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 構造改革の推進等の意義及び目標に関する事項
二 構造改革の推進等のために政府が実施すべき施策に関する基本的な方針
三 次条第一項に規定する構造改革特別区域計画の認定に関する基本的な事項
四 構造改革の推進等に関し政府が講ずべき措置についての計画
五 前各号に掲げるもののほか、構造改革の推進等のために必要な事項その他経済社会の構造改革の推進及び地域の活性化に関する事項
3 内閣総理大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、構造改革特別区域基本方針の変更の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、第一項又は前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、構造改革特別区域基本方針を公表しなければならない。
第三章 構造改革特別区域計画の認定等
(構造改革特別区域計画の認定)
第四条 地方公共団体は、単独で又は共同して、構造改革特別区域基本方針に即して、当該地方公共団体の区域について、内閣府令で定めるところにより、構造改革特別区域として、教育、物流、研究開発、農業、社会福祉その他の分野における当該区域の活性化を図るための計画(以下「構造改革特別区域計画」という。)を作成し、平成十九年三月三十一日までに内閣総理大臣の認定を申請することができる。
2 構造改革特別区域計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 構造改革特別区域の範囲及び名称並びに特性
二 構造改革特別区域計画の意義及び目標
三 構造改革特別区域計画の実施が構造改革特別区域に及ぼす経済的社会的効果
四 構造改革特別区域において実施し又はその実施を促進しようとする特定事業の内容、実施主体及び開始の日
五 構造改革特別区域において実施し又はその実施を促進しようとする特定事業ごとの規制の特例措置の内容
六 前各号に掲げるもののほか、構造改革特別区域計画の実施に関し当該地方公共団体が必要と認める事項
3 地方公共団体は、構造改革特別区域計画の案を作成しようとするときは、前項第四号に掲げる実施主体(以下「実施主体」という。)の意見を聴くとともに、都道府県にあっては関係市町村の意見を聴かなければならない。
4 特定事業を実施しようとする者は、当該特定事業を実施しようとする地域をその区域に含む地方公共団体に対し、当該特定事業をその内容とする構造改革特別区域計画の案の作成についての提案をすることができる。
5 前項の地方公共団体は、同項の提案を踏まえた構造改革特別区域計画の案を作成する必要がないと判断したときは、その旨及びその理由を、当該提案をした者に通知しなければならない。
6 第一項の規定による認定の申請には、第三項の規定により聴いた実施主体及び関係市町村の意見の概要(第四項の提案を踏まえた構造改革特別区域計画についての認定の申請をする場合にあっては、当該意見及び当該提案の概要)を添付しなければならない。
7 地方公共団体は、第一項の規定による認定の申請に当たっては、構造改革特別区域において実施し又はその実施を促進しようとする特定事業及びこれに関連する事業に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令(告示を含む。)の規定の解釈について、関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該行政機関。以下同じ。)に対し、その確認を求めることができる。この場合において、当該確認を求められた関係行政機関の長は、当該地方公共団体に対し、速やかに回答しなければならない。
8 内閣総理大臣は、第一項の規定による認定の申請があった構造改革特別区域計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
一 構造改革特別区域基本方針に適合するものであること。
二 当該構造改革特別区域計画の実施が当該構造改革特別区域に対し適切な経済的社会的効果を及ぼすものであること。
三 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
9 内閣総理大臣は、前項の規定による認定(次項、第十一項及び次条において「認定」という。)をしようとするときは、第二項第五号に掲げる事項について関係行政機関の長の同意を得なければならない。この場合において、当該関係行政機関の長は、当該事項が、法律により規定された規制に係るものにあっては第四章で、政令又は主務省令により規定された規制に係るものにあっては構造改革特別区域基本方針に即して政令又は主務省令で、それぞれ定めるところに適合すると認められるときは、同意をするものとする。
10 認定を受けた構造改革特別区域計画(以下「認定構造改革特別区域計画」という。)に基づき実施主体が実施する特定事業については、法律により規定された規制に係るものにあっては第四章で、政令又は主務省令により規定された規制に係るものにあっては政令又は主務省令で、それぞれ定めるところにより、規制の特例措置を適用する。
11 内閣総理大臣は、認定をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。
(認定に関する処理期間)
第五条 内閣総理大臣は、認定の申請を受理した日から三月以内において速やかに、認定に関する処分を行わなければならない。
2 関係行政機関の長は、内閣総理大臣が前項の処理期間中に認定に関する処分を行うことができるよう、速やかに、同意又は不同意の旨を通知しなければならない。
(認定構造改革特別区域計画の変更)
第六条 地方公共団体は、認定構造改革特別区域計画の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
2 第四条第三項から第十一項まで及び前条の規定は、前項の規定による認定構造改革特別区域計画の変更について準用する。
(報告の徴収)
第七条 内閣総理大臣は、第四条第八項の規定による認定(前条第一項の規定による変更の認定を含む。第二十条を除き、以下「認定」という。)を受けた地方公共団体に対し、認定構造改革特別区域計画(前条第一項の規定による認定構造改革特別区域計画の変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下同じ。)の実施の状況について報告を求めることができる。
2 関係行政機関の長は、認定を受けた地方公共団体に対し、認定構造改革特別区域計画に係る規制の特例措置の適用の状況について報告を求めることができる。
(措置の要求)
第八条 内閣総理大臣は、認定構造改革特別区域計画の適正な実施のため必要があると認めるときは、認定を受けた地方公共団体に対し、当該認定構造改革特別区域計画の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。
2 関係行政機関の長は、認定構造改革特別区域計画に係る規制の特例措置の適正な適用のため必要があると認めるときは、認定を受けた地方公共団体に対し、当該規制の特例措置の適用に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。
(認定の取消し)
第九条 内閣総理大臣は、認定構造改革特別区域計画が第四条第八項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。この場合において、内閣総理大臣は、関係行政機関の長にその旨を通知しなければならない。
2 関係行政機関の長は、内閣総理大臣に対し、前項の規定による認定の取消しに関し必要と認める意見を申し出ることができる。
3 第四条第十一項の規定は、前項の規定による認定の取消しについて準用する。
(国の援助等)
第十条 内閣総理大臣及び関係行政機関の長は、認定を受けた地方公共団体に対し、認定構造改革特別区域計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な助言その他の援助を行うように努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、内閣総理大臣、関係行政機関の長、地方公共団体及び実施主体は、認定構造改革特別区域計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
第四章 法律の特例に関する措置
(学校教育法の特例)
第十一条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域における経済的社会的条件の変化に伴い幼児の数が減少し又は幼児が他の幼児と共に活動する機会が減少したことその他の事情により当該構造改革特別区域内の幼稚園においては学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第七十八条第二号に掲げる目標を達成することが困難であると認められることから幼児の心身の発達を助長するために特に必要があると認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、幼児は、同法第八十条の規定にかかわらず、満二歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから当該構造改革特別区域内の幼稚園に入園することができる。
2 第九条第一項の規定により前項の認定が取り消された場合においては、その取消しの日の前日に構造改革特別区域内の幼稚園に在籍する満三歳に達しない幼児は、学校教育法第八十条の規定にかかわらず、満三歳に達するまで引き続き在籍することができる。
(職業安定法の特例)
第十二条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域が農業及び農業に関連する産業に係る労働力の需要の動向に照らしてその需要供給の円滑な調整に資することが必要な地域に該当するものと認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該構造改革特別区域内に所在する当該地方公共団体の条例の規定により設置された教育施設であって、次の各号のいずれにも該当するもの(以下この条において単に「教育施設」という。)の長は、当該認定の日以後は、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十三条第一項の規定にかかわらず、厚生労働大臣に届け出て、当該教育施設の学生又は当該教育施設を卒業した者(以下この条において「学生等」という。)について、同項に規定する無料の職業紹介事業を行うことができる。
一 農業改良助長法(昭和二十三年法律第百六十五号)第十四条第一項第五号の事業の遂行のために設置する農業者研修教育施設(別表第二号において「農業者研修教育施設」という。)であること。
二 その教育施設の学生が、学校教育法による高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められた者であること。
2 前項の規定による無料の職業紹介事業に関しては、同項に規定する教育施設の長を職業安定法第四条第七項に規定する職業紹介事業者若しくは同法第三十三条の二第一項各号に掲げる施設の長又は雇用対策法(昭和四十一年法律第百三十二号)第二条に規定する職業紹介機関と、前項の規定による届出を職業安定法第三十三条の二第一項の規定による届出とみなして、同法第五条の二から第五条の七まで、第三十三条の二第二項から第八項まで、第三十三条の三、第三十三条の五から第三十四条まで、第四十八条から第四十八条の四まで、第五十一条の二、第六十条、第六十一条並びに第六十四条から第六十七条までの規定並びに雇用対策法第十条、第十一条、第十三条及び第十四条の規定を適用する。この場合において、職業安定法第三十三条の二第二項中「前項」とあり、及び同条第三項中「同項」とあるのは「構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十二条第一項」と、同条第四項中「文部科学大臣」とあるのは「農林水産大臣」と、同条第五項、第七項及び第八項中「第一項の規定」とあるのは「構造改革特別区域法第十二条第一項の規定」と、同項中「教育行政庁」とあるのは「当該教育施設を設置した地方公共団体」と、同法第六十四条第二号及び第三号並びに第六十六条第四号及び第六号中「第三十三条の二第七項」とあるのは「構造改革特別区域法第十二条第二項の規定により読み替えて適用する第三十三条の二第七項」とする。
3 職業安定法第二十六条及び第二十八条の規定は、第一項の規定により同項に規定する教育施設の長が行う無料の職業紹介事業について準用する。この場合において、同法第二十六条第一項中「学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(以下「学校」という。)の学生若しくは生徒又は学校を卒業した者(政令で定める者を除く。」とあるのは「構造改革特別区域法第十二条第一項に規定する教育施設(以下「教育施設」という。)の学生又は当該教育施設を卒業した者(」と、「学生生徒等」とあるのは「学生等」と、「学校と」とあるのは「教育施設と」と、同条第二項中「学校が学生又は生徒」とあるのは「教育施設が学生」と、同条第三項中「学生生徒等」とあるのは「学生等」と、「学校」とあるのは「教育施設」と、「学生又は生徒」とあるのは「学生」と、第二十八条中「学校」とあるのは「教育施設」と、「学生生徒等」とあるのは「学生等」と読み替えるものとする。
(市町村立学校職員給与負担法の特例)
第十三条 市町村に置かれる教育委員会が、当該市町村立の小学校等(小学校、中学校、中等教育学校の前期課程、盲学校、聾学校及び養護学校をいう。以下この項において同じ。)につき、当該市町村が設定する構造改革特別区域の設定の趣旨にかんがみ、当該構造改革特別区域内に所在する市町村立の小学校等において、当該構造改革特別区域における産業を担う人材の育成、国際理解の促進等のために周辺の地域に比して教育上特に配慮が必要な事情があるものと認めてその職員(市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)第一条に規定する職員(校長及び公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)第十七条第二項に規定する非常勤の講師を除く。)をいう。以下この項において同じ。)を任用しようとする場合において、当該市町村が内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後の任用については、市町村立学校職員給与負担法第一条の規定は、適用しない。この場合において、当該市町村に置かれる教育委員会は、当該職員を任用しようとするときは、あらかじめ、当該職員の氏名及び職種並びに任用の目的及び任期を付す場合にはその期間その他文部科学省令で定める事項を当該市町村を包括する都道府県に置かれる教育委員会に通知しなければならない。これらの事項を変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の規定は、市(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市を除く。以下この項において同じ。)町村に置かれる教育委員会が当該市町村立の定時制高等学校(高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)で学校教育法第四条第一項に規定する定時制の課程を置くものをいう。)の職員(市町村立学校職員給与負担法第二条に規定する職員(校長及び公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(昭和三十六年法律第百八十八号)第二十三条第二項に規定する非常勤の講師を除く。)をいう。)を任用しようとする場合について準用する。この場合において、前項中「市町村立学校職員給与負担法第一条」とあるのは、「市町村立学校職員給与負担法第二条」と読み替えるものとする。
(港湾法等の特例)
第十四条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域内の港湾(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第二項に規定する重要港湾に限る。以下この条において同じ。)において、特定埠頭(同一の者により一体的に運営される岸壁その他の係留施設及びこれに附帯する荷さばき施設その他の国土交通省令で定める係留施設以外の港湾施設をいう。以下この条において同じ。)の運営を行う事業で当該港湾の効率的な運営に特に資するものとして国土交通省令で定めるもの(以下この条及び別表第四号において「特定埠頭運営効率化推進事業」という。)のうち、当該港湾の港湾管理者(同法第二条第一項に規定する港湾管理者をいう。以下この条において同じ。)が当該港湾の港湾計画(同法第三条の三第一項に規定する港湾計画をいう。)に適合することその他の国土交通省令で定める要件に該当するものと認めた者(以下この条において「事業者」という。)が実施するものを促進する必要があると認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該港湾管理者は、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第十八条第一項又は地方自治法第二百三十八条の四第一項の規定にかかわらず、当該事業者が実施する特定埠頭運営効率化推進事業の用に供するため、行政財産(国有財産法第三条第二項又は地方自治法第二百三十八条第三項に規定する行政財産をいう。)である特定埠頭を当該事業者に貸し付けることができる。
2 前項の規定による貸付けについては、民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百四条並びに借地借家法(平成三年法律第九十号)第三条及び第四条の規定は、適用しない。
3 国有財産法第二十一条、第二十三条及び第二十四条並びに地方自治法第二百三十八条の二第二項及び第二百三十八条の五第三項から第五項までの規定は、第一項の規定による貸付けについて準用する。
4 第一項の規定により港湾管理者が同項に規定する行政財産である特定埠頭を事業者に貸し付ける場合における港湾法第四十六条第一項の規定の適用については、同項中「、又は貸付を受けた者が、その物を一般公衆の利用に供し、且つ、その貸付が三年の期間内である場合」とあるのは「、貸付けを受けた者が、その物を一般公衆の利用に供し、かつ、その貸付けが三年の期間内である場合、又は構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第四条第八項の規定により認定(同法第六条第一項の規定による変更の認定を含む。)を受けた場合」とする。
5 港湾管理者は、特定埠頭を貸し付ける者が第一項の国土交通省令で定める要件に該当するものと認めるに当たっては、国土交通省令で定めるところにより、公告、縦覧その他の当該貸付けが公正な手続に従って行われることを確保するために必要な措置を講じなければならない。
6 前項に定めるもののほか、特定埠頭の貸付けに関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(出入国管理及び難民認定法の特例)
第十五条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域が次の各号のいずれにも該当するものと認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、法務大臣は、本邦に上陸しようとする外国人から、特定研究活動(本邦の公私の機関との契約に基づいて当該機関の当該構造改革特別区域内に所在する特定の分野に関する研究の中核となる施設において当該特定の分野に関する研究を行う業務に従事する活動をいう。以下この条において同じ。)若しくは特定研究事業活動(本邦の公私の機関との契約に基づいて当該機関の当該構造改革特別区域内に所在する施設において特定の分野に関する研究を行う業務に従事する活動と併せて当該特定の分野に関する研究の成果を利用して行う事業(当該構造改革特別区域内に主たる事業所を有するものに限る。以下この条において同じ。)を自ら経営する活動をいう。以下この条において同じ。)を行うものとして、又は特定家族滞在活動(特定研究等活動(特定研究活動又は特定研究事業活動をいう。以下この条において同じ。)を行う外国人の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動をいう。以下この条において同じ。)を行うものとして、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第七条の二第一項の申請があった場合には、当該特定研究等活動又は当該特定家族滞在活動を入管法第七条第一項第二号に規定する入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣があらかじめ告示をもって定めるものに該当するものとみなして、入管法第七条の二第一項の証明書を交付することができる。
一 当該構造改革特別区域内に特定の分野に関する研究のための活動の中核となる施設が所在し、かつ、当該施設の周辺に当該特定の分野に関する研究と関連する研究を行う施設が相当程度集積するものと見込まれ、又は当該施設の周辺におけるこれに関連する産業の発展が相当程度見込まれること。
二 本邦の公私の機関との契約に基づいて当該機関の当該構造改革特別区域内に所在する施設において特定の分野に関する研究を行う業務に従事する活動を行う外国人が併せて当該特定の分野に関する研究の成果を利用して行う事業を自ら経営する活動を行うことにより、当該構造改革特別区域において、当該特定の分野に関する研究の効率的推進又はこれに関連する産業の発展が相当程度見込まれること。
2 前項の認定を申請する地方公共団体は、特定研究等活動に係る同項の機関及びその施設を特定しなければならない。
3 外国人が第一項の証明書を提出して入管法第六条第二項の申請をした場合には、入管法第七条第一項に規定する上陸のための条件は、同項第一号、第二号及び第四号に掲げるものとする。この場合において、同項第二号の規定の適用については、当該申請に係る特定研究等活動又は特定家族滞在活動を入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣があらかじめ告示をもって定めるものに該当するものとみなす。
4 前項の外国人について入管法別表第一の五の表の上欄の在留資格を決定する場合における当該在留資格に伴う在留期間は、入管法第二条の二第三項の規定にかかわらず、五年以内において法務省令で定める期間とする。
5 次の各号に掲げる外国人についてその在留資格に係る当該各号に規定する許可をする場合における当該在留資格に伴う在留期間は、前項と同様とする。
一 入管法別表第一の一の表の上欄の教授の在留資格又は入管法別表第一の二の表の上欄の研究の在留資格をもって本邦に在留する外国人であって特定研究等活動を行うものとして入管法第二十条第一項の規定により在留資格の変更を受けようとするもの 同条第三項の規定による入管法別表第一の五の表の上欄の在留資格への変更の許可
二 入管法別表第一又は入管法別表第二の上欄の在留資格をもって本邦に在留する外国人であって特定家族滞在活動を行うものとして入管法第二十条第一項の規定により在留資格の変更を受けようとするもの 同条第三項の規定による入管法別表第一の五の表の上欄の在留資格への変更の許可
三 入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として特定研究等活動を指定され同表の上欄の在留資格をもって本邦に在留する外国人であって当該指定された特定研究等活動以外の特定研究等活動を行うものとして入管法第二十条第一項の規定により法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動の変更を受けようとするもの 同条第三項の規定による法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動の変更の許可
四 入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として特定研究等活動又は特定家族滞在活動を指定され同表の上欄の在留資格をもって本邦に在留する外国人であって入管法第二十一条第一項の規定により在留期間の更新を受けようとするもの 同条第三項の規定による在留期間更新の許可
五 特定研究等活動を行う者の子として本邦で出生した外国人であって特定家族滞在活動を行うものとして入管法第二十二条の二第二項の規定により在留資格を取得しようとするもの 同条第三項において準用する入管法第二十条第三項の規定による入管法別表第一の五の表の上欄の在留資格の取得の許可
(農地法の特例)
第十六条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域内に現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれる農地(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第一項に規定する農地をいう。以下この条及び第二十三条並びに別表第六号において同じ。)その他その効率的な利用を図る必要がある農地が相当程度存在するものと認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、別表第六号に掲げる特定事業(以下この条において「第六号事業」という。)の実施主体である地方公共団体(都道府県を除く。)又は農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第四条第二項に規定する農地保有合理化法人(第二十三条第二号及び別表第六号において「農地保有合理化法人」という。)が、当該構造改革特別区域内にある農地又は採草放牧地(農地法第二条第一項に規定する採草放牧地をいう。以下この条及び別表第六号において同じ。)について第六号事業の用に供するため所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合には、農地法第三条第一項本文の規定は、適用しない。
2 前項の規定による認定の日以後は、農業委員会(農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)第三条第五項の規定により農業委員会を置かない市町村にあっては、市町村長)又は都道府県知事は、第六号事業の実施主体が当該構造改革特別区域内にある農地又は採草放牧地につき農地法第二条第七項に規定する農業生産法人(次項において「農業生産法人」という。)以外の法人のために使用貸借による権利又は賃借権を設定しようとする場合において、当該法人が次の各号のいずれにも該当するときは、同法第三条第二項の規定(同項第二号の二、第四号及び第七号に係る部分に限る。)にかかわらず、同条第一項の許可をすることができる。
一 その法人の業務を執行する役員のうち一人以上の者が、その法人の行う耕作又は養畜の事業に常時従事すると認められるものであること。
二 その法人が、その法人の行う耕作又は養畜の事業の適正かつ円滑な実施を確保するために必要なものとして農林水産省令で定める事項を内容とする協定を認定を受けた地方公共団体及び第六号事業の実施主体と締結し、これに従いその事業を行うと認められるものであること。
3 第六号事業の実施により特定法人(農業生産法人以外の法人であって、前項各号に掲げる要件を満たすものをいう。以下この条及び別表第六号において同じ。)のために使用貸借による権利又は賃借権が設定されている農地並びに第六号事業の実施主体が第六号事業の用に供すべきものとして使用及び収益を目的とする権利の設定又は移転を受けている農地で現に特定法人のために使用貸借による権利又は賃借権が設定されていないものについては、農地法第六条第一項の規定は、適用しない。
4 第六号事業の実施主体は、第六号事業の実施により特定法人のために賃借権が設定されている農地又は採草放牧地について、特定法人が第二項第二号の協定に違反した場合には、農地法第二十条第一項本文の規定にかかわらず、同項の許可を受けないで、賃貸借の解除をすることができる。
5 第六号事業の実施により特定法人のために賃借権が設定されている農地又は採草放牧地の賃貸借につけた解除条件(特定法人が第二項第二号の協定に違反した場合に当該賃貸借の解除をすることを内容とするものに限る。)については、農地法第二十条第八項の規定は、適用しない。
6 第二項中市町村又は市町村長に関する部分の規定は、特別区のある地にあっては特別区又は特別区の区長に、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(農業委員会等に関する法律第三十五条第二項の規定により区ごとに農業委員会を置かないこととされたものを除く。)にあっては区又は区長に、全部事務組合又は役場事務組合のある地にあっては組合又は組合の管理者に適用する。
(関税法の特例)
第十七条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域であって行政機関の休日(行政機関の休日に関する法律(昭和六十三年法律第九十一号)第一条第一項各号に掲げる日をいう。)又はこれ以外の日の税関の執務時間外において関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二条第一項第三号に規定する外国貨物又は同項第二号に規定する輸出をしようとする貨物の積卸し又は運搬をすることができる港湾施設又は空港施設が所在するものにおける同法第九十八条第一項に規定する承認の回数が一年を通じて相当数あることが見込まれるものとして政令で定める場合に該当し、かつ、貿易の振興に資するため特に必要があるものとして財務大臣が定める場合に該当するものと認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、税関長は、政令で定めるところにより、当該構造改革特別区域に所在する同法第二十九条に規定する保税地域(同法第三十条第一項第二号の規定により税関長が指定した場所を含む。)に置かれている貨物その他これに準ずる貨物であると認めるものに係る同法第九十八条第一項の承認を受ける者が同法第百条第四号の規定により納付すべき手数料を軽減することができる。
(老人福祉法の特例)
第十八条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域の全部又は一部が属する特別養護老人ホーム不足区域(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百十八条第二項第一号の規定により都道府県が定める区域であって、当該区域における特別養護老人ホーム(老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第二十条の五に規定する特別養護老人ホームをいう。以下この条及び次条並びに別表第八号及び第九号において同じ。)の入所定員の総数が、同法第二十条の九第一項の規定により都道府県が定める都道府県老人福祉計画において定める当該区域の特別養護老人ホームの必要入所定員総数を下回る区域をいう。以下この条及び次条において同じ。)において特別養護老人ホームの設置を促進する必要があると認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、選定事業者(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成十一年法律第百十七号)第二条第五項に規定する選定事業者をいい、社会福祉法人(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人をいう。以下この条及び次条において同じ。)を除く。以下この条において同じ。)である法人は、老人福祉法第十五条第一項から第五項までの規定にかかわらず、当該構造改革特別区域内の特別養護老人ホーム不足区域(次条において「特定区域」という。)において、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この項において「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下この項において「中核市」という。)においては、当該指定都市又は中核市の長。以下この条において同じ。)の認可を受けて、特別養護老人ホームを設置することができる。
2 都道府県知事は、前項の認可の申請があったときは、老人福祉法第十七条第一項の規定により厚生労働大臣が定める基準に適合するかどうかを審査するほか、次に掲げる基準によって、その申請を審査しなければならない。
一 特別養護老人ホームを経営するために必要な経済的基礎があること。
二 特別養護老人ホームの経営者が社会的信望を有すること。
三 実務を担当する幹部職員が社会福祉事業に関する経験、熱意及び能力を有すること。
四 特別養護老人ホームの経理が他の経理と分離できる等その性格が社会福祉法人に準ずるものであること。
五 脱税その他不正の目的で特別養護老人ホームを経営しようとするものでないこと。
3 都道府県知事は、前項に規定する審査の結果、その申請が、同項に規定する基準に適合していると認めるときは、第一項の認可を与えなければならない。
4 都道府県知事は、前項の認可を与えるに当たって、特別養護老人ホームの適正な運営を確保するために必要と認める条件を付することができる。
5 老人福祉法第十五条第六項、第十五条の二第二項、第十六条第三項及び第四項、第十九条並びに附則第七条の規定の適用については、選定事業者である法人を社会福祉法人とみなす。この場合において、同法第十五条第六項中「第四項の認可の」とあるのは「構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十八条第一項の認可の」と、同項及び附則第七条第一項中「養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームの所在地」とあるのは「特別養護老人ホームの所在地」と、「養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームの入所定員」とあるのは「特別養護老人ホームの入所定員」と、同法第十五条第六項中「、第二十条の九第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県老人福祉計画において定めるその区域の養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームの必要入所定員総数に既に達しているか、又は当該申請に係る養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームの設置によつてこれを超えることになると認めるとき、」とあるのは「当該申請に係る特別養護老人ホームの設置によつて第二十条の九第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県老人福祉計画において定めるその区域の特別養護老人ホームの必要入所定員総数を超えることになると認めるとき」と、「第四項の認可を」とあるのは「構造改革特別区域法第十八条第一項の認可を」と、同法第十五条の二第二項中「前条第三項の規定による届出をし、又は同条第四項」とあるのは「構造改革特別区域法第十八条第一項」と、同法第十六条第四項中「前条第六項」とあるのは「構造改革特別区域法第十八条第五項の規定により読み替えて適用する第十五条第六項」と、同項、第十九条及び附則第七条中「養護老人ホーム又は特別養護老人ホーム」とあるのは「特別養護老人ホーム」と、同法第十九条第一項及び附則第七条第一項中「第十五条第四項」とあるのは「構造改革特別区域法第十八条第一項」と、同法第十九条第二項及び附則第七条第二項中「前項」とあるのは「構造改革特別区域法第十八条第五項の規定により読み替えて適用する前項」と、同法附則第七条第一項中「、第二十条の九第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県老人福祉計画において定めるその区域の養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームの必要入所定員総数に既に達しているか、又は当該養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームの設置によつてこれを超えることになると認めるとき、」とあるのは「当該特別養護老人ホームの設置によつて第二十条の九第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県老人福祉計画において定めるその区域の特別養護老人ホームの必要入所定員総数を超えることになると認めるとき」と読み替えるものとする。
第十九条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域の全部又は一部が属する特別養護老人ホーム不足区域において特別養護老人ホームの設置を促進する必要があると認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該地方公共団体は、老人福祉法第十五条第一項から第五項までの規定にかかわらず、特定区域において、その設置する特別養護老人ホームの設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例で定めるところにより、次に掲げる基準に適合すると認められる法人にその管理を委託することができる。
一 特別養護老人ホームを管理するために必要な経済的基礎があること。
二 特別養護老人ホームの管理者が社会的信望を有すること。
三 実務を担当する幹部職員が社会福祉事業に関する経験、熱意及び能力を有すること。
四 特別養護老人ホームの経理が他の経理と分離できる等その性格が社会福祉法人に準ずるものであること。
五 脱税その他不正の目的で特別養護老人ホームを管理しようとするものでないこと。
2 地方公共団体は、前項の規定により管理を委託するに当たって、特別養護老人ホームの適正な運営を確保するために必要と認める条件を付することができる。
(社会保険労務士法の特例)
第二十条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域が次の各号のいずれにも該当するものと認めて第四条第八項の規定による内閣総理大臣の認定(第六条第一項の規定による変更の認定を含む。以下この条において同じ。)を申請し、その認定を受けたときは、当該構造改革特別区域内に事務所を有する社会保険労務士であって厚生労働省令で定める要件に該当することについて当該地方公共団体を管轄する都道府県労働局長の認定を受けたものは、当該認定の日以後は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六条の規定にかかわらず、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二条第一項各号に掲げる事務のほか、当該構造改革特別区域内に居住する求職者又は労働者の求めに応じて、当該構造改革特別区域内に事業所を有する事業主との間の労働契約の締結、変更及び解除(別表第十号において「労働契約の締結等」という。)について当該求職者又は労働者の代理(弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条に規定する法律事件に関する代理を除く。)をすることを業とすることができる。
一 当該構造改革特別区域内において求人が相当数あるにもかかわらず、当該構造改革特別区域内の求職者が当該構造改革特別区域内において安定した職業に就くことが困難な状況にあること。
二 前号に該当する状態が相当期間にわたり継続することが見込まれるものとして厚生労働省令で定める状態にあること。
2 前項の規定により都道府県労働局長の認定を受けた場合においては、社会保険労務士法第十八条中「第二条」とあるのは、「第二条及び構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第二十条第一項」とする。
3 第一項の規定による認定を行った都道府県労働局長は、当該認定に係る社会保険労務士が同項に規定する厚生労働省令で定める要件に該当しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
(電気通信事業法の特例)
第二十一条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域の地理的条件等により、高度な電気通信回線設備(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号。以下この条において「事業法」という。)第六条第二項に規定する電気通信回線設備をいう。)を民間事業者が設置することがその経営上困難であると認められることから、当該構造改革特別区域における電気通信の健全な発達のために適切であるものとして、専ら卸電気通信役務(事業法第三十一条第一項に規定する卸電気通信役務をいう。別表第十一号において同じ。)を提供する第一種電気通信事業(事業法第六条第二項に規定する第一種電気通信事業をいう。別表第十一号において同じ。)を自ら営もうとして内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該地方公共団体に対する事業法並びに電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)、有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)、有線放送電話に関する法律(昭和三十二年法律第百五十二号)及び特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成十四年法律第二十六号)並びに政令で定めるその他の法令の規定の適用については、当該地方公共団体を事業法第九条第一項の許可を受けた者とみなす。ただし、事業法第三十九条の五及び事業法第三章の規定の適用については、この限りでない。
2 前項本文の認定を申請する地方公共団体は、総務省令で定めるところにより、事業法第九条第二項第二号から第四号までに掲げる事項を記載した書面を総務大臣に届け出なければならない。
3 第九条第一項の規定により第一項の認定が取り消された場合においては、当該取り消された認定を受けていた地方公共団体に対する事業法第三十九条の五の規定の適用については、同項ただし書の規定にかかわらず、当該地方公共団体を事業法第九条第一項の許可を受けた者とみなす。
(研究交流促進法の特例)
第二十二条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域内に科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する試験研究(以下この条において「研究」という。)のための活動の中核となる国の機関が所在し、かつ、当該国の機関が行う特定の分野に関する研究に係る状況が次の各号のいずれにも適合すると認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、研究交流促進法(昭和六十一年法律第五十七号)第十一条第一項中「密接に関連し、かつ、当該研究の効率的推進に特に有益である」とあるのは「関連する」と、「提供する」とあるのは「提供し、又は国有の試験研究施設を使用して行つた研究の成果を国に報告する」と、同条第二項中「共同して行う研究」とあるのは「共同して行う研究、国が現に行つている研究と密接に関連し、かつ、当該研究の効率的推進に特に有益である研究又は国が行つた研究の成果を活用する研究」と、「提供する」とあるのは「提供し、又は当該施設において行つた研究の成果を国に報告する」とする。
一 当該国の機関において当該特定の分野に関する研究に関する国以外の者との交流の実績が相当程度あり、かつ、その交流の一層の促進を図ることが当該特定の分野に関する研究の効率的推進に相当程度寄与するものであると認められること。
二 当該国の機関の周辺に、当該国の機関が行う当該特定の分野に関する研究と関連する研究を行う国以外の者の施設が相当程度集積するものと見込まれること。
(特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律及び市民農園整備促進法の特例)
第二十三条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域内に現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれる農地その他その効率的な利用を図る必要がある農地が相当程度存在するものと認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、別表第十三号に掲げる特定事業(以下この条において「第十三号事業」という。)の実施主体である地方公共団体及び農業協同組合以外の者が当該構造改革特別区域内にある次に掲げる農地について行う賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利の設定で、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律(平成元年法律第五十八号。以下「特定農地貸付法」という。)第二条第二項各号に掲げる要件に該当するものについては、これを同項に規定する特定農地貸付けとみなして、特定農地貸付法及び市民農園整備促進法(平成二年法律第四十四号)の規定を適用する。この場合において、特定農地貸付法第三条第一項中「地方公共団体又は農業協同組合は、特定農地貸付けを行おうとするときは」とあるのは「特定農地貸付けを行おうとする者は」と、特定農地貸付法第四条第一項中「前条第三項の承認を受けた者が」とあるのは「地方公共団体(都道府県を除く。)又は農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第四条第二項に規定する農地保有合理化法人(以下「農地保有合理化法人」という。)が構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第二十三条に規定する構造改革特別区域内にある農地について同条第二号に規定する第十三号事業対象農地貸付けの用に供するため所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合、前条第三項の承認を受けた者が」と、「取得する場合」とあるのは「取得する場合(同法別表第十三号に掲げる同法第二条第二項に規定する特定事業の同法第四条第二項第四号に掲げる実施主体にあっては、使用貸借による権利又は賃借権を取得する場合に限る。)」と、「同項の承認」とあるのは「前条第三項の承認」と、同条第二項中「並びに当該承認を受けた者が」とあるのは「、当該承認を受けた者が」と、「特定農地貸付けの用に供されていないもの」とあるのは「特定農地貸付けの用に供されていないもの並びに地方公共団体又は農地保有合理化法人が構造改革特別区域法第二十三条第二号に規定する第十三号事業対象農地貸付けの用に供すべきものとして使用及び収益を目的とする権利の設定又は移転を受けている農地で現に当該第十三号事業対象農地貸付けの用に供されていないもの」と、特定農地貸付法第六条中「承認を受けた者」とあるのは「承認を受けた者(構造改革特別区域法第二十三条第二号に掲げる農地にあっては、当該農地について同号に規定する第十三号事業対象農地貸付けを行った地方公共団体又は農地保有合理化法人)」とする。
一 第十三号事業の実施主体の所有に係る農地(当該実施主体が当該農地に係る特定農地貸付法第三条第三項の承認が取り消された後において当該農地の適切な利用を確保するための方法その他当該農地に係る第十三号事業の実施に当たって合意しておくべきものとして農林水産省令で定める事項を内容とする協定(次号において「第十三号事業実施協定」という。)を認定を受けた地方公共団体と締結しているものに限る。)
二 第十三号事業の実施主体が地方公共団体又は農地保有合理化法人から第十三号事業の用に供すべきものとして使用貸借による権利又は賃借権の設定(以下この号において「第十三号事業対象農地貸付け」という。)を受けている農地(当該実施主体が第十三号事業実施協定を認定を受けた地方公共団体及び当該第十三号事業対象農地貸付けを行う地方公共団体又は農地保有合理化法人と締結しているものに限る。)
(大規模小売店舗立地法の特例)
第二十四条 都道府県(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市を含む。以下この条において同じ。)が、その設定する構造改革特別区域が中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律(平成十年法律第九十二号)第七条第一項に規定する特定中心市街地の区域のうち大規模小売店舗立地法(平成十年法律第九十一号)第二条第二項に規定する大規模小売店舗の迅速な立地を促進することにより商業の活性化を図ることが特に必要な区域であるものと認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、大規模小売店舗立地法第五条第一項の規定による届出に係る大規模小売店舗の新設又は同法第六条第一項若しくは第二項の規定による届出(同法附則第五条第四項の規定により同法第六条第二項の規定による届出とみなされる同法附則第五条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による届出を含む。第七項及び附則第四条第一項において同じ。)に係る同法第五条第一項各号に掲げる事項の変更については、同法第五条第四項、第六条第四項、第八条及び第九条の規定は、適用しない。
2 市町村は、必要があると認めるときは、都道府県に対し、前項の構造改革特別区域に係る構造改革特別区域計画の案の内容となるべき事項を申し出ることができる。
3 都道府県は、第一項の構造改革特別区域に係る構造改革特別区域計画の案を作成しようとするときは、当該構造改革特別区域の存する市町村については、第四条第三項の規定にかかわらず、当該市町村と協議しなければならない。
4 都道府県は、第一項の構造改革特別区域に係る構造改革特別区域計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、公聴会の開催その他の住民等(第一項の構造改革特別区域内に居住する者、当該区域において事業活動を行う者、当該区域をその地区に含む商工会議所又は商工会その他の団体その他の当該構造改革特別区域計画の案について意見を有する者をいう。第六項において同じ。)の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
5 都道府県は、第一項の構造改革特別区域に係る構造改革特別区域計画についての認定を申請しようとするときは、あらかじめ、経済産業省令で定めるところにより、当該構造改革特別区域計画の案を公告し、当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
6 前項の規定による公告があったときは、住民等は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された構造改革特別区域に係る構造改革特別区域計画の案について、都道府県に意見を提出することができる。
7 第九条第一項の規定により第一項の認定が取り消された場合においては、当該取り消された認定を受けていた構造改革特別区域計画に定められている構造改革特別区域に係る大規模小売店舗立地法第五条第一項の規定による届出に係る大規模小売店舗の新設又は同法第六条第一項若しくは第二項の規定による届出に係る同法第五条第一項各号に掲げる事項の変更については、認定の取消し後においても、同法第五条第四項、第六条第四項、第八条及び第九条の規定は、適用しない。
(アルコール事業法の特例)
第二十五条 地方公共団体が設定する構造改革特別区域又はその周辺の地域における地域産業に係る使用済物品等(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成三年法律第四十八号)第二条第一項に規定する使用済物品等をいう。)又は副産物(同法第二条第二項に規定する副産物をいう。)であって主としてこれらの地域において回収されるものとして当該地方公共団体の長が指定したものについて、これを再生資源(同法第二条第四項に規定する再生資源をいう。別表第十五号において同じ。)として利用して、当該構造改革特別区域において製造事業者(アルコール事業法(平成十二年法律第三十六号)第三条第一項の許可を受けた者をいう。)が製造するアルコール(同法第二条第一項に規定するアルコールをいい、酒類の原料として不正に使用されるおそれのないものとして経済産業省令で定める要件に適合すると経済産業大臣が認めるものに限る。別表第十五号において同じ。)については、当該地方公共団体が内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、同法第九条、第十条、第二章第三節及び第四節並びに第三十五条から第三十七条までの規定は、適用しない。
第五章 構造改革特別区域推進本部
(設置)
第二十六条 構造改革の推進等に必要な施策を集中的かつ一体的に実施するため、内閣に、構造改革特別区域推進本部(以下「本部」という。)を置く。
(所掌事務)
第二十七条 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 構造改革特別区域基本方針の案の作成に関すること。
二 構造改革特別区域基本方針の実施を推進すること。
三 前二号に掲げるもののほか、構造改革の推進等に関する施策で重要なものの企画及び立案並びに総合調整に関すること。
(組織)
第二十八条 本部は、構造改革特別区域推進本部長、構造改革特別区域推進副本部長及び構造改革特別区域推進本部員をもって組織する。
(構造改革特別区域推進本部長)
第二十九条 本部の長は、構造改革特別区域推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。
2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
(構造改革特別区域推進副本部長)
第三十条 本部に、構造改革特別区域推進副本部長(次項及び次条第二項において「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。
2 副本部長は、本部長の職務を助ける。
(構造改革特別区域推進本部員)
第三十一条 本部に、構造改革特別区域推進本部員(次項において「本部員」という。)を置く。
2 本部員は、本部長及び副本部長以外のすべての国務大臣をもって充てる。
(資料の提出その他の協力)
第三十二条 本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、国の行政機関、地方公共団体及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるものをいう。)の代表者に対して、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
2 本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
(事務)
第三十三条 本部に関する事務は、内閣官房において処理し、命を受けて内閣官房副長官補が掌理する。
(主任の大臣)
第三十四条 本部に係る事項については、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
(政令への委任)
第三十五条 この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。
第六章 雑則
(規制の特例措置の見直し)
第三十六条 関係行政機関の長は、規制の特例措置の適用の状況について、定期的に調査を行うとともに、その結果について、本部に報告しなければならない。
2 関係行政機関の長は、前項の調査の結果及び地方公共団体その他の関係者の意見を踏まえ、必要な措置を講ずるものとする。
(主務省令)
第三十七条 この法律における主務省令は、当該規制について規定する法律及び法律に基づく命令(人事院規則、国家公安委員会規則、公正取引委員会規則、公害等調整委員会規則、司法試験管理委員会規則、公安審査委員会規則、中央労働委員会規則及び船員中央労働委員会規則を除く。)を所管する内閣府又は各省の内閣府令(告示を含む。)又は省令(告示を含む。)とする。ただし、人事院、国家公安委員会、公正取引委員会、公害等調整委員会、司法試験管理委員会、公安審査委員会、中央労働委員会又は船員労働委員会の所管に係る規制については、それぞれ人事院規則、国家公安委員会規則、公正取引委員会規則、公害等調整委員会規則、司法試験管理委員会規則、公安審査委員会規則、中央労働委員会規則又は船員中央労働委員会規則とする。
(命令への委任)
第三十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施に関し必要な事項は、命令で定める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第三章及び第四章の規定 平成十五年四月一日
二 附則第六条の規定 平成十六年一月一日
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(訓令又は通達に関する措置)
第三条 関係行政機関の長が発する訓令又は通達のうち構造改革特別区域に関するものについては、経済社会の構造改革の推進及び地域の活性化の必要性にかんがみ、この法律の規定に準じて、必要な措置を講ずるものとする。
(経過措置)
第四条 第二十四条第一項の構造改革特別区域に係る認定前にした大規模小売店舗立地法第五条第一項の規定による届出に係る大規模小売店舗の新設又は同法第六条第一項若しくは第二項の規定による届出に係る同法第五条第一項各号に掲げる事項の変更に係る行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
2 前項に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(内閣府設置法の一部改正)
第五条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
第四条第三項第三号の次に次の一号を加える。
三の二 構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第四条第一項に規定する構造改革特別区域計画の認定に関すること。
(司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律の一部改正)
第六条 司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律(平成十四年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。
附則第十八条の次に次の一条を加える。
(構造改革特別区域法の一部改正)
第十八条の二 構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)の一部を次のように改正する。
第三十七条中「、司法試験管理委員会規則」及び「、司法試験管理委員会」を削る。
別表(第二条関係)
番号 |
事業の名称 |
関係条項 |
一 |
三歳未満児に係る幼稚園入園事業 |
第十一条 |
二 |
農業者研修教育施設の長による無料職業紹介事業 |
第十二条 |
三 |
市町村費負担教職員任用事業 |
第十三条 |
四 |
特定埠頭運営効率化推進事業 |
第十四条 |
五 |
外国人研究者受入れ促進事業 |
第十五条 |
六 |
地方公共団体又は農地保有合理化法人による農地又は採草放牧地の特定法人への貸付け事業 |
第十六条 |
七 |
臨時開庁手数料の軽減による貿易の促進事業 |
第十七条 |
八 |
民間事業者による特別養護老人ホームの設置事業 |
第十八条 |
九 |
地方公共団体の設置する特別養護老人ホーム管理委託事業 |
第十九条 |
十 |
社会保険労務士を活用した労働契約の締結等に係る代理事業 |
第二十条 |
十一 |
地方公共団体による専ら卸電気通信役務を提供する第一種電気通信事業 |
第二十一条 |
十二 |
国有施設等の廉価使用の拡大による研究交流促進事業 |
第二十二条 |
十三 |
地方公共団体及び農業協同組合以外の者による特定農地貸付け事業 |
第二十三条 |
十四 |
中心市街地における商業の活性化事業 |
第二十四条 |
十五 |
再生資源を利用したアルコール製造事業 |
第二十五条 |
十六 |
前各号に掲げるもののほか、政令又は主務省令で定める事業 |
(内閣総理・総務・法務・財務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・国土交通大臣署名)