国際労働機関協力継続ニ関スル閣議決定
昭和8年2月20日 閣議決定
国際労働機関ニ関スル条項ハ対独平和条約第十三編（労働編）ニ挿入セラレ国際連盟規約ト全然別個ノ取扱ヲ受ケ居ル所ニシテ連盟カ著シク政治的性質ヲ帯フルニ反シ国際労働機関ハ社会的人道的性質ヲ帯フルノミナラス労働機関ハ連盟ニ対シ極メテ広汎ナル自治権ヲ有ス従テ帝国ニシテ連盟脱退ノ通告ヲ為スモ必然的ニ国際労働機関ト関係ヲ断タサル可カラサル理由アルモノト認ムルコトヲ得ス否寧ロ脱退完成後ニ於テモ同機関トノ協力ニ邁進シ平和確保ノ事業ニ翼賛スルコト賢明ナリト認ム、伯刺西爾及西班牙（後ニ連盟ニ復帰ス）ノ両国カ連盟脱退ノ通告ヲ発シタル後ニ於テモ依然トシテ国際労働機関ト協力ヲ継続スヘキ旨宣言シタルハ是等両国カ国際労働機関ノ特異性ヲ認メタルニ因ルモノト推察セラル