地位協定合意議事録第12条6関係における「軍紀の維持の撹乱を含む安全上の理由による解雇」の範囲について
昭和37年5月11日 閣議了解
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定についての合意された議事録第12条6関係における「軍紀の維持の撹乱を含む安全上の理由による解雇」の範囲を、別紙の内容により、在日合衆国軍隊との間で合意し基本労務契約および諸機関労務協約において必要な改定を行なうこととする。
別紙
解雇の範囲
一 軍紀の維持の撹乱を含む安全上の理由による解雇は、すべての保安解雇および三に掲げる違反行為に対する制裁措置として行なわれる制裁解雇とする。
二 調達庁および在日合衆国軍隊は、制裁解雇について争訟が提起された場合には、適当な期間(通常30日の期間)当該解雇が三に掲げる違反行為によるものであるかどうかすなわち軍紀の維持の撹乱を含む安全上の理由による解雇であるかどうかについて協議を行なうものとする。
三 軍紀の維持の撹乱に該当する違反行為
(1) 反抗
正当な、かつ、人命または財産に重大な影響を有する命令に従うことを拒否すること。
(2) 勤務中の徘徊
在日合衆国軍隊の安全および機密保持に重要な影響を持つ業務に直接関係を有する従業員が、勤務時間中許可なしに職務に関係なく行動し、その結果、人命または財産の安全に対する危険が大きいとき。前記の業務は、警備、消防、通信施設の運営、航空管制、船舶または航空機の修理、動力、配水、光熱および衛生に関する業務を含む施設管理、石油補給管理ならびに電気施設の維持である。
(3) 安全に関する慣行または規則の違反
安全に関する慣行または規則に従わないで、人命もしくは財産の安全に対する危険または保安に対する危険が大きいとき。
(4) 合衆国政府の財産,記録または情報の滅失、無許可使用または故意の破壊(政府の財産には諸機関の財産を含む。)減失または損失が重大であるとき、または大きな価値のある合衆国政府の財産の無許可使用のとき。
(5) 合衆国政府の財産の窃取。帯出または搬出およびその未遂
大きな価値のある合衆国政府財産の窃取、帯出または搬出およびその未遂
(6) 虚偽の陳述または表示
虚偽の表示、詐欺行為、偽造もしくは誇張(結果が重大なとき)誣告、公式の記録に関連して重要な事実を隠蔽すること、または公式の調査が行なわれている事実に関連して重要な事案を申し述べないこと。
(7) 秩序を乱す行為
他人に対する傷害、権限ある者に対する肉体的抵抗、士気業務もしくは規律の保持に悪影響を与える乱暴な行動またはみだらなもしくは不道徳な行為
(8) 麻薬の服用等
在日合衆国軍隊の施設および区域内における、習慣性麻酔剤、大麻、神経組織刺激剤(もしくはこれらを使用するための器具類)の使用、所持もしくは配布またはこれらのものを在日合衆国軍隊の施設および区域内に持ちこもうとすること。