石炭運賃の軽減対策について
昭和36年12月8日 閣議決定
1 国鉄運賃の延納対策
日本国有鉄道に係る石炭運賃の臨時特別措置に関する件(昭和36年6月13日付け閣議決定)の円滑なる実施を図るため、次のとおり措置するものとする。
(1) いわゆる大手炭鉱およびその系列下にある中小炭鉱の延納に伴う担保は、連帯保証によるものとし、その実施の具体的方法については国鉄と日本石炭協会が協議を進め、可及的すみやかに延納を実施するものとする。
(2) (1)の大手炭鉱等以外の中小炭鉱の延納に伴う担保は石炭鉱業合理化事業団(以下「事業団」という。)の保証によるものとする。そのため、事業団が債務保証をすることができるようにすみやかに所要の措置を講ずるものとするが、これに関連し、
(イ) 保証に伴う担保については、事業団は保証を受ける炭鉱から少なくとも人的担保をとるものとする。
(ロ) 保証を円滑に行わしめるため、国は事業団に対し、必要な助成措置を講ずるものとする。
(3) なお、事業団による保証を得られるまでの間の(2)の中小炭鉱の延納については、次の暫定措置を講ずるものとする。
(イ) 人的担保(法人にあっては代表者個人の連帯保証法人以外の者にあっては第三者の連帯保証)により延納を実施するものとするが、これによって生ずることのある国鉄の損失については事業団がその損失を補てんする。
(ロ) この暫定措置の実施は(1)の大手炭鉱等の連帯保証による延納措置の実施時期に極力合わせるものとする。
(4) この延納措置は、連絡運輸に係る国鉄運賃についても延納の対象とするよう可及的すみやかに措置する。
(5) (2)および(3)の措置を実施するため、事業団の業務として、国鉄に係る石炭運賃の延納債務(法改正前の延納債務を含む。)の保証および暫定措置に伴う国鉄の損失金の補てんを行うことができるように、石炭鉱業合理化臨時措置法の改正を行うものとする。
2 石炭運賃に係る通算制の採用
現在、国鉄、私鉄間の連絡運輸については、併算制または通算制のいずれかが採用されているが、石炭流通経費の軽減対策として、併算制を採用しているものについては、可及的すみやかに通算制に改めるよう措置する。
3 流通経費上昇の抑制
最近における石炭流通経費の上昇傾向にかんがみ、前記各項の措置と併行して、その上昇抑制方につき特別の配慮を加えるものとする。