国鉄があった時代
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国立国会図書館から引用

治水事業10カ年計画

昭和35年12月27日 閣議決定

 治山治水緊急措置法(昭和35年法律第21号)第3条に規定する治水事業前期5箇年計画および治水事業後期5箇年計画を次のとおり定める。

治水事業前期5カ年計画

1、事業の実施の目標
 治水事業の緊急かつ計画的な実施を促進し、国土の保全と開発を図り、もって国民生活の安定と向上に資するため、昭和35年度以降の10カ年間に、災害関連事業等を含めて9,200億円(昭和35年度以降の5カ年間に4,000億円、昭和40年度以降の5カ年間に5,200億円)の治水投資を行なう基本方針のもとに、昭和35年度以降の5カ年間において、治山治水緊急措置法第2条に規定する治水事業のうち事業効果より見て特に緊急を要するものにつき、治水事業前期5カ年計画として総額3,650億円に相当する事業を実施するものとする。
 この計画における事業種別ごとの事業の実施の目標は、次のとおりとする。
(1)河川
 河川改修事業については、河川の氾濫を防止し、流域の災害に対する安全度を高めるため、その促進を図るものとする。このうち特に重要な約100河川および北海道における開拓事業の促進上重要な河川の改修は、昭和35年度以降の約15カ年で完了することを目途として、国が直轄で施行すものとし、その他の河川の改修については、都道府県知事が、その規模に応じて中小河川改修事業、小規模河川改修事業および河川局部改良事業として、事業効果の大なるものから重点的に実施するものとする。また、主要な河川については、国が直轄で維持を行なうものとする。
 高潮対策事業および汚濁対策事業については、東京、大阪等の地域について重点的に実施するものとする。
(2)砂防等
 砂防事業については、荒廃の著しい渓流および土砂害の危険が予知される渓流について、山崩れ、土石流による水害の激化を防ぎ、河床の安定を図るため、特にその促進を図るものとする。このうち事業の規模および効果よりみて重要な約30水系60河川の砂防事業については、昭和35年度以降の約15カ年で完了することを目途として、国が直轄で施行するものとし、その他の河川の砂防事業については、都道府県知事が事業効果の大なるものから重点的に実施するものとする。
 地すべり等防止事業については、地すべり等による被害を除却し、または軽減するため、砂防事業と同様その促進を図るものとし、このうち特に規模が大であり、かつ国が直轄で施行する砂防事業と一体として施行する必要があるものについては、国が直轄で施行するものとする。
(3)多目的ダム
 多目的ダム建設事業については、河川改修事業と一体となって洪水処理を行ない、あわせて諸用水の需要の増大に対処するため、その推進を図るものとする。
 このうち特に重要な水系における大規模な多目的ダムの建設事業については、国が直轄で施行するものとし、その他の多目的ダムの建設事業については、都道府県知事が実施するものとする。
 2. 事業の量
 昭和35年度以降の5カ年間における治山治水緊急措置法第2条に規定する治水事業に関する事業の量は、おおむね次のとおりとする。
 (1) 河川改修等      2,040億円
 (2) 砂防等          730億円
 (3) 多目的ダム建設等    810億円
 (4) 建設機械整備       70億円
 なお、事業の実施にあたっては、河川流域の開発、災害および各事業の進捗の状況等を総合的に考慮するものとする。

治水事業後期5カ年計画

1. 事業の実施の目標
 昭和35年度以降の10カ年間に災害関連事業等を含めて9,200億円(昭和35年度以降の5カ年間に4,000億円、昭和40年度以降の5カ年間に5,200億円)の治水投資を行なう基本方針のもとに、治水事業前期5カ年計画に引き続き、昭和40年度以降の5カ年間において、治山治水緊急措置法第2条に規定する治水事業のうち事業効果よりみて緊急を要するものにつき、治水事業後期5カ年計画として総額4,850億円に相当する事業を実施するものとする。
 上記事業の内地分および北海道分は下表のとおりである。

(表)

2. 事業の量
 昭和40年以降の5カ年間における治山治水緊急措置法第2条に規定する事業の量は、おおむね次のとおりとする。
 (1) 河川改修等       2,760億円
 (2) 砂防等         1,040億円
 (3) 多目的ダム建設等     960億円
 (4) 建設機械整備        90億円
 なお、事業の実施にあたっては、河川流域の開発、災害および各事業の進捗の状況等を総合的に考慮するものとする。

昭和35年後半

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